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発明の名称 ユニット建物
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−197947(P2007−197947A)
公開日 平成19年8月9日(2007.8.9)
出願番号 特願2006−15668(P2006−15668)
出願日 平成18年1月24日(2006.1.24)
代理人 【識別番号】100081385
【弁理士】
【氏名又は名称】塩川 修治
発明者 嶋崎 征寛
要約 課題
柱省略した広い連続空間を形成するユニット建物において、継ぎ天井梁同士を強固に接合し、柱省略に起因する強度低下を確実に補強すること。

解決手段
ユニット建物1において、相隣る建物ユニットのうちの一方側の建物ユニット20Aの継ぎ天井梁21の側から他方側の建物ユニット20Bの継ぎ天井梁21の側に延在する継ぎ材31、41をそれらの継ぎ天井梁21のウエブとフランジに添設し、建物ユニット20Aの継ぎ天井梁21の側から建物ユニット20Bの継ぎ天井梁21の側に延在する補強梁50をそれらの継ぎ天井梁21に添設し、補強梁50の一端側を建物ユニット20Aの柱まわりに接合し、補強梁50の他端側を建物ユニット20Bの柱まわりに接合するもの。
特許請求の範囲
【請求項1】
柱と梁を箱形に接合した建物ユニットを隣接設置して構築されるユニット建物において、
相隣る複数の建物ユニットのそれぞれに定めた柱省略コーナー部を柱省略接合部にて互いに突き合せ配置し、
相隣る建物ユニットの柱省略接合部を含む同一面内で該柱省略コーナー部に交差配置されている天井梁を継ぎ天井梁とし、
相隣る建物ユニットのうちの一方側の建物ユニットの継ぎ天井梁の側から他方側の建物ユニットの継ぎ天井梁の側に延在する継ぎ材の垂直板と水平板をそれらの継ぎ天井梁のウエブとフランジに添設し、継ぎ材の一端側を一方側の建物ユニットの継ぎ天井梁に接合し、継ぎ材の他端側を他方側の建物ユニットの継ぎ天井梁に接合し、
相隣る建物ユニットのうちの一方側の建物ユニットの継ぎ天井梁の側から他方側の建物ユニットの継ぎ天井梁の側に延在する補強梁をそれらの継ぎ天井梁のウエブに添設し、補強梁の一端側を一方側の建物ユニットの柱まわりに接合し、補強梁の他端側を他方側の建物ユニットの柱まわりに接合することを特徴とするユニット建物。
【請求項2】
前記継ぎ材が前記継ぎ天井梁のウエブとフランジの外面に添設される請求項1に記載のユニット建物。
【請求項3】
前記継ぎ天井梁における前記継ぎ材の水平板が添設されるフランジの内面に、補助継ぎ板を添設し、それらの継ぎ材と補助継ぎ板を該継ぎ天井梁のフランジにボルト接合してなる請求項2に記載のユニット建物。
【請求項4】
前記補強梁を前記継ぎ天井梁に添設される継ぎ材の垂直板の上から該継ぎ天井梁のウエブに添設し、
補強梁のうちで継ぎ材の垂直板に重ならない面と、継ぎ天井梁のウエブとの間に、該継ぎ材の垂直板と同一板厚のスペーサを介装してなる請求項1〜3のいずれかに記載のユニット建物。
【請求項5】
前記補強梁に前記スペーサを溶接してなる請求項4に記載のユニット建物。
【請求項6】
前記継ぎ天井梁の下フランジ側に添設される継ぎ材と、前記補強梁に溶接されるスペーサとを、該継ぎ天井梁の長手方向における同一位置に配置してなる請求項5に記載のユニット建物。
【請求項7】
前記補強梁に前記継ぎ材を溶接してなる請求項1〜6のいずれかに記載のユニット建物。
【請求項8】
前記柱省略接合部を含む同一面内に前記継ぎ天井梁を有するように相隣る建物ユニットの組を2組有し、
一方の組を構成するように相隣る建物ユニットと他方の組を構成するように相隣る建物ユニットとの間に一定の据付間隔を設け、
2組の相隣る建物ユニットに対し前記補強梁を共通にし、該補強梁を2組の相隣る建物ユニットの据付間隔内に配置した請求項1〜7のいずれかに記載のユニット建物。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明はユニット建物に関する。
【背景技術】
【0002】
ユニット建物として、特許文献1に記載の如く、柱と梁を箱形に接合した建物ユニットを隣接設置して構築されるユニット建物において、相隣る複数の建物ユニットのそれぞれに定めた柱省略コーナー部を柱省略接合部にて互いに突き合せ配置し、相隣る建物ユニットの柱省略接合部を含む同一面内で該柱省略コーナー部に交差配置されている天井梁を継ぎ天井梁とし、相隣る建物ユニットのうちの一方側の建物ユニットの継ぎ天井梁の側から他方側の建物ユニットの継ぎ天井梁の側に延在する継ぎ材の垂直板と水平板をそれらの継ぎ天井梁のウエブとフランジに添設し、継ぎ材の一端側を一方側の建物ユニットの継ぎ天井梁に接合し、継ぎ材の他端側を他方側の建物ユニットの継ぎ天井梁に接合するものがある。柱省略した広い連続空間を形成するユニット建物において、相隣る建物ユニットの継ぎ天井梁の突き合せ端部同士をそれら継ぎ天井梁のウエブとフランジに添設する継ぎ材により接合することにより、継ぎ天井梁同士を簡易に接合できる。
【特許文献1】特開2005-248689
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1のユニット建物では、継ぎ天井梁の突き合せ端部同士をそれら継ぎ天井梁のウエブとフランジに添設する継ぎ材により接合するものであり、継ぎ天井梁同士の接合強度の向上に限界があり、柱省略したユニット建物の補強効果の向上に困難がある。
【0004】
本発明の課題は、柱省略した広い連続空間を形成するユニット建物において、継ぎ天井梁同士を強固に接合し、柱省略に起因する強度低下を確実に補強することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明は、柱と梁を箱形に接合した建物ユニットを隣接設置して構築されるユニット建物において、相隣る複数の建物ユニットのそれぞれに定めた柱省略コーナー部を柱省略接合部にて互いに突き合せ配置し、相隣る建物ユニットの柱省略接合部を含む同一面内で該柱省略コーナー部に交差配置されている天井梁を継ぎ天井梁とし、相隣る建物ユニットのうちの一方側の建物ユニットの継ぎ天井梁の側から他方側の建物ユニットの継ぎ天井梁の側に延在する継ぎ材の垂直板と水平板をそれらの継ぎ天井梁のウエブとフランジに添設し、継ぎ材の一端側を一方側の建物ユニットの継ぎ天井梁に接合し、継ぎ材の他端側を他方側の建物ユニットの継ぎ天井梁に接合し、相隣る建物ユニットのうちの一方側の建物ユニットの継ぎ天井梁の側から他方側の建物ユニットの継ぎ天井梁の側に延在する補強梁をそれらの継ぎ天井梁のウエブに添設し、補強梁の一端側を一方側の建物ユニットの柱まわりに接合し、補強梁の他端側を他方側の建物ユニットの柱まわりに接合するようにしたものである。
【0006】
請求項2の発明は、請求項1の発明において更に、前記継ぎ材が前記継ぎ天井梁のウエブとフランジの外面に添設されるようにしたものである。
【0007】
請求項3の発明は、請求項2の発明において更に、前記継ぎ天井梁における前記継ぎ材の水平板が添設されるフランジの内面に、補助継ぎ板を添設し、それらの継ぎ材と補助継ぎ板を該継ぎ天井梁のフランジにボルト接合してなるようにしたものである。
【0008】
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれかの発明において更に、前記補強梁を前記継ぎ天井梁に添設される継ぎ材の垂直板の上から該継ぎ天井梁のウエブに添設し、補強梁のうちで継ぎ材の垂直板に重ならない面と、継ぎ天井梁のウエブとの間に、該継ぎ材の垂直板と同一板厚のスペーサを介装してなるようにしたものである。
【0009】
請求項5の発明は、請求項4の発明において更に、前記補強梁に前記スペーサを溶接してなるようにしたものである。
【0010】
請求項6の発明は、請求項5の発明において更に、前記継ぎ天井梁の下フランジ側に添設される継ぎ材と、前記補強梁に溶接されるスペーサとを、該継ぎ天井梁の長手方向における同一位置に配置してなるようにしたものである。
【0011】
請求項7の発明は、請求項1〜6のいずれかの発明において更に、前記補強梁に前記継ぎ材を溶接してなるようにしたものである。
【0012】
請求項8の発明は、請求項1〜7のいずれかの発明において更に、前記柱省略接合部を含む同一面内に前記継ぎ天井梁を有するように相隣る建物ユニットの組を2組有し、一方の組を構成するように相隣る建物ユニットと他方の組を構成するように相隣る建物ユニットとの間に一定の据付間隔を設け、2組の相隣る建物ユニットに対し前記補強梁を共通にし、該補強梁を2組の相隣る建物ユニットの据付間隔内に配置したものである。
【発明の効果】
【0013】
(請求項1)
(a)継ぎ天井梁同士の接合構造として、(i)継ぎ天井梁同士をそれら継ぎ天井梁のウエブとフランジに添設する継ぎ材により接合する構造と、(ii)継ぎ天井梁同士のそれらの概ね全長に渡ってそれら継ぎ天井梁のウエブに添設する長尺の補強梁により接合する構造とを併用するものであり、継ぎ天井梁同士を強固に接合できる。
【0014】
(請求項2)
(b)継ぎ材を継ぎ天井梁のウエブとフランジの外面に添設することにより、継ぎ材による継ぎ天井梁同士の接合強度向上効果を増大できる。
【0015】
(請求項3)
(c)継ぎ天井梁における継ぎ材の水平板が添設されるフランジの内面に、補助継ぎ板を添設し、それらの継ぎ材と補強継ぎ板を該継ぎ天井梁のフランジにボルト接合することにより、継ぎ材による継ぎ天井梁同士の接合強度向上効果を補助継ぎ板の併用により一層増大できる。
【0016】
(請求項4)
(d)補強梁を継ぎ天井梁に添設される継ぎ材の垂直板の上から該継ぎ天井梁のウエブに添設し、補強梁のうちで継ぎ材の垂直板に重ならない面と、継ぎ天井梁のウエブとの間に、該継ぎ材の垂直板と同一板厚のスペーサを介装することにより、継ぎ天井梁のウエブに継ぎ材と補強梁を強固に添設できる。
【0017】
(請求項5)
(e)補強梁にスペーサを溶接することにより、補強梁とスペーサの単一部品化により、補強梁とスペーサの取扱性を向上できる。
【0018】
(請求項6)
(f)継ぎ天井梁の下フランジ側に添設される継ぎ材と、補強梁に溶接されるスペーサとを、該継ぎ天井梁の長手方向における同一位置に配置することにより、継ぎ天井梁の下フランジ側に継ぎ材を添設した後、補強梁を継ぎ天井梁に添設するとき、継ぎ天井梁に溶接したあるスペーサを継ぎ材の上端部に係止させる等により、補強梁の落下を防止して該補強梁を仮置きでき、補強梁の組込作業性を向上できる。
【0019】
(請求項7)
(g)補強梁に継ぎ材を溶接することに、補強梁と継ぎ材を単一部品化し、補強梁と継ぎ材を継ぎ天井梁に同時に添設でき、補強梁と継ぎ材の組込作業性を向上できる。
【0020】
(請求項8)
(h)柱省略接合部を含む同一面内に継ぎ天井梁を有するように相隣る建物ユニットの組を2組有し、一方の組を構成するように相隣る建物ユニットと他方の組を構成するように相隣る建物ユニットとの間に一定の据付間隔を設け、2組の相隣る建物ユニットに対し補強梁を共通にし、該補強梁を2組の相隣る建物ユニットの据付間隔内に配置した。従って、2組の相隣る建物ユニットに共通化される補強梁を2組の相隣る建物ユニットの据付間隔を利用して、それらの継ぎ天井梁に添設できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
図1はユニット建物の一例を示し、(A)は建物ユニットの据付状態を示す模式平面図、(B)は建物ユニットの補強状態を示す模式平面図、図2は標準建物ユニットを示す斜視図、図3は柱省略建物ユニットを示す斜視図、図4は図1のIV−IV線に沿う断面図、図5は図4のV−V線に沿う矢視図、図6は継ぎ天井梁と継ぎ材を示す斜視図、図7は補強梁を示す正面図、図8は補強梁とスペーサを示し、(A)は溶接状態を示す端面図、(B)は継ぎ天井梁への添設状態を示す端面図、図9は補強梁と継ぎ材を示し、(A)は補強梁の突出状態を示す端面図、(B)は補強梁の非突出状態を示す端面図である。
【実施例】
【0022】
図1は、ユニット建物1の一部を示すものであり、複数の建物ユニット10を左右上下に隣接して構築されるユニット建物1の一部を、4個の柱省略建物ユニット20により柱省略した広い連続空間を形成するものである。
【0023】
建物ユニット10は、標準的には、図2に示した如く、4本の角鋼管製柱11と、4本の形鋼製床梁12と、4本の形鋼製天井梁13とを箱形に接合した骨組構造体である。建物ユニット10は、4個のコーナー部で、相交差する床梁12をジョイントピース12Jにより柱11の下端部に接続し、相交差する天井梁13をジョイントピース13Jにより柱12の上端部に接合して構成される。
【0024】
柱省略建物ユニット20は、図3に示す如く、標準建物ユニット10の4本の柱11のうちの1本の柱11を省略したものである。柱省略建物ユニット20は、床梁12については、柱省略コーナー部以外の3個のコーナー部で、相交差する床梁12をジョイントピース12Jにより柱11の下端部に接合し、柱省略コーナー部で、相交差する床梁12を一方の床梁12に設けたエンドプレート12Eと他方の床梁12に設けたジョイントピース12Kのボルト結合により互いに接合している。柱省略建物ユニット20は、天井梁13については、柱省略コーナー部に交差配置される天井梁13のうち、妻方向に沿う天井梁13を継ぎ天井梁21とし、他の天井梁13を標準天井梁13とする。標準天井梁13と柱11の上端部とはジョイントピース13Jにより接合し、継ぎ天井梁21と柱11の上端部とはジョイントピース13Kにより接合し、継ぎ天井梁21と天井梁13とは継ぎ天井梁21に設けたエンドプレート21Eと天井梁13に設けたジョイントピース13Lのボルト結合により接合している。
【0025】
柱省略建物ユニット20は、継ぎ天井梁21の断面強度を他の標準天井梁13の断面強度より高くすることができる。継ぎ天井梁21は、リップ付C形鋼からなるものとされる。
【0026】
柱省略建物ユニット20は、工場組立段階〜現地据付段階における剛性を確保するため、柱省略コーナー部に仮柱22を着脱自在とする。仮柱22は、ボルト、ピン等の着脱手段により、床梁12と継ぎ天井梁21に着脱自在に結合される。
【0027】
ユニット建物1にあっては、4個の柱省略建物ユニット20(20A〜20D)のそれぞれに定めた柱省略コーナー部を柱省略接合部2にて互いに突き合せ配置する。
【0028】
相対応する柱省略建物ユニット20Aと柱省略建物ユニット20Bの間で、両者の柱省略接合部2を含む同一面内でそれらの柱省略コーナー部に交差配置されている天井梁13を前述の継ぎ天井梁21とする。
【0029】
相対応する柱省略建物ユニット20Cと柱省略建物ユニット20Dの間でも、両者の柱省略接合部2を含む同一面内でそれらの柱省略コーナー部に交差配置されている天井梁13を前述の継ぎ天井梁21とする。
【0030】
従って、ユニット建物1は、柱省略接合部2を含む同一面内で継ぎ天井梁21を有するように相隣る柱省略建物ユニットの組を2組有し、一方の組を構成するように相隣る柱省略建物ユニット20A及び20Bと、他方の組を構成するように相隣る柱省略建物ユニット20C及び20Dとの間に、それらの継ぎ天井梁21が互いに相対して形成する一定の据付間隔3を設ける。
【0031】
以下、ユニット建物1において、柱省略建物ユニット20A〜20Dの継ぎ天井梁21同士を強固に接合し、柱省略に起因する強度低下を補強する構造について説明する。
【0032】
(1)図1、図4〜図6に示す如く、柱省略建物ユニット20Aの継ぎ天井梁21の下フランジの側から、柱省略建物ユニット20Bの継ぎ天井梁21の下フランジの側にU字状の継ぎ材31と両側リップ付き平板状の補助継ぎ板32を延在する。継ぎ材31の水平板31Aと垂直板31Bと垂直板31Cが両継ぎ天井梁21の下フランジとウエブ下部と下リップの外面に添設される。補助継ぎ板32は両継ぎ天井梁21の下フランジの内面に添設される。
【0033】
継ぎ材31、補助継ぎ板32の一端側で、3本の高力ボルト33を継ぎ材31の水平板31A、補助継ぎ板32、継ぎ天井梁21の下フランジのそれぞれに設けたボルト挿通孔に挿通し、高力ボルト33の挿通端にナット33Aを締め付ける。継ぎ材31、補助継ぎ板32の他端側でも、3本の高力ボルト33を継ぎ材31の水平板31A、補助継ぎ板32、継ぎ天井梁21の下フランジのそれぞれに設けたボルト挿通孔に挿通し、高力ボルト33の挿通端にナット33Aを締め付ける。これにより、継ぎ材31、補助継ぎ板32の一端側を柱省略建物ユニット20Aの継ぎ天井梁21に剛接合し、継ぎ材31、補助継ぎ板32の他端側を柱省略建物ユニット20Bの継ぎ天井梁21に剛接合する。本発明の実施において、高力ボルトとしては、トルシア形、六角ボルト形等を採用できる。
【0034】
(2)図1、図4〜図6に示す如く、柱省略建物ユニット20Cの継ぎ天井梁21の下フランジの側から、柱省略建物ユニット20Dの継ぎ天井梁21の下フランジの側にも、上述(1)と同様にして、継ぎ材31と補助継ぎ板32を添設し、それら継ぎ材31と補助継ぎ板32をそれら柱省略建物ユニット20C、20Dの継ぎ天井梁21に剛接合する。
【0035】
(3)図1、図4、図5に示す如く、相隣る柱省略建物ユニット20A及び20Bの組と、相隣る柱省略建物ユニット20C及び20Dの組の間の前述した据付間隔3内に、それら2組の柱省略建物ユニット20A及び20Bと、柱省略建物ユニット20C及び20Dに対し共通にされる補助梁50を挿入して配置する。
【0036】
補助梁50は、図7、図8に示す如く、長尺板材からなり、柱省略接合部2の一端側にて相対する柱省略建物ユニット20A、20Cの継ぎ天井梁21、21の据付間隔3から、柱省略接合部2の他方側にて相対する柱省略建物ユニット20B、20Dの継ぎ天井梁21、21の据付間隔3に渡って設けられる。
【0037】
補強梁50は、それら柱省略建物ユニット20A〜20Dの継ぎ天井梁21のウエブに添設される。補強梁50の両端部は、柱省略接合部2の左右の一方側にて相対する2個の柱省略建物ユニット20A、20Cの各柱11と、柱省略接合部2の他端側にて相対する2個の柱省略建物ユニット20B、20Dの各柱11のそれぞれに接続される。このとき、補強梁50の両端部は、高力ボルトを用いた継ぎ天井梁21、ジョイントピース13Kとの高力ボルト接合を介して柱11に接続される。補強梁50の中央部は、図4、図5に示す如く、相対する2個の柱省略建物ユニット20A、20Cの継ぎ天井梁21に3本の高力ボルト51とナット51Aにより接合され、相対する2個の柱省略建物ユニット20B、20Dの継ぎ天井梁21に3本の高力ボルト52とナット52Aにより接合される。
【0038】
このとき、補強梁50は、前述(1)、(2)により柱省略建物ユニット20A〜20Dの継ぎ天井梁21に添設される前述の継ぎ材31の垂直板31Bの上から該継ぎ天井梁21のウエブに添設される。補強梁50のうちで、継ぎ材31の垂直板31Bに重ならない面と、継ぎ天井梁21のウエブとの間に、継ぎ材31の垂直板31Bと同一板厚のスペーサ53、54、55を介装する。スペーサ53は補強梁50の両端部に設けられて高力ボルトが挿通され、スペーサ54は補強梁50の中央部に設けられて高力ボルト51、52が挿通される。本実施例において、スペーサ53〜55は、図8に示す如く、補強梁50に溶接される。
【0039】
そして、柱省略建物ユニット20A〜20Dの継ぎ天井梁21の下フランジに添設される前述の継ぎ材31と、補強梁50の中央部に溶接される上述のスペーサ54とを、継ぎ天井梁21の長手方向における概ね同一位置に配置する。これによれば、継ぎ天井梁21の下フランジ側に継ぎ材31を添設した後、補強梁50を継ぎ天井梁21に添設するとき、継ぎ天井梁21に溶接してあるスペーサ54を継ぎ材31の垂直板31Bの上端部に係止させる等により、補強梁50の落下を防止して該補強梁50を仮置きできる(図8(B))。
【0040】
尚、柱省略建物ユニット20A〜20Dの継ぎ天井梁21のウエブに添設される補強梁50は、梁背の高さを継ぎ天井梁21のウエブ高さに対して自由に設定でき、それによって補強度合いを調整できる。図4、図5の補強梁50は、継ぎ天井梁21のウエブ高さより大きな梁背を有し、継ぎ天井梁21の上フランジから上方に突出する部分は、柱省略建物ユニット20A〜20Dの屋根裏又は天井裏に納まるものになる。
【0041】
(4)図1、図4〜図6に示す如く、柱省略建物ユニット20Aの継ぎ天井梁21の上フランジの側から、柱省略建物ユニット20Bの継ぎ天井梁21の上フランジの側にU字状の継ぎ材41と両側リップ付き平板状の補助継ぎ板42を延在する。継ぎ材41の水平板41Aと垂直板41Bと垂直板41Cが両継ぎ天井梁21の上フランジとウエブ上部と上リップの外面に添設される。補助継ぎ板42は両継ぎ天井梁21の上フランジの内面に添設される。
【0042】
継ぎ材41、補助継ぎ板42の一端側で、3本の高力ボルト43を継ぎ材41の水平板41A、補助継ぎ板42、継ぎ天井梁21の上フランジのそれぞれに設けたボルト挿通孔に挿通し、高力ボルト43の挿通端にナット43Aを締め付ける。継ぎ材41、補助継ぎ板42の他端側でも、3本の高力ボルト43を継ぎ材41の水平板41A、補助継ぎ板42、継ぎ天井梁21の上フランジのそれぞれに設けたボルト挿通孔に挿通し、高力ボルト43の挿通端にナット43Aを締め付ける。これにより、継ぎ材41、補助継ぎ板42の一端側を柱省略建物ユニット20Aの継ぎ天井梁21に剛接合し、継ぎ材41、補助継ぎ板42の他端側を柱省略建物ユニット20Bの継ぎ天井梁21に剛接合する。
【0043】
(5)図1、図4〜図6に示す如く、柱省略建物ユニット20Cの継ぎ天井梁21の上フランジの側から、柱省略建物ユニット20Dの継ぎ天井梁21の上フランジの側にも、上述(4)と同様にして、継ぎ材41と補助継ぎ板42を添設し、それら継ぎ材41と補助継ぎ板42をそれら柱省略建物ユニット20C、20Dの継ぎ天井梁21に剛接合する。
【0044】
尚、図9に示す如く、継ぎ材41は補強梁50に予め溶接して用いることもできる。図9(A)は補強梁50の梁背を継ぎ天井梁21のウエブ高さより大きく設定したもの、図9(B)は補強梁50の梁背を継ぎ天井梁21のウエブ高さと同一にしたものである。
【0045】
本実施例によれば以下の作用効果を奏する。
(a)継ぎ天井梁21同士の接合構造として、(i)継ぎ天井梁21同士をそれら継ぎ天井梁21のウエブとフランジに添設する継ぎ材31、41により接合する構造と、(ii)継ぎ天井梁21同士のそれらの概ね全長に渡ってそれら継ぎ天井梁21のウエブに添設する長尺の補強梁50により接合する構造とを併用するものであり、継ぎ天井梁21同士を強固に接合できる。
【0046】
(b)継ぎ材31、41を継ぎ天井梁21のウエブとフランジの外面に添設することにより、継ぎ材31、41による継ぎ天井梁21同士の接合強度向上効果を増大できる。
【0047】
(c)継ぎ天井梁21における継ぎ材31、41の水平板31A、41Aが添設されるフランジの内面に、補助継ぎ板32、42を添設し、それらの継ぎ材31、41と補強継ぎ板を該継ぎ天井梁21のフランジにボルト接合することにより、継ぎ材31、41による継ぎ天井梁21同士の接合強度向上効果を補助継ぎ板32、42の併用により一層増大できる。
【0048】
(d)補強梁50を継ぎ天井梁21に添設される継ぎ材31の垂直板31Bの上から該継ぎ天井梁21のウエブに添設し、補強梁50のうちで継ぎ材31の垂直板31Bに重ならない面と、継ぎ天井梁21のウエブとの間に、該継ぎ材31の垂直板31Bと同一板厚のスペーサ53〜55を介装することにより、継ぎ天井梁21のウエブに継ぎ材31と補強梁50を強固に添設できる。
【0049】
(e)補強梁50にスペーサ53〜55を溶接することにより、補強梁50とスペーサ53〜55の単一部品化により、補強梁50とスペーサ53〜55の取扱性を向上できる。
【0050】
(f)継ぎ天井梁21の下フランジ側に添設される継ぎ材31と、補強梁50に溶接されるスペーサ54とを、該継ぎ天井梁21の長手方向における同一位置に配置することにより、継ぎ天井梁21の下フランジ側に継ぎ材31を添設した後、補強梁50を継ぎ天井梁21に添設するとき、継ぎ天井梁21に溶接したあるスペーサ54を継ぎ材31の上端部に係止させる等により、補強梁50の落下を防止して該補強梁50を仮置きでき、補強梁50の組込作業性を向上できる。
【0051】
(g)補強梁50に継ぎ材41を溶接することに、補強梁50と継ぎ材41を単一部品化し、補強梁50と継ぎ材41を継ぎ天井梁21に同時に添設でき、補強梁50と継ぎ材41の組込作業性を向上できる。
【0052】
(h)柱省略接合部2を含む同一面内に継ぎ天井梁21を有するように相隣る建物ユニットの組を2組有し、一方の組を構成するように相隣る建物ユニット20A、20Bと他方の組を構成するように相隣る建物ユニット20C、20Dとの間に一定の据付間隔3を設け、2組の相隣る建物ユニットに対し補強梁50を共通にし、該補強梁50を2組の相隣る建物ユニットの据付間隔内に配置した。従って、2組の相隣る建物ユニットに共通化される補強梁50を2組の相隣る建物ユニットの据付間隔3を利用して、それらの継ぎ天井梁21に添設できる。
【0053】
以上、本発明の実施例を図面により詳述したが、本発明の具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】図1はユニット建物の一例を示し、(A)は建物ユニットの据付状態を示す模式平面図、(B)は建物ユニットの補強状態を示す模式平面図である。
【図2】図2は標準建物ユニットを示す斜視図である。
【図3】図3は柱省略建物ユニットを示す斜視図である。
【図4】図4は図1のIV−IV線に沿う断面図である。
【図5】図5は図4のV−V線に沿う矢視図である。
【図6】図6は継ぎ天井梁と継ぎ材を示す斜視図である。
【図7】図7は補強梁を示す正面図である。
【図8】図8は補強梁とスペーサを示し、(A)は溶接状態を示す端面図、(B)は継ぎ天井梁への添設状態を示す端面図である。
【図9】図9は補強梁と継ぎ材を示し、(A)は補強梁の突出状態を示す端面図、(B)は補強梁の非突出状態を示す端面図である。
【符号の説明】
【0055】
1 ユニット建物
2 柱省略接合部
3 据付間隔
11 柱
12 床梁
13 天井梁
20 柱省略建物ユニット
21 継ぎ天井梁
31、41 継ぎ材
31A、41A 水平板
31B、31C、41B、41C 垂直板
32、42 補助継ぎ板
50 補強梁
53〜55 スペーサ




 

 


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