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発明の名称 内燃機関の制御装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−2699(P2007−2699A)
公開日 平成19年1月11日(2007.1.11)
出願番号 特願2005−182290(P2005−182290)
出願日 平成17年6月22日(2005.6.22)
代理人 【識別番号】100106150
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 英樹
発明者 錦織 貴志
要約 課題
この発明は、内燃機関の制御装置に関し、バルブの開弁特性を変更可能な可変動弁装置を吸気側と排気側にそれぞれ備える内燃機関において、バルブオーバーラップ期間を高い応答性で変更することを目的とする。

解決手段
吸気弁の開弁特性を可変とする吸気可変動弁機構と、排気弁の開弁特性を可変とする排気可変動弁機構を備える。F/C開始条件の成立が確認されると(図5(A))、所望のバルブオーバーラップを発生させる際に用いるアクチュエータとして、進角側に制御が必要となる吸気可変動弁機構28ではなく、遅角側に制御が必要となる排気可変動弁機構30が選択される(図5(E))。また、アクセル要求によってF/Cからの復帰要求が検出されると(図5(A))、バルブオーバーラップを無くすためのアクチュエータとして、この場合に遅角制御側となる吸気可変動弁機構28が選択される(図5(D))。
特許請求の範囲
【請求項1】
吸気弁の開弁特性を可変とする吸気可変動弁機構と、
排気弁の開弁特性を可変とする排気可変動弁機構と、
吸気弁開弁期間と排気弁開弁期間とが重なるバルブオーバーラップ期間を増大させる方向のバルブオーバーラップ変更要求、およびまたは当該バルブオーバーラップ期間を減少させる方向のバルブオーバーラップ変更要求を検知する要求検知手段と、
前記バルブオーバーラップ変更要求の方向に応じて、前記吸気可変動弁機構および前記排気可変動弁機構の中から応答性の高い方の可変動弁機構を選択する選択手段と、
前記選択手段により選択された方の可変動弁機構を少なくとも用いて、バルブオーバーラップ期間を変更させる指令を可変動弁機構に与える指令手段と、
を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
【請求項2】
前記指令手段によってバルブオーバーラップが与えられた後、当該バルブオーバーラップの付与時に高い応答性を有する方の可変動弁機構として選択された第1可変動弁機構でない方の第2可変動弁機構を少なくとも用い、かつ、当該第2可変動弁機構を主たる可変動弁機構として、付与されたバルブオーバーラップを維持するオーバーラップ維持手段を備えることを特徴とする請求項1記載の内燃機関の制御装置。
【請求項3】
内燃機関の減速時にフューエルカットを行うフューエルカット手段と、
前記吸気可変動弁機構および前記排気可変動弁機構の少なくとも一方を駆動して排気ガス再循環量を増減させる可変バルブタイミング制御手段とを備え、
前記のバルブオーバーラップを増大させる方向のバルブオーバーラップ変更要求は、フューエルカットの導入時に出されたものであることを特徴とする請求項1または2記載の内燃機関の制御装置。
【請求項4】
内燃機関の減速時にフューエルカットを行うフューエルカット手段と、
前記吸気可変動弁機構および前記排気可変動弁機構の少なくとも一方を駆動して排気ガス再循環量を増減させる可変バルブタイミング制御手段とを備え、
前記のバルブオーバーラップを減少させる方向のバルブオーバーラップ変更要求は、フューエルカットからの復帰時に出されたものであることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項記載の内燃機関の制御装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
この発明は、内燃機関の制御装置に係り、特に、吸気弁および排気弁の開弁特性をそれぞれ変更可能な可変動弁機構を備える内燃機関を制御する装置として好適な内燃機関の制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1には、吸気弁を駆動するための動弁機構として、油圧駆動式の可変バルブタイミング機構を備える内燃機関の制御装置が開示されている。内燃機関のカム軸は、カムがバルブリフタを押す際の反力を受けながらバルブを駆動している。このため、上記可変バルブタイミング機構は、そのバルブリフタからの反力に逆らった方向に、すなわち、上記従来の機構では進角方向に、バルブタイミングを変化させる際の応答性が遅角方向にバルブタイミングを変化させる際の応答性に比して良くないという特性を有している。そこで、上記従来の装置では、そのような可変バルブタイミング機構の特性を考慮して、加減速時の目標進角量を決定することとしている。
【0003】
より具体的には、上記従来の装置においては、加速時および減速時において、バルブタイミングの高い応答性を得るべく、以下のような制御を有している。すなわち、遅角方向に制御されることの多い減速時の場合は、吸入空気量とエンジン回転数との関係を定めたマップに基づいて目標進角量を取得することとしている。また、進角方向に制御されることの多い加速時の場合は、スロットル開度とエンジン回転数との関係を定めたマップに基づいて目標進角量を取得することとしている。
【0004】
【特許文献1】特開平6−330716号公報
【特許文献2】特開2004−360550号公報
【特許文献3】特開平11−218035号公報
【特許文献4】特開2000−199440号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、バルブの開弁特性を変更可能な可変動弁機構(上記可変バルブタイミング機構を含む)を、吸気側と排気側にそれぞれ備える内燃機関が知られている。そのような内燃機関において、例えば、フューエルカットの導入時やその復帰時などの運転条件では、バルブオーバーラップ期間を高い応答性で変更させたいという要求が出される。
【0006】
上記従来の装置によれば、可変バルブタイミング機構が有する上記特性を考慮することで、上記特性に起因する可変バルブタイミング機構の無駄な制御量や制御遅れを改善させることができる。しかしながら、上記従来技術は、吸気側および排気側にそれぞれ可変動弁機構を備える内燃機関に適用した場合に、吸気側および排気側の可変動弁機構を適切に使い分けて、バルブオーバーラップ期間を高い応答性で変更させるという点について、未だ検討の余地を残すものであった。
【0007】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、バルブの開弁特性を変更可能な可変動弁装置を吸気側と排気側にそれぞれ備える内燃機関において、バルブオーバーラップ期間を高い応答性で変更し得る内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の発明は、上記の目的を達成するため、吸気弁の開弁特性を可変とする吸気可変動弁機構と、
排気弁の開弁特性を可変とする排気可変動弁機構と、
吸気弁開弁期間と排気弁開弁期間とが重なるバルブオーバーラップ期間を増大させる方向のバルブオーバーラップ変更要求、およびまたは当該バルブオーバーラップ期間を減少させる方向のバルブオーバーラップ変更要求を検知する要求検知手段と、
前記バルブオーバーラップ変更要求の方向に応じて、前記吸気可変動弁機構および前記排気可変動弁機構の中から応答性の高い方の可変動弁機構を選択する選択手段と、
前記選択手段により選択された方の可変動弁機構を少なくとも用いて、バルブオーバーラップ期間を変更させる指令を可変動弁機構に与える指令手段と、
を備えることを特徴とする。
【0009】
また、第2の発明は、第1の発明において、前記指令手段によってバルブオーバーラップが与えられた後、当該バルブオーバーラップの付与時に高い応答性を有する方の可変動弁機構として選択された第1可変動弁機構でない方の第2可変動弁機構を少なくとも用い、かつ、当該第2可変動弁機構を主たる可変動弁機構として、付与されたバルブオーバーラップを維持するオーバーラップ維持手段を備えることを特徴とする。
【0010】
また、第3の発明は、第1または第2の発明において、内燃機関の減速時にフューエルカットを行うフューエルカット手段と、
前記吸気可変動弁機構および前記排気可変動弁機構の少なくとも一方を駆動して排気ガス再循環量を増減させる可変バルブタイミング制御手段とを備え、
前記のバルブオーバーラップを増大させる方向のバルブオーバーラップ変更要求は、フューエルカットの導入時に出されたものであることを特徴とする。
【0011】
また、第4の発明は、第1乃至第3の発明の何れかにおいて、内燃機関の減速時にフューエルカットを行うフューエルカット手段と、
前記吸気可変動弁機構および前記排気可変動弁機構の少なくとも一方を駆動して排気ガス再循環量を増減させる可変バルブタイミング制御手段とを備え、
前記のバルブオーバーラップを減少させる方向のバルブオーバーラップ変更要求は、フューエルカットからの復帰時に出されたものであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
第1の発明によれば、バルブオーバーラップ変更要求の方向に応じて、吸気可変動弁機構および排気可変動弁機構の中から応答性の高い方の可変動弁機構が選択され、その選択された可変動弁機構を少なくとも用いて、バルブオーバーラップ期間が変更される。このため、本発明によれば、バルブの開弁特性を変更可能な可変動弁装置を吸気側と排気側にそれぞれ備える内燃機関において、バルブオーバーラップ期間を高い応答性で変更することが可能となる。
【0013】
第2の発明によれば、バルブオーバーラップが付与された後に、そのバルブオーバーラップを減少させる方向のバルブオーバーラップ変更要求が出された場合に、バルブオーバーラップ期間を高い応答性で変更することが可能となる。
【0014】
第3の発明によれば、減速フューエルカットの導入時に高い応答性で所望のバルブオーバーラップ(内部EGR)を発生させることができる。その結果、触媒劣化抑制効果をより長期間に渡って引き出すことが可能となる。
【0015】
第4の発明によれば、減速フューエルカットからの復帰時において、失火を回避しつつ当該フューエルカットからの復帰後の加速時のもたつき感を軽減させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
実施の形態1.
[システム構成の説明]
図1は、本発明の実施の形態1の構成を説明するための図を示す。図1に示すように、本実施形態のシステムは、内燃機関10を備えている。内燃機関10の筒内には、燃焼室12が形成されている。燃焼室12には、吸気通路14および排気通路16が連通している。吸気通路14には、スロットルバルブ18が配置されている。スロットルバルブ18は、アクセル開度に基づいてスロットルモータにより駆動される電子制御式のバルブである。スロットルバルブ18の近傍には、スロットル開度TAを検出するためのスロットルポジションセンサ20が配置されている。
【0017】
内燃機関10は、複数の気筒を有する多気筒式の機関であり、図1は、そのうちの一気筒の断面を示している。内燃機関10が備える個々の気筒には、吸気通路14に通じる吸気ポート、および排気通路16に通じる排気ポートが設けられている。吸気ポートには、その内部に燃料を噴射するための燃料噴射弁22が配置されている。また、吸気ポートおよび排気ポートには、それぞれ、燃焼室12と吸気通路14、或いは燃焼室12と排気通路16を導通状態または遮断状態とするための吸気弁24および排気弁26が設けられている。
【0018】
吸気弁24および排気弁26は、それぞれ油圧式の吸気可変動弁(VVT)機構28および排気可変動弁(VVT)機構30により駆動される。可変動弁機構28、30は、それぞれ、クランク軸の回転と同期して吸気弁24および排気弁26を開閉させると共に、それらの開弁特性(開弁時期、作用角、リフト量など)を変更することができる。
【0019】
内燃機関10は、クランク軸の近傍にクランク角センサ32を備えている。クランク角センサ32は、クランク軸が所定回転角だけ回転する毎に、Hi出力とLo出力を反転させるセンサである。クランク角センサ32の出力によれば、クランク軸の回転位置や回転速度、更には、機関回転数NEなどを検知することができる。また、内燃機関10は、吸気カム軸の近傍にカム角センサ34を備えている。カム角センサ34は、クランク角センサ32と同様の構成を有するセンサである。カム角センサ34の出力によれば、吸気カム軸の回転位置(進角値)などを検知することができる。
【0020】
内燃機関10の排気通路16には、排気ガスを浄化するための上流触媒(SC)36および下流触媒(UF)38が直列に配置されている。また、上流触媒36の上流には、その位置で排気空燃比を検出するための空燃比センサ40が配置されている。更に、上流触媒36と下流触媒38との間には、その位置の空燃比がリッチであるかリーンであるかに応じた信号を発生する酸素センサ42が配置されている。
【0021】
図1に示すシステムは、ECU(Electronic Control Unit)50を備えている。ECU50には、上述した各種センサに加え、アクセル開度PAを検出するためのアクセルポジションセンサ52や、上述した各種アクチュエータが接続されている。ECU50は、それらのセンサ出力に基づいて、内燃機関10の運転状態を制御することができる。
【0022】
[触媒劣化抑制制御の概要]
上記のように構成された本実施形態のシステムは、内燃機関10の運転中にスロットル開度TAがアイドル開度とされた場合に、燃料の供給を停止する処理、つまり、燃料カット(F/C)を実行する。F/Cの実行中は、燃料噴射が行われないことから、触媒(上流触媒36および下流触媒38)に流れ込むガスは極端にリーンに偏ったものとなる。そして、高温の触媒にリーンなガスが流入すると、触媒の劣化が進行し易い。
【0023】
図1に示すシステムによれば、吸気可変動弁機構28により吸気弁24の開弁位相を進角(より具体的には開弁タイミングを進角)することにより、バルブオーバーラップ期間、つまり、吸気弁24と排気弁26が共に開弁状態となる期間を延ばすことができる。また、バルブオーバーラップ期間は、吸気弁24の開弁位相の進角に代え、或いはそれと共に、排気可変動弁機構30により排気弁26の開弁位相を遅角(より具体的には閉弁タイミングを遅角)することにより、延ばすこともできる。そして、吸気管圧力が負圧状況下にある減速時のF/C実行中に、バルブオーバーラップ期間が延びれば、吸気弁24の開弁後に吸気通路14に吹き返される既燃ガス量、つまり、内部EGR量が増加する。
【0024】
従って、十分なバルブオーバーラップを発生させた状態でスロットル開度TAを十分に絞ることとすれば、十分な排気ガス再循環量(以下、EGRガス量)を生じさせることができる。そこで、本実施形態のシステムでは、F/Cの実行中には、EGRガスを燃焼室12に導入させつつ、スロットルバルブ18を全閉位置に制御することとしている。このような制御によれば、吸気管圧力の過大な負圧化を抑制しつつ、触媒の劣化進行を有効に抑制することが可能である。以下、そのような制御、すなわち、減速時のF/C実行中にスロットルバルブ18を全閉に維持しつつ、かつ燃焼室12にEGRガスを導入することにより触媒の劣化を抑制させる制御を、「触媒劣化抑制制御」と称する。
【0025】
[実施の形態1の特徴部分]
上記のような触媒劣化抑制制御の効果をより長期間に渡って引き出すには、F/C開始条件の成立後に直ちにスロットル開度TAを全閉にしたいという要求がある。しかしながら、吸気管圧力の過大な負圧化を抑制しつつ、スロットル開度TAを十分に絞るためには、その前提として、十分なバルブオーバーラップが発生していることが条件となる。従って、触媒劣化抑制制御の効果をより引き出すには、可変動弁機構28、30に高い応答性が要求される。
【0026】
また、上記触媒劣化抑制制御が実行されているF/Cからの復帰時には、失火を回避しつつF/C復帰後の加速時のもたつき感を無くすために、急速に内部EGRを終了させたいという要求がある。すなわち、この場合においても、可変動弁機構28、30に高い応答性が要求される。
【0027】
図2は、図1に示す可変動弁機構28、30が有する特性を説明するための図である。図2(A)に示すように、上述した可変動弁機構28、30のそれぞれのタイミングスプロケット60、62は、チェーン64を介して図示しないクランク軸と同期して回転するように構成されている。図示しない吸気カム軸および排気カム軸は、基本的には、それぞれタイミングスプロケット60、62と同期して回転している。可変動弁機構28、30は、それらがそれぞれ備える油圧室(図示省略)内の油圧が調整されることで、タイミングスプロケット60等と吸気カム軸等との間で相対的な回転が生ずるように構成されている。
【0028】
図2(B)に示すように、吸気カム66がバルブリフタ68を押動する際には、当該吸気カム66は、バルブリフタ68から反力を受けることとなる。このため、吸気可変動弁機構28は、バルブリフタ68からの反力に逆らった方向、すなわち、進角方向にバルブタイミングを変化させる際の応答性は、バルブリフタ68からの反力によりアシストされる方向、すなわち、遅角方向にバルブタイミングを変化させる際の応答性に比して良くないという特性を有している。本実施形態の構成の場合には、図2(C)に示す排気側の構成についても同様であり、排気可変動弁機構30は、進角方向にバルブタイミングを変化させる際の応答性の方が遅角方向に制御する場合に比して良くないという特性を有している。
【0029】
そこで、本実施形態のシステムは、上記のような可変動弁機構28、30が有する特性を利用して、F/C導入時またはF/C復帰時においてバルブオーバーラップ期間を高い応答性で変更すべく、以下の図3乃至図5を参照して説明する制御を実行することを特徴としている。
【0030】
(1)減速F/C導入時の具体的処理
図3は、上記の機能を実現するために、ECU50が減速F/Cの導入時に実行するルーチンのフローチャートである。図3に示すルーチンでは、先ず、減速F/C開始条件が成立したか否かが、アクセル開度PAに基づいて判別される(ステップ100)。その結果、減速F/C開始条件が成立したと判定された場合には、バルブオーバーラップ期間を増大させる方向のバルブオーバーラップ変更要求が出されたと判断することができる。このため、次いで、所望の内部EGRを発生させるべく、排気弁26のバルブタイミングEx-VVTの遅角が実行される(ステップ102)。すなわち、排気バルブタイミングEx-VVTの遅角により、バルブオーバーラップが与えられる。
【0031】
次に、排気弁26のバルブタイミングEx-VVTが目標値に到達したか否かが判別される(ステップ104)。その結果、排気弁26のバルブタイミングEx-VVTが目標値に到達したことが認められた場合、すなわち、過大な吸気管負圧の発生を抑制し得る状態まで当該Ex-VVTの進角量が達したと認められた場合には、触媒劣化抑制効果をより効果的に発生させるべく、スロットルバルブ18が全閉に制御される(ステップ106)。次いで、スロットル開度TAが全閉目標値に達したか否かが判別される(ステップ108)。
【0032】
上記ステップ108において、スロットル開度TAが全閉目標値に達したと判定された場合には、次いで、F/Cが実行された後(ステップ110)、排気バルブタイミングEx-VVTと吸気バルブタイミングIn-VVTの制御量を入れ替える制御(以下、単に「In、Ex入れ替え制御」と称することがある)が実行される(ステップ112)。
【0033】
すなわち、本ステップ112では、内部EGR量を一定に維持しつつ(すなわち、バルブオーバーラップ期間を一定に維持しつつ)、そのような内部EGR量を発生させるためのアクチュエータが排気可変動弁機構30から吸気可変動弁機構28に切り替えられる。具体的には、排気バルブタイミングEx-VVTおよび吸気バルブタイミングIn-VVTを同様の速度で進角させていく。本ステップ112の処理では、通常の運転時の進角量に対して排気バルブタイミングEx-VVTを遅角させた状態であって、かつ、通常の運転時の進角量に対して吸気バルブタイミングIn-VVTを進角させた状態で、上記内部EGR量が確保されるようにそれぞれの進角量を調整している。本明細書中においては、双方の可変動弁機構28、30を用いてバルブオーバーラップを発生させているときに、通常の運転時の進角量と現在の進角量との偏差が大きくなるように制御されている方の可変動弁機構(本ステップ112の場合は吸気可変動弁機構28)を、「主たる可変動弁機構」と称することとしている。
【0034】
(2)減速F/C復帰時の具体的処理
図4は、上記の機能を実現するために、ECU50が減速F/Cからの復帰時に実行するルーチンのフローチャートである。この図4に示すルーチンは、上記図3に示すルーチンによるIn、Ex入れ替え制御が完了した後におけるF/C復帰時の実行されるものである。図4に示すルーチンでは、先ず、アクセル開度PAや機関回転数NEに基づいて、減速F/Cからの復帰要求があるか否かが判別される(ステップ200)。
【0035】
上記ステップ200において、減速F/Cからの復帰要求があったと認められた場合には、バルブオーバーラップ期間を減少させる方向のバルブオーバーラップ変更要求が出されたと判断することができる。このため、次いで、通常の運転時の進角量にまで吸気バルブタイミングIn-VVTが遅角される(ステップ202)。また、この際、排気バルブタイミングEx-VVTが通常の運転時の進角量にまで進角される。次いで、吸気バルブタイミングIn-VVTの進角値が所定の失火限界値を通過したか否かが判別される(ステップ204)。ここで、吸気バルブタイミングIn-VVTの失火限界値とは、減速F/Cからの復帰時に失火等の発生を抑制し、確実に燃焼が可能となることを保証する吸気バルブタイミングIn-VVTの進角値である。
【0036】
上記ステップ204において、吸気バルブタイミングIn-VVTの進角量が上記失火限界値を通過したと判定された場合には、次いで、スロットル開度TAが所定開度まで開かれた後(ステップ206)、減速F/Cからの復帰処理が実行、すなわち、燃料噴射が再開される(ステップ208)。
【0037】
図5は、上記図3および図4に示すルーチンの処理により実現される動作の一例を示すタイミングチャートである。より具体的には、図5(A)乃至図5(E)は、上段から順に、アクセルペダルがアイドル位置にあるか否かを判定するアイドルフラグの状態を、F/C実行の成否を判定するF/Cフラグの状態を、並びに、スロットル開度TA、吸気バルブタイミングIn-VVT、および排気バルブタイミングEx-VVTの変化を表す波形を、それぞれ示している。
【0038】
時刻t0において、図5(A)に示すようにアクセルペダルが戻され、F/C開始条件の成立が確認されると、図5(E)に示すように、所望のバルブオーバーラップを発生させる際に用いるアクチュエータとして、進角側に制御が必要となる吸気可変動弁機構28ではなく、遅角側に制御が必要となる排気可変動弁機構30が選択され、当該排気可変動弁機構30によって、排気バルブタイミングEx-VVTが負圧抑制可能なレベルまで遅角される(時刻t1)。そして、排気バルブタイミングEx-VVTが負圧抑制可能なレベルまで遅角されると、スロットルバルブ18が全閉に制御され(図5(C))、その後、F/Cが実行される(図5(B))。可変動弁機構28、30の特性によれば、既述したように、進角させる時よりも遅角させる時の方がより速くバルブタイミングを変更することができる。このため、上記図3に示すルーチンの処理によれば、減速F/Cの導入時に高い応答性で所望のバルブオーバーラップ(内部EGR)を発生させることができる。その結果、触媒劣化抑制効果をより長期間に渡って引き出すことが可能となる。
【0039】
また、時刻t1において、排気バルブタイミングEx-VVTが負圧抑制可能なレベルまで遅角されると、バルブオーバーラップを発生させるための主たるアクチュエータが、排気可変動弁機構30から吸気可変動弁機構28に入れ替えられる(In、Ex入れ替え制御、図5(C、D))。このような制御によれば、その後到来が予想される減速F/C復帰時において、応答性の優れたアクチュエータとして、吸気可変動弁機構28を選択することが可能となる。
【0040】
その後、時刻t2において、アクセル要求によってF/Cからの復帰要求が検出されると(図5(A))、この場合に応答性に優れた方の可変動弁機構となる吸気可変動弁機構28によって、バルブオーバーラップがなくなるように吸気バルブタイミングIn-VVTが遅角される(図5(D))。この際、排気バルブタイミングEx-VVTも通常の運転時の進角量となるように進角される(図5(E))。そして、失火限界の通過が確認されると、スロットル開度TAが所定開度に開かれると共にF/Cからの復帰が実行される(図5(B、C))。このような制御によれば、この場合に進角側への制御となる排気可変動弁機構30を主たるアクチュエータとして使用する場合に比して、より迅速に失火限界を通過させることが可能となる。このため、失火を回避しつつ減速F/Cからの復帰後の加速時のもたつき感を軽減させることができる。
【0041】
ところで、上述した実施の形態1においては、減速F/Cの導入時において、先ず、排気バルブタイミングEx-VVTを負圧抑制が可能なレベルまで遅角させた後に、吸気バルブタイミングIn-VVTを進角させることとしている。しかしながら、本発明は、バルブオーバーラップが必要となる状況下(上述した実施の形態1では減速F/Cの導入時)において、少なくとも排気バルブタイミングEX-VVTを用いてバルブオーバーラップを発生させるようにしていれば、上記のような手法に限定されるものではない。例えば、F/Cの導入時に、排気バルブタイミングEx-VVTの遅角開始と同時に、或いはその遅角開始よりも遅れて、吸気バルブタイミングIn-VVTの進角を開始させてもよい。これは、バルブオーバーラップを解消させる状況下(上述した実施の形態1では減速F/Cからの復帰時)においても同様であり、当該F/Cからの復帰時の場合は、少なくとも吸気バルブタイミングIn-VVTを用いてバルブオーバーラップを解消させるようになっていればよい。
【0042】
また、上述した実施の形態1においては、バルブオーバーラップの発生期間中に、In、Ex入れ替え制御を実行することとしているが、そのようなIn、Ex入れ替え制御では、排気バルブタイミングEx-VVTに代えて、吸気バルブタイミングIn-VVTがバルブオーバーラップを発生させるための主たるアクチュエータとして機能するようになっていれば、上記の手法に限定されるものではない。すなわち、上記の手法以外にも、例えば、In、Ex入れ替え制御の実行中に排気バルブタイミングEx-VVTを通常の運転時の進角量にまで戻し、最終的に、吸気バルブタイミングIn-VVTの進角のみで必要なバルブオーバーラップ期間を維持するようにしてもよい。
【0043】
また、上述した実施の形態1は、バルブオーバーラップ期間の付与(増大)およびその解消(減少)を高い応答性で実現したいという要求がある運転条件の一例として、減速F/Cの導入時およびその復帰時を例に説明したものである。すなわち、本発明が適用される運転条件は減速F/Cに関するものに限定されるものではない。例えば、高速走行時に、触媒保護のためにオーバーラップ期間を増やして内部EGRを導入している状況下で、アクセル要求があった場合においても、直ちにバルブオーバーラップを解消させたいという要求がある。そのような場合においても、バルブオーバーラップ期間中に、吸気可変動弁機構28を主たるアクチュエータとして用い、少なくとも吸気バルブタイミングIn-VVTを進角させていれば、上記アクセル要求時に、高い応答性でバルブオーバーラップを解消させることが可能となる。
【0044】
また、上述した実施の形態1においては、吸気カム66等が吸気弁24等の駆動時にバルブリフタ68から受ける反力に起因して、進角側への作動が遅角側への作動に比して遅くなるという特性を有する可変動弁機構28、30について説明しているが、本発明が適用される可変動弁機構はこれに限定されるものではない。すなわち、本発明は、進角側への作動が遅角側への作動に比して速くなるという特性を有する可変動弁機構を備える構成に対しても適用可能である。そして、そのような特性を有するのが吸気側の可変動弁機構であれば、バルブオーバーラップの付与時に、そのような吸気可変動弁機構を主たる可変動弁機構として用いた進角制御を行えばよい。そのような特性を有するのが排気側の可変動弁機構であれば、バルブオーバーラップの解消時に、そのような排気可変動弁機構を主たる可変動弁機構として用いた遅角制御を行えばよい。
【0045】
尚、上述した実施の形態1においては、ECU50が、上記ステップ100または200の処理を実行することにより前記第1の発明における「要求検知手段」およびが、上記ステップ102または202の処理を実行することにより前記第1の発明における「選択手段」および「指令手段」が、それぞれ実現されている。
また、ECU50が上記ステップ112の処理を実行することにより、前記第2の発明における「オーバーラップ維持手段」が実現されていると共に、上記ステップ112の例では、排気可変動弁機構30が前記第2の発明における「第1可変動弁機構」に、吸気可変動弁機構28が前記第2の発明における「第2可変動弁機構」に、それぞれ相当している。
また、ECU50が、内燃機関の減速時にF/Cを実行することにより前記第3または第4の発明における「フューエルカット手段」が、吸気可変動弁機構28およびまたは排気可変動弁機構30を駆動して内部EGR量を増減させることにより前記第3または第4の発明における「可変バルブタイミング制御手段」が、それぞれ実現されている。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の実施の形態1の構成を説明するための図である。
【図2】図1に示す可変動弁機構が有する特性を説明するための図である。
【図3】本発明の実施の形態1において、減速F/Cの導入時に実行されるルーチンのフローチャートである。
【図4】本発明の実施の形態1において、減速F/Cからの復帰時に実行されるルーチンのフローチャートである。
【図5】図3および図4に示すルーチンの処理により実現される動作の一例を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
【0047】
10 内燃機関
14 吸気通路
16 排気通路
18 電子制御式スロットルバルブ
28 吸気可変動弁(VVT)機構
30 排気可変動弁(VVT)機構
32 クランク角センサ
34 カム角センサ
50 ECU(Electronic Control Unit)
68 バルブリフタ




 

 


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