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発明の名称 建設機械
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−170130(P2007−170130A)
公開日 平成19年7月5日(2007.7.5)
出願番号 特願2005−372480(P2005−372480)
出願日 平成17年12月26日(2005.12.26)
代理人 【識別番号】100079441
【弁理士】
【氏名又は名称】広瀬 和彦
発明者 津久井 洋 / 儘田 知憲 / 熊谷 博 / 楜澤 康博
要約 課題
フレームに設けたねじ座にカバーを取付けるときに、カバーがフレームに接触するのを抑える。

解決手段
前仕切カバー24にストッパ28を設け、このストッパ28をねじ座20の上端部20C上に載置することにより、前仕切カバー24の下端部24Fを左サイドフレーム11の上面11Aから浮かせた状態で、前仕切カバー24のボルト挿通孔26と、ねじ座20のナット20Bとの位置合わせを行うことができる構成とする。これにより、重量物である前仕切カバー24をねじ座20に取付けるときの作業性を高めることができ、前仕切カバー24の下端部24Fが、左サイドフレーム11の上面11Aに接触してしまうのを防止することができる。
特許請求の範囲
【請求項1】
支持構造体をなすフレームと、該フレームに設けられたねじ座と、該ねじ座に取付けられ前記フレームに搭載される搭載機器を収容する建屋カバーの一部を構成するカバーとを備えてなる建設機械において、
前記カバーには、前記ねじ座上に載置されることにより前記カバーの下端部を前記フレームから浮かせた位置に仮止めするストッパを設ける構成としたことを特徴とする建設機械。
【請求項2】
前記カバーは、前記フレームから上,下方向に立上る立上り板部と、該立上り板部の端部を折曲げることにより形成され前記ねじ座に取付けられる折曲げ板部とを有し、
前記ストッパは、前記立上り板部と前記折曲げ板部との角隅位置に固着されることにより前記カバーの補強材を兼ねる構成としてなる請求項1に記載の建設機械。
【請求項3】
前記カバーの折曲げ板部には前記ねじ座に螺着されるボルトを挿通するためのボルト挿通孔を設け、前記ストッパは、前記ボルト挿通孔の上側位置に配設する構成としてなる請求項2に記載の建設機械。
【請求項4】
前記カバーにはドアを開,閉可能に取付け、前記ドアには前記ストッパとの間で該ドアを開いた状態に保持するステーを設ける構成としてなる請求項1,2または3に記載の建設機械。
【請求項5】
前記フレームと前記ねじ座との接合部の周囲には錆止め用のコーキングを設け、前記ストッパは、前記カバーの下端部を前記フレームから浮かせた位置に仮止めすることにより前記コーキングを保護する構成としてなる請求項1,2,3または4に記載の建設機械。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば油圧ショベル、ホイールローダ等の建設機械に関し、特に、フレームに搭載される搭載機器を覆うカバーを備えた建設機械に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、建設機械としての油圧ショベルは、自走可能な下部走行体と、該下部走行体上に旋回可能に搭載された上部旋回体と、該上部旋回体の前部側に俯仰動可能に設けられた作業装置とにより大略構成されている。
【0003】
ここで、上部旋回体は、通常、支持構造体をなす旋回フレームと、該旋回フレームの前部左側に設けられ運転室を画成するキャブと、旋回フレームの後端側に設けられ作業装置との重量バランスをとるカウンタウエイトと、カウンタウエイトの前側に位置して旋回フレーム上に設けられた建屋カバーとにより大略構成されている。そして、建屋カバーは、旋回フレームに搭載されたエンジン、油圧ポンプ、熱交換装置等の搭載機器を収容するものである(例えば、特許文献1,2参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2000−64348号公報
【特許文献2】特開2002−129592号公報
【0005】
そして、従来技術による油圧ショベルの旋回フレームには、通常、建屋カバーを取付けるためのねじ座(シートスクリュ)が溶接等の手段を用いて固着され、建屋カバーに挿通したボルトをねじ座に螺着することにより、建屋カバーが旋回フレームに着脱可能に取付けられる構成となっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、建屋カバーは重量物であるため、この建屋カバーに挿通したボルトを旋回フレームに設けたねじ座に螺着するときには、建屋カバーを旋回フレームの上面に当接した状態で載置し、ボルトとねじ座とを位置合わせする必要がある。
【0007】
この場合、旋回フレームとねじ座との接合部の周囲には、通常、防錆用のコーキングが設けられている。このため、建屋カバーに挿通したボルトと旋回フレームのねじ座とを位置合わせするときに、建屋カバーを不用意に旋回フレームの上面に載置した場合には、旋回フレームに設けられたコーキングが建屋カバーの下端部との接触によって傷付いてしまうという問題がある。
【0008】
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、フレームに設けたねじ座にカバーを取付けるときにカバーがフレームに接触するのを抑えることができ、カバーを取付けるときの作業性を高めることができるようにした建設機械を提供することを目的としている。
【0009】
また、本発明の他の目的は、ねじ座とカバーとの位置合わせを容易に行なうことにより、カバーを取付けるときの作業性を高めることができる建設機械を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決するため本発明は、支持構造体をなすフレームと、該フレームに設けられたねじ座と、該ねじ座に取付けられ前記フレームに搭載される搭載機器を収容する建屋カバーの一部を構成するカバーとを備えてなる建設機械に適用される。
【0011】
そして、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、前記カバーには、前記ねじ座上に載置されることにより前記カバーの下端部を前記フレームから浮かせた位置に仮止めするストッパを設けたことにある。
【0012】
請求項2の発明は、前記カバーは、前記フレームから上,下方向に立上る立上り板部と、該立上り板部の端部を折曲げることにより形成され前記ねじ座に取付けられる折曲げ板部とを有し、前記ストッパは、前記立上り板部と前記折曲げ板部との角隅位置に固着されることにより前記カバーの補強材を兼ねる構成としたことにある。
【0013】
請求項3の発明は、前記カバーの折曲げ板部には前記ねじ座に螺着されるボルトを挿通するためのボルト挿通孔を設け、前記ストッパは、前記ボルト挿通孔の上側位置に配設する構成としたことにある。
【0014】
請求項4の発明は、前記カバーにはドアを開,閉可能に取付け、前記ドアには前記ストッパとの間で該ドアを開いた状態に保持するステーを設ける構成としたことにある。
【0015】
請求項5の発明は、前記フレームと前記ねじ座との接合部の周囲には錆止め用のコーキングを設け、前記ストッパは、前記カバーの下端部を前記フレームから浮かせた位置に仮止めすることにより前記コーキングを保護する構成としたことにある。
【発明の効果】
【0016】
請求項1の発明によれば、フレームに設けられたねじ座にカバーを取付けるときに、カバーに設けたストッパをねじ座上に載置することにより、カバーの下端部をフレームから浮かせた状態に仮止めすることができる。このため、ストッパを利用してカバーをフレーム上に仮止めすることにより、ねじ座とカバーとの位置合わせを容易に行うことができ、カバーを取付けるときの作業性を高めることができる。また、カバーの下端部がフレームに接触するのを抑えることができるので、例えばフレームの表面に設けられた防錆用のコーキング、塗装等を保護することができる。
【0017】
請求項2の発明によれば、カバーを構成する立上り板部と折曲げ板部とが交わる角隅位置で、これら立上り板部と折曲げ板部の両方にストッパを固着することにより、このストッパをカバーの補強材として利用することができ、カバー全体の剛性を高めることができる。
【0018】
請求項3の発明によれば、カバーに設けたボルト挿通孔の上側位置にストッパを配設したので、ストッパをねじ座上に載置した状態で、カバーのボルト挿通孔とねじ座とを確実に位置合わせすることができる。従って、カバーの下端部をフレームから浮かせたまま、ボルト挿通孔に挿通したボルトをねじ座に容易に螺着することができ、カバーを取付けるときの作業性を高めることができる。
【0019】
請求項4の発明によれば、ドアとストッパとの間にステーを掛渡すことにより、ドアを開いた状態に保持することができる。従って、カバーに設けたストッパを、ステーを掛止めするための部材として利用することができるので、ステーを掛止めするためだけの個別の部品を不要とし、この分、部品点数を低減することができる。
【0020】
請求項5の発明によれば、ストッパを利用して、カバーの下端部をフレームから浮かせた状態に仮止めすることにより、フレームとねじ座との接合部の周囲に設けた錆止め用のコーキングにカバーの下端部が接触するのを防止できる。このため、フレームとねじ座との接合部の周囲を、コーキングによって長期に亘って防錆状態に保つことができ、建設機械の外観美を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明に係る建設機械の実施の形態を、油圧ショベルに適用した場合を例に挙げ、図1ないし図14を参照しつつ詳細に説明する。
【0022】
図中、1は油圧ショベルで、該油圧ショベル1は、自走可能なクローラ式の下部走行体2と、該下部走行体2上に旋回可能に搭載された上部旋回体3と、該上部旋回体3の前部側に俯仰動可能に設けられた作業装置4とにより大略構成され、土砂の掘削作業等に好適に用いられるものである。
【0023】
5は上部旋回体3のベースとなる旋回フレームで、該旋回フレーム5は、図7に示すように、厚肉な平板状に形成され前,後方向に延びた底板6と、該底板6上に立設され左,右方向で対面しつつ前,後方向に延びた左縦板7及び右縦板8と、左縦板7から左側方に張出して設けられた複数の左張出しビーム9,9,…と、右縦板8から右側方に張出して設けられた複数の右張出しビーム10,10,…と、各左張出しビーム9の先端側に固着され前,後方向に延びた断面D型の左サイドフレーム11と、各右張出しビーム10の先端側に固着され前,後方向に延びた断面D型の右サイドフレーム12とにより大略構成され、強固な支持構造体をなしている。
【0024】
ここで、左,右の縦板7,8の前端側には作業装置4が取付けられ、左,右の縦板7,8の後端側には後述のカウンタウエイト36が取付けられる構成となっている。また、左,右の縦板7,8間には前,後一対の支持ブラケット13,13が立設され、該各支持ブラケット13上には後述のエンジン14が支持される構成となっている。
【0025】
14はカウンタウエイト36の前側に位置して旋回フレーム5の各支持ブラケット13上に支持された搭載機器としてのエンジンで、該エンジン14は、図2に示すように、左,右方向に延びる横置き状態に配置されている。そして、エンジン14の左端側には、冷却ファン14Aが取付けられ、エンジン14の右端側には、油圧ショベル1に搭載された各種の油圧アクチュエータに作動用の圧油を供給する油圧ポンプ15が取付けられている。
【0026】
16はエンジン14の左側に位置して旋回フレーム5上に搭載された搭載機器としての熱交換装置で、該熱交換装置16は、図3ないし図6に示すように1つのユニットとして形成され、旋回フレーム5に着脱可能に取り付けられるものである。ここで、熱交換装置16は、箱状をなす支持枠体17と、該支持枠体17に支持された各種熱交換器、例えばラジエータ18、オイルクーラ19とを含んで構成されている。
【0027】
そして、熱交換装置16の支持枠体17は、後述する前仕切カバー24の後側に位置して旋回フレーム5上に取付けられ、この支持枠体17は、前仕切カバー24と前,後方向で対面する前仕切板17Aと、前仕切板17Aと前,後方向で対面する後仕切板17Bと、これら前仕切板17Aと後仕切板17Bの上端側を連結する上板17Cとにより大略構成されている。
【0028】
ここで、支持枠体17の前仕切板17Aと後仕切板17Bとの間には、前述したエンジン冷却水を冷却するラジエータ18、作動油を冷却するオイルクーラ19等が支持されている。また、前仕切板17Aは、後述するユーティリティ室23の後側を仕切り、後仕切板17Bは、後述する建屋カバー21の左後側を仕切る構成となっている。
【0029】
20,20,…は左,右のサイドフレーム11,12に固着して設けられた複数のねじ座(シートスクリュ)で、これら各ねじ座20は、後述する前仕切カバー24等を取付けるためのものである(図7参照)。
【0030】
ここで、左サイドフレーム11に固着されたねじ座20は、図8及び図9等に示すように、例えば鋼板材に折曲加工を施すことにより断面U字状に形成された折曲板20Aと、該折曲板20Aに溶接等の手段を用いて固着されたナット20Bとにより構成されている。そして、ねじ座20の折曲板20Aの下端部は、左サイドフレーム11の上面11Aに溶接等の手段を用いて固着されている。
【0031】
21は後述するカウンタウエイト36の前側に位置して旋回フレーム5上に設けられた建屋カバーで、該建屋カバー21は、図2等に示すように、旋回フレーム5上に搭載されるエンジン14、油圧ポンプ15、熱交換装置16等の搭載機器を収容するものである。ここで、建屋カバー21は、図2、図4及び図6等に示すように、上面板21A、ボンネット21B、右側ドア21C、熱交換装置16の支持枠体17、後述の前仕切カバー24、左前側ドア29、左後側ドア33等を含んで構成されている。
【0032】
そして、建屋カバー21の上側は、上面板21Aとボンネット21Bとによって仕切られ、右側は、右側ドア21Cによって仕切られ、左側は、左前側ドア29と左後側ドア33とによって仕切られている。また、建屋カバー21の前側は、前仕切カバー24と後述の作動油タンク37によって仕切られている。さらに、建屋カバー21の後側は、熱交換装置16を構成する支持枠体17の後仕切板17Bと後述のカウンタウエイト36とによって仕切られる構成となっている。
【0033】
22は建屋カバー21内に形成された機械室で、該機械室22は、図2、図4及び図6に示すように、上面板21A、ボンネット21B、右側ドア21C、左後側ドア33、熱交換装置16の支持枠体17、作動油タンク37、カウンタウエイト36等によって画成され、エンジン14、油圧ポンプ15、熱交換装置16等を収容するものである。そして、機械室22は右側ドア21C、左後側ドア33等によって開,閉される構成となっている。
【0034】
23は機械室22と共に建屋カバー21内に形成されたユーティリティ室で、該ユーティリティ室23は、図3、図4及び図6に示すように、熱交換装置16を構成する支持枠体17の前仕切板17Aと、後述の前仕切カバー24と、左前側ドア29とによって画成されている。そして、このユーティリティ室23は、例えばグリースガン、工具類(いずれも図示せず)等を収容するものである。そして、ユーティリティ室23は、左前側ドア29によって開,閉される構成となっている。
【0035】
24は後述するキャブ35の後側に設けられた前仕切カバーで、該前仕切カバー24は、建屋カバー21の一部を構成するもので、建屋カバー21の左前側を仕切るものである。ここで、前仕切カバー24は、図8ないし図11等に示すように、例えば鋼板材等に折曲加工を施すことにより、全体として矩形な平板状に形成されている。そして、前仕切カバー24は、旋回フレーム5から上,下方向に立上る立上り板部24Aと、該立上り板部24Aの上,下、左,右の端部を折曲げることにより形成された上折曲げ板部24B,下折曲げ板部24C,左折曲げ板部24D,右折曲げ板部24Eとにより構成されている。
【0036】
ここで、前仕切カバー24の左折曲げ板部24Dには、後述の左前側ドア29を取付けるため、上,下方向に離間して合計4個のナット25,25,…が溶接されている。また、左折曲げ板部24Dの下端側には、ボルト挿通孔26が穿設されている。そして、図8及び図9等に示すように、左折曲げ板部24Dのボルト挿通孔26に挿通したボルト27を、左サイドフレーム11上に設けられたねじ座20のナット20Bに螺着することにより、ねじ座20に前仕切カバー24が取付けられる構成となっている。なお、前仕切カバー24の下折曲げ板部24Cは、旋回フレーム5の左張出しビーム9等にボルト(図示せず)を用いて取付けられる構成となっている。
【0037】
28はボルト挿通孔26の上側に位置して前仕切カバー24に設けられたストッパで、該ストッパ28は、図9等に示すように、鋼板材等を用いて前,後方向に延びる矩形な平板状に形成されている。ここで、ストッパ28は、前仕切カバー24を構成する立上り板部24Aと左折曲げ板部24Dとが交わる角隅位置に溶接等の手段を用いて固着され、ボルト挿通孔26よりも僅かに上方に配設されている。
【0038】
そして、ストッパ28は、図13等に示すように、前仕切カバー24をねじ座20に取付けるときにねじ座20の上端部20C上に載置されることにより、前仕切カバー24の下端部24Fを、左サイドフレーム11の上面11Aから僅かな距離Hだけ上方に浮かせた位置に仮止めするものである。このように、重量物である前仕切カバー24をねじ座20に取付けるときに、該前仕切カバー24の下端部24Fが左サイドフレーム11の上面11Aに接触するのをストッパ28によって確実に抑えることができ、後述するコーキング34を保護することができる構成となっている。
【0039】
また、図13に示すように、ねじ座20の上端部20C上にストッパ28を載置した状態で、前仕切カバー24のボルト挿通孔26とねじ座20のナット20Bとを位置合わせすることができるので、図14に示すように、ボルト挿通孔26に挿通したボルト27を、ねじ座20のナット20Bに容易に螺着することができる構成となっている。
【0040】
さらに、ストッパ28は、前仕切カバー24を構成する立上り板部24Aと左折曲げ板部24Dとの両方(角隅位置)に溶接等の手段を用いて固着されることにより、前仕切カバー24全体の剛性を高める補強材としての機能をも果たす構成となっている。
【0041】
28Aはストッパ28に設けられたステー挿通孔で、該ステー挿通孔28Aは、前仕切カバー24から後方に突出したストッパ28の突出端側に穿設されている。そして、ステー挿通孔28Aは、後述するステー32の他端側32Bが抜差し可能に挿通されるものである。
【0042】
29は前仕切カバー24に開,閉可能に取付けられた左前側ドアで、該左前側ドア29は、ユーティリティ室23を開,閉するものである。ここで、左前側ドア29は、図8,図10及び図11に示すように、例えば鋼板材等を用いて全体として矩形な平板状に形成され、前仕切カバー24とほぼ等しい高さ寸法をもって旋回フレーム5から上方に立上がっている。また、左前側ドア29の内側面には、上,下方向に延びる柱状をなす前,後の補強材29A,29Bが固着されている。さらに、左前側ドア29の内側面の下端側には、後述のステー32を保持する断面L字状のステー保持具29Cが固着されている。
【0043】
30,30は前仕切カバー24と左前側ドア29との間に設けられた上,下のヒンジ部材で、これら各ヒンジ部材30の一端側は、左前側ドア29の内側面に固着された前側の補強材29Aに固着されている。そして、各ヒンジ部材30の他端側は、前仕切カバー24の左折曲げ板部24Dに固着した各ナット25にボルト31を用いて締結されている。従って、左前側ドア29は、前仕切カバー24に各ヒンジ部材30を支点として回動可能に取付けられ、図10に示すように左サイドフレーム11とほぼ平行する閉扉位置と、図4及び図11に示すように左サイドフレーム11とほぼ直交する開扉位置との間で回動することにより、建屋カバー21内に形成されたユーティリティ室23を開,閉する構成となっている。
【0044】
32は左前側ドア29のステー保持具29Cに保持されたステーで、該ステー32は、左前側ドア29を図11に示す開扉位置に保持するもので、例えば棒鋼材の両端側を折曲げることにより、全体として略コ字状をなす棒状体として形成されている。
【0045】
ここで、ステー32の一端側32Aは、ステー保持具29Cに上,下方向に抜止め状態に挿通され、該ステー保持具29Cを介して左前側ドア29に接続されている。一方、ステー32の他端側32Bは、ステー保持具29Cに上,下方向に抜差し可能に挿通された自由端となっている。従って、ステー32の他端側32Bをステー保持具29Cから抜取ることにより、ステー32は、その一端側32Aを中心として回動する構成となっている。
【0046】
そして、左前側ドア29が、図10に示す閉扉位置から図11に示す開扉位置に移動したときには、ステー32の他端側32Bをステー保持具29Cから抜取り、前仕切カバー24に設けたストッパ28のステー挿通孔28Aに挿通する。これにより、ステー32の他端側32Bがストッパ28のステー挿通孔28Aに掛止めされ、左前側ドア29をステー32によって開いた状態(開扉位置)に保持することができる構成となっている。
【0047】
33は左前側ドア29の後側に設けられた左後側ドアで、該左後側ドア33は機械室22を開,閉するものである。ここで、左後側ドア33は、上述した左前側ドア29とほぼ同様に鋼板材等を用いて全体として矩形な平板状に形成されている(図4、図7参照)。そして、左後側ドア33は、熱交換装置16を構成する支持枠体17の後仕切板17Bにヒンジ部材(図示せず)を介して回動可能に支持され、図4に示すように、左前側ドア29と一緒に観音開きの状態で、建屋カバー21内に形成された機械室22を、熱交換装置16側から開,閉する構成となっている。
【0048】
34は左サイドフレーム11とねじ座20との接合部の周囲に設けられたコーキングで、該コーキング34は、図12ないし図14等に示すように、左サイドフレーム11の上面11Aとねじ座20の折曲板20Aとの接合部に、パテ等のコーキング材を塗布することにより形成されている。そして、コーキング34は、例えば左サイドフレーム11の上面11Aとねじ座20の折曲板20Aとの接合部に十分な塗装が施されなかった場合に、当該接合部をシールすることにより錆等の発生を抑え、油圧ショベル1の外観美を高めるものである。
【0049】
なお、35は旋回フレーム5の前部左側に設けられたキャブで、該キャブ35は運転室を画成するものである。36は旋回フレーム5の後端側に設けられたカウンタウエイトで、該カウンタウエイト36は作業装置4との重量バランスをとるものである。そして、カウンタウエイト36は、建屋カバー21の右後側を仕切る構成となっている。37は旋回フレーム5の前部右側に設けられた作動油タンクで、該作動油タンク37は各種の油圧アクチュエータに供給される作動油を貯溜するものである。そして、作動油タンク37は、建屋カバー21の右前側を仕切る構成となっている。
【0050】
本実施の形態による油圧ショベル1は上述の如き構成を有するもので、この油圧ショベル1は、下部走行体2によって作業現場まで自走し、上部旋回体3を旋回させつつ作業装置4を用いて土砂の掘削作業等を行う。
【0051】
ここで、本実施の形態では、前仕切カバー24にストッパ28を設けることにより、旋回フレーム5(左サイドフレーム11)のねじ座20に前仕切カバー24を取付けるときの作業性を高めることができるようになっており、以下、この前仕切カバー24の取付作業について図12ないし図14を参照しつつ説明する。
【0052】
まず、図12に示すように、前仕切カバー24を旋回フレーム5に向けて下ろし、図13に示すように、左サイドフレーム11に設けたねじ座20の上端部20C上に、前仕切カバー24のストッパ28を載置する。
【0053】
これにより、前仕切カバー24の下端部24Fを、左サイドフレーム11の上面11Aから僅かな距離Hだけ上方に浮かせた位置に仮止めすることができる。このため、前仕切カバー24の下端部24Fが、不用意に左サイドフレーム11の上面11Aに接触してしまうのを確実に防止することができ、左サイドフレーム11の上面11Aとねじ座20との接合部の周囲に設けられた防錆用のコーキング34を保護することができる。
【0054】
また、図13に示すように、ねじ座20の上端部20C上にストッパ28を載置した状態では、前仕切カバー24のボルト挿通孔26を、ねじ座20のナット20Bに対してほぼ位置合わせすることができる。従って、図14に示すように、前仕切カバー24を僅かに上方に持上げるだけで、ボルト挿通孔26に挿通したボルト27をねじ座20のナット20Bに容易に螺着することができ、ねじ座20等を介して前仕切カバー24を旋回フレーム5上に固定することができる。
【0055】
そして、旋回フレーム5上に前仕切カバー24を固定した後には、図8に示すように、左前側ドア29の補強材29Aに固着された各ヒンジ部材30の他端側を、ボルト31を用いて前仕切カバー24の左折曲げ板部24Dに取付ける。これにより、左前側ドア29は、前仕切カバー24に各ヒンジ部材30を支点として回動可能に取付けられ、図10に示す閉扉位置と図11に示す開扉位置との間で回動し、キャブ35と機械室22との間に形成されたユーティリティ室23を開,閉する。
【0056】
ここで、左前側ドア29を図11に示す開扉位置に移動させたときには、左前側ドア29のステー保持具29Cに保持されたステー32の他端側32Bを、前仕切カバー24に設けたストッパ28のステー挿通孔28Aに挿通する。これにより、ステー32の他端側32Bがストッパ28のステー挿通孔28Aに掛止めされ、左前側ドア29をステー32によって開いた状態に保持することができる。
【0057】
このように、前仕切カバー24に設けたストッパ28を利用して、左前側ドア29を開いた状態に保持するステー32の他端側32Bを掛止めすることができる。従って、例えばステー32の他端側32Bを掛止めするためだけの部品を個別に設ける場合に比較して、部品点数を低減することができ、製造コストの低減にも寄与することができる。
【0058】
かくして、本実施の形態によれば、前仕切カバー24に設けたストッパ28を、左サイドフレーム11に設けたねじ座20の上端部20C上に載置することにより、前仕切カバー24の下端部24Fを左サイドフレーム11の上面11Aから浮かせた状態で、前仕切カバー24のボルト挿通孔26と、ねじ座20のナット20Bとの位置合わせを容易に行うことができる。このため、重量物である前仕切カバー24をねじ座20に取付けるときの作業性を高めることができる。
【0059】
また、図13等に示すように、左サイドフレーム11の上面11Aとねじ座20との接合部の周囲には、当該接合部の周囲を錆止めするコーキング34が設けられているが、ストッパ28によって、前仕切カバー24の下端部24Fを左サイドフレーム11の上面11Aから浮かせた位置に仮止めすることにより、前仕切カバー24の下端部24Fが左サイドフレーム11の上面11Aに接触してコーキング34を傷付けてしまうのを確実に防止できる。このように、左サイドフレーム11の上面11Aとねじ座20との接合部の周囲に設けられたコーキング34を保護することができるので、油圧ショベル1の外観美を保つことができる。
【0060】
また、ストッパ28は、前仕切カバー24を構成する立上り板部24Aと左折曲げ板部24Dとが交わる角隅位置に溶接等の手段を用いて固着されているので、このストッパ28によって前仕切カバー24の剛性を高めることができる。
【0061】
さらに、前仕切カバー24から後方に突出したストッパ28の突出端側にステー挿通孔28Aを穿設し、前仕切カバー24に取付けられた左前側ドア29を開扉位置に移動させたときに、図11に示すように、左前側ドア29に設けられたステー32の他端側32Bをステー挿通孔28Aに挿通することにより、ストッパ28を利用して左前側ドア29を開扉位置に保持することができる。従って、ストッパ28を、ステー32の他端側32Bを掛止めするための部材として兼用することができ、例えばステー32の他端側32Bを掛止めするためだけの部品を個別に設ける場合に比較して、部品点数を低減することができる。
【0062】
なお、上述した実施の形態では、ねじ座20に取付けられるカバーとして、建屋カバー21の左前側を仕切る前仕切カバー24を例に挙げて説明している。しかし、本発明はこれに限るものではなく、建屋カバー21を構成する他のカバーにも広く適用することができる。例えば、作動油タンク37に代えて建屋カバー21の右前側を仕切る右前仕切カバーを用いた場合には、この右前仕切カバーに適用することができる。また、カウンタウエイト36に代えて建屋カバー21の後側を仕切る後仕切カバーを用いた場合には、この後仕切カバーに適用することができる。さらに、熱交換装置16の支持枠体17に代えて建屋カバー21の中央部に配置される中仕切カバーを用いた場合には、この中仕切カバーに適用することができる。
【0063】
また、上述した実施の形態では、ストッパ28の突出端側に穿設したステー挿通孔28Aにより、ステー32の他端側32Bを掛止めする場合を例示している。しかし、本発明はこれに限らず、例えばストッパに鉤状のフックを突設し、このフックにステー32の他端側32Bを引掛ける構成としてもよい。
【0064】
さらに、上述した実施の形態では建設機械として油圧ショベル1を例に挙げている。しかし、本発明はこれに限らず、例えば油圧クレーン、ホイールローダ、ブルドーザ等の他の建設機械にも広く適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の実施の形態による油圧ショベルを示す正面図である。
【図2】エンジン、熱交換装置、建屋カバー等を図1中の矢示II−II方向からみた断面図である。
【図3】上部旋回体を、前側ドアと後側ドアを取外した状態で示す拡大正面図である。
【図4】上部旋回体を、前側ドアと後側ドアを開いた状態で示す斜視図である。
【図5】熱交換装置を単体で示す斜視図である。
【図6】上部旋回体を、前側ドアと後側ドアを取外した状態で示す斜視図である。
【図7】旋回フレーム上に前仕切カバー、前側ドア、後側ドアを配置した状態を示す斜視図である。
【図8】ねじ座、前仕切カバー、前側ドア等を示す分解斜視図である。
【図9】ねじ座、前仕切カバー、ストッパ等の要部を拡大して示す分解斜視図である。
【図10】前側ドアを閉扉位置とした状態を示す斜視図である。
【図11】前側ドアを開扉位置とした状態を示す斜視図である。
【図12】前仕切カバーをねじ座に向けて下ろす状態を図3中の矢示XII−XII方向からみた断面図である。
【図13】前仕切カバーのストッパをねじ座上に載置した状態を示す図12と同様位置の断面図である。
【図14】前仕切カバーをボルトを用いてねじ座に取付けた状態を示す図12と同様位置の断面図である。
【符号の説明】
【0066】
5 旋回フレーム
11 左サイドフレーム
12 右サイドフレーム
14 エンジン(搭載機器)
16 熱交換装置(搭載機器)
20 ねじ座
21 建屋カバー
22 機械室
23 ユーティリティ室
24 前仕切カバー(カバー)
24A 立上り板部
24D 左折曲げ板部
24F 下端部
26 ボルト挿通孔
27 ボルト
28 ストッパ
28A ステー挿通孔
29 左前側ドア(ドア)
30 ヒンジ部材
32 ステー
34 コーキング




 

 


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