米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 固定構造物 -> 新日軽株式会社

発明の名称 カーテンウォールの窓部換気構造
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−32158(P2007−32158A)
公開日 平成19年2月8日(2007.2.8)
出願番号 特願2005−219208(P2005−219208)
出願日 平成17年7月28日(2005.7.28)
代理人 【識別番号】100104927
【弁理士】
【氏名又は名称】和泉 久志
発明者 西田 恵治
要約 課題
横枠の断面形状が構造的かつ意匠的に制約を受けることがないとともに、室外側に形成される外気導入口と室内側に形成される換気口との高低差を大きく取ることができ、雨水等の浸入を確実に防止し得るようにした、ダブルスキンに対応したカーテンウォールの窓部換気構造を提供する。

解決手段
窓部を室外側ガラスGと室内側ガラスGとにより二重構造とし、両ガラス間に空気層7を設けたカーテンウォール構造において、左右方向に隣接するガラスG,G間に配置される方立2,3内部に縦方向空間Pを画成し、縦方向空間Pを画成する室外側に外部空間と連通する外気導入口16aを形成するとともに、前記外気導入口16aよりも高い位置に室内空間と連通する室内側換気口2e(3e)を形成し、かつ前記室内側換気口2e(3e)から室内に至る連通路を開放又は閉鎖するとともに、前記室内側換気口2e(3e)から前記空気層7に至る連通路を開放又は閉鎖する流路切換装置20を設ける。
特許請求の範囲
【請求項1】
窓部を室外側ガラスと室内側ガラスとにより二重構造とし、両ガラス間に空気層を設けたカーテンウォール構造において、
左右方向に隣接するガラス間に配置される方立内部に縦方向の空間を画成し、前記縦方向空間を画成する室外側に外部空間と連通する外気導入口を形成するとともに、前記外気導入口よりも高い位置に室内空間と連通する室内側換気口を形成し、かつ前記室内側換気口から室内に至る連通路を開放又は閉鎖するとともに、前記室内側換気口から前記空気層に至る連通路を開放又は閉鎖する流路切換装置を設けたことを特徴とするカーテンウォールの窓部換気構造。
【請求項2】
前記縦方向空間内を高さ方向に適宜の間隔で仕切るとともに、仕切られた各縦方向空間部において、下側位置に前記外気導入口を形成するとともに、上側位置に前記室内側換気口を形成してある請求項1記載のカーテンウォールの窓部換気構造。
【請求項3】
前記縦方向空間内を高さ方向に適宜の間隔で区切る仕切り材は、室外側に向けて下り勾配となるように配置し、前記外気導入口は前記仕切り部材が方立の室外側壁面へ接合する位置の直上に形成してある請求項2記載のカーテンウォールの窓部換気構造。
【請求項4】
前記室内側換気口は方立側面に形成され、前記流路切換装置は、室内側に外気吹出口を有するとともに、側面に前記空気層に至る空気層連通口を有し、前記方立の側面に配置された換気用カバー材と、この換気用カバー材の内部に室内外方向にスライド可能に配置されるとともに、前記室内側換気口から外気吹出口に至る通路を開放し前記室内側換気口から前記空気層連通口に至る通路を閉鎖する位置と、前記室内側換気口から前記空気層連通口に至る通路を開放し前記室内側換気口から前記外気吹出口に至る通路を閉鎖する位置との間でスライド制御される切換弁部材とから構成される請求項1〜3いずれかに記載のカーテンウォールの窓部換気構造。
【請求項5】
前記室内側換気口は方立側面に形成され、前記流路切換装置は、室内側に外気吹出口を有するとともに、側面に前記空気層に至る空気層連通口を有し、前記方立の側面に配置された換気用カバー材と、この換気用カバー材の内部に室内外方向にスライド可能に配置されるとともに、前記室内側換気口から外気吹出口に至る通路を開放し前記室内側換気口から前記空気層連通口に至る通路を閉鎖する位置と、前記室内側換気口から前記空気層連通口に至る通路を開放し前記室内側換気口から前記外気吹出口に至る通路を閉鎖する位置と、さらに室内から前記空気層連通口に至る通路を開放し前記室内側換気口を閉鎖する位置の間でスライド制御される切換弁部材とから構成される請求項1〜3いずれかに記載のカーテンウォールの窓部換気構造。
【請求項6】
前記空気層は、室外側寄り位置にブラインドを備え、室内側寄り位置には上下方向に適宜の間隔で整流板が配設されている請求項1〜5いずれかに記載のカーテンウォールの窓部換気構造。
【請求項7】
前記空気層の上部側に上昇空気が導入されるリターンエア用チャンバーを設けるとともに、該リターンエア用チャンバに集合された空気を方立内部に画成した排気用流路を通して外部に排気するようにしてある請求項1〜6いずれかに記載のカーテンウォールの窓部換気構造。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、サッシやカーテンウォール等の窓部において、雨水等の浸入を確実に防止しながら、外気の導入を可能とするとともに、ダブルスキンに対応したカーテンウォールの窓部換気構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、カーテンウォールの窓部においては、外気を導入し換気を図るために換気装置を設けた構造が知られている。
【0003】
例えば、下記特許文献1に示されるように、透明ガラスを嵌めた室内側障子と透明ガラスを嵌めた室外側障子とからなる二重窓構造のカーテンウォールにおいて、前記二重窓を囲む枠体のうち下枠および上枠の内部を前記二重窓の内側部分と導通させるとともに、これら下枠および上枠に室内側通気口および室外側通気口を設け、前記下枠および上枠の内部に、前記室内側通気口および室外側通気口の一方を選択的に閉塞し、他方を前記二重窓の内側部分と導通させる切換扉を備えたカーテンウォール窓構造が開示されている。
【0004】
また下記特許文献2では、嵌め殺し窓下部のスパンドレル部に大気と室内を連通する吸気通路を室内側を大気側より高位置となる斜行状に形成し、吸気通路との室内側に円弧状断面の開閉材を吸気通路を開閉するように回動自在に枢着し、前記開閉材から室内にハンドルを突出させたカーテンウォール建物の換気装置が開示されている。
【0005】
下記特許文献3では、上障子の下枠と下障子の上枠とによりこれらに囲まれた空間部を有する無目を構成し、その空間部を囲む室外側、室内側壁部に所定の開口比で開口部を設け、室内側開口部には雨水が直接吹き付けないようにしたサッシの換気装置が開示されている。
【0006】
さらに下記特許文献4では、図15に示されるように、カーテンウォール壁面を構成する外壁パネルと、それに高さ方向に隣接するサッシ枠60の横枠61との間に外気を導入する換気経路を形成した換気構造であって、前記横枠61には、横枠61の見込み幅より大きい見込み幅を持つ見込み片62aと見付け片62bからなる水切り62が横枠との間に間隔を隔てて接合されており、換気経路は横枠61と水切り62との間を通じ、室外から室内まで連通して形成されているカーテンウォールの換気構造が開示されている。
【0007】
一方、近年はガラス窓から差し込む日射熱による熱負荷を軽減し省エネルギー化を図った、いわゆるダブルスキンと呼ばれるカーテンウォール構造が種々提案されている。このダブルスキンは、窓部を室外側ガラスと室内側ガラスとの二重構造にして中間に空気層を設けた構造にするとともに、窓部の上下部にそれぞれ流路切換装置(開閉装置、連通切替機構、切換扉)を備え、例えば夏期は下部側から室外空気を空気層に導入させて上部側から室外に排気するようにし、冬期は下部側から室内空気を空気層に導入させて上部側から室内に戻すようにし、さらに中間期は室外空気を室内に取り入れ可能とすることにより、季節毎に効率的な省エネルギー化が図れるようにしたものである。
【0008】
具体的に下記特許文献5には、窓部用上横枠材と窓部用下横枠材と左右の窓部用縦枠材よりなる枠部と、前記枠部の室外側寄りに取付けた室外側透光体と室内側寄りに取付けた室内側透光体と、前記室外側透光体と室内側透光体との間の空気層に設けた透光可能に作動する遮光体を備え、前記窓部用上横枠材は、空気層の上部に開口した上部流出口、外気に開口した排気口、この上部流出口と排気口を連通・遮断する上部開閉装置を有し、前記窓部用下横枠材は、空気層の下部に開口した下部流入口と、この下部流入口を外気に連通する外気導入口、この下部流入口と外気導入口とを連通・遮断する下部開閉装置を有するカーテンウオールの窓部が開示されている。
【0009】
また下記特許文献6には、建物の室内空間と屋外とを仕切って外壁部や窓部を構成する仕切材を相互に間隔をあけて内外二重に配置し、これら仕切材間に空気層を画成した建物のダブルスキンにおいて、前記空気層の上部及び下部にそれぞれ建物の屋外に連通して設けられた上下2つの屋外通気口と、前記空気層の上部及び下部にそれぞれ建物の室内空間に連通して設けられた上下2つの室内通気口と、前記空気層の上部及び下部にそれぞれ設けられ、前記空気層の上部及び下部において前記屋外通気口または前記室内通気口のいずれか一方を選択して前記空気層に連通させるための上下2つの連通切替機構とを備えた建物のダブルスキン構造が開示されている。
【特許文献1】特開2003−314154号公報
【特許文献2】実開昭60−84617号公報
【特許文献3】実開昭52−34550号公報
【特許文献4】特開平9−165852号公報
【特許文献5】特開2000−274152号公報
【特許文献6】特開2002−256637号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記特許文献1〜2に記載される換気装置は、下枠又は上枠部分等の横枠内部に室内外方向の換気経路を形成するとともに、この換気経路を開閉自在とする切換扉又は開閉材を設けるものであるが、下枠又は上枠の見付け寸法を大きく取る必要があるため、窓部の意匠的デザインが大きく制限を受けることになる。また、室外側に形成される外気導入口と室内側に形成される換気口との位置ヘッド差(高低差)を大きく取ることが困難であるため、室内側に雨水が浸入し易いなどの問題があった。
【0011】
また、前記特許文献3に記載される換気装置も同様で、無目の見付け幅を大きく確保する必要があり、意匠的デザインが大きく制約を受けることになる。また、同文献では雨水が直接導入しないように邪魔壁を設けるようにしているが、室外側に形成される外気導入口と室内側に形成される換気口との高低差を大きく取ることが困難であるため、やはり室内側に雨水が浸入するおそれがあるなどの問題がある。
【0012】
これらに対して、上記特許文献4に記載された換気構造は、サッシ枠60の横枠61に、サッシ枠60と外壁パネル間で雨水の伝わりを防止する水切り62を接合し、水切り62を利用して室外から室内まで連通する換気経路を形成しているため、横枠61に換気口を形成する必要がなく、意匠的デザインの制約が上記特許文献1〜3に比較すると少ないという利点を有するが、雨水の浸入を確実に防止するには、室外側に形成される外気導入口と室内側に形成される換気口との高低差を大きく取る必要があり、前記水切りの見付け片62の高さ寸法をある程度大きくしなければならないとともに、前記見付け片62を隠すために横枠61の高さ寸法を同じ程度まで大きくする必要がある。
【0013】
一方、前記ダブルスキンに係るカーテンウォール構造は、いずれも室外側ガラス及び室内側ガラスを支持する上枠及び下枠の内部に流路切換装置(開閉装置、連通切替機構、切換扉)を組み込んだ構造であり、上枠及び下枠の意匠的デザインが大きく制約を受けることになる。また、前記流路切換装置の構造が大掛かりであるなどの問題があった。
【0014】
そこで本発明の主たる課題は、横枠の断面形状が構造的かつ意匠的に制約を受けることがないとともに、室外側に形成される外気導入口と室内側に形成される換気口との高低差を大きく取ることができ、雨水等の浸入を確実に防止し得るダブルスキンに対応したカーテンウォールの窓部換気構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
前記課題を解決するために請求項1に係る本発明として、窓部を室外側ガラスと室内側ガラスとにより二重構造とし、両ガラス間に空気層を設けたカーテンウォール構造において、
左右方向に隣接するガラス間に配置される方立内部に縦方向の空間を画成し、前記縦方向空間を画成する室外側に外部空間と連通する外気導入口を形成するとともに、前記外気導入口よりも高い位置に室内空間と連通する室内側換気口を形成し、かつ前記室内側換気口から室内に至る連通路を開放又は閉鎖するとともに、前記室内側換気口から前記空気層に至る連通路を開放又は閉鎖する流路切換装置を設けたことを特徴とするカーテンウォールの窓部換気構造が提供される。
【0016】
上記請求項1記載の発明に係る換気構造は、換気経路として水平方向に隣接するガラスとガラスとの間に配設される方立の縦方向空間を利用するものである。具体的には、方立内部に縦方向の空間を画成し、前記縦方向空間を画成する室外側に外部空間と連通する外気導入口を形成するとともに、前記外気導入口よりも高い位置に室内空間と連通する室内側換気口を形成し、かつ前記室内側換気口から室内に至る連通路を開放又は閉鎖するとともに、前記室内側換気口から前記空気層に至る連通路を開放又は閉鎖する流路切換装置を設けるようにしたものである。
【0017】
本発明では、必要的構造部材として配置される方立の、縦方向に連続する内部空間を利用して換気用流路を形成することにより、横枠部材は何らの構造的及び意匠的制限を受けることが無くなるとともに、窓部デザインを自由に設計することが可能となる。また、方立の縦方向空間を利用するため、外気導入口と室内側換気口との間に十分な高低差を確保することが可能となるため、雨水の浸入を確実に防止できるようになる。
【0018】
さらに、外気を室内に取り入れる換気モードの他に、外気をダブルスキンの空気層に導入することにより、冷房負荷軽減等の効率的な省エネルギー化が図れるようになる。
【0019】
請求項2に係る本発明として、前記縦方向空間内を高さ方向に適宜の間隔で仕切るとともに、仕切られた各縦方向空間部において、下側位置に前記外気導入口を形成するとともに、上側位置に前記室内側換気口を形成してある請求項1記載のカーテンウォールの窓部換気構造が提供される。
【0020】
上記請求項2記載の発明は、方立内部の縦方向空間を適宜の間隔で仕切り、仕切られた各縦方向空間部において、下側位置に前記外気導入口を形成するとともに、上側位置に前記室内側換気口を形成するようにしたもので、前記仕切り部材によって仕切られた各縦方向空間毎に換気経路を形成することにより換気能力の増大が図れるようになる。
【0021】
請求項3に係る本発明として、前記縦方向空間内を高さ方向に適宜の間隔で区切る仕切り材は、室外側に向けて下り勾配となるように配置し、前記外気導入口は前記仕切り部材が方立の室外側壁面へ接合する位置の直上に形成してある請求項2記載のカーテンウォールの窓部換気構造が提供される。
【0022】
上記請求項3記載の本発明では、浸入した雨水が自然排水されるように、前記仕切り材は室外側に向けて下り勾配となるように傾斜状に配置し、前記外気導入口は、前記仕切り材が方立の室外側壁面へ接合する位置の直上に形成するようにしたものである。
【0023】
請求項4に係る本発明として、前記室内側換気口は方立側面に形成され、前記流路切換装置は、室内側に外気吹出口を有するとともに、側面に前記空気層に至る空気層連通口を有し、前記方立の側面に配置された換気用カバー材と、この換気用カバー材の内部に室内外方向にスライド可能に配置されるとともに、前記室内側換気口から外気吹出口に至る通路を開放し前記室内側換気口から前記空気層連通口に至る通路を閉鎖する位置と、前記室内側換気口から前記空気層連通口に至る通路を開放し前記室内側換気口から前記外気吹出口に至る通路を閉鎖する位置との間でスライド制御される切換弁部材とから構成される請求項1〜3いずれかに記載のカーテンウォールの窓部換気構造が提供される。
【0024】
請求項5に係る本発明として、前記室内側換気口は方立側面に形成され、前記流路切換装置は、室内側に外気吹出口を有するとともに、側面に前記空気層に至る空気層連通口を有し、前記方立の側面に配置された換気用カバー材と、この換気用カバー材の内部に室内外方向にスライド可能に配置されるとともに、前記室内側換気口から外気吹出口に至る通路を開放し前記室内側換気口から前記空気層連通口に至る通路を閉鎖する位置と、前記室内側換気口から前記空気層連通口に至る通路を開放し前記室内側換気口から前記外気吹出口に至る通路を閉鎖する位置と、さらに室内から前記空気層連通口に至る通路を開放し前記室内側換気口を閉鎖する位置の間でスライド制御される切換弁部材とから構成される請求項1〜3いずれかに記載のカーテンウォールの窓部換気構造が提供される。
【0025】
上記請求項4〜5記載の発明は、流路切換装置の具体例を列記したものである。具体的に請求項4記載の発明は、外気を室内に導入する換気モードと、外気を空気層に導入し冷房負荷等を軽減する省エネモードとの切換が簡単に行える。また、請求項5記載の発明には、上記換気モード、省エネモードの他に、外気を空気層に導入する第2の省エネモードとの切換が簡単に行える。
【0026】
請求項6に係る本発明として、前記空気層は、室外側寄り位置にブラインドを備え、室内側寄り位置には上下方向に適宜の間隔で整流板が配設されている請求項1〜5いずれかに記載のカーテンウォールの窓部換気構造が提供される。
【0027】
上記請求項6記載の発明は、空気層の室外側寄り位置にブラインドを設け、室内側寄り位置には上下方向に適宜の間隔で整流板を配設するようにしたものであり、前記整流板により空気層の室内側を上昇する空気を室外側に導流できるようになり、太陽熱の熱吸収効果が向上するようになる。
【0028】
請求項7に係る本発明として、前記空気層の上部側に上昇空気が導入されるリターンエア用チャンバーを設けるとともに、該リターンエア用チャンバに集合された空気を方立内部に画成した排気用流路を通して外部に排気するようにしてある請求項1〜6いずれかに記載のカーテンウォールの窓部換気構造が提供される。
【0029】
上記請求項7記載の発明は、空気層内を上昇した空気の処理に関し、室外側に排気する場合の構造を規定したものであり、空気の排出経路についても、方立内部に画成した排気用流路を通して外部に排気するようにすれば、横枠部材は何らの構造的及び意匠的制限を受けることが無くなるとともに、窓部デザインを自由に設計することが可能となる。
【発明の効果】
【0030】
以上詳説のとおり本発明によれば、カーテンウォールの窓部換気構造において、換気経路としてガラスとガラスとの間に配設される方立の縦方向空間を利用するようにしたため、横枠の断面形状が構造的かつ意匠的な制約を受けることがないとともに、室外側に形成される外気導入口と室内側に形成される換気口との高低差を十分に確保することができるため、雨水等の浸入を確実に防止できるようになる。また、外気をダブルスキンの空気層に導入可能とすることにより、冷房負荷軽減等の効率的な省エネルギー化が図れるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。
【0032】
図1はカーテンウォール構造1の室外側からの姿図であり、図2は図1のII−II線矢視図、図3は図1のIII−III線矢視図である。
【0033】
カーテンウォール構造は、図1に示されるように、実質的に縦枠となる左右両側の分割方立2,3と、上枠4と、下枠5とによって方形枠が構成されるとともに、中間に配設された中間無目6によって開口部が、上部側窓部と下部側窓部とに分割形成され、これらの各開口部に対してガラスG、Gが嵌め込まれている。
【0034】
前記中間無目6、下枠5及び分割方立2,3によって囲まれた下段側窓部の構造は、室外側ガラスGと、室内側ガラスGとにより二重構造とされ、両ガラスG、Gとによって挟まれた空間に空気層7が形成されている。また、空気層7内には、日射を遮るとともに、空気層7内の空気温度の上昇を図り、上昇流の生起及びそれによる換気の効率化によって熱負荷の軽減を図るために、空気層7内の室外側寄りにブラインド8が配設されている。なお、本例では前記室外側ガラスGとして、複層ガラスが用いられている。
【0035】
一方、前記上枠4、中間桟材6及び分割方立2,3によって囲まれた上段側窓部の構造は、室外側寄りにガラスGが嵌め込まれ、室内側寄りに耐火ボード9が配設された二重構造となっている。
【0036】
前記分割方立2,3は、詳細には図4に示されるように、左右に隣接する半割構造の方立が組み合わされることにより、断面略矩形状の方立が構成されるようにしたものであり、一方側の分割方立2は、室内側寄り位置に分割方立3側に向けて突出する段状断面の室内側突出片2aを有するとともに、中間部にも同様に、分割方立3側に向けて突出する段状断面の中間部第1突出片2bと、この中間部突出片2bよりも室外側寄り位置に他方側分割方立3側に向けて突出する中間部第2突出片2cを有し、かつ室外側寄り位置に断面L字状のガラス支持用突出片2dを有する。そして、押縁10が取り付けられることにより内方側に向けて凹状のガラス嵌合溝Mが形成される。
【0037】
一方、前記他方側の分割方立3は、室内側寄り位置に分割方立2側に向けて突出するシール保持片3aを有するとともに、中間部にも同様に、分割方立3側に向けて突出するシール保持片3bと、このシール保持片3bよりも室外側寄り位置に分割方立2側に向けて突出する中間部第2突出片3cを有し、かつ室外側寄り位置に断面L字状のガラス支持用突出片3dを有する。そして、押縁11が取り付けられることにより内方側に向けて凹状のガラス嵌合溝Mが形成される。
【0038】
前記分割方立2と分割方立3とは、左右方向に隣接配置された状態では、前記分割方立2の室内側突出片2a及び中間部第1突出片2bと、前記分割方立3のシール保持片3a、3bとがそれぞれ重なるように配置され、前記シール保持片3a、3bによって保持された固形シール12,13によって気水密性が保持されるようになっているとともに、分割方立2の中間部第2突出片2cと、分割方立3の中間部第2突出片3dとが間隔を空けて対向し、縦方向に沿ってスリット状の溝14が形成されるようになっている。また、ガラス嵌合溝M、Mを形成している室外側寄り位置でも縦方向に沿ってスリット状の溝15が形成され、前記分割方立2と分割方立3とによって囲まれた内部空間が外部と連通する状態となっている。
【0039】
上記カーテンウォール構造に対して本換気構造を適用するには、前記分割方立2と分割方立3とによって囲まれた内部空間内に、図示例では分割方立2側で言えば、中間部第1突出片2bと中間部第2突出片2cの間の空間内に、長手通しで断面略L字状の仕切り枠16,16を配設するとともに、この仕切り枠16,16と中間部第2突出片2c、3cとの間の空間にシーリング材17,17を充填することにより、縦方向に連続する縦方向空間Pを画成する。
【0040】
前記縦方向空間Pには、図6にも示されるように、所定の間隔で仕切り材18,18…が配設され、前記縦方向空間Pが各縦方向空間A、B…に仕切られている。前記仕切り材18,18…によって仕切られた各縦方向空間A、B…においては、その下側部分に前記仕切り枠16の室内側面に開口が形成され外気導入口16aが形成されるとともに、その上部側であって分割方立2,3の側面に室内側換気口2e(3e)が形成されている。前記仕切り材18の配設部位には、浸入雨水を排出するために、キャッチパン19が設けられている。このキャッチパン19は、図示例ではシリコンスポンジからなる材料が用いられ、外側に向けて下り勾配とされ、浸入雨水を外部に排出可能となっている。
【0041】
従って、分割方立2と分割方立3との間に形成された縦方向のスリット溝15から一次外気導入空間Pに外気が導入された後、仕切り枠16を回り込む流路を通り外気導入口16aから各縦方向空間A、B…内に外気が導入される。そして、縦方向空間A、B…を上昇した外気は、分割方立2,3の側面に形成された各室内側換気口2e、3eより方立外部に流出するようになっている。
【0042】
前記室内側換気口2e、3eから流出した外気を室内側に導入させるか、或いはダブルスキンの空気層7に導入させるかを制御するために流路切換装置20が分割方立2,3の側面に夫々設けられる。
【0043】
前記流路切換装置20は、室内側位置に外気吹出口となるスリット状の開口溝23(以下、外気吹出口23という。)を有するとともに、空気層7に至る空気層連通口21aを有し、前記分割方立2,3の側面に配置された長手通しの換気用カバー材21と、この換気用カバー材21の内部に室内外方向にスライド可能に配置されるとともに、前記室内側換気口2e(3e)から外気吹出口23に至る通路(換気カバー材21の内部通路)を開放し前記室内側換気口2e(3e)から前記空気層連通口21aに至る通路を閉鎖する位置と、前記室内側換気口2e(3e)から前記空気層連通口21aに至る通路を開放し前記室内側換気口2e(3e)から前記外気吹出口23に至る通路を閉鎖する位置との間でスライド制御される長手通しの切換弁部材22とから構成される。
【0044】
より具体的には、前記換気用カバー材21は、室内側に断面L字状部を有する板状部材が用いられ、前記断面L字状部を分割方立2,3との間に隙間を空けて配置することにより外気吹出口23が形成され、空気層7の側面を構成する壁面部分に空気層7に至る空気層連通口21aが形成されている。
【0045】
前記切換弁部材22は、室内側に開口を向けて配置された断面コ字状の部材であり、分割方立2,3側の面においては、その室外側と室内側とに2列配置でエアタイト材24a、24bを保持するとともに、前記エアタイト材24a、24b間の中間壁面であって、かつ前記室内側換気口2e(3e)に対応する高さ位置に換気連通用開口22aが形成されている、また、前記換気用カバー材21側の面においては、その室外側と室内側とに2列配置でエアタイト材24b、24bを保持している。
【0046】
従って、図5(A)及び図6に示されるように、前記切換弁部材22を換気用カバー材21内において、前記室内側換気口2e(3e)に対して前記換気連通用開口22aを対面させる位置にスライドさせた場合には、室内側換気口2e(3e)から外気吹出口23に至る通路が開放されるとともに、空気層連通口21aが閉鎖され、外気が室内に導入される。
【0047】
また、図5(B)に示されるように、前記切換弁部材22を室内側にスライドさせた場合には、外気吹出口23に至る通路が閉鎖され、室内側換気口2e(3e)から前記空気層連通口21aに至る通路が開放され、外気が空気層7に導入されるようになる。
【0048】
前記空気層7内においては、図7に示されるように、室外側寄り位置にブラインド8が配置されるとともに、室内側寄り位置に高さ方向に適宜の間隔で整流板25,25…が配置されている。前記整流板25には、図3に示されるように、適宜の位置に気流通過孔25a、25a…が形成されている。
【0049】
空気層7の空気が太陽熱で加熱されることによって上昇流が生起され、高さ方向に適宜の間隔で形成された空気層連通口21a、21a…から空気層7に外気が導入される。空気層7内では、ブラインド8側の空気が太陽熱による熱影響を強く受け上昇気流が大きく発生する。相対的に室内側の空気は、ブラインド8側の対流に誘引されるように自然に進路を変更しながら上昇するとともに、上昇気流が前記整流板25の下面に衝突することにより強制的に進路をブラインド8側に変更しながら上昇する。また、その一部は気流通過孔25a、25a…を抜けて上昇する。
【0050】
カーテンウォールユニットの上段側窓部には、図8に示されるように、上昇した空気を集合するためにリターンエア用チャンバー26が配設されるとともに、中間無目6に前記リターンエア用チャンバ26に抜ける開口6aが形成されており、暖気化された上昇空気が前記リターンエア用チャンバー26内に導入し、上段側窓部から外部に排気されるようになっている。
具体的には、図9に示されるように、上段側窓部では、吸気側となる下段側窓部と同様に、分割方立2側で言えば、中間部第1突出片2bと中間部第2突出片2cの間の空間内に、長手通しで断面略L字状の仕切り枠16,16を配設するとともに、この仕切り枠16,16と中間部第2突出片2c、3cとの間の空間にシーリング材17,17を充填することにより、縦方向に連続する縦方向空間Pが画成されている。この縦方向空間Pは、所定の間隔で仕切り材18,18…が配設され、図10に示されるように、前記縦方向空間Pが各縦方向空間E、F、Gに仕切られている。前記仕切り材18,18…によって仕切られた各縦方向空間E,F、Gにおいては、その下側部分に分割方立2,3の側面に室内側排出口2f(3f)が形成されるとともに、その上部側であって前記仕切り材18の下側位置に、前記仕切り枠16の室内側面に対して空気排出口16bが形成されている。なお、前記仕切り材18の配設部位には、浸入雨水を排出するために、キャッチパン19が設けられている。
【0051】
また、同図9に示されるように、前記分割方立2,3の側面位置に排気用カバー材27が夫々配設される。この排気用カバー材27は、前記換気用カバー材21と同一部材が使用されるが、室内側の開口はシール材28によって塞がれ周囲が閉鎖された空間Kが形成されている。前記排気用カバー材27には前記リターンエア用チャンバー26に連通する開口27aが形成されており、排出空気は図10に示されるように、前記リターンエア用チャンバー26から空間Kに至り、分割方立2,3の室内側排出口2f(3f)から縦方向空間E,F、Gに入り、上昇した後、仕切り枠16の空気排出口16bから抜け出て、仕切り枠16を回り込む流路を通って外部に排出される。
【0052】
〔第2形態例〕
上記第1形態例では、流路切換装置20に関して、前記室内側換気口2e、3eから流出された外気を室内側に導入させるか、或いはダブルスキンの空気層7に導入させるかを制御することとし、換気停止モードを有しない構造としたが、図11に示されるように、切替弁部材22Aの分割方立2,3側の面において、その室外側、室内側及び中間部に3列配置でエアタイト材24a、24a…を保持するとともに、エアタイト材24a、24aで挟まれた一方側中間壁面に換気連通用開口22aを形成すれば、図12(A)に示される状態では外気導入を停止し、図12(B)に示されるように、前記切換弁部材22Aの換気連通用開口22aを方立2,3の室内側換気口2e(3e)に対面する位置にスライドさせた場合には、外気が方立2,3の室内側換気口2e(3e)及び前記換気連通用開口22aを通して外気吹出口23に至る流路が開放され、外気が室内に導入されるようになり、図12(C)に示されるように、切替弁部材22Aを最も室内側に移動させた状態では室内側換気口2e(3e)から空気層連通口21aに至る流路が開放され外気を空気層7に導入可能となる。
【0053】
〔第3形態例〕
さらに、図13及び図14に示される第3形態例は、換気モード及び空気層導入モードの他に、室内空気を空気層7に導入可能とした例である。
図13に示されるように、切替弁部材22Bの分割方立2,3側の面において、その室外側、室内側及び中間部に3列配置でエアタイト材24a、24a…を保持するとともに、エアタイト材24a、24aで挟まれた一方側中間壁面に換気連通用開口22aを形成し、前記換気用カバー材21側の面において、その室外側、室内側及び中間部に3列配置でエアタイト材24b、24b…を保持するとともに、エアタイト材24b、24bで挟まれた他方側中間壁に空気層連通用開口22bを形成するようにする。
【0054】
従って、図14(A)に示されるように、前記切換弁部材22Bの換気連通用開口22aを方立2,3の室内側換気口2e(3e)に対面する位置にスライドさせた場合には、外気が方立2,3の室内側換気口2e(3e)及び前記換気連通用開口22aを通して外気吹出口23に至る流路が開放され、外気が室内に導入されるようになり、図14(B)に示されるように、切替弁部材22Bを最も室内側に移動させた状態では室内側換気口2e(3e)から空気層連通口21aに至る流路が開放され外気を空気層7に導入可能となる。さらに、図14(C)に示されるように、切替弁部材22Bの空気層連通用開口22bを換気用カバー材21の空気層連通口21aに対面させる位置にスライドさせた場合には、外気吹出口23から前記空気層連通口21aに至る通路が開放されるとともに、室内側換気口2e(3e)が閉鎖されるため、室内空気を空気層7に導入可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本換気構造の第1形態例を適用したカーテンウォールの外観図である。
【図2】図1のII−II線矢視図である。
【図3】図1のIII−III線矢視図である。
【図4】分割方立2,3部分の拡大横断面図である。
【図5】流路切換装置20の作動による、(A)は外気の室内導入モードを示す図、(B)は外気の空気層導入モードを示す図である。
【図6】外気の室内導入モードの空気流路を示した縦断面図である。
【図7】外気の空気層導入モードの空気流路を示した縦断面図である。
【図8】空気の排気要領を示す要部縦断面図である。
【図9】空気の排出経路を示す方立部横断面図である。
【図10】空気の排出流路を示す要部縦断面図である。
【図11】第2形態例に係る流路切換装置22Aを示す方立部の横断面図である。
【図12】流路切換装置22Aによる、(A)は換気停止モードを示す図、(B)は外気の室内導入モードを示す図、(C)は外気の空気層導入モードを示す図である。
【図13】第3形態例に係る流路切換装置22Bを示す方立部の横断面図である。
【図14】流路切換装置22Bの制御による、(A)は外気の室内導入モードを示す図、(B)は外気の空気層導入モードを示す図、(C)は室内空気の空気層導入モードを示す図である。
【図15】従来の換気装置を示す要部縦断面図である。
【符号の説明】
【0056】
1…カーテンウォール構造、2・3…分割方立、4…上枠、5…下枠、6…中間無目、7…空気層、8…ブラインド、9…耐火ボード、16…仕切り枠、16a…外気導入口、18…仕切り材、2e・3e…室内側換気口、19…キャッチパン、20…流路切換装置、21…換気用カバー材、21a…空気層連通口、22・22A・22B…切替弁部材、22a…換気連通用開口、22b…空気層連通用開口、23…外気吹出口、24a・24b…エアタイト材、25…整流板、26…リターンエア用チャンバー




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013