米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 固定構造物 -> 日立建機株式会社

発明の名称 建設機械
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−217892(P2007−217892A)
公開日 平成19年8月30日(2007.8.30)
出願番号 特願2006−36973(P2006−36973)
出願日 平成18年2月14日(2006.2.14)
代理人 【識別番号】100079441
【弁理士】
【氏名又は名称】広瀬 和彦
発明者 小堀 真嗣 / 久野 誠 / 山田 一徳 / 斉藤 隆
要約 課題
運転席の前部側を上方に回動させてエンジン等の機器を露出させることにより、エンジンやその周辺機器をメンテナンスするときの作業性を向上させる。

解決手段
上部旋回体3の旋回フレーム5には、コンソール取付部18A,18B、開口部18C等を有する支持枠体18を設ける。また、支持枠体18の開口部18Cには、後部側を支点として前部側が上,下方向に回動する開閉型の運転席19を設ける。そして、車両のメンテナンス時には、運転席19を上方に回動させて開くことにより、エンジン7の前部側、スタータ10、オルタネータ11、電装品12等の機器を露出させる。これにより、エンジン7の前部側に位置する各機器を広い範囲にわたって容易に露出させることができ、これらの機器のメンテナンス作業を効率よく行うことができる。
特許請求の範囲
【請求項1】
前部に作業装置が取付けられる車体フレームと、該車体フレームの後側に搭載され油圧ポンプを駆動するエンジンとを備えてなる建設機械において、
前記車体フレームには、左,右方向の両側にコンソール取付部を有すると共に中間位置に開口部を有し前記エンジンを覆う支持枠体を設け、該支持枠体には前記開口部の位置に後部側を支点として前部側が上,下方向に回動する運転席を設ける構成としたことを特徴とする建設機械。
【請求項2】
前記車体フレームには、前記エンジンの後側に位置して前記作業装置との重量バランスをとるカウンタウェイトを設け、前記支持枠体は、前記エンジンを跨いで配置すると共に、前記エンジンの後側で前記カウンタウェイトに取付ける構成としてなる請求項1に記載の建設機械。
【請求項3】
前記運転席を上方に回動した位置に保持するストッパを設けてなる請求項1または2に記載の建設機械。
【請求項4】
前記運転席は、座席を取付ける上面部と、前記開口部の前面を覆う前面部とによってL字状に形成し、前記運転席の前面部には、物品を収納するポケットを設けてなる請求項1,2または3に記載の建設機械。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば油圧ショベル等として好適に用いられる建設機械に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、建設機械には、例えば狭い作業現場等での作業性を考慮して、車両を小型に形成したものがある。このような小型の建設機械としては、例えば運転席の下側にエンジンを配置することにより、上部旋回体をコンパクトに形成した小型の油圧ショベルが知られている(例えば、特許文献1,2参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平9−296481号公報
【特許文献2】特開2001−279715号公報
【0004】
この種の従来技術による小型の油圧ショベルは、自走可能な下部走行体と、該下部走行体に旋回可能に搭載された上部旋回体と、該上部旋回体に俯仰動可能に設けられた作業装置とによって大略構成されている。
【0005】
また、上部旋回体は、支持構造体として形成された旋回フレームと、該旋回フレームの後部側に設けられたカウンタウェイトと、該カウンタウェイトの前側に位置して旋回フレームに搭載されたエンジンと、旋回フレームに設けられ、該エンジンのほぼ上側に延びた運転席台座と、該運転席台座に設けられた運転席とを有している。また、運転席の左,右両側には、作業装置を操作するためのコンソール装置が設けられている。
【0006】
ここで、小型の油圧ショベルにあっては、例えばエンジン、油圧ポンプ、ラジエータ、マフラ等を含めて各種の機器を上部旋回体の内部にコンパクトに配置しているため、一部の機器(例えば、エンジンの前側に配置されるスタータ、オルタネータ等)は、外部からメンテナンス作業を行い難い位置となることがある。
【0007】
このため、特許文献1に記載された従来技術では、例えば運転席台座の上面部(運転席が載置される部分)に点検窓を設ける構成としている。そして、車両のメンテナンス時には、まず運転席を運転席台座から取外し、これによって開口した点検窓から奥所側のスタータ、オルタネータ等を点検するようにしている。
【0008】
また、特許文献2に記載された従来技術では、例えばエンジンカバーの上部に運転席を搭載した油圧ショベルにおいて、エンジンカバーの前部を車体側に回動可能に取付ける構成としている。そして、車両のメンテナンス時には、エンジンカバーの後部を運転席と一緒に上方に回動させることにより、これを開けてエンジンを露出させるようにしている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、上述した特許文献1の従来技術では、運転席台座の上面部に点検窓を配置する構成としている。しかし、点検窓の開口面積は、運転席の着座部分の面積と等しいか、またはこれよりも小さな面積に制限される上に、点検窓の開口位置は、スタータ、オルタネータ等の機器から上方に離れた位置となる。
【0010】
このため、特許文献1の従来技術では、各機器の点検作業を点検窓の限られた視界の中で離れた位置から行うことになり、点検が不十分となったり、不具合の見落し等が生じ易いという問題がある。また、このように機器から離れた位置にある小さな点検窓では、スタータ、オルタネータ等の交換作業を行うときに作業性が悪いという問題もある。
【0011】
一方、特許文献2の従来技術では、エンジンカバーの後部側を開ける構成としているため、エンジンの前部側に配置されたスタータ、オルタネータ等の機器に対しては、点検、修理、交換等のメンテナンス作業を容易に行うことができないという問題がある。
【0012】
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、エンジンの前部側に配置した機器の点検、交換等を容易に行うことができ、メンテナンス性を向上できるようにした建設機械を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述した課題を解決するために本発明は、前部に作業装置が取付けられる車体フレームと、該車体フレームの後側に搭載され油圧ポンプを駆動するエンジンとを備えてなる建設機械に適用される。
【0014】
そして、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、前記車体フレームには、左,右方向の両側にコンソール取付部を有すると共に中間位置に開口部を有し前記エンジンを覆う支持枠体を設け、該支持枠体には前記開口部の位置に後部側を支点として前部側が上,下方向に回動する運転席を設ける構成としたことにある。
【0015】
また、請求項2の発明によると、前記車体フレームには、前記エンジンの後側に位置して前記作業装置との重量バランスをとるカウンタウェイトを設け、前記支持枠体は、前記エンジンを跨いで配置すると共に、前記エンジンの後側で前記カウンタウェイトに取付ける構成としている。
【0016】
また、請求項3の発明では、前記運転席を上方に回動した位置に保持するストッパを設ける構成としている。
【0017】
さらに、請求項4の発明によると、前記運転席は、座席を取付ける上面部と、前記開口部の前面を覆う前面部とによってL字状に形成し、前記運転席の前面部には、物品を収納するポケットを設ける構成としている。
【発明の効果】
【0018】
請求項1の発明によれば、運転席を上方に回動させることによって支持枠体の開口部を開口させることができ、このときに開口部内には、エンジンの前部側やその周辺に配置された機器等を露出させることができる。従って、これらの機器の点検、修理、交換等を容易に行うことができ、メンテナンス性を向上させることができる。
【0019】
特に、運転席の前部側を上方に回動させることにより、その下側ではエンジン等が配置された空間を大きく開口させることができる。このため、例えば運転席を取外した位置に点検用の開口部を設ける場合と比較して、エンジンの前部側やその周辺機器等を広い範囲で露出させることができ、メンテナンス時の作業性を高めることができる。
【0020】
また、運転席は、露出した機器に対して上方または後方に位置した状態となるから、点検等の作業を行うときに運転席が邪魔になるのを防止することができる。これにより、例えば運転席やその支持部品等を前側に回動させて機器を露出させる場合と比較して、露出した機器の手前側に広い視界や十分な作業用スペース等を確保することができ、点検や部品交換等の作業を効率よく行うことができる。
【0021】
さらに、支持枠体の左,右のコンソール取付部には、例えば作業装置を操作するためのコンソール装置等をそれぞれ設けることができ、これらのコンソール装置を支持する部品と、運転席を支持する部品とを支持枠体として一体化することができる。これにより、例えば運転席専用の支持ブラケット等を用いなくても、支持枠体を利用して開,閉型の運転席を容易に支持することができ、車両全体の部品点数を減らして構造を簡略化することができる。また、建設機械の組立時には、例えば支持枠体と運転席とをサブアッセンブリ部品として予め組立てた後に、これらを車体フレームに一緒に搭載することができ、組立作業を効率よく行うことができる。
【0022】
また、請求項2の発明によれば、支持枠体を、車体フレーム上でエンジンを跨ぐように配置することができ、その後部側を車体フレームから浮かせた状態でカウンタウェイトに安定的に取付けることができる。このため、支持枠体によってエンジンを容易に覆うことができ、支持枠体の形状やその取付構造を簡略化することができる。
【0023】
また、請求項3の発明によれば、運転席を上方に回動させて開いたときには、ストッパによって運転席を開いた位置に保持することができる。これにより、作業者等は、運転席から手を離しても、その下側に機器が露出した状態を維持することができ、メンテナンス作業を円滑に進めることができる。
【0024】
さらに、請求項4の発明によれば、運転席によってエンジン等の機器を上側及び前側から覆うことができる。このため、運転席を上方に回動したときには、その下側の機器を広い範囲で露出させることができる。また、運転席の前面部には、例えば工具、書類等の物品が収納可能なポケットを設けているから、運転席の足元でデッドスペースとなり易い空間を有効に活用することができ、オペレータや作業者等の利便性を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態による建設機械として、例えばミニショベルと呼ばれる小型の油圧ショベルを例に挙げ、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0026】
図中、1は小型の油圧ショベルを示し、該油圧ショベル1は、前,後方向に自走可能な下部走行体2と、該下部走行体2上に旋回可能に搭載され、下部走行体2と共に車体を構成する上部旋回体3と、該上部旋回体3の前部側に俯仰動可能に設けられ、土砂等の掘削作業を行う作業装置4とによって大略構成されている。
【0027】
また、上部旋回体3は、後述の旋回フレーム5、カウンタウェイト6と、旋回フレーム5上に搭載された後述のエンジン7、油圧ポンプ8、熱交換器9、スタータ10、オルタネータ11、制御弁14、燃料タンク15、作動油タンク16等からなる各種の機器と、後述の支持枠体18、運転席19、ストッパ24、コンソール装置26,27等とによって構成されている。
【0028】
5は上部旋回体3の下部側に配置された車体フレームとしての旋回フレームで、該旋回フレーム5は、例えば鋳造等の手段によってカウンタウェイト6と一体形成され、車体の前,後方向及び左,右方向に延びる支持構造体として形成されている。
【0029】
そして、旋回フレーム5は、図1、図8に示す如く、水平方向に延びる底板5Aと、該底板5Aに立設されて前,後方向に延びる例えば2枚の縦板5B,5Cと、該縦板5B,5Cの前端部に設けられ、作業装置4が左,右方向に揺動可能に取付けられたボス部5Dとによって構成されている。
【0030】
ここで、底板5Aは、前端部、左端部及び右端部が上向きに屈曲した略四角形の板状体として形成され、その後端部にはカウンタウェイト6が立設されている。また、底板5Aには、後述する支持枠体18の脚部18E,18Fが取付けられる例えば2個の前側ねじ座5E,5Eが設けられ、これらの前側ねじ座5Eは、カウンタウェイト6(エンジン7)の前側に間隔をもって配置されると共に、互いに左,右方向に離間している。
【0031】
6は上部旋回体3の後端部に配置されたカウンタウェイトで、該カウンタウェイト6は、作業装置4との重量バランスをとるものである。ここで、カウンタウェイト6は、エンジン7の後側に位置し、旋回フレーム5の底板5Aから上方に向けてほぼ垂直に立上がると共に、左,右方向の中間部が後方に突出した略円弧状をなしている。
【0032】
また、カウンタウェイト6には、エンジン7の後部側に面して開口する略四角形状の点検窓6Aと、該点検窓6Aの上側に位置して支持枠体18の連結部18Dが取付けられる例えば3個の後側ねじ座6B,6B,6Bとが設けられている。
【0033】
7はカウンタウェイト6の前側に位置して旋回フレーム5の底板5Aに搭載されたエンジンで、該エンジン7は、図1、図2に示す如く、車体の左,右方向に延びる横置き状態で配置されている。ここで、エンジン7の左側には、該エンジン7によって駆動されることにより後述の制御弁14に向けて作動油(圧油)を吐出する油圧ポンプ8が設けられ、エンジン7の右側には、例えばエンジン冷却水を冷却するラジエータ、作動油を冷却するオイルクーラ等からなる熱交換器9が設けられている。
【0034】
また、エンジン7の前部側には、その始動を行うスタータ10と、エンジン7の作動時に発電を行うオルタネータ11とが設けられている。また、エンジン7の前側には、例えばエンジンリレー、ヒューズ等からなる各種の電装品12(図7参照)が配置されている。これらの電装品12は、後述する座席台20の内側に隠れる位置で支持枠体18の左コンソール取付部18Aに取付けられている。
【0035】
さらに、エンジン7の後部側には、カウンタウェイト6の点検窓6Aに面して燃料フィルタ13、エンジンオイルフィルタ(図示せず)等の機器が取付けられている。一方、旋回フレーム5の底板5Aには、エンジン7の左前側に位置して制御弁14が設けられ、エンジン7の右前側に位置して燃料タンク15、作動油タンク16等が設けられている。この場合、制御弁14は、油圧ポンプ8から吐出される圧油を車両に搭載された各種のアクチュエータに給排するもので、旋回フレーム5の前部側に設けられた床板17(図3参照)の下側に配置されている。
【0036】
18は旋回フレーム5の底板5A上に設けられた支持枠体を示し、該支持枠体18は、図3、図6に示す如く、後述の運転席19、左,右のコンソール装置26,27等を支持するものであり、複数の金属材等を接合することによって左,右方向に延びる略箱形の枠状に形成されている。
【0037】
そして、支持枠体18の前部側は、エンジン7の前側で旋回フレーム5の各前側ねじ座5E(図7参照)等に取付けられ、床板17に接続されている。また、支持枠体18の後部側は、床板17から上向きに立上り、エンジン7等を上側から覆いつつ後方に向けて延びている。さらに、支持枠体18の後端部(後述の連結部18D)は、カウンタウェイト6の各後側ねじ座6Bに取付けられている。
【0038】
一方、支持枠体18は、図9に示す如く、左コンソール装置26が取付けられる台座状の左コンソール取付部18Aと、右コンソール装置27が取付けられる台座状の右コンソール取付部18Bと、これら左,右のコンソール取付部18A,18Bの間に位置する開口部18Cと、該開口部18Cの後側に位置して各コンソール取付部18A,18Bの間を連結する梁状の連結部18Dとによって大略構成されている。
【0039】
この場合、左コンソール取付部18Aの下端側には、旋回フレーム5の前側ねじ座5Eに締着される脚部18Eが設けられ、右コンソール取付部18Bの下端側にも、他の前側ねじ座5Eに締着される脚部18Fが設けられている。また、開口部18Cは、支持枠体18の左,右方向のほぼ中間部に位置し、その上面部から前面部にかけて大きく開口している。そして、開口部18Cは、運転席19(座席台20)によって開,閉される。
【0040】
19は支持枠体18を介して旋回フレーム5に設けられた運転席で、該運転席19は、後述の座席台20と座席23とによって構成されている。また、運転席19は、支持枠体18の開口部18Cに開,閉可能に取付けられ、油圧ショベル1のオペレータが着座する部位と、前記開口部18Cを開,閉する開閉カバーとを兼用している。
【0041】
即ち、運転席19は、図3、図6に示す如く、常時(通常の運転時)はエンジン7及びその周辺機器を前側及び上側から覆う位置、即ち支持枠体18の開口部18Cを閉じた位置に保持されている。この状態では、オペレータが運転席19に着座することができる。
【0042】
また、運転席19は、図4、図7に示す如く、例えば車両のメンテナンス等を行うときに、後部側(後述のヒンジ21)を支点として前部側が上方に回動され、後述のストッパ24によって開いた位置に保持される。これにより、エンジン7の前部側、スタータ10、オルタネータ11、電装品12等の機器は、支持枠体18の開口部18Cに対応する広い範囲で露出した状態となるため、これらの機器に対してメンテナンス作業(点検、修理、交換等)を円滑に行うことができる。
【0043】
20は支持枠体18の開口部18Cに開,閉可能に取付けられた座席台を示し、該座席台20は、図6、図9に示す如く、例えば略L字状に屈曲した金属板等によって形成され、水平方向に延びる上面部20Aと、該上面部20Aの前端から床板17に向けて下向きに延びる前面部20Bとによって構成されている。
【0044】
そして、上面部20Aは、複数個のヒンジ21(図9参照)を用いて支持枠体18の連結部18Dに上,下方向に回動可能に取付けられている。これらの支持枠体18、座席台20及びヒンジ21は、油圧ショベル1を製造するときに、予めサブアッセンブリ部品として組立てられた後に旋回フレーム5に搭載される。
【0045】
一方、座席台20の前面部20Bは、図6に示す如く、運転席19を閉じているときに、例えばねじ止め等の手段によって支持枠体18に着脱可能に取付けられている。さらに、前面部20Bには、例えば工具、車両の取扱説明書等を含めて各種の物品が収納される略箱形状のポケット22が設けられている。
【0046】
23は座席台20の上面部20A上に設けられた座席で、該座席23は、車両のオペレータが着座する着座部23Aと、該着座部23Aの後端側にリクライニング機構等を介して前,後方向に傾転可能に取付けられ、オペレータが背中を寄りかける背もたれ23Bとによって大略構成されている。なお、座席23の着座部23A、背もたれ23Bに代えてクッション、マット等を用いてもよい。
【0047】
ここで、着座部23Aは、スライド機構等を介して座席台20の上面部20Aに取付けられ、前,後方向にスライド可能となっている。また、これらの上面部20Aと着座部23Aとの間には上,下方向の隙間が形成されている。そして、座席23は、図7に示す如く、座席台20上で前側位置にスライドされ、かつ背もたれ23Bを前側に倒した状態で、座席台20と一緒に上方に回動される。
【0048】
24は運転席19を開いた位置に保持するストッパで、該ストッパ24は、図10に示す如く、支持枠体18の左コンソール取付部18Aに設けられた例えば2個のブラケット24Aと、これらのブラケット24Aによって左,右方向にスライド可能に支持された略L字状のロッド24Bと、該ロッド24Bを座席台20側に向けて常時付勢する付勢ばね24Cと、座席台20の上面部20Aに固着して設けられた略環状の係合部材24Dとによって構成されている。
【0049】
ここで、ロッド24Bの先端側は、図6に示す如く、運転席19が閉じているときに、座席台20と座席23との間に挿入されている。そして、運転席19を開くときには、図11に示す如く、まずロッド24Bを付勢ばね24Cのばね力に抗して運転席19から離れる方向に引張る。次に、運転席19を上方の所定位置まで回動させた後に、図10に示す如く、ロッド24Bの先端側を付勢ばね24Cのばね力によって係合部材24Dの内周側に進入、係合させ、これによって運転席19の回動を規制するものである。
【0050】
一方、図3等において、25,25は運転席19の前側に位置して床板17上に設けられた走行レバー・ペダル装置で、これらの走行レバー・ペダル装置25は、油圧ショベル1の車両を走行させるものである。
【0051】
26,27は運転席19の左,右両側で支持枠体18に設けられたコンソール装置で、これらのコンソール装置26,27は、オペレータによって上部旋回体3を旋回させたり、作業装置4を操作するものである。この場合、左コンソール装置26は、支持枠体18の左コンソール取付部18Aに取付けられ、右コンソール装置27は、右コンソール取付部18Bに取付けられている。
【0052】
また、28は旋回フレーム5上に立設された例えば4柱型のキャノピで、該キャノピ28は運転席19を上方から覆うものである。なお、4柱型のキャノピ28に代えて、例えば2柱型、5柱型のキャノピを用いてもよく、またキャブ内に運転席19を配置する構成としてもよい。
【0053】
さらに、図1、図5等において、29はエンジン7、油圧ポンプ8、熱交換器9、燃料タンク15、作動油タンク16等を覆うように旋回フレーム5上に設けられた外装カバーを示している。この外装カバー29は、支持枠体18の左コンソール取付部18Aに取付けられてエンジン7、油圧ポンプ8等を左側から覆う左カバー30と、熱交換器9、燃料タンク15、作動油タンク16等を右側から開,閉可能に覆う右カバー31と、旋回フレーム5と床板17との間を前側から覆うスカートカバー32と、カウンタウェイト6の点検窓6Aに着脱可能に取付けられてエンジン7等を後側から覆うエンジンカバー33とによって大略構成されている。
【0054】
本実施の形態による油圧ショベル1は上述の如き構成を有するもので、次に、その作動について説明する。
【0055】
まず、油圧ショベル1の運転時には、オペレータが運転席19に着座し、走行レバー・ペダル装置25、コンソール装置26,27等を操作することにより、車両を走行させたり、上部旋回体3を旋回させることができ、また作業装置4を作動させて土砂等の掘削作業を行うことができる。
【0056】
また、例えば車両のメンテナンス作業等において、エンジン7の前部側やその周辺機器の点検、整備等を行うときには、まず運転席19の座席23を座席台20上で前側位置にスライドし、その背もたれ23Bを前側に倒した状態とする。また、運転席19を閉じた位置に固定しているねじ等を取外す。
【0057】
次に、ストッパ24のロッド24Bを外側に引張りつつ、運転席19を上方へと回動させる。そして、運転席19が所定の位置に達したときには、ロッド24Bの先端側を係合部材24Dに挿入し、これによって運転席19を開いた位置に保持する。
【0058】
これにより、エンジン7の前部側や、スタータ10、オルタネータ11、電装品12等の機器が露出した状態となり、この状態は、作業者が運転席19から手を離しても、ストッパ24によって維持される。このため、作業者は、支持枠体18の開口部18Cを介して各機器の点検、修理、交換等を円滑に行うことができる。
【0059】
一方、エンジン7の後部側でメンテナンス作業を行うときには、エンジンカバー33を取外してカウンタウェイト6の点検窓6Aを開くことにより、例えば燃料フィルタ13、エンジンオイルフィルタ等の機器をメンテナンスすることができる。
【0060】
かくして、本実施の形態によれば、旋回フレーム5上には、コンソール取付部18A,18Bと開口部18Cとを有する支持枠体18を設け、その開口部18Cには、後部側を支点として前部側が上,下方向に回動する運転席19を設ける構成としている。
【0061】
これにより、運転席19を上方に回動させることによって支持枠体18の開口部18Cを開口させることができ、このときに開口部18C内には、エンジン7前部側やその周辺に配置されたスタータ10、オルタネータ11、電装品12等の機器を露出させることができる。従って、これらの機器の点検、修理、交換等を容易に行うことができ、メンテナンス性を向上させることができる。
【0062】
特に、運転席19の前部側を上方に回動させることにより、その下側ではエンジン7等が配置された空間を大きく開口させることができる。このため、例えば運転席を取外した位置に点検用の開口部を設ける場合と比較して、エンジン7の前部側やその周辺機器等を広い範囲で露出させることができ、メンテナンス時の作業性を高めることができる。
【0063】
しかも、運転席19の座席台20を上面部20Aと前面部20Bとによって略L字状に形成したので、運転席19によってエンジン7等の機器を上側及び前側から覆うことができる。このため、運転席19を上方に回動したときには、機器の露出面積を十分に大きくすることができる。
【0064】
また、運転席19は、露出した機器に対して上方または後方に位置した状態となるから、点検等の作業を行うときに運転席19が邪魔になるのを防止することができる。これにより、例えば運転席やその支持部品等を前側に回動させて機器を露出させる場合と比較して、露出した機器の手前側に広い視界や十分な作業用スペース等を確保することができ、点検や部品交換等の作業を効率よく行うことができる。
【0065】
さらに、支持枠体18の左,右のコンソール取付部18A,18Bには、作業装置4を操作するためのコンソール装置26,27をそれぞれ設けることができ、これらのコンソール装置26,27を支持する部品と、運転席19を支持する部品とを支持枠体18として一体化することができる。
【0066】
これにより、例えば運転席専用の支持ブラケット等を用いなくても、支持枠体18を利用して開,閉型の運転席19を容易に支持することができ、車両全体の部品点数を減らして構造を簡略化することができる。また、油圧ショベル1の組立時には、例えば支持枠体18と座席台20とをサブアッセンブリ部品として予め組立てた後に、これらを旋回フレーム5に一緒に搭載することができ、組立作業を効率よく行うことができる。
【0067】
また、エンジン7を跨ぐように配置した支持枠体18をカウンタウェイト6に取付けたので、支持枠体18の後部側を旋回フレーム5から浮かせた状態でカウンタウェイト6に安定的に固定することができる。このため、支持枠体18によってエンジン7を容易に覆うことができ、支持枠体18の形状やその取付構造を簡略化することができる。
【0068】
さらに、運転席19にはストッパ24を付設したので、運転席19を上方に回動させて開いたときには、ストッパ24によって運転席19を開いた位置に保持することができる。これにより、作業者等は、運転席19から手を離しても、その下側に機器が露出した状態を維持することができ、メンテナンス作業を円滑に進めることができる。
【0069】
また、運転席19を上方に回動させるときには、予め座席23を前側にスライドし、背もたれ23Bを前側に倒すようにしたので、例えば背もたれ23B等がキャノピ28の後部側と干渉するのを防止でき、運転席19を円滑に開くことができる。
【0070】
一方、座席台20の前面部20Bには、例えば工具、書類等の物品が収納可能なポケット22を設けているから、運転席19の足元でデッドスペースとなり易い空間を有効に活用することができ、オペレータや作業者等の利便性を高めることができる。
【0071】
なお、前記実施の形態では、運転席19を座席台20と座席23とによって構成するものとした。しかし、本発明はこれに限らず、例えば座席23を用いることなく、座席台20のみによって運転席を構成し、その上面部にクッション等を載せる構成としてもよい。
【0072】
また、実施の形態では、運転席19を開いたときに、エンジン7の前部側、スタータ10、オルタネータ11、電装品12等の機器が露出する構成とした。しかし、本発明はこれらの機器に限らず、必要に応じて任意の機器が露出される構成としてよいものである。
【0073】
さらに、実施の形態では、建設機械として小型の油圧ショベル1を例に挙げて説明している。しかし、本発明はこれに限らず、例えば中型、大型の油圧ショベルや、油圧クレーン、ホイルローダ等の他の建設機械にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明の実施の形態による小型の油圧ショベルを示す正面図である。
【図2】旋回フレーム上に各種の機器を搭載した状態を示す平面図である。
【図3】上部旋回体を運転席を閉じた状態で示す斜視図である。
【図4】上部旋回体を運転席を開いた状態で示す斜視図である。
【図5】上部旋回体を右前側からみた要部拡大の斜視図である。
【図6】図3中の支持枠体、運転席等を拡大して示す斜視図である。
【図7】図4中の支持枠体、運転席等を拡大して示す斜視図である。
【図8】旋回フレームを単体で示す斜視図である。
【図9】支持枠体と座席台とを組立てる前の状態で示す斜視図である。
【図10】図7中のa部を拡大して示す要部拡大図である。
【図11】ストッパを解除した状態を図10と同様位置からみた要部拡大図である。
【符号の説明】
【0075】
1 油圧ショベル(建設機械)
2 下部走行体
3 上部旋回体
4 作業装置
5 旋回フレーム(車体フレーム)
6 カウンタウェイト
6A 点検窓
10 スタータ
11 オルタネータ
12 電装品
18 支持枠体
18A,18B コンソール取付部
18C 開口部
18D 連結部
18E,18F 脚部
19 運転席
20 座席台
20A 上面部
20B 前面部
22 ポケット
23 座席
24 ストッパ
24A ブラケット
24B ロッド
24C 付勢ばね
24D 係合部材




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013