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発明の名称 内燃機関の排気浄化装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−2785(P2007−2785A)
公開日 平成19年1月11日(2007.1.11)
出願番号 特願2005−185057(P2005−185057)
出願日 平成17年6月24日(2005.6.24)
代理人 【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
発明者 入澤 泰之
要約 課題
排気通路の機関本体近傍に配置された三元触媒装置と、排気通路の三元触媒装置の下流側に配置されたNOX触媒装置とを具備する内燃機関の排気浄化装置において、リーン空燃比運転時における排気ガス中のHCを十分に浄化可能とすると共に、特に低負荷側運転時において、NOX触媒装置の再生が開始されるまでの無駄時間を短縮する。

解決手段
三元触媒装置2とNOX触媒装置3との間において排気通路1に分岐部6a及び合流部6bを有する分岐通路6と、分岐通路に配置されたもう一つの三元触媒装置7とを具備し、高負荷側のリーン空燃比運転の場合には、排気ガスが分岐通路を通過してNOX触媒装置へ流入するようにし、低負荷側のリーン空燃比運転時に、NOX触媒装置の再生のために気筒内から排出される排気ガスの空燃比のリッチにするリッチ化制御が実施される場合には、排気ガスが分岐通路を通過せずにNOX触媒装置へ流入するようにする。
特許請求の範囲
【請求項1】
排気通路の機関本体近傍に配置された三元触媒装置と、前記排気通路の前記三元触媒装置の下流側に配置されたNOX触媒装置と、前記三元触媒装置と前記NOX触媒装置との間において前記排気通路に分岐部及び合流部を有する分岐通路と、前記分岐通路に配置されたもう一つの三元触媒装置とを具備し、高負荷側のリーン空燃比運転の場合には、排気ガスが前記分岐通路を通過して前記NOX触媒装置へ流入するようにし、低負荷側のリーン空燃比運転時に、前記NOX触媒装置からNOXを放出させて還元浄化する前記NOX触媒装置の再生のために気筒内から排出される排気ガスの空燃比のリッチにするリッチ化制御が実施される場合には、排気ガスが前記分岐通路を通過せずに前記NOX触媒装置へ流入するようにすることを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
【請求項2】
前記排気通路内には切換弁が配置され、前記切換弁により前記排気通路を閉鎖すると、前記切換弁の直上流側に位置する前記分岐部から前記切換弁の直下流側に位置する前記合流部へ排気ガスは前記分岐通路を通過することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
【請求項3】
高負荷側のリーン空燃比運転時に前記リッチ化制御が実施される場合にも、排気ガスが前記分岐通路を通過せずに前記NOX触媒装置へ流入するようにすることを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の排気浄化装置。
【請求項4】
機関本体から前記NOX触媒装置までの排気ガスの放熱量は、前記分岐通路を通過した場合の方が前記分岐通路を通過しない場合より大きくなっており、低負荷側のリーン空燃比運転の場合には、排気ガスが前記分岐通路を通過せずに前記NOX触媒装置へ流入するようにすることを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の排気浄化装置。
【請求項5】
前記もう一つの三元触媒装置のO2ストレージ能力は、機関本体近傍の前記三元触媒装置のO2ストレージ能力より小さくされており、高負荷側のリーン空燃比運転時に前記リッチ化制御が実施される場合には、排気ガスが前記分岐通路を通過して前記NOX触媒装置へ流入するようにすることを特徴とする請求項4に記載の内燃機関の排気浄化装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関の排気浄化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
リーン空燃比での燃焼を実施する内燃機関が公知であり、このような内燃機関の排気通路には、NOXを浄化するためのNOX触媒装置が配置されている。さらに、このような内燃機関においても、機関始動時には、理論空燃比又はリッチ空燃比での運転が実施されるために、この運転時に排出されるNOX、CO、及びHC等を浄化するための三元触媒装置を、排気通路におけるNOX触媒装置の上流側の機関本体近傍に配置することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
ところで、リーン空燃比の運転においても、排気ガス中には未燃燃料としてHCが含まれている。低負荷側のリーン空燃比運転においては、機関本体近傍の三元触媒装置によって、排気ガス中のHCを浄化することができる。しかしながら、高負荷側のリーン空燃比運転においては、燃料噴射量の増大に伴って、排気ガス中に含まれるHCも多くなり、機関始動時に早期暖機されることを意図して容量を比較的小さくされた機関本体近傍の三元触媒装置では十分にHCを浄化することができない。
【0004】
それにより、高負荷側のリーン空燃比運転時のHCを十分に浄化するために、排気通路には、機関本体近傍の三元触媒装置とNOX触媒装置との間に、もう一つの三元触媒装置を配置することが考えられる。
【0005】
【特許文献1】特開2003−343251号公報
【特許文献2】特開2001−27114号公報
【特許文献3】特開平5−44454号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、NOX触媒装置は、リーン空燃比の排気ガスからNOXを良好に吸蔵するものであるが、無制限にNOXを吸蔵することはできない。それにより、NOX吸蔵可能量に達する以前に、排気ガスの空燃比をリッチにするリッチ化制御を実施し、NOX触媒装置からNOXを放出させると共に、放出させたNOXを還元浄化してNOX触媒装置を再生することが必要である。
【0007】
リッチ化制御は、一般的に、燃焼空燃比をリッチにしたり、又は、気筒内へ直接的に燃料を噴射する燃料噴射弁によって、膨張行程又は排気行程で気筒内へ追加燃料を噴射したりする。こうして気筒からはリッチ空燃比の排気ガスが排出されるが、この排気ガスは、機関本体近傍の三元触媒装置だけでなく、その下流側のもう一つの三元触媒装置を通過しないと、NOX触媒装置へ到達しない。
【0008】
三元触媒装置には、一般的に、O2ストレージ能力を持たせており、排気ガスの空燃比がリーンである時には余剰酸素を吸蔵し、排気ガスの空燃比がリッチとなった時には吸蔵した酸素を放出することにより、排気ガスの空燃比が変動しても、三元触媒装置内の雰囲気を理論空燃比近傍に維持してNOX、CO、及びHCを良好に浄化するようになっている。
【0009】
それにより、リッチ空燃比とされた排気ガスは、二つの三元触媒装置がO2ストレージ能力により吸蔵した酸素を放出させ、酸素が放出されている間はリッチ空燃比の排気ガスとしてNOX触媒装置へ到達せず、特に、排気ガス量が比較的少ない低負荷側運転においては、二つの三元触媒装置が全ての酸素を放出するまでに比較的長い時間を必要とするために、リッチ化制御を開始してからNOX触媒装置の再生が開始されるまでの無駄時間が非常に長くなってしまう。
【0010】
従って、本発明の目的は、排気通路の機関本体近傍に配置された三元触媒装置と、排気通路の三元触媒装置の下流側に配置されたNOX触媒装置とを具備する内燃機関の排気浄化装置において、リーン空燃比運転時における排気ガス中のHCを十分に浄化可能とすると共に、特に低負荷側運転時において、NOX触媒装置の再生が開始されるまでの無駄時間を短縮することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明による請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置は、排気通路の機関本体近傍に配置された三元触媒装置と、前記排気通路の前記三元触媒装置の下流側に配置されたNOX触媒装置と、前記三元触媒装置と前記NOX触媒装置との間において前記排気通路に分岐部及び合流部を有する分岐通路と、前記分岐通路に配置されたもう一つの三元触媒装置とを具備し、高負荷側のリーン空燃比運転の場合には、排気ガスが前記分岐通路を通過して前記NOX触媒装置へ流入するようにし、低負荷側のリーン空燃比運転時に、前記NOX触媒装置からNOXを放出させて還元浄化する前記NOX触媒装置の再生のために気筒内から排出される排気ガスの空燃比のリッチにするリッチ化制御が実施される場合には、排気ガスが前記分岐通路を通過せずに前記NOX触媒装置へ流入するようにすることを特徴とする。
【0012】
また、本発明による請求項2に記載の内燃機関の排気浄化装置は、請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置において、前記排気通路内には切換弁が配置され、前記切換弁により前記排気通路を閉鎖すると、前記切換弁の直上流側に位置する前記分岐部から前記切換弁の直下流側に位置する前記合流部へ排気ガスは前記分岐通路を通過することを特徴とする。
【0013】
また、本発明による請求項3に記載の内燃機関の排気浄化装置は、請求項1又は2に記載の内燃機関の排気浄化装置において、高負荷側のリーン空燃比運転時に前記リッチ化制御が実施される場合にも、排気ガスが前記分岐通路を通過せずに前記NOX触媒装置へ流入するようにすることを特徴とする。
【0014】
また、本発明による請求項4に記載の内燃機関の排気浄化装置は、請求項1又は2に記載の内燃機関の排気浄化装置において、機関本体から前記NOX触媒装置までの排気ガスの放熱量は、前記分岐通路を通過した場合の方が前記分岐通路を通過しない場合より大きくなっており、低負荷側のリーン空燃比運転の場合には、排気ガスが前記分岐通路を通過せずに前記NOX触媒装置へ流入するようにすることを特徴とする。
【0015】
また、本発明による請求項5に記載の内燃機関の排気浄化装置は、請求項4に記載の内燃機関の排気浄化装置において、前記もう一つの三元触媒装置のO2ストレージ能力は、機関本体近傍の前記三元触媒装置のO2ストレージ能力より小さくされており、高負荷側のリーン空燃比運転時に前記リッチ化制御が実施される場合には、排気ガスが前記分岐通路を通過して前記NOX触媒装置へ流入するようにすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明による請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置によれば、高負荷側のリーン空燃比運転の場合には、排気ガスが分岐通路を通過してNOX触媒装置へ流入するようになっており、それにより、排気ガス中に比較的多く含まれるHCは、機関本体近傍の三元触媒装置及び分岐通路に配置されたもう一つの三元触媒装置によって十分に浄化される。また、低負荷側のリーン空燃比運転時に、NOX触媒装置の再生のために気筒内から排出される排気ガスの空燃比のリッチにするリッチ化制御が実施される場合には、排気ガスが分岐通路を通過せずにNOX触媒装置へ流入するようになっており、リッチ化制御された排気ガスがもう一つの三元触媒装置においてO2ストレージ能力により吸蔵された酸素を放出させることがないために、比較的早期にリッチ空燃比の排気ガスとしてNOX触媒装置へ到達するようになり、リッチ化制御を開始してからのNOX触媒装置の再生が開始されるまでの無駄時間を短縮することができる。
【0017】
また、本発明による請求項2に記載の内燃機関の排気浄化装置によれば、請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置において、排気通路内には切換弁が配置され、切換弁により排気通路を閉鎖すると、切換弁の直上流側に位置する分岐部から切換弁の直下流側に位置する合流部へ排気ガスは分岐通路を通過するようになっており、簡単な構成によって確実に排気ガスが分岐通路を通過するようにすることができる。
【0018】
また、本発明による請求項3に記載の内燃機関の排気浄化装置によれば、請求項1又は2に記載の内燃機関の排気浄化装置において、高負荷側のリーン空燃比運転時に、リッチ化制御が実施される場合には、排気ガスが分岐通路を通過せずにNOX触媒装置へ流入するようになっており、リッチ化制御された排気ガスがもう一つの三元触媒装置においてO2ストレージ能力により吸蔵された酸素を放出させることがないために、より短時間でリッチ空燃比の排気ガスとしてNOX触媒装置へ到達するようになり、リッチ化制御を開始してからのNOX触媒装置の再生が開始されるまでの無駄時間をさらに短縮することができる。
【0019】
また、本発明による請求項4に記載の内燃機関の排気浄化装置によれば、請求項1又は2に記載の内燃機関の排気浄化装置において、機関本体からNOX触媒装置までの排気ガスの放熱量は、分岐通路を通過した場合の方が分岐通路を通過しない場合より大きくなっており、低負荷側のリーン空燃比運転の場合には、排気ガスが分岐通路を通過せずにNOX触媒装置へ流入するようになっている。それにより、高負荷側運転であるために排気ガス温度が比較的高い時には排気ガス温度を十分に低下させ、低負荷側運転であるために排気ガス温度が比較的低い時には排気ガス温度をそれほど低下させることなく、排気ガスはNOX触媒装置へ流入するために、NOX触媒装置の温度を良好なNOX吸蔵を可能とする設定温度範囲内に維持することができる。
【0020】
また、本発明による請求項5に記載の内燃機関の排気浄化装置によれば、請求項4に記載の内燃機関の排気浄化装置において、もう一つの三元触媒装置のO2ストレージ能力は、機関本体近傍の三元触媒装置のO2ストレージ能力より小さくされており、高負荷側のリーン空燃比運転時にリッチ化制御が実施される場合には、排気ガスが前記分岐通路を通過してNOX触媒装置へ流入するようになっている。高負荷側運転時においては、リッチ化制御によって気筒内から排出されるリッチ空燃比の排気ガス量は比較的多く、機関本体近傍の三元触媒装置及び分岐通路のもう一つの三元触媒装置からO2ストレージ能力により吸蔵された全ての酸素を放出させるのにそれほど長い時間を必要としないが、もう一つの三元触媒装置のO2ストレージ能力を小さくしているために、この時間、すなわち、リッチ化制御を開始してからNOX触媒装置の再生が開始されるまでの無駄時間をさらに短縮することができる。また、高負荷側運転におけるリッチ化制御中の排気ガス温度は比較的高くなるが、排気ガスが分岐通路を通過してNOX触媒装置へ流入するために、排気ガス温度は十分に低下させられる。それにより、NOX触媒装置の温度を良好なNOX吸蔵を可能とする設定温度範囲内に維持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
図1は本発明による内燃機関の排気浄化装置を示す概略図である。同図において、1は排気通路である。2は、排気通路1における機関本体近傍、例えば、排気マニホルドの排気合流部の直下流側、又は、排気マニホルドの排気枝管のそれぞれに配置された三元触媒装置である。3は、排気通路1における三元触媒装置2の下流側に配置されたNOX触媒装置である。
【0022】
本排気浄化装置が取り付けられる内燃機関は、例えば、空燃比20のような均質リーン混合気を火花着火させるリーン空燃比運転を可能とするものである。均質リーン混合気のリーン空燃比を適当に選択することにより、NOX生成量を抑制することができる。しかしながら、それでもNOXは生成されるために、排気通路1に配置されたNOX触媒装置3によってNOXを吸蔵し、NOXの大気放出量を低減している。
【0023】
機関始動時には、着火性を向上させるために、理論空燃比又はリッチ空燃比の均質混合気を着火燃焼させる均質燃焼が実施される。この時には、NOXに加えて、HC及びCOも気筒内から排出されるために、これらを排気通路1の機関本体近傍に配置された三元触媒装置2によって同時に浄化するようになっている。
【0024】
内燃機関は、例えば、ターボチャージャのような過給機を備えており、それにより、気筒内への多量の吸気の供給が可能となるために、前述したリーン空燃比運転を比較的高負荷側まで実施することができる。内燃機関が例えばハイブリッド車に使用される場合のように、極高負荷域での運転を必要としなければ、最大負荷までリーン空燃比運転が可能となる。しかしながら、極高負荷域での運転を必要とする場合には、この運転領域において、理論空燃比又はリッチ空燃比での均質燃焼を実施するようにしても良い。
【0025】
4は、三元触媒装置2の上流側に配置されたリニア出力型の空燃比センサであり、この空燃比センサの出力に基づき、各運転において所望空燃比が実現されるように燃料噴射量が制御される。5は、三元触媒装置2の直下流側に配置されたステップ出力型の酸素センサであり、空燃比センサ4の出力を補正するのに使用される。
【0026】
リーン空燃比運転において、未燃燃料としてHCも気筒内から排出される。設定負荷未満の低負荷側の運転においては、排出されるHC量はそれほど多くなく、機関本体近傍に配置された三元触媒装置2によって浄化することができる。しかしながら、設定負荷以上の高負荷側のリーン空燃比運転においては、気筒内へ供給される燃料量が多くなるために、排出されるHC量も多くなる。機関始動直後から排気ガス中のNOX、HC、及びCOを浄化するために触媒活性温度へ早期暖機されることが意図された低熱容量の機関本体近傍の三元触媒装置2だけでは、このような比較的多量のHCを容量不足により十分に浄化することができない。
【0027】
本排気浄化装置では、排気通路2における三元触媒装置2とNOX触媒装置3との間に分岐部6a及び合流部6bを有する分岐通路6が設けられ、分岐通路6にはもう一つの三元触媒装置7が配置されている。本実施形態において、機関本体近傍の三元触媒装置2とNOX触媒装置3との間において排気通路1には切換部8が設けられており、切換部8内に配置された切換弁8aが点線で示す第一位置とされると、切換部8において排気通路1は遮断され、切換弁8aの直上流側に位置する切換部8の第一開口6a(切換弁8aの上流側であれば良い)が分岐部となり、切換弁8aの直下流側に位置する切換部8の第二開口6b(切換弁8aの下流側であれば良い)が合流部となって、排気ガスは、点線矢印で示すように、確実に分岐通路6を通過してNOX触媒装置3へ流入する。
【0028】
こうして、図2に示す表のように、高負荷側のリーン空燃比運転においては、切換弁8aを第一位置とし、排気ガスが機関本体近傍の三元触媒装置2を通過した後に分岐通路6を通過するようにし、排気ガス中の比較的多量のHCを、三元触媒装置2に加えて分岐通路6のもう一つの三元触媒装置7によっても浄化するようにし、容量不足による不十分なHC浄化を防止している。
【0029】
ところで、NOX触媒装置3は、NOXを良好に吸蔵する設定温度範囲(約300から450℃)を有しており、NOX触媒装置3の温度を設定温度範囲内に維持することが望ましい。高負荷側のリーン空燃比運転においては、排気ガス温度が、設定温度範囲上限値(約450℃)を超えており、十分に温度低下させてNOX触媒装置3へ流入させないと、NOX触媒装置3の温度が設定温度範囲の上側に外れてしまう。
【0030】
本排気浄化装置において、高負荷側のリーン空燃比運転時には、排気ガスは、分岐通路を通過してNOX触媒装置3へ流入するようになっており、分岐通路6を通過しない場合に比較して機関本体からNOX触媒装置3までの経路長が長くなって排気ガスからの放熱量が多くなるために、排気ガスは、NOX触媒装置3へ流入する以前に温度範囲上限値以下に温度低下する。それにより、高負荷側のリーン空燃比運転において、NOX触媒装置3の温度を設定温度範囲内に維持することができる。
【0031】
一方、低負荷側のリーン空燃比運転時には、排気ガス温度はそれほど高くなく、本実施形態にように、分岐通路6を通過した時には分岐通路6を通過しない時に比較して放熱量が多くなるようになっている場合には、排気ガスが分岐通路6を通過するようにすると、排気ガスは、NOX触媒装置3へ流入する以前に設定温度範囲下限値(約350℃)未満に温度低下してしまう。
【0032】
本実施形態においては、切換部8の切換弁8aを一点鎖線で示す第二位置とすると、切換部8において排気通路1は開放され、排気ガスは、分岐通路6を通過することなくNOX触媒装置3へ流入する。それにより、低負荷側のリーン空燃比運転においては、図2に示す表のように、切換弁8aを第二位置とし、排気ガスは機関本体近傍の三元触媒装置2を通過した後に分岐通路6を通過せずにNOX触媒装置3へ流入するようにし、排気ガス温度を設定温度範囲下限値未満に温度低下させないようにしている。こうして、NOX触媒装置3の温度を設定温度範囲内に維持することができる。低負荷側のリーン空燃比運転においては、排気ガス中にそれほど多くのHC含まれることがないために、機関本体近傍の三元触媒装置2だけによってHCを十分に浄化することができ、排気ガスがもう一つの三元触媒装置7を通過しなくても特に問題はない。
【0033】
ところで、NOX触媒装置3は、リーン空燃比の排気ガス中のNOXを吸蔵することができるが、無限にNOXを吸蔵することはできず、NOX吸蔵可能量に達する以前に、NOX触媒装置3へ流入する排気ガスの空燃比をリッチ空燃比とし、NOX触媒装置3に吸蔵されたNOXを放出させると共に、放出させたNOXを還元浄化する再生処理が必要である。9はNOX触媒装置3の直下流側に配置されたステップ出力型の酸素センサである。NOXの還元浄化中においては、NOX触媒装置3へ流入する排気ガスの空燃比がリッチでも、NOX触媒装置3から排出される排気ガスの空燃比は理論空燃比近傍となるために、酸素センサ9により検出される排気ガスの空燃比は直ぐにはリッチとはならない。酸素センサ9により検出される排気ガスの空燃比がリッチとなれば、NOXの還元浄化が終了し、NOX触媒装置3の再生が完了したと判断することができ、リッチ化制御が停止される。
【0034】
再生処理のためのリッチ化制御は、内燃機関の燃焼空燃比をリッチにするか、又は、気筒内へ直接的に燃料を噴射する燃料噴射弁によって膨張行程又は排気行程で追加燃料を噴射することにより実施される。
【0035】
リッチ化制御によって、気筒内から排出される排気ガスの空燃比はリッチとなるが、切換弁8aが第一位置となっていると、排気ガスは分岐通路6を通過することとなり、機関本体近傍の三元触媒装置2及び分岐通路6のもう一つの三元触媒装置7を通過しないと、NOX触媒装置3へ到達しない。
【0036】
三元触媒装置は、排気ガスの空燃比が理論空燃比近傍である時に、排気ガス中のNOX、CO、及びHCを良好に浄化するものである。しかしながら、排気ガスの空燃比を常に理論空燃比近傍に維持することは困難であるために、三元触媒装置にはセリア等を担持させてO2ストレージ能力を持たせ、排気ガスの空燃比がリーンとなる時には余剰酸素を吸収し、排気ガスの空燃比がリッチとなる時には吸収した酸素を放出することにより、排気ガスの空燃比に係らずに三元触媒装置内の雰囲気を理論空燃比近傍にすることを可能としている。
【0037】
それにより、リッチ空燃比の排気ガスが機関本体近傍の三元触媒装置2及び分岐通路3のもう一つの三元触媒装置7を通過する際に、これらの三元触媒装置においてO2ストレージ能力により吸蔵されている酸素が放出され、これら二つの三元触媒装置から酸素が放出されている間は、排気ガスの空燃比はリッチから理論空燃比とされてNOX触媒装置3へ流入することとなる。高負荷側のリーン空燃比運転において、リッチ化制御が実施される場合には、リッチ空燃比とされた排気ガスが気筒から多量に排出されるために、比較的短時間で二つの三元触媒装置から吸蔵されている酸素が放出され、それにより、リッチ化制御が開始されてから実際にリッチ空燃比の排気ガスがNOX触媒装置3へ流入してNOX触媒装置の再生が開始されるまでの無駄時間はそれほど長くはならない。
【0038】
こうして、図2の表に示すように、高負荷側のリーン空燃比運転時にリッチ化制御が実施される場合には、切換部8の切換弁8aを点線で示す第一位置とし、排気ガスは、分岐通路6を通過してNOX触媒装置3へ流入するようにしても良い。それにより、本実施形態にように、排気ガスが分岐通路6を通過した時には分岐通路6を通過しない時に比較して放熱量が多くなるようになっている場合には、高負荷側のために高温の排気ガスは、十分に温度低下してNOX触媒装置3へ流入し、リッチ制御中においても、NOX触媒装置3の温度を設定温度範囲内に維持することができる。
【0039】
このように、高負荷側のリーン空燃比運転時にリッチ化制御が実施される場合に排気ガスが分岐通路6を通過するようにする際には、分岐通路6に配置されたもう一つの三元触媒装置7のセリア担持量を機関本体近傍の三元触媒装置2に比較して少なくし、分岐通路6のもう一つの三元触媒装置7のO2ストレージ能力を機関本体近傍の三元触媒装置2のO2ストレージ能力に比較して低下させることが好ましい。それにより、こうしない場合に比較して、リッチ化制御が開始されてからNOX触媒装置3の再生が開始されるまでの無駄時間を短くすることができる。
【0040】
一方、低負荷側のリーン空燃比運転時にリッチ化制御が実施される場合には、リッチ空燃比とされた排気ガスが気筒からそれほど多量には排出されないために、排気ガスが機関本体近傍の三元触媒装置2及び分岐通路6のもう一つの三元触媒装置7を通過するようにすると、二つの三元触媒装置から吸蔵されている酸素が放出されるまでに比較的長い時間が必要となり、すなわち、リッチ化制御が開始されてから実際にリッチ空燃比の排気ガスがNOX触媒装置3へ流入してNOX触媒装置の再生が開始されるまでの無駄時間が非常に長くなる。
【0041】
それにより、低負荷側のリーン空燃比運転時にリッチ化制御が実施される場合には、図2の表に示すように、切換部8の切換弁8aを一点鎖線で示す第二位置とし、排気ガスは、分岐通路6を通過せずにNOX触媒装置3へ流入するようにする。こうして、リッチ空燃比とされた排気ガスは、機関本体近傍の三元触媒装置2だけしか通過しないようにし、リッチ化制御が開始されてから実際にリッチ空燃比の排気ガスがNOX触媒装置3へ流入してNOX触媒装置の再生が開始されるまでの無駄時間を短縮させている。
【0042】
例えば、分岐通路6の長さを短くして、排気ガスが分岐通路6を通過する時と通過しない時とで経路長に大きな差を設けないようにし、別の加熱手段又は冷却手段によって、機関負荷に係わらずにNOX触媒装置3の温度が設定温度範囲内に維持されるようにすれば、高負荷側のリーン空燃比運転時にリッチ化制御を実施する場合において、図2の表に示すように、切換部8の切換弁8aを第二位置とし、排気ガスが分岐通路6を通過せずにNOX触媒装置3へ流入するようにしても良い。それにより、分岐通路6のもう一つの三元触媒装置7から酸素を放出させる必要がないために、リッチ化制御が開始されてからNOX触媒装置7の再生が開始されるまでの無駄時間をさらに短縮することができる。また、この無駄時間においては、排気ガスの空燃比をリッチするために使用された燃料が、NOX触媒装置3の再生に使用されることなく、三元触媒装置において放出された酸素により燃焼させられて無駄に消費されるだけであり、この無駄燃料を減少させることができる。
【0043】
ところで、分岐通路6に配置されたもう一つの三元触媒装置7をNOX触媒装置3の下流側に配置すれば、リッチ化制御時の問題は解決される。しかしながら、このような配置では、NOX触媒装置3の再生時において、NOXを還元浄化した際に生成されるアンモニアが下流側の三元触媒装置によって酸化されて再びNOXが生成され、NOXの大気放出量を低減することができなくなる。
【0044】
本実施形態において、分岐通路6の材質及び形状(例えばフィンを設ける等)を工夫することにより、分岐通路6を通過した時と通過しない時とで経路長に大きな差がなくても、排気ガスの放熱量を、排気ガスが分岐通路6を通過した場合の方が分岐通路6を通過しない場合より大きくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明による内燃機関の排気浄化装置を示す概略図である。
【図2】本発明による排気浄化装置の切換部に配置された切換弁の制御位置を示す表である。
【符号の説明】
【0046】
1 排気通路
2 三元触媒装置
3 NOX触媒装置
6 分岐通路
7 もう一つの三元触媒装置
8 切換部
8a 切換弁




 

 


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