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発明の名称 パワーステアリング用油圧装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−2888(P2007−2888A)
公開日 平成19年1月11日(2007.1.11)
出願番号 特願2005−181540(P2005−181540)
出願日 平成17年6月22日(2005.6.22)
代理人 【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
発明者 宮宇地 美絵 / 山下 真人
要約 課題
シンプルな構成により、クーラー配管とバイパス配管との油路切り替えを行うパワーステアリング用油圧装置を提供する。また、油圧ポンプの負荷を最小限にとどめることが可能なシンプルな構成のパワーステアリング用油圧装置を提供する。

解決手段
パワーステアリング用油圧装置は、パワーステアリングを動作させたために昇温したパワーステアリング用のオイルの冷却を行うクーラー配管22と、このクーラー配管22をバイパスしてオイルをリザーブタンクに環流させるバイパス配管28とを備える。クーラー配管22の温度状態によって、クーラー配管22の流動抵抗とバイパス配管28の流動抵抗の大小関係が変化するようにクーラー配管22とバイパス配管28の形状が画定されている。
特許請求の範囲
【請求項1】
油圧ポンプと、
前記油圧ポンプにより圧送されたオイルが油路を経由して戻るリザーバタンクと、
前記油圧ポンプとリザーバタンクとの間の油路上に配置され、前記油圧ポンプにより圧送されるオイルが流れ込み、ステアリングギアの駆動アシストを行うパワーアシスト機構と、
前記油路上に設けられ、前記パワーアシスト機構を通過した後のオイルの冷却を行うクーラー配管と、
前記クーラー配管と平行に配置され、前記オイルをクーラー配管を経由することなく前記リザーバタンクに環流可能とするバイパス配管と、
を含むパワーステアリング用油圧装置であって、
前記クーラー配管とバイパス配管の形状は、クーラー配管が常用温度状態であるときに、前記バイパス配管の流動抵抗が前記クーラー配管の流動抵抗より大きくなり、クーラー配管が極低温状態であるときに、前記バイパス配管の流動抵抗が前記クーラー配管の流動抵抗より小さくなるように画定されていることを特徴とするパワーステアリング用油圧装置。
【請求項2】
前記バイパス配管は、前記クーラー配管より保温効率の高い位置に配置されていることを特徴とする請求項1記載のパワーステアリング用油圧装置。
【請求項3】
前記バイパス配管は、前記クーラー配管より細径にして、流動抵抗を変化させることを特徴とする請求項1または請求項2記載のパワーステアリング用油圧装置。
【請求項4】
前記バイパス配管は、径方向に圧縮加工して流動抵抗を変化させることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のパワーステアリング用油圧装置。
【請求項5】
前記バイパス配管は、内径面に凸部を付け、流動抵抗を変化させることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のパワーステアリング用油圧装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、パワーステアリング用油圧装置、特に、オイル流路の変更が可能なパワーステアリング用油圧装置の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な油圧式パワーステアリング装置は、油圧ポンプと、この油圧ポンプから圧送されたオイルが油路を経由して戻るリザーバタンクと、油圧によりステアリング機構のパワーアシストを行うパワーアシスト機構と、一連の動作により昇温したオイルの冷却を行うクーラー配管とを含んでいる。
【0003】
油圧式パワーステアリング装置においては、車両の直進走行時などでは、油圧ポンプから圧送されたオイルは、パワーアシストを行うことなく、そのままリザーバタンクに戻される。一方、据え切りなど操舵が重くなる条件の時には、パワーアシスト機構内のバルブが油路の切り替えを行い、ラックが動く反対側のシリンダにオイルを流し込みむ。この結果発生する左右のシリンダの圧力差がラックを押す推力になる。このようなパワーアシスト動作を行うオイルは、パワーアシスト機構を通過することにより昇温する。油圧式パワーステアリング装置を最適な状態で駆動するためには、オイル温度は所定の使用適温度範囲に維持することが望ましい。そのため、パワーアシスト機構の下流側には、昇温したオイルを通過させることで冷却するクーラー配管が設けれられいる。通常、クーラー配管は、冷却効率のよい位置、例えば、ラジエータの全面側で走行時などに空冷効果を良好に得られる位置に配置され、循環中のオイルの冷却が行えるようになっている。
【0004】
このようなクーラー配管を有する油圧式パワーステアリング装置が、例えば、特許文献1に開示されている。特許文献1に開示される油圧式パワーステアリング装置は、昇温したオイルの冷却を行うクーラー配管に加え、オイルが冷却を必要としない中・低温の時にクーラー配管をバイパスするバイパス管を備えている。バイパス管は、オイルの冷却が不要な場合に、オイルをクーラー配管を通過することなくリザーバタンクに戻している。クーラー配管内をオイルが流れる場合、クーラー配管の管内抵抗に起因する油圧上昇によりエネルギロスが発生する。このエネルギロスを回避するために、冷却不要な場合にクーラー配管をバイパスしている。この場合、バイパス管とクーラー配管との間には、切替バルブが配置され、オイルの温度に応じて油路の切り替えが行われている。
【特許文献1】特開平4−151377号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1のような構成の場合、クーラー配管とバイパス管との切り替えに切替バルブが必要であると共に、その切替バルブを制御する制御器や制御器にオイル温度を提供する温度センサなどが必要となり、構成が複雑化するという問題がある。また、特許文献1の構成の場合、クーラー配管自身が極端に低温状態で、クーラー配管内に停留したオイルの流動抵抗が大きい場合にもオイルの温度が所定値より高い場合、クーラー配管側にオイルを流してしまう。例えば、極寒地などで、走行後エンジンを止めて放置し、数十分程度後に再びエンジンを始動して走行開始して、オイル温度が上がった場合、切替バルブの制御により、クーラー配管側にオイルが流れる。この場合、外気により極低温まで冷えてクーラー配管の管内に停留していたオイルの粘性は、常用温度時より増加している。その結果、オイルを無理にクーラー配管に送り込もうとして、油圧ポンプの負荷が高くなり、耐久性に影響を与えたり、エネルギロスを招いたり異音の発生の原因になり好ましくない。
【0006】
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、シンプルな構成により、クーラー配管とバイパス配管との油路切り替えを容易に行えるパワーステアリング用油圧装置を提供することにある。また、油圧ポンプの負荷を最小限にとどめることが可能なシンプルな構成のパワーステアリング用油圧装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のある態様では、油圧ポンプと、前記油圧ポンプにより圧送されたオイルが油路を経由して戻るリザーバタンクと、前記油圧ポンプとリザーバタンクとの間の油路上に配置され、前記油圧ポンプにより圧送されるオイルが流れ込み、ステアリングギアの駆動アシストを行うパワーアシスト機構と、前記油路上に設けられ、前記パワーアシスト機構を通過した後のオイルの冷却を行うクーラー配管と、前記クーラー配管と平行に配置され、前記オイルをクーラー配管を経由することなく前記リザーバタンクに環流可能とするバイパス配管と、を含むパワーステアリング用油圧装置であって、前記クーラー配管とバイパス配管の形状は、クーラー配管が常用温度状態であるときに、前記バイパス配管の流動抵抗が前記クーラー配管の流動抵抗より大きくなり、クーラー配管が極低温状態であるときに、前記バイパス配管の流動抵抗が前記クーラー配管の流動抵抗より小さくなるように画定されていることを特徴とする。
【0008】
この態様によれば、パワーステアリング用油圧装置のクーラー配管が常用温度状態の場合、流動抵抗はバイパス配管の方が高くなるので、オイルは、クーラー配管側に流れ、当該クーラー配管を通過することによりオイルの冷却が実施される。また、クーラー配管が極低温状態の場合、流動抵抗はクーラー配管の方が高くなる。その結果、オイルは、バイパス配管を通過するようになる。この場合、オイルの冷却は行われない。この態様によれば、クーラー配管の温度状態により流動抵抗の低い方の流路にオイルが自動的に流れ、クーラー配管とバイパス配管との油路切り替えを容易に行える。また、オイルは、自動的に流動抵抗の低い配管に流れるので、油圧ポンプの負荷を最小限にとどめられる。
【0009】
また、上記態様において、前記バイパス配管は、前記クーラー配管より保温効率の高い位置に配置されてもよい。ここで保温効率の高い場所とは、例えば、車両の動力源が配置される空間であり、他の機器の発生する熱によりバイパス配管の温度低下を抑制できるような場所を指す。この態様によれば、クーラー配管が外気の影響を受け低温になった場合でも、それに比べ、バイパス配管を相対的に高い温度状態にできる。その結果、クーラー配管が極低温状態にあり、流動抵抗が高くなる場合、バイパス配管の流動抵抗をそれより相対的に低くし、オイルの通過を許す。
【0010】
また、上記態様において、前記バイパス配管は、前記クーラー配管より細径にして、流動抵抗を変化させてもよい。この構成によれば、クーラー配管とバイパス配管との管径を適宜選択することにより、クーラー配管とバイパス配管との流動抵抗の関係を容易に決定できる。
【0011】
また、上記態様において、前記バイパス配管は、径方向に圧縮加工して流動抵抗を変化させてもよい。この態様によれば、バイパス配管を例えば、押しつぶし、管内径形状を例えば楕円形やひょうたん型にすることにより、クーラー配管とバイパス配管との流動抵抗の関係を容易に決定できる。なお、バイパス配管は、全体的に圧縮加工してもよし、バイパス配管の一部を圧縮加工してもよい。
【0012】
また、上記態様において、前記バイパス配管は、内径面に凸部を付け、流動抵抗を変化させてもよい。この態様によれば、バイパス配管の内径面に例えば、突起をつけたり、ラフ加工を施すことにより凸部を形成可能であり、クーラー配管とバイパス配管との流動抵抗の関係を容易に決定できる。
【発明の効果】
【0013】
本発明のパワーステアリング用油圧装置によれば、クーラー配管とバイパス配管との油路切り替えを容易に行える。また、流動抵抗の低い配管の方にオイルが自動的に流れるので、油圧ポンプの負荷を最小限にとどめられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態(以下実施形態という)を、図面に基づいて説明する。
【0015】
本実施形態のパワーステアリング用油圧装置は、パワーステアリングを動作させたために昇温したパワーステアリング用のオイルの冷却を行うクーラー配管と、このクーラー配管をバイパスしてオイルをリザーブタンクに環流させるバイパス配管とを備える。そして、クーラー配管の温度状態によって、クーラー配管の流動抵抗とバイパス配管の流動抵抗の大小関係が変化するようにクーラー配管とバイパス配管の形状を画定している。その結果、クーラー配管の温度状態によって、流動抵抗の低い配管の方にオイルが自動的に流れるようになっている。
【0016】
図1は、本実施形態のパワーステアリング用油圧装置10の概略構成図である。油圧ポンプ12は、エンジン14により駆動され、所定圧力のオイルを油路16に送出する。圧送されるオイルは、パワーステアリングギア(PSギア)18に接続されたパワーアシスト機構20に送り込まれる。パワーアシスト機構20の内部では、タイヤが路面から受ける抗力とステアリングホイールの操作方向などのパワーアシスト条件に応じて、内部のバルブが切り替えられPSギア18の所望方向への回転がアシストされる。
【0017】
このパワーアシスト動作によりオイルは昇温し、油路16へ送り出される。パワーアシスト機構20から排出されたオイルは、通常クーラー配管22に流れ込み、クーラー配管22を通過する時の空冷による熱交換作用により冷却される。このクーラー配管22は、車両の走行中などに冷却効率が向上する用に、例えばラジエータ24の前面位置で外気に直接接触する位置に配置されている。
【0018】
クーラー配管22を通過することにより冷却されたオイルは、油路16を介して、リザーバタンク26に環流し、再び油圧ポンプ12により汲み上げられ、油路16へ圧送される。
【0019】
本実施形態において、油路16には、クーラー配管22と平行にバイパス配管28が形成されている。図1に示すように、バイパス配管28は、パワーアシスト機構20の下流側に配置され、所定の条件が成立したときに、パワーアシスト機構20から排出されたオイルがクーラー配管22を通過することなくバイパス配管28に流れ込み、リザーバタンク26に環流するようになっている。つまり、オイルが、バイパス配管28を通過する場合には、オイルは冷却されることなく、リザーバタンク26に戻される。
【0020】
ところで、パワーステアリング用油圧装置10の油路16内部を流れるオイルは、パワーステアリングの利用状態や、車両の走行状態、車両周囲の温度環境などにより、冷却を必要としない場合がある。例えば、車両が走行をはじめてあまり時間が経過していないときや、転舵があまり行われない直進走行状態が長く続く場合などである。このような場合においても、従来のパワーステアリング用油圧装置の場合、オイルは、クーラー配管22側に流れる。このとき、クーラー配管22の温度が、定常温度状態、例えば0℃以上になっている場合、油圧ポンプ12は、通常の負荷状態のままオイルの圧送を行いオイルの循環を行える。つまり、耐久性に悪影響を与えることなく、またエネルギロスや異音の発生を伴うことなく油圧ポンプ12は運転される。一方、クーラー配管22の温度が極低温状態になっている場合、クーラー配管22内部に滞留したオイルの粘性が増加するためクーラー配管22内に滞留したオイルを押しだし新たなオイルを流し込むために油圧ポンプ12に負荷がかかる場合がある。例えば極寒地での走行後、エンジンを停止し、数十分後再び走行を開始するような場合、前述したようにクーラー配管22は冷却効率を重視してラジエータ24の前面など、外気と直接接触する位置に配置されている。そのため、クーラー配管22は外気により急速に冷やされる。この状態において、従来のパワーステアリング用油圧装置でエンジンを始動し転舵を行うと、粘性の高いオイルをクーラー配管22から押し出そうとして、油圧ポンプ12に負荷がかかる。その結果、油圧ポンプ12の耐久性低下を招いたりエネルギロスを生じるばかりでなく、油圧ポンプ12の負荷運転による異音の発生を招く。
【0021】
本実施形態において、バイパス配管28は、保温効率の高い位置、例えばエンジン14の近傍に配置されている。また、クーラー配管22とバイパス配管28の形状は、常用温度状態時において、バイパス配管28の流動抵抗がクーラー配管22の流動抵抗より大きくなり、極低温状態時において、バイパス配管28の流動抵抗がクーラー配管22の流動抵抗より小さくなるように画定されている。具体的には、図2に示すように、バイパス配管28の管径mがクーラー配管22の管径nより細く形成されている。例えば、クーラー配管22の管径n=10mmとした場合、バイパス配管28の管径m=4〜5mmとすることができる。このクーラー配管22やバイパス配管28の管径の選択は、油圧ポンプ12に設定値以上の負荷がかかる前にオイルの流れ方向が切り替わるように予めシミュレーションなどにより決めておく。
【0022】
したがって、クーラー配管22が極低温状態になり、クーラー配管22内部のオイルの粘性の増加により流動抵抗が増加すると、クーラー配管22とバイパス配管28の流動抵抗の関係は逆転する。つまり、エンジンが始動し、パワーステアリング用のオイルが圧速されても、クーラー配管22には流れず、バイパス配管28に流れリザーバタンク26に戻されるようになる。なお、この場合車両は走行を始めたばかりで、オイルの温度も極端に上昇していないので、クーラー配管22により冷却を行わなくても機能上問題はない。
【0023】
このように、クーラー配管22の温度が低く、オイルの流動抵抗が高くなりオイルを圧送する油圧ポンプ12に負荷が掛かる場合には、自動的に、その負荷を回避するようにオイルがバイパス配管28側に流れる。その結果、耐久性への影響を抑制すると共に、エネルギロスを解消できる。また、油圧ポンプ12の負荷運転が回避されるので、異音の発生を抑制できる。
【0024】
なお、車両の走行が進み、ラジエータ24から放射される熱などにより、クーラー配管22が常用温度状態になると、クーラー配管22内部に滞留したオイルの粘性も定常状態に戻り、クーラー配管22とバイパス配管28の流動抵抗の関係は逆転する。つまり、両者の流動抵抗は管径に応じてクーラー配管22>バイパス配管28となり、オイルは、クーラー配管22側に積極的に流れ始め、オイルの冷却も行われるようになる。この場合、油圧ポンプ12は定常運転となるので、エネルギロスや異音の発生はない。
【0025】
このように、クーラー配管22が常用温度状態である場合には、オイルは、クーラー配管22に流れ、クーラー配管22が極低温状態である場合には、オイルは、バイパス配管28に流れる。そして、その切り替えは、温度センサによる温度検出やバルブ制御などを用いることなく、クーラー配管22の温度状態に基づく流動抵抗の変化(圧力損失の変化)に基づき、自動的に行われる。その結果、特に、車両の走行開始直後など、パワーステアリング用のオイル温度が低く冷却を必要とせず、また、クーラー配管22の温度が低い場合には、バイパス配管28が優先的に利用される。そして、油圧ポンプ12の負荷軽減が可能になる。また、車両の走行が継続的に行われ、オイルの冷却を必要とし、また、クーラー配管22が常用温度状態になった場合には、クーラー配管22によるオイルの冷却が良好に行われるように、オイルの流れが自動的に切り替わる。
【0026】
図3は、クーラー配管22とバイパス配管28の形状を、クーラー配管22の常用温度状態時において、バイパス配管28の流動抵抗がクーラー配管22の流動抵抗より大きくし、極低温状態時において、バイパス配管28の流動抵抗がクーラー配管22の流動抵抗より小さくする他の方法を示す図である。
【0027】
図3に示すように、クーラー配管22とバイパス配管28の素材管径は同じであるが、バイパス配管28の一部に絞り部28aを形成している。絞り部28aは、例えば、圧縮加工などにより任意の位置に、所定の絞り量で、例えば管内断面が楕円形やひょうたん型に容易に形成できる。絞り部28aを形成することにより、常用温度状態時の実質的な流動抵抗をバイパス配管28>クーラー配管22としている。この場合も、クーラー配管22が極低温状態になり、内部に滞留するオイルに粘性の変化が生じた場合、流動抵抗は、バイパス配管28<クーラー配管22となり、オイルはバイパス配管28側に流れ油圧ポンプ12の負荷を増大させることなく、オイルの循環が行える。つまり、図2に示す管径を変化させる場合と同様な効果を得ることができる。なお、絞り部28aの形成数は適宜選択可能であり、利用するオイルの粘性変化特性などに応じて決定することが望ましい。このように、圧縮加工などにより絞り部28aを形成する場合、配管素材を統一できると共に、絞り部28aの形状や個数により流動抵抗の微妙な調整が容易にできるので、製造コストの低減や設計自由度の向上に寄与することができる。
【0028】
図4は、クーラー配管22とバイパス配管28の形状画定を他の構造で実現している例である。図4の例においても、クーラー配管22とバイパス配管28の素材管径は同じであるが、バイパス配管28形成側には、内部に凸部30aが形成されたソケット30が装着されている。ソケット30の両端には、例えばねじ部が形成され、バイパス配管28や油路16に形成されたねじ部と螺合させることにより装着できる。図4に示すソケット30の凸部30aは1つであるが、凸部30aの数は任意であり、複数形成し凹凸状にしてもよい。このようなソケット30を用いても、図2、図3に示す例と同様に、クーラー配管22とバイパス配管28の形状を画定し所望の流動抵抗の関係が得られる。なお、バイパス配管28の管内表面をラフ加工することにより、流動抵抗の調節を行うようにしても上述と同様な効果を得ることができる。なお、ソケット30内の凸部30aの形成数は適宜選択可能であり、利用するオイルの粘性変化特性などに応じて決定するすることが望ましい。このように、ソケット30を装着するのみで、クーラー配管22とバイパス配管28の配管素材が同じでも流動抵抗の微妙な調整が容易にできる。その結果、製造コストの低減や設計自由度の向上に寄与することができる。
【0029】
なお、図1に示すパワーステアリング用油圧装置10の構成は一例であり、クーラー配管22の下流にクーラー配管22とバイパス配管28とが並列に設けられ、クーラー配管22とバイパス配管28の形状が、常用温度状態時において、バイパス配管28の流動抵抗がクーラー配管22の流動抵抗より大きくなり、極低温状態時において、バイパス配管28の流動抵抗がクーラー配管22の流動抵抗より小さくなるように画定されていいれば、他の構成は適宜変更可能である。例えば、オイルの冷却を必要とする時に、さらにクーラー配管22の冷却効率を向上するために、ファンを配置してもよい。また、クーラー配管22とバイパス配管28の流動抵抗の設定は、車種ごとに配置が変化するクーラー配管22とバイパス配管28の位置関係に応じて変更することが望ましい。そして、実際のクーラー配管22やバイパス配管28の管径や圧縮加工状態などは、バイパス配管28の温度を変化させた場合の流動シミュレーションなどを行うことにより決めることが望ましい。
【0030】
また、本実施形態では、クーラー配管22の常用温度状態の一例として、0℃を示し、極低温状態をそれ未満とする例を示したが、パワーステアリング用に用いるオイルの特性に応じて、常用温度状態や極低温状態の温度は選択することが好ましい。例えば、常用温度状態を−30℃以上とする場合もある。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本実施形態に係るパワーステアリング用油圧装置の構成概念図である。
【図2】本実施形態に係るパワーステアリング用油圧装置のクーラー配管とバイパス配管の形状を示す部分拡大図である。
【図3】本実施形態に係るパワーステアリング用油圧装置のクーラー配管とバイパス配管の他の形状例を示す部分拡大図である。
【図4】本実施形態に係るパワーステアリング用油圧装置のクーラー配管とバイパス配管のさらに他の形状例を示す部分拡大図である。
【符号の説明】
【0032】
10 パワーステアリング用油圧装置、 12 油圧ポンプ、 14 エンジン、 16 油路、 18 PSギア、 20 パワーアシスト機構、 22 クーラー配管、 24 ラジエータ、 26 リザーバタンク、 28 バイパス配管、 28a 絞り部、 30 ソケット、 30a 凸部。




 

 


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