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発明の名称 建設機械の駆動制御装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−100327(P2007−100327A)
公開日 平成19年4月19日(2007.4.19)
出願番号 特願2005−288605(P2005−288605)
出願日 平成17年9月30日(2005.9.30)
代理人 【識別番号】100077816
【弁理士】
【氏名又は名称】春日 讓
発明者 大木 孝利 / 渡辺 豊 / 田中 篤司 / 落合 正巳
要約 課題

被駆動体の停止時に、振動的になったり、ショックが発生することを防止できる建設機械の駆動制御装置を提供することにある。

解決手段
特許請求の範囲
【請求項1】
電動機をアクチュエータとして、下部走行体に対して上部旋回体を旋回駆動する建設機械の駆動制御装置であって、
旋回加速時には前記電動機を電動機特性で使用し、旋回減速時には前記電動機を発電機特性で使用し、旋回加速時と旋回減速時で異なったトルク特性で制御する制御手段を有する建設機械の駆動制御装置において、
前記制御手段は、前記電動機を発電機特性で使用する場合に、前記電動機の吸収トルクの最大値を一定値として減速を行い、旋回指令入力がある一定値以下で、かつ前記電動機の回転数がある一定値以下の低回転数の場合、前記吸収トルクの最大値を回転数に応じて低下させることを特徴とする建設機械の駆動制御装置。
【請求項2】
請求項1記載の建設機械の駆動制御装置において、
前記制御手段は、前記旋回指令入力がある一定値以下で、かつ前記電動機回転数がある一定値以下の場合には、電動機速度がゼロとなるように前記電動機を回転数制御することを特徴とする建設機械の旋回駆動装置。
【請求項3】
電動機をアクチュエータとして、走行体を走行駆動する建設機械の駆動制御装置であって、
走行加速時には前記電動機を電動機特性で使用し、走行減速時には前記電動機を発電機特性で使用し、走行加速時と走行減速時で異なったトルク特性で制御する制御手段を有する建設機械の走行駆動装置において、
前記制御手段は、前記電動機を発電機特性で使用する場合に、前記電動機の吸収トルクの最大値を一定値として減速を行い、走行指令入力がある一定値以下で、かつ前記電動機の回転数がある一定値以下の低回転数の場合、前記吸収トルクの最大値を回転数に応じて低下させることを特徴とする建設機械の駆動制御装置。
【請求項4】
請求項3記載の建設機械の駆動制御装置において、
前記制御手段は、前記走行指令入力がある一定値以下で、かつ電動機回転数がある一定値以下の場合には、電動機速度がゼロとなるように前記電動機を回転数制御することを特徴とする建設機械の走行駆動装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、建設機械の駆動制御装置に係り、特に、電動機をアクチュエータとして用いる建設機械に好適な建設機械の駆動制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のアクチュエータとして電動機を用いた建設機械の駆動制御装置としては、例えば、特開2001−11897号公報に記載のように、加速時には電動機を電動機特性で使用し、減速時は電動機を発電機特性で使用するものが知られている。この駆動制御装置では、その発電機特性としては電動機の吸収トルクの最大値を回転数に関係なく一定値に制御している。このような従来技術によれば、旋回減速の開始時には通常の電動機特性でなく発電機特性で電動機を使用するので制動力が大きく、制動開始から停止するまでの時間及び制動距離を短くすることができるとともに、制動開始時から一定で、かつ最大の制動力を得ることができる。
【0003】
【特許文献1】特開2001−11897号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特開2001−11897号公報に記載のものでは、最大トルク(吸収トルクの最大値)で停止を行った場合に、被駆動体の慣性が大きい場合には、ゼロ速度を境に符号が反転した最大トルクが作用するため、振動的になるという問題点がある。すなわち、例えば右旋回中に最大トルクにて停止を行った場合には、電動機の応答遅れの影響で左旋回方向に揺り戻しを生じる。この揺り戻しを感知して、電動機には左旋回を止める方向に最大トルクが生じる。このトルクにより今度は右旋回方向に揺り戻しを生じる。制御用コントローラおよび電動機に応答遅れがあるため揺り戻しが収束せず、振動的になる。また、被駆動体の慣性が小さい場合には、ゼロ速度になる前に、急激に最大トルクが作用するため、停止時にショックが発生するという問題が生じる。同様の問題は、前進後進中にも生じるものである。
【0005】
本発明の目的は、被駆動体の停止時に、振動的になったり、ショックが発生することを防止できる建設機械の駆動制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)上記目的を達成するため、本発明は、電動機をアクチュエータとして、下部走行体に対して上部旋回体を旋回駆動する建設機械の駆動制御装置であって、旋回加速時には前記電動機を電動機特性で使用し、旋回減速時には前記電動機を発電機特性で使用し、旋回加速時と旋回減速時で異なったトルク特性で制御する制御手段を有する建設機械の駆動制御装置において、前記制御手段は、前記電動機を発電機特性で使用する場合に、前記電動機の吸収トルクの最大値を一定値として減速を行い、旋回指令入力がある一定値以下で、かつ前記電動機の回転数がある一定値以下の低回転数の場合、前記吸収トルクの最大値を回転数に応じて低下させるようにしたものである。
かかる構成により、被駆動体の停止時に、振動的になったり、ショックが発生することを防止し得るものとなる。
【0007】
(2)上記(1)において、好ましくは、前記制御手段は、前記旋回指令入力がある一定値以下で、かつ前記電動機回転数がある一定値以下の場合には、電動機速度がゼロとなるように前記電動機を回転数制御するものである。
【0008】
(3)また、上記目的を達成するため、本発明は、電動機をアクチュエータとして、走行体を走行駆動する建設機械の駆動制御装置であって、走行加速時には前記電動機を電動機特性で使用し、走行減速時には前記電動機を発電機特性で使用し、走行加速時と走行減速時で異なったトルク特性で制御する制御手段を有する建設機械の走行駆動装置において、前記制御手段は、前記電動機を発電機特性で使用する場合に、前記電動機の吸収トルクの最大値を一定値として減速を行い、走行指令入力がある一定値以下で、かつ前記電動機の回転数がある一定値以下の低回転数の場合、前記吸収トルクの最大値を回転数に応じて低下させるようにしたものである。
かかる構成により、被駆動体の停止時に、振動的になったり、ショックが発生することを防止し得るものとなる。
【0009】
(4)上記(3)において、好ましくは、前記制御手段は、前記走行指令入力がある一定値以下で、かつ電動機回転数がある一定値以下の場合には、電動機速度がゼロとなるように前記電動機を回転数制御するようにしたものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、被駆動体の停止時に、振動的になったり、ショックが発生することを防止し得るものとなる。したがって、確実かつ安定的に停止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図1〜図6を用いて、本発明の一実施形態による建設機械の駆動制御装置の構成及び動作について説明する。
最初に、図1を用いて、本実施形態による建設機械の駆動制御装置を用いる建設機械の構成について説明する。ここでは、建設機械として、ショベルを例にして説明する。
図1は、本発明の一実施形態による建設機械の駆動制御装置を用いる建設機械の構成を示す側面図である。
【0012】
下部走行体10は、一対のクローラ11及びクローラフレーム12(図では片側のみを示す)で構成されている。各クローラ11は、図2にて後述する一対の走行用電動機13,14及びその減速機構等により独立して駆動制御される。
【0013】
上部旋回体20は、旋回フレーム21と、エンジン22と、発電機23と、バッテリ24と、旋回用電動機25と、旋回機構26等から構成されている。駆動源としてのエンジン22は、旋回フレーム21上に設けられている。発電機23は、エンジン22により駆動される。発電機23により発生された電力は、バッテリ24に蓄えられる。旋回用電動機25は、発電機23又はバッテリ24からの電力により駆動され、上部旋回体20を左右方向に旋回させる駆動源として用いられる。旋回機構26は、旋回用電動機25の回転を減速する減速機構を含み、旋回用電動機25の駆動力により下部走行体10に対して上部旋回体20(旋回フレーム21)を旋回駆動させるために用いられる。
【0014】
また、上部旋回体20には、ショベル機構30が搭載されている。ショベル機構30は、起伏可能なブーム31と、ブーム31を駆動するためのブームシリンダ32と、ブーム31の先端部近傍に回転自在に軸支されたアーム33と、アーム33を駆動するためのアームシリンダ34と、アーム33の先端に回転可能に軸支されたバケット35と、バケット35を駆動するためのバケットシリンダ36等で構成されている。さらに、上部旋回体20の旋回フレーム21上には、油圧制御機構40が搭載されている。油圧制御機構40は、ブームシリンダ32、アームシリンダ34、バケットシリンダ36を駆動制御するための油圧ポンプ41及び各シリンダごとに設けられた油圧制御弁等で構成されている。
【0015】
次に、図2を用いて、本実施形態による建設機械の駆動制御装置の構成について説明する。
図2は、本発明の一実施形態による建設機械の駆動制御装置の構成を示すシステムブロック図である。なお、図2において、太い実線は機械的駆動系統を、中くらいの実線は油圧駆動系統を、細い実線は電気的駆動系統を、点線は制御信号系を示している。また、図1と同一符号は、同一部分を示している。
【0016】
エンジン22の駆動力は、油圧ポンプ41に伝達される。油圧制御弁42は、図示しない操作手段からの動作指令に応じて、ブームシリンダ32、アームシリンダ34及びバケットシリンダ36への動作油の吐出量及び吐出方向を制御する。また、エンジン22の駆動力は、増速機構29を介して発電機23に伝達される。発電機23は所定の交流電力を発生し、発生された交流電力はコンバータ27により直流に変換され、バッテリ24に蓄えられる。
【0017】
一方、コンバータ27又はバッテリ24からの直流電力は、制御器55により制御される旋回用インバータ28aにより所定の電圧及び周波数のパルス信号に変換され、旋回用電動機25に入力される。同様に、コンバータ27又はバッテリ24からの直流電力は、制御器55により制御される右走行用インバータ28bおよびに左走行用インバータ28cより所定の電圧及び周波数のパルス信号に変換され、右走行用電動機13および左走行用電動機14にそれぞれ入力される。また、各電動機13,14,25は減速時には発電機特性で使用し、各電動機13,14,25により回生された電力を直流に変換してバッテリ24に蓄える。
【0018】
操作装置54は、右旋回・左旋回を指示する旋回操作レバーと、前進・後進を指示する走行操作レバーからなる。なお、走行操作レバーは、右走行レバーと、左走行レバーとからなる。旋回操作レバーは、通常は中立位置にあり、中立位置から右に傾けることで右旋回を指示し、左に傾けることで左旋回を指示する。中立位置から右方向若しくは左方向への傾け量が左右旋回操作信号として制御器55に入力する。走行操作レバーは、通常は中立位置にあり、中立位置から前方に傾けることで前進を指示し、後方に傾けることで後進を指示する。中立位置から前方向若しくは後方向への傾け量が前後進操作信号として制御器55に入力する。
【0019】
制御器55は、操作装置54の旋回操作レバーからの左右旋回操作信号に基づいて、旋回用電動機25のトルクTが所定トルクとなるように、旋回用インバータ28aが出力するパルス信号の電圧及び周波数を制御する。また、旋回用電動機25は、その出力軸の回転数を検出する回転数検出器25sを備えている。回転数検出器25sは、例えば、レゾルバ等を用いている。回転数検出器25sの出力信号は、制御器55に入力する。制御器55は、回転数検出器25sで検出された旋回用電動機25の回転数Nに応じて、旋回用電動機25の出力トルクTを制御する。
【0020】
また、制御器55は、操作装置54の走行操作レバーからの前後進操作信号に基づいて、右走行用電動機13や左走行用電動機14のトルクTが所定トルクとなるように、右走行用インバータ28bや左走行用インバータ28cが出力するパルス信号の電圧及び周波数を制御する。また、右走行用電動機13及び左走行用電動機14は、それぞれ、その出力軸の回転数を検出する回転数検出器13s,14sを備えている。回転数検出器13s,14sは、例えば、レゾルバ等を用いている。回転数検出器13s,14sの出力信号は、それぞれ、制御器55に入力する。制御器55は、回転数検出器13s,14sで検出された右走行用電動機13及び左走行用電動機14の回転数Nに応じて、右走行用電動機13及び左走行用電動機14の出力トルクTを制御する。
【0021】
次に、図3を用いて、本実施形態による建設機械の駆動制御装置による制御動作について説明する。図3は、旋回駆動制御時における旋回用電動機25の回転数NとトルクTの関係を示している。
図3は、本発明の一実施形態による建設機械の駆動制御装置による旋回駆動制御時の回転数NとトルクTの説明図である。
【0022】
図3において、回転数Nが正の領域は右旋回、回転数Nが負の領域は左旋回とする。また、第1象限は右旋回加速時に旋回用電動機25を電動機特性で使用する場合を示し、第4象限は右旋回減速時に旋回用電動機25を発電機特性で使用する場合を示している。第3象限は左旋回加速時に旋回用電動機25を電動機特性で使用する場合を示し、第2象限は左旋回減速時に旋回用電動機25を発電機特性で使用する場合を示している。
【0023】
図3に実線で示すように、第1象限及び第3象限に示す旋回加速時には、所定回転数未満の領域では旋回用電動機25の出力トルクが一定となり、所定回転数以上の領域では回転数の増加に応じて出力トルクが減少するように、制御器55は旋回用インバータ28aを制御する。また、第4象限に示す旋回減速時には、電動機を発電機特性で使用し、図3に実線で示すように、電動機の吸収トルクを回転数N0からN1の範囲では回転数に関係なく一定値になるように、制御器55は旋回用インバータ28aを制御する。
【0024】
さらに、本実施形態では、制御器55は、オペレータによって旋回操作レバーより与えられる旋回指令入力がある一定値以下のとき(例えば、旋回操作レバーを、右側に傾けて右旋回モードとした状態から、中立位置付近まで戻したとき)は、以下のように、トルクTを制御する。すなわち、オペレータによって旋回操作レバーより与えられる旋回指令入力がある一定値以下のときは、制御器55は、停止指令と判断し、電動機の吸収トルクを回転数N0からN1の範囲では図3に実線で示すように、回転数に関係なく一定値に制御し、回転数N1以下では図3に一点鎖線で示すように、回転数Nに比例してトルクTが減少するように制御する。第2象限についても、回転数の符号が逆転するだけで制御内容は同一である。
【0025】
すなわち、オペレータによって旋回操作レバーより与えられる旋回指令入力がある一定値以下のときは、停止指令であると判断して、回転数Nが0に近づいたとき(回転数N1以下)では、一点鎖線で示すように、徐々にトルクTを減少することで、被駆動体である上部旋回体の停止時に、振動的になったり、ショックが発生することを防止できる。すなわち、上部旋回体の慣性が大きいときにオペレータが上部旋回体を停止しようと意図したとき、図3に実線で示すように、旋回用電動機の低回転域におけるトルクを最大トルクにて右旋回停止を行った場合には、電動機の応答遅れの影響で左旋回方向に揺り戻しを生じ、さらに、この揺り戻しを感知して、電動機には左旋回を止める方向に最大トルクが生じるため、振動的になる。それに対して、旋回用電動機の低回転域におけるトルクを回転数に応じて徐々に減少することで、左旋回方向への揺り戻しが生じないため、振動的になるのを防止して、速やかに停止することができる。
【0026】
また、被駆動体の慣性が小さいときにオペレータが上部旋回体を停止しようと意図したとき、図3に実線で示すように、旋回用電動機の低回転域におけるトルクを最大トルクにて停止を行った場合には、ゼロ速度になる前に、急激に最大トルクが作用するため、停止時にショックが発生する。それに対して、旋回用電動機の低回転域におけるトルクを回転数に応じて徐々に減少することで、急激に停止するのを防止して、速やかに停止することができる。
【0027】
なお、図3に示すトルク−回転数特性は、本実施形態における旋回システムの最大トルクT0で制御する場合を表したものである。例えば、旋回操作レバーを、右方向若しくは左方向に最大に傾けたときは、最大トルクT0で制御し、旋回操作レバーを、右方向若しくは左方向に最大傾け角の半分の角度で傾けたときは、最大トルクをT0/2で制御するように、最大トルクを、旋回操作レバーの傾け角に応じて可変できるものである。
【0028】
次に、図4を用いて、本実施形態による建設機械の駆動制御装置による他の制御動作について説明する。図4は、走行駆動制御時における右走行用電動機13の回転数NとトルクTの関係を示している。
図4は、本発明の一実施形態による建設機械の駆動制御装置による走行駆動制御時の回転数NとトルクTの説明図である。
【0029】
図4において、回転数Nが正の領域は前進、回転数Nが負の領域は後進とする。また、第1象限は前進加速時に右走行用電動機13を電動機特性で使用する場合を示し、第4象限は前進減速時に右走行用電動機13を発電機特性で使用する場合を示している。第3象限は後進加速時に右走行用電動機13を電動機特性で使用する場合を示し、第2象限は後進減速時に右走行用電動機13を発電機特性で使用する場合を示している。なお、左走行用電動機14についても、同様のトルク−回転数特性により制御できるものである。
【0030】
図4に実線で示すように、第1象限及び第3象限に示す前後進加速時には、所定回転数未満の領域では右走行用電動機13の出力トルクが一定となり、所定回転数以上の領域では回転数の増加に応じて出力トルクが減少するように、制御器55は右走行用インバータ28bを制御する。また、第4象限に示す前進減速時には、電動機を発電機特性で使用し、図4に実線で示すように、電動機の吸収トルクを回転数N2からN3の範囲では回転数に関係なく一定値になるように、制御器55は右走行用インバータ28bを制御する。
【0031】
さらに、本実施形態では、制御器55は、オペレータによって走行操作レバーより与えられる走行指令入力がある一定値以下のとき(例えば、走行操作レバーを、右側に傾けて前進モードとして状態から、中立位置付近まで戻したとき)は、以下のように、トルクTを制御する。すなわち、オペレータによって走行操作レバーより与えられる走行指令入力がある一定値以下のときは、制御器55は、停止指令と判断し、電動機の吸収トルクを回転数N0からN1の範囲では図4に実線で示すように、回転数に関係なく一定値に制御し、回転数N1以下では図4に一点鎖線で示すように、回転数Nに比例してトルクTが減少するように制御する。第2象限についても、回転数の符号が逆転するだけで制御内容は同一である。
【0032】
すなわち、オペレータによって走行操作レバーより与えられる走行指令入力がある一定値以下のときは、停止指令であると判断して、回転数Nが0に近づいたとき(回転数N3以下)では、一点鎖線で示すように、徐々にトルクTを減少することで、被駆動体である下部走行体及び上部旋回体の停止時に、振動的になったり、ショックが発生することを防止できる。すなわち、下部走行体及び上部旋回体の慣性が大きいときにオペレータが下部走行体を停止しようと意図したとき、図4に実線で示すように、走行用電動機の低回転域におけるトルクを最大トルクにて停止を行った場合には、電動機の応答遅れの影響で後進方向に揺り戻しを生じ、さらに、この揺り戻しを感知して、電動機には後進を止める方向に最大トルクが生じるため、振動的になる。それに対して、走行用電動機の低回転域におけるトルクを回転数に応じて徐々に減少することで、後進方向への揺り戻しが生じないため、振動的になるのを防止して、速やかに停止することができる。
【0033】
また、被駆動体の慣性が小さいときにオペレータが下部走行体を停止しようと意図したとき、図4に実線で示すように、走行用電動機の低回転域におけるトルクを最大トルクにて停止を行った場合には、ゼロ速度になる前に、急激に最大トルクが作用するため、停止時にショックが発生する。それに対して、走行用電動機の低回転域におけるトルクを回転数に応じて徐々に減少することで、急激に停止するのを防止して、速やかに停止することができる。
【0034】
なお、図4に示すトルク−回転数特性は、本実施形態における走行システムの最大トルクT0で制御する場合を表したものである。例えば、走行操作レバーを、前方若しくは後方に最大に傾けたときは、最大トルクT0で制御し、走行操作レバーを、右方向若しくは左方向に最大傾け角の半分の角度で傾けたときは、最大トルクをT0/2で制御するように、最大トルクを、走行操作レバーの傾け角に応じて可変できるものである。
【0035】
次に、図5を用いて、本実施形態による建設機械の駆動制御装置によるその他の制御動作について説明する。図5は、旋回駆動制御時における旋回用電動機25の回転数NとトルクTの他の関係を示している。
図5は、本発明の一実施形態による建設機械の駆動制御装置による他の旋回駆動制御時の回転数NとトルクTの説明図である。
【0036】
図5において、回転数Nが正の領域は右旋回、Nが負の領域は左旋回とする。図5に実線で示すように、第1象限及び第3象限に示す旋回加速時には、所定回転数未満の領域では旋回用電動機25の出力トルクが一定となるように、所定回転数以上の領域では回転数の増加に応じて出力トルクが減少するように制御器55は制御する。また、第4象限に示す旋回減速時には、電動機を発電機特性で使用し、電動機の吸収トルクを回転数N0からN1の範囲では回転数に関係なく一定値に制御する。
【0037】
一方、オペレータによって旋回操作レバーより与えられる旋回指令入力がある一定値以下のときは、停止指令と判断し、制御器55は、電動機の吸収トルクを回転数N0からN1の範囲では回転数に関係なく一定値に制御し、回転数N1から回転数N4の範囲では、図5の一点鎖線で示すように回転数に比例するように制御する。そして、回転数N4以下ではトルク制御から回転数制御へ移行し、制御器55は、回転数がゼロとなるように制御する。第2象限についても、回転数の符号が逆転するだけで制御内容は同一である。
【0038】
本実施形態は、特に、上部旋回体の慣性が大きい場合に有効である。すなわち、上部旋回体の慣性が大きいときにオペレータが上部旋回体を停止しようと意図したとき、図5に実線で示すように、旋回用電動機の低回転域におけるトルクを最大トルクにて停止を行った場合には、振動的になりやすい。それに対して、旋回用電動機の低回転域におけるトルクを回転数に応じて徐々に減少し、所定回転数N4以下では回転数が0となるように制御することで、左旋回方向への揺り戻しが生じないため、振動的になるのを防止して、速やかに停止することができる。
【0039】
次に、図6を用いて、本実施形態による建設機械の駆動制御装置によるさらにその他の制御動作について説明する。図6は、走行駆動制御時における右走行用電動機13の回転数NとトルクTの他の関係を示している。なお、左走行用電動機14の制御も同様である。
図6は、本発明の一実施形態による建設機械の駆動制御装置による他の走行駆動制御時の回転数NとトルクTの説明図である。
【0040】
図6において、回転数Nが正の領域は前進、Nが負の領域は後進とする。図6に実線で示すように、第1象限及び第3象限に示す前進加速時には、所定回転数未満の領域では右走行用電動機13の出力トルクが一定となるように、所定回転数以上の領域では回転数の増加に応じて出力トルクが減少するように制御器55は制御する。また、第4象限に示す前進減速時には、電動機を発電機特性で使用し、電動機の吸収トルクを回転数N0からN1の範囲では回転数に関係なく一定値に制御する。
【0041】
一方、オペレータによって走行操作レバーより与えられる走行指令入力がある一定値以下のときは、停止指令と判断し、制御器55は、電動機の吸収トルクを回転数N2からN3の範囲では回転数に関係なく一定値に制御し、回転数N3から回転数N5の範囲では、図6の一点鎖線で示すように回転数に比例するように制御する。そして、回転数N5以下ではトルク制御から回転数制御へ移行し、制御器55は、回転数がゼロとなるように制御する。第2象限についても、回転数の符号が逆転するだけで制御内容は同一である。
【0042】
本実施形態は、特に、下部走行体及び上部旋回体の慣性が大きい場合に有効である。すなわち、下部走行体及び上部旋回体の慣性が大きいときにオペレータが下部走行体を停止しようと意図したとき、図6に実線で示すように、走行用電動機の低回転域におけるトルクを最大トルクにて停止を行った場合には、振動的になりやすい。それに対して、走行用電動機の低回転域におけるトルクを回転数に応じて徐々に減少し、所定回転数N5以下では回転数が0となるように制御することで、後進方向への揺り戻しが生じないため、振動的になるのを防止して、速やかに停止することができる。
【0043】
以上説明したように、本実施形態によると、発電動作時に低回転数側では、トルクを減少するように制御することで、被駆動体の停止時に、振動的になったり、ショックが発生することを防止できる。
【0044】
次に、図7を用いて、本発明の他の実施形態による建設機械の駆動制御装置の構成及び動作について説明する。なお、本実施形態による建設機械の駆動制御装置を用いる建設機械の構成は、図1に示したものと同様である。
図7は、本発明の他の実施形態による建設機械の駆動制御装置の構成を示すシステムブロック図である。なお、図2と同一符号は、同一部分を示している。
【0045】
本実施形態では、エンジン22の代わりに外部電源51より電力を得ており、コンバータ27を介してバッテリ24に蓄電する。また、油圧ポンプ41は、油圧ポンプ用インバータ52により制御される油圧ポンプ用電動機53によって駆動される。
【0046】
制御器55は、図3若しくは図5に示したトルク−回転数特性により、旋回用電動機25を制御し、図4若しくは図6に示したトルク−回転数特性により、右走行用電動機13や左走行用電動機14を制御する。
【0047】
本実施形態においても、被駆動体の停止時に、振動的になったり、ショックが発生することを防止できる。
【0048】
さらに、本発明の特徴的な機能を損なわない限り、本発明は、上述した実施形態における構成に何ら限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の一実施形態による建設機械の駆動制御装置を用いる建設機械の構成を示す側面図である。
【図2】本発明の一実施形態による建設機械の駆動制御装置の構成を示すシステムブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態による建設機械の駆動制御装置による旋回駆動制御時の回転数NとトルクTの説明図である。
【図4】本発明の一実施形態による建設機械の駆動制御装置による走行駆動制御時の回転数NとトルクTの説明図である。
【図5】本発明の一実施形態による建設機械の駆動制御装置による他の旋回駆動制御時の回転数NとトルクTの説明図である。
【図6】本発明の一実施形態による建設機械の駆動制御装置による他の走行駆動制御時の回転数NとトルクTの説明図である。
【図7】本発明の他の実施形態による建設機械の駆動制御装置の構成を示すシステムブロック図である。
【符号の説明】
【0050】
10…下部走行体
11…クローラ
12…クローラフレーム
13…右走行用電動機
13s,14s,25s…回転数検出器
14…左走行用電動機
20…上部旋回体
21…旋回フレーム
22…エンジン
23…発電機
24…バッテリ
25…旋回用電動機
26…旋回機構
27…コンバータ
28a…旋回用インバータ
28b…右走行用インバータ
28c…左走行用インバータ
29…増速機構
30…ショベル機構
31…ブーム
32…ブームシリンダ
33…アーム
34…アームシリンダ
35…バケット
36…バケットシリンダ
40…油圧制御機構
41…油圧ポンプ
42…油圧制御部
51…外部電源
54…操作装置
55…制御器




 

 


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