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オイルミスト処理装置 - トヨタ自動車株式会社
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発明の名称 オイルミスト処理装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−9746(P2007−9746A)
公開日 平成19年1月18日(2007.1.18)
出願番号 特願2005−188790(P2005−188790)
出願日 平成17年6月28日(2005.6.28)
代理人 【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
発明者 長谷川 武志
要約 課題
ミスト分離部でのオイルミストの分離性能を高めつつ、内燃機関の運転中にオイル溜め部からオイルを排出させることのできるオイルミスト処理装置を提供する。

解決手段
オイルミスト処理装置は、ブローバイガス通路を流れるブローバイガスからオイルミストを分離させるミスト分離部と、分離されたオイルを一時的に溜めるオイル溜め部43と、オイル溜め部43のドレン孔44から排出されたオイルをクランク室に導くドレン通路45とを備える。オイルミスト処理装置はさらにチェック弁46及び弁駆動部50を備える。チェック弁46は、ドレン通路45でのオイルの流れについて、オイル溜め部43からクランク室へ向かう方向の流れのみを許容する。弁駆動部50は、エンジンの運転に伴い発生するクランク室内の圧力変動を利用してチェック弁46を駆動し、ドレン孔44が開放されたときにオイル溜め部43内のオイルをドレン通路45側へ排出させる。
特許請求の範囲
【請求項1】
内燃機関のクランク室及び吸気通路間をつなぐブローバイガス通路の途中に設けられ、同ブローバイガス通路を流れるブローバイガスからオイルミストを分離させるミスト分離部と、
前記ブローバイガス通路について前記ミスト分離部の下流側に設けられ、同ミスト分離部にて分離されたオイルを一時的に溜めるとともに、そのオイルを排出するためのドレン孔を有するオイル溜め部と、
前記ドレン孔から排出されたオイルを前記クランク室に導くドレン通路と
を備えるオイルミスト処理装置であって、
前記ドレン通路での前記オイルの流れについて、前記オイル溜め部から前記クランク室へ向かう方向の流れのみを許容するチェック弁と、
前記内燃機関の運転に伴う前記クランク室内の圧力変動を利用して前記チェック弁を駆動し、その駆動により前記ドレン孔が開放されたときに前記オイル溜め部内のオイルを前記ドレン通路側へ排出させる弁駆動部と
を備えることを特徴とするオイルミスト処理装置。
【請求項2】
前記チェック弁は、
前記オイル溜め部の外部から前記ドレン孔周りの弁座に接触及び離間して同ドレン孔を開閉する弁体と、
前記弁体を前記弁座側へ付勢する弾性部材と
を備える請求項1に記載のオイルミスト処理装置。
【請求項3】
前記弁駆動部は、
前記チェック弁を収容した状態で前記オイル溜め部及び前記ドレン通路間を連通させ、かつ前記ドレン孔を通じて前記オイル溜め部から排出されたオイルが一時的に貯留されることにより、そのオイルと前記ドレン孔との間に圧力室が形成される弁収容部を備え、
前記クランク室内の圧力変動に伴い前記ドレン通路及び前記圧力室間で生ずる圧力差により前記チェック弁を駆動するものである請求項1又は2に記載のオイルミスト処理装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関の作動に伴い発生するブローバイガスからオイルミストを分離してクランク室に戻すオイルミスト処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両等に搭載される内燃機関では、ピストンとシリンダとの隙間を通じてブローバイガス(未燃焼の混合気や燃焼ガス)が燃焼室からクランク室内に漏出する。そこで、クランク室及び吸気通路間をブローバイガス通路によりつなぎ、クランク室内のブローバイガスを、吸気負圧(大気圧を基準としてそれよりも低い圧力)によりブローバイガス通路及び吸気通路を通じて燃焼室に戻して再燃焼させることが行われる。
【0003】
しかし、ブローバイガスがクランク室等を通る際に、機関オイルが霧状となって混入する。この霧状のオイル(オイルミスト)を含んだブローバイガスが再燃焼されるとオイル消費量が増大する。そこで、内燃機関には、オイルミストがブローバイガスの流れに乗って吸気通路等へ持ち出されるのを抑制するために、ブローバイガスからオイルミストを分離してクランク室に戻すオイルミスト処理装置が設けられている。
【0004】
こうしたオイルミスト処理装置としては、ミスト分離部及びオイル溜め部を備えて構成されたものが一般的である。このオイルミスト処理装置では、オイルミストはミスト分離部を通過する際に液化され、ブローバイガスから分離される。分離された液状のオイルは、ブローバイガス通路のミスト分離部下流のオイル溜め部に一時的に溜められる。そして、オイルはオイル溜め部のドレン孔から排出され、ドレン通路を通ってクランク室に戻される。
【0005】
ところで、上記オイルミスト処理装置では、ミスト分離部でのオイルミストの分離性能を向上させようとすると圧力損失が大きくなり、ミスト分離部よりも下流では上流に比べて圧力が低くなる。オイル溜め部では吸気負圧が作用しているところ、上記圧力損失によりさらに吸気負圧が強くなる。この強まった吸気負圧により、オイルがドレン孔及びドレン通路を通じてクランク室へ排出されにくくなる。また、上記吸気負圧がドレン孔を通じてドレン通路やクランク室に作用した場合には、オイルがドレン通路を通りクランク室からオイル溜め部側へ向けて逆流するおそれもある。その結果、ミスト分離部で分離されたオイルがオイル溜め部からドレン通路へ排出されることなく溜まってゆく。従って、オイルの排出性能を確保しようとすると、上記のようにミスト分離部でのオイルミストの分離性能を高めるにも限度がある。
【0006】
これに対しては、ドレン通路にチェック弁を設け、そのドレン通路でのオイルの流れ方向を一方向に規制すること、すなわち、オイル溜め部からクランク室へ向けては流れるが、その逆方向には流れないようにすることが考えられる。例えば、特許文献1では、オイル溜め部の底部の直下にオイル排出室が設けられ、このオイル排出室にドレン通路が接続されている。上記底部には、オイル溜め部とオイル排出室とを連通させるオイル排出孔があけられており、このオイル排出孔がチェック弁(ポペット弁)によって開閉される。チェック弁は、オイル溜め部の底部に挿通されたロッド部と、そのロッド部の下端に形成された傘状部とを備えて構成されている。
【0007】
上記特許文献1のオイルミスト処理装置によると、内燃機関の運転中には、吸気負圧によりチェック弁が吸引され、傘状部によってオイル排出孔が塞がれる。そのため、分離されたオイルがオイル溜め部に溜められ、またクランク室側からオイル溜め部側へのオイルの逆流が規制される。これに対し、内燃機関の運転が停止されると、オイル溜め部に溜められたオイルの自重によりチェック弁が押し下げられ、傘状部によって閉鎖されていたオイル排出孔が開放される。そのため、オイル溜め部内のオイルはオイル排出孔からオイル排出室に排出され、その後、ドレン通路を通ってクランク室に戻される。
【特許文献1】特開平7−259530号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところが、上記特許文献1に記載されたオイルミスト処理装置では、内燃機関の運転中に吸気負圧がオイル溜め部に作用し、その吸気負圧が内燃機関の停止に伴って作用しなくなることを利用して、チェック弁を駆動してオイル排出孔を閉鎖及び開放させるようにしている。そのため、チェック弁を押し下げてオイル排出孔を開放させ、オイル溜め部内のオイルを排出させることのできる期間が内燃機関の停止中に限られる。内燃機関の運転中には、チェック弁によってオイル排出孔が閉鎖され、オイルがオイル排出孔から排出されることなくオイル溜め部に溜まってゆく。従って、内燃機関の運転中にオイル溜め部内のオイルを排出させたいという要求には応えることができない。
【0009】
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、ミスト分離部でのオイルミストの分離性能を高めつつ、内燃機関の運転中にオイル溜め部からオイルを排出させることのできるオイルミスト処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明では、内燃機関のクランク室及び吸気通路間をつなぐブローバイガス通路の途中に設けられ、同ブローバイガス通路を流れるブローバイガスからオイルミストを分離させるミスト分離部と、前記ブローバイガス通路について前記ミスト分離部の下流側に設けられ、同ミスト分離部にて分離されたオイルを一時的に溜めるとともに、そのオイルを排出するためのドレン孔を有するオイル溜め部と、前記ドレン孔から排出されたオイルを前記クランク室に導くドレン通路とを備えるオイルミスト処理装置であって、前記ドレン通路での前記オイルの流れについて、前記オイル溜め部から前記クランク室へ向かう方向の流れのみを許容するチェック弁と、前記内燃機関の運転に伴う前記クランク室内の圧力変動を利用して前記チェック弁を駆動し、その駆動により前記ドレン孔が開放されたときに前記オイル溜め部内のオイルを前記ドレン通路側へ排出させる弁駆動部とを備えるとする。
【0011】
上記の構成によれば、ブローバイガス中のオイルミストは、ブローバイガス通路に設けられたオイルミスト処理装置によって次のように処理される。オイルミストはまずミスト分離部において液化されてブローバイガスから分離される。分離された液状のオイルは、ミスト分離部下流のオイル溜め部に一時的に溜められる。このオイルは、ドレン孔及びドレン通路を通じてクランク室に排出可能である。
【0012】
ここで、オイル溜め部では吸気負圧が作用しているところ、ミスト分離部での圧力損失が大きいと、ブローバイガス通路のミスト分離部よりも下流では上流よりも圧力が低くなり、上記吸気負圧が一層強くなる。この際、ドレン孔及びドレン通路がともに開放されていると、ドレン通路を通じてクランク室からオイルがオイル溜め部側へ逆流するおそれがある。この点、請求項1に記載の発明ではチェック弁が設けられていて、ドレン通路でのオイルの流れ方向がチェック弁によって一方向に制限される。この制限により、オイルが、ドレン通路をオイル溜め部からクランク室へ向けて流れることはできるが、その逆方向に流れることはできない。従って、ミスト分離部におけるオイルミストの分離性能を高めると、圧力損失が大きくなってオイル溜め部内の吸気負圧が一層強くなるが、上記のようにチェック弁によってオイルの流れる方向が制限されることで、オイルがドレン通路内を逆流する現象が起こりにくくなる。そのため、オイルの排出性能を確保しつつミスト分離部でのオイルミストの分離性能を高めることが可能となる。
【0013】
一方、内燃機関の運転時にはピストンの往復動に伴いクランク室内の圧力が変動するところ、この圧力変動が弁駆動部により上記チェック弁の駆動に利用される。チェック弁が駆動されてドレン孔が開放されたときに、オイル溜め部に溜められていたオイルがドレン孔から排出される。排出されたオイルはドレン通路を通じてクランク室に戻される。
【0014】
このように、請求項1に記載の発明によれば、ミスト分離部でのオイルミストの分離性能を高めつつ、内燃機関の運転中にオイル溜め部からオイルを排出させることができる。
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、前記チェック弁は、前記オイル溜め部の外部から前記ドレン孔周りの弁座に接触及び離間して同ドレン孔を開閉する弁体と、前記弁体を前記弁座側へ付勢する弾性部材とを備えるとする。
【0015】
上記の構成によれば、ドレン通路内をオイルがクランク室からオイル溜め部へ向けて流れようとすると、チェック弁では弁体が弁座に接触してドレン孔が閉鎖される。この閉鎖により、オイルが上記方向(クランク室からオイル溜め部へ向かう方向)に流れることが規制される。これとは逆に、ドレン通路内をオイルがオイル溜め部からクランク室へ向けて流れようとすると、チェック弁では弾性部材に抗して弁体が弁座から離れてドレン孔が開放される。この開放により、オイルが上記方向(オイル溜め部からクランク室へ向かう方向)に流れることが可能となる。
【0016】
請求項3に記載の発明では、請求項1又は2に記載の発明において、前記弁駆動部は、前記チェック弁を収容した状態で前記オイル溜め部及び前記ドレン通路間を連通させ、かつ前記ドレン孔を通じて前記オイル溜め部から排出されたオイルが一時的に貯留されることにより、そのオイルと前記ドレン孔との間に圧力室が形成される弁収容部を備え、前記クランク室内の圧力変動に伴い前記ドレン通路及び前記圧力室間で生ずる圧力差により前記チェック弁を駆動するものであるとする。
【0017】
上記の構成によれば、オイル溜め部及び弁収容部の各底部にオイルが溜められた状態で、クランク室内の圧力変動により、ドレン通路の圧力が圧力室内の圧力よりも高くなると、ドレン通路内の気体(空気)が弁収容部内のオイルを通って圧力室内に入り込む。圧力室内の圧力が高くなってドレン通路内の圧力に近づこうとする。
【0018】
上記の状態からクランク室内の圧力変動により、ドレン通路内の圧力が上記圧力室内の圧力よりも低くなると、その圧力差により同弁収容部内のオイルの少なくとも一部がドレン通路に押し出される。この押し出しに伴い弁収容部内のオイルが一時的に少なくなり、圧力室の容積が大きくなって圧力室内の圧力が低下する。チェック弁が開駆動されてドレン孔が開放され、オイル溜め部の底部に溜められたオイルの少なくとも一部がドレン孔から排出されて弁収容部内に流入する。これに伴い圧力室の容積が減少して、その圧力室内の圧力が上昇してチェック弁が閉駆動される。ドレン孔が閉鎖され、オイル溜め部内のオイルのドレン孔を通じた排出が停止して、ミスト分離部にて分離されたオイルがオイル溜め部に溜められる。圧力室内の圧力がドレン通路の圧力と釣り合うことで、オイルが弁収容部内に貯められた状態に保持される。このように、クランク室内の圧力変動に伴い、チェック弁が開閉されるとともに、オイル溜め部のオイルがドレン通路を通じてクランク室へ戻される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明を具体化した一実施形態について図面を参照して説明する。
車両には、図1に示すように、内燃機関としてガソリンエンジン(以下、単にエンジンという)11が搭載されている。エンジン11は、複数の気筒(シリンダ)12を有するシリンダブロック13を備えている。シリンダブロック13の下側にはクランクケース14及びオイルパン(図示略)が取付けられ、上側にはシリンダヘッド15が取付けられている。各シリンダ12内にはピストン16が往復動可能に収容されている。各ピストン16は、コネクティングロッド17を介し、エンジン11の出力軸であるクランクシャフト18に連結されている。そのため、各ピストン16が往復動すると、その動きはコネクティングロッド17によって回転運動に変換された後、クランクシャフト18に伝達される。
【0020】
シリンダ12毎の燃焼室19には、吸気通路21及び排気通路22がそれぞれ接続されており、エンジン11の外部の空気が吸気通路21を通じて燃焼室19内に吸入されるとともに、燃焼室19内で生じた排気が排気通路22へ排出される。シリンダヘッド15には、吸気通路21及び燃焼室19間を開閉する吸気バルブ23と、排気通路22及び燃焼室19間を開閉する排気バルブ24とがそれぞれ往復動可能に設けられている。吸気バルブ23の上方には吸気カムシャフト25が設けられ、排気バルブ24の上方には排気カムシャフト26が設けられている。これらの吸・排気両カムシャフト25,26は、プーリ、ベルト等によりクランクシャフト18に駆動連結されており、そのクランクシャフト18に連動して回転する。吸気バルブ23は吸気カムシャフト25によって駆動され、排気バルブ24は排気カムシャフト26によって駆動される。
【0021】
吸気通路21の途中にはスロットルバルブ27が回動可能に設けられている。スロットルバルブ27にはモータ等のアクチュエータ28が駆動連結されている。吸気通路21を流れる空気の量は、スロットルバルブ27の角度(スロットル開度)に応じて変化する。なお、スロットル開度は、運転者によって操作されるアクセルペダルの踏込み量等に応じてアクチュエータ28が駆動されることにより調整される。
【0022】
エンジン11には、燃料噴射弁29が各シリンダ12に対応して取付けられている。各燃料噴射弁29には、燃料ポンプ(図示略)から吐出された高圧の燃料が供給される。各燃料噴射弁29は開閉制御されることにより、対応する燃焼室19に高圧燃料を直接噴射供給する。噴射された燃料は、燃焼室19内の空気と混ざり合って混合気となる。
【0023】
なお、上記のように燃料噴射弁29から燃焼室19内に直接燃料が噴射されて混合気が生成されるエンジン11は、一般に筒内噴射式エンジンと呼ばれる。このタイプに代えて、ポート噴射式エンジンが本発明の適用対象とされてもよい。このタイプのエンジンでは、吸気通路21の途中に配置された燃料噴射弁から吸気ポート下流に向けて燃料が噴射される。この燃料は、吸気通路21を流れる空気と混ざり合って混合気となる。
【0024】
エンジン11には点火プラグ31が各シリンダ12に対応して取付けられている。そして、混合気は点火プラグ31の火花放電によって着火され、燃焼する。このときに生じた高温高圧の燃焼ガスによりピストン16が往復動され、クランクシャフト18が回転されて、エンジン11の駆動力(出力トルク)が得られる。燃焼ガスは、排気バルブ24の開弁にともない排気通路22に排出される。
【0025】
上記エンジン11では、圧縮行程及び膨張行程で、シリンダ12とピストン16との隙間からクランク室32にガスが漏出する。クランク室32は、クランクシャフト18が収容されている空間であり、詳しくはクランクケース14及びオイルパンによって囲まれた空間である。上記ガスは圧縮行程で漏出する混合気、膨張行程で漏出する燃焼ガス等からなり、ブローバイガスと呼ばれる。ブローバイガスはエンジンオイルを劣化させ、エンジン11の内部を錆させる原因となり得る。
【0026】
そこで、クランク室32と、吸気通路21のスロットルバルブ27よりも下流とをブローバイガス通路33によってつなぎ、スロットルバルブ27の下流で発生する負圧(吸気負圧)をブローバイガス通路33を通じてクランク室32に作用させるようにしている。ここでの負圧は、大気圧を基準としてそれよりも低い圧力を指す。この吸気負圧により、ブローバイガスをブローバイガス通路33及び吸気通路21を通じて燃焼室19に戻して再燃焼させるようにしている。ブローバイガス通路33の途中には、エンジン11の運転状態、例えばエンジン負荷等に応じてブローバイガスの流量を調整するための調整弁として、PCVバルブ34が設けられている。
【0027】
ところで、ブローバイガスがクランク室32等を通る際にエンジンオイルが霧状(オイルミスト)となってブローバイガスに混入する。このオイルミストを含んだブローバイガスが再燃焼されるとオイル消費量が増大する。そこで、オイルミスト処理装置35を設け、ブローバイガスからオイルミストを分離・回収するようにしている。
【0028】
このオイルミスト処理装置35は、図1及び図2に示すようにミスト分離部36、オイル溜め部43、ドレン通路45、チェック弁46及び弁駆動部50を備えて構成されている。ミスト分離部36は、ブローバイガス通路33のPCVバルブ34よりも上流であってクランク室32よりも下流に設けられている。
【0029】
ミスト分離部36には、ブローバイガス及びオイルミストの流入口37及び流出口38が設けられている。また、ブローバイガスからオイルミストを分離する方式としては、慣性衝突式、ラビリンス式等が代表的であるが、ここでは慣性衝突式のミスト分離部36が採用されて、絞り壁39と慣性衝突壁41とが設けられている。慣性衝突壁41はミスト分離部36の最下流部に設けられており、その下端縁はミスト分離部36の底部から離間している。慣性衝突壁41の下端縁とミスト分離部36の底部との間の空間は、上述したブローバイガス及びオイルミストの流出口38を構成している。絞り壁39は、ミスト分離部36内において、上記慣性衝突壁41の上流近傍に配置されている。この絞り壁39において、上記流出口38と対応しない箇所、図1では絞り壁39の上下方向についてのほぼ中央部には、孔42があけられている。この孔42は、ブローバイガス及びオイルミストがここを通過する際に流速を上昇させるためのものであり、ミスト分離部36における他の箇所よりも小さな流路面積を有している。
【0030】
オイル溜め部43は、ブローバイガス通路33の上記ミスト分離部36の下流側、より正確には上記慣性衝突壁41を隔ててミスト分離部36の隣りに設けられている。オイル溜め部43は、上記流出口38を介してミスト分離部36と連通している。オイル溜め部43の下半部は、下側ほど縮径する漏斗状に形成されている。オイル溜め部43の最下部(底部)には、オイルを排出するためのドレン孔44が開口されている。
【0031】
なお、上記ミスト分離部36及びオイル溜め部43は、例えばシリンダヘッドカバー内に設けられる。また、上記PCVバルブ34はオイル溜め部43の上部に取付けられている。
【0032】
ドレン通路45はドレン孔44から排出されたオイルをクランク室32へ戻すための通路であり、オイル溜め部43及びクランク室32間を連通させた状態で接続している。チェック弁46及び弁駆動部50は、オイル溜め部43の下側、表現を変えると、ドレン通路45のオイル溜め部43との接続部分に設けられている。
【0033】
チェック弁46は、ドレン通路45でのオイルの流れについて、オイル溜め部43からクランク室32への流れのみを許容するためのものであり、弁座47、弁体48及び弾性部材を備えて構成されている。弁座47は円環状をなし、オイル溜め部43の下面であってドレン孔44の周りに設けられている。弁体48は球体からなり、かつオイル溜め部43の外部、すなわち下方から上記弁座47に接触及び離間してドレン孔44を開閉する。弾性部材は、弁体48を弁座47側へ付勢するためのものであり、ここではコイルばね49が用いられている。
【0034】
上記構成のチェック弁46では、ドレン通路45内をオイルがクランク室32からオイル溜め部43へ向けて流れようとすると、コイルばね49によって付勢された弁体48が弁座47に接触してドレン孔44が閉鎖される。この閉鎖により、オイルが上記方向(クランク室32からオイル溜め部43へ向かう方向)に流れることが規制される。これとは逆に、ドレン通路45内をオイルがオイル溜め部43からクランク室32へ向けて流れようとすると、コイルばね49に抗して弁体48が弁座47から離れてドレン孔44が開放される。この開放により、オイルが上記方向(オイル溜め部43からクランク室32へ向かう方向)に流れることが可能となる。
【0035】
弁駆動部50は、上記チェック弁46をエンジン11の運転中に駆動してドレン孔44を積極的に開閉させるためのものであり、オイル溜め部43の底部の下側に設けられた有底筒状の弁収容部51を備えている。弁収容部51内には、上述したチェック弁46の構成部品である弁体48及びコイルばね49が収容されている。
【0036】
弁収容部51の底部には開口部52が設けられており、この開口部52において上記ドレン通路45が弁収容部51に接続されている。従って、オイル溜め部43とドレン通路45とは、弁収容部51を介して相互に連通していることとなり、オイル溜め部43内のオイルがこの弁収容部51を経由してドレン通路45へ排出可能である。この経由には、オイルが弁収容部51内に一時的にとどまる状態も含まれる。
【0037】
弁収容部51内において、一時的にとどまっているオイルよりも上方の空間は、クランク室32内の圧力変動(脈動)に応じて圧力の変化する圧力室53となっている。このクランク室32内の圧力変動は、エンジン11の運転時におけるシリンダ12内でのピストン16の往復動によるものである。すなわち、ピストン16がシリンダ12内を下降するとクランク室32内の気体(ブローバイガスや空気)が圧縮されて圧力が高くなる。これに対し、ピストン16がシリンダ12内を上昇すると、クランク室32内の気体が膨張して圧力が低下する。従って、エンジン11の運転中には、ピストン16の往復動に連動してクランク室32内の圧力が、図3に示すような上昇及び下降からなるサイクルを繰り返す。この圧力変動がドレン通路45を介して上記圧力室53に伝わって、同圧力室53内の圧力が変化する。
【0038】
次に、上記のように構成された本実施形態のオイルミスト処理装置35の作用について説明する。
エンジン11の運転時において、ピストン16が下降して空気が燃焼室19に吸引される吸気行程では、吸気通路21のスロットルバルブ27下流での圧力(吸気圧)が大気圧よりも低くなる(負圧となる)。この負圧(吸気負圧)がブローバイガス通路33、PCVバルブ34、オイル溜め部43、ミスト分離部36等を通じてクランク室32に作用する。このため、エンジン11の作動に伴い発生したブローバイガスは、オイルミストを含んだ状態で、クランク室32からミスト分離部36、オイル溜め部43、PCVバルブ34及びブローバイガス通路33を通じて吸気通路21に吸引される。
【0039】
詳しくは、ミスト分離部36では、オイルミストを含んだブローバイガスは流入口37から流出口38に向けて、絞り壁39の孔42、慣性衝突壁41の順に流れる。絞り壁39の孔42では、他の箇所よりも流路面積が小さいことから、ブローバイガス及びオイルミストの流速はこの孔42を通る際に高められる。この流速の上昇したブローバイガス及びオイルミストが慣性衝突壁41に勢いよく衝突することでオイルミストが液化して、ブローバイガスから効率よく分離される。分離された液状のオイルは慣性衝突壁41から垂下し、流出口38を経由してオイル溜め部43へ移る。オイル溜め部43では、上記オイルは漏斗状の部分を流下し底部に集められる。このオイルは、ドレン孔44、弁収容部51及びドレン通路45を通じてクランク室32へ排出可能である。
【0040】
ここで、ブローバイガス及びオイルミストがミスト分離部36(絞り壁39、流出口38等)を通過する際には圧力損失が生じ、同ミスト分離部36を通過した後には通過する前よりも圧力が低くなる。従って、オイル溜め部43内の圧力はミスト分離部36の上流よりも一層低くなる(負圧が一層強くなる)。この際、仮にチェック弁46が設けられておらずドレン孔44が常時開放されているとすると、上記吸気負圧がドレン通路45を通じてクランク室32にも作用し、同クランク室32内のオイルがドレン通路45を通ってオイル溜め部43側へ逆流するおそれがある。
【0041】
この点、本実施形態では、ドレン孔44及びドレン通路45間に弁収容部51が設けられ、ここにチェック弁46が収容されている。このチェック弁46では、ドレン通路45内をオイルがクランク室32からオイル溜め部43へ向けて流れようとすると、弁体48が弁座47に接触することでドレン孔44が閉鎖される。この閉鎖により、オイルがクランク室32からオイル溜め部43へ向かう方向に逆流することが規制される。
【0042】
一方、エンジン11の運転時には、上述したようにピストン16の往復動に伴いクランク室32(ドレン通路45)内の圧力P1が変動するところ、その変動に連動してチェック弁46が次のようにして開閉駆動される。
【0043】
図2は、弁体48が弁座47に接触してドレン孔44を閉鎖し、ドレン通路45内の圧力P1と圧力室53内の圧力P2とが釣り合っている状態を示している。この状態では、ドレン孔44の閉鎖によりオイル溜め部43の底部にオイル54が溜められ、また、圧力P1,P2が釣り合っていることから弁収容部51内にオイル55が溜められている。
【0044】
この状態から、クランク室32内の圧力変動によりドレン通路45内の圧力P1が上昇して圧力室53内の圧力P2よりも高くなると、その圧力差により、図4に示すようにドレン通路45内の気体(空気)の一部が気泡56となって、弁収容部51内のオイル55を通って、圧力室53内に入り込む。これに伴い圧力室53内の圧力P2が上昇してドレン通路45内の圧力P1に近づく。圧力P2が圧力P1と釣り合った状態では、オイル55は依然として弁収容部51内に溜まっている。また、ドレン孔44は弁体48により閉鎖されており、オイル54は依然としてオイル溜め部43の底部に溜まっている。
【0045】
上記の状態からクランク室32内の圧力変動によりドレン通路45内の圧力P1が降下して圧力室53内の圧力P2よりも低くなると、その圧力差により図5に示すように、弁収容部51内のオイル55の少なくとも一部が開口部52から押し出される。このオイル55は、ドレン通路45を流下してクランク室32に戻される。
【0046】
上記押し出しに伴い弁収容部51内のオイル55が一時的に少なくなり、圧力室53の容積が大きくなって圧力P2が低下する。このときには、弁収容部51内のオイル55が慣性によりドレン通路45へ流れ続けようとするため、圧力室53の圧力P2がより低くなる傾向にある。この圧力P2の低下によりチェック弁46の弁体48が下方へ引かれ、同弁体48がコイルばね49を圧縮させながら弁座47から一時的に離れる。ドレン孔44が開放され、オイル溜め部43の底部のオイル54の少なくとも一部がドレン孔44から排出されて弁収容部51内に流入する。これに伴い圧力室53の容積が減少して圧力P2が上昇して弁体48が弁座47に接触する。ドレン孔44が閉鎖され、オイル溜め部43内のオイル54のドレン孔44を通じた排出が停止され、ミスト分離部36にて分離されたオイルがオイル溜め部43に溜められる。また、圧力P2が圧力P1と釣り合うことで、オイル55が弁収容部51内に貯められた状態に保持される。このようにして、上述した図2の状態に戻る。
【0047】
以降、上記図2、図4及び図5を1つのサイクルとして、クランク室32内の圧力変動に伴いチェック弁46が開閉駆動され、オイル溜め部43内のオイル54の排出が行われる。
【0048】
なお、ミスト分離部36にてオイルミストが分離されてオイルの含有量の少なくなったブローバイガスは、上記流出口38を通過した後にオイル溜め部43に流入する。同ブローバイガスはPCVバルブ34からオイル溜め部43の外部へ流出した後、ブローバイガス通路33及び吸気通路21を通って燃焼室19へ吸引される。この際、オイル溜め部43からブローバイガス通路33へ流出するブローバイガスの量はPCVバルブ34によって調整される。
【0049】
以上詳述した本実施形態によれば、次の効果が得られる。
(1)ドレン孔44及びドレン通路45間に、オイル溜め部43の外部からドレン孔44周りの弁座47に接触及び離間してドレン孔44を開閉する弁体48と、弁体48を弁座47側へ付勢するコイルばね49とを備えるチェック弁46を設けている。このチェック弁46により、ドレン通路45でのオイルの流れ方向を、オイル溜め部43からクランク室32へ向かう一方向に制限するようにしている。
【0050】
従って、ミスト分離部36におけるオイルミストの分離性能を高めると、圧力損失が大きくなってオイル溜め部43内の吸気負圧が一層低くなるが、チェック弁46によってオイルの流れる方向を制限することで、クランク室32内のオイルがドレン通路45を通ってオイル溜め部43側へ逆流するのを規制することができる。そのため、オイルの排出性能を確保しつつ、絞り壁39の孔42の径を小さくする等してミスト分離部36でのオイルミストの分離性能を高めることが可能となる。
【0051】
(2)チェック弁46を駆動するために、そのチェック弁46を収容した状態でオイル溜め部43及びドレン通路45間を連通させる弁収容部51を設けている。ドレン孔44を通じてオイル溜め部43から排出されたオイルを弁収容部51内に一時的に貯留させることにより、そのオイル55とドレン孔44との間に圧力室53を形成するようにしている。そして、エンジン11の運転に伴うクランク室32内の圧力変動(脈動)を利用し、その圧力変動に伴いドレン通路45及び圧力室53間で生ずる圧力差によりチェック弁46を駆動するようにしている。
【0052】
このため、クランク室32内の圧力変動に連動してチェック弁46を開閉させることができる。この開閉により、オイル溜め部43内のオイル54を一時的に弁収容部51の底部に貯留させた後、ドレン通路45を通じてクランク室32に戻すことができる。従って、オイル溜め部内のオイルを排出させることのできる期間がエンジンの停止中に限られる特許文献1に記載のオイルミスト処理装置とは異なり、エンジン11の運転中にオイル溜め部43内のオイル54を排出させたいという要求に応えることができる。
【0053】
(3)特許文献1では、エンジンが停止しても、オイルの経時劣化による粘性増大によりチェック弁(ポペット弁)が固着した場合、貯留されたオイルの重量のみによってチェック弁を十分に開弁させることのできないおそれがある。この点、本実施形態では、クランク室32内の圧力変動を利用してチェック弁46を積極的に駆動するようにしている。そのため、上記のようにオイルの粘性が増大した場合であってもチェック弁46を確実に開弁させて、ドレン孔44を開放させることができる。
【0054】
(4)チェック弁46を駆動するために、エンジン11の運転に伴い生ずるクランク室32の圧力変動を利用している。そのため、チェック弁46を駆動するために特別な駆動源を確保しなくてもすむ。
【0055】
なお、本発明は次に示す別の実施形態に具体化することができる。
・オイル溜め部43の底部とクランク室32とを複数のドレン通路45によってつなぎ、ドレン通路45毎にチェック弁46及び弁駆動部50を設けてもよい。
【0056】
・弁収容部51内のオイル55がドレン通路45へ流れる際の慣性力が大きいほど圧力室53内の圧力P2が低くなり、オイル溜め部43内のオイル54が弁収容部51内へ効率よく排出される。従って、こうした効果を得るうえでは、開口部52及びドレン通路45の流路面積を小さくすることで、オイル55の慣性力を大きくすることが望ましい。
【0057】
・ミスト分離部として、上記実施形態における慣性衝突式に代え、ラビリンス式を採用してもよい。ラビリンス式のミスト分離部は、ブローバイガスの流路の途中に、その流路を蛇行状に仕切る複数の仕切壁を備えている。このタイプのミスト分離部では、オイルミストが仕切壁に沿って蛇行しながら流れる途中で仕切壁に付着して液化し、ブローバイガスから分離される。
【0058】
上述したように、上記実施形態では、圧力損失が大きくてもドレン通路45でのオイルの逆流を抑制することができる。このことから、ラビリンス式のミスト分離部では、仕切壁の数を多くしたり、複雑な経路としたりする等してオイルミストの分離性能を高めることができる。
【0059】
・弾性部材として、上記コイルばね49とは異なるばねを用いてもよいし、また、ばね以外の弾性体を用いてもよい。要は、弾性を有し、弁体48を弁座47側へ付勢するものであればよい。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明を具体化した一実施形態におけるオイルミスト処理装置の概略構成図。
【図2】図1におけるA部の内部を拡大して示す断面図。
【図3】クランク室内の圧力変動を示す特性図。
【図4】図2に対応する図であり、クランク室内の圧力が上昇したときの弁駆動部の状態を示す断面図。
【図5】図2に対応する図であり、クランク室内の圧力が降下したときの弁駆動部の状態を示す断面図。
【符号の説明】
【0061】
11…ガソリンエンジン(内燃機関)、21…吸気通路、32…クランク室、33…ブローバイガス通路、35…オイルミスト処理装置、36…ミスト分離部、43…オイル溜め部、44…ドレン孔、45…ドレン通路、46…チェック弁、47…弁座、48…弁体、49…コイルばね(弾性部材)、50…弁駆動部、51…弁収容部、53…圧力室、54,55…オイル。




 

 


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