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発明の名称 シリンダブロック及びその製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−2823(P2007−2823A)
公開日 平成19年1月11日(2007.1.11)
出願番号 特願2005−187345(P2005−187345)
出願日 平成17年6月27日(2005.6.27)
代理人 【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
発明者 塚原 猛
要約 課題
製造行程の複雑化を抑えつつウォータジャケットの冷却水による適正な冷却性能を確保することのできるシリンダブロック、及び同シリンダブロックの製造方法を提供する。

解決手段
シリンダブロック20は、その複数のシリンダの周囲にウォータジャケット12が区画形成される。シリンダブロック20は、ウォータジャケット12となる部位を境に、シリンダ部40とブロック本体50との別体構造とされる。隣り合うシリンダ壁が一部共有されるように一体に形成されてシリンダ部40のシリンダライナ部41が形成される。シリンダライナ部41には、その共有部分45を貫通してウォータジャケット12の一部をなす貫通孔46が形成される。貫通孔46は、シリンダ部40及びブロック本体50を一体に組み付けるのに先立ち形成される。
特許請求の範囲
【請求項1】
複数のシリンダの周囲にウォータジャケットが区画形成されて、シリンダヘッドに組み付けられることでエンジンの本体部を構成するシリンダブロックにおいて、
前記シリンダブロックは、前記ウォータジャケットとなる部位を境に、同ウォータジャケットの外側壁を構成するブロック本体と、そのシリンダ側を構成するシリンダライナ部との別体構造からなり、
前記シリンダライナ部は、隣り合うシリンダ壁が一部共有されるように一体に形成されてなるとともに、該共有部分を貫通して前記ウォータジャケットの一部をなす貫通孔が形成されてなる
ことを特徴とするシリンダブロック。
【請求項2】
請求項1に記載のシリンダブロックにおいて、
前記貫通孔は、前記シリンダヘッドに近い部位ほど前記シリンダ壁の内部において同貫通孔の占める割合が大きくなる形状に形成されてなる
ことを特徴とするシリンダブロック。
【請求項3】
請求項2に記載のシリンダブロックにおいて、
前記貫通孔として平行に延びる複数の貫通孔が形成され、それら貫通孔の間隔が前記シリンダヘッドに近い部位ほど狭く設定されてなる
ことを特徴とするシリンダブロック。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載のシリンダブロックを製造する方法であって、
前記ブロック本体及び前記シリンダライナ部を一体に組み付けるのに先立ち、同シリンダライナ部に前記貫通孔を形成する
ことを特徴とするシリンダブロックの製造方法。
【請求項5】
請求項4に記載のシリンダブロックの製造方法において、
前記貫通孔を切削加工によって形成する
ことを特徴とするシリンダブロックの製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、隣り合うシリンダ壁が一部共有されるように一体に形成されてなるシリンダブロック、及び同シリンダブロックの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
エンジンのシリンダブロックとして、隣り合うシリンダ壁が一部共有されるように一体に形成された、いわゆるサイアミーズシリンダの採用されたものが知られている。こうしたシリンダブロックは、隣り合うシリンダの距離を短くしてエンジンをコンパクトにすることができるため、近年多用されている。
【0003】
また、シリンダブロックの内部にはウォータジャケットが形成されており、同ウォータジャケット内を流通する冷却水とシリンダブロックとの熱交換を通じてエンジンの冷却が行われる。
【0004】
ここで、上記サイアミーズシリンダの採用されたシリンダブロックにあっては、シリンダ壁の共有される部分が冷却され難いため、その共有部分の温度が他の部分の温度と比較して高くなり易い。そのため、シリンダ壁の各部における熱変形量に差が生じてシリンダ内壁の真円度が低下し、これに起因してフリクションの増大や潤滑オイルの消費量増大などを招くこととなる。また上記共有部分の温度上昇が適正に抑制されるように冷却水流量を設定すると、これが共有部分以外の部分にあっては過剰な流量となるため、潤滑オイル温度が過度に低下し、これによってもフリクションの増大を招くこととなる。
【0005】
そこで従来、上記共有部分を冷却するために、同共有部分にウォータジャケットの一部をなす貫通孔を設けることが提案されている。例えば特許文献1には、切削加工によって上記共有部分にウォータジャケットを形成したシリンダブロックが開示されている。また特許文献2には、上記共有部分に別部材を鋳込むことによってウォータジャケットを形成したシリンダブロックが開示されている。
【特許文献1】特開平7−224716号公報
【特許文献2】特許第3120322号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、ウォータジャケットはシリンダブロックの内部に形成されるため、ウォータジャケットの一部をなす貫通孔を切削加工によって上記共有部分に形成する場合、同貫通孔を形成することの可能な部分は限られる。そのため特許文献1に記載のシリンダブロックにあっては、上記共有部分にウォータジャケットを形成することは可能なものの、その形状の設定についての自由度が極めて低く、シリンダ壁の温度分布を適正な分布に保つことの可能な形状のウォータジャケットを形成することは極めて困難である。
【0007】
一方、特許文献2に記載のシリンダブロックは、これに鋳込む部材の形状を設定することによって上記共有部分に形成されるウォータジャケットの形状を任意に設定することができる。そのため、上記温度分布が適正なものとなる任意の形状のウォータジャケットを形成することは可能である。
【0008】
しかしながら、上記共有部分に熱膨張率の異なる別部材が鋳込まれるため、同部材とシリンダ壁との熱変形量の差によってシリンダ内壁の真円度の低下を招くおそれがある。また機関振動によって上記部材の一部がシリンダブロックから剥離したり、それに伴ってシリンダブロックの剛性が低下したりするおそれもある。
【0009】
本発明は、そうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、製造行程の複雑化を抑えつつウォータジャケットの冷却水による適正な冷却性能を確保することのできるシリンダブロック、及び同シリンダブロックの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について説明する。
まず、請求項1に記載の発明は、複数のシリンダの周囲にウォータジャケットが区画形成されて、シリンダヘッドに組み付けられることでエンジンの本体部を構成するシリンダブロックにおいて、前記シリンダブロックは、前記ウォータジャケットとなる部位を境に、同ウォータジャケットの外側壁を構成するブロック本体と、そのシリンダ側を構成するシリンダライナ部との別体構造からなり、前記シリンダライナ部は、隣り合うシリンダ壁が一部共有されるように一体に形成されてなるとともに、該共有部分を貫通して前記ウォータジャケットの一部をなす貫通孔が形成されてなることをその要旨とする。
【0011】
上記構成によれば、ブロック本体とシリンダライナ部とが一体に組み付けられる前において、同シリンダライナ部の隣り合うシリンダ壁の共有部分が外部に露出した状態になるために、同共有部分に貫通孔を形成するための加工を容易に行うことができる。しかも上記共有部分に高い位置自由度をもって貫通孔(ウォータジャケット)を形成することができるため、シリンダ壁の温度分布が適正なものとなる任意形状のウォータジャケットを容易に形成することができる。したがって、製造行程の複雑化を抑えつつウォータジャケットの冷却水による適正な冷却性能を確保することができるようになる。
【0012】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のシリンダブロックにおいて、前記貫通孔は、前記シリンダヘッドに近い部位ほど前記シリンダ壁の内部において同貫通孔の占める割合が大きくなる形状に形成されてなることをその要旨とする。
【0013】
ここで、シリンダ壁の温度はシリンダヘッドに近い部位ほど、すなわち燃焼室に近い部位ほど高くなる。そのため、前記共有部分を適正に冷却するためには、シリンダヘッドに近い部位ほど大きな冷却効果が得られるように前記貫通孔を形成することが望ましい。
【0014】
この点、上記構成によれば、上記共有部分における上記シリンダヘッドに近い部位ほど多量の冷却水が流通するように、換言すれば、大きな冷却効果が得られるように上記貫通孔を形成することができ、同共有部分を適正に冷却することができるようになる。
【0015】
なお、請求項2に記載の発明は、請求項3に記載の発明によるように、前記貫通孔として平行に延びる複数の貫通孔を形成し、それら貫通孔の間隔をシリンダヘッドに近い部位ほど狭く設定する、といった構成によって実現することができる。その他、前記貫通孔として複数の貫通孔を形成し、シリンダヘッドに近い部位に形成される貫通孔ほど開口断面積を大きく設定する、といった構成によっても請求項2に記載の発明は実現することができる。
【0016】
また、請求項1〜3のいずれか一項に記載のシリンダブロックを製造するに際しては、請求項4によるように、ブロック本体及びシリンダライナ部を一体に組み付けるのに先立ち、同シリンダライナ部に貫通孔を形成する、といった製造方法を採用することが望ましい。
【0017】
また、前記共有部分に貫通孔を形成する際には、請求項5によるように、これを切削加工により形成することが望ましい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明にかかるシリンダブロックを具体化した一実施の形態について、図を参照して詳細に説明する。
本実施の形態にかかるシリンダブロックは直列4シリンダ式のエンジンに用いられるものである。
【0019】
図1(a)は、本実施の形態にかかるシリンダブロックの斜視構造を、図1(b)はその側面構造をそれぞれ示している。
これらの図に示されるように、エンジン10のシリンダブロック20には、その上部に4つのシリンダ11が形成され、その下部にはクランクケース部51が設けられている。このクランクケース部51は、いわゆるクランクケースを形成し、その下方に取り付けられるオイルパン(図示略)と共にクランクシャフト(図示略)を収容する。このシリンダブロック20は、シリンダヘッド30に組み付けられることでエンジン10の本体部を構成する。
【0020】
上記シリンダブロック20は、シリンダ部40とブロック本体50とに分割された分割構造とされている。以下、それらシリンダ部40及びブロック本体50について各別に説明する。
【0021】
ここでは先ず、シリンダ部40について説明する。
図2(a)は、シリンダ部40の斜視構造を、図2(b)はその側面構造をそれぞれ示している。
【0022】
これら図に示されるように、シリンダ部40は、シリンダブロック20のシリンダライナ部41とアッパデッキ部42とを構成している。
シリンダライナ部41は、シリンダライナとなる4つの円管体を連続して繋げたように、言い換えれば、隣り合う円管体(シリンダ壁)が一部共有されるように一体に形成されている。各円管体の内周面43は上記シリンダ11(図1(a))の周壁面を構成し、その外周面44は、シリンダ11の周囲に区画形成されるウォータジャケットの同シリンダ11側の壁面を構成する。このウォータジャケットについては後に詳述する。なおシリンダ11の表面となるシリンダライナ部41の内周面43には、例えば鋳鉄等による保護膜が溶射等によって被覆形成されている。
【0023】
また、シリンダライナ部41の上記円管体が共有される部分(以下、「共有部分45」)には、その一方の側面から他方の側面に向けて直線状に延びる複数の貫通孔46が形成されている。それら貫通孔46は、詳しくは、ほぼ並行に延びるように、且つ互いの間隔がシリンダヘッド30(同図(a)及び(b)中では上方)に近い部位ほど狭くなるようにそれぞれ形成されている。
【0024】
一方、アッパデッキ部42は、上記シリンダライナ部41の上端部に略平板形状をなして形成されている。このアッパデッキ部42の上面には、シリンダブロック20へのシリンダヘッド30(図1)の組み付けに際して、同シリンダヘッド30の底面が当接されるようになっている。また、アッパデッキ部42には、シリンダブロック20とシリンダヘッド30との締結に用いられるヘッドボルト(図示略)の挿通される複数のボルト挿通孔48が形成されている。
【0025】
次に、ブロック本体50について説明する。
図3(a)は、ブロック本体50の斜視構造を、図3(b)はその側面構造をそれぞれ示している。
【0026】
これら図に示されるように、ブロック本体50は大きくは、シリンダブロック20の上記クランクケース部51とシリンダ外壁部52とを構成している。クランクケース部51及びシリンダ外壁部52の外周には、縦横に延設されるように、補強のための複数のリブ53が形成されている。
【0027】
クランクケース部51上部には、その上方に突出するようにシリンダ外壁部52が形成されている。シリンダ外壁部52は、上述したシリンダ部40のシリンダライナ部41の外周面44と対向するように形成された内周面54を有する略環状に成形されている。このシリンダ外壁部52は、前記ウォータジャケットとなる部分を囲む外側壁を構成する。
【0028】
また、シリンダ外壁部52の上端部には、その外周からシリンダボア外周側に突出したフランジ55が形成されている。フランジ55の形成されたシリンダ外壁部52の上面により、前記シリンダ部40のアッパデッキ部42(図2)が当接支持されるようになっている。さらに、シリンダ外壁部52には、上記ヘッドボルトの螺合される複数のボルト締結穴57が設けられている。
【0029】
次に、上記シリンダブロック20の製造にかかる手順について説明する。
先ず、貫通孔46の形成されていないシリンダ部40、及びブロック本体50が形成される。なお、これらシリンダ部40及びブロック本体50はいずれも、例えばアルミニウム合金やマグネシウム合金からなり、ダイカスト製法等を用いて一体に鋳造される。
【0030】
次に、シリンダ部40に、切削加工(具体的には、ドリルによる穴あけ加工)によって複数の貫通孔46が形成される。
その後、以下のように上記シリンダ部40がブロック本体50に取り付けられて、シリンダブロック20が形成される。
【0031】
図4に、図1(b)のIV−IV線に沿ったシリンダブロック20の断面構造を示す。
同図に示されるように、ブロック本体50のシリンダ外壁部52の内部には、その上方から上記シリンダ部40のシリンダライナ部41が挿入装着される。この装着により、シリンダライナ部41の外周面44とシリンダ外壁部52の内周面54との対向面間には間隙が形成される。なお、シリンダライナ部41は、シリンダ外壁部52の上面とアッパデッキ部42の下面とが当接される位置までシリンダ外壁部52内に挿入されている。また、シリンダライナ部41の外周面44下部がシリンダ外壁部52の内周面54下部に当接しており、シリンダライナ部41の下方部分がシリンダ外壁部52の下方部分によって支持されている。
【0032】
これにより、シリンダブロック20におけるシリンダ11の周囲に、シリンダライナ部41の外周面44、シリンダ外壁部52の内周面54、及び上記アッパデッキ部42の下面によって、上述のウォータジャケット12が区画形成されるようになっている。なお、上記アッパデッキ部42の下面とシリンダ外壁部52の上面との対向面間、及びシリンダライナ部41下方の外周面44とシリンダ外壁部52下方の内周面54との対向面間には、それぞれシール材(図示略)が介設されている。これにより、それら対向面間からウォータジャケット12外への冷却水の漏れがシールされている。
【0033】
こうした製造方法にあっては、シリンダ部40とブロック本体50とを一体に組み付ける前において、同シリンダ部40の共有部分45が外部に露出した状態になる。そのため、上述した複数の貫通孔46を共有部分45に形成するための加工を容易に行うことができる。しかも共有部分45に高い自由度をもって貫通孔46を形成することができるようになるため、シリンダ壁の温度分布が適正なものとなる任意形状のウォータジャケット12を容易に形成することもできる。したがって、製造行程の複雑化を抑えつつウォータジャケットの冷却水による適正な冷却性能を確保することができるようになる。
【0034】
なお、このように適正な冷却性能を確保することにより、共有部分45とそれ以外の部分との熱変形量の差によってシリンダ内壁の真円度が低下することによるフリクションの増大や潤滑オイルの消費量増大、及び共有部分45以外の部分が過度に冷却されることによるフリクションの増大を的確に抑制することができるようになる。また本実施の形態にかかる製造方法によれば、ウォータジャケット12の通路形状(正確には、貫通孔46の形成態様)の異なるシリンダブロックを容易に作り分けること等も可能になる。
【0035】
ちなみに、エンジン10の組み立てに際しては、先ず上記シリンダブロック20にピストンやクランクシャフト等が取り付けられ、またシリンダヘッド30に吸気バルブや排気バルブ等が取り付けられる。その後、シリンダブロック20にシリンダヘッド30が載置され、その状態でヘッドボルトが、シリンダヘッド30のボルト挿通孔(図示略)及びシリンダ部40のボルト挿通孔48に挿通されるとともにブロック本体50のボルト締結穴57に螺合される。これにより、シリンダブロック20及びシリンダヘッド30が一体に締結固定されて、エンジン10の本体部が形成される。
【0036】
そして、エンジン10の運転に際してシリンダブロック20のウォータジャケット12内には、その下端から上端に向けて、或いはその上端から下端に向けて流れるように冷却水が供給・排出される。このウォータジャケット12内に冷却水が流通する際には、その一部をなす上記複数の貫通孔46にも冷却水が流れ、これによりシリンダ部40の上記共有部分45が冷却されるようになる。
【0037】
ここで、シリンダ壁の各部における温度はシリンダヘッド30に近い部位ほど、すなわちエンジン10の燃焼室に近い部位ほど高くなる。そのため、上記共有部分45を適正に冷却するためには、シリンダヘッド30に近い部位ほど大きな冷却効果が得られるように前記貫通孔46を形成することが望ましい。
【0038】
この点、上記シリンダブロック20にあっては上記シリンダヘッド30に近い部位ほど、隣り合う貫通孔46の間隔が狭くなるように、言い換えれば、シリンダ壁の内部において同貫通孔46の占める割合が大きくなるように、複数の貫通孔46が形成されている。これにより、上記共有部分45の内部において温度の高い部位ほど多量の冷却水が流通するようになって大きな冷却効果が得られるようになり、同共有部分45の温度分布に応じた冷却効果が得られるようになる。
【0039】
以上説明したように、本実施の形態によれば、以下に記載する効果が得られるようになる。
(1)シリンダブロック20をシリンダ部40とブロック本体50との別体構造とし、シリンダ部40に、そのシリンダライナ部41の共有部分45を貫通してウォータジャケット12の一部をなす貫通孔46を形成するようにした。そのため、共有部分45に貫通孔46を形成するための加工を容易に行うことができるようになる。しかもシリンダ壁の温度分布が適正なものとなる任意形状のウォータジャケットを容易に形成することもできるようになる。したがって、製造行程の複雑化を抑えつつウォータジャケットの冷却水による適正な冷却性能を確保することができるようになる。
【0040】
(2)複数の貫通孔46を、平行に延びるように、且つ隣り合う貫通孔46の間隔がシリンダヘッド30に近い部位ほど狭くなるように形成するようにした。これにより、上記共有部分45における上記シリンダヘッド30に近い部位ほど大きな冷却効果が得られるように上記貫通孔46を形成することができるようになり、同共有部分45を適正に冷却することができるようになる。
【0041】
(3)シリンダ部40とブロック本体50とを一体に組み付けるのに先立ち、同シリンダ部40に貫通孔46を形成するようにしたことにより、上記(1)及び(2)に記載の効果を得ることができる。
【0042】
なお、上記実施の形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・貫通孔46を形成することができるのであれば、ドリルによる穴開け加工以外の切削加工や、切削加工以外の加工方法を用いて貫通孔46を形成するようにしてもよい。
【0043】
・複数の貫通孔46に代えて、シリンダヘッド30に近い部位に形成される孔ほどその開口断面積が大きく、且つ平行に延びる複数の貫通孔を形成するようにしてもよい。同構成によっても上記(2)に準じた効果が得られる。
【0044】
・また、複数の貫通孔を非平行に延びるように形成することや、一つの貫通孔のみを形成すること等も可能である。シリンダヘッドに近い部位ほどシリンダ壁の内部において貫通孔の占める割合が大きくなる形状に同貫通孔を形成することにより、上記(2)に準じた効果は得られる。さらに、そうした形状に限らず、シリンダライナ部の共有部分を適正に冷却することができるのであれば、貫通孔は任意の形状で形成することができる。
【0045】
・上記実施の形態は、シリンダライナ部41とアッパデッキ部42とが別体構造のシリンダブロックや、シリンダライナ部41とクランクケース部51とシリンダ外壁部52とが別体構造のシリンダブロックにも適用することができる。その他、シリンダライナ部41及びクランクケース部51が一体の成形体として形成され、且つ同形成体とシリンダ外壁部52とが別体構造のシリンダブロックにも上記実施の形態は適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明にかかるシリンダブロックを具体化した一実施の形態についてその(a)斜視構造及び(b)側面構造を併せ示す図。
【図2】同シリンダブロックを構成するシリンダ部についてその(a)斜視構造及び(b)側面構造を併せ示す図。
【図3】同シリンダブロックを構成するブロック本体についてその(a)斜視構造及び(b)側面構造を併せ示す図。
【図4】共有部分におけるシリンダブロックの断面図。
【符号の説明】
【0047】
10…エンジン、11…シリンダ、12…ウォータジャケット、20…シリンダブロック、30…シリンダヘッド、40…シリンダ部、41…シリンダライナ部、42…アッパデッキ部、43…内周面、44…外周面、45…共有部分、46…貫通孔、48…ボルト挿通孔、50…ブロック本体、51…クランクケース部、52…シリンダ外壁部、53…リブ、54…内周面、55…フランジ、57…ボルト締結穴。




 

 


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