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発明の名称 空隙充填シート
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−2863(P2007−2863A)
公開日 平成19年1月11日(2007.1.11)
出願番号 特願2005−180390(P2005−180390)
出願日 平成17年6月21日(2005.6.21)
代理人 【識別番号】100079142
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 祥泰
発明者 井上 法一 / 尾崎 直樹
要約 課題
空隙の充填効率を向上させることができる安価な空隙充填シートを提供すること。

解決手段
加熱することにより発泡、膨張させて空隙を充填するための空隙充填シート1。空隙充填シート1は、空隙充填シート1の端縁部に沿って形成された薄肉部11と、薄肉部11よりも厚みの大きい厚肉部12とからなる。薄肉部11は、厚肉部12を挟むように厚肉部12の両脇に形成されていることが好ましい。空隙充填シート1は、自動車用ピラーの内部の空隙を充填する充填材として用いることができる。
特許請求の範囲
【請求項1】
加熱することにより発泡、膨張させて空隙を充填するための空隙充填シートであって、
該空隙充填シートの端縁部に沿って形成された薄肉部と、
該薄肉部よりも厚みの大きい厚肉部とからなることを特徴とする空隙充填シート。
【請求項2】
請求項1において、上記薄肉部は、上記厚肉部を挟むように該厚肉部の両脇に形成されていることを特徴とする空隙充填シート。
【請求項3】
請求項2において、上記薄肉部は、上記厚肉部を囲むように該厚肉部の周囲に形成されていることを特徴とする空隙充填シート。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項において、上記空隙充填シートは、自動車用ピラーの内部の空隙を充填するための充填材であることを特徴とする空隙充填シート。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車用ピラーの内部等の空隙内に配置すると共に加熱することにより空隙内において発泡、膨張させ、空隙を充填するための空隙充填シートに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、自動車用ピラー等の中空体の内部の空隙に発泡体を充填することにより、遮音、制振、補強を行う技術がある。即ち、例えば、上記発泡体によって、自動車用ピラーの内部の空隙を通る空気の流れを止めて風切音を防いだり、自動車用ピラーに伝わる振動を吸収したりする。
かかる発泡体を空隙に充填するに当たっては、発泡前の空隙充填シートを空隙の内部に配置しておき、空隙内においてこの空隙充填シートを発泡、膨張させることにより、発泡体を形成して空隙を充填させる(特許文献1、2参照)。
【0003】
しかしながら、上記空隙が大きい場合や、複雑な形状を有している場合等には、発泡体が空隙を充分に充填することが困難となるおそれがある。即ち、例えば、図12に示すごとく、空隙充填シートを貼着した部分から遠い領域99に、発泡体90が充分に行き渡らないことがある。
そして、図13に示すごとく、上下方向に連続形成された自動車用ピラー93の内部の空隙92において、空隙充填シートを発泡させた場合、発泡、膨張が充分になされないと、空隙充填シートを貼着した面に対向する面まで発泡体90が到達せず、下方へ垂れ下がってしまうおそれもある。
【0004】
かかる不具合を防ぐために、例えば、空隙の形状に合わせた固形の樹脂体の周囲に発泡層を形成したものを、空隙内に配置し、発泡層を発泡させることが考えられる。しかし、かかる手段を用いることは、コスト低減を妨げることとなる。
【0005】
【特許文献1】特開平7−238276号公報
【特許文献2】特公平7−119399号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、空隙の充填効率を向上させることができる安価な空隙充填シートを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、加熱することにより発泡、膨張させて空隙を充填するための空隙充填シートであって、
該空隙充填シートの端縁部に沿って形成された薄肉部と、
該薄肉部よりも厚みの大きい厚肉部とからなることを特徴とする空隙充填シートにある(請求項1)。
【0008】
次に、本発明の作用効果につき説明する。
上記空隙充填シートは、上記薄肉部を端縁部に沿って形成してなる。そのため、上記空隙充填シートを加熱して発泡、膨張させる際に、上記薄肉部が先に高温となり、発泡、膨張し、更には凝固する。そして、上記薄肉部の発泡、膨張、凝固に遅れて、上記厚肉部の発泡、膨張、凝固が起こる。それ故、厚肉部は、先に膨張した薄肉部の発泡体に支承されながら、発泡、膨張するため、空隙充填シートの厚み方向に向かって大きく膨張していくことができる。
これにより、空隙充填シートを貼着した側と反対側の空隙の壁面まで、容易に発泡体が膨張し、充分に空隙を充填することができる。即ち、空隙の充填効率を向上させることができる。
【0009】
また、上記空隙充填シートは、端縁部に上記薄肉部を形成した単純な構成であり、例えば、シート状体の端縁部に肉盗みを施すだけで形成することができる。そのため、材料コスト、製造コストも低減することができる。
【0010】
以上のごとく、本発明によれば、空隙の充填効率を向上させることができる安価な空隙充填シートを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明(請求項1)において、上記空隙充填シートは、一方の面に接着層を設けてなることが好ましい。
また、上記薄肉部の厚みt1と上記厚肉部の厚みt2とは、例えば、0.4≦t1/t2≦0.6の関係を有することが好ましい。また、薄肉部の幅w1と厚肉部の幅w2とは、例えば、0.25≦w1/w2≦0.4の関係を有することが好ましい。
また、上記厚肉部の厚みt2は、例えば5mm以下、幅w2は例えば50mm以下とすることができる。
【0012】
また、上記空隙充填シートは、例えば、ポリマー、無機充填剤、架橋剤、発泡剤を調整・配合したものからなる。上記ポリマーとしては、例えば、熱可塑性樹脂を用いることができ、ポリオレフィン、エチレンビニルアセテートポリマー、エチレンプロピレンゴム、スチレンブタジエンゴム等を用いることができる。
また、無機充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、フェライト、シリカ等を用いることができる。架橋剤としては、例えば、パーオキサイド、硫黄等を用いることができる。発泡剤としては、例えば、アゾジカルボンアミド、ジニトロペンタメチレンテトラミン等を用いることができる。
【0013】
また、上記薄肉部は、上記厚肉部を挟むように該厚肉部の両脇に形成されていることが好ましい(請求項2)。
この場合には、空隙充填シートを、その厚み方向に一層膨張させることができる。即ち、上記薄肉部が両脇にあることにより、上記厚肉部は、両脇の薄肉部の発泡体によって両脇から支承されながら膨張することができる。それ故、空隙充填シートは、その厚み方向に大きく膨張することができる。
【0014】
また、上記薄肉部は、上記厚肉部を囲むように該厚肉部の周囲に形成されていることが好ましい(請求項3)。
この場合には、上記厚肉部は、周囲の薄肉部の発泡体によって周囲から支承されながら膨張することができる。それ故、空隙充填シートは、その厚み方向に一層大きく膨張することができる。
また、上記薄肉部は、上記厚肉部の全周に形成されていることが、更に好ましい。
【0015】
また、上記空隙充填シートは、自動車用ピラーの内部の空隙を充填するための充填材とすることができる(請求項4)。
この場合には、上記自動車用ピラーの風切音や振動の抑制を効果的に行うことができる。
なお、本発明の空隙充填シートは、自動車用ピラーの内部の空隙を充填する以外にも、例えば、自動車用のサイドパネル、ルーフパネル等、他の種々の中空体の空隙を充填するために用いることができる。
【実施例】
【0016】
(実施例1)
本発明の実施例にかかる空隙充填シートにつき、図1〜図9を用いて説明する。
本例の空隙充填シート1は、図4、図5に示すごとく、加熱することにより発泡、膨張させて空隙2を充填するためのものである。
そして、図1、図2に示すごとく、該空隙充填シート1は、その端縁部に沿って形成された薄肉部11と、該薄肉部11よりも厚みの大きい厚肉部12とからなる。薄肉部11は、厚肉部12を挟むように厚肉部12の両脇に形成されている。
また、空隙充填シート1は、一方の面に接着層13を設けてなる。なお、図3〜図9においては、接着層13の記載を省略している。
【0017】
本例の空隙充填シート1は、長方形のシートであり、互いに平行に配置された2つの端縁部に肉盗みを施すことにより、薄肉部11を形成する。そして、その2つの薄肉部11の間に厚肉部12が形成される。
薄肉部11の厚みt1は2.5mm、幅w1は15mmであり、厚肉部12の厚みt2は5mm、幅w2は60mmである。また、空隙充填シート1の長さは110mmである。
【0018】
また、上記空隙充填シート1は、例えば、ポリマー、無機充填剤、架橋剤、発泡剤を調整・配合したものからなる。上記ポリマーとしては、例えば、熱可塑性樹脂を用いることができ、ポリオレフィン、エチレンビニルアセテートポリマー、エチレンプロピレンゴム、スチレンブタジエンゴム等を用いることができる。
また、無機充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、フェライト、シリカ等を用いることができる。架橋剤としては、例えば、パーオキサイド、硫黄等を用いることができる。発泡剤としては、例えば、アゾジカルボンアミド、ジニトロペンタメチレンテトラミン等を用いることができる。
【0019】
本例の空隙充填シート1は、図3〜図5に示すごとく、自動車用ピラー3の内部の空隙2を充填するための充填材である。
自動車用ピラー3は、自動車の内側に配されるインナープレート31と、自動車の外側に配されるアウタープレート32とを接合することにより形成される。インナープレート31とアウタープレート32との間には、補強用のリインフォース33が接合されている。そして、空隙部2は、インナープレート31とアウタープレート32との間であり、アウタープレート32とリインフォース33との間に形成される。インナープレート31、アウタープレート32、及びリインフォース33は、それぞれ予めプレス加工等によって成形された鋼板からなる。
【0020】
自動車用ピラー3を組み立てるに当たっては、図3に示すごとく、インナープレート31とリインフォース33とアウタープレート32とを重ね合わせて溶接することにより組付ける。この組付けの前に、アウタープレート32の内側面に空隙充填シート1を、接着層13を介して貼着する。
【0021】
その後、自動車用ピラー3は、洗浄、下塗塗装(電着)等の工程を経た後、160〜170℃の温度で乾燥、焼付けが施される。このとき、上記空隙充填シート1は、図6〜図9に示すごとく、発泡、膨張し、更には凝固する。そして、空隙充填シート1が発泡、膨張、凝固することにより形成された発泡体10は、自動車用ピラー3の内部の空隙2の一部に充填される。
その後、自動車用ピラー3には、中塗塗装、上塗塗装が施され、車体の最終組み立てが行われる。そして、各部に形成された開口孔を、グロメット等によって塞ぐ。
【0022】
なお、空隙充填シート1は、アウタープレート32に貼着する以外にも、リインフォース33或いはインナープレート31に貼着してもよい。また、自動車用ピラー3の断面形状は、図3に示すものに限らず種々の形状があり、場合によっては、リインフォース33によって区切られた2つの空隙部において、それぞれ空隙充填シート1を発泡、膨張させることもできる。
また、自動車用ピラー3は、リインフォース33を用いずに構成することもできる。
【0023】
次に、本例の作用効果につき説明する。
上記空隙充填シート1は、上記薄肉部11を端縁部に沿って形成してなる。そのため、上記空隙充填シート1を加熱して発泡、膨張させる際に、図7に示すごとく、上記薄肉部11が先に高温となり、発泡、膨張し、更には凝固する。そして、上記薄肉部11の発泡、膨張、凝固に遅れて、図8に示すごとく、上記厚肉部12の発泡、膨張、凝固が起こる。それ故、図8、図9に示すごとく、厚肉部12(厚肉部の発泡体120)は、先に膨張した薄肉部11の発泡体110に支承されながら、発泡、膨張するため、空隙充填シート1の厚み方向に向かって大きく膨張していくことができる。
【0024】
これにより、図4、図5に示すごとく、空隙充填シート1を貼着した側と反対側の空隙2の壁面(本例においては、リインフォース33又はインナープレート31)まで、容易に発泡体10が膨張し、充分に空隙を充填することができる。即ち、空隙2の充填効率を向上させることができる。
【0025】
また、上記空隙充填シート1は、端縁部に上記薄肉部11を形成した単純な構成であり、例えば、シート状体の端縁部に肉盗みを施すだけで形成することができる。そのため、材料コスト、製造コストも低減することができる。
【0026】
また、薄肉部11は厚肉部12の両脇に形成されているため、空隙充填シート1を、その厚み方向に一層膨張させることができる。即ち、薄肉部11が両脇にあることにより、図7、図8に示すごとく、厚肉部12は、両脇の薄肉部11の発泡体110によって両脇から支承されながら膨張することができる。それ故、空隙充填シート1は、その厚み方向に大きく膨張することができる。
また、上記のごとく、空隙充填シート1を自動車用ピラー3の内部の空隙2を充填するために用いることにより、自動車用ピラー3の風切音や振動の抑制を効果的に行うことができる。
【0027】
以上のごとく、本例によれば、空隙の充填効率を向上させることができる安価な空隙充填シートを提供することができる。
【0028】
(実施例2)
本例は、図10、図11に示すごとく、薄肉部11が厚肉部12を囲むように厚肉部12の周囲に形成された空隙充填シート1の例である。
薄肉部11は、空隙充填シート1の4辺の端縁部に沿って形成され、厚肉部12の全周に形成されている。
その他は、実施例1と同様である。
【0029】
本例の場合には、厚肉部12は、周囲の薄肉部11の発泡体110によって全周囲から支承されながら膨張することができる。それ故、空隙充填シート1は、その厚み方向に一層大きく膨張することができる。
その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
【0030】
(実験例)
本例は、本発明の空隙充填シートによる空隙充填効率を測定した例である。
即ち、実施例1に示した空隙充填シート1を、実施例1において示した自動車用ピラー3の空隙2に配置して発泡、膨張させたとき、空隙2の断面積のうちどの程度の面積が充填されたかを測定した。
一方、比較として、薄肉部11(肉盗み部)を形成しない点以外は実施例1の空隙充填シート1と同様の構成の空隙充填シートを用いて、同様の測定を行った。即ち、比較例の空隙充填シートは、厚み5mmの一定厚みを有し、長さ110mm、幅90mmを有する。
【0031】
試験の結果、本発明の空隙充填シート1を用いた場合には、約85%の空隙充填効率を得ることができ、図4に示すごとく、空隙2の略全体にわたって発泡体10を充填することができた。
一方、比較例の空隙充填シートを用いた場合には、空隙充填効率が約60%に留まり、図12に示すごとく、空隙充填シートを貼着した面から遠い領域99にまで発泡体90を行き渡らせることができなかった。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】実施例1における、空隙充填シートの斜視図。
【図2】実施例1における、空隙充填シートの平面図。
【図3】実施例1における、自動車用ピラーの空隙に空隙充填シートを配置した状態を示す断面図。
【図4】実施例1における、自動車用ピラーの空隙を発泡体が充填した状態を示す断面図。
【図5】図4のA−A線矢視断面図。
【図6】実施例1における、発泡前の空隙充填シートの断面図。
【図7】実施例1における、薄肉部が発泡した状態を示す断面図。
【図8】実施例1における、厚肉部が発泡した状態を示す断面図。
【図9】実施例1における、発泡体が更に膨張を続ける状態を示す断面図。
【図10】実施例2における、空隙充填シートの斜視図。
【図11】実施例2における、空隙充填シートの平面図。
【図12】従来例における、発泡体が空隙を充填しきれない状態を示す断面図。
【図13】図12のB−B線矢視断面図。
【符号の説明】
【0033】
1 空隙充填シート
10 発泡体
11 薄肉部
12 厚肉部
13 接着層
2 空隙
3 自動車用ピラー
31 インナープレート
32 アウタープレート
33 リインフォース




 

 


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