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発明の名称 旋回式建設機械
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−77768(P2007−77768A)
公開日 平成19年3月29日(2007.3.29)
出願番号 特願2005−270610(P2005−270610)
出願日 平成17年9月16日(2005.9.16)
代理人 【識別番号】100079441
【弁理士】
【氏名又は名称】広瀬 和彦
発明者 薮内 基行 / 島村 忠利 / 一村 和弘
要約 課題
センタジョイントと集電装置との間の通気性、水抜け性等を高め、センタジョイントと集電装置の耐久性、寿命等を向上できるようにする。

解決手段
下部走行体2と上部旋回体3との間に設けるセンタジョイント11を、トラックフレーム2Aに固定されるボディ12と、旋回フレーム5に廻止め部材18を介して固定されるスピンドル14とにより構成する。そして、スピンドル14の中心側に設けた貫通孔14Aの上方には、旋回中心O−O上に位置して集電装置21を配置する。また、集電装置21の集電ケース22には複数の脚部23を設け、これらの脚部23をスピンドル14の上側端面に突当てた状態で固定する。そして、集電ケース22とスピンドル14との間には、脚部23によって水抜き用の通路25を形成する。
特許請求の範囲
【請求項1】
自走可能な下部走行体と、該下部走行体上に旋回可能に搭載された上部旋回体と、該上部旋回体側と下部走行体側との間で圧油を流通させるため該上部旋回体と下部走行体との間に設けられ旋回中心に沿って上,下方向に延びる貫通孔を有したセンタジョイントと、該センタジョイントの上端側に設けられ前記貫通孔内に挿通した電気配線を介して前記下部走行体側と上部旋回体側とを電気的に接続する集電装置とを備えてなる旋回式建設機械において、
前記集電装置には、前記センタジョイントに突当てた状態で固定され該集電装置とセンタジョイントとの間に水抜き用の通路を形成する複数の脚部を設ける構成としたことを特徴とする旋回式建設機械。
【請求項2】
前記集電装置は、互いに摺接するブラシとスリップリングとが内部に設けられた筒状の集電ケースを備え、前記複数の脚部は、該集電ケースに設けられ該集電ケースを前記貫通孔の上方位置で前記センタジョイントに固定する構成としてなる請求項1に記載の旋回式建設機械。
【請求項3】
前記センタジョイントは、前記下部走行体に固定して設けられる筒状のボディと、該ボディに回動可能に挿嵌して設けられ中心側が前記貫通孔となったスピンドルと、該スピンドルの上端側に設けられ前記上部旋回体にスピンドルを廻止め状態で固定する廻止め部材とを有し、該廻止め部材には、前記集電装置を上側から覆うカバー体を設ける構成としてなる請求項1または2に記載の旋回式建設機械。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、下部走行体上に上部旋回体を旋回可能に搭載してなる旋回式建設機械に関し、特に、下部走行体と上部旋回体との間に集電装置を備える構成とした旋回式建設機械に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、原動機として電動モータを用い、この電動モータで油圧源の油圧ポンプを回転駆動することにより、作業装置の油圧シリンダ、走行用の油圧モータ等に圧油を給排する構成とした旋回式建設機械は知られている。
【0003】
この種の従来技術による旋回式建設機械は、一般に電動式建設機械(例えば、電動式の油圧ショベル)等と呼ばれ、下部走行体上に上部旋回体を旋回可能に搭載し、両者の旋回中心側には、油圧系統の回転継手となるセンタジョイントと、電気系統の回転継手となる集電装置とを設ける構成としている(例えば、特許文献1,2参照)。
【0004】
そして、前記センタジョイントの中心側には、上,下方向に貫通して延びる貫通孔を設け、前記集電装置は、この貫通孔を上側から覆うように前記センタジョイントの上端側に取付ける構成としている。
【0005】
【特許文献1】特開平9−184166号公報
【特許文献2】特開2000−8418号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上述した従来技術では、センタジョイントの中心側に設けた貫通孔を集電装置により上側から覆う構成としているので、センタジョイントの貫通孔内は通気性等が非常に悪く、例えば水蒸気等による水分が貫通孔内に籠もってしまう傾向がある。
【0007】
このため、センタジョイントの貫通孔内では、水蒸気等の水分により錆等が発生し易く、発錆によってセンタジョイントの耐久性、寿命が低下するという問題がある。また、センタジョイントの貫通孔内から集電装置内に水分が浸入したときには、集電装置内で電気的な短絡(ショート)等が発生し易くなり、集電装置の耐久性、寿命が低下するという問題がある。
【0008】
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、センタジョイントと集電装置との間の通気性、水抜け性等を高めることによって、センタジョイントと集電装置との耐久性、寿命等を高めることができるようにした旋回式建設機械を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決するため、本発明は、自走可能な下部走行体と、該下部走行体上に旋回可能に搭載された上部旋回体と、該上部旋回体側と下部走行体側との間で圧油を流通させるため該上部旋回体と下部走行体との間に設けられ旋回中心に沿って上,下方向に延びる貫通孔を有したセンタジョイントと、該センタジョイントの上端側に設けられ前記貫通孔内に挿通した電気配線を介して前記下部走行体側と上部旋回体側とを電気的に接続する集電装置とを備えてなる旋回式建設機械に適用される。
【0010】
そして、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、前記集電装置には、前記センタジョイントに突当てた状態で固定され該集電装置とセンタジョイントとの間に水抜き用の通路を形成する複数の脚部を設ける構成としたことにある。
【0011】
また、請求項2の発明によると、前記集電装置は、互いに摺接するブラシとスリップリングとが内部に設けられた筒状の集電ケースを備え、前記複数の脚部は、該集電ケースに設けられ該集電ケースを前記貫通孔の上方位置で前記センタジョイントに固定する構成している。
【0012】
さらに、請求項3の発明によると、前記センタジョイントは、前記下部走行体に固定して設けられる筒状のボディと、該ボディに回動可能に挿嵌して設けられ中心側が前記貫通孔となったスピンドルと、該スピンドルの上端側に設けられ前記上部旋回体にスピンドルを廻止め状態で固定する廻止め部材とを有し、該廻止め部材には、前記集電装置を上側から覆うカバー体を設ける構成としている。
【発明の効果】
【0013】
上述の如く、請求項1に記載の発明によれば、集電装置に複数の脚部を設けることにより、センタジョイントから集電装置を離間させ、両者の間に水抜き用の通路を形成する構成としているので、センタジョイントの貫通孔の上方に集電装置を配置した場合でも、前記水抜き用の通路により貫通孔内の通気性、水抜き性を良好に保つことができ、例えば水蒸気等による水分が貫通孔内に籠もるのを防ぐことができる。
【0014】
従って、センタジョイントの貫通孔内から錆等が発生するのを抑えることができ、センタジョイントの耐久性、寿命を向上することができる。また、集電装置内に水分等が浸入するのを防ぐことができ、集電装置内での電気的な短絡(ショート)等を防止できると共に、集電装置の耐久性、寿命も高めることができる。
【0015】
また、請求項2に記載の発明は、集電装置の本体部分となる集電ケースに複数の脚部を設けることにより、この集電ケースをセンタジョイントの上端側から浮かした状態で貫通孔の上方位置に配置でき、集電ケースとセンタジョイントとの間には、水抜き用の通路を形成することができる。そして、集電ケースの内部に設けた複数のブラシと回動軸側のスリップリングとの間に水分等が浸入するのを防止でき、電気的な短絡等が発生するのを抑えることができる。
【0016】
さらに、請求項3に記載の発明では、集電装置を上側から覆うカバー体を廻止め部材に設ける構成としているので、センタジョイントのスピンドルを上部旋回体に廻止め状態で固定するため廻止め部材を、スピンドルの上端側にボルト等で固定するときには、このボルトでカバー体を共締めして取付けることができ、組立時の工数等が余分に増えるのを防ぐことができる。しかも、集電装置をカバー体で覆うことにより、集電装置を周囲の障害物や外力等から保護することができ、集電装置の耐久性、寿命を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態による旋回式建設機械を、電動式の油圧ショベルに適用した場合を例に挙げ、添付図面に従って詳細に説明する。
【0018】
ここで、図1ないし図5は本発明の第1の実施の形態を示している。図中、1は本実施の形態で採用した電動式の油圧ショベル、2は該油圧ショベル1の下部走行体で、該下部走行体2は、トラックフレーム2Aと、該トラックフレーム2Aの左,右両側に設けられた履帯2B(図1中に一方のみ図示)等とにより構成されている。
【0019】
3は下部走行体2上に旋回輪4を介して旋回可能に搭載された上部旋回体で、該上部旋回体3は、旋回フレーム5を有し、この旋回フレーム5上には、操作運転台となるキャブ6と、該キャブ6の後側に配置され後述の電動モータ10等を収容する建屋カバー7と、該建屋カバー7の後側に位置するカウンタウエイト8等とが設けられている。
【0020】
また、上部旋回体3の旋回フレーム5上には、例えば旋回輪4の径方向内側となる位置に旋回用の減速機と旋回モータ(いずれも図示せず)が設けられ、この旋回モータにより旋回フレーム5は、旋回中心O−Oを中心として下部走行体2のトラックフレーム2A上で旋回駆動されるものである。
【0021】
9は上部旋回体3の前部側に俯仰動可能に設けられた作業装置で、該作業装置9は、図1に示すようにブーム9Aおよびブームシリンダ9B等を有し、ブーム9Aの先端側には、アームおよびバケット(いずれも図示せず)等がそれぞれ回動可能に設けられている。
【0022】
10は油圧ショベル1の原動機となる電動モータで、該電動モータ10は、図1中に点線で示す如く建屋カバー7内に収容され、建屋カバー7内で油圧源となる油圧ポンプ(図示せず)等を駆動するものである。また、電動モータ10は、後述の給電用ケーブル37および集電装置21等を介して外部の電源装置(図示せず)に接続され、この電源装置から電力が供給されることにより回転駆動力を発生するものである。
【0023】
この場合、前記油圧ポンプは、電動モータ10で回転駆動されることにより、作動油タンク(図示せず)から吸込んだ油液を高圧の圧油として吐出する。そして、この油圧ポンプから吐出された圧油は、前記旋回モータ、作業装置9のブームシリンダ9B等に給排されると共に、下部走行体2側に設けた走行用の油圧モータ(図示せず)等にも後述のセンタジョイント11等を介して給排されるものである。
【0024】
11は下部走行体2と上部旋回体3との間に設けられたセンタジョイントで、該センタジョイント11は、図2に示すように後述のボディ12、スピンドル14および廻止め部材18等により構成されている。そして、センタジョイント11は、上部旋回体3の旋回中心O−O上に配置され、下部走行体2と上部旋回体3との間で圧油を流通させる油圧系統の回転継手(油圧スイベルジョイント)を構成するものである。
【0025】
12は下部走行体2のトラックフレーム2Aに固定して設けられた筒状のボディで、該ボディ12は、図2に示すように有底筒状体として形成され、その底部側には旋回中心O−O上に位置して貫通孔12Aが穿設されている。そして、ボディ12の上部外周側には、環状のフランジ部12Bが設けられ、このフランジ部12Bは、トラックフレーム2Aにボルト13等を用いて固着されている。
【0026】
14はボディ12に回動可能に挿嵌して設けられたスピンドルで、該スピンドル14は、図2に示す如く段付の筒状体として形成され、その下部側がボディ12の内側に摺動可能に挿嵌されている。そして、スピンドル14の上部側は、旋回フレーム5上に突出し、その突出端(上端)側が後述の廻止め部材18を介して旋回フレーム5に固定されている。
【0027】
また、スピンドル14の内周側は、旋回中心O−Oに沿って上,下方向に延びる貫通孔14Aとなり、この貫通孔14Aは、ボディ12の貫通孔12Aと連通している。そして、この貫通孔14A内には、後述の絶縁チューブ34等が上,下方向に垂下した状態で配置される。
【0028】
15,16,…はスピンドル14からボディ12にわたって形成された複数の油通路で、該油通路15,16は、図2中に例示するようにスピンドル14に形成された複数の油路15A,16Aと、該油路15A,16Aと個別に連通するようにボディ12の軸方向(上,下方向)に互いに離間して形成されボディ12の内周側で全周にわたって延びる環状溝15B,16Bと、ボディ12の径方向に穿設され該環状溝15B,16Bと個別に連通する油穴15C,16C等とにより構成されている。
【0029】
ここで、スピンドル14側の油路15A,16A等は、上部旋回体3の旋回フレーム5上で前記建屋カバー7内の油圧ポンプ等に複数の油圧配管(図示せず)等を介して接続される。また、ボディ12側の油穴15C,16Cは、下部走行体2のトラックフレーム2A内に配設された複数本の油圧ホース(図示せず)等を介して走行用の油圧モータ等に接続されるものである。
【0030】
そして、上部旋回体3の旋回動作によりボディ12とスピンドル14とが旋回中心O−Oの周囲で相対回転した場合でも、スピンドル14側の油路15A,16Aとボディ12側の油穴15C,16Cとは、環状溝15B,16Bを介してそれぞれ個別に連通した状態に保たれる。
【0031】
これにより、下部走行体2の各履帯2Bを駆動する走行用の油圧モータには、上部旋回体3側の油圧ポンプから吐出された圧油がセンタジョイント11の油通路15,16等を介して給排される。なお、センタジョイント11に設ける油通路15,16の個数は、図2中に例示したように2個に限るものではなく、通常は4〜6個以上の油通路が設けられるものである。
【0032】
17は旋回フレーム5上に固定して設けられた固定台座、18は該固定台座17にボルト19,19等を介して固定された廻止め部材で、この廻止め部材18は、図4に示すように略C字形状をなすリング部18Aと、該リング部18Aから径方向外向きに突出した平板状の突出板部18Bとにより構成され、この突出板部18Bが固定台座17上にボルト19,19等を介して締結されている。
【0033】
また、廻止め部材18のリング部18Aは、スピンドル14にほぼ等しい外径寸法をもって形成され、スピンドル14の上端側端面に複数のボルト20,20,…を用いて固着(固定)されている。これにより、廻止め部材18は、スピンドル14を旋回フレーム5に対して廻止め状態で固定すると共に、センタジョイント11のボディ12上でスピンドル14を垂下状態に保持するものである。
【0034】
そして、廻止め部材18を用いて旋回フレーム5に固定されたスピンドル14は、上部旋回体3の旋回動作時に下部走行体2側のボディ12に対して旋回中心O−O上で相対回転するものである。一方、廻止め部材18のリング部18Aには、例えば突出板部18Bと径方向で対向する位置に配線挿通穴18Cが形成され、この配線挿通穴18C内には、後述のハーネス29等が配置されている。
【0035】
21はセンタジョイント11の上端側に設けられる集電装置で、この集電装置21は、後述の集電ケース22、脚部23、ブラシ26、回動軸31およびスリップリング33等によって構成される。そして、集電装置21は、下部走行体2側の配線(例えば、後述の給電用ケーブル37等)を上部旋回体3側の配線(後述のハーネス29)等に接続するものである。
【0036】
22は集電装置21の本体部分を構成する筒状の集電ケースで、該集電ケース22は、例えば絶縁性の樹脂材料等を用いて有蓋筒状体として形成され、後述のブラシ26とスリップリング33とが内部に設けられる。そして、集電ケース22は、図3に示すようにスピンドル14の貫通孔14A上に配置される短尺な筒部22Aと、該筒部22Aの上端側に一体形成され筒部22Aを上側から覆う天蓋部22Bとにより構成されている。
【0037】
ここで、集電ケース22の筒部22Aは、スピンドル14の貫通孔14Aよりも小径に形成され、筒部22Aの下端側は、貫通孔14A内に隙間をもって挿入されている。そして、筒部22Aには後述のブラシ26が設けられ、筒部22Aの内周側には、後述の回動軸31が回動可能に取付けられるものである。また、集電ケース22の天蓋部22Bは、筒部22Aよりも大径に形成され、天蓋部22Bの外周側には、後述の脚部23が一体形成されている。
【0038】
23,23,…は集電ケース22の天蓋部22Bに設けられた複数(例えば、3個)の脚部で、これらの脚部23は、図3〜図5に示す如く天蓋部22Bの外周側に一体形成され、筒部22Aの径方向外側を軸方向(上,下方向)に延びている。そして、各脚部23は、筒部22Aよりも軸方向長さが短い小径な筒状体として形成され、その下側端面は、スピンドル14の上面側に載置(当接)される。
【0039】
ここで、複数の脚部23,23,…は、図3に示すようにスピンドル14の上側端面に突当てた状態で、その内周側に挿通されたボルト24,24,…によりスピンドル14の上面側に締結される。このとき、集電ケース22の筒部22Aは、その下端側がスピンドル14の貫通孔14A内に隙間をもって配置され、集電ケース22の天蓋部22B等は、全体がスピンドル14の上方位置に固定(設置)されるものである。
【0040】
また、集電ケース22の天蓋部22Bは、これらの脚部23によりスピンドル14の上端から持上げられた状態(浮き上がった状態)に設置され、集電ケース22とスピンドル14との間には、図4に示すように各脚部23間に位置して水抜き用の通路25,25,…が形成される。そして、これらの通路25は、例えば雨水、洗浄水または水蒸気等の水分がスピンドル14と集電ケース22との間を図3、図4中の矢示A方向(または逆方向)に空気と共に流通するのを許すものである。
【0041】
26,26,…は集電ケース22の筒部22Aにブラシホルダ27を介して設けられた複数のブラシを示し、これらのブラシ26は、導電性の金属板等を用いて形成され、後述のスリップリング33を径方向から挟むようにブラシホルダ27に取付けられている。ここで、ブラシホルダ27は、図3、図4に示すように集電ケース22の筒部22A内に絶縁性のシール材28等を用いて埋設され、各ブラシ26の基端側を筒部22Aと共に安定した状態に保持している。
【0042】
29はブラシホルダ27から外側に引出されたハーネスで、このハーネス29は、上部旋回体3側に設ける配線の一部を構成し、ブラシホルダ27側の端部は各ブラシ26に接続されている。また、ハーネス29は、図2に示すように廻止め部材18の配線挿通穴18Cを介して外部に引き出され、その先端側にはコネクタ30が設けられている。そして、このコネクタ30は、例えば電動モータ10(図1参照)側のケーブル(配線)等に接続されるものである。
【0043】
31は集電ケース22の筒部22A内に回動可能に設けられた回動軸で、該回動軸31は、例えば碍子のように絶縁性のセラミック材料等を用いて段付円筒状に形成され、図3に示す軸受32,32等を介して筒部22A内に取付けられている。そして、回動軸31の下部側は、筒部22Aから下向きに垂下され、スピンドル14の貫通孔14A内に隙間をもって配置されている。
【0044】
33,33は回動軸31の上部外周側に設けられた複数のスリップリングで、該各スリップリング33は、導電性の金属リング等からなり、その外周面には各ブラシ26が摺動可能に接触(摺接)するものである。そして、各スリップリング33には、後述するハーネス35の各芯線が個別に接続されるものである。
【0045】
34は回動軸31の一部を構成する絶縁チューブで、該絶縁チューブ34は、スピンドル14の貫通孔14A内を上,下方向に貫通して延び、その上端側が回動軸31の下部側に圧入または嵌合等の手段で一体化されている。また、絶縁チューブ34の下端側は、図2に示すようにボディ12の貫通孔12A内に配置され、例えばボディ12に対して相対回転するのが規制されている。
【0046】
これにより回動軸31は、後述のハーネス35と共にボディ12(下部走行体2のトラックフレーム2A)に対する相対回転が規制される。そして、上部旋回体3の旋回動作時には、図3中に示す旋回中心O−Oの周囲で集電ケース22が回動軸31に対して相対回転し、集電ケース22側に設けた各ブラシ26は、スリップリング33に対して摺接(電気的に導通)し続けるものである。
【0047】
35はスピンドル14の貫通孔14A内に挿通され、絶縁チューブ34内を上,下方向に延びた電気配線としてのハーネスを示し、このハーネス35は、その上端側が回動軸31内で各スリップリング33に接続され、下端側は絶縁チューブ34から図2に示す如く下方へと突出するように延びている。そして、ハーネス35の先端側(下端側)には、下部走行体2のトラックフレーム2A内に位置してコネクタ36が設けられ、このコネクタ36は、下部走行体2側の配線(図示せず)等を介して外部の給電用ケーブル37に接続されるものである。
【0048】
ここで、給電用ケーブル37は、図1中に例示するように下部走行体2の後方に延設され、その先端側が外部の電源装置(図示せず)に接続されている。そして、この電源装置は、給電用ケーブル37等を介して電動式の油圧ショベル1に外部から電力を供給するものである。
【0049】
38は集電装置21を上側から覆うカバー体で、該カバー体38は、例えば剛性を有する金属板等をプレス加工することにより有蓋筒状に形成され、その下端側外周には環状の鍔部38Aが一体形成されている。そして、カバー体38の鍔部38Aは、図3に示すように廻止め部材18のリング部18A上に載置され、複数のボルト20,20,…を用いてスピンドル14の上面側に廻止め部材18と共締めして固定されている。
【0050】
ここで、カバー体38は、図2に示すように集電ケース22全体を上側から覆い、例えば廻止め部材18の周囲に位置して旋回フレーム5側に設けた他の部材(障害物)等が集電ケース22に接触したり、干渉したりするのを防止するものである。また、上部旋回体3の整備、点検時等に作業者が集電ケース22を踏んだりするのをカバー体38は防ぎ、このような外力から集電装置21を保護するものである。
【0051】
本実施の形態による電動式の油圧ショベル1は、上述の如き構成を有するもので、次にその作動について説明する。
【0052】
まず、油圧ショベル1を運転するときに、外部の電源装置から給電用ケーブル37に通電すると、集電装置21のハーネス35には、下部走行体2(トラックフレーム2A)側に設けた配線等を介して電流が流れ、この電流は、回動軸31側の各スリップリング33に導かれる。
【0053】
そして、集電ケース22側の各ブラシ26はスリップリング33に摺接しているので、例えば上部旋回体3の旋回動作時に集電ケース22内で回動軸31が相対回転しても、ブラシ26とスリップリング33とは電気的な導通状態を保ち、上部旋回体3側のハーネス29等を介して建屋カバー7内の電動モータ10には電力が供給される。
【0054】
これにより、電動モータ10は、建屋カバー7内で油圧ポンプ等を駆動し、油圧ポンプから吐出された圧油は、旋回用の油圧モータおよび作業装置9のブームシリンダ9B等に給排される。また、下部走行体2の走行用油圧モータには、前記油圧ポンプからの圧油がセンタジョイント11の油通路15,16等を介して給排され、走行用油圧モータの駆動回転によって車両(油圧ショベル1)は前,後進する。
【0055】
この場合、前記旋回用の油圧モータにより上部旋回体3を旋回駆動するときには、センタジョイント11のボディ12とスピンドル14とが旋回中心O−Oの周囲で相対回転し、下部走行体2と上部旋回体3との間では、センタジョイント11の油通路15,16等を介して圧油を流通させることができる。
【0056】
このため、下部走行体2のトラックフレーム2Aに設けた走行用の油圧モータには、上部旋回体3を任意の方向に旋回駆動したときにも、前記油圧ポンプ(上部旋回体3側)からの圧油をセンタジョイント11の油通路15,16等を介して給排することができ、車両を路上走行(前,後進)させることができる。
【0057】
また、集電装置21の集電ケース22内では、上部旋回体3の旋回動作に伴って回動軸31が筒部22A内を軸受32,32を介して相対回転し、このときに各ブラシ26がスリップリング33に対して摺接する。これにより、ブラシ26とスリップリング33とは電気的な導通状態を保ち、上部旋回体3側のハーネス29等を介して建屋カバー7内の電動モータ10に給電を行うことができる。
【0058】
ところで、水分を多く含んだ泥濘地等で油圧ショベル1を運転する場合には、例えば水蒸気等による水分が下部走行体2の下側からセンタジョイント11(貫通孔12A,14A)内に浸入し、このときの水分がスピンドル14の貫通孔14A内に籠もってしまう虞れがある。
【0059】
また、油圧ショベル1を洗浄するときの洗浄水、また降雨による水分等が上部旋回体3内に入り込んでくると、このときの水分が廻止め部材18の配線挿通穴18C等を介してカバー体38内に浸入するばかりでなく、スピンドル14の上端側とカバー体38との間で集電装置21内にも浸入する虞れがある。
【0060】
そこで、本実施の形態にあっては、集電装置21の本体部分となる集電ケース22に複数の脚部23,23,…を設け、これらの脚部23をスピンドル14の上側端面に突当てた状態で固定することにより、集電ケース22とスピンドル14との間に水抜き用の通路25,25,…を設ける構成としている。
【0061】
このため、前述の如き雨水等の水分が廻止め部材18の配線挿通穴18C等を介してカバー体38内に浸入しても、このときの水分を水抜き用の通路25により、図3、図4中の矢示A方向へとスピンドル14と集電ケース22との間で流通、流下させ、例えばボディ12の貫通孔12A側から下方(外部)に排出することができる。
【0062】
また、下部走行体2の下方から水蒸気等の水分がスピンドル14の貫通孔14A内に浸入した場合でも、このときの水分を貫通孔14A内から各通路25により、例えば図3中の矢示A方向とは逆向きに空気と共に流通(流出)させ、このときの空気流で水分を配線挿通孔18C側から外部に排出することができる。
【0063】
この結果、集電ケース22とスピンドル14との間に設けた水抜き用の通路25によって、センタジョイント11(スピンドル14)内の通気性、水抜き性等を向上することができ、例えば集電ケース22内に水分等が浸入するのを未然に防ぐことができる。
【0064】
このように、本実施の形態では、センタジョイント11の貫通孔14A、または集電ケース22の周囲等に水蒸気等の水分が滞留するのを防止でき、センタジョイント11のスピンドル14等に錆等が発生するのを抑えることができる。また、集電装置21の集電ケース22内に水浸入等が発生するのを防止でき、集電装置21内での電気的な短絡(ショート)等を防ぐことができる。
【0065】
従って、本実施の形態によれば、集電ケース22に複数の脚部23を前述の如く設けることにより、センタジョイント11と集電装置21との間の通気性、水抜け性等を高めることができ、センタジョイント11と集電装置21との耐久性、寿命等を向上することができる。
【0066】
また、本実施の形態にあっては、集電装置21を上側から覆うカバー体38を廻止め部材18に設ける構成としている。これにより、集電装置21を周囲の障害物や外力等からカバー体38によって保護することができ、例えば整備、点検時の作業者等が集電装置21を上側から踏みつけたりするのをカバー体38によって防ぎ、集電装置21の耐久性、寿命等を高めることができる。
【0067】
しかも、センタジョイント11のスピンドル14を上部旋回体3の旋回フレーム5に廻止め状態で固定するため、廻止め部材18をスピンドル14の上端側にボルト20等で固定するときには、このボルト20でカバー体38を共締めして取付けることができ、組立時の工数等が余分に増えるのを防ぎ、その作業性を向上することができる。
【0068】
次に、図6は本発明の第2の実施の形態を示し、本実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0069】
然るに、本実施の形態の特徴は、集電ケース22の天蓋部22Bに複数(例えば、2個)の取付け金具41,41を設け、これらの取付け金具41には、二又状をなす一対の脚部41A,41Aを設ける構成としたことにある。
【0070】
ここで、取付け金具41は、例えば薄い金属板を円弧状に曲げ加工することにより形成され、その上端側は天蓋部22Bの外周に接着、溶着またはボルト締め等の手段を用いて固定されている。また、取付け金具41には、各脚部41Aの下端側にボルト挿通穴41Bがそれぞれ穿設されている。
【0071】
そして、取付け金具41の脚部41Aは、ボルト挿通穴41Bの位置でスピンドル14(図3参照)の上面側にボルト締めされるものである。また、取付け金具41の下端側には、一対の脚部41A間に位置して略半円形状の切欠き41Cが形成され、この切欠き41Cにより水抜き用の通路42が形成される。
【0072】
また、集電ケース22(筒部22A)の外側には、取付け金具41,41間に位置して他の水抜き用の通路43が形成され、これらの通路42,43は、第1の実施の形態で述べた通路25と同様に、図3に示すセンタジョイント11と集電装置21との間の通気性、水抜け性等を高めるものである。
【0073】
かくして、このように構成される本実施の形態でも、取付け金具41の脚部41A等により水抜き用の通路42,43を形成することができ、前記第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。
【0074】
次に、図7は本発明の第3の実施の形態を示し、本実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0075】
然るに、本実施の形態の特徴は、集電ケース22の天蓋部22Bに略筒状の取付け金具51を嵌合して設け、該取付け金具51の下端側には複数(例えば、5個)の脚部51A,51A,…を設ける構成としたことにある。
【0076】
ここで、取付け金具51は、例えば薄い金属板等を用いて略円筒体として形成され、その上端側は天蓋部22Bの外周に接着、溶着またはボルト締め等の手段を用いて固定されている。また、取付け金具51には、各脚部51Aの下端側にボルト挿通穴51Bがそれぞれ穿設されている。
【0077】
そして、取付け金具51の脚部51Aは、ボルト挿通穴51Bの位置でスピンドル14(図3参照)の上面側にボルト締めされる。また、取付け金具51の下端側には、各脚部51Aの間に位置して略コ字形状をなす複数の切欠き51C,51C,…が形成され、これらの切欠き51Cは、水抜き用の通路52を構成するものである。
【0078】
かくして、このように構成される本実施の形態でも、取付け金具51の脚部51A等により水抜き用の通路52を形成することができ、前記第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。
【0079】
なお、前記各実施の形態では、集電ケース22の天蓋部22Bを筒部22Aよりも大径に形成する場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば集電ケースの筒部と天蓋部とを同一の外径寸法に形成してもよい。そして、この場合には、集電ケースの外周側から径方向に張出すように複数の脚部を設け、これらの脚部をセンタジョイント11(スピンドル14)の上端側に突当て状態で固定する構成とすればよいものである。
【0080】
また、前記各実施の形態では、旋回式建設機械として電動式の油圧ショベル1を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えばセンタジョイントの上端側に集電装置を設ける構成とした電動式の油圧クレーン等、種々の旋回式建設機械にも適用できるものである。
【0081】
この場合、例えばディーゼルエンジン等の内燃機関を原動機として用い、下部走行体側に設けた位置検出用センサ等からの検出信号をセンタジョイント側の集電装置を介して上部旋回体側に伝える構成とした油圧ショベル等の旋回式建設機械にも適用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明の第1の実施の形態による電動式油圧ショベルを示す正面図である。
【図2】図1中のセンタジョイントと集電装置とを拡大して示す縦断面図である。
【図3】図2中の集電装置に設けたブラシおよびスリップリング等の詳細構造を示す拡大断面図である。
【図4】廻止め部材および集電装置等を図2中の矢示IV−IV方向からみた拡大断面図である。
【図5】図2中の集電装置を単体として示す斜視図である。
【図6】第2の実施の形態による集電装置を示す斜視図である。
【図7】第3の実施の形態による集電装置を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0083】
1 電動式の油圧ショベル(旋回式建設機械)
2 下部走行体
3 上部旋回体
4 旋回輪
11 センタジョイント
12 ボディ
14 スピンドル
15,16 油通路
18 廻止め部材
18A リング部
18C 配線挿通穴
19,20,24 ボルト
21 集電装置
22 集電ケース
22A 筒部
22B 天蓋部
23 脚部
25,42,43,52 水抜き用の通路
26 ブラシ
27 ブラシホルダ
29 ハーネス(上部旋回体側の配線)
30,36 コネクタ
31 回動軸
32 軸受
33 スリップリング
34 絶縁チューブ
35 ハーネス(電気配線)
37 給電用ケーブル
38 カバー体
41,51 取付け金具
41A,51A 脚部
41C,51C 切欠き




 

 


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