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発明の名称 エンジンのバランサ装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−2987(P2007−2987A)
公開日 平成19年1月11日(2007.1.11)
出願番号 特願2005−187068(P2005−187068)
出願日 平成17年6月27日(2005.6.27)
代理人 【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
発明者 三浦 康 / 本田 守 / 小林 弘典 / 濱村 芳彦
要約 課題
プラグ等の開口部を閉塞するための別部材を用いることなくオイルの浸入を低減し製造ステップの増加やフリクションの悪化、オイルの泡立ちによるエンジンの潤滑不良を抑えることが可能なエンジンのバランサ装置を提供すること。

解決手段
ハウジング20の側壁20aにはバランスシャフト40の軸を中心とし該軸に沿って側壁20aを貫通する作業孔20bが形成されている。バランスシャフト40は回転軸42とバランスウエイト43とから構成され、作業孔20bは回転軸42の端部42aを該回転軸42の軸方向に沿って延出し、該端部42aと作業孔20bとの間に隙間を有して塞がれている。
特許請求の範囲
【請求項1】
シリンダブロックの下部にオイルパン内に位置するように取り付けられるハウジングと、該ハウジングの軸受部に互いに平行に回転可能に軸支されると共にその一方にクランクシャフトの回転動力が伝達される一対のバランスシャフトと、該各バランスシャフトの外周に偏心して設けられ、前記ハウジングに形成されるウエイト室内にて前記バランスシャフトと共に回転可能なバランスウエイトと、前記各バランスシャフトに夫々設けられ、前記ハウジングに形成されるギヤ室内にて前記クランクシャフトの回転動力により前記各バランスシャフトが相互に反対方向に回転するように互いに噛合される一対のギヤとを備えたエンジンのバランサ装置において、
前記ハウジングは、前記バランスシャフトの軸に沿った面にて分割される第1ハウジング部材と第2ハウジング部材とから構成されるとともに、側壁には前記バランスシャフトの軸を中心とし該軸に沿って該側壁を貫通する貫通孔が形成され、
前記バランスシャフトは、該バランスシャフトを支持する軸受部よりも前記貫通孔側の端部にバランスウエイトが設けられるとともに、該端部が前記貫通孔を塞ぐように該バランスシャフトの軸方向に沿って延出形成されてなる
ことを特徴とするエンジンのバランサ装置。
【請求項2】
前記貫通孔は、前記複数の軸受部を加工するためのツールを挿通する作業孔であることを特徴とする請求項1に記載のエンジンのバランサ装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジンのバランサ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に4気筒エンジンにおいては、例えばピストンの上下方向の往復運動によって発生する二次の慣性力に起因してクランクシャフトの回転バランスに不均衡が生じ、これが原因となってエンジンに上下振動が生じる。このため、従来、エンジンには、該エンジンの振動を抑制するバランサ装置が設けられている。
【0003】
バランサ装置は、バランスウエイトが偏心して設けられた2本のバランスシャフトが、シリンダブロックの下部にオイルパン内に位置するように取り付けたハウジングに回転可能に軸支されると共に、オイルパン内に貯留したオイル及びシリンダブロックから流下するオイルが接触しないようにハウジングにより覆われている。バランサ装置は、2本のバランスシャフトをクランクシャフトの回転力により相互に反対方向に回転させて、エンジンの振動を抑制する。
【0004】
バランスシャフトは、ハウジングに形成された軸受部に回転自在に支持されている。そして、バランスシャフトは、クランクシャフトの2倍の速度で回転されるため、該バランスシャフトがスムーズに回転するためには複数の軸受部の軸中心が一致している必要があり、高い加工精度が要求される。ハウジングは、バランスシャフト及びクランクシャフトの回転を伝達するギヤを収容する収容部を備えるため、分割面を互いに当接した一対のハウジング(アッパハウジング及びロアハウジング)により構成されている。そして、軸受部は、分割面を当接した一対のハウジングに対し、その外部からドリル歯等により機械加工されている。そのため、ハウジングの後端面には、機械加工のための開口部が形成される。
【0005】
ところで、バランサ装置は、オイルパン内のシリンダブロック下部に取着されている。このため、オイルパンに貯留したオイルが開口部からハウジング内に入り込む。ハウジング内のオイルはバランスウエイトによって攪拌され、オイルが泡立ってしまう(オイルのエア巻き込み)。この気泡を含むオイルがオイルパンに戻り、そのオイルパンからエンジンの各部に供給されると、潤滑不良を招く。また、ハウジング内のオイルは、バランスシャフトの回転抵抗を増大させ、エンジンフリクションの悪化を招く。このため、例えば特許文献1には、開口部を合成樹脂等からなるプラグにより閉塞したバランサ装置が開示されている。
【特許文献1】特許第348872号公報(段落[0014],第3図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記の特許文献1に開示されたバランサ装置では、開口部を閉塞するプラグが必要であるため、製造上のステップが増加するという問題があった。また、開口部を閉塞するプラグは、エンジンの振動などによって時間経過とともにゆるみが発生し開口部から脱落する虞があるため、長期にわたって安定して潤滑不良やフリクションの悪化を低減することができない。
【0007】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、プラグ等の開口部を閉塞するための別部材を用いることなくオイルの浸入を低減し製造ステップの増加やフリクションの悪化、オイルの泡立ちによるエンジンの潤滑不良を抑えることが可能なエンジンのバランサ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、シリンダブロックの下部にオイルパン内に位置するように取り付けられるハウジングと、該ハウジングの軸受部に互いに平行に回転可能に軸支されると共にその一方にクランクシャフトの回転動力が伝達される一対のバランスシャフトと、該各バランスシャフトの外周に偏心して設けられ、前記ハウジングに形成されるウエイト室内にて前記バランスシャフトと共に回転可能なバランスウエイトと、前記各バランスシャフトに夫々設けられ、前記ハウジングに形成されるギヤ室内にて前記クランクシャフトの回転動力により前記各バランスシャフトが相互に反対方向に回転するように互いに噛合される一対のギヤとを備えたエンジンのバランサ装置において、前記ハウジングは、前記バランスシャフトの軸に沿った面にて分割される第1ハウジング部材と第2ハウジング部材とから構成されるとともに、側壁には前記バランスシャフトの軸を中心とし該軸に沿って該側壁を貫通する貫通孔が形成され、前記バランスシャフトは、該バランスシャフトを支持する軸受部よりも前記貫通孔側の端部にバランスウエイトが設けられるとともに、該端部が前記貫通孔を塞ぐように該バランスシャフトの軸方向に沿って延出形成されてなる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のエンジンのバランサ装置において、前記貫通孔は、前記複数の軸受部を加工するためのツールを挿通する作業孔である。
(作用)
請求項1に記載の発明によれば、バランスシャフトは、軸受部よりも端部側にバランスウエイトを有しており、軸端部にて軸支する場合に比べて該バランスシャフトの撓みが小さくなる。ハウジングの側壁には前記バランスシャフトの軸を中心とし該軸に沿って該側壁を貫通する貫通孔が形成され、該貫通孔はバランスシャフトの端部を該バランスシャフトの軸方向に沿って延出し、該端部と貫通孔との間に隙間を有して塞がれている。従って、バランスシャフトの端部は、貫通孔からハウジング内部に浸入するオイルの量を低減する。また、プラグ等の別部材にて貫通孔を閉塞する必要が無く、作業ステップの増加を抑える。また、プラグ等の別部材のようにエンジンの振動等によってゆるみや脱落が発生しないため、長期にわたってエンジンの潤滑不良やフリクションの悪化が抑えられる。
【0010】
請求項2に記載の発明によれば、貫通孔を挿通するツールにより複数の軸受部の軸中心が一致するように加工される。更に、ツールを軸受部まで速やかに移動させることで、作業時間が短くなる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、プラグ等の開口部を閉塞する別部材を用いることなくオイルの浸入を低減し製造ステップの増加やフリクションの悪化、オイルの泡立ちによるエンジンの潤滑不良を抑えることが可能なエンジンのバランサ装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、エンジンのシリンダブロック11の下端部には、エンジンの出力軸であるクランクシャフト12が、同シャフト12の軸線を中心に回転可能に支持されている。このクランクシャフト12には、コンロッドを介してピストン(共に図示せず)が連結されている。そして、エンジンの運転時には、ピストンの図中上下方向への往復移動がコンロッドによってクランクシャフト12の回転へと変換されるようになる。また、クランクシャフト12には、駆動ギヤ13が同シャフト12と一体回転可能に固定されている。
【0013】
シリンダブロック11の下部にはオイルを貯留するオイルパン14が固定されている。また、シリンダブロック11の下端には、エンジンの運転時にピストンの移動方向に働く同ピストンの慣性力を打ち消すためのバランサ装置15が、オイルパン14内に位置するように固定されている。シリンダブロック11には、エンジンにより駆動され、オイルパン14内のオイルをエンジンの各潤滑部へ圧送するオイルポンプ(図示略)が取り付けられており、オイルポンプからのオイルの一部は後述するようにバランサ装置15へも供給される。
【0014】
バランサ装置15は、ハウジング20と第1バランスシャフト40と第2バランスシャフト50とを備えている。
ハウジング20は、第1ハウジング部材21と第2ハウジング部材22とから構成されている。第1ハウジング部材21及び第2ハウジング部材22はアルミ合金や鋳鉄等から成り、互いに分割面21a,22aが密接するように複数本のボルト23により互いに締結されている。また、ハウジング20は複数本のボルト16によりシリンダブロック11に固定されている。
【0015】
両ハウジング部材21及び22間には、第1バランスシャフト40と第2バランスシャフト50が回転自在に収容されている。第1バランスシャフト40及び第2バランスシャフト50にはそれぞれ第1ドリブンギヤ41及び第2ドリブンギヤ51が固定されている。第1ドリブンギヤ41及び第2ドリブンギヤ51は互いに噛合し同一の歯数を持つ。これにより各バランスシャフト40,50が相互に反対方向に同じ速度にて回転する。
【0016】
第1ドリブンギヤ41は駆動ギヤ13と噛合し、駆動ギヤ13と第1ドリブンギヤ41の歯数は2:1に設定されている。従って、各バランスシャフト40,50は、クランクシャフト12の2倍の回転数で回転する。尚、クランクシャフト12の回転を各バランスシャフト40,50に伝達する方法として、ギヤ駆動方式以外にチェーン駆動方式、ベルト駆動方式などもよい。
【0017】
各バランスシャフト40,50は、バランスウエイト43,53を備えている。バランスウエイト43,53は半円状に形成されバランスシャフト40,50の軸線に対して重心が偏心した状態となるように形成されている。従って、バランサ装置15は、重心位置が回転中心に対して偏心した第1バランスシャフト40及び第2バランスシャフト50を回転することで、エンジンの二次の慣性力に起因する上下振動やこもり音を抑制する。尚、バランスウエイト43,53はバランスシャフト40,50と別体に形成され、ボルト等によりシャフト40,50に一体回転可能に締結するようにしてもよい。
【0018】
次に、ハウジング20及び第1バランスシャフト40を図2に従って説明する。尚、第2バランスシャフト50及びそれに関わるハウジング20の構成は、第1バランスシャフト40及びそれに関わるハウジング20の構成と概略同じであるため、図面及び説明を省略する。
【0019】
図2に示すように、ハウジング20は、ギヤ室24及びウエイト室25を有し、ギヤ室24にはドリブンギヤ41が配設され、ウエイト室25にはバランスウエイト43が配設されている。ギヤ室24及びウエイト室25は第1バランスシャフト40を回動可能に支持する第1軸受部26により区画されている。ウエイト室25は、第1バランスシャフト40を回動可能に支持する第2軸受部27により、第1ウエイト室28と第2ウエイト室29とに区画されている。
【0020】
従って、両ハウジング部材21,22には、ギヤ室24を形成するように互いに対向する凹部24a,24bが形成されている。また、両ハウジング部材21,22には第1ウエイト室28を形成するように互いに対向する凹部28a,28bが形成されている。更に、両ハウジング部材21,22には第2ウエイト室29を形成するように互いに対向する凹部29a,29bが形成されている。
【0021】
第1ハウジング部材21の各凹部24a,28a,29aは、第1軸受部26と第2軸受部27を形成する軸受部26a,27aにより区画形成されている。第2ハウジング部材22の各凹部24b,28b,29bは、第1軸受部26と第2軸受部27を形成する軸受部26b,27bにより区画形成されている。
【0022】
第1バランスシャフト40は、回転軸42とバランスウエイト43とを有している。回転軸42は略円柱状に形成され第1軸受部26及び第2軸受部27により回転可能に支持されている。回転軸42には第1ドリブンギヤ41が固定され、回転軸42と第1ドリブンギヤ41が一体的に回転する。
【0023】
回転軸42と第1軸受部26との間には第1軸受30が配設され、回転軸42と第2軸受部27との間には第2軸受31が配設されている。第1軸受30及び第2軸受31は、それぞれ半円筒状に形成された2つのメタル軸受から構成され、両メタル軸受を円筒状に組み合わせて用いられている。第1軸受30及び第2軸受31にはオイルが供給され、両軸受30,31が良好に潤滑される。
【0024】
バランスウエイト43は、第1バランスウエイト43aと第2バランスウエイト43bとから構成されている。第1バランスウエイト43a及び第2バランスウエイト43bは略半円柱状を持ち、回転軸42と一体形成されている。第1バランスウエイト43aは第1ウエイト室28に配設され、該ウエイト室28内にて回動する。第2バランスウエイト43bは第2ウエイト室29に配設され、該ウエイト室29内にて回動する。
【0025】
ハウジング20には、反ギヤ室側側壁、つまり第2ウエイト室29とハウジング20外部とを区画する側壁20aには、該側壁20aを貫通する作業孔20bが形成されている。作業孔20bは、第1軸受部26及び第2軸受部27を精度良く形成するために設けられている。図3に示すように、作業孔20bは、第1軸受部26及び第2軸受部27を加工するツール(ドリル)が挿通可能な内径を有する円形に開口している。精度良く軸受部26,27を加工するためには、低い送り速度にてツールを軸方向に沿って移動させる必要がある。このため、作業孔20b内径をツールの外径よりも大きくすることにより、ツールを軸受部27まで加工速度よりも高速で移動させることができ、加工する速度にてツールを軸受部まで移動させる場合に比べて作業時間を短縮することができる。
【0026】
ハウジング20、つまり第1ハウジング部材21及び第2ハウジング部材22は、分割面21a,22aと互いに密接するように保持され、作業孔20bから挿入されるツールにより第1軸受部26及び第2軸受部27が加工されて回転軸42を回転可能に支持する内周面(詳しくは第1軸受30と第2軸受31が配設される内周面)が形成される。即ち、ツールによって第1ハウジング部材21と第2ハウジング部材22に形成された壁部をそれぞれ半円柱状に切削して第1軸受部26及び第2軸受部27が形成されている。これにより、第1軸受部26と第2軸受部27の中心が一致する。その後、第1ハウジング部材21と第2ハウジング部材22は離され、ドリブンギヤ41,51が固定された第1バランスシャフト40及び第2バランスシャフトがハウジング20内に収容される。
【0027】
回転軸42は、その端部42aが、第2バランスウエイト43bの軸方向端面よりも突出して形成され、その端部42aは作業孔20bを略塞ぐ。ハウジング20は固定され、回転軸42、つまり端部42aは回転する。このため、作業孔20bと回転軸42の端部42aとの間の隙間は、回転軸、つまり第1バランスシャフト40の回転と、後述するバランスウエイト43による撓みにより、端部42aと作業孔20bとが接触しないように、該作業孔20bの内径と端部42aの外径が設定されている。また、作業孔20bと回転軸42の端部42aとの間の隙間は、該隙間からオイルがウエイト室29内に浸入し難いように設定されている。オイルは適度な粘性を有しているため、水等の粘性の低い液体に比べて隙間から浸入しにくい。従って、回転軸42は、その端部42aにより作業孔20bからハウジング20内部へのオイルの浸入を制限する。
【0028】
回転軸42には、軸中心に一端が開口する軸方向通路42bが形成され、該通路42bの開口はボール42cにより閉塞されている。また、回転軸42には、軸受30,31内周面とシャフト40外周面との隙間と通路42bとを連通する径方向通路42d,42eが形成されている。ハウジング20の第2軸受部27には、軸受31に図示しないオイルポンプからシリンダブロック11に圧送されるオイルの一部が供給されるオイル供給通路27cが形成されている。これにより、オイルポンプからのオイルが、オイル供給通路27c,軸受31,径方向通路42e,軸方向通路42b,径方向通路42dを介して軸受30に供給され、軸受30,31が良好に潤滑される。
【0029】
また、バランスシャフト40には、第1ドリブンギヤ41とシャフト40外周面との隙間と通路42bとを連通する径方向通路42fが形成され、オイルが軸方向通路42bから径方向通路42fを介して第1ドリブンギヤ41に供給される。ドリブンギヤ41は、第1ギヤ41aと第2ギヤ41bとから構成されるシザーズギヤであり、両ギヤ41a,41b間にオイルが供給される。
【0030】
尚、軸受30,31に供給されたオイルは、ウエイト室25内に滞留する。この滞留したオイルは、バランスウエイト43の回転によりハウジング20に形成された図示しないオイル排出口からハウジング20外部へと排出される。
【0031】
ところで、回転軸42を支持する軸受部が多くなると、バランスシャフトが長くなってバランサ装置の大型化を招き、オイルパン内に配置された部材と干渉する。例えば、本実施形態のように、オイルパン14内にはバランサ装置15に隣接してオイルストレーナ17が配設されている。このため、部材との干渉を避けるため、本実施形態のバランサ装置15は2つの軸受部26,27によりバランスシャフト40を支持している。
【0032】
また、バランスシャフトは、エンジンの振動を抑制するためにバランスウエイトを備えている。即ち、バランスシャフト40は、重心がシャフトの回転中心からずれている(偏心している)。このため、バランスシャフトは撓む。この撓み量は、バランスシャフトの軸方向における軸受部の間隔に対応する。つまり、2つの軸受部の間隔が広いほど、バランスシャフトの撓み量が多くなる。そして、バランスシャフトの撓みは、軸受部(メタル軸受)の偏摩耗や騒音が発生することがある。
【0033】
このため、本実施形態のバランサ装置15は、第1軸受部26によりドリブンギヤ41とバランスウエイト43との間を支持するとともに、第2軸受部27により端部42aよりも内側(ドリブンギヤ41側)を支持している。そして、第1軸受部26と第2軸受部27との間にバランスウエイト43を構成する第1バランスウエイト43aを設け、第2軸受部27と端部42aとの間にバランスウエイト43を構成する第2バランスウエイト43bを設けた。この構成により、バランスシャフト40の撓み量を少なくし、偏摩耗や騒音の発生を低減することができる。
【0034】
以上、本実施形態によれば、以下のような特徴を得ることができる。
(1)ハウジング20の側壁20aにはバランスシャフト40の軸を中心とし該軸に沿って側壁20aを貫通する作業孔20bが形成されている。バランスシャフト40は回転軸42とバランスウエイト43とから構成され、作業孔20bは回転軸42の端部42aを該回転軸42の軸方向に沿って延出し、該端部42aと作業孔20bとの間に隙間を有して塞がれている。従って、バランスシャフト40の端部42aにより、作業孔20bからハウジング内部に浸入するオイルの量を低減するため、プラグ等の別部材を用いて作業孔20bを閉塞する必要が無く、作業ステップを抑えることができる。そして、ハウジング20内にウエイト室25内にオイルが浸入し難いため、ウエイト室25内のオイルによるフリクションの悪化を抑えることができる。更に、ウエイト室25内のオイルがバランスウエイト43により攪拌されることが少なくなり、オイルに対する気泡の混入が低減されるため、オイルが供給されるエンジンの各部における潤滑不良を低減することができる。また、プラグ等の別部材を用いないため、別部材を用いた場合における別部材のゆるみや脱落の発生がなく、長期にわたってエンジンの潤滑不良やフリクションの悪化を抑える、つまり性能の低下を抑えることができる。
【0035】
(2)バランスシャフト40は、軸受部27よりも端部42a側にバランスウエイト43bを有しており、軸端部にてバランスシャフトを軸支する場合に比べて該バランスシャフト40の撓みを小さく抑えることができ、偏摩耗や騒音の発生を低減することができる。
【0036】
(3)作業孔20bを挿通するツールにより第1軸受部26と第2軸受部27の軸中心が一致するように加工されるため、バランスシャフト40の回転をなめらかにすることができる。更に、作業孔20bの内径を第1軸受部26及び第2軸受部27の内径よりも大きくしたことで、ツールを第2軸受部27まで速やかに移動させ、加工速度にてツールを移動させる場合に比べて作業時間を短縮することができる。
【0037】
(4)作業孔20bは、反ドリブンギヤ41側の側壁20aに形成されている。側壁20aから挿入しドリブンギヤ41側の第1軸受部26を加工するツールの長さは、ドリブンギヤ41側から挿入し反ドリブンギヤ41側の第2軸受部27を加工するツールの長さに比べて短い。従って、ツールの先端を安定させることができ、第1軸受部26及び第2軸受部27を精度良く加工することができる。
【0038】
なお、上記各実施形態は以下のように変更してもよい。
・本実施形態では、2つの軸受部26,27によりバランスシャフト40を回動可能に支持したが、3つ以上の軸受部によりバランスシャフトを支持したバランサ装置に具体化しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】一実施形態のエンジンの正面図。
【図2】バランサ装置の側断面図。
【図3】バランサ装置の背面図。
【符号の説明】
【0040】
11…シリンダブロック、12…クランクシャフト、14…オイルパン、15…バランサ装置、20…ハウジング、20a…側壁、20b…作業孔(貫通孔)、21…第1ハウジング部材、22…第2ハウジング部材、24…ギヤ室、25…ウエイト室、26…第1軸受部、27…第2軸受部、40…バランスシャフト、41…ドリブンギヤ、42…回転軸、42a…端部、43…バランスウエイト。




 

 


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