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発明の名称 自走式の作業機械及び自走式の作業機械の遠隔操縦システム
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−2429(P2007−2429A)
公開日 平成19年1月11日(2007.1.11)
出願番号 特願2005−180596(P2005−180596)
出願日 平成17年6月21日(2005.6.21)
代理人 【識別番号】100078134
【弁理士】
【氏名又は名称】武 顕次郎
発明者 菅原 一宏 / 山下 誠二 / 藤田 健昇
要約 課題
一つのGPSの移動で車体の向きに係る情報を取得する場合に同情報の中から正確な情報を選別して取得できる自走式の作業機械を提供する。

解決手段
遠隔操作器25で遠隔操縦されGPSアンテナ14及びGPSレシーバ15を有するGPSを車体1に設置し、GPSでのGPSアンテナ14の位置の検出結果を工事事務所20側へ逐次送信しながら移動する自走式の作業機械において、GPSアンテナ14を第1の位置から第2の位置へ水平移動させる水平移動装置17と、走行停止を検出する走行状態検出手段と、走行状態検出手段での検出結果に基づいて走行停止が判別されたときに水平移動装置17でGPSアンテナ14を第1の位置から第2の位置へ移動させる制御用コントローラ12とを設け、走行停止が判別されたときにGPSアンテナ14の第1の位置及び第2の位置に係る各水平位置のデータを取得するように構成した。
特許請求の範囲
【請求項1】
遠隔の場所から遠隔操縦されて走行することができ、GPSアンテナ及びGPSレシーバを有するGPSを車体に設置して、このGPSでのGPSアンテナの位置の検出結果に係るデータを送信手段で遠隔の場所へ逐次送信しながら移動して所定の作業を行う自走式の作業機械において、GPSアンテナを第1の位置からこれとは水平位置が異なる第2の位置へ移動させることができるGPS移動手段と、走行の停止を検出するための走行状態検出手段と、この走行状態検出手段での検出結果に基づいて走行の停止を判別してこの走行の停止が判別されたときにGPS移動手段を駆動してGPSアンテナを第1の位置から第2の位置へ移動させるGPS移動制御手段とを設けて、このGPS移動制御手段で走行の停止が判別されたときに、GPSアンテナの第1の位置及び第2の位置に関するGPSでの各水平位置の検出結果に係るデータを取得することができるように構成したことを特徴とする自走式の作業機械。
【請求項2】
請求項1に記載の自走式の作業機械と、遠隔の場所に設置されてこの作業機械を遠隔操縦する遠隔操縦装置とを備えた自走式の作業機械の遠隔操縦システムであって、地図情報に係る映像上に作業機械の車体の位置の推移に係る映像を表示する表示装置と、GPSアンテナの第1の位置及び第2の位置に関するGPSでの各水平位置の検出結果に係るデータに基づいて得られる車体の向きに係るデータを処理して車体の向きに係る映像を表示装置に表示させるデータ処理手段とを設け、GPSアンテナをGPS移動手段で第1の位置から第2の位置へ移動させるGPSアンテナの移動速度を定めておくとともに、この定められたGPSアンテナの移動速度の近辺にしきい値を設けてGPSアンテナ移動速度の設定値を設定して、作業機械の送信手段から逐次送信されるGPSアンテナの位置の検出結果に係るデータとGPSの計測周期に基づいて得られるGPSアンテナの移動速度がGPSアンテナ移動速度の設定値の範囲内にあるか否かを判定するGPSアンテナの移動速度の判定手段を設け、この判定手段により、前記GPSアンテナの移動速度がGPSアンテナ移動速度の設定値の範囲内にあると判定されたときに車体の向きに係る映像を表示装置に表示させるように構成したことを特徴とする自走式の作業機械の遠隔操縦システム。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠隔操縦されて走行することができ、車体に設置のGPSでのGPSアンテナの位置の検出結果に係るデータを送信手段で遠隔の場所へ逐次送信しながら移動して、地勢や地質の調査、土のうの設置等の所定の作業を行う建設作業用等の自走式の作業機械と、この自走式の作業機械及びこれを遠隔操縦する遠隔操縦装置により構成された自走式の作業機械の遠隔操縦システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自走式の作業機械とこれを遠隔操縦する遠隔操縦装置とにより構成された自走式の作業機械の遠隔操縦システムが開発されている。こうした遠隔操縦システムにおいて、遠隔操縦装置は、作業現場から離れた工事事務所等の遠隔の場所に設置されており、オペレータにより操作されて作業機械を駆動するための操作信号を作業機械へ送信する遠隔操作器と、作業機械の位置やその周辺の地勢を表示するための表示装置とを備えている。一方、自走式の作業機械は、遠隔操作器での遠隔操作により走行して作業現場へ移動し、遠隔操作器で遠隔操作されて所期の作業を行う。
【0003】
遠隔操縦される自走式の作業機械では、通常、その周囲を撮像するカメラが設置されているが、作業機械が遠隔操縦装置から遠く離れると、カメラではその作業機械の位置を把握することが困難になることから、この種の作業機械の中には、GPSアンテナ及びGPSレシーバを有するGPSを車体に設置し、このGPSでのGPSアンテナの位置の検出結果に係るデータを送信手段で遠隔操縦装置へ逐次送信しながら移動して所定の作業を行うものがある。こうした作業機械を備えた遠隔操縦システムでは、GPSアンテナの位置の検出結果に係るデータにより得られる作業機械の車体の位置情報を地図情報と共に映像化して遠隔操縦装置の表示装置に表示し、オペレータは、この表示装置を見ることにより作業機械の位置を把握することができる。この種の自走式の作業機械の遠隔操縦システムは、例えば、特許文献1に開示されている。
【0004】
こうした自走式の作業機械の遠隔操縦システムでは、GPSアンテナの位置の検出結果に基づく車体の位置の推移すなわち車体の移動軌跡を表示装置に表示することにより、車体の進行方向を概略的に把握することができる。しかしながら、車体の向きがスリップ等外的要因により変動をする場合には、そのときの車体の移動軌跡の方向が車体の向きとは一致せず、車体の移動軌跡によっては車体の向きを正しく把握することができなくなるので、走行面が滑りやすかったり走行面に凹凸があったりして、車体の向きが偶発的に変化しやすい条件の下では、遠隔操作による車体の走行進路の決定をスムーズに行うことができなくなる。こうしたことから、自走式の作業機械を特に遠隔操作により走行させるときには、車体の向きをオペレータの要求に応じて正確に確認し得るようにすることが必要である。
【0005】
自走式の作業機械を遠隔操作するとき、車体の向きは、こうした場合のほか、作業機械で行う作業の種類によっても把握することが必要になる。例えば、カメラや指向性のマイク等の調査機器を搭載した調査車両のような自走式の作業機械では、車体を移動させながら随時一時停止させて車体の傍らの地勢や地質を調査機器で調査するが、その場合、車体の向きを調節することにより調査対象を決定することがある。また、土のうの設置作業をを行う建設機械では、車体を移動させながら随時一時停止させて車体の傍らに土のうを逐次積んでゆくが、その場合にも、車体の向きを調節する必要があり、何れの場合にも、車体の向きを正しく計測して把握することが必要になる。
【0006】
自走式の作業機械の遠隔操縦システムでは、こうした方位を計測する方法として、地磁気センサを車体に設置してその計測値を無線等で遠隔操縦装置側に送信する方法が一般的に採用されていた。しかしながら、このように地磁気センサを車体に設置した場合、車体それ自体の帯磁や移動時における車体周辺の地質の帯磁により地磁気センサの計測値に誤差が生じるため、こうした方法で精度のよい計測を行うことは困難であった。
【0007】
もっとも、特許文献1に記載の技術ように作業機の車体にGPSを設置する場合、GPSを2台設置すれば、これらのGPSのGPSアンテナに関する地球上の座標点の二つの計測値から車体の向きを高精度で計測することができるが、一つの作業機械に高価なGPSを2台設置することは、製作コストの著しい増加を招き、経済的ではない。こうしたことから、GPSを一つの作業機械に1台しか設けなくとも、GPSにより車体の向きを計測できるようにした技術が従来開発されている。この種の技術が開示されている特許文献としては、例えば、特許文献2を挙げることができる。
【0008】
この特許文献2に記載の従来の技術は、地盤改良装置や既製杭の嵌入装置等の地盤改良用の作業機を走行可能な車両に設置した自走式の作業機械としての地盤改良施工機に適用されるものである。この従来の技術においては、地盤改良用の作業機の頂部に設置したエアシリンダのロッドの先端部にGPSのGPSアンテナを取り付けており、エアシリンダを伸縮することにより、GPSアンテナを車両の前後方向に水平に1m程度の行程往復動させることができるようにしたものである。従来の技術では、こうした手段を採用しているので、エアシリンダでGPSアンテナを移動させることにより、移動前のGPSアンテナの位置と移動後のGPSアンテナの位置の二つのGPSアンテナの水平位置(水平面上の座標位置)を計測することが可能となり、これらの計測結果から地盤改良施工機の向き(水平面上の向き)を算出することができる。
【特許文献1】特開平7ー230597号公報(第3−5頁、第1−5図)
【特許文献2】特開2001ー40648号公報(第2−4頁、第1−4図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、この特許文献2に記載の従来の技術を自走式の作業機械にそのまま適用すると、作業機械を遠隔操作するときに問題が生じる。すなわち、この従来の技術は、車体の停止時には、前記の手法により車体の向きを精度よく計測することができるが、車体の走行時には、エアシリンダでのGPSアンテナの移動操作の間、GPSアンテナが地球に対してエアシリンダにより変位させられるだけではなく、車体の走行によっても変位させられて、移動後のGPSアンテナに関する地球上の座標位置が車体の走行による影響を受けるので、車体の向きを精度よく計測することができなきなる。
【0010】
そのため、例えば、前述した地勢及び地質の調査や土のうの設置作業のように車体を移動させながら随時一時停止させて行う作業を実施したり、要所要所で車体の向きを確認しながら走行進路の決定をしたりする場合、車体の向きに係る計測値の中には、車体停止時の正確な計測値と車体走行時の不正確な計測値とが混交することとなって正確な計測値を簡単に判別することができなくなる。その結果、オペレータは、作業機械の遠隔操作時に車体の向きに係る正確な情報をリアルタイムにキャッチすることができず、遠隔操作を円滑に実施することができない。こうしたことから、特許文献2に記載のような技術を自走式の作業機械に適用してこれを遠隔操作する場合には、車体の向きに係る計測値の中から正確な計測値に係るデータを選別して取得できるようにすることが必要である。
【0011】
この出願の第1番目の発明は、こうした要求に応えるために創作されたものであって、その目的は、一つのGPSの移動により車体の向きに係る情報を取得して遠隔操作する場合に、その車体の向きに係る情報のうちから正確な情報を選別して取得することが可能な自走式の作業機械を提供することにある。この出願の第2番目の発明は、こうした自走式の作業機械とこれを遠隔操縦する遠隔操縦装置により同様の目的を達成する自走式の作業機械の遠隔操縦システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この出願の第1番目の発明は、こうした目的を達成するため、「遠隔の場所から遠隔操縦されて走行することができ、GPSアンテナ及びGPSレシーバを有するGPSを車体に設置して、このGPSでのGPSアンテナの位置の検出結果に係るデータを送信手段で遠隔の場所へ逐次送信しながら移動して所定の作業を行う自走式の作業機械」を構成する場合に、次の1)のように構成した。
【0013】
1)GPSアンテナを第1の位置からこれとは水平位置が異なる第2の位置へ移動させることができるGPS移動手段と、走行の停止を検出するための走行状態検出手段と、この走行状態検出手段での検出結果に基づいて走行の停止を判別してこの走行の停止が判別されたときにGPS移動手段を駆動してGPSアンテナを第1の位置から第2の位置へ移動させるGPS移動制御手段とを設けて、このGPS移動制御手段で走行の停止が判別されたときに、GPSアンテナの第1の位置及び第2の位置に関するGPSでの各水平位置の検出結果に係るデータを取得することができるように構成した。
【0014】
この出願の第1番目の発明に係る自走式の作業機械は、前記1)のように構成しているので、GPSアンテナをGPS移動手段で第1の位置から第2の位置へ移動させて、これら両位置に関する各水平位置の検出結果に係るデータをGPSで取得することができ、こうした二つの位置に関するデータを取得すれば、両データに基づいて車体の向きに係るデータを取得することができる。こうして車体の向きに係るデータを取得する場合、本自走式の作業機械では、走行状態検出手段での検出結果に基づいて走行の停止がGPS移動制御手段で判別されたときに、GPS移動手段を駆動してデータを取得するようにしているので、車体の向きに係るデータについて、従来の技術のように車体走行時における不正確なデータが取得されるようなことはない。したがって、本自走式の作業機械によれば、一つのGPSの移動により車体の向きに係る情報を取得する場合に、その車体の向きに係る情報のうちから正確な情報を選別して取得することができる。
【0015】
この出願の第2番目の発明は、前記の目的を達成するため、「この出願の第1番目の発明に係る自走式の作業機械と、遠隔の場所に設置されてこの作業機械を遠隔操縦する遠隔操縦装置とを備えた自走式の作業機械の遠隔操縦システム」を構成する場合に、次の2)のように構成した。
【0016】
2)地図情報に係る映像上に作業機械の車体の位置の推移に係る映像を表示する表示装置と、GPSアンテナの第1の位置及び第2の位置に関するGPSでの各水平位置の検出結果に係るデータに基づいて得られる車体の向きに係るデータを処理して車体の向きに係る映像を表示装置に表示させるデータ処理手段とを設け、GPSアンテナをGPS移動手段で第1の位置から第2の位置へ移動させるGPSアンテナの移動速度を定めておくとともに、この定められたGPSアンテナの移動速度の近辺にしきい値を設けてGPSアンテナ移動速度の設定値を設定して、作業機械の送信手段から逐次送信されるGPSアンテナの位置の検出結果に係るデータとGPSの計測周期に基づいて得られるGPSアンテナの移動速度がGPSアンテナ移動速度の設定値の範囲内にあるか否かを判定するGPSアンテナの移動速度の判定手段を設け、この判定手段により、前記GPSアンテナの移動速度がGPSアンテナ移動速度の設定値の範囲内にあると判定されたときに車体の向きに係る映像を表示装置に表示させるように構成した。
【0017】
作業機械の送信手段から遠隔操縦装置側へ逐次送信されるデータが途切れたり、GPSでの計測が不能となったりすると、遠隔操縦装置側やGPSアンテナが正規のデータの代わりにノイズを受信して、GPSアンテナの位置が誤ったデータに基づいて計測され、車体の向きに係る不適正な映像が表示装置に表示される危惧がある。この出願の第2番目の発明に係る自走式の作業機械の遠隔操縦システムでは、前記2)のように構成しているので、前記の第1番目の発明に係る自走式の作業機械の作用効果と同様の作用効果を奏することに加え、こうした車体の向きに係る不適正な映像が排除される。
【0018】
すなわち、第2番目の発明に係る自走式の作業機械の遠隔操縦システムでは、作業機械の送信手段から逐次送信されるGPSアンテナの位置の検出結果に係るデータとGPSの計測周期に基づいて得られるGPSアンテナの移動速度がGPSアンテナ移動速度の設定値の範囲内にあるか否かを判定するGPSアンテナの移動速度の判定手段を設けているので、前記の誤ったデータに基づいてGPSアンテナの移動速度が得られたときには、このGPSアンテナの移動速度の判定手段の働きにより、GPSアンテナの移動速度がGPSアンテナ移動速度の設定値の範囲内にあるとは判定されず、車体の向きに係る不適正な映像は排除される。そして、この判定手段により、GPSアンテナの移動速度がGPSアンテナ移動速度の設定値の範囲内にあると判定されたとき、すなわち、GPSアンテナの移動速度が正規のデータに基づいて得られたものであると判定されたときに、車体の向きに係る映像を表示装置に表示させるように構成しているので、本自走式の作業機械の遠隔操縦システムによれば、車体の向きに係るきわめて正確な映像情報が表示装置を通じてオペレータに伝達されることとなる。
【発明の効果】
【0019】
以下の説明から明らかなように、この出願の第1番目の発明では、「遠隔の場所から遠隔操縦されて走行することができ、GPSアンテナ及びGPSレシーバを有するGPSを車体に設置して、このGPSでのGPSアンテナの位置の検出結果に係るデータを送信手段で遠隔の場所へ逐次送信しながら移動して所定の作業を行う自走式の作業機械」を構成する場合に、前記の「課題を解決するための手段」の項の1)に示したように構成しているので、本発明に係る自走式の作業機械によれば、一つのGPSの移動により車体の向きに係る情報を取得して遠隔操作する場合に、その車体の向きに係る情報のうちから正確な情報を選別して取得することができる。
【0020】
また、この出願の第2番目の発明では、「この出願の第1番目の発明に係る自走式の作業機械と、遠隔の場所に設置されてこの作業機械を遠隔操縦する遠隔操縦装置とを備えた自走式の作業機械の遠隔操縦システム」を構成する場合に、前記の「課題を解決するための手段」の項の2)に示したように構成しているので、本発明に係る自走式の作業機械の遠隔操縦システムによれば、第1番目の発明に係る自走式の作業機械の効果と同様の効果を奏することに加えて、車体の向きに係るきわめて正確な映像情報を表示装置に表示してオペレータに伝達することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、この出願の第1番目の発明及び第2番目の発明が実際上どのように具体化されるのかを図1及び図2に基づいて説明することにより、この出願の各発明を実施するための望ましい形態を明らかにする。
【0022】
図1は、この出願の第2番目の発明を具体化して構成した自走式の作業機械の遠隔操縦システムの一例を示す側面図、図2は、図1の自走式の作業機械の遠隔操縦システムにおける表示装置に表示される画面の一例を示す図である。
【0023】
本発明を具体化して構成した以下に述べる自走式の作業機械の遠隔操縦システムは、すでに述べた特許文献1に記載の自走式の作業機械の遠隔操縦システムと同様、作業現場から離れた工事事務所等の遠隔の場所から遠隔操縦されて走行することができ、GPSアンテナ及びGPSレシーバを有するGPSを車体に設置して、このGPSでのGPSアンテナの位置の検出結果に係るデータを送信手段で遠隔の場所へ逐次送信しながら移動して所定の作業を行う自走式の作業機械を備えている。また、前記特許文献1に記載の遠隔操縦システムと同様、操作信号を作業機械へ送信する遠隔操作器と、作業機械の位置やその周辺の地勢を表示する表示装置とを設けて遠隔の場所に設置され、作業機械を遠隔操縦する遠隔操縦装置を備えている。ここでは、こうした遠隔操縦システムを構成する作業機械がアタッチメントとしてバケットの代わりに把持装置9をアーム8に取り付けて地質等の調査を行う自走式の油圧ショベルである場合を例にして、以下の説明を行う。
【0024】
最初に、図1に基づき、この調査車両としての自走式の油圧ショベルの基本的な構造について説明する。
【0025】
図1において、1は油圧ショベル(作業機械)の本体をなす車体、2は上部旋回体3を設置して作業現場を走行するクローラ式の下部走行体、3は旋回フレーム3aとこの旋回フレーム3aの上部に設置された運転室5や建屋カバー6等の諸装置とからなる上部旋回体、3aは下部走行体2上に旋回可能に設置されて上部旋回体3の基盤となる旋回フレーム、4はこの旋回フレーム3aを支持しながら旋回させる旋回軸受、5は油圧ショベルの操縦を行うための運転室、6は油圧ポンプ、これを駆動するエンジン、制御機器等を収納する建屋カバー、7は後端部が上部旋回体3の前部に垂直方向に回動(傾動)可能に軸着されて設置されたブーム、8は後端部がこのブーム7の前端部に垂直方向に回動(揺動)可能に軸着されたアーム、9はこのアーム8の前端部に着脱可能にバケットと交換して取り付けられたアタッチメントとしての把持装置、10は各種アタッチメントを装着して種々の作業を行う油圧ショベルのフロント作業機である。
【0026】
自走式の油圧ショベルは、大別すると、走行可能な車体1と、この車体1に設置され、把持装置9等のアタッチメントや図示しないバケットのような種々の作業具をアーム8に取り付けて所定の作業を行うフロント作業機10とで構成され、遠隔操縦されて種々の作業現場に移動して所定の作業を行う。このうち、車体1は、図示しない走行モータで駆動されるエンドレスチェーン状のクローラにより走行する下部走行体2と、下部走行体2上に旋回軸受4で旋回可能に支持され図示しない旋回モータで旋回駆動される上部旋回体3とで構成されている。
【0027】
一方、フロント作業機10は、ブーム7、アーム8及びバケットや把持装置9等の種々のアタッチメントと、これらをそれぞれ駆動するための油圧アクチュエータとしてのブームシリンダ、アームシリンダ及びバケットシリンダやアタッチメント駆動用の予備の油圧アクチュエータとを設けて構成される。アーム8の前端部には、通常時はバケットが取り付けられて土砂の掘削作業や積載作業等を行うが、図1では、地質調査用の作業具としての把持装置9が取り付けられており、この把持装置9により、車体1周辺の法面等の土砂等を把持してサンプリングすることにより地質の調査を行う。
【0028】
次に、図1及び図2に基づき、この自走式の油圧ショベルを遠隔制御するための制御機構及びその関連事項について説明する。まず、油圧ショベル側について説明する。
【0029】
11は前記の走行モータ及び旋回モータやフロント作業機10の各種油圧アクチュエータ等、油圧ショベルの種々の油圧アクチュエータへ供給される圧油の流れや流量を切り換えてこれらの油圧アクチュエータの運動をそれぞれ制御する種々の油圧バルブの集合体としてのバルブユニット、12はこのバルブユニット11における所望の油圧バルブに切換信号を送って同油圧バルブを切り換える制御用コントローラ、13は遠隔操作器25の操作により発せられる指令信号を受信して制御用コントローラ12に送る操作指令受信機、14は図示しないGPS衛星からの信号を受信するGPSアンテナ、15はこのGPSアンテナが受信したGPS衛星からの信号に基づいてGPSアンテナ14の三次元位置をリアルタイムに計測するGPSレシーバ、16は無線アンテナ16aが付設されGPSレシーバ15で得られたGPSアンテナ14の三次元位置に係るデータを工事事務所20へ送信する作業機械側の送信用無線機、17はGPSアンテナ14を略水平方向に移動させるためのGPS移動手段としての水平移動装置である。
【0030】
制御用コントローラ12は、操作指令受信機13で受信した遠隔操作器25からの指令信号に従ってバルブユニット11中の所定の油圧バルブの信号受け部に油圧パイロット圧等の切換信号を送って同油圧バルブを切換操作し、これにより、種々の油圧アクチュエータ中の所望のものを所望の方向及び速度で駆動したり、その駆動を停止させたりする。この制御用コントローラ12は、作業機械の走行の停止を検出するための走行状態検出手段と、この走行状態検出手段での検出結果に基づいて走行の停止を判別してこの走行の停止が判別されたときにGPS移動装置17を駆動してGPSアンテナ14を略水平方向に移動させるGPS移動制御手段とを備えている。これらの走行状態検出手段及びGPS移動制御手段は、制御用コントローラ12内に設けないで、これとは別体に構成してもよい。
【0031】
作業機械の走行の停止を走行状態検出手段で検出する方法としては、遠隔操作器25から作業機械側に対して発せられる走行停止の指令信号、走行モータ用の油圧バルブを中立位置に切り換えるときのパイロット信号、走行モータに供給される油圧を検出する等、種々の方法が考えられる。GPSアンテナ14は、GPSレシーバ15に電気的に接続されており、これらのGPSアンテナ14とGPSレシーバ15とがセットになって一個のGPSを構成している。このGPSでのGPSアンテナ14の三次元位置の計測値は、そのまま利用することもできるが、その計測値には、若干の誤差が不可避的に生じるため、ここでは、後述するようにその誤差を修正して高精度の計測を行い得るようにしている。したがって、このGPSでの計測値に係るデータは、後述するように、遠隔操縦装置側で補正を加えるための補正データとして扱われる。
【0032】
水平移動装置17は、円筒状の孔を有し上部旋回体3上に略水平に前後方向に向けて設置されたシリンダチューブ部17aと、このシリンダチューブ部17aの円筒状の孔に往復動できるように摺動可能に嵌入されたピストンを有するシリンダロッド部17bとを設けて、油圧シリンダのように構成されており、シリンダロッド部17bの後端部には、GPSアンテナ14を取り付けている。したがって、この水平移動装置17は、油圧駆動することにより伸縮させてシリンダチューブ部17aを往復動させることができ、これに伴って、GPSアンテナ14を前方の第1の位置から後方の第2の位置へと略水平方向に移動させることができる。
【0033】
ここでは、GPS移動手段として、GPSアンテナ14を略水平方向に移動させる水平移動装置17を設けているが、GPS移動手段は、必ずしもGPSアンテナ14を略水平方向に移動させることを要するものではなく、要は、GPSアンテナ14を第1の位置からこれとは水平位置が異なる第2の位置へ移動させることができるものであればよい。なお、図1に示す例では、GPSレシーバ15及び送信用無線機16を水平移動装置17のシリンダチューブ部17aに取り付けている。
【0034】
前記のGPS移動制御手段は、走行状態検出手段での検出結果に基づいて車体1の走行を判別しているときには、水平移動装置17を縮めて、GPSアンテナ14を図1に実線で示すようにシリンダチューブ部17aの後端部付近の第1の位置に位置固定するように制御する。また、車体1の走行停止を判別したときには、図1に点線で示すように水平移動装置17を伸ばしてGPSアンテナ14を後方の第2の位置に移動させた後、水平移動装置17を縮めて再び第1の位置に復帰させるように制御する。こうした水平移動装置17の伸縮動作は、車体1の走行停止を判別しているときに設定回数又は設定時間繰り返すようにする。したがって、車体1の走行時には、GPSアンテナ14の第1の位置の三次元位置に係るデータが送信用無線機16から工事事務所20側に微小な周期で逐次送信され、車体1の停止時には、こうしたデータと共にGPSアンテナ14の第2の位置の三次元位置に係るデータが送信用無線機16から逐次送信される。
【0035】
自走式の油圧ショベルを遠隔制御するための制御機構及びその関連事項につき、遠隔操縦装置側について説明する。
【0036】
20は作業現場から離れた遠隔の場所に設けられ遠隔操縦装置の機器が設置された工事事務所、21は油圧ショベル側のGPSレシーバ15でのGPSアンテナ14の三次元位置の計測結果に係る補正データを受信する補正データ受信機、22は工事事務所20の既知の位置に設置され図示しないGPS衛星からの信号を受信するGPSアンテナ、23は補正データ受信機21で受信したGPSアンテナ14の三次元位置の計測結果に係る補正データとGPSアンテナ22の三次元位置の計測結果に基づいてGPSアンテナ14の正確な位置を算出するGPSレシーバ、24はこのGPSレシーバ23で補正されたGPSアンテナ14の三次元位置の計測結果に係るデータが入力されそのデータを処理するデータ処理手段としてのパソコン、24aはこのパソコン24に付設され作業機械の位置やその周辺の地勢等、オペレータの遠隔操縦に役立つ資料を表示する表示装置、25はオペレータが油圧ショベルを遠隔操縦するための操作手段としての遠隔操作器である。
【0037】
補正データ受信機21は、油圧ショベル側から受信したGPSアンテナ14の三次元位置の計測結果に係る補正データをGPSレシーバ23へ出力する。GPSレシーバ23では、GPSアンテナ22の三次元位置の受信データとGPSアンテナ22の実際の地球上の三次元位置(緯度、経度、高度)と補正データとに基づいて、GPSアンテナ14の三次元位置を高精度でリアルタイムに計測するRTK(リアルタイム・キネマティック)計測を行う。
【0038】
GPSレシーバ23は、こうして補正されたGPSアンテナ14の三次元位置の計測結果に係るデータを逐次パソコン24に出力する。パソコン24では、制御用コントローラ12のGPS移動制御手段で車体1の走行が判別されているときに、そのGPSアンテナ14の三次元位置のデータに基づいて車体1の位置の推移を求め、表示装置24aに表示される図2の表示画面30に示すように、この車体1の位置の推移に係るオペレータが識別可能な映像(例えば点線)を、縮尺された地図情報(例えば等高線、道路の情報)に係る映像上に車体1の移動軌跡31として表示する。同時に、車体1の現在位置に係る映像(例えば黒点)も現在位置32として表示装置24aに表示する。
【0039】
一方、GPS移動制御手段で車体1の走行停止が判別されたときには、パソコン24では、GPSレシーバ23で補正されたGPSアンテナ14の第1の位置での水平位置に係る計測結果とGPSアンテナ14の第2の位置での水平位置に係る計測結果の二つのGPSアンテナ14の座標位置により水平面上での車体1の向きを算出する。そして、この車体1の向きに係るデータを処理して車体1の向きに係るオペレータが識別可能な映像を表示装置24aに表示し、図2の例では、この車体1の向きを車体1の現在位置32の個所に矢印33で表示している。こうした手段を講じることにより、車体1の向きに係る計測値について車体1の走行時の不正確な計測値を排除して従来よりも正確な情報を取得することができる。しかしながら、RTK計測では、送信用無線機16から補正データ受信機21への補正データの無線通信が途切れたり、GPS衛星からの電波が微弱なことに起因してGPSでの計測が不能となったりすると、補正データ受信機21やGPSアンテナ14が正規のデータの代わりにノイズを受信して、GPSアンテナ14の位置が誤ったデータに基づいて算出される危惧がある。本遠隔操縦システムでは、こうした不測の事態の発生に対応して、車体1の向きについて、不適正な情報を排除して一層正確な情報を取得するため、次の支援手段を併せて講じている。
【0040】
この支援手段について説明すると、まず、GPSアンテナ14を水平移動装置17で第1の位置から第2の位置へ移動させる場合に、その移動に要する時間が移動操作の都度変動しないようにGPSアンテナ14の移動速度を一定にするように定めておく。そして、この定められたGPSアンテナ14の移動速度の近辺にしきい値を設けてGPSアンテナ移動速度の設定値を設定する。このしきい値としては、水平移動装置17によるGPSアンテナ14の移動速度の±15%程度をめどに設定し、したがって、ここでは、GPSアンテナ移動速度の設定値を水平移動装置17によるGPSアンテナ14の移動速度×0.85以上から同GPSアンテナ14の移動速度×1.15以内までに設定する。前記しきい値は、水平移動装置17によるGPSアンテナ14の移動の速度等によって適正値に多少の差が生じるので、こうしたことを勘案しながら、GPSアンテナ14の移動速度の±25%の範囲の値の中から当該作業機械に適合した値を選択する。
【0041】
一方、パソコン24には、油圧ショベルの送信用無線機16から逐次送信されるGPSアンテナ14の位置の検出結果に係るデータに基づいてGPSアンテナ14の移動速度を算出するためのGPSアンテナ移動速度の算出手段を設けており、少なくとも車体1の走行停止を走行状態検出手段で検出したときには、同算出手段でGPSアンテナ14の移動速度を算出する。このGPSアンテナ移動速度の算出手段は、GPSレシーバ23で補正されたGPSアンテナ14の三次元位置の計測結果に係るデータを用いて、今回計測位置(各計測時におけるGPSアンテナ14の三次元位置の計測結果)から前回計測位置(各計測時の直前の計測時におけるGPSアンテナ14の三次元位置の計測結果)を差し引くことにより、その間のGPSアンテナ14の移動距離を算出し、この移動距離をGPSでの計測の時間間隔すなわちGPSの計測周期で除算することにより、GPSアンテナ14の移動速度を算出する。
【0042】
パソコン24には、こうしたGPSアンテナ移動速度の算出手段に加えて、これにより得られるGPSアンテナ14の移動速度が前記のGPSアンテナ移動速度の設定値の範囲内にあるか否かを判定するGPSアンテナ移動速度の判定手段を設けている。そして、この判定手段により、そのGPSアンテナ14の移動速度がGPSアンテナ移動速度の設定値の範囲内にあると判定されたときに車体1の向きに係る映像を表示装置24aに表示するように構成している。ところで、GPSアンテナの移動速度の算出の基礎となる今回計測位置、前回計測位置及びGPSの計測周期に係るデータについて、前述した補正データに関する無線通信の途切れやGPSでの測定不能により誤ったデータがパソコン24に入力されたときには、GPSアンテナ移動速度の算出手段で算出されたGPSアンテナ14の移動速度と実際のGPSアンテナ14の移動速度との間には大きな開きが生じるはずである。本遠隔操縦システムでは、前記のようなGPSアンテナ移動速度の判定手段を設けているので、GPSアンテナの移動速度の算出の基礎となるデータの何れかについて、万一誤ったデータがパソコン24に入力されたときには、GPSアンテナ14の移動速度がGPSアンテナ移動速度の設定値の範囲内にあるとは判定されず、これにより、車体1の向きに係る不適正な映像を排除して表示装置24aに表示させないようにしている。
【0043】
前記のGPSアンテナ移動速度の算出手段は、走行状態検出手段により車体1の走行停止を検出したときに作動させればよいが、車体1の走行を検出しているときにも作動させるようにすれば、車体1の走行速度を計測する速度計にも兼用することができる。ここに示す例では、GPSアンテナ14の三次元位置をRTK計測したり二つのGPSアンテナ14の座標位置により車体1の向きを算出したりする処理を工事事務所20側で行っているが、GPSレシーバ23で生成した、補正データの計測誤差を修正するための誤差修正用データを油圧ショベル側に送信してこうした処理を油圧ショベル側で行った後、これにより得られたGPSアンテナ14の三次元位置や車体1の向きに係るデータを工事事務所20のパソコン24に送るようにしてもよい。
【0044】
以上述べた自走式の油圧ショベル及びこの油圧ショベルの遠隔操縦システムの作用効果について説明する。
【0045】
本自走式の油圧ショベルは、すでに述べた走行状態検出手段及びGPS移動制御手段を備えた制御用コントローラ12とGPS移動手段としての水平移動装置17とを設けて構成しているので、GPSアンテナ14を水平移動装置17で第1の位置からこれとは水平位置が異なる第2の位置へ移動させて、これら両位置に関する各水平位置の検出結果に係るデータをGPSで取得することができる。そして、こうした二つの位置に関するデータを取得しさえすれば、両データに基づく二つのGPSアンテナ14の座標位置により、水平面上での車体1の向きに係るデータを油圧ショベル側乃至は工事事務所20側で取得することができる。こうして車体1の向きに係るデータを取得する場合、本自走式の油圧ショベルでは、走行状態検出手段での検出結果に基づいて走行の停止がGPS移動制御手段で判別されたときに、初めて水平移動装置17を駆動してデータを取得するようにしているので、車体1の向きに係るデータについて、従来の技術のように車体1の走行時における不正確なデータが混交した状態で取得されるようなことはない。
【0046】
したがって、本自走式の油圧ショベルによれば、一つのGPSアンテナ14の移動により車体1の向きに係る情報を取得する場合に、その車体1の向きに係る情報のうちから正確な情報を選別して取得することができる。その結果、随時一時停止させて行う地勢及び地質の調査や土のうの設置作業等の作業や車体の向きを確認しながら走行進路の決定する運転操作を遠隔操作により行うときに、その遠隔操作を円滑に実施することができる。
【0047】
前述したように、送信用無線機16から補正データ受信機21へ逐次送信される補正データが途切れたり、GPSでの計測が不能となったりすると、補正データ受信機21やGPSアンテナ14が正規のデータの代わりにノイズを受信して、GPSアンテナ14の位置が誤ったデータに基づいて計測され、車体の向きに係る不適正な情報が取得される危惧がある。本油圧ショベルの遠隔操縦システムでは、既述したGPSアンテナ移動速度の算出手段やGPSアンテナ移動速度の判定手段をパソコン24に設けているので、一つのGPSアンテナ14の移動により車体1の向きに係る情報を取得する場合に、その車体1の向きに係る情報のうちから不適正な情報を排除して車体1の向きに係るきわめて正確な映像情報を表示装置24aに表示してオペレータに伝達することができる。
【0048】
すなわち、GPSアンテナ移動速度の判定手段では、GPSアンテナ移動速度の算出手段で算出されるGPSアンテナ14の移動速度がGPSアンテナ移動速度の設定値の範囲内にあるか否かの判定をするので、前記の誤ったデータに基づいてGPSアンテナ14の位置が計測されて、GPSアンテナ14の移動速度が算出されたときには、このGPSアンテナ移動速度の判定手段の働きにより、GPSアンテナ14の移動速度がGPSアンテナ移動速度の設定値の範囲内にあるとは判定されず、車体1の向きに係る不適正な情報は排除される。そして、この判定手段により、GPSアンテナ14の移動速度がGPSアンテナ移動速度の設定値の範囲内にあると判定されたとき、すなわち、GPSアンテナ14の移動速度が正規のデータに基づいて得られたものであると判定されたときに、車体1の向きに係る情報を取得してその向きに係る矢印等の映像を初めて表示装置24aに表示させるように構成しているので、本自走式の油圧ショベルの遠隔操縦システムによれば、特に高い精度が要求される車体1の向きに係る情報について、きわめて正確な映像情報が表示装置24aを通じてオペレータに伝達されることとなる。
【0049】
車体1の走行停止時に水平移動装置17の駆動によりGPSアンテナ14が移動する移動量は、1m前後と車体1の走行距離に比べてきわめて小さいので、このときのGPSアンテナ14の移動軌跡を、縮尺された地図を載せた表示画面30に表示しても、この移動軌跡から走行停止時の車体1の向きを把握することは困難である。本油圧ショベルの遠隔操縦システムでは、オペレータが識別可能な矢印等の車体1の向きに係る映像を表示装置24aに表示するようにしているので、オペレータは、表示画面30の地図上で車体1の向きすなわち方位を容易に把握することができる。
【0050】
以上のべた自走式の油圧ショベルの遠隔操縦システムでは、下部走行体2が駆動されていないことを条件に、車体1の向きに係るデータを取得してその向きに係る映像を表示装置24aに表示するようにしているが、油圧ショベルでは、GPSアンテナ14を設置した上部旋回体3を旋回駆動し得るように構成されているため、この上部旋回体3が車体1の走行停止の前後に早まって旋回駆動される危惧がある。こうしたことから、下部走行体2だけではなく上部旋回体3が駆動されていないことをも条件にして車体1の向きに係るデータを取得して、既述の手法により車体1の向きに係る映像を表示装置24aに表示するようにすれば、車体1の向きに係る情報のうちから正確な情報を選別して取得するという所期の目的を一層確実に達成することができる。
【0051】
なお、上部旋回体3は、通常、車体1の停止から間を置いて操作され、また、自走式の作業機械には、上部旋回体3のような旋回部分を備えていないものもあるので、こうしたことは、この出願の発明にとって有用ではあっても、不可欠のことではない。本自走式の油圧ショベルの遠隔操縦システムでは、GPSアンテナ14を水平移動装置17で水平移動させて水平面上での車体1(上部旋回体3)の向きに係るデータを取得することができるので、上部旋回体3の旋回角度を計測するのに通常使用する旋回角度センサを下部走行体2と上部旋回体3との接続部に取り付けることなく、上部旋回体3の旋回角度を簡便に計測することができ、水平移動装置17やGPSを二重に活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】この出願の第2番目の発明を具体化して構成した自走式の作業機械の遠隔操縦システムの一例を示す側面図である。
【図2】図1の自走式の作業機械の遠隔操縦システムにおける表示装置に表示される画面の一例を示す図である
【符号の説明】
【0053】
1 車体
2 下部走行体
3 上部旋回体
5 運転室
7 ブーム
8 アーム
9 バケット
10 フロント作業機
11 バルブユニット
12 制御用コントローラ
13 操作指令受信機
14 GPSアンテナ
15 GPSレシーバ
16 送信用無線機
17 水平移動装置
20 工事事務所
21 補正データ受信機
22 (誤差修正用データを生成するための)GPSアンテナ
23 (誤差修正用データを生成するための)GPSレシーバ
24 パソコン
24a 表示装置
25 遠隔操作器
30 (表示装置24aの)表示画面
31 (車体1の)移動軌跡
32 (車体1の)現在位置
33 (車体1の向きに関する)矢印




 

 


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