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内燃機関の油圧装置 - トヨタ自動車株式会社
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発明の名称 内燃機関の油圧装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−2682(P2007−2682A)
公開日 平成19年1月11日(2007.1.11)
出願番号 特願2005−180887(P2005−180887)
出願日 平成17年6月21日(2005.6.21)
代理人 【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
発明者 菊池 隆司
要約 課題
電動オイルポンプのオイル通路に設けられた濾過器についてその濾過機能を長期間維持することができ、濾過器の目詰まりに起因する圧送損失の増大を想定した電動オイルポンプの大型化についてもこれを回避することのできる内燃機関の油圧装置を提供する。

解決手段
油圧装置は、内燃機関10に接続されて駆動する機械オイルポンプ11と、モータ20によって駆動される電動オイルポンプ21と、機械オイルポンプ11及び電動オイルポンプ21が接続されるオイルパン30と、モータ20を制御することで電動オイルポンプ21の動作を制御する制御部40とを、備えて構成されている。電動オイルポンプ21のオイル通路22にはストレーナが設けられており、ストレーナが詰まると制御部40は機械オイルポンプ11稼動中に電動オイルポンプ21を逆転させて逆洗処理を行う。
特許請求の範囲
【請求項1】
オイルパンに接続される機関駆動式の機械オイルポンプ及び電動オイルポンプと、それら各オイルポンプに対応するオイル通路に各別に設けられた濾過器と、前記電動オイルポンプの動作を制御する制御部とを備える内燃機関の油圧装置であって、
前記制御部は前記機械オイルポンプの稼動中に前記電動オイルポンプの前記濾過器に対するオイルの流れの向きが逆転するように前記電動オイルポンプの動作を制御する逆洗処理を実行する
ことを特徴とする内燃機関の油圧装置。
【請求項2】
請求項1に記載の内燃機関の油圧装置において、
前記機械オイルポンプの濾過器は前記電動オイルポンプの濾過器よりもその目が細かく設定される
ことを特徴とする内燃機関の油圧装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の内燃機関の油圧装置において、
前記機械オイルポンプ及び前記電動オイルポンプの各吸入口は、前記逆洗処理時に前記電動オイルポンプの吸入口から排出されるオイルが機械オイルポンプの吸入口側に流れて同吸入口に流入するように近接して前記オイルパン内に配設されてなる
ことを特徴とする内燃機関の油圧装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の内燃機関の油圧装置において、
前記機械オイルポンプはその濾過器が同機械オイルポンプの吸入口よりも下流側に設けられるものであり、更に同濾過器とは各別の濾過器を備え、同各別の濾過器は前記電動オイルポンプの吸入口を覆うようにして前記機械オイルポンプの吸入口に取り付けられる
ことを特徴とする内燃機関の油圧装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の内燃機関の油圧装置において、
前記電動オイルポンプはモータを駆動源として動作するものであり、
前記制御部は前記逆洗処理時において前記モータを通常時とは逆方向に回転させる
ことを特徴とする内燃機関の油圧装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の内燃機関の油圧装置において、
前記電動オイルポンプの濾過器の流路抵抗が所定値以上である旨を判定する判定手段を備え、
前記制御部は前記判定手段により前記流路抵抗が所定値以上である旨判定されるときに前記逆洗処理を実行する
ことを特徴とする内燃機関の油圧装置。
【請求項7】
請求項6に記載の内燃機関の油圧装置において、
前記判定手段は前記電動オイルポンプの累積稼動期間が所定期間に達したことをもって前記流路抵抗が所定値以上である旨判定する
ことを特徴とする内燃機関の油圧装置。
【請求項8】
請求項6に記載の内燃機関の油圧装置において、
前記電動オイルポンプはモータを駆動源として動作するものであり、前記判定手段は前記モータに流れる電流値を検出し、同電流値が所定電流値以上であるとき流路抵抗が所定値以上である旨判定する
ことを特徴とする機械オイルポンプと電動オイルポンプとを併用する油圧装置。
【請求項9】
請求項8に記載の内燃機関の油圧装置において、
前記電動オイルポンプは機関運転状態に応じて前記モータの印加電圧を変更することによりその吐出能力が変更されるものであり、
前記判定手段は前記モータの印加電圧が高いときほど前記所定電流値が高くなるように同所定電流値を設定する
ことを特徴とする内燃機関の油圧装置。
【請求項10】
請求項8又は9に記載の内燃機関の油圧装置において、
前記判定手段はオイルの粘度を推定する推定手段を備え、前記推定されるオイルの粘度が低いときほど所定電流値が低くなるように同所定電流値を設定する
ことを特徴とする内燃機関の油圧装置。
【請求項11】
オイルの粘度を推定してこれが所定粘度以上であるときに前記逆洗処理の実行を禁止する禁止手段を更に備える
請求項8〜10のいずれか一項に記載の内燃機関の油圧装置。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか一項に記載の内燃機関の油圧装置において、
前記制御部は内燃機関の回転速度を監視して同内燃機関の回転速度が所定回転速度以上であることを条件に前記逆洗処理を実行する
ことを特徴とする内燃機関の油圧装置。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか一項に記載の内燃機関の油圧装置において、
前記電動オイルポンプの濾過器が、同電動オイルポンプのオイル吸入口に取り付けられている
ことを特徴とする内燃機関の油圧装置。
【請求項14】
請求項13に記載の内燃機関の油圧装置において、
前記電動オイルポンプの濾過器はメッシュ状のストレーナであり、前記機械オイルポンプの濾過器は同機械オイルポンプの吐出口よりも下流側に配設される濾紙式のフィルタである
ことを特徴とする内燃機関の油圧装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、機関駆動式の機械オイルポンプと電動オイルポンプとを備える内燃機関の油圧装置に関する。
【背景技術】
【0002】
内燃機関では、オイルパンのオイルをポンプにより吸入して所定の油圧をもって吐出することにより、同内燃機関の潤滑部位に対しては潤滑油として、また油圧アクチュエータには作動油として供給するようにしている。そして、このように各部に供給されたオイルはオイル通路を通じて再びオイルパンに戻される。このオイルには磨耗金属粉等の異物が混入することがあるため、上記油圧装置にあっては、これを濾過して捕捉するため、濾紙式フィルタやストレーナ等の濾過器が設けられている。ここで、こうした濾過器において捕捉された異物の量が過度に増加すると、即ち目詰まりが進行すると、オイルが濾過器を通過する際の流路抵抗が増大するようになり、またその濾過機能も低下してしまうようになる。従ってこのような場合には、濾過器を交換することにより、その濾過機能を回復させるようにしている。
【0003】
従来、こうした油圧装置のポンプとしては内燃機関の出力軸に駆動連結されて動作する機関駆動式の機械オイルポンプが用いられている。しかしながら、この機械オイルポンプは、内燃機関の回転速度が所定回転速度以上にまで上昇した場合には、比較的大きな吐出圧を発生させることができるものの、機関始動直後等の内燃機関の回転速度が低いときは、吐出圧が極端に低下して必要な油圧発生能力を確保できないことがある。
【0004】
そこで、こうした機関駆動式の機械オイルポンプとは別に、モータ等によって駆動される電動オイルポンプを備え、これらを併用することが考えられる。即ち、内燃機関の回転速度が低下して機械オイルポンプの吐出圧が低下しているときには、この電動オイルポンプによって必要な油圧を確保することにより、潤滑や油圧アクチュエータの作動に必要な油圧を発生させることができるようになる。
【特許文献1】実開平07−017911号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、このように、機械オイルポンプとは別に電動オイルポンプを設ける構成を採用した場合には、機械オイルポンプ用の濾過器とは別に、電動オイルポンプにおいて異物の噛み込み等が生じないように、同電動オイルポンプに対応した別の濾過器を新たに設ける必要がある。従って、このように機械オイルポンプと電動オイルポンプとを併用するようにした構成にあっては、機械オイルポンプ用の濾過器を定期的に交換する他、電動オイルポンプ用の濾過器についても同様の交換作業を行う必要が生じることとなる。また一方、こうした交換作業を不要に或いはこれを極力長期間わたって行わなくてもよいようにするためには、濾過器の目詰まりが進行して圧損が大きくなった状態においても、所定の吐出圧を確保するため、こうした目詰まり状態を予め想定した大型の電動オイルポンプを採用せざるを得ない。
【0006】
このように機械オイルポンプに加えて電動オイルポンプを併用するようにした構成にあっては、濾過器を機械オイルポンプの濾過器の交換作業とは別に行わなければならず、電動オイルポンプの大型化を抑制するためにはその交換作業を頻繁に行わなければならないといった不都合が生じることとなる。
【0007】
尚、例えば特許文献1には、濾過器を流れるオイルの向きを定期的に逆転させて濾過器に詰まった異物を流れるオイルによって除去する、いわゆる逆洗機能を有した油圧装置が記載されている。確かに、この装置によれば、逆洗処理によって電動オイルポンプの濾過器に詰まった異物を一時的に離脱させることができるものの、その異物が電動オイルポンプの通常運転時において再び濾過器に捕捉されてしまうようになる。このため、同装置においては、頻繁に上記逆洗処理を実行する必要があり、この点において改善の余地があるのは否めない。
【0008】
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、電動オイルポンプのオイル通路に設けられた濾過器についてその濾過機能を長期間維持することができ、濾過器の目詰まりに起因する圧送損失の増大を想定した電動オイルポンプの大型化についてもこれを回避することのできる内燃機関の油圧装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について説明する。
請求項1に記載の発明は、オイルパンに接続される機関駆動式の機械オイルポンプ及び電動オイルポンプと、それら各オイルポンプに対応するオイル通路に各別に設けられた濾過器と、前記電動オイルポンプの動作を制御する制御部とを備える内燃機関の油圧装置であって、前記制御部は前記機械オイルポンプの稼動中に前記電動オイルポンプの前記濾過器に対するオイルの流れの向きが逆転するように前記電動オイルポンプの動作を制御する逆洗処理を実行するようにしている。
【0010】
同構成によれば、逆洗処理を実行することにより、電動オイルポンプの濾過器に詰まった異物は、濾過器から離脱してオイルパンに戻された後、機械オイルポンプに吸入され、最終的に機械オイルポンプの濾過器によって捕捉されるようになる。そして、こうした逆洗処理を行うことにより、電動オイルポンプについては、その濾過器に詰まりが生じてもこれを適切に解消或いは緩和することができる。このため、電動オイルポンプのオイル通路に設けられた濾過器についてその濾過機能を長期間維持することができ、濾過器の目詰まりに起因する圧送損失の増大を想定した電動オイルポンプの大型化についてもこれを回避することができるようになる。そして、このように電動オイルポンプの濾過器についてはその目詰まりが適宜解消されるようになるため、同濾過器の交換作業の必要性も極めて低いものとなる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関の油圧装置において、前記機械オイルポンプの濾過器は前記電動オイルポンプの濾過器よりもその目が細かく設定されるようにしている。
【0012】
同構成によれば、逆洗処理により電動オイルポンプの濾過器からから離脱された異物は機械オイルポンプによって吸入されることにより、その目の細かい濾過器によって捕捉されるようになる。このように機械オイルポンプの濾過器によって異物が捕捉されることにより、電動オイルポンプの濾過器から離脱された異物が再び同濾過器に捕捉されて目詰まりが進行してしまうのを極力抑制することができるようになる。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の内燃機関の油圧装置において、前記機械オイルポンプ及び前記電動オイルポンプの各吸入口は、前記逆洗処理時に前記電動オイルポンプの吸入口から排出されるオイルが機械オイルポンプの吸入口側に流れて同吸入口に流入するように近接して前記オイルパン内に配設されてなるようにしている。
【0014】
同構成によれば、逆洗処理時において電動オイルポンプの吸入口から排出される異物を含むオイルを効率的に機械オイルポンプの吸入口に流入させてその濾過器により捕捉することができ、電動オイルポンプの濾過器に異物が再び捕捉されてしまうのを抑えてその目詰まりを好適に抑制することができるようになる。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の内燃機関の油圧装置において、前記機械オイルポンプはその濾過器が同機械オイルポンプの吸入口よりも下流側に設けられるものであり、更に同濾過器とは各別の濾過器を備え、同各別の濾過器は前記電動オイルポンプの吸入口を覆うようにして前記機械オイルポンプの吸入口に取り付けられるようにしている。
【0016】
同構成によれば、逆洗処理時において電動オイルポンプの吸入口から排出されたオイルに含まれる異物がオイルパン内で飛散するのを機械オイルポンプに設けられた各別の濾過器によって抑制することができ、同異物を機械オイルポンプの吸入口から吸入してこれを同機械オイルポンプの濾過器によって捕捉することができる。
【0017】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の内燃機関の油圧装置において、前記電動オイルポンプはモータを駆動源として動作するものであり、前記制御部は前記逆洗処理時において前記モータを通常時とは逆方向に回転させるようにしている。
【0018】
同構成によれば、例えばオイル通路及び流路切替弁等からなる流通方向反転機構を備えて、同機構を通じて濾過器に対するオイルの流れの向きを逆転させるようにした構成とは異なり、電動オイルポンプの駆動用モータを逆回転させるといった極めて簡便な動作の切り替えを通じて逆洗処理を実行することができ、油圧装置の構成についてその簡素化を図ることができるようになる。
【0019】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の内燃機関の油圧装置において、
前記電動オイルポンプの濾過器の流路抵抗が所定値以上である旨を判定する判定手段を備え、前記制御部は前記判定手段により前記流路抵抗が所定値以上である旨判定されるときに前記逆洗処理を実行するようにしている。
【0020】
同構成によれば、前記電動オイルポンプのフィルタの詰まり度合いと相関を有する濾過器の流路抵抗の大きさを判定し、これが増大しているときには濾過器に無視できない目詰まりが生じていると判断して逆洗処理を行うことができる。そのため、電動オイルポンプの濾過器に目詰まりが進行したときには確実に逆洗処理を実行することができるようになり、その目詰まりを効果的に抑制することができる。
【0021】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の内燃機関の油圧装置において、前記判定手段は前記電動オイルポンプの累積稼動期間が所定期間に達したことをもって前記流路抵抗が所定値以上である旨判定するようにしている。
【0022】
電動オイルポンプの稼動中にあっては、その濾過器に捕捉されている異物の量が徐々に増大して目詰まりが進行する。この点、上記構成では、電動オイルポンプの累積稼動期間が所定期間に達したときに、再び逆洗処理が実行されるようになる。従って、この所定期間を目詰まりの進行速度に応じて適宜設定することより、同電動オイルポンプの濾過器における目詰まりが進行したときに確実に逆洗処理を実行することができ、これを解消或いは緩和することができるようになる。尚、「電動オイルポンプの累積稼動期間」は、電動オイルポンプの稼働に伴って増大する濾過器の総異物捕捉量と相関を有する時間であればよい。
【0023】
上記同構成において、電動オイルポンプがモータをその駆動力としている場合にあっては、同モータの回転速度によって稼動時間を重み付けした値を積算し、これを累積稼動期間とするようにしてもよい。モータの回転速度が高いときほど、電動オイルポンプのオイル吸入量が増大して、その濾過器に捕捉される異物も多くなるが、上記構成によれば、このように濾過器の目詰まりの度合いが回転速度に依存して変化することも併せ考慮して逆洗処理の実行時期を設定することができるようになる。
【0024】
請求項8に記載の発明は、請求項6に記載の内燃機関の油圧装置において、前記電動オイルポンプはモータを駆動源として動作するものであり、前記判定手段は前記モータに流れる電流値を検出し、同電流値が所定電流値以上であるとき流路抵抗が所定値以上である旨判定するようにしている。
【0025】
前記電動オイルポンプの濾過器における目詰まりが進行すると、オイルが同濾過器を通過し難くなるため、電動オイルポンプを駆動するモータの負荷が大きくなり、モータに流れる電流値が増大するようになる。
【0026】
この点、上記構成によれば、このように濾過器の目詰まりが進行してオイルが流れにくくなっている状況にあることを、モータに流れる電流値が所定電流値以上であることに基づいて適切に検出することができる。
【0027】
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の内燃機関の油圧装置において、前記電動オイルポンプは機関運転状態に応じて前記モータの印加電圧を変更することによりその吐出能力が変更されるものであり、前記判定手段は前記モータの印加電圧が高いときほど前記所定電流値が高くなるように同所定電流値を設定するようにしている。
【0028】
また、機関運転状態に応じてモータの印加電圧を変更することにより電動オイルポンプの吐出能力を変更するようにしている場合にあっては、モータに流れる電流値はこれに作用する外部負荷の他、印加電圧に応じても変化するようになる。この点、上記構成によれば、所定電流値をそのモータへの印加電圧に応じて可変設定するようにしているため、濾過器の目詰まりが進行している状態をより正確に検出することができる。
【0029】
請求項10に記載の発明は、請求項8又は9に記載の内燃機関の油圧装置において、前記判定手段はオイルの粘度を推定する推定手段を備え、前記推定されるオイルの粘度が低いときほど所定電流値が低くなるように同所定電流値を設定するようにしている。
【0030】
その他、濾過器の流路抵抗はこれを通過するオイルの粘性によっても変化し、従って電動オイルポンプの外部負荷も変化する。この点、上記構成によれば、所定電流値をそのオイルの粘性に応じて可変設定するようにしているため、濾過器の目詰まりが進行している状態をより正確に検出することができる。
【0031】
請求項11に記載の発明は、オイルの粘度を推定してこれが所定粘度以上であるときに前記逆洗処理の実行を禁止する禁止手段を更に備える請求項8〜10のいずれか一項に記載の内燃機関の油圧装置である。
【0032】
同構成によれば、オイルの粘性が高いことに起因してモータの外部負荷が増大している場合に、これが濾過器における目詰まりが進行しているためであると誤って判定され、その誤った判定結果に基づいて不必要な逆洗処理が行われてしまうことを回避することができる。
【0033】
請求項12に記載の発明は、請求項1〜11のいずれか一項に記載の内燃機関の油圧装置において、前記制御部は内燃機関の回転速度を監視して同内燃機関の回転速度が所定回転速度以上であることを条件に前記逆洗処理を実行するようにしている。
【0034】
内燃機関の回転速度が高いときほど、これにより駆動される機械オイルポンプの吸入能力が高くなり、時間当たりに機械オイルポンプに吸入されるオイルの量も増大するようになる。従って、上記構成によれば、機械オイルポンプの吸入能力が高いときに逆洗処理が実行されるようになるため、電動オイルポンプの濾過器から排出された異物が機械オイルポンプの濾過器に捕捉されずに、オイルパン内に残留することを抑制することができ、同異物を機械オイルポンプの濾過器によって効率的に捕捉することができるようになる。
【0035】
請求項13に記載の発明は、請求項1〜12のいずれか一項に記載の内燃機関の油圧装置において、前記電動オイルポンプの濾過器が、同電動オイルポンプのオイル吸入口に取り付けられている。
【0036】
同構成によれば、逆洗処理時において電動オイルポンプの吸入口から流出するオイルによって濾過器の異物を効果的に除去することができる。
請求項14に記載の発明は、請求項13に記載の内燃機関の油圧装置において前記電動オイルポンプの濾過器はメッシュ状のストレーナであり、前記機械オイルポンプの濾過器は同機械オイルポンプの吐出口よりも下流側に配設される濾紙式のフィルタであるとしている。
【0037】
尚、請求項14に記載されるように、電動オイルポンプの濾過器としてはメッシュ状のストレー尚、機械オイルポンプの濾過器は同機械オイルポンプの吐出口よりも下流側に配設される濾紙式のフィルタをそれぞれ採用するのが望ましい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
(第1の実施形態)
以下、本発明にかかる内燃機関の油圧装置の一実施形態について図1〜図6を併せ参照して説明する。
【0039】
図1は、内燃機関10の油圧装置についてその構造を概略的に示す模式図である。同図1に示されるように、この油圧装置は、内燃機関10の出力軸(図示略)によって駆動される機械オイルポンプ11に加えて、モータ20によって駆動される電動オイルポンプ21を備えている。機械オイルポンプ11は、オイル通路12によってオイルパン30及び内燃機関10に接続されている。また、電動オイルポンプ21は、別のオイル通路22によって同様に、オイルパン30及び内燃機関10に接続されている。これらオイルポンプ11,21によってオイルパン30から吸入されたオイルは、各オイル通路12、22を通じて内燃機関10の潤滑部位や各種アクチュエータに所定の圧力をもって圧送供給される。
【0040】
図2は、機械オイルポンプ11及び電動オイルポンプ21の各吸入口13,23の近傍を拡大して示す部分断面図である。機械オイルポンプ11及び電動オイルポンプ21の各吸入口13,23はいずれもオイルパン30内に位置している。機械オイルポンプ11の吸入口13近傍には、同吸入口13を覆うようにしてメッシュ状のストレーナ14が取り付けられている。また、電動オイルポンプ21の吸入口23近傍にも同様に、同吸入口23を覆うようにしてメッシュ状のストレーナ24が取り付けられている。
【0041】
電動オイルポンプ21の吸入口23及び同吸入口23に取り付けられたストレーナ24は、機械オイルポンプ11のストレーナ14によって覆われるようにその内部に近接して配設されている。これら機械オイルポンプ11及び電動オイルポンプ21の各吸入口13,23のうち、機械オイルポンプ11の吸入口13は、電動オイルポンプ21の吸入口23側に指向して開口されている。また、電動オイルポンプ21のストレーナ24は、その目の大きさが機械オイルポンプ11のストレーナ14よりも細かく設定されている。各オイルポンプ11,21が運転されると、オイルパン30のオイルは、これに含まれる異物が各ストレーナ14,24によって捕捉された後、オイルポンプ11,21に吸入される。
【0042】
また、機械オイルポンプ11のオイル通路12には、機械オイルポンプ11の下流側部分、即ち同11と内燃機関10との間に、濾紙式のフィルタ15が設けられている。このフィルタ15は、その目が機械オイルポンプ11のストレーナ14よりも細かく設定されている。従って、そのストレーナ14によっては捕捉できない小さな異物が機械オイルポンプ11に吸入され同機械オイルポンプ11から吐出されても、その大部分が内燃機関10に供給される前にこのフィルタ15によって捕捉される。
【0043】
また、油圧装置は電動オイルポンプ21の動作を制御するための制御部40を備えている。また、オイルパン30には、これに貯留されているオイルの温度を検出する油温センサ31が設けられている。また、内燃機関10の出力軸近傍には同内燃機関10の回転速度を検出する回転速度センサ32が設けられている。これら各センサ31,32の検出信号は制御部40に取り込まれる。その他、制御部40は電圧印加時にモータ20に流れる電流値を監視している。この電流値も上記検出信号と併せて制御部40に取り込まれる。
【0044】
制御部40は、これらセンサ32,31の検出値や、モータ20の電流値に基づいて、モータ20に印加する電圧の方向及びその大きさを調節し、電動オイルポンプ21の運転開始及び停止、並びにオイルの吐出圧等を制御する。制御部40は、こうした制御を実行するためのプログラムや演算用マップ、制御の実行に際して算出されるデータ等を記憶保持するメモリ41を備えている。
【0045】
このように構成される油圧装置では、機関始動時等、内燃機関の回転速度が低く機械オイルポンプ11によって十分な吐出圧が得られないときや、油圧アクチュエータにおいて高い油圧を必要とするとき等に、電動オイルポンプ21を作動させる。或いはモータ20の回転速度を上昇させて吐出圧を増大させることにより、不足する吐出圧を補うようにしている。
【0046】
ここで、電動オイルポンプ21の稼働期間が長くなり、そのストレーナ24に捕捉されている異物の量が増大して目詰まりが進行すると、オイルがストレーナ24を通過する際の流路抵抗が増大するようになり、またその濾過機能も低下してしまうようになる。そこで、以下の逆洗処理が行われる。
【0047】
即ち、この処理では、モータ20に印加する電圧の方向を逆転して、これを逆回転させ、電動オイルポンプ21の吸入吐出方向を反転させることで、その吸入口23からストレーナ24に向けてオイルを吐出させる。その結果、この吐出されるオイルによりストレーナ24に詰まった異物が同ストレーナ24から離脱させられ、これが機械オイルポンプ11の吸入口13から吸入されるとともに、同機械オイルポンプ11から吐出されてフィルタ15に捕捉される。
【0048】
以下、この逆洗処理について図3を参照して説明する。
図3は、逆洗処理の実行手順を示すフローチャートである。このフローチャートに示される一連の処理は、制御部40によって所定の周期をもって繰り返し実行される。
【0049】
この一連の処理では、まず内燃機関10の回転速度NEが所定回転速度NEST以上であるか否かが判断される(ステップS100)。これによって機械オイルポンプ11が稼動中であり、更に機械オイルポンプ11が逆洗によってストレーナ24から離脱した異物を吸入するのに十分な吸入能力を有しているかかが判定される。
【0050】
ここで、内燃機関10の回転速度NEが所定回転速度NEST以上であると判断された場合には(ステップS100:YES)、次にストレーナ24の流路抵抗が所定値以上であることを判定する判定手段によってストレーナ24の目詰まりが進行しているか否かが判断される(ステップS110〜130)。ストレーナ24の目詰まりが進行してその流路抵抗が増大すると、これに伴ってモータ20の電流値CEPが増大する。このため、ここではモータ20の電流値CEPが予め設定した閾値CST以上になった場合に、目詰まりが進行している旨判断し、これを条件に逆洗処理を実行するようにしている。ここで、閾値CSTは、ストレーナ24に目詰まりが生じていない状態で電動オイルポンプ21を運転させたときのモータ20の最大電流値よりも高い値に設定されている。
【0051】
また、このモータ20に印加している印加電圧に応じてモータ20の電流値は変化する。即ち、印加電圧が高くなるほど、モータ20の電流値CEPは高くなるため、これに併せて上記閾値CSTを高い値に設定するようにしている。
【0052】
更に、この最大電流値はオイルの粘性によっても変化する。即ち、オイルの粘性が高いほどモータ20には負荷がかかるため、その電流値も増大するようになる。このため、ここでは上記閾値CSTを油温THOに応じて可変設定するようにしている。具体的には、油温THOが低いときほど、即ちオイルの粘性が高くその粘性抵抗が大きいときほど、上記閾値CSTを高い値に設定するようにしている。
【0053】
この目詰まりの判断に際しては、まず油温THOが読み込まれる(ステップS110)。次に、モータ20の印加電圧V及び油温THOに基づいて閾値CSTが算出される(ステップS120)。図4は、印加電圧V及び油温THOと閾値CSTとの関係を示す演算用マップである。この演算用マップは、予め実験等に基づいて求められ、メモリ41に演算用マップとして記憶されている。
【0054】
次に、モータ20の電流値CEPが閾値CST以上であるか否かが判断される(ステップS130)。
ここで、電流値CEPが閾値CST以上であると判断された場合には(ステップS130:YES)、印加電圧の方向を逆転させることで、モータ20を逆回転させる。即ち、電動オイルポンプ21の吸入吐出方向を反転することにより、その吸入口23からストレーナ24に向けてオイルを吐出させて、ストレーナ24に詰まった異物を離脱させる逆洗処理が実行される(ステップS140)。尚ここで、先の処理において電流値CEPが閾値CST以上であると判断された場合には、所定期間が経過するまで逆洗処理を継続させるようにしている。この所定期間は、逆洗処理を通じてストレーナ24に詰まった異物の大部分が離脱し得る期間に設定されている。
【0055】
この逆洗処理が終了された後、また、内燃機関10の回転速度NEが所定回転速度NEST未満である判断された場合(ステップS100:NO)や、電流値CEPが閾値CST未満であると判断された場合(ステップS130:NO)には、いずれもこの一連の処理を一旦終了する。
【0056】
以上説明したように、本実施の形態によれば、以下に記載する作用効果が得られるようになる。
・機械オイルポンプ11が稼動中に逆洗処理を行うことにより、電動オイルポンプ21については、そのストレーナ24に詰まりが生じてもこれを適切に解消或いは緩和することができるようになる。このため、電動オイルポンプ21のオイル通路22に設けられたストレーナ24についてその濾過機能を長期間維持することができ、ストレーナ24の目詰まりに起因する圧送損失の増大を想定した電動オイルポンプ21の大型化についてもこれを回避することができるようになる。そして、このようにストレーナ24についてはその目詰まりが適宜解消されるようになるため、ストレーナ24の交換又作業の必要性も極めて低いものとなる。
【0057】
・内燃機関10の回転速度が所定回転速度以上であることを条件に逆洗処理を実行するようにした。そのため、同逆洗処理が機械オイルポンプ11の吸入能力が高いときに実行されるようになり、電動オイルポンプ21のストレーナ24から排出された異物が機械オイルポンプ11のフィルタ15に捕捉されずに、オイルパン30内に残留することを極力抑制することができる。
【0058】
・また、機械オイルポンプ11の吸入口13を、電動オイルポンプ21の吸入口23側に指向して開口させるようにしているため、電動オイルポンプ21のストレーナ24から離脱した異物を含むオイルがこの吸入口13側に流れやすくなり、同異物を速やかに吸引させることができるようになる。
【0059】
・機械オイルポンプ11のフィルタ15を電動オイルポンプ21のストレーナ24よりもその目が細かい濾紙式フィルタとしたため、逆洗処理によりストレーナ24からから離脱した異物は機械オイルポンプ11によって吸入されることにより、その目の細かいフィルタ15によって捕捉されるようになる。このように機械オイルポンプ11のフィルタ15によって異物が捕捉されることにより、ストレーナ24から離脱した異物が再びストレーナ24に捕捉されて目詰まりが進行してしまうのを極力抑制することができるようになる。
【0060】
・電動オイルポンプ21のオイル通路22のオイル吸入口23と、機械オイルポンプ11のオイル通路12の吸入口13とを、逆洗処理時に吸入口23から排出されるオイルが吸入口13側に流れて吸入口13に流入するように近接してオイルパン30内に配設している。そのため、逆洗処理時においてストレーナ24から排出される異物を含むオイルを効率的に機械オイルポンプ11の吸入口13に流入させてそのフィルタ15により捕捉することができる。そのため、ストレーナ24に異物が再び捕捉されてしまうのを抑えてその目詰まりを好適に抑制することができるようになる。
【0061】
・吸入口13にはストレーナ14が電動オイルポンプ21のストレーナ24を覆うようにして設けられているため、逆洗処理時においてストレーナ24から排出されたオイルに含まれる異物がオイルパン30内で飛散するのを抑制することができ、同異物を吸入口13から吸入してこれを機械オイルポンプ11のフィルタ15によって捕捉することができる。
【0062】
・モータ20を逆回転させることでストレーナ24の逆洗処理を行うようにしている。そのため、例えば逆洗用のオイル通路及び流路切替弁等からなる流通方向反転機構を備えて、同機構を通じてストレーナ24に対するオイルの流れの向きを逆転させるようにした構成とは異なり、極めて簡便な方法を通じて逆洗処理を実行することができ、油圧装置の構成についてその簡素化を図ることができる。
【0063】
・モータ20の電流値が閾値以上であるか否かを判定することでストレーナ24の目詰まりが進行してオイルが流れにくくなっている状況にあることを検出することができる。そのため、電動オイルポンプ21のストレーナ24に目詰まりが進行したときには確実に逆洗処理を実行することができるようになり、その目詰まりを効果的に抑制することができる。
【0064】
・更に、上記閾値を油温に応じて可変設定するようにしているため、ストレーナ24の目詰まりが進行している状態をより正確に検出することができる。つまり、オイルの粘性が高いことに起因してモータ20の外部負荷が増大している場合に、これがストレーナ24における目詰まりが進行しているためであると誤って判定され、その誤った判定結果に基づいて不必要な逆洗処理が行われてしまうことを回避することができる。
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態について説明する。第1の実施形態にかかる油圧装置では、モータ20の電流値を監視し、この電流値に基づいてストレーナ24の流路抵抗を判定するようにしたが、本実施形態にかかる装置では、これに代えて電動オイルポンプ21の累積稼動期間に基づいて流路抵抗を判定するようにしている点が第1の実施形態の装置と相違している。以下、この相違点を中心に説明する。
【0065】
図1に二点鎖線で示されるように、制御部40には、電動オイルポンプ21の累積稼動期間を測定するタイマ42が設けられている。このタイマ42は、電動オイルポンプ21が稼働している、即ちモータ20に電圧が印加されている時間を計時する。尚、この計時時間には、電動オイルポンプ21が通常運転されている時間及び逆洗処理されている時間が含まれる。そして、逆洗処理が所定期間実行されてこれが終了したときにリセットされる。
【0066】
図5は、逆洗処理の実行手順を示すフローチャートである。このフローチャートに示される一連の処理は、制御部40によって所定の周期をもって繰り返し実行される。尚、同図5に示す各処理のうち、先に示した図3のフローチャートと同じステップ番号を付したものについては同図3に示すものと同様の処理が行われるため、それらの説明については割愛する。
【0067】
図5に示されるように、内燃機関10の回転速度NEが所定回転速度NEST以上であると判定された場合には(ステップS100:YES)、電動オイルポンプ21の累積稼動期間TOがタイマ42から読み込まれる(ステップS115)。
【0068】
次に、累積稼動期間TOが所定期間TST以上であるか否かが判断される(ステップS135)。ここで、累積稼動期間TOは前回の逆洗処理が実行されてからのストレーナ24に捕捉された異物の総量と相関を有するものであり、また上記所定期間TSTはこの一部の総捕捉量が所定量以上になってストレーナ24の流路抵抗の増大が無視できないことを判定するためのものである。従って、累積稼動期間TOがこの所定期間TST以上である場合には、ストレーナ24の目詰まりが進行していると判断することができる。
【0069】
そして、累積稼動期間TOが所定期間TST以上であると判断された場合(ステップS135:YES)には、逆洗処理が実行される(ステップS140)。そして、この逆洗処理が終了されると、タイマ42の累積稼動期間TOは「0」にリセットされる(ステップS150)。このリセット処理を実行した後、また、内燃機関10の回転速度NEが所定回転速度NEST以上でないと判断された場合(ステップS100:NO)や、ステップS135において累積稼動期間TOが所定期間TST以上でないと判定された場合(ステップS135:NO)には、いずれもこの一連の処理を終了する。
【0070】
以上説明したように、本実施の形態によれば、以下に記載する作用効果が得られるようになる。
・前回の逆洗処理終了時から計時した電動オイルポンプ21の累積稼動期間に基づいて、ストレーナ24の総異物捕捉量、即ち目詰まりの進行度合いを監視することにより、こうした目詰まりによるストレーナ24の流路抵抗の増大を簡易な手法により検出することができる。そして、この所定期間TSTを目詰まりの進行速度に応じて適宜設定することより、電動オイルポンプ21のストレーナ24における目詰まりが進行したときに確実に逆洗処理を実行することができ、これを解消或いは緩和することができるようになる。
(第3の実施形態)
以下、本発明の第3の実施形態について説明する。第1の実施形態にかかる油圧装置では、モータ20の電流値CEPと比較する閾値CSTを印加電圧V及び油温THOに基づいて設定するようにしていたが、第3の実施形態では、この閾値CSTを印加電圧Vのみに基づいて設定するようにしている。そして、オイルの粘性が高くその粘性抵抗が大きいときには、上記電流値CEPの増大がストレーナ24の目詰まりが進行したことに起因するものであるのか、或いはオイルの粘性抵抗によってモータ20の負荷が増大したことに起因するものであるのか判断できないため、逆洗処理の実行を禁止するようにしている。以下、この相違点を中心に説明する。
【0071】
図6は逆洗処理の実行手順を示すフローチャートである。このフローチャートに示される一連の処理は、制御部40によって所定の周期をもって繰り返し実行される。尚、同図5に示す各処理のうち、先に示した図3のフローチャートと同じステップ番号を付したものについては同図3に示すものと同様の処理が行われるため、それらの説明については割愛する。
【0072】
この一連の処理では、まず油温THOが読み込まれえる(ステップS110)。次に油温THOが予め設定した所定油温THST以上であるか否かが判断される(ステップS116)。
【0073】
ここで、油温THOはオイルの粘性と相関を有するものであり、また上記所定油温THSTはこの油温が所定温度未満であってモータ20へ与える粘性抵抗の影響が無視できないことを判定するためのものである。従って、油温THOがこの所定油温THST以上である場合には、オイルの粘性が高いことに起因してモータの外部負荷が増大していると判断することができる。
【0074】
ここで、油温THOが所定油温THST以上であると判断された場合には(ステップS116:YES)、モータ20の印加電圧Vのみに基づいて閾値CSTが算出される(ステップS120)。以降ステップS130からの処理は図3に示した第1の実施形態における処理と同様に行われる。
【0075】
逆洗処理(ステップS140)が終了された後、また、油温THOが所定油温THST未満であると判断された場合(ステップS116:NO)や、電流値CEPが閾値CST未満であると判断された場合(ステップS130:NO)には、いずれもこの一連の処理を一旦終了する。
【0076】
以上説明したように、本実施の形態によれば、以下に記載する作用効果が得られるようになる。
・同構成によれば、オイルの粘性が高いことに起因してモータの外部負荷が増大している場合に、これが濾過器における目詰まりが進行しているためであると誤って判定され、その誤った判定結果に基づいて不必要な逆洗処理が行われてしまうことを回避することができる。従って、例えばオイルの温度が低下する機関冷間始動時等において、電動オイルポンプ21を作動させることで機械オイルポンプ11の吐出圧不足を補う必要があるのにもかかわらず、逆洗処理が実行されてしまうことを回避することができるようになる。
【0077】
・また、第1の実施形態では、閾値CSTを算出するために、油温THO及び印加電圧Vをパラメータとする演算用マップを用意するようにしたが、本実施形態では、この演算用マップの簡素化、ひいてはメモリ41の容量の拡大を図ることができるようになる。
【0078】
尚、上記各実施の形態では、以下のように変更して実施してもよい。
・上記実施の形態では、電動オイルポンプの駆動源としてモータを用いるものを示したが、電動アクチュエータ等モータ以外の駆動源を利用することもできる。
【0079】
・上記実施の形態では、電動オイルポンプの回転方向を逆転させる手段としてモータへの電圧の印加方向を逆転させるものを示したが、モータと電動オイルポンプの間にギヤを設けギヤの切り替えによって電動オイルポンプの回転方向を逆転させることもできる。
【0080】
・上記実施の形態では、制御部40を電動オイルポンプの動作を制御する専用の制御部として示したが、内燃機関を総合的に制御している電子制御装置に同様の処理を行わせこれを代替することもできる。
【0081】
・上記実施の形態では、電動オイルポンプのオイル通路のオイル吸入口23と、機械オイルポンプのオイル通路の吸入口13とは、近接してオイルパン内に配設されているとしたが、吸入口23と吸入口13が近接していなくてもストレーナ24の異物を離脱させ目詰まりの進行を抑制することはできる。
【0082】
・上記実施の形態では、オイル吸入口23に電動オイルポンプの濾過器としてストレーナ24を設けることを示したが、電動オイルポンプの濾過器はオイル通路22の中であれば、オイル吸入口23以外の場所に設けることもできる。
【0083】
・上記実施の形態では、吸入口13にストレーナ14が電動オイルポンプのストレーナ24を覆うようにして設けられることを示したが、ストレーナ14はストレーナ24を覆わずに設けることもできる。また、ストレーナ14を設けない構成とすることもできる。
【0084】
・上記実施の形態では、機械オイルポンプ11より下流側にストレーナ24よりも目の細かい濾紙式フィルタ15を設けることとしているが、フィルタ15は機械オイルポンプ11よりも上流側に設けることもできる。また、濾紙式フィルタ以外のフィルタ、メッシュ等とすることもでき、ストレーナ24以上に目が粗いものとすることもできる。
【0085】
・上記実施の形態では、オイルの粘性を監視する手段としてオイルパンに設けられた油温センサ31によって、油温を検出しているが、内燃機関冷却水の水温等のオイル粘性と相関を持つパラメータを検出してオイル粘性を監視することもできる。
【0086】
・上記実施の形態では、ステップS100で内燃機関10の回転速度NEが所定回転速度NEST以上であるか否かを判定しているが、ここで内燃機関10が回転しているか否かのみを判定して、機械オイルポンプ11が稼動中であることを判断しても、ストレーナ24から離脱した異物をオイルとともに吸入することはできる。
【0087】
・上記実施の形態では、印加電圧が高くなるほど、電動オイルポンプのモータの電流値CEPが高くなるため、これに併せて上記閾値CSTを高い値に設定するようにしているが、印加電圧によらず、ストレーナの目詰まりが無い状態での最大電流値よりも高い値を閾値CSTとして設定してもよい。
【0088】
・尚、油温や印加電圧にかかわらず上記閾値CSTは一定値でもよい。
・上記実施の形態では所定期間が経過するまで逆洗処理を継続させるようにしており、この所定期間は、逆洗処理を通じてストレーナに詰まった異物の大部分が離脱し得る期間に設定されているが、例えば、モータの電流値が閾値CSTよりも所定値以上小さくなるまでの期間というように設定してもよい。また、時間によって所定期間を設定する場合にはオイルの粘性に応じて、オイルの粘性が高いときほど、即ち油温THOが低いときほど所定期間は長くなるように設定することもできる。
【0089】
・上記実施の形態では電動オイルポンプの累積稼動期間TOによってストレーナ24の流路抵抗を判断したが、ここでモータ20の回転速度に応じて稼動時間を重み付けした時間を積算し、これを累積稼動期間TOとするようにしてもよい。
【0090】
・上記実施の形態では累積稼動期間TOを逆洗処理終了時にリセットするようにしたが、例えば逆洗処理を開始する前に同リセット処理を実行するようにしてもよい。
・上記実施の形態では、モータ20からの電流値または電動オイルポンプ21の累積稼動期間をもとにストレーナ24の流路抵抗を判断したが、オイル通路22内のストレーナ24を挟んだ上流部と下流部の油圧差を監視することによってストレーナ24の流路抵抗を判断することもできる。この場合、前記油圧差が所定油圧差以上になった場合に流路抵抗が所定値以上である旨が判断される。
【0091】
・上記実施の形態では、電動オイルポンプ21の累積稼動期間TOを、タイマ42を設けて時間により測定することとしているが、電動オイルポンプ21の累積回転数を測定して累積稼動期間TOを判定することもできる。
【0092】
・上記実施の形態では、目詰まりの判断が進行している(ステップS130,135:YES)と判断された場合、直ちに逆洗処理(ステップS140)を実行することとなっているが、ステップS140の逆洗処理を逆洗処理フラグとして、判断のタイミングとは別に逆洗処理を実行するようにしてもよい。こうすることで、電動オイルポンプによる油圧の発生が必要とされているときに逆洗処理を行うことを保留することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】この発明にかかる内燃機関の油圧装置の実施形態について、その全体の構成を模式的に示す簡略図。
【図2】各オイル通路の吸入口近傍を拡大して示す部分断面図。
【図3】第1の実施形態について逆洗処理を行う際の処理手順を示すフローチャート。
【図4】印加電圧及び油温と閾値との関係を示す演算用マップ。
【図5】第2の実施形態について逆洗処理を行う際の処理手順を示すフローチャート。
【図6】第3の実施形態について逆洗処理を行う際の処理手順を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0094】
10…内燃機関、11…機械オイルポンプ、12、22…オイル通路、13、23…吸入口、14,24…ストレーナ、15…フィルタ、20…モータ、21…電動オイルポンプ、30…オイルパン、31…油温センサ、32…回転速度センサ、40…制御部、41…メモリ、42…タイマ




 

 


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