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発明の名称 水路更生用部材、該水路更生用部材を用いた水路更生方法及び水路更生用部材の組立用治具
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−231510(P2007−231510A)
公開日 平成19年9月13日(2007.9.13)
出願番号 特願2006−50541(P2006−50541)
出願日 平成18年2月27日(2006.2.27)
代理人 【識別番号】100082670
【弁理士】
【氏名又は名称】西脇 民雄
発明者 志喜屋 孝市
要約 課題
水路内の流水性の低下を抑制することができ且つ施工性を向上させることができる水路更生用部材を提供する。

解決手段
水路更生用部材15の底板16を、その横断面が水路10の底壁11の上面11bへ向けて凸となる弧状をなすように形成する。
特許請求の範囲
【請求項1】
底壁及び該底壁の幅方向で互いに対向する両端部から立ち上がる一対の側壁を有し上方へ開放する水路内に、前記底壁の上面に近接して該上面を覆うように配置される底板と、該底板の幅方向で互いに対向する両端部から前記各側壁の内面に近接して該内面を覆うように立ち上がる一対の側板とを備え、前記水路を更生するための水路更生用部材であって、前記底板及び前記各側板のうち少なくとも前記底板は、前記底壁の前記上面へ向けて凸となる弧状の横断面を有することを特徴とする水路更生用部材。
【請求項2】
前記底板の前記各端部には、上方へ開放し前記各側板の下端部が嵌合される嵌合溝がそれぞれ形成されており、前記各側板は、それぞれ前記下端部が前記嵌合溝に嵌合することにより前記底板に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の水路更生用部材。
【請求項3】
前記各側板の下端部の端面には、それぞれ前記側壁に向けて下向きに傾斜する第一の傾斜面が形成されており、前記嵌合溝は、前記底板の前記両端部の端面に形成され前記第一の傾斜面に当接する第二の傾斜面と、前記底板の前記各端部から前記各側板の外方面に沿って上方へ伸び前記各側板をその側方外方から支持する支持壁に形成され、前記第二の傾斜面に連なり前記各側板の外方面に当接する当接面とにより規定されていることを特徴とする請求項2に記載の水路更生用部材。
【請求項4】
前記支持壁は、前記各側板の内方面が前記底板の前記上面と面一になるように前記各側板を支持していることを特徴とする請求項3に記載の水路更生用部材。
【請求項5】
前記底板は、その幅方向の中央部を含む底部と、前記嵌合溝が形成された前記各端部を含み、前記底部と前記各側板とを互いに連結する一対の連結部とに分割されており、該各連結部は、それぞれ引き抜き成形法により成形されていることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか一項に記載の水路更生用部材。
【請求項6】
前記底板を前記水路の前記底壁上に該底壁の前記上面に近接して配置し、前記各側板を前記水路内に前記側壁の前記内面に近接して配置し、前記各側板をそれぞれ前記水路内に挿入し、前記側板の前記下端部をそれぞれ前記底板に形成された前記各嵌合溝内に嵌合することにより前記各側板をそれぞれ前記底板に接続し、前記水路更生用部材と前記水路との間に充填材を充填させることにより前記水路更生用部材を前記水路に接着することを特徴とする請求項2に記載の水路更生用部材を用いた水路更生方法。
【請求項7】
請求項5に記載の水路更生用部材の組立用治具であって、前記各支持壁の前記当接面が互いに対向するように前記各連結部をそれぞれ支持する一対の支持部材と、該各支持部材を互いに連結し、該各支持部材間の間隔を前記底部の幅寸法に応じて調節するための間隔調節手段と、前記各支持部材間に配置され、前記各支持部材に支持された前記各連結部に接合される前記底部を所定の曲率で曲げるための型板とを備えることを特徴とする請求項5に記載の水路更生用部材の組立用治具。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、用水路あるいは排水路として用いられるいわゆる三面水路を更生するための水路更生用部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば農業用の水路として、平坦な底壁及び該底壁の両端から立ち上がる一対の平坦な側壁とを有し上方に開放するいわゆる三面水路が知られている。このような水路は、コンクリート等で形成されているため、経年劣化や地震等により破損することがあり、破損した場合には、水路からの漏水を防止するために水路を更生する必要がある。
【0003】
そこで、破損した水路を更生するために、水路の底壁の上面を覆うように配置される底板と、該底板の両端から立ち上がり水路の各側壁の内面を覆う一対の側板とを備える水路更生用部材が用いられている(例えば、特許文献1参照。)。水路更生用部材と水路との間には、それらを互いに接着するために、セメントのような充填材が充填されている。
【0004】
この水路更生用部材によれば、水路の横断面積と水路更生用部材の横断面積とがほぼ等しくなるように、底板及び各側板がそれぞれ底壁の上面及び各側壁の内面に沿って伸びる平板部材で構成されている。これにより、水路更生用部材を水路内に配置したときに水路内の容積が大幅に減少することが抑制されるので、水路内の容積が大幅に減少することによる流水性の低下を防止することができる。
【0005】
しかしながら、底板及び各側板がそれぞれ平板部材からなることから、水路更生用部材及び水路間に充填材を注入したとき、充填材から底板及び各側板に作用する圧力の大部分が底板及び各側板を水路の内方へ向けて押圧する力として作用するので、底板及び各側壁が充填材から受ける圧力により撓んでしまう。
【0006】
そこで、特許文献1に記載の発明では、水路を更生する際、水路更生用部材及び水路間に充填材を注入するに先立ち、複数の撓み防止部材を底板及び各側板に水路の長手方向に所定の間隔をおいて水路の内方から取り付ける。この各撓み防止部材により、底板及び各側板が充填材から受ける圧力により撓むことを防止することができる。
【特許文献1】特開2005−290849号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、水路更生部材の底板及び各側板がそれぞれ充填材から受ける圧力により撓むことを防止するために、比較的大量の撓み防止部材を底板及び各側壁に取り付ける必要があることから、施工工数が多くなり、施工性が悪い。
【0008】
そこで、本発明の目的は、水路内の流水性の低下を抑制することができ且つ施工性を向上させることができる水路更生用部材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、底壁及び該底壁の幅方向で互いに対向する両端部から立ち上がる一対の側壁を有し上方へ開放する水路内に、前記底壁の上面に近接して該上面を覆うように配置される底板と、該底板の幅方向で互いに対向する両端部から前記各側壁の内面に近接して該内面を覆うように立ち上がる一対の側板とを備え、前記水路を更生するための水路更生用部材であって、前記底板及び前記各側板のうち少なくとも前記底板は、前記底壁の前記上面へ向けて凸となる弧状の横断面を有することを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記底板の前記各端部には、上方へ開放し前記各側板の下端部が嵌合される嵌合溝がそれぞれ形成されており、前記各側板は、それぞれ前記下端部が前記嵌合溝に嵌合することにより前記底板に接続されていることを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記各側板の下端部の端面には、それぞれ前記側壁に向けて下向きに傾斜する第一の傾斜面が形成されており、前記嵌合溝は、前記底板の前記両端部の端面に形成され前記第一の傾斜面に当接する第二の傾斜面と、前記底板の前記各端部から前記各側板の外方面に沿って上方へ伸び前記各側板をその側方外方から支持する支持壁に形成され、前記第二の傾斜面に連なり前記各側板の外方面に当接する当接面とにより規定されていることを特徴とする。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、前記支持壁は、前記各側板の内方面が前記底板の前記上面と面一になるように前記各側板を支持していることを特徴とする。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項2乃至4のいずれか一項に記載の発明において、前記底板は、その幅方向の中央部を含む底部と、前記嵌合溝が形成された前記各端部を含み、前記底部と前記各側板とを互いに連結する一対の連結部とに分割されており、該各連結部は、それぞれ引き抜き成形法により成形されていることを特徴とする。
【0014】
請求項6に記載の発明は、請求項2に記載の水路更生用部材を用いた水路更生方法であって、前記底板を前記水路の前記底壁上に該底壁の前記上面に近接して配置し、前記各側板を前記水路内に前記側壁の前記内面に近接して配置し、前記各側板をそれぞれ前記水路内に挿入し、前記側板の前記下端部をそれぞれ前記底板に形成された前記各嵌合溝内に嵌合することにより前記各側板をそれぞれ前記底板に接続し、前記水路更生用部材と前記水路との間に充填材を充填させることにより前記水路更生用部材を前記水路に接着することを特徴とする。
【0015】
請求項7に記載の発明は、請求項5に記載の水路更生用部材の組立用治具であって、前記各支持壁の前記当接面が互いに対向するように前記各連結部をそれぞれ支持する一対の支持部材と、該各支持部材を互いに連結し、該各支持部材間の間隔を前記底部の幅寸法に応じて調節するための間隔調節手段と、前記各支持部材間に配置され、前記各支持部材に支持された前記各連結部に接合される前記底部を所定の曲率で曲げるための型板とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に記載の発明によれば、水路更生用部材の底板及び各側板のうち少なくとも底板が、底壁の前記上面へ向けて凸となる弧状の横断面を有することから、例えば水路更生用部材と水路との間に注入した充填材から底板に上方へ向けて押圧力が作用したとき、その押圧力の一部が底板をその横断面の弧の接線方向に圧縮する圧縮力として作用する。これにより、曲がり梁によるアーチ効果により、単純梁に比べて撓み難くなる。従って、底板が撓むことを防止するための従来のような撓み防止部材を不要とすることができる。また、底板自身に該底板の撓みを防止する機能を担わせていることから、従来のような撓み防止部材をたとえ用いたとしても、底板への撓み防止部材の取付け間隔を従来における間隔よりも大きくすることができるので、従来に比べて少ない部品点数で底板の撓みを確実に防止することができる。
【0017】
従って、水路を更生するための施工工数を削減することができるので、従来に比べて施工性を向上させることができる。また、従来の撓み防止部材を不要とすることができ、又は、その個数を減少させることができることから、製造コストの削減を確実に図ることができる。
【0018】
また、底板及び各側板がそれぞれ底壁の上面及び各側壁の内面に近接して配置されており、押圧力に対する底板の撓み強度を確保するために底板及び各側板のうち少なくとも底板の横断面が弧状となるように底板を形成することで足りることから、底板が平板で構成された従来に比べて水路更生用部材の横断面積が水路の横断面積と大幅に異なることが防止されるので、水路更生用部材を水路内に配置したときに水路内の容積が大幅に減少することが防止される。従って、水路内の容積が減少することによる流水性の低下を確実に抑制することができる。
【0019】
請求項2に記載の発明によれば、底板の各端部に、上方へ開放し各側板の下端部が嵌合される嵌合溝がそれぞれ形成されており、各側板はそれぞれ下端部が嵌合溝に嵌合することにより底板に接続されていることから、例えばボルトのような締結具を用いることなく底板及び各側板を相互に容易に接続することができる。これにより、底板及び各側板を相互に接続するために締結具を用いた場合に比べて、部品点数の削減及び施工工数の削減を図ることができるので、製造コストの削減及び施工性の向上を確実に図ることができる。
【0020】
また、各側板の下端部が底板の各嵌合溝内に嵌合した状態では、各側板の板厚方向に沿った移動が規制されるので、水路更生用部材と水路との間に充填材を充填したときに該充填材から各側板に水路更生用部材の内方に向けての圧力が作用したとき、該圧力による各底板と各側板との接続の解除を確実に防止することができる。これにより、水路更生用部材と水路との間に充填材を充填した場合に該充填材が底板及び各側板間を経て水路更生用部材内に浸入すること、及び、水路更生用部材内を流れる水が底板及び各側板間を経て水路更生用部材の外方に漏れることを、確実に防止することができる。
【0021】
請求項3に記載の発明によれば、各側板の下端部の端面に、それぞれ側壁に向けて下向きに傾斜する第一の傾斜面が形成されており、嵌合溝は、底板の両端部の端面に形成され第一の傾斜面に当接する第二の傾斜面と、各側板をその側方外方から支持する支持壁に形成された当接面とにより規定されていることから、各側板の下端部が嵌合溝内に嵌合した状態で水路更生用部材と水路との間に充填した充填材から各側板に水路更生用部材の内方に向けての圧力が作用したとき、この圧力が嵌合溝の水路更生用部材の内方側に位置する内面すなわち第二の傾斜面に底板の各端部を圧縮する圧縮力として各側板の下端部からその第一の傾斜面を介して作用する。これにより、充填材から各側板に作用する圧力が底板の各端部で受け止められるので、各側板の下端部が嵌合溝内から抜け出すことが防止される。
【0022】
また、底板及び各側板が充填材から圧力を受けたとき、該圧力により底板の各支持壁の当接面が各側板の外方面に押し付けられ、更に、各側板の第一の傾斜面が各支持壁を介して充填材から受ける圧力により底板の各第二の傾斜面に押し付けられるので、底板及び各側板間の密着性を高めることができる。これにより、底板及び各側板が充填材から受ける圧力によりたとえ撓んだとしても、充填材が底板及び各側板間を経て水路更生用部材内に浸入すること、及び、水路更生用部材内を流れる水が底板及び各側板間を経て水路更生用部材の外方に漏れることを、より確実に防止することができる。
【0023】
請求項4に記載の発明によれば、各側板がその内方面が底板の上面と面一になるように支持壁により支持されていることから、水路更生用部材内を流れる水に含まれる塵埃等が底板の端部又は各側板の下端部に引っ掛かることを確実に防止することができる。
【0024】
請求項5に記載の発明によれば、底板は、その幅方向の中央部を含む底部と、嵌合溝が形成された各端部を含み、底部と各側板とを互いに連結する一対の連結部とに分割されており、各連結部がそれぞれ引き抜き成形法により成形されていることから、嵌合溝のように複雑な形状の部分を有する連結部を容易に成形することができる。
【0025】
請求項6に記載の発明によれば、組立用治具の各支持部材で各支持壁の当接面が互いに対向するように各連結部をそれぞれ支持し、各支持部材を互いに連結する間隔調整手段で各支持部材間の間隔を底部の幅寸法に応じて調節し、各支持部材間に配置された型板により底部を所定の曲率で曲げることにより、所定の曲率で湾曲した底部と各連結部とを互いに容易に接合することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明を図示の実施例に沿って説明する。
【実施例】
【0027】
本発明に係る水路10は、コンクリートからなり、図1に示すように、底壁11と、該底壁の幅方向(図1で見て左右方向である。)で互いに対向する両端部11aから上方へ立ち上がる一対の側壁12とを有し、上方へ開放した箱状をなしている。
【0028】
水路10の底面である底壁11の上面11b及び各側壁12の水路10の内方側に位置する内面12aは、それぞれ平坦面である。
【0029】
水路10が例えば経年劣化したときに該水路を更生する際、従来よく知られているように、水路10を更生するための複数の水路更生用部材15が水路10内に挿入される。
【0030】
水路更生用部材15は、水路10の長手方向に沿って伸び、水路10の底壁11の上面11bを覆うように配置される底板16と、水路10の長手方向に沿って伸び、底板16の幅方向で互いに対向する端部16aから各側壁12の内面12aを覆うように立ち上がる一対の側板17とを備える。
【0031】
底板16及び各側板17は、図示の例では、それぞれ例えばガラス繊維のような繊維状の強化材を複合したプラスチックである従来よく知られたFRP(繊維強化プラスチック)からなる。
【0032】
底板16は、その幅方向の中心から両端部16aに向けて底壁11の上面11bとの間隔が漸増する弧状の横断面を有し、底壁11に向けて凸となっている。底板16は、図示の例では、底板16の幅方向の中央部16bを含む底部18と、底板16の各端部16aを含み、底部18と各側板17とを互いに連結する一対の連結部19とに分割されている。
【0033】
底部18は、底壁11の上面11bに所定の隙間をおいて底壁11の上面11b上に配置されている。底板16の中央部16bである底部18の中央部には、底壁11に向けて突出する複数の凹部20が底部18の伸長方向に互いに所定の間隔をおいて形成されている。各凹部20の底面20aは、底部18が底壁11上に配置された状態で該底壁の上面11bに当接する。すなわち、各凹部20は、それぞれ底部18を底壁11の上面11b上に該上面に所定の隙間をおいて配置するためのスペーサとしての機能を担っている。各凹部20の底面20aには、それぞれ底部18を底壁11に固定するためのボルト部材21の挿通を許す挿通孔22が形成されている。
【0034】
底部18の幅方向の両端部18bには、それぞれ各連結部19との結合のための結合部が形成されている。各結合部は、図2に示すように、それぞれ底壁11に向けて凹み且つ底部18の伸長方向に伸びる段部23で構成されている。各段部23上に各連結部19の下端部19aを重ね合わせ、それらを互いに後述するように接合することにより、底部18と各連結部19とが互いに結合される。各段部23の深さ寸法は、各連結部19との結合状態で該各連結部の内面19bと底部18の内面18cとが互いに面一になるように設定されている。これにより、水路更生用部材15内を流れる水に含まれる塵埃等が底部18の両端部18b及び各連結部19の下端部19aに引っ掛かることが防止される。
【0035】
底部18は、図示の例では、図示しない型を用いて樹脂を含浸させながらガラス繊維のような複数の強化基材を積み重ねることにより成形するハンドレイアップ成形法により成形されている。
【0036】
各連結部19は、それぞれ上端部に、各側板17の下端部17aに接続される接続端部19cを有する。接続端部19cの端面には、図2に示すように、水路更生用部材15の外方へ向けて下向きに傾斜する傾斜面24が形成されている。また、接続端部19cにおける外方面19dには、該外方面から上方へ伸び、接続端部19cに接続される側板17の下端部17aを水路更生用部材15の外方から支持する支持壁25が形成されている。支持壁25は、側板17の下端部17aにおける外方面17bに当接する当接面25aを有する。傾斜面24及び支持壁25の当接面25aで、横断面がV字状をなし各側板17の下端部17aを受け入れる嵌合溝26が規定されている。各連結部19は、図示の例では、従来よく知られた引き出し成形法により成形されている。
【0037】
底部18と各連結部19とを互いに結合する際、組立用治具27が用いられる。組立用治具27は、図3に示すように、各連結部19をそれぞれ支持する一対の支持部材28と、該各支持部材を互いに連結し、該各支持部材間の間隔を調節するための間隔調節手段29とを備える。更に、組立用治具27は、各支持部材28間に配置され、底部18を所定の曲率で曲げるための型板30を備える。型板30は、図示の例では、ステンレススチールからなる。
【0038】
各支持部材28は、それぞれ各支持壁25の当接面25aが互いに対向するように各連結部19をそれぞれ支持している。
【0039】
間隔調整手段29は、図示の例では、各支持部材28間に配置された枠体31と、一端32aが枠体31の各支持部材28側に位置する端部31aにねじ込まれ、他端32bが各支持部材28に固定され、外周面に互いに逆方向に巻かれたねじ部33が形成された一対のねじ棒32とを備える従来よく知られたターンバックルで構成されている。枠体31を各ねじ棒32の軸線の周りに回転させることにより、その回転方向に応じて各ねじ棒32がその軸線に沿って相反する方向へ移動し、これにより、各ねじ棒32に固定された各支持部材28の間隔が調節される。
【0040】
この組立用治具27を用いて底部18及び各連結部19を互いに結合する際、先ず、各支持部材28により各連結部19をそれぞれ前記したように支持し、間隔調節手段29の枠体31を回転させることにより、各支持部材28の間隔を前記したように調節する。このとき、各連結部19の下端部19aが底部18に形成された段部23に整合するように、底部18の幅寸法に応じて各支持部材28の間隔を調節する。次に、底部18の各段部23上に各連結部19の下端部19aが重なり合うように底部18を配置し、この状態で底部18の各段部23と各連結部19の下端部19aとを互いに融着する。このとき、底部18の内面18c上に型板30を載置することにより、例えば各段部23と各連結部19との融着によって底部18の曲率が所定の曲率からずれることを防止する。これにより、底部18及び各連結部19が互いに結合され、所定の曲率を有する弧状の底板16が形成される。
【0041】
その後、図示の例では、熱可塑性プラスチックフィルムのような熱可塑性樹脂を含有した紙等を重ね合わせて底部18と各連結部19との接合部分の表面に図示しない保護層を形成するいわゆるオーバーレイを行う。これにより、底部18と各連結部19との接合部分の接合強度及び止水性をより高めることができる。
【0042】
水路更生用部材15の各側板17は、図1に示すように、各側壁12の内面12aに所定の隙間をおき且つ該内面に平行になるように、各側壁12の内面12a上に配置されている。各側板17には、それぞれ側壁12に向けて突出する複数の凹部34が上下方向に互いに所定の間隔をおき且つ各側板17の伸長方向に沿って所定の間隔をおいて整列して形成されている。各凹部34の底面34aは、各側板17で各側壁12の内面12aを覆った状態で該内面に当接する。すなわち、各凹部34は、それぞれ各側板17を各側壁12の内面12a上に該内面に所定の隙間をおいて配置するためのスペーサとしての機能を担っている。各凹部34の底面34aには、それぞれ各側板17を各側壁12に固定するための前記したと同様のボルト部材21の挿通を許す挿通孔35が形成されている。
【0043】
各側板17の下端部17aの端面には、図2に示すように、水路更生用部材15の外方へ向けて下向きに傾斜する傾斜面36が形成されている。傾斜面36の傾斜角度は、底板16の各連結部19に形成された各傾斜面24の傾斜角に等しい。これにより、各側板17の下端部17aが底板16の各連結部19の嵌合溝26内に嵌合した状態では、各側板17の傾斜面36が各連結部19の各傾斜面24に隙間なく当接し、各側板17の外方面17bが各支持壁25の当接面25aに隙間なく当接し、各側板17の内方面17cが各連結部19の内面19bと面一になる。
【0044】
水路10と水路更生用部材15との間には、図1に示すように、水路更生用部材15を水路10に接着するための充填材37が充填されている。充填材37には、エアーモルタルや発泡性樹脂等のように流動性を有する材料が用いられている。
【0045】
本発明に係る水路更生用部材15を用いて水路10を更生する際、先ず、組立用治具27により組み立てられた底板16を水路10の底壁11上に配置し、底板16を底壁11にボルト部材21を用いて固定する。次に、各側板17をそれぞれ水路10内に挿入し、各側板17の下端部17aを底板16の各連結部19の嵌合溝26内に嵌合することにより各側板17をそれぞれ底板16に接続し、各側板17を各側壁12にボルト部材21を用いて固定する。続いて、水路更生用部材15及び水路10間に充填材37を注入するに先立ち、図4に示すように、各側板17が充填材37から受ける注入圧により撓むことを防止するための複数の撓み防止部材38を従来と同様に各側板17に水路10の内方から取り付ける。各撓み防止部材38を各側板17に取り付けた後、水路更生用部材15と水路10との間に充填材37を注入し、該充填材を充填する。このとき、前記したように、底板16が、底壁11の上面11bへ向けて凸となる弧状の横断面を有することから、充填材37から底板16に上方へ向けて押圧力が作用しても、その押圧力の一部が底板16をその横断面の弧の接線方向に圧縮する圧縮力として作用する。これにより、底板16に作用する押圧力が分散され、該押圧力の上方へ向けての力成分が小さくなるので、底板16が充填材37から押圧力を受けたときに従来に比べて撓み難くなる。従って、底板16が撓むことを防止するために撓み防止部材38を底板16に取り付ける必要はない。また、底板16自身が該底板の撓みを防止する機能を担うことから、撓み防止部材38をたとえ用いたとしても、底板16への撓み防止部材38の取付け間隔を従来における間隔よりも大きくすることができるので、従来に比べて少ない部品点数で底板16の撓みを確実に防止することができる。
【0046】
その後、充填材37を固化させることにより水路更生部材15を水路10に一体的に固定し、各撓み防止部材38を各側板17から取り外し、これにより、水路更生用部材15による水路10の更生作業が終了する。
【0047】
本実施例によれば、前記したように、底板16が撓むことを防止するための撓み防止部材38を不要とすることができ、または、従来に比べて少ない数の撓み防止部材で底板16の撓みを確実に防止することができることから、水路10を更生するための施工工数を削減することができるので、従来に比べて施工性を向上させることができる。また、撓み防止部材38を不要とすることができ、又は、その個数を減少させることができることから、製造コストの削減を確実に図ることができる。
【0048】
また、前記したように、底板16及び各側板17がそれぞれ底壁11の上面11b及び各側壁12の内面12aに近接して配置されており、押圧力に対する底板16の撓み強度を確保するために底板16の横断面が弧状となるように底板16を形成することで足りることから、底板16が平板で構成された場合に比べて水路更生用部材15の横断面積が水路10の横断面積と大幅に異なることが防止されるので、水路更生用部材15を水路10内に配置したときに水路10内の容積が大幅に減少することが防止される。従って、水路10内の容積が減少することによる流水性の低下を確実に抑制することができる。
【0049】
更に、前記したように、底板16が底壁11の上面11bへ向けて凸となる弧状の横断面を有することから、水路更生用部材15内の塵埃が底板16の中央部16bに集まり易いので、水路更生用部材15内の清掃作業を容易にすることができる。また、水路更生用部材15内に流入した水は底板16の中央部16b上を集中して流れるので、底板16の中央部16bに溜まった塵埃を水路更生用部材15内を流れる水によって洗い流すことができる。
【0050】
また、前記したように、底板16の各連結部19の接続端部19cに、各側板17の下端部17aが嵌合される嵌合溝26がそれぞれ形成されており、各側板17はそれぞれ下端部17aが嵌合溝26に嵌合することにより底板16に接続されていることから、例えばボルトのような締結具を用いることなく底板16及び各側板17を相互に容易に接続することができる。これにより、底板16及び各側板17を相互に接続するために締結具を用いた場合に比べて、部品点数の削減及び施工工数の削減を図ることができるので、製造コストの削減及び施工性の向上を確実に図ることができる。
【0051】
また、各側板17の下端部17aが底板16の各嵌合溝26内に嵌合した状態では、各側板17の板厚方向に沿った移動が規制されるので、水路更生用部材15と水路10との間に充填された充填材37から各側板17に水路更生用部材15の内方に向けての圧力が作用したとき、該圧力による各底板16と各側板17との接続の解除を確実に防止することができる。これにより、水路更生用部材15と水路10との間に充填された充填材37が底板16及び各側板17間を経て水路更生用部材15内に浸入すること、及び、水路更生用部材15内を流れる水が底板16及び各側板17間を経て水路更生用部材15の外方に漏れることを、確実に防止することができる。
【0052】
更に、前記したように、各側板17の下端部17aが底板16の各連結部19の嵌合溝26内に嵌合した状態では、各側板17の傾斜面36が各連結部19の各傾斜面24に隙間なく当接し、各側板17の外方面17bが各支持壁25の当接面25aに隙間なく当接することから、充填材37から各側板17に水路更生用部材15の内方に向けての圧力が作用したとき、この圧力が各連結部19の傾斜面24に各連結部19の接続端部19cを圧縮する圧縮力として各側板17の下端部17aからその傾斜面36を介して作用する。これにより、充填材37から各側板17に作用する圧力が底板16の各連結部19の接続端部19cで受け止められるので、各側板17の下端部17aが嵌合溝26内から抜け出すことが防止される。
【0053】
また、底板16及び各側板17が充填材37から圧力を受けたとき、該圧力により底板16の各支持壁25の当接面25aが各側板17の外方面17bに押し付けられ、更に、各側板17の傾斜面36が各支持壁25を介して充填材37から受ける圧力により底板16の各傾斜面24に押し付けられるので、底板16及び各側板17間の密着性を高めることができる。これにより、底板16及び各側板17が充填材37から受ける圧力によりたとえ撓んだとしても、充填材37が底板16及び各側板17間を経て水路更生用部材15内に浸入すること、及び、水路更生用部材15内を流れる水が底板16及び各側板17間を経て水路更生用部材15の外方に漏れることを、より確実に防止することができる。
【0054】
更に、前記したように、各側板17の下端部17aが底板16の各連結部19の嵌合溝26内に嵌合した状態で、各側板17の内方面17cが各連結部19の内面19bと面一になることから、水路更生用部材15内を流れる水に含まれる塵埃等が底板16の各連結部19の接続端部19c又は各側板17の下端部17aに引っ掛かることを確実に防止することができる。
【0055】
また、前記したように、各連結部19がそれぞれ引き抜き成形法により成形されていることから、支持壁25、傾斜面24及び嵌合溝26のように複雑な形状の部分を有する連結部19を容易に成形することができる。
【0056】
本実施例では、底板16及び各側板17がそれぞれFRPからなる例を示したが、これに代えて、例えば硬質塩化ビニルや鋼板等のFRP以外の材料からなる底板及び側板を本発明に適用することができる。
【0057】
本実施例では、各側板17の下端部17aの端面にそれぞれ側壁12に向けて下向きに傾斜する傾斜面36が形成されており、底板16の各連結部19の接続端部19cの端面に傾斜面24が形成されており、各連結部19の接続端部19cに各側板17を支持する支持壁25が形成されており、傾斜面24と支持壁25に形成された当接面25aとにより規定された嵌合溝26に各側板17の下端部17aが嵌合することにより、各側板17が底板16に接続された例を示したが、これに代えて、ボルトのような締結具を用いることなく接続することができ且つ充填材37から受ける圧力に対する結合強度を確保することができれば、底板16と各側板17との相互の接続態様は図示した構成以外の構成を本発明に用いることができる。
【0058】
更に、本実施例では、底板16が底壁11の上面11bへ向けて凸となる弧状の横断面を有する例を示したが、これに加えて、各側板17を各側壁12に向けて凸となる弧状の横断面を有する側板で構成することができる。この場合、充填材37から受ける圧力により各側板17が撓むことを防止するための撓み防止部材38を不要とすることができ、または、その数を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明に係る水路更生用部材を水路内に配置した状態を概略的に示す横断面図である。
【図2】本発明に係る底板の底部、連結部及び側板の相互の接続状態を概略的に示す拡大図である。
【図3】本発明に係る組立用治具を概略的に示す説明図である。
【図4】本発明に係る水路更生用部材を用いて水路を更生する工程を概略的に示す説明図である。
【符号の説明】
【0060】
10 水路
11 底壁
12 側壁
15 水路更生用部材
16 底板
17 側板
18 底部
19 連結部
24 第二の傾斜面(底板の各連結部の接続端部の端面に形成された傾斜面)
25 支持壁
25a 当接面
26 嵌合溝
27 組立用治具
28 支持部材
29 間隔調節手段
30 型板
36 第一の傾斜面(側板の下端部の端面に形成された傾斜面)




 

 


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