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発明の名称 遮音二重床構造
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−205152(P2007−205152A)
公開日 平成19年8月16日(2007.8.16)
出願番号 特願2006−163419(P2006−163419)
出願日 平成18年6月13日(2006.6.13)
代理人 【識別番号】100082670
【弁理士】
【氏名又は名称】西脇 民雄
発明者 星野 毅
要約 課題
施工が容易で、吸音が必要とされる音域に合わせた吸音特性に、容易に調整出来、遮音性能の良好な遮音二重床構造を提供する。

解決手段
建物20の床部21に設けられる床スラブ1と、床スラブ1の上面1aから上方へ、所定の間隔を置いて敷設される床面3とを有する遮音二重床構造であって、前記床スラブ1の上面1aに、ダイナミックダンパ16を載置した遮音二重床構造である。
特許請求の範囲
【請求項1】
建物の床部に設けられる床スラブと、該床スラブの上面から上方へ、所定の間隔を置いて敷設される床面とを有する遮音二重床構造であって、
前記床スラブの上面に、ダイナミックダンパを載置したことを特徴とする遮音二重床構造。
【請求項2】
前記ダイナミックダンパは、振動を検知するセンサと、該検知された振動に基づいて、最適な制御力を演算する演算部と、所定の重量を有する可動マスと、該可動マスを前記振動を打ち消す方向に移動させて、該振動を減衰させる駆動装置とを有することを特徴とする請求項1記載の遮音二重床構造。
【請求項3】
前記ダイナミックダンパは、所定の重量を有する可動マスを、厚板鋼板によって構成すると共に、該厚板鋼板を、減衰ゴムによって支持したことを特徴とする請求項1又は2記載の遮音二重床構造。
【請求項4】
前記ダイナミックダンパは、有効に振動を減衰させることが出来る振動域が、44Hz〜177Hzとなるように、固有振動数が調整されていることを特徴とする請求項1乃至3のうち、何れか一項記載の遮音二重床構造。
【請求項5】
前記ダイナミックダンパは、固有振動数が、約40Hzとなるように調整されていることを特徴とする請求項1乃至4のうち、何れか一項記載の遮音二重床構造。
【請求項6】
前記床スラブが複数個の梁部材の上部に複数個のALCパネルを架設して設けたものとなっていることを特徴とする請求項1乃至5のうち、何れか一項記載の遮音二重床構造。
【請求項7】
前記床スラブを構成する前記ALCパネル1枚につき1箇所のダイナミックダンパを設けることを特徴とする請求項6記載の遮音二重床構造。
【請求項8】
前記ダイナミックダンパは、前記床スラブの下面側に位置する複数の梁部材同士の間に設けられていることを特徴とする請求項1乃至5のうち、何れか一項記載の遮音二重床構造。
【請求項9】
前記ダイナミックダンパは、前記床スラブを構成する前記ALCパネルの略中央部に設けられていることを特徴とする請求項1乃至6のうち、何れか一項記載の遮音二重床構造。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の床衝撃音、特に下階への床衝撃音を低減させる遮音二重床構造に関し、主に木造、鉄骨造、RC造、又はSRC造の建物で、2重床構造の浮き床等に用いて好適な遮音二重床構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から遮音二重床構造として、図7に示すように、建物の床スラブ1の上面に、支持束部材2…を介して、床面3が支持されているいわゆる二重床構造に適用されるものが知られている(例えば、特許文献1等参照)。
【0003】
このようなものでは、下部に防振ゴムの設けられた支持束部材2に加えて、前記床スラブ1の上面に、平板状の吸音部材4が敷設されている。 この吸音部材4には、前記各支持束部材2,2を挿通する貫通孔4a,4aが、上下面を貫通するように開口形成されている。
【0004】
また、図8に示すようなダイナミックダンパ6を、床面3の下方に位置する梁部材5に装着するものも知られている(例えば、特許文献2等参照)。
【0005】
このようなものでは、前記ダイナミックダンパ6が、所定の質量を有するマス6aと、バネ系を構成するゴム部6bとから主に構成されている。
【0006】
そして、略L字状断面を有する金属製の取付ブラケット部材7によって、前記梁部材5に固定されている。
【0007】
更に、図9に示すように、床スラブ1と、床面3との間を連結するダンパ部材8が設けられたものも知られている(例えば、特許文献3等参照)。
【0008】
このようなものでは、前記ダンパ部材8のダンパ本体8aが、ゴム部材等で構成されることにより、床衝撃音レベル、特に重量床衝撃音レベルを低下させることができる。
【0009】
そして、図10に示すように、床スラブ1の上面に、複数の防振支持脚部材9…を介して、床部材10が設置されているものも知られている(例えば、特許文献4等参照)。
【0010】
このようなものでは、複数のパーティクルボード11a…からなるパーティクルボード層11を、硬質繊維板層12で連結して、交互に積層することにより、最上面側のフローリング層13の裏面に設けられた制振シート層14が介装されて、構成されている。
【特許文献1】特許公開2002−227393号公報(0010段落乃至0021段落、図1)
【特許文献2】特許公開2004−3280号公報(0011段落乃至0015段落、図1)
【特許文献3】特許公開2002−4554号公報(0009段落乃至0024段落、図1)
【特許文献4】特許公開2005−325598号公報(0016段落乃至0044段落、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、このように構成された前記図7に示すような従来の遮音二重床構造では、床スラブ1の上面に、吸音部材4が載置されて、振動を吸収するように構成されているため、特に重量床衝撃音に対する静音性能が十分であるとは言い難く、遮音性能の向上効果が十分ではなかった。
【0012】
また、前記図8に示すような従来の遮音二重床構造では、ダイナミックダンパ6が、前記梁部材5に固定されている為、低音域においての太鼓現象の抑制効果が少ない。
【0013】
そして、梁部材5に、このダイナミックダンパを固定する際に、略L字状断面を有する専用の金属製の取付ブラケット部材7が、必要となり、部品点数が増大してしまうといった問題があった。
【0014】
又、RC造、SRC造等のコンクリート梁材に固定する場合には、更に、取付が困難であった。
【0015】
更に、前記図9に示すような従来の遮音二重床構造では、床スラブ1と、床面3との間の空間の間隔を一定に保持する為に、支持束部材2…の高さ方向の調整と共に、前記ダンパ部材8も高さ方向の調整を行わなければならないといった問題があった。
【0016】
このため、施工作業性が良好であるとは言い難かった。
【0017】
また、前記図10に示すような従来の遮音二重床構造では、前記床部材10を構成するフローリング層13の裏面側に、前記制振シート層14を介在させて、パーティクルボード層11及び、硬質繊維板層12が、交互に積層されている。
【0018】
このため、施工後若しくは施工時に、フローリング層13の裏面側に、これらの制振シート層14等を略全面に渡って貼設することは困難である。従って、予め、制振シート層14等が設けられた床部材10を用意しなければならず、製造コストが増大してしまう虞があった。
【0019】
そこで、この発明は、施工が容易で、吸音が必要とされる音域に合わせた吸音特性に、容易に調整出来、遮音性能の良好な遮音二重床構造を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明は、建物の床部に設けられる床スラブと、該床スラブの上面から上方へ、所定の間隔を置いて敷設される床面とを有する遮音二重床構造であって、前記床スラブの上面に、ダイナミックダンパを載置した遮音二重床構造を特徴としている。
【0021】
また、請求項2に記載されたものは、前記ダイナミックダンパは、振動を検知するセンサと、該検知された振動に基づいて、最適な制御力を演算する演算部と、所定の重量を有する可動マスと、該可動マスを前記振動を打ち消す方向に移動させて、該振動を減衰させる駆動装置とを有する請求項1記載の遮音二重床構造を特徴としている。
【0022】
更に、請求項3に記載されたものは、前記ダイナミックダンパは、所定の重量を有する可動マスを、厚板鋼板によって構成すると共に、該厚板鋼板を、減衰ゴムによって支持した請求項1又は2記載の遮音二重床構造を特徴としている。
【0023】
また、請求項4に記載されたものは、前記ダイナミックダンパは、有効に振動を減衰させることが出来る振動域が、44Hz〜177Hzとなるように、固有振動数が調整されている請求項1乃至3のうち、何れか一項記載の遮音二重床構造を特徴としている。
【0024】
更に、請求項5に記載されたものは、前記ダイナミックダンパは、固有振動数が、約40Hzとなるように調整されている請求項1乃至4のうち、何れか一項記載の遮音二重床構造を特徴としている。
【0025】
そして、請求項6に記載されたものは、前記床スラブが複数個の梁部材の上部に複数個のALCパネルを架設して設けたものとなっている請求項1乃至5のうち、何れか一項記載の遮音二重床構造を特徴としている。
【0026】
また、請求項7に記載されたものは、前記床スラブを構成する前記ALCパネル1枚につき1箇所のダイナミックダンパを設ける請求項6記載の遮音二重床構造を特徴としている。
【0027】
さらに、請求項8に記載されたものは、前記ダイナミックダンパは、前記床スラブの下面側に位置する複数の梁部材同士の間に設けられている請求項1乃至5のうち、何れか一項記載の遮音二重床構造を特徴としている。
【0028】
また、請求項9に記載されたものは、前記ダイナミックダンパは、前記床スラブを構成する前記ALCパネルの略中央部に設けられている請求項1乃至6のうち、何れか一項記載の遮音二重床構造を特徴としている。
【発明の効果】
【0029】
このように構成された請求項1記載のものは、施工時、床面を敷設する前に、前記床スラブの上面に、前記ダイナミックダンパを載置するだけでよいので、施工が容易である。
【0030】
また、前記床面の裏面側の略全域に、遮音シート層を貼設して設けなければならないものや、専用の取付ブラケット部材が必要となるものに比して、前記床スラブの上面の一部に、前記ダイナミックダンパを載置するだけでよいので、作業姿勢に無理が無く、載置後も、床スラブの上面を作業者は、歩いて行き来、出来るので、施工順序の自由度が向上する。
【0031】
更に、専用の取付ブラケット部材等が不要で、部品点数が増大することなく、製造コストが削減される。
【0032】
また、請求項2に記載されたものは、前記センサで振動が検知されると、該検知された振動に基づいて、前記演算部によって、最適な制御力が演算される。
【0033】
前記駆動装置は、この演算された制御力によって、前記振動を減衰させるように、前記可動マスを、該振動を打ち消す方向に移動させる。
【0034】
従って、効率的に、所望の振動領域の振動を減衰させて、消音性能を良好なものとすることができる。
【0035】
更に、請求項3に記載されたものは、前記厚板鋼板の形状、数量及び質量と、前記減衰ゴムの弾性を調整することにより、容易に、所望の固有振動数及び減衰させる振動領域を、調整して設定できる。
【0036】
また、請求項4に記載されたものは、前記ダイナミックダンパが、有効に振動を減衰させることが出来る振動域が、44Hz〜177Hzとなるように、固有振動数が調整されている。
【0037】
このため、下階に伝達される際に最も抑制が所望される重量衝撃音域の振動が、抑制されて、更に、有効な消音性能を得ることができる。
【0038】
更に、請求項5に記載されたものは、前記ダイナミックダンパの固有振動数が、約40Hzとなるように調整されている。このため、有効に振動を減衰させることが出来る振動域が、約30Hz〜177Hzとなるように設定されて、下階に伝達される際に最も抑制が所望される重量衝撃音域の振動が、抑制されて、更に、有効な消音性能を得ることができる。
【0039】
また、請求項6に記載されたものは、前記梁部材の上部にALCパネルを架設することで、容易に床スラブが構築できる。
【0040】
更に、前記ALCパネルが、発泡によって形成される複数の気泡を有する場合、これらの気泡が、衝撃音を吸収する役割を果たし、足音や飛び音、ドアの開閉音などの上,下階の騒音などの遮音性能を向上させることが出来る。
【0041】
そして、前記ALCパネルが、高断熱性を有するので、上,下階での冷暖房のロスを抑制することができる。
【0042】
更に、請求項7に記載されたものは、ALCパネル1枚につき1箇所、前記ダイナミックダンパを設けることにより、規則的な配置が容易であり、又、各ALCパネル自身の微振動についても抑制することができる。
【0043】
そして、請求項8に記載されたものは、前記ダイナミックダンパが、前記床スラブの上面で、しかも、下面側に位置する複数の梁部材の中間位置に設けられている。
【0044】
このため、面内,外方向に振幅の大きい部分で振動を減衰させることが出来、低音域においての太鼓現象の抑制効果を充分に得られる。
【0045】
また、請求項9に記載されたものは、前記ダイナミックダンパが、前記床スラブを構成するALCパネルの中央部に設けられている。
【0046】
このため、該ALCパネルの面内,外方向に振幅の大きい部分で、振動を減衰させることが出来、低音域においての太鼓現象の抑制効果を充分に得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0047】
次に、図1及び図2に基づいて、この発明を実施するための最良の実施の形態の遮音二重床構造について説明する。
【0048】
なお、前記従来例と同一乃至均等な部分については、同一符号を付して説明する。
【0049】
まず、遮音二重床構造の構成から説明すると、この実施の形態では、図1に示すように、建物20の床部21には、平板パネル状のRC構造板材によって構成される床スラブ1の下面側に、複数の梁部材5,5が、一定間隔を置いて並設されていて、この床スラブ1の下面側に当接されて、下方からこの床スラブ1を支持するように構成されている。
【0050】
この床スラブ1の上面1a側には、複数の支持束部材2…によって下方から支持されて、上方へ所定の間隔を置いて、床面3が敷設されている。
【0051】
この床面3は、主に、表面側を構成する床仕上げ材としてのフローリング層13と、このフローリング層13の裏面側に設けられるパーティクルボード等からなる浮床層24とを有して構成されている。
【0052】
そして、前記床スラブ1の上面1aに、ダイナミックダンパ16が載置されている。
【0053】
このダイナミックダンパ16は、振動を検知するセンサと、この検知された振動に基づいて、最適な制御力を演算する演算部と、所定の重量を有する可動マスと、この可動マスを前記振動を打ち消す方向に移動させて、この振動を減衰させる駆動装置とを有して主に構成されている。
【0054】
また、この実施の形態のダイナミックダンパ16は、有効に振動を減衰させることが出来る振動域が、44Hz〜177Hzとなるように、固有振動数が調整されている。
【0055】
更に、このダイナミックダンパ16は、前記床スラブ1の下面側に位置する複数の梁部材5,5の中間位置に設けられている。
【0056】
そして、この実施の形態では、前記梁部材5,5の下面側には、下階の天井部を構成する平板パネル状の下階天井部材15が貼設されている。
【0057】
次に、この実施の形態の遮音二重床構造の作用効果について説明する。
【0058】
この実施の形態では、施工時、前記梁部材5,5の上に、床スラブ1を水平に載置して、この床スラブ1の上面1aに複数の支持束部材2…を、所定の間隔を置いて設置する。
【0059】
そして、この支持束部材2…の上に、床面3を敷設する前に、前記床スラブ1の上面1aで、前記床スラブ1の下面側に位置する複数の梁部材5,5同士の間の位置である略中間位置に、前記ダイナミックダンパ16を載置する。
【0060】
このように、前記床スラブ1の上面1aで、前記床スラブ1の下面側に位置する複数の梁部材5,5の中間位置に、前記ダイナミックダンパ16を載置するだけでよいので、従来のように、前記床面3の裏面側の略全域に、遮音シート層14を貼設して設けなければならいものや、専用の取付ブラケット部材7等が必要となるものに比して、作業姿勢に無理が無く、載置後も、床スラブ1の上面1aを作業者は、歩いて行き来、出来るので、施工順序の自由度が向上する。
【0061】
更に、専用の取付ブラケット部材等が不要で、部品点数が増大することなく、製造コストが削減される。
【0062】
しかも、前記支持束部材2…の上に、床面3を敷設することにより、前記床スラブ1との間に形成される空間を利用して、前記ダイナミックダンパ16を設置できるので、スペース効率が良好である。
【0063】
次に、この実施の形態の遮音二重床構造による施工後の遮音動作について説明する。
【0064】
前記センサで、上階の床部21の振動が検知されると、この検知された振動に基づいて、前記演算部によって、最適な制御力が演算される。
【0065】
前記駆動装置は、この演算された制御力によって、前記振動を減衰させるように、前記可動マスを、この振動を打ち消す方向に移動させる。
【0066】
従って、効率的に、所望の振動領域の振動を減衰させて、消音性能を良好なものとすることができる。
【0067】
更に、前記ダイナミックダンパ16が、有効に振動を減衰させることが出来る振動域が、44Hz〜177Hzとなるように、固有振動数が調整されている。
【0068】
このため、下階に伝達される際に最も抑制が所望される重量衝撃音域の振動が、抑制されて、更に、有効な消音性能を得ることができる。
【0069】
また、前記ダイナミックダンパ16が、前記床スラブ1の上面1aで、しかも、下面側に位置する複数の梁部材5,5の中間位置に設けられている。
【0070】
このため、床スラブ1の面内,外方向に振幅の大きい部分で振動を減衰させることが出来ると共に、この実施の形態では、支持束部材2,2間の床パネル部材3の面内,外方向に振幅の大きい部分の真下にも、位置させて、振動を減衰させることが出来、低音域においての太鼓現象の抑制効果を充分に得られる。
【0071】
特に、前記支持束部材2の脚部にゴム製吸音材が用いられているものでは、振動が、このゴム製吸音材の吸音範囲を逸脱して吸音しきれないような大きな重量床衝撃音等であっても、前記ダイナミックダンパ16が、有効にこの重量床衝撃音を吸音して下階への伝播を抑制する。
【0072】
更に、前記支持束部材2…の上に、床面3を敷設することにより、前記床スラブ1との間に空間が形成される二重床構造であれば、前記ダイナミックダンパ16を設置できるので、既設の建物20であっても、床部21の一部を改装することで装着が完了する。
【0073】
従って、既設の建物20の床部21の遮音性能を容易に向上させることが出来る。
【実施例1】
【0074】
図2に示す実験結果では、各梁材間の間隔を、1500〜1800mmとして、並列された梁材上に、ALC(長さ最大2100mm×幅600mm×厚さ100mm)の床スラブ1…を掛け渡し、このALCの上面1aに前記ダイナミックダンパ16を設置すると共に、前記浮床層24としてパーティクルボードに代えて、遮音シートが前記フローリング層13の裏面側に設けられた床面3に、重量衝撃音を加えて、騒音を測定した。
【0075】
測定結果は、ALC(厚さ100mm)の床スラブ1上面1aに前記ダイナミックダンパ16が設置されていないものと比較すると、全ての音域で、遮音性能の向上が確認される。
【実施例2】
【0076】
図3乃至図6は、この発明の実施の形態の実施例2の遮音二重床構造に用いられるダイナミックダンパ26を示すものである。
【0077】
なお、前記実施の形態及び実施例1と同一乃至均等な部分については、同一符号を付して説明する。
【0078】
まず、構成から説明すると、この実施例2のダイナミックダンパ26は、主に、前記ダイナミックダンパは、所定の重量を有する可動マスとしての厚板鋼板27が設けられている。
【0079】
この実施例2の厚板鋼板27は、長さ約50cm×幅約5cm×高さ約7.5cmの直方体形状を呈して、長手方向を略水平方向に沿わせて載置されるように形成されている。
【0080】
この厚板鋼板27の下面側27aには、この厚板鋼板27を弾性支持する一対の減衰ゴム29,29を有する支持台30が、装着されている。
【0081】
すなわち、この厚板鋼板27の下面側27aには、一対のタップ孔27b,27bが、略鉛直上方に向けて、穿設形成されている。
【0082】
また、前記支持台30は、前記一対の減衰ゴム29,29を、厚板鋼板27の長手方向に、図4及び図5に示されるように、一定距離Lだけ離し置きした状態で、上,下側から挟持するマス支持鋼板31及び建物側固定用鋼板32によって、主に構成されている。
【0083】
このうち、前記マス支持鋼板31は、厚さt=1.6mmの鋼板製で、前記一対のタップ孔27b,27bに螺着されるマス固定用ボルト部材33,33が各々挿通されるボルト孔31a,31aが開口形成されている。
【0084】
また、前記建物側固定用鋼板32は、厚さt=1.6mmの鋼板製で、両側縁部32c,32dから取付フランジ部32a,及び32b,32bを各々一体に突設させている。
【0085】
これらの取付フランジ部32a,及び32b,32bには、各々、図3に示すような床部を構成する平板状のALCパネル34の面延設方向のうち、縦,横両方向の中央部上面側34aに、このダイナミックダンパ26を固定するALC専用ビス35…が、各々挿通されるビス孔32e…が開口形成されている。
【0086】
また、この建物側固定用鋼板32の前記タップ孔27b,27bに対応する位置には、図5に示すように、前記マス固定用ボルト部材33,33のボルト頭部33a,33aを挿通可能な大径開口部32f,32fが開口形成されている。
【0087】
この実施例2の遮音二重床構造では、前記厚板鋼板27の形状、数量及び質量と、前記減衰ゴム29,29の弾性が調整されることにより、ダイナミックダンパ26の固有振動数が、約40Hzとなるように調整されていて、制振二重床の振動を、有効に減衰させることが出来る振動域が、約30Hz〜177Hzとなるように設定されている。
【0088】
次に、この実施例2の遮音二重床構造の作用について説明する。
【0089】
この実施例2の遮音二重床構造では、前記実施の形態及び実施例1の作用効果に加えて、更に、図4に示すように、前記厚板鋼板27の下面側27aには、減衰ゴム29,29が設けられた支持台30が、ワッシャ部材36,36を介在させて、前記マス固定用ボルト部材33,33を、前記タップ孔27b,27bに螺着させることにより、マス支持鋼板31を固定して装着されている。
【0090】
そして、図3に示すように、建物の床部を構成する各ALCパネル34の面延設方向の縦,横両方向の中央部上面側34aに、ALC専用ビス35…が用いられて、このダイナミックダンパ26の建物側固定用鋼板32が固定される。
【0091】
この際、前記取付フランジ部32a,32b…は、前記建物側固定用鋼板32の両側縁部32c,32dから一体に突設されているので、上方から容易に、前記ALC専用ビス35…を、ビス孔32e…に各々挿通させて螺着させることが出来る。
【0092】
このため、弾性変形により前記厚板鋼板27を制振支持する前記減衰ゴム29,29が、このダイナミックダンパ26を、ALCパネル34の中央部上面側34aに装着するだけで、前記厚板鋼板27を可動マスとして機能させるように、下方から支持し、制振二重床の振動が、有効に減衰されるように調整された状態となり、略施工が完了するので、複数の各ALCパネル34…に、個別に前記ダイナミックダンパ26が装着される場合でも、施工性が良好である。
【0093】
また、この実施例2のダイナミックダンパ26では、前記厚板鋼板27の形状、数量及び質量と、前記減衰ゴム29の弾性を、変更して調整することにより、容易に、所望の固有振動数及び減衰させる振動領域が、設定される。
【0094】
この実施例2では、前記ダイナミックダンパ26の固有振動数が、約40Hzとなるように調整されている。このため、有効に振動を減衰させることが出来る振動域が、約30Hz〜177Hzとなり、下階に伝達される際に最も抑制が所望される重量衝撃音域の振動が、抑制されて、更に、有効な消音性能を得ることができる。
【0095】
更に、この実施例2では、前記ダイナミックダンパ26が、前記床スラブを構成するALCパネル34の中央部上面側34aに設けられている。
【0096】
このため、このALCパネル34の面内,外方向に振幅の大きい部分で、振動を減衰させることが出来、低音域においての太鼓現象の抑制効果を充分に得られる。
【0097】
前記梁部材の上部にALCパネルを架設することで、容易に床スラブが構築できる。
【0098】
更に、前記ALCパネル34が、発泡によって形成される複数の気泡を有する場合、これらの気泡が、衝撃音を吸収する役割を果たし、足音や飛び音、ドアの開閉音などの上,下階の騒音などの遮音性能を向上させることが出来る。
【0099】
そして、前記ALCパネル34が、高断熱性を有するので、上,下階での冷暖房のロスを抑制することができる。
【0100】
更に、ALCパネル34、1枚につき1箇所、前記ダイナミックダンパ26を設けることにより、規則的な配置が容易であり、又、各ALCパネル34自身の微振動についても抑制することができる。
【0101】
他の構成、及び作用効果については、前記実施の形態及び実施例1と同一乃至均等であるので、説明を省略する。
【0102】
以上、図面を参照して、本発明の実施の形態,実施例1及び実施例2を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施の形態及び実施例1,2に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
【0103】
即ち、前記実施の形態では、建物20に、前記複数の支持束部材2によって、前記浮床24として床パネル部材3が支持されるように構成されているが、特にこれに限らず、大引きや或いは根太、周縁の支持枠によって、前記床パネル部材3が支持されるように構成されていても良く、床スラブ1の上面1aから上方へ、所定の間隔を置いて敷設される床面3であれば、どのような数量、形状及び材質であってもよい。
【0104】
また、この床面3の構成についても、発泡系プラスチックによる構成、ロックウール等の高密度繊維系材料による構成等、形状、積層される材質及び数量が特に限定されるものではなく、床スラブ1上に、床面3が、一定間隔を置いて敷設されるものであればよい。
【0105】
また、前記実施の形態では、建物20の床部21に遮音二重床構造を適用した場合を示して説明してきたが、建物20として、木造、鉄筋造、RC造又は、SRC造及びこれらの混合工法の建物であればよいことは当然である。
【0106】
更に、前記実施の形態では、床部21の床スラブ1が、平板パネル状のRC構造板材によって構成されているが、特にこれに限らず、例えば、軽量気泡コンクリート構造、ボイドスラブ、デッキスラブ、ハーフPC等の合成スラブ等、梁や根太等によって支持される面材であれば、木造、鉄骨造の床面材によって構成されるスラブであってもよい。
【0107】
また、この床部21の床スラブ1を支持する複数の梁部材5,5は、金属製のH型鋼材である場合に限らず、例えば、RC造、SRC造工法等のコンクリート梁材によって、これらの床スラブ1…が支持されるように構成されていてもよい。
【0108】
この場合、前記床スラブ1の上面1aに、ダイナミックダンパ16が載置されるため、前記コンクリート梁材に、ダイナミックダンパ16を取付ける必要が無く、取付けが容易である。
【0109】
そして、この実施の形態では、前記ダイナミックダンパ16が、振動を検知するセンサと、この検知された振動に基づいて、最適な制御力を演算する演算部と、所定の重量を有する可動マスと、この可動マスを前記振動を打ち消す方向に移動させて、この振動を減衰させる駆動装置とを有して主に構成されているが、特にこれに限らず、例えば、マスダンパー等、振動エネルギーを吸収するダイナミックダンパであれば、どのような構成のものであってもよい。
【0110】
また、前記ダイナミックダンパ16に加えて、遮音シートを併用してもよく、遮音シートで遮音しにくい音域の振動を、減衰させるように、前記ダイナミックダンパ16の固有振動数を調整することにより、より効果的に吸音、遮音性能を向上させることが出来る。
【0111】
そして、前記ダイナミックダンパ16が、前記床スラブ1の上面1aで、しかも、下面側に位置する複数の梁部材5,5の中間位置に設けられているが、特に中央である必要は無く、遮音性能を向上させることが出来る位置であれば、一方の梁部材5に近接していても良く、梁部材5,5の中間位置であれば、上面1aのどのような位置であってもよい。
【0112】
更に、前記実施例2では、ダイナミックダンパ26の可動マスとしての厚板鋼板27が、長さ約50cm×幅約5cm×高さ約7.5cmの直方体形状を呈して構成されているが、特にこれに限らず、例えば、複数枚の前記厚板鋼板27…を積層させて用いる等、形状、数量及び材質が特に限定されるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0113】
床衝撃音の遮断性能が要求される建物、例えば、住宅、ホテル、旅館、学校、事務所、店舗、病院、体育館、ホール等で、二重床構造の建築物であるならば、どのような建築物であっても適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【図1】本発明の実施の形態の遮音二重床構造の構成を説明し、建物の上階と下階との間に位置する床部及び下階天井部の縦断面図である。
【図2】本発明の実施の形態の実施例1の遮音二重床構造の消音実験の結果を示し、グラフ中、実線が、ALC(厚さ100mm)の床スラブ上面にダイナミックダンパを設置して、重量床衝撃音を加えて、騒音を測定した結果を表し、一点鎖線が床スラブ上面にダイナミックダンパを設置せずに、重量床衝撃音を加えて、騒音を測定した結果を表すグラフ図である。
【図3】本発明の実施の形態の実施例2の遮音二重床構造を説明し、ALCパネルにダイナミックダンパを装着する様子を示す分解斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態の実施例2の遮音二重床構造に用いるダイナミックダンパの正面図である。
【図5】本発明の実施の形態の実施例2の遮音二重床構造に用いるダイナミックダンパの下面図である。
【図6】本発明の実施の形態の実施例2の遮音二重床構造に用いるダイナミックダンパの側面図である。
【図7】従来例の遮音二重床構造を示す分解斜視図である。
【図8】他の従来例の遮音二重床構造を示す分解斜視図である。
【図9】一従来例の遮音二重床構造を示す床部の縦断面図である。
【図10】その他の従来例を示す遮音二重床構造で、要部の構成を説明する床部の縦断面図である。
【符号の説明】
【0115】
1 床スラブ
1a 上面
3 床面
16,26 ダイナミックダンパ
20 建物
21 床部
27 厚板鋼板(可動マス)
29 減衰ゴム
30 支持台
34 ALCパネル
34a 中央部上面側




 

 


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