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発明の名称 エンジンのシリンダブロック
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−9741(P2007−9741A)
公開日 平成19年1月18日(2007.1.18)
出願番号 特願2005−188784(P2005−188784)
出願日 平成17年6月28日(2005.6.28)
代理人 【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
発明者 大垣 重郎 / 大村 清治
要約 課題
マグネシウム合金の採用による軽量化をより好適な態様で行うことのできるエンジンのシリンダブロックを提供する。

解決手段
シリンダブロック12は、シリンダの形成されるシリンダ部21と、クランクケースの形成されるスカート部41とに分割されている。また、シリンダ部21はアルミニウム合金からなり、スカート部41はマグネシウム合金からなる。
特許請求の範囲
【請求項1】
シリンダの形成されるシリンダ部と、クランクケースの形成されるスカート部とにシリンダブロックを分割形成するとともに、前記シリンダ部をアルミニウム合金製とし、前記スカート部をマグネシウム合金製とした
ことを特徴とするエンジンのシリンダブロック。
【請求項2】
請求項1記載のエンジンのシリンダブロックにおいて、
前記シリンダの周囲にウォータジャケットが形成されてなる
ことを特徴とするエンジンのシリンダブロック。
【請求項3】
請求項2記載のエンジンのシリンダブロックにおいて、
前記シリンダ部は、前記ウォータジャケットとなる部分を境にそのシリンダ側を構成するシリンダライナ部と、同ウォータジャケットの外側壁を構成するシリンダ外壁部とに更に分割形成されてなる
ことを特徴とするエンジンのシリンダブロック。
【請求項4】
請求項1〜3のうちいずれか1項に記載のエンジンのシリンダブロックにおいて、
前記シリンダ部と前記スカート部とは、同スカート部の下面に一体形成された軸受部にクランクキャップを締め付け固定するためのボルトによって一体固定されてなる
ことを特徴とするエンジンのシリンダブロック。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジンのシリンダブロックに関するものである。
【背景技術】
【0002】
車載用エンジンのシリンダブロックは、一般的に鋳鉄製やアルミニウム合金製であるが、近年にはエンジンの軽量化のため、より低比重な構造材料の採用が検討されている。
例えば特許文献1には、繊維強化プラスチック(FRP:Fiber Reinforced Plastics)が部分的に採用されたシリンダブロックが提案されている。図7に示すように、このシリンダブロック100は、鋳造可能な鋳鉄やアルミニウム合金と比して成形性の低いFRPを使用することから、シリンダの形成される上部構造101とクランクケースの形成される下部構造102とに分割形成されている。またクランクシャフトに摺接されることから耐摩耗性の要求されるクランクシャフトベアリング104、及び耐摩耗性、耐熱性の要求されるシリンダライナ103には、金属製の別部材がそれぞれ介装されている。一方、低比重の構造材料としてはマグネシウム合金が知られている。マグネシウム合金は、低比重で、高い防振性や重量比強度を有しており、シリンダブロック100に要求される機械的特性を多くの点で満たしてはいるものの、反応性が高く、冷却水が内部に流通される水冷式エンジンのシリンダブロック100への採用には工夫が必要である。例えば、従来において実用化されたマグネシウム合金/アルミニウム合金製のシリンダブロックは、次のような構造とされている。すなわち、図8に示すように、このシリンダブロック110は、アルミニウム合金製の内殻部分111を、その周囲を構成するマグネシウム合金製の外殻部分112に鋳込むことにより形成されている。また冷却水の流通されるウォータジャケット113をその内殻部分111に形成することで、マグネシウム合金が冷却水に直接晒されることのないようにしている。
【特許文献1】実開昭61−76149号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このようにアルミニウム合金/マグネシウム合金の使用箇所を適宜工夫すれば、反応性の高いマグネシウム合金を水冷式エンジンのシリンダブロック110に採用することが可能となる。ところが、このようにシリンダブロック110を、互いに異なる材料からなる内殻部分111/外殻部分112の二重構造とすれば、エンジン駆動中の高温化に伴い、互いの熱膨張差によってそれらの境界部分に多大な応力が発生してしまう。そしてその結果、マグネシウム合金とアルミニウム合金との剥離が生じ、内殻部分111と外殻部分112との接合強度が低下してしまう。更にそうした接合強度の低下は、シリンダブロック110全体の捻り剛性を低下させ、振動や騒音の増大を招く虞もある。またそうした熱膨張差によっては、シリンダブロック110の頂面110aに段差が形成されてしまい、シリンダヘッドガスケットの面圧低下によるシール性の悪化を招くこともある。このように、水冷式エンジンのシリンダブロック110へのマグネシウム合金の採用には、上記のような問題があり、未だ改善の余地を残すものとなっている。
【0004】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、マグネシウム合金の採用による軽量化をより好適な態様で行うことのできるエンジンのシリンダブロックを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、シリンダの形成されるシリンダ部と、クランクケースの形成されるスカート部とにシリンダブロックを分割形成するとともに、前記シリンダ部をアルミニウム合金製とし、前記スカート部をマグネシウム合金製としたことを要旨とする。
【0006】
上記構成では、燃焼が行われ、特に高温となるシリンダ上部からある程度離間したシリンダ部とスカート部との境界部分において、アルミニウム合金製の部材とマグネシウム合金製の部材とに分割形成されている。そのため、エンジン駆動中において、両部材間の熱膨張差による影響を抑制しつつ、好適な態様でマグネシウム合金の採用による軽量化を図ることができる。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記シリンダの周囲にウォータジャケットが形成されてなることを要旨とする。
上記構成では、反応性がより低く、耐食性のより高いアルミニウム合金により形成されたシリンダ部にウォータジャケットが形成され、マグネシウム合金が冷却水に直接晒されることの無いようになっている。そのため、水冷式エンジンのシリンダブロックであれ、マグネシウム合金の採用による軽量化を好適に図ることができる。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項2記載の発明において、前記シリンダ部は、前記ウォータジャケットとなる部分を境にそのシリンダ側を構成するシリンダライナ部と、同ウォータジャケットの外側壁を構成するシリンダ外壁部とに更に分割形成されてなることを要旨とする。
【0009】
シリンダ部を一体に鋳造成型する場合、そのシリンダの周囲にウォータジャケットを形成するには、成型用の型に幅の狭い凸部を設けたり、中子を使用したりする必要があり、成型型の形状が複雑となることから、鋳巣等の鋳造欠陥が生じやすくなる。その点、上記構成では、シリンダ部が、そのウォータジャケットとなる部分を境に更に分割形成されており、分割された各々の部材は、比較的簡素な形状の成型型で鋳造成型可能となっている。したがって、鋳巣等の鋳造欠陥の発生を抑制することができ、また型寿命の延命を図ることができるようにもなる。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のうちいずれか1項に記載の発明において、前記シリンダ部と前記スカート部とは、同スカート部の下面に一体形成された軸受部にクランクキャップを締め付け固定するためのボルトによって一体固定されてなることを要旨とする。
【0011】
同構成では、クランクキャップ固定用のボルトを用いて、シリンダ部とスカート部との固定がなされるため、各別な固定用の部材を追加することなく、シリンダ部とスカート部との固定を行うことができる。したがって、クランクキャップの固定と同時に、シリンダ部とスカート部とが固定されるようになり、組み付け工数の増加も抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明を直列4気筒水冷式エンジンのシリンダブロックに具体化した一実施形態を、図1〜図6を参照して詳細に説明する。
図1に示されるように、エンジン11は、シリンダブロック12と、その上部にヘッドガスケット16を介して組み付けられるシリンダヘッド17とを備えている。シリンダヘッド17の上方にはヘッドカバー(図示略)が、また、シリンダブロック12の下方にはオイルパン(図示略)がそれぞれ取付けられるようになっている。
【0013】
次に、シリンダブロック12の構成について図2〜図6を参照して説明する。
図2に示されるように、シリンダブロック12において、その上部には4つのシリンダ20を備えたシリンダ部21が設けられ、下部にはスカート部41が設けられている。シリンダブロック12の頂部には、図1に示されるシリンダヘッド17が載置される平板状のアッパデッキ22が設けられている。また、スカート部41は、その下方に取付けられるオイルパンとともにクランクケースを形成する。図3に示されるように、シリンダブロック12は、各シリンダ20の周囲にウォータジャケット23を備えている。ウォータジャケット23は、隣接するシリンダ20間の連結部位を避けつつ、各シリンダ20の外周を包囲するよう略環状に形成されている。
【0014】
図4に示されるように、シリンダブロック12は、シリンダ部21とスカート部41とに分割され、更に、同シリンダ部21が、ウォータジャケット23となる部位を境にして、シリンダ20側を構成するシリンダライナ部24と、ウォータジャケット23の外側壁を構成するシリンダ外壁部34とに分割されている。本実施形態において、シリンダブロック12は、各別に形成された3つの構造体に分割形成されている。以下、シリンダライナ部24、シリンダ外壁部34、及びスカート部41の構成について詳細に説明する。
【0015】
シリンダライナ部24は、4つのシリンダライナ25が一体に連結されたシリンダ連結体26と、その上部に設けられる上記アッパデッキ22とを備えて構成されている。このシリンダライナ部24は、低比重で、重量比強度に優れるアルミニウム合金からなり、上記したアッパデッキ22とシリンダ連結体26とを一体鋳造することにより形成されている。
【0016】
シリンダ連結体26は、各気筒となる円筒状のシリンダライナ25を直線状に配列し、それらの外周面同士を繋げるようにして一体に形成されている。シリンダ連結体26の上端部には、シリンダブロック12の頂部を構成するアッパデッキ22が一体形成されている。
【0017】
アッパデッキ22は平板状をなし、その上面22aにヘッドガスケット16を介してシリンダヘッド17が載置される(図1参照)。アッパデッキ22には、シリンダライナ部24とシリンダ外壁部34との締結に用いられる締結孔27や、ウォータジャケット23に連通される冷却水通路28等が所定の位置にそれぞれ形成されている。また、シリンダ連結体26の下端部には、各シリンダライナ25の外周面に沿って支持突部29が周設されている。
【0018】
図4及び図5に示されるように、シリンダ外壁部34はその全体が四角枠状をなし、その内周面34aは、上記シリンダ連結体26の外周を囲むように曲面形状に形成されている。このシリンダ外壁部34は、上記シリンダライナ部24と同様にアルミニウム合金からなり鋳造成型されることにより形成されている。
【0019】
シリンダ外壁部34の上端部にはフランジ部36が設けられ、同フランジ部36の上面がシリンダライナ部24のアッパデッキ22の下面を当接支持する上部受け面36aとなっている。上部受け面36aにおいて、アッパデッキ22の締結孔27と対応する位置には、シリンダライナ部24とシリンダ外壁部34との締結に用いられる締結穴37aが開口されている。
【0020】
シリンダ外壁部34の下面34bには、スカート部41とシリンダ外壁部34との締結に用いられる締結穴37bが開口されている。この締結穴37bは、シリンダ外壁部34のフランジ部36に開口された締結穴37aと同軸上に形成されている。また、シリンダ外壁部34には、エンジン11の外部からウォータジャケット23に冷却水を導入するための冷却水孔39が形成され、シリンダ外壁部34の外周には、複数の補強リブ35が縦横に延伸されるように形成されている。
【0021】
スカート部41は、クランクシャフト52の軸方向に沿って延びる断面略半円形状の筒状体である。スカート部41は、その長手方向各端部に配置される略半円形状の第1外側壁42と、両第1外側壁42を繋ぐ一対の第2外側壁43及び上壁44とを備え、その内部には、クランクシャフト52を回転可能に収容するための収容空間41aが設けられている(図6参照)。このスカート部41は、アルミニウム合金よりも低比重で、重量比強度にも優れるマグネシウム合金からなり鋳造成型されることにより形成されている。
【0022】
スカート部41はその上壁44が平面形状をなし、同上壁44の上面が、シリンダ外壁部34の下面を当接支持する上部受け面44aとなっている。この上部受け面44aには、上記シリンダライナ部24の各シリンダ20と対応するように4つの孔46が開口されている。また、上部受け面44aにおいて、シリンダ外壁部34の締結穴37bと対応する位置には、スカート部41とシリンダ外壁部34との締結に用いられる締結孔47が開口されている。この締結孔47は、スカート部41の上部受け面44aから垂直下方に延びるとともに、同スカート部41の下面41bに開口されている。
【0023】
スカート部41内には、上記収容空間41aをシリンダ20毎に仕切る内壁部49が、対向して配置される両第2外側壁43間を繋ぐように設けられている(図6参照)。そして、第1外側壁42及び内壁部49には、クランクシャフト52を回転可能に支持するための軸受53を構成する半円形状の切欠部50a,50bがそれぞれ形成されている。これら切欠部50a,50bは、スカート部41の下面に固定されるクランクキャップ51とともに上記軸受53を構成する。また、第2外側壁43の外周には、上記シリンダ外壁部34と同様に、複数の補強リブ45が縦に延伸されるように形成されている。こうして構成されたシリンダライナ部24、シリンダ外壁部34及びスカート部41は図5に示される締結構造によって組み付けられている。
【0024】
同図に示されるように、ヘッドガスケット16及びシリンダヘッド17には、それぞれアッパデッキ22の締結孔27と対応する位置に締結孔67、77が形成されている。また、これら締結孔67,77、アッパデッキ22の締結孔27、及びシリンダ外壁部34の上面に開口された締結穴37aがそれぞれ同軸上に配置されている。そして、シリンダヘッド17の締結孔77の上方から挿入されるシリンダヘッド固定用ボルト87が、ヘッドガスケット16の締結孔67、アッパデッキ22の締結孔27を挿通し、シリンダ外壁部34の締結穴37aに締め付けられている。このようなシリンダヘッド固定用ボルト87による締結を通じて、アッパデッキ22がシリンダヘッド17とフランジ部36とにより挟持された状態でシリンダライナ部24とシリンダ外壁部34とが一体固定されている。
【0025】
クランクキャップ51には、スカート部41の締結孔47と対応する位置に締結孔57が形成されている。また、クランクキャップ51の締結孔57、スカート部41の締結孔47、及びシリンダ外壁部34の下面に開口された締結穴37bがそれぞれ同軸上に配置されている。そして、クランクキャップ51の締結孔57の下方から挿入されるクランクキャップ固定用ボルト88が、スカート部41の締結孔47を挿通し、シリンダ外壁部34の締結穴37bに締め付けられている。このようなクランクキャップ固定用ボルト88による締結を通じて、クランクキャップ51がスカート部41の下面に固定されるとともに、スカート部41とシリンダ外壁部34とが一体固定されている。
【0026】
こうしてシリンダライナ部24、シリンダ外壁部34及びスカート部41が一体に組み付けられた状態では、シリンダ連結体26がシリンダ外壁部34の内側に挿入されている。また、シリンダライナ部24の上端部において、アッパデッキ22の下面がシリンダ外壁部34の上部受け面36aに当接支持され、下端部において支持突部29の先端面がシリンダ外壁部34の内周面34aに当接支持されている。そして、シリンダ外壁部34の内周面34aとシリンダ連結体26の外周面26aとが対向して配置されるとともに、それら内周面34aと外周面26aとの間にはウォータジャケット23が形成されている。
【0027】
また、アッパデッキ22の下面とシリンダ外壁部34の上部受け面36aとの間、及びシリンダ連結体26の支持突部29の先端面とシリンダ外壁部34の内周面34aとの間には、それぞれシール部材59a、59bが介装されている。これらシール部材59a,59bによって、ウォータジャケット23のシリンダヘッド17側の端部とその反対側に位置するスカート部41側の端部とにおいてシール性が確保されている。
【0028】
さて、上記のように構成されたシリンダブロック12では、図6に示されるように、シリンダ部21とスカート部41との境界部分、即ちこれら両部材21,41の分割面を構成するシリンダ外壁部34の下面34b及びスカート部41の上部受け面44aが、シリンダ20上部に形成される燃焼室56からある程度離下方に離間した位置に設定される。これにより、シリンダ部21とスカート部41との境界部分には、エンジン11の駆動時に燃焼室56からの熱による影響が極力及ばないようになっている。このため、上記境界部分では、シリンダ部21及びスカート部41の熱膨張による寸法変化の増大が抑制されることから、異種材料(アルミニウム合金とマグネシウム合金)間で生じる熱膨張差に起因して、シリンダ外壁部34とスカート部41との当接箇所に多大な応力が発生することが防止される。
【0029】
また、同シリンダブロック12では、シリンダ部21とスカート部41との境界部分が、ウォータジャケット23の下面23aよりも下方に設定されている。この場合、ウォータジャケット23は、アルミニウム合金製のシリンダライナ部24とシリンダ外壁部34との間に形成されており、ウォータジャケット23の壁面には、マグネシウム合金製のスカート部41が現出されないようになっている。つまり、水との反応性が低く、耐食性の高いアルミニウム合金製のシリンダ部21にウォータジャケット23が形成される一方、水との反応性が高く、耐食性の低いマグネシウム合金製のスカート部41にウォータジャケット23の冷却水が直接晒されないようになっている。従って、同シリンダブロック12では、ウォータジャケット23周りの信頼性を確保しつつ、マグネシウム合金の採用による軽量化を好適に図られている。
【0030】
上記実施形態によれば以下のような効果を得ることができる。
(1)シリンダブロック12は、シリンダ部21とスカート部41とに分割され、シリンダ部21をアルミニウム合金製とし、スカート部41をマグネシウム合金製としている。この場合、シリンダブロック12は、エンジン11の燃焼時高温となるシリンダ20の上部からある程度離間したシリンダ部21とスカート部41との境界部分において、アルミニウム合金製のシリンダ部21とマグネシウム合金製のスカート部41とに分割形成されている。そのため、シリンダブロック12においては、エンジン11の駆動中において、シリンダ部21とスカート部41との間の熱膨張差による影響を抑制しつつ、好適な態様でマグネシウム合金の採用による軽量化を図ることができる。
【0031】
(2)シリンダブロック12では、シリンダ部21とスカート部41との境界部分が、ウォータジャケット23の下面23aよりも下方に設定されている。この場合、シリンダブロック12では、反応性がより低く、耐食性のより高いアルミニウム合金により形成されたシリンダ部21にウォータジャケット23が形成され、マグネシウム合金が冷却水に直接晒されることが無いようになっている。そのため、水冷式エンジンのシリンダブロック12であれ、マグネシウム合金の採用による軽量化を好適に図ることができる。
【0032】
(3)シリンダ部21を一体に鋳造成型する場合、そのシリンダ20の周囲にウォータジャケット23を形成するには、成型用の型に幅の狭い凸部を設けたり、中子を使用したりする必要があり、成型型の形状が複雑となることから、鋳巣等の鋳造欠陥が生じやすくなることが懸念される。その点、本実施形態のシリンダブロック12では、シリンダ部21が、そのウォータジャケット23となる部分を境に更にして、シリンダ20を形成するシリンダライナ部24とウォータジャケット23の外側壁を構成するシリンダ外壁部34とに分割形成されている。これにより、その分割されたシリンダライナ部24及びシリンダ外壁部34は、いずれも比較的簡素な形状の成型型で鋳造成型することが可能になる。したがって、鋳巣等の鋳造欠陥の発生を抑制することができ、また型寿命の延命を図ることができるようにもなる。
【0033】
(4)シリンダブロック12では、クランクキャップ固定用ボルト88による締結を通じて、スカート部41とシリンダ外壁部34とが一体固定されている。このように、クランクキャップ固定用ボルト88を用いて、シリンダ外壁部34とスカート部41とが一体固定されることによって、各別な固定用の部材を追加することなく、シリンダ部21とスカート部41との固定を行うことが可能になる。従って、クランクキャップ51の固定と同時に、シリンダ部21とスカート部41とが固定されるようになり、組み付け工数の増加も抑えることができる。
【0034】
尚、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・本実施形態において、エンジン11は、ウォータジャケット23を有し冷却水により各部位を冷却する水冷式エンジンであったが、同エンジン11を直接空気冷却する空冷式エンジンに変更してもよい。
【0035】
・本実施形態において、シリンダ部21は、ウォータジャケット23となる部位を境にシリンダライナ部24とシリンダ外壁部34とに分割形成されていたが、これら両部材24,34を一体鋳造することによりシリンダ部21を形成してもよい。
【0036】
・本実施形態において、シリンダ部21とスカート部41との固定はクランクキャップ固定用ボルト88によりなされていたが、任意の固定方法を採用することができ、例えば、クランクキャップ固定用ボルト88とは別の固定用ボルトを用いて固定するようにしてもよい。
【0037】
・本実施形態において、シリンダライナ部24とシリンダ外壁部34との固定はシリンダヘッド固定用ボルト87によりなされていたが、任意の固定方法を採用することができ、例えば、シリンダヘッド固定用ボルト87とは別の固定用ボルトを用いて固定するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本実施形態における水冷式エンジンの本体部分を示す斜視図。
【図2】本実施形態におけるシリンダブロックの斜視図。
【図3】同じくシリンダブロックの平面図。
【図4】同じくシリンダブロックの分割構造を示す分解斜視図。
【図5】図1のA−A断面図。
【図6】図1のB−B断面図。
【図7】従来のシリンダブロックについてその一例を示す分解斜視図。
【図8】従来のシリンダブロックについてその一例を示す断面図。
【符号の説明】
【0039】
11…エンジン、12…シリンダブロック、20…シリンダ、21…シリンダ部、23…ウォータジャケット、23a…下面、24…シリンダライナ部、34…シリンダ外壁部、41…スカート部、50a,50b…軸受部、51…クランクキャップ、88…クランクキャップ固定用ボルト。




 

 


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