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発明の名称 レールの防音装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−224700(P2007−224700A)
公開日 平成19年9月6日(2007.9.6)
出願番号 特願2006−106514(P2006−106514)
出願日 平成18年4月7日(2006.4.7)
代理人 【識別番号】100083149
【弁理士】
【氏名又は名称】日比 紀彦
発明者 松田 芳文 / 森川 岳生 / 島田 昌紀
要約 課題
あらゆる帯域の周波数、とくに、1250Hz前後の周波数をもった騒音を効果的に防音する。

解決手段
レールの防音装置は、レールR表面の所要部分に、吸音マット12および遮音カバー14が内外に被覆されている。
特許請求の範囲
【請求項1】
レール表面の所要部分に、吸音マットおよび遮音カバーが内外に被覆されているレールの防音装置。
【請求項2】
レール表面および吸音マット裏面間に制振シートが介在させられている請求項1に記載のレールの防音装置。
【請求項3】
レール表面の対応部分に遮音カバーの周縁部が接触させられている請求項1または2に記載のレールの防音装置。
【請求項4】
遮音カバーの周縁部に折曲縁部が設けられており、折曲縁部が、吸音マットの周面に被覆されている請求項1〜3のいずれか1つに記載のレールの防音装置。
【請求項5】
レール表面および折曲縁部先端間にシーリング部材が介在させられている請求項4に記載のレールの防音装置。
【請求項6】
遮音カバーが、レール腹部側面上端部からレール底部上面先端部かけて渡された平板状に形成されている請求項1に記載のレールの防音装置。
【請求項7】
遮音カバーの下縁部が、レール底部下面より上方レベルに位置させられている請求項1〜6のいずれか1つに記載のレールの防音装置。
【請求項8】
遮音カバーが、制振機能を有している請求項1〜7のいずれか1つに記載のレールの防音装置。
【請求項9】
吸音マット表面および遮音カバー裏面間に制振シートが介在させられている請求項6に記載のレールの防音装置。
【請求項10】
吸音マットが、樹脂発砲体状吸音材、繊維状吸音材、連続気泡フォーム吸音材、無機多孔質吸音材および無機粒子焼結吸音材の少なくともいずれか1つよりなる請求項1〜9のいずれか1つに記載のレールの防音装置。
【請求項11】
遮音カバーが、金属板、樹脂板および無機板の少なくともいずれか1つよりなる請求項1〜10のいずれか1つに記載のレールの防音装置。
【請求項12】
遮音カバーの下縁部両端の少なくともいずれか一方に、レール締結部材との干渉を避けるための切欠が形成されている請求項1〜11のいずれか1つに記載のレールの防音装置。
【請求項13】
遮音カバーが、固定具によってレールに固定されており、固定具が、第1固定部材および第2固定部材を有しており、第1固定部材に、平板状第1被締付部が設けられ、第2固定部材に、第1被締付部に重ね合わされた平板状第2被締付部が設けられており、第1被締付部に第1ボルト孔があけられ、第2被締付部に、第1ボルト孔と合致させられた第2ボルト孔があけられており、第1ボルト孔および第2ボルト孔に、締付ボルトのねじ部が第1ボルト孔の側から貫通させられ、ねじ部の、第2ボルト孔から突出した部分にナットがねじはめられ、締付ボルトの頭部の回転を規制する回り止めが第1ボルト孔に近接して設けられている請求項1〜12のいずれか1つに記載のレールの防音装置。
【請求項14】
遮音カバーが、固定具によってレールに固定されており、固定具が、第1固定部材および第2固定部材を有しており、第1固定部材に、平板状第1被締付部が設けられ、
第2固定部材に、第1被締付部に重ね合わされた平板状第2被締付部が設けられており、第1被締付部にねじ孔があけられ、第2被締付部に、ねじ孔と合致させられたボルト孔があけられており、締付ボルトのねじ部が、ボルト孔を通してねじ孔にねじ入れられている請求項1〜12のいずれか1つに記載のレールの防音装置。
【請求項15】
遮音カバーが、固定具によってレールに固定されており、固定具が、第1固定部材および第2固定部材を有しており、第1固定部材に、平板状第1被締付部が設けられ、第2固定部材に、第1被締付部に重ね合わされた平板状第2被締付部が設けられており、第1被締付部および第2被締付部のいずれか一方に、その他方を締付けた締付部が設けられている請求項1〜12のいずれか1つに記載のレールの防音装置。
【請求項16】
遮音カバーが、固定具によってレールに固定されており、固定具が、第1固定部材および第2固定部材を有しており、第1固定部材に、平板状第1被締付部が設けられ、第2固定部材に、第1被締付部に重ね合わされた平板状第2被締付部が設けられており、第1被締付部および第2被締付部が、締付部材によって締付けられている請求項1〜12のいずれか1つに記載のレールの防音装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
この発明は、鉄道のレールから発生する騒音を防止するレールの防音装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のレールの防音装置としては、レールの側面に制振シートが貼付けられており、制振シートが、粘弾性層および拘束層を有する複層制振材よりなるものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
レールの形状や枕木ピッチによって改善し難い周波数がある。例えば、JISE1101に規定される「50kgNレール」で枕木ピッチ「600mm」の場合、1250Hzに改善し難い周波数が現れるが、これを改善する技術が必要であった。
【特許文献1】特開平6−101201号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明の目的は、レールから発生するあらゆる周波数の騒音を防止し、とくに、1250Hz前後においても十分に効果を発揮することのできるレールの防音装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明によるレールの防音装置は、レール表面の所要部分に、吸音マットおよび遮音カバーが内外に被覆されているものである。
【0006】
この発明によるレールの防音装置では、遮音カバーによって多重反射される音は吸音マットによってそのエネルギーが効率よく吸収される。したがって、制振シートだけでは防音し難い1250Hz前後の周波数においても効果的に防音することができる。
【0007】
さらに、レール表面および吸音マット裏面間に制振シートが介在させられていると、制振シートによってかなりの制振効果が得られる。
【0008】
また、レール表面と遮音カバーの周縁部とが隙間なく接触させられていると、音漏れを防ぎ、遮音カバー内の多重反射による吸音効果を一層高めることができる。
【0009】
吸音マットを形成する吸音材の使用量は、特に限定されるものではないが、遮音カバー内の容積の15%以上であることがこのましい。双方が隙間無く接していることにより十分な防音効果が得られるため、吸音材使用量を少なくでき、また規格品の吸音材をそのまま使用できるため加工費を少なくできるため低コスト化がはかれる。
【0010】
また、遮音カバーの周縁部に折曲縁部が設けられており、折曲縁部が、吸音マットの周面に被覆されていると、音漏れを防ぎ、遮音カバー内の多重反射による吸音効果を一層高めることができる。この場合レール表面と折曲縁部が垂直に接するため、より確実に隙間を無くすことができる。
【0011】
また、レール表面および折曲縁部先端間にシーリング部材が介在させられていると、上記音漏れ防止および吸音効果が一層高められる。
【0012】
さらに、遮音カバーが、レール腹部側面上端部からレール底部上面先端部かけて渡された平板状に形成されていると、遮音カバーが単純な形状のため遮音カバーの加工費を少なくでき低コスト化がはかれる。
【0013】
遮音カバーの下縁部が、レール底部下面より上方レベルに位置させられていると、バラスト軌道の施工時にレール底面のバラストを撤去する必要がなく施工時間が短縮でき、またスラブ軌道でレール底面と軌道面の隙間が著しく小さい場合でも施工が可能である。
【0014】
また、遮音カバーが、制振シート機能を有していると、遮音カバー自身の振動による騒音を抑えることができる。
【0015】
また、吸音マット表面および遮音カバー裏面間に制振シートが介在させられていてもよい。
【0016】
また、吸音マットが、繊維状吸音材、樹脂発泡体状吸音材、連続気泡フォーム吸音材、無機多孔質吸音材および無機粒子焼結吸音材の少なくともいずれか1つよりなることが好ましい。吸音効果、取り扱い性を鑑みるとグラスウール、ロックウールなどの繊維状吸
音材、ウレタンフォーム、EPDMフォームなどの樹脂フォーム吸音材がより好ま
しい。
【0017】
また、遮音カバーが、金属板、樹脂板および無機板の少なくともいずれか1つよりなることが好ましい。加工性、長期耐久性、機械的強度を鑑みるとガルバリウム鋼板や溶融亜鉛-アルミニウム-マグネシウム合金メッキ鋼板などの耐食性鋼板を使用することがより好ましい。
【0018】
また、遮音カバーの面密度と厚さは特に限定されるものでは無いが、遮音性、施工時や運搬時に破損しない剛性、施工現場で特殊な工具を使用せず簡単に加工できる加工性、後述する遮音カバーが重なりあうことを鑑みると面密度は0.5〜15kg/m2、厚さは0.1〜2.0mm程度が好ましい。
【0019】
また、遮音カバーの下縁部両端の少なくともいずれか一方に、レール締結部材との干渉を避けるための切欠が形成されていることが好ましい。切欠のサイズ、位置については特に限定されるものではないが、サイズについてはレール締結部材のサイズを鑑みると80〜120mmが好ましい。また一つの遮音カバーにある一つの切欠でレール締結部材をかわしてもよいし、隣り合う二つの遮音カバーにあるそれぞれの切欠を組み合わせてレール締結部材をかわしてもよい。
【0020】
また、遮音カバーの長さは特に限定されるものではないが、枕木間隔毎に一つの遮音カバーを施工すると、一般的な枕木間隔である550〜600mmの現場に対して、遮音カバーの長さは600〜650mmが好ましい。実際の施工現場の枕木間隔のバラツキは50mm程度生じており、550〜600mmの現場に対して600〜650mmとすることで、隣合うカバー同士を重ね合わせることで隙間なく施工することが可能になる。このように遮音カバー同士を重ねることを鑑みても、前述のように遮音カバーの厚みは0.1〜2.0mm程度が好ましい。
【0021】
また、遮音カバーの上周縁部がレール表面と接する位置は、レール頭頂部上面から下側38mmの位置に、水平方向に設けられた建築限界に達しない限り特に限定されないが、レール頭頂部上面から下側42〜62mmの位置でレール表面に接する位置が好ましい。
【0022】
さらに、遮音カバーが、固定具によってレールに固定されており、固定具が、第1固定部材および第2固定部材を有しており、第1固定部材に、平板状第1被締付部が設けられ、第2固定部材に、第1被締付部に重ね合わされた平板状第2被締付部が設けられており、第1被締付部に第1ボルト孔があけられ、第2被締付部に、第1ボルト孔と合致させられた第2ボルト孔があけられており、第1ボルト孔および第2ボルト孔に、締付ボルトのねじ部が第1ボルト孔の側から貫通させられ、ねじ部の、第2ボルト孔から突出した部分にナットがねじはめられ、締付ボルトの頭部の回転を規制する回り止めが第1ボルト孔に近接してに設けられていると、締付ボルトの回転を規制した状態で、ナットを回転させるだけで、ボルトおよびナットによって第1被締付部および第2被締付部が締付られる。ボルトおよびナットをそれぞれ別の工具を用いて締付ける必要が無いので、固定するための作業性が極めて良好である。
【0023】
また、遮音カバーが、固定具によってレールに固定されており、固定具が、第1固定部材および第2固定部材を有しており、第1固定部材に、平板状第1被締付部が設けられ、第2固定部材に、第1被締付部に重ね合わされた平板状第2被締付部が設けられており、第1被締付部にねじ孔があけられ、第2被締付部に、ねじ孔と合致させられたボルト孔があけられており、締付ボルトのねじ部が、ボルト孔を通してねじ孔にねじ入れられていると、ナットを用いることなく、ボルトを工具で回転させるだけで、第1被締付部および第2被締付部を締付けることができる。
【0024】
また、遮音カバーが、固定具によってレールに固定されており、固定具が、第1固定部材および第2固定部材を有しており、第1固定部材に、平板状第1被締付部が設けられ、第2固定部材に、第1被締付部に重ね合わされた平板状第2被締付部が設けられており、第1被締付部および第2被締付部のいずれか一方に、その他方を締付けた締付部が設けられていると、締付部によって第1被締付部および第2被締付部を締付ることができる。
【0025】
また、遮音カバーが、固定具によってレールに固定されており、固定具が、第1固定部材および第2固定部材を有しており、第1固定部材に、平板状第1被締付部が設けられ、第2固定部材に、第1被締付部に重ね合わされた平板状第2被締付部が設けられており、第1被締付部および第2被締付部が、締付部材によって締付けられていると、締付部材によって第1被締付部および第2被締付部を締付ることができる。
【発明の効果】
【0026】
この発明によれば、あらゆる帯域の周波数、とくに、制振シートだけでは防音し難い1250Hz前後の周波数においても効果的に防音することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
この発明の実施の形態を図面を参照しながらつぎに説明する。
【0028】
<実施の形態1>
レールRは、上から下にかけて順次連なる頭部Rt、腹部Rwおよび底部Rbよりなる。腹部Rwの左右両側面から底部Rb上面にかけて、左右一対の防音装置が装備されている。両防音装置は、左右の向きは異にするが、同一構造のものである。以下、右側の防音装置について、説明する。
【0029】
図1および図2に示す実施の形態1による防音装置は、内側から順に層をなして重ね合わされている主制振シート11、吸音マット12、副制振シート13および遮音カバー14によって構成されている。遮音カバー14の表面上を2つの水平帯状補助制振シート15が互いに平行にのびている。
【0030】
主制振シート11は、レールRの腹部Rw右側面からその底部Rb上面にそって拡がるように略断面L字をなすように成形されたもので、制振樹脂層21および拘束層22よりなる2層構造のものである。制振樹脂層21の裏面側がレールRの同両面に接着剤を用いて貼り合わせられている。制振樹脂層21に粘着性がある場合、主制振シート11の貼り合せのために、接着剤を用いなくても良い。また、主制振シート11は、制振樹脂層21および拘束層22の組み合わせに限定されることはなく、損失係数が0.1以上となるものであればよい。
【0031】
制振樹脂層21は、高密度ポリエチレンを水懸濁法により後塩素化して得た塩素化ポリエチレン(重量平均分子量50万、塩素含量40重量%、DSC法によって測定した結晶化度10J/g)100重量部と、塩素化パラフィン(味の素ファインケミカル社製、商品名「エンパラ「K50」)、塩素含量50重量%、数平均炭素数14)400重量部と、炭酸カルシウム(丸尾カルシウム社製、商品名「R重炭」)400重量部とをロール練り機を用いて120℃で混練し、得られた樹脂混練物を140℃でプレスして、厚さ1.0mmのシートに成形したものである。
【0032】
拘束層22は、厚さ0.7mmのアルミ板よりなり、これを、制振樹脂層21にその粘着性を利用して貼り合わせたものである。
【0033】
吸音マット12は、上下2つの分割片31、32よりなる。各分割片31、32は、ウレタン吸音材(セキスイウレタン加工社製、製品名「LBM」、t=10mm)よりなる。上分割片31は、レールRの腹部Rw右側面に対応するように拘束層22の垂直表面に当てられ、下分割片32は、レールRの底部Rbの上面に対応するように拘束層22の傾斜表面に当てられている。
【0034】
副制振シート13は、上下2つの分割片41、42よりなる。これらの分割片41、42は、対応する縁部同士を向き合わせて、吸音マット12の2つの分割片31、32の中央部分をそれぞれ被覆するように並べられている。各分割片41、42は、主制振シート11と表裏は逆であるが、主制振シート11と同一構造の制振樹脂層21および拘束層22よりなる。制振樹脂層21の側が遮音カバー14の裏面に貼り付合わされている。
【0035】
吸音マット12の裏面側は、その全体が主制振シート11によって被覆されているが、その表面側は、約70%だけが副制振シート13によって被覆されている。遮音カバー14に対しては、副制振シート13の面積は多いほど騒音を抑える効果は高くなるが、その効果は約70%程度で頭打ちとなるため、費用対効果を考慮して約70%程度が望ましい。
【0036】
遮音カバー14は、ガルバニウムメッキSPC鋼板(厚さ0.35mm、面密度2.73kg/m)製のもので、腹部カバー部51および底部カバー部52よりなる。腹部カバー部51および底部カバー部52は、主制振シート11のなす横断面L字と同様のL字をなすように屈曲状に折曲げ成形されたものである。また、遮音カバー14のレール長さ方向の長さは、650mmである。
【0037】
腹部カバー部51の上縁部には上部折曲縁部61が設けられている。腹部カバー部51の両側部には一対の上測部折曲縁部62が設けられている。底部カバー部52の両側部には一対の下測部折曲縁部63が設けられている。底部カバー部52の下縁部には下部折曲縁部64が設けられている。これらの折曲縁部61〜64によって、主制振シート11、吸音マット12、副制振シート13の周面の対応する部分が被覆されている。
【0038】
全ての折曲縁部61〜64の先端部には弾性材製横断面略U字状パッキン71がそれぞれはめ被せられている。これらのパッキン71は、レール表面および折曲縁部61〜64先端部の対応する部分に介在させられて、音漏れを防止するシーリング部材の機能を果たすようになっている。また、パッキン71に代えて、コーキング材やテープ等によって音漏れを防止するようにしてもよい。
【0039】
補助制振シート15は、副制振シート13と同様に、主制振シート11と同一構造の制振樹脂層21および拘束層22よりなる。制振樹脂層21の側が遮音カバー14表面に張り合わされている。
【0040】
上記防音装置における吸音材の充填率、すなわち、遮音カバー14の内容積に対する吸音材の占有容積は、50%である。
【0041】
上記防音装置の組立方は以下の通りである。レールRに主制振シート11を貼り付ける。遮音カバー14の裏面に副制振シート13を、その表面に補助制振シート15をそれぞれ貼り付ける。遮音カバー14の各折曲縁部61〜64の内側に吸音マット12をはめ込んで、吸音マット12が主制振シート11の上に重なるように遮音カバー14をレールRに固定する。遮音カバー14の固定には、図示しないクランプまたはアルミテープ等を用いても良い。
【0042】
<実施の形態2>
図3に示す実施の形態2による防音装置は、内側から順に層をなして重ね合わされている吸音マット111、制振シート112および遮音カバー113によって構成されている。
【0043】
吸音マット111は、レール腹部Rw側面高さの中程からレール底部Rb上面幅方向中央にかけて渡されている。この吸音マット111の材料は、実施の形態1の吸音マット12と同一材料のものではなく、EPDM発砲体、(株)東洋クオリティワン社製「シルーラ」、厚み20mmのものである。図3において、吸音マット111は、横断面長方形ではなく、レールRとの接触部分において、長方形から切取られたように示されているが、これは、レールRに押圧されることにより、圧縮させられるように押し潰されたことによって形成されたものである。
【0044】
制振シート112は、遮音カバー113裏面に貼り合わされた制振樹脂層121と、吸音マット111表面に重ね合わされかつ制振樹脂層121に貼り合わされた拘束層122とよりなる。これらの制振樹脂層121および拘束層122の材料、成形方法等は、実施の形態1の場合と同じである。
【0045】
遮音カバー113は、実施の形態1の場合のように、横断面略L字状に形成されたものではなく、方形平板状のものであって、レール腹部Rw側面高さの上端近くからレール底部Rb上面先端近くにかけて渡されている。遮音カバー113の材質は、実施の形態1のガルバニウムメッキSPC鋼板であるが、その厚み0.8mm、面密度6.24kg/mである。長さは、実施の形態1の場合と同様に、650mmである。
【0046】
この実施の形態2による場合、吸音材の充填率は、30%で、実施の形態1の場合よりも小さくなっている。
【0047】
図4を参照すると、防音装置をレールRに設置した例が示されている。遮音カバー113は隣り合うもの同士接するように連続して並べられている。枕木Mの上にレールRは締結部材Tによって固定され、レールRに遮音カバー113が固定具Sによって固定されている。遮音カバー113の上下縁部は、レールRの対応部分と密に接触させられて押圧されている。遮音カバー113の下縁部両端には切欠131がそれぞれ形成されている。この切欠131によって、締結部材Tと遮音カバー113の干渉が避けられるようになっている。
【0048】
図5に、固定具Sの具体例が示されている。固定具は、第1固定部材201および第2固定部材202を有している。第1固定部材201は、略V字板状のもので、左側の遮音カバー113の外側面からレールRの底面にかけての部分に当接させられている。第2固定部材202は、帯板状のもので、左側の遮音カバー113の外側面に当接させられている。第1固定部材201の右縁部に、平板状第1被締付部211が設けられている。第2固定部材202の右縁部に、第1被締付部211に重ね合わされた平板状第2被締付部212が設けられている。第1被締付部211に2つの第1ボルト孔231が左右に並んであけられている。第2被締付部212に、両第1ボルト孔231と合致させられた2つの第2ボルト孔232があけられている。第1ボルト孔231および第2ボルト孔232に、締付ボルト241のねじ部242が第1ボルト孔231の下側から貫通させられている。締付ボルト241の頭部243の回転を規制する回り止め244が第1ボルト孔231周縁部下面に設けられている。回り止め244は、垂下板状のもので、図6に示すように、締付ボルト241の頭部243の外周平坦面に僅かな隙間をおいたところに位置させられている。ねじ部242の、第2ボルト孔232から上方に突出した部分にナット245がねじはめられている。
【0049】
第1ボルト孔231および第2ボルト孔232に締付ボルト241のねじ部242を通し、回り止め244に対し締付ボルト241の頭部243の外周平坦面を相対させておけば、締付ボルト241は回転できないため、ナット245だけを回転させて、締付ボルト241およびナット245によって、第1被締付部211および第2締付部を締付ければよい。
【0050】
図7は、締付ボルト241およびナット245に代わる締付手段の他の例を示すものである。第1被締付部211にねじ孔251があけられている。第2被締付部212に、ねじ孔251と合致させられたボルト孔252があけられている。締付ボルト241のねじ部242が、ボルト孔252を通してねじ孔251にねじ入れられている。
【0051】
図8および図9は、締付手段のさらなる他の例を示すものである。この例では、第2固定部材202は、バネ材によって形成されている。第1被締付部211の右縁部には上方突出垂直板状ストッパ261が設けられている。第2被締付部212のレール長さ方向両縁部にはこれと一体的に一対の垂下状締付部262がそれぞれ設けられている。両締付部262は、第1被締付部211をレール長さ方向から抱きかかえるように挟み付けて締付解除自在に締付ている。
【0052】
図10および図11は、締付手段のさらなる他の例を示すものである。この例では、図8および図9に示す締付部262に代わり、別部材であるバネ材よりなる締付部材271が用いられている。締付部材271は、略下向きコ字状のもので、第1被締付部211および第2被締付部212に上側から被せられて第1被締付部211および第2被締付部212をレール長さ方向から抱きかかえるように挟み付けて締付解除自在に締付ている。
【0053】
図12および図13は、締付手段のさらなる他の例を示すものである。この例では、図10および図11に示す締付部材271に代わり、同じようにバネ材製ではあるが、別の締付部材281が用いられている。第1被締付部211の下面には下向き抜止用条溝282が形成されている。第2被締付部212の上面には上向き抜止用条溝283が形成されている。この例による締付部材281は、略左向きコ字状のものである。締付部材281の開口縁部には一対の係合突条284が対向状に設けられている。締付部材281は、第1被締付部211および第2被締付部212に右側から被せられて第1被締付部211および第2被締付部212を上下から抱きかかえるように挟み付けて締付解除自在に締付ている。両条溝282、283には係合突条284がはめ入れられ、これにより、締付部材281の抜け止めが果たされている。
【0054】
上記構成の防音装置を用いて、防音検査を行った。枕木スパン600mm、50NレールRを振動スピーカでピンクノイズを出力して加振する。振動スピーカからの直接音の影響を防ぐため、加振点から2m離れた場所でレールRの腹部Rwから100mmの場所にマイクロフォンを置き、騒音レベルを測定した。
【0055】
比較例として、冒頭の従来技術の項に説明した本願の主制振シート11と対応する制振シートだけを用いた防音装置についても測定した。何も防音対策をしていない未対策レールについて測定した場合からの、本願実施例1の防音装置と、本願実施例2の防音装置について、騒音レベルの低減量を測定した。
【0056】
測定結果を図14に示す。図14からあきらかなように、比較例の防音装置よりも、本願実施例1および2の防音装置によれば、周波数のほぼ全領域において、騒音レベル低下量が大であることがわかる。とくに、その低減効果は、1000〜1250Hzの領域で顕著である。
【0057】
上記実施の形態1において、レール表面に制振シートが貼り付けられている例が示されているが、この制振シートは無くても良い。
【0058】
また、遮音カバーの表裏両面に制振シートが貼り付けられている例が示されているが、制振シートは遮音カバーの表裏両面のいずれかだけにあっても良い。さらに、遮音カバーそのものを制振シートで形成するようにしてもよい。
【0059】
さらに、注目すべきことは、上記防音装置は、レールRの腹部Rw右側面からその底部Rb上面にかけての部分にだけ装備されていて、レール底部の下面には装備されていない。防音効果を考慮すると、レール底部の下面には防音装置は必要がないからである。もし仮に、レール底部の下面には防音装置を装備すると、防音装置の施工時に、レール下のバラストを掻き出す必要があり、枕木の間隔が短い場所には取付けることができなくなり、不便を来すことになる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】この発明の実施の形態1による防音装置の斜視図である。
【図2】同装置の垂直横断面図である。
【図3】同実施の形態2による防音装置の垂直横断面図である。
【図4】同実施の形態2による防音装置の設置状態を示す側面図である。
【図5】同実施の形態2による防音装置の固定具を示す断面図である。
【図6】図5の一部を拡大して示す断面図である。
【図7】図6とは別の締付手段を示す断面図である。
【図8】さらなる他の締付手段を示す分解斜視図である。
【図9】図8の分解状態を組立状態で示す斜視図である。
【図10】さらなる他の締付手段を示す分解斜視図である。
【図11】図10の分解状態を組立状態で示す斜視図である。
【図12】さらなる他の締付手段を示す分解斜視図である。
【図13】図10の分解状態を組立状態で示す斜視図である。
【図14】同両装置による騒音低減効果を示すグラフである。
【符号の説明】
【0061】
11 制振シート
12 吸音マット
14 遮音カバー
R レール




 

 


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