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モニタリングシステム - 株式会社日本自動車部品総合研究所
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発明の名称 モニタリングシステム
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−2805(P2007−2805A)
公開日 平成19年1月11日(2007.1.11)
出願番号 特願2005−186659(P2005−186659)
出願日 平成17年6月27日(2005.6.27)
代理人 【識別番号】100075502
【弁理士】
【氏名又は名称】倉内 義朗
発明者 杉野 正芳 / 伊藤 義通 / 井上 清貴 / 酒井 和人 / 浅田 俊昭
要約 課題
内燃機関1の始動装置のモニタリングシステムにおいて、内燃機関1のクランクシャフト3と一体回転可能に結合されるリングギア7の動作を認識可能とし、ひいては例えばリングギア7の疲労診断、クランクシャフト3の逆回転検出、ならびにクランクアングルの変化検出等を行えるようにする。

解決手段
モニタリングシステムは、リングギア7に設置されてリングギア7の歪を検出する歪ゲージ15と、リングギア7に設置されて歪ゲージ15の検出出力を無線送信する送信手段20と、リングギア7以外の非回転の固定部材に設置されて送信手段20からの送信信号を受信してリングギア7の動作を把握する受信手段30とを含む。
特許請求の範囲
【請求項1】
内燃機関のクランクシャフトと一体回転可能に結合されるリングギアに設置されて当該リングギアの歪を検出する歪ゲージと、
前記リングギアに設置されて前記歪ゲージの検出出力を無線送信する送信手段と、
前記リングギア以外の非回転の固定部材に設置されて前記送信手段からの送信信号を受信する受信手段とを含むことを特徴とするモニタリングシステム。
【請求項2】
前記リングギアにおいてその回転中心を挟んで前記送信手段の設置位置と180度対向する位置に、前記送信手段に駆動電力を供給する電源が設置されていることを特徴とする請求項1に記載のモニタリングシステム。
【請求項3】
前記受信手段には、受信した歪検出値が予め規定した許容レベルを上回る場合に検出回数をカウントアップし、この検出回数が予め規定した許容数を越えたときに報知動作を行うリングギア診断手段が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のモニタリングシステム。
【請求項4】
前記受信手段には、受信した歪検出値と前記歪ゲージの歪初期値との偏差を調べ、この偏差が所定以上大きい場合に報知動作を行うリングギア診断手段が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のモニタリングシステム。
【請求項5】
前記受信手段には、受信した信号波形に基づき前記クランクシャフトの逆回転現象を認識する逆回転検出手段が設けられていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のモニタリングシステム。
【請求項6】
前記クランクシャフトに取り付けられかつ外周に凹凸を有するロータと、このロータの外周所定角度位置に非接触で対向設置されかつ前記ロータの凹凸に対応する波形の信号を出力する回転角検知部とからなるクランクポジションセンサをさらに含み、
前記受信手段には、リングギアの駆動時に前記クランクポジションセンサの出力と前記歪ゲージの検出出力とに基づき内燃機関の空転時におけるクランクアングルを認識するクランクアングル検出手段が設けられていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のモニタリングシステム。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車等に搭載される内燃機関の始動装置のモニタリングシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、内燃機関の始動装置は、その始動時のみスタータモータのピニオンギアを飛び出させて内燃機関のフライホイール等の外周に設けたリングギアに噛合させ、スタータモータでリングギアを回転駆動するようにしている(例えば特許文献1参照。)。
【0003】
この場合、始動完了後はピニオンギアが引っ込んでリングギアとの噛み合いが外れるようになる。
【0004】
これとは別の方式として、スタータモータのピニオンギアをリングギアに対し常時噛み合いとしたうえで、リングギアとクランクシャフトとの間に、スタータモータ側からクランクシャフト側への動力伝達のみを許容して逆方向への動力伝達を遮断するワンウェイクラッチを設けるようにしたものがある(例えば特許文献2参照。)。
【0005】
この場合、スタータモータのピニオンギアを駆動したときにのみワンウェイクラッチがロックしてリングギアとクランクシャフトとが一体的に回転するようになる。一方、クランクシャフトが回転してからスタータモータの駆動を停止すると、ワンウェイクラッチがフリーとなって、クランクシャフトからリングギアへの動力伝達が遮断されるようになる。
【特許文献1】特開平7−259709号公報
【特許文献2】特開2000−274337号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年におけるアイドルストップ車両やハイブリッドカー等では、車載コンピュータの信号によって内燃機関が自動的に始動したり停止したりする動作を繰り返すようになっており、内燃機関の始動頻度が非常に多くなっている。そのために、特にリングギアの負担が増大する傾向となる。
【0007】
このようなことから、リングギアの疲労寿命の向上が図られているが、それと並行してリングギアの疲労度合いを把握できるようにすることが望まれている。
【0008】
本発明は、内燃機関の始動装置のモニタリングシステムにおいて、リングギアの動作を認識可能とし、ひいては例えばリングギアの疲労診断、クランクシャフトの逆回転検出、ならびにクランクアングルの変化検出等を行えるようにすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るモニタリングシステムは、内燃機関のクランクシャフトと一体回転可能に結合されるリングギアに設置されて当該リングギアの歪を検出する歪ゲージと、前記リングギアに設置されて前記歪ゲージの検出出力を無線送信する送信手段と、前記リングギア以外の非回転の固定部材に設置されて前記送信手段からの送信信号を受信する受信手段とを含むことを特徴としている。
【0010】
この構成によれば、リングギアに歪が発生したか否かを調べることが可能になる。これにより、例えばリングギアに所定レベル以上の歪が発生すると、その検出回数を積算すれば、その積算数に応じてリングギアの疲労度合いを推定することが可能になる他、その推定結果に基づいてリングギアの疲労破壊回避のための報知動作を行うことが可能となる。この報知に伴い、例えばリングギアが疲労破壊する前に点検、修理、交換等の予防措置を施せるようになる。
【0011】
好ましくは、前記リングギアにおいてその回転中心を挟んで前記送信手段の設置位置と180度対向する位置に、前記送信手段に駆動電力を供給する電源が設置されたものとすることができる。
【0012】
この構成によれば、送信手段と電源との重量を管理することによって、リングギアの回転バランスが良好に調整可能となり、それによって、回転バランス調整用の錘が不要となる。
【0013】
好ましくは、前記受信手段には、受信した歪検出値が予め規定した許容レベルを上回る場合に検出回数をカウントアップし、この検出回数が予め規定した許容数を越えたときに報知動作を行うリングギア診断手段が設けられたものとすることができる。
【0014】
この構成によれば、要するに、比較的大きな負荷がリングギアに作用した回数を積算して、リングギアの疲労度合いを推定するようにしている。これにより、リングギアが疲労破壊に至る時期よりも早めにリングギアの疲労が進展していることを報知することが可能になる。なお、報知動作としては、光、音、情報表示等のいろいろな形態が考えられる。
【0015】
好ましくは、前記受信手段には、受信した歪検出値と前記歪ゲージの歪初期値との偏差を調べ、この偏差が所定以上大きい場合に報知動作を行うリングギア診断手段が設けられたものとすることができる。
【0016】
この構成によれば、リングギアに対して負荷が繰り返し作用することに伴いリングギアに発生する歪の蓄積を推定するようにしている。これにより、リングギアが疲労破壊に至る時期よりも早めにリングギアの疲労が進展していることを報知することが可能になる。なお、報知動作としては、光、音、情報表示等のいろいろな形態が考えられる。
【0017】
好ましくは、前記受信手段には、受信した信号波形に基づき前記クランクシャフトの逆回転現象を認識する逆回転検出手段が設けられたものとすることができる。
【0018】
この構成によれば、例えば坂道発進する際に内燃機関を始動する状況等において、万一、クランクシャフトが逆回転したときに、その現象を検出することが可能になり、その現象に対して適宜対処することが可能になる。
【0019】
好ましくは、前記クランクシャフトに取り付けられかつ外周に凹凸を有するロータと、このロータの外周所定角度位置に非接触で対向設置されかつ前記ロータの凹凸に対応する波形の信号を出力する回転角検知部とからなるクランクポジションセンサをさらに含み、前記受信手段には、リングギアの駆動時に前記クランクポジションセンサの出力と前記歪ゲージの検出出力とに基づき内燃機関の空転時におけるクランクアングルを認識するクランクアングル検出手段が設けられたものとすることができる。
【0020】
この構成によれば、比較的簡単な構成で、内燃機関の始動時に気筒判別が行えるようになる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、内燃機関の始動装置に備えるリングギアの動作を認識することが可能となる。これにより、ひいては、例えばリングギアの疲労診断、クランクシャフトの逆回転検出、ならびにクランクアングルの変化検出等を行うことが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1から図5に本発明に係る一実施形態を示している。
【0023】
まず、モニタリングシステムの説明に先立ち、その設置対象となる始動装置を図5に示して説明する。この実施形態では、自動車等の車両に搭載される内燃機関の始動装置を例に挙げている。図中、1は内燃機関、2はスタータモータである。
【0024】
内燃機関1のクランクシャフト3の一端には、フライホイール4が一体的に結合されており、このフライホイール4には、マニュアルトランスミッションのクラッチ機構(クラッチ板5、プレッシャープレート6等)が付設されている。なお、内燃機関1にオートマチックトランスミッションが連結される場合には、前記クラッチ機構としてクランクシャフト3と一体に回転するトルクコンバータが付設され、このトルクコンバータに下記リングギア7が設けられる。
【0025】
また、クランクシャフト3と一体的に結合されているフライホイール4には、リングギア7がワンウェイクラッチ8を介して取り付けられている。なお、フライホイール4の内径ボス部4aの外周と、リングギア7の内径ボス部7aの内周との間には、ラジアルタイプの転がり軸受9,9が介装されている。
【0026】
スタータモータ2の出力軸2aには、ピニオンギア10が一体に結合されており、このピニオンギア10は、リングギア7に常時において噛合されている。リングギア7の外周ギア部およびピニオンギア10の外周ギア部は、それぞれ、ヘリカルギアとされているが、平歯車でもかまわない。
【0027】
ワンウェイクラッチ8は、リングギア7と、クランクシャフト3と一体のフライホイール4との回転速度差に応じて、スタータモータ2側から内燃機関1側(クランクシャフト3)への動力伝達を許容するロック状態と、その逆の動力伝達を遮断するフリー状態とに切り替えられるものである。
【0028】
次に、上記構成の始動装置の動作について説明する。
【0029】
内燃機関1を始動させるためにスタータモータ2に電流を流して出力軸2aおよびそれと一体的に結合されているピニオンギア10を回転させると、それと常時噛合しているリングギア7が回転駆動される。これにより、ワンウェイクラッチ8がロックし、リングギア7とフライホイール4とが一体的に回転するようになるので、スタータモータ2の回転駆動力でもってフライホイール4と一体的に結合されているクランクシャフト3が回転されることにより、内燃機関1がクランキングされる。
【0030】
こうして内燃機関1の始動が完了してクランクシャフト3が回転すると、スタータモータ2への通電が停止され、ピニオンギア10の回転が停止すると同時に、リングギア7も回転停止するので、ワンウェイクラッチ8がフリー状態となる。これにより、クランクシャフト3の回転動力がリングギア7に入力されなくなり、したがって内燃機関1とスタータモータ2との動力伝達経路が切断される。
【0031】
このような内燃機関1の始動動作において、例えばワンウェイクラッチ8がロックするとき(図3のt1参照)や、スタータモータ2によるクランキング途中でクラッチ機構(クラッチ板5、プレッシャープレート6等)が接続されたとき(図3のt2参照)等に、リングギア7に比較的大きな負荷が作用して、リングギア7に比較的大きな歪が発生することがある。
【0032】
このような現象は、アイドルストップ車両やハイブリッドカー等のように車載コンピュータの信号によって内燃機関が自動的に始動したり停止したりする動作を繰り返すような場合、内燃機関1の始動頻度が増えるために、当然ながら多発することになる。
【0033】
この実施形態のモニタリングシステムは、要するに、リングギア7に作用する負荷の回数を調べて、リングギア7の疲労度合いを診断するようにしている。このモニタリングシステムについて、図1から図4を参照して説明する。
【0034】
このモニタリングシステムは、図1および図2に示すように、歪ゲージ15、送信ユニット20、受信ユニット30等を備えている。
【0035】
まず、歪ゲージ15は、リングギア7の片面に設置されており、リングギア7に対して負荷が作用したときに発生する歪を検出するものである。この歪ゲージ15は、リングギア7において構造上、最も歪の影響の出やすい脆弱な部分に設置される。
【0036】
具体的に、この実施形態で例示しているリングギア7は、その大径環状部の円周数ヶ所に軸方向に沿う貫通孔7bが設けられており、また、小径環状部の円周数ヶ所にも軸方向に沿う貫通孔7cが設けられている。
【0037】
このようなリングギア7において、小径環状部において周方向に隣り合う貫通孔7c間に存在する柱部7dのうちの一つに、歪ゲージ15が貼着されている。
【0038】
送信ユニット20は、A/D変換回路21、制御装置22、バッファ回路23、発信装置24等を含み、これら各構成要素を適宜のケースに封入した状態で、リングギア7の片面において外径側貫通孔7bのうちの一つに覆う状態で設置されている。
【0039】
A/D変換回路21は、歪ゲージ15の検出出力をA/D変換して、バッファ回路23に一時的に蓄積させる。
【0040】
制御装置22は、バッファ回路23から出力される歪検出データを発信回路24によって無線送信させる送信処理を少なくとも実行するもので、中央処理部(CPU)22aと、前記送信処理の実行プログラムが格納される記憶部(ROM)22bと、D/A変換回路22cとを含む。
【0041】
発信装置24は、発振回路24aで発振する搬送波を、制御装置22から出力されるアナログの送信信号に基づいて変調回路24bで振幅変調し、これを高周波増幅回路24cを介して適宜周波数帯の高周波電流としてアンテナ24dに供給する。
【0042】
なお、変調回路24bによる変調方式は、振幅偏移変調(ASK)、周波数変調(FM)、周波数偏移変調(FSK)、位相変調(PM)、位相偏移変調(PSK)等としてもよい。また、アンテナ24dは、図1に示すように、リングギア7の片面における外径側に周方向に沿って貼着されている。
【0043】
この送信ユニット20は、電池等からなる電源40に接続されており、この電源40から駆動電力を受けて動作する。この電源40は、リングギア7の片面に設置されているが、この実施形態では、回転バランス調整用の錘を用いずに、リングギア7の回転バランスを調整するように工夫している。
【0044】
具体的に、例えば電源40を、リングギア7の回転中心Pを挟んで送信ユニット20の設置位置と180度対向する位置(外径側貫通孔7bを覆う位置)に設置したうえで、リングギア7上における送信ユニット20と電源40との重量を揃えるようにしている。
【0045】
受信ユニット30は、受信装置31、受信バッファ32、制御装置33、報知装置34等を含み、これら各構成要素を適宜のケースに封入した状態で、リングギア7以外の場所、図示していないが、例えば車体やクラッチケース等といった非回転の固定部材に設置される。
【0046】
具体的に、受信装置31は、アンテナ31aで所定周波数の電磁波を受信し、受信した信号を復調してバイナリのシリアルデジタルデータに変換し、受信バッファ32に一時的に蓄積させる。
【0047】
制御装置33は、受信バッファ32内に蓄積してある受信データ(歪検出)が予め記憶されている歪許容値より大きい場合に検出回数をカウントアップし、検出回数が規定値に到達したときに報知動作を行うリングギア診断手段として少なくとも機能するものである。この制御装置33は、中央処理部(CPU)33aと、リングギア診断ルーチンの実行プログラムが格納されるプログラム記憶部(ROM)33bと、データ記憶部(RAM)33cとを含む。
【0048】
報知装置34は、制御装置33の指令に基づきリングギア7の疲労破壊回避用の報知動作を行うもので、例えば光、音、あるいは文字情報等を発生する報知機34aと、この報知機34aを駆動する駆動部34bとを含む。
【0049】
この受信ユニット30は、例えば車両に搭載されるバッテリ等からなる電源50に接続されており、この電源50から駆動電力を受けて動作する。
【0050】
次に、上述したモニターシステムによる動作を説明する。
【0051】
まず、内燃機関1を始動するために始動装置のスタータモータ2を駆動すると、リングギア7に貼着された歪ゲージ15がリングギア7に発生する歪を検出し、出力する。この検出出力は、内燃機関1のクランキングによって、例えば図3のグラフに示すような波形となる。
【0052】
このような歪ゲージ15の検出出力において、例えばスタータモータ2の駆動によりピニオンギア10からリングギア7に回転動力が伝達されてワンウェイクラッチ8がロックしたとき(図3のt1参照)に、リングギア7には所定大きさの負荷が作用し、歪ゲージ15の貼着場所に歪が発生することがある。
【0053】
さらに、スタータモータ2の駆動を継続している期間内、つまりスタータモータ2に駆動電流を供給している最中において、クラッチ機構(符号省略)が接続されたとき(例えば上り坂道発進での始動制御時)等に(図3のt2参照)、リングギア7には、上述したワンウェイクラッチ8のロック時より大きな負荷が作用し、歪ゲージ15の貼着場所に比較的大きな歪が発生することになる。このときの歪の発生をカウントするようにしている。
【0054】
このような歪ゲージ15の検出出力は、送信ユニット20によって無線送信され、送信ユニット30で受信される。
【0055】
この受信ユニット30の制御装置33によるリングギア診断ルーチンについて、図4に示すフローチャートを参照して説明する。
【0056】
このリングギア診断ルーチンは、内燃機関1の始動時から停止時まで適宜の周期で行われる。この周期は、適宜に設定することができる。
【0057】
まず、ステップS1において、受信装置31で受信されるとともにデジタルデータに変換された歪ゲージ15の検出出力を取り込み、ステップS2において、この取り込んだ歪実測値X1から予め規定してある歪初期値X0を減算した値の絶対値を求め、この絶対値が予め規定してある歪許容値X2より大きいか否かを調べる。
【0058】
ここで、このステップS2では、絶対値が歪許容値以下の場合に否定判定して、上記ステップS1に戻るが、絶対値が歪許容値より大きい場合に肯定判定して、続くステップS3で、制御装置33の内部カウンタ(図示省略)のカウント値Cをインクリメント(「1」加算)する。
【0059】
ちなみに、例えば上述したようにクランキング途中でクラッチを接続するような現象が発生したときには、リングギア7に塑性変形するような比較的大きな歪が発生するおそれがあり、好ましくない。したがって、このことを考慮し、上記歪許容値を、例えば図3に示すグラフ中の一点鎖線のレベルTHaに規定するのが好ましいが、上述したようにワンウェイクラッチ8がロックしたときに、上記ステップS2で肯定判定させるようにするために、歪許容値を例えば図3に示すグラフ中の二点鎖線のレベルTHbに規定してもよい。
【0060】
この後、ステップS4で、カウント値Cが予め規定してある許容回数C0を越えたか否かを調べる。
【0061】
ここで、C<C0の場合、上記ステップS4で否定判定し、上記ステップS1に戻るが、C≧C0の場合、上記ステップS4で肯定判定し、続くステップS5で報知動作を行う。この報知動作については、例えば車内でアラームを鳴らしたり、例えば車内のメーターパネルに設置される表示器(図示省略)に「リングギア7を点検してください」等といったメッセージを表示したりすることができる。
【0062】
以上説明したように、この実施形態では、内燃機関1の稼動期間においてリングギア7に負荷が繰り返し作用するなかで、リングギア7に所定レベル以上の大きな歪が発生したときに、その発生回数を積算し、その積算数に応じてリングギア7の疲労度合いを推定し、リングギア7が疲労破壊する前に、そのことを車両使用者等に報知するようにしている。
【0063】
このような報知を受けると、リングギア7に対し、例えば点検、修理、交換等の予防措置を施すことが可能になるので、リングギア7が疲労破壊することを回避するうえで有利となる。
【0064】
このような本実施形態に係るモニタリングシステムは、特に、近年におけるアイドルストップ車両やハイブリッドカー等のように内燃機関の始動を頻繁に行う車両へ好適に使用できる。
【0065】
以下、本発明の他の実施形態を説明する。
【0066】
(1)図示していないが、ワンウェイクラッチ8をなくしてリングギア7をフライホイール4に一体的に結合したうえで、スタータモータ2について、動作のオン・オフに伴いピニオンギア10を進退変位させるものとし、スタータモータ2の駆動時のみピニオンギア10がリングギア7に噛合するようにした構造に対しても、本発明を適用することが可能である。この場合も、リングギア7の診断を上記実施形態と同様にして行うことができる。
【0067】
(2)図6および図7に本発明の他の実施形態を示している。この実施形態では、リングギア7に繰り返し疲労による歪が発生すると、その歪は元に戻らないことを考慮し、受信ユニット30の制御装置33によるリングギア診断ルーチンについて、要するに、リングギア7のダメージが所定以上大きくなったことを検知したときに報知動作を行うようにしている。
【0068】
具体的に、例えば図7のフローチャートに示すように、ステップS11において、歪ゲージ15の検出出力を取り込み、ステップS12において、リングギア7の蓄積歪Yを求める。つまり、このステップS12では、前記取り込んだ検出出力に基づいて求めた歪実測値X1(図6中の実線参照)から予め規定した歪初期値X0(図6中の破線参照)を減算した値の絶対値を蓄積歪Yとする。
【0069】
続くステップS13において、蓄積歪Yが予め規定してある歪許容値Y1より大きいか否かを調べる。
【0070】
ここで、Y<Y1の場合、上記ステップS13で否定判定し、上記ステップS11に戻るが、Y≧Y1の場合、上記ステップS13で肯定判定し、続くステップS14で報知動作を行う。この報知動作については、上記実施形態と同様にできる。
【0071】
この実施形態では、内燃機関1が稼動している期間において、リングギア7に発生しているダメージを直接的に検出しているので、歪ゲージ15による検出タイミングとしては比較的長い周期とすることが可能であり、消費電力を節約するうえで有利となる。
【0072】
なお、歪ゲージ15の歪初期値X0は、予め規定される経験値とされるが、例えばリングギア7を初期駆動する際に歪ゲージ15で初期検出したときの出力に基づく実測値とすることができる。このように歪ゲージ15の歪初期値X0を実測値とする場合には、歪ゲージ15の設置位置や設置状態の個体差による歪初期値のバラツキを吸収できるようになり、歪実測値X1の信頼性が向上する。但し、経験値とする場合には、前記実測に必要な処理を省略できる。
【0073】
(3)図8に本発明の他の実施形態を示している。この実施形態では、要するに、受信ユニット30の制御装置33について、内燃機関1の停止中にクランクシャフト3が逆回転したことを検出する逆回転検出手段として機能するようになっている。
【0074】
つまり、本願発明者らは、図1に示すようにリングギア7に歪ゲージ15を設置している場合、内燃機関1の停止中に、クランクシャフト3が逆回転すると、歪ゲージ15から図8(a)に示すような波形信号が出力されることを知見した。この知見に基づき、この実施形態を想到するに至った。なお、歪ゲージ15の貼り方によっては、歪ゲージ15の出力波形は、例えば図8(a)の波形を反転したようになる。
【0075】
なお、内燃機関1の停止中におけるクランクシャフト3の逆回転は、例えば内燃機関1を停止したときにピストンが上死点を越えない位置にあってかつ燃焼室に内圧が残っている状態において発生する。
【0076】
具体的に、内燃機関1の停止中において、受信ユニット30は、送信ユニット20から無線送信される歪ゲージ15の検出出力を受信すると、制御装置33は、受信した検出出力をコンパレータによりパルスクロックに波形整形し、このパルスクロックに基づきリングギア7およびクランクシャフト3の逆回転の有無を判定する逆回転検出ルーチンを実行する。
【0077】
ちなみに、クランクシャフト3が逆回転すると、歪ゲージ15から図8(a)に示すような波形の信号が出力され、この信号が、送信ユニット20から受信ユニット30の制御装置33に入力されることによって、所定のしきい値THに基づき図8(b)に示すようなパルス波形に整形される。このパルス波形において、Hレベルはリングギア7およびクランクシャフト3の正回転を示しており、また、Lレベルはリングギア7およびクランクシャフト3の逆回転を示している。したがって、このパルス波形のレベル反転を検出すれば、逆回転の発生を認識できる。
【0078】
このように、この実施形態では、図1および図2に示すようにリングギア7に一つの歪ゲージ15を設置した構成でもって、クランクシャフト3の逆回転を検出することができる。
【0079】
(4)図9から図11に本発明のさらに他の実施形態を示している。この実施形態では、要するに、受信ユニット30の制御装置33について、歪ゲージ15の検出出力とクランクポジションセンサ60の検出出力とに基づき内燃機関1を停止するときのクランクアングルを検出するクランクアングル検出手段として機能するようになっている。
【0080】
クランクポジションセンサ60は、クランクシャフト3に一体回転可能に取り付けられかつ外周に凹凸(歯および歯間の溝)を有するロータ61と、このロータ61の外周所定角度位置に設置される回転角検知部62とを含む。ロータ61は、リングギア7と同期して回転する。
【0081】
回転角検知部62は、単一の磁気抵抗素子(MRE)64と、バイアスマグネット65と、電源66と、コンパレータ67とを含む構成である。
【0082】
クランクシャフト3と共にロータ61が回転すると、ロータ61の外周の凹凸と磁気抵抗素子64との対向位置の変化に伴い磁界の強さが周期的に変化するので、磁気抵抗素子64から図10(a)に示す正弦波の電気信号が出力され、コンパレータ67により、図10(c)に示すようなパルスクロックに整形されて出力する。
【0083】
この実施形態での制御装置33によるクランクアングル検出ルーチンについて、図11に示すフローチャートを参照して説明する。
【0084】
このルーチンは、内燃機関1の停止信号が入力されることによって実行され、まず、ステップS21において内燃機関1の回転数Neを取得し、ステップS22で回転数Neが予め規定している規定回転数Ne1以下か否かを判定する。
【0085】
Ne>Ne1の場合は、ステップS22で否定判定して上記ステップS21に戻るが、Ne≦Ne1の場合、つまり回転数Neが低下して内燃機関1が停止しようとしている場合にはステップS22で肯定判定してステップS23〜S25に移行して回転角検知部62の出力および歪ゲージ15の出力を取得する。
【0086】
ステップS23では、回転角検知部62の出力、つまり前述した図10(c)に示すパルスクロックに基づきクランクシャフト3の基準位置が検出されたか否かを調べる。このクランクシャフト3の基準位置は、一般的に、ロータ61の欠け歯領域61aに対応する回転角検知部62の出力に伴い検出するようにしており、ここでも同様に検出するようになっている。
【0087】
基準位置が検出された場合には上記ステップS23で肯定判定してステップS28において制御装置33のデータ記憶部33cに記憶してあるクランクアングルCAをリセットしてから、上記ステップS23に戻る。
【0088】
一方、基準位置が検出されない場合には上記ステップS23で否定判定して、続くステップS24において回転角検知部62からの出力、つまり図10(c)に示すパルスクロックを取得する。
【0089】
この後、ステップS25で歪ゲージ15の出力に基づいてクランクシャフト3の逆回転が発生したか否かを調べる。つまり、クランクシャフト3が逆回転した場合には、歪ゲージ15から図10(b)に示すような波形の信号が出力される。
【0090】
このような信号が、送信ユニット20から受信ユニット30の制御装置33に入力されると、この信号を所定のしきい値THに基づき2値化することにより、図10(d)に示すようなパルス波形とし、このパルス波形のレベル反転の有無を調べることにより、逆回転の発生を認識する。
【0091】
なお、図10(d)に示すパルス波形において、Hレベルはリングギア7およびクランクシャフト3の正回転を示しており、また、Lレベルはリングギア7およびクランクシャフト3の逆回転を示している。
【0092】
ここで、逆回転していない場合には、上記ステップS25で否定判定して続くステップS26へ、また、逆回転した場合には、上記ステップS25で肯定判定して続くステップS27へそれぞれ移行する。
【0093】
上記ステップS26では、図10(c)に示すパルスクロックと図10(d)に示すパルスとをAND回路を通すことにより、図10(e)に示すような出力を得て、この出力の各パルスの立ち上がり毎にクランクアングルCAをインクリメント(「1」加算)する。
【0094】
一方の上記ステップS27では、図10(d)のパルスをNOT回路により反転した出力と図10(c)に示すパルスクロックとをAND回路を通すことにより、図10(f)に示す出力を得て、この出力の各パルスの立ち上がり毎にクランクアングルCAをデクリメント(「1」減算)する。
【0095】
これらステップS26,S27により、内燃機関1の停止時におけるクランクアングルCAの変化を正確に求めることが可能になる。その後、ステップS26,S27で変更したクランクアングルCAを、ステップS29で制御装置33のデータ記憶部33cに記憶してから、上記ステップS23に戻る。
【0096】
このように、内燃機関1の停止時のクランクアングルCAを検出すれば、内燃機関1を始動するときに正確に気筒判別することが可能になり、内燃機関1の始動時に各気筒に対する燃料噴射タイミングを適切に行えるようになる。この気筒判別は、一般的に公知の技術を用いて行うことができるので、その詳細な説明は割愛する。
【0097】
ちなみに、従来では、回転体の回転方向と回転角を検出する技術として、例えば特開平10−170533号公報がある。この技術では、回転体に一体的に結合されるロータと、このロータに対向配置されかつ位相を変えた二つの磁気抵抗素子(MRE)を有する回転角検知部とを用いている。このように、従来では二つの磁気抵抗素子を用いる必要があるが、この実施形態では歪ゲージ15の検知出力を利用することによって、回転角検知部62を一つの磁気抵抗素子64を用いただけの簡素な構成にできるようになった。
【0098】
(5)図1から図4に示す実施形態と、上記(3)に示す実施形態と、上記(4)に示す実施形態とについて、いずれか二つ以上を組み合わせた実施することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】本発明に係るモニタリングシステムの一実施形態を示す正面図である。
【図2】図1のモニタリングシステムの構成を示すブロック図である。
【図3】図2の歪ゲージによる内燃機関始動時の検出出力を示すグラフである。
【図4】図2に示す受信ユニットの制御装置によるリングギア診断ルーチンを示すフローチャートである。
【図5】本発明に係るモニタリングシステムの設置対象となる内燃機関の始動装置を部分的に破断して示す側面図である。
【図6】本発明に係るモニタリングシステムの他の実施形態で、図3に対応するグラフである。
【図7】図6に示す実施形態で、図4に対応するフローチャートである。
【図8】本発明に係るモニタリングシステムのさらに他の実施形態で、クランクシャフト逆回転時の歪ゲージの検出出力を示す波形図である
【図9】本発明に係るモニタリングシステムのさらに他の実施形態で、図1に対応する正面図である。
【図10】図9の受信ユニットの制御装置による信号処理を説明するタイミングチャートである。
【図11】図9の受信ユニットの制御装置によるクランクアングル検出ルーチンを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0100】
1 内燃機関
2 スタータモータ
2a 出力軸
3 クランクシャフト
4 フライホイール
7 リングギア
8 ワンウェイクラッチ
10 ピニオンギア
15 歪ゲージ
20 送信ユニット
22 制御装置
24 送信装置
30 受信ユニット
31 受信装置
33 制御装置
34 報知装置




 

 


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