米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 固定構造物 -> 積水化学工業株式会社

発明の名称 地下貯留槽設計支援装置、地下貯留槽設計支援方法、該設計方法に基づく地下貯留槽設計支援プログラム及び該プログラムを記録したプログラム記録媒体
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−182708(P2007−182708A)
公開日 平成19年7月19日(2007.7.19)
出願番号 特願2006−1722(P2006−1722)
出願日 平成18年1月6日(2006.1.6)
代理人 【識別番号】100075502
【弁理士】
【氏名又は名称】倉内 義朗
発明者 北川 雅彦 / 甲斐 郁代
要約 課題
複数種類の形状の異なる滞水材を組み合わせて構成される雨水貯溜槽において、強度を保ちつつ、貯水部分となる空隙部分が最大となるような構成とすることが可能な雨水貯溜槽の設計支援を行う雨水貯溜槽設計支援装置、及び、設計支援方法を提供する。

解決手段
複数種類の滞水材を組み合わせて雨水貯留容積率及び耐水平荷重の異なる滞水セットが構成され、該滞水セットを上下方向に連設して滞水ユニットが構成されると共に、該滞水ユニットが連設されて構成される滞水槽を備える雨水貯溜槽が設計支援対象である雨水貯溜槽設計支援装置を、滞水セット情報保持手段1、設置条件情報保持手段2、水平荷重計算手段3、及び、基本滞水セット選択採用手段4で構成する。又、滞水セット情報及び設置条件情報を備えたコンピュータにより実行される雨水貯溜槽設計支援方法を、水平荷重計算ステップ、及び、基本滞水セット選択採用ステップにより構成する。
特許請求の範囲
【請求項1】
形状の異なる複数種類の滞水材の中から一種類以上の滞水材を上下方向に組み合わせて連設して滞水容積率及び耐水平荷重の異なる複数種類の滞水セットを構成し、該滞水セットを上下方向に複数組み合わせて連設して滞水ユニットを構成すると共に、該滞水ユニットを水平状に縦横に連設して構成される滞水槽を備えて地下に埋設され設置される地下貯留槽が設計支援対象である地下貯留槽設計支援装置であって、
複数種類の各前記滞水セットである基本滞水セットを、該基本滞水セットが備える滞水容積率及び耐水平荷重と対応させて、該基本滞水セットの情報として保持している滞水セット情報保持手段と、
前記地下貯留槽の設置条件に関する情報を保持している設置条件情報保持手段と、
前記設置条件情報保持手段に保持されている設置条件に基づき、前記滞水セットにかかる前記水平荷重を計算する水平荷重計算手段と、
前記水平荷重計算手段により計算された前記滞水セットの水平荷重の値以上である耐水平荷重を備えた前記基本滞水セットを、前記滞水セット情報保持手段に保持されている基本滞水セットの情報の中から選択すると共に、更に、該選択された前記基本滞水セットの中から、前記滞水容積率の最も大きい前記基本滞水セットを選択して、前記地下貯留槽における滞水槽の前記滞水ユニットを構成する滞水セットとして採用する基本滞水セット選択採用手段と、を備えていることを特徴とする地下貯留槽設計支援装置。
【請求項2】
前記滞水セット情報保持手段が保持する前記基本滞水セットの耐水平荷重は、該基本滞水セットの最下層に位置する滞水材にかかる水平荷重であり、
前記水平荷重計算手段は、前記滞水セットの最下層に位置する滞水材にかかる水平荷重を計算する請求項1記載の地下貯留槽設計支援装置。
【請求項3】
前記滞水セット情報保持手段は、前記基本滞水セットが備える滞水容積率に代えて、該基本滞水セットが備える滞水容積率の大きさの順位を該基本滞水セットと対応させて保持しており、
前記基本滞水セット選択採用手段は、最も大きい滞水容積率を備えた前記基本滞水セットを選択するのに代えて、滞水容積率の大きさの順位の最も高い前記基本滞水セットを選択する請求項1又は2記載の地下貯留槽設計支援装置。
【請求項4】
設計対象の前記地下貯留槽における滞水槽の滞水ユニットには、形状の異なる複数種類の前記滞水材として、前記滞水ユニットの最上面及び最下面に設置されて面を形成する板材、傾斜面を有し該傾斜面を流れる流水に混在する砂や汚泥が該傾斜面により下方に流れる作用を有する傾斜材、及び、前記板材と前記傾斜材間、又は、前記傾斜材間の支柱の役目を果たす脚材の3種類の滞水材が用いられると共に、
前記滞水セット情報保持手段は、前記板材、前記傾斜材、及び、前記脚材を組み合わせて構成されている前記基本滞水セットの情報を保持している請求項1〜3のいずれか1項に記載の地下貯留槽設計支援装置。
【請求項5】
前記滞水セット情報保持手段は、
前記滞水ユニットの最上部以外で且つ最下部以外の部分に単又は複数使用される前記基本滞水セットの情報として、前記傾斜材を2段連設した第1基本滞水セット、2段の前記傾斜材の上に1段の前記脚材を連設した第2基本滞水セット、1段の前記傾斜材の上に1段の前記脚材を連設した第3基本滞水セット、及び、1段の前記傾斜材の上に2段の前記脚材を連設した第4基本滞水セットの各情報を保持し、
前記滞水ユニットの最下部に一つ使用される前記基本滞水セットの情報として、1段の前記板材の上に1段の前記脚材を連設して構成した底部滞水セットの上に更に前記第1基本滞水セットを連設した第5基本滞水セット、前記底部滞水セットの上に更に前記第2基本滞水セットを連設した第6基本滞水セット、前記底部滞水セットの上に更に前記第3基本滞水セットを連設した第7基本滞水セット、及び、前記底部滞水セットの上に更に前記第4基本滞水セットを連設した第8基本滞水セットの各情報を保持し、
前記滞水ユニットの最上部に一つ使用される前記基本滞水セットの情報として、1段の前記傾斜材の上に2段の前記板材を連設した第9基本滞水セットの情報を保持している請求項4記載の地下貯留槽設計支援装置。
【請求項6】
前記基本滞水セット選択採用手段は、前記滞水セット情報保持手段の保持する基本滞水セットの情報から、
前記滞水ユニットの最上部に使用される滞水セットである最上部滞水セットとして、前記第9基本滞水セットを選択し、
前記滞水ユニットの最下部に使用される滞水セットである最下部滞水セットとして、前記水平荷重計算手段の計算結果に基づいて、前記第5基本滞水セット、前記第6基本滞水セット、前記第7基本滞水セット、及び、前記第8基本滞水セットの中からいずれかを選択し、
前記最上部滞水セットと前記最下部滞水セットとで挟まれる前記滞水ユニットの部分である中間部滞水ユニットに使用される滞水セットである中間部滞水セットとして、前記水平荷重計算手段の計算結果に基づいて、前記第1基本滞水セット、前記第2基本滞水セット、前記第3基本滞水セット、及び、前記第4基本滞水セットの中からいずれかを選択して、それぞれ採用すると共に、
前記地下貯留槽設計支援装置は、前記滞水ユニットを構成する滞水ユニット構成手段を備えており、該滞水ユニット構成手段は、前記基本滞水セット選択採用手段により選択されて採用された前記最上部滞水セット、前記最下部滞水セット、及び、前記中間部滞水セットを用いて、前記設置条件情報保持手段に保持されている設置条件に基づき、前記滞水ユニットを構成する請求項5記載の地下貯留槽設計支援装置。
【請求項7】
前記滞水ユニット構成手段は、前記基本滞水セット選択採用手段により、前記中間部滞水ユニットを構成する中間部滞水セットとして選択された全ての基本滞水セットにおける、該基本滞水セットを構成する滞水材の段数の合計が、前記設置条件により定まる前記中間部滞水ユニットを構成する滞水材の段数である中間部段数よりも多い場合は、前記最上部滞水セットの直下に位置する中間部滞水セットである基本滞水セットを構成する最上層の滞水材から、順に多い段数分の滞水材を取り除いて前記滞水ユニットを構成する請求項6記載の地下貯留槽設計支援装置。
【請求項8】
前記滞水セット情報保持手段は、耐鉛直荷重が異なる複数種類の前記第9基本滞水セットを、該第9基本滞水セットの備える耐鉛直荷重と対応させて前記基本滞水セットの情報として保持していると共に、
前記地下貯留槽設計支援装置は、鉛直荷重計算手段を備えており、
該鉛直荷重計算手段は、前記設置条件情報保持手段に保持されている設置条件に基づき、前記最上部滞水セットにかかる鉛直荷重を計算すると共に、
前記基本滞水セット選択採用手段は、前記鉛直荷重計算手段により計算された前記最上部滞水セットの鉛直荷重の値以上である耐鉛直荷重を備えた前記第9基本滞水セットを、前記滞水セット情報保持手段に保持されている基本滞水セットの情報の中から選択して採用する請求項6又は7記載の地下貯留槽設計支援装置。
【請求項9】
設計対象の前記地下貯留槽の滞水槽には、水平状に縦又は横に1列に連設された前記滞水ユニットの列であるU字溝滞水ユニット列の下にU字溝が設けられ、且つ、
前記U字溝滞水ユニット列以外の滞水ユニットに用いられる傾斜材は、該傾斜材の傾斜の方向が、前記U字溝に向かって下がるように設置されると共に、前記U字溝滞水ユニット列の滞水ユニットであるU字溝上滞水ユニットに用いられる傾斜材は、該傾斜材の傾斜の方向が、前記U字溝滞水ユニット列の方向と同じとなるように設置され、
前記滞水セット情報保持手段は、前記板材に上下方向に開口する開口部を設けて形成された1段の開口板材の上に1段の前記脚材を連設すると共に該脚材の上に更に前記傾斜材を1段連設して構成されたU字溝上底部滞水セットの情報を保持しており、
前記地下貯留槽設計支援装置は、前記U字溝上滞水ユニットを構成するU字溝上滞水ユニット構成手段を備えており、
該U字溝上滞水ユニット構成手段は、
前記滞水ユニット構成手段により構成された前記滞水ユニットにおける最下部滞水セットの下層4段を取り除くと共に、取り除いた結果、残る部分がない場合は、前記滞水セット情報保持手段により保持されている情報である前記U字溝上底部滞水セットのみで、又、残る部分がある場合は、該残る部分を前記U字溝上底部滞水セットの上に連設して、U字溝上最下部滞水セットを構成し、
該U字溝上最下部滞水セットの上に、前記滞水ユニットから前記最下部滞水セットを除いた部分で構成される一部省略滞水ユニットを連設すると共に、
前記一部省略滞水ユニットにおける最上部滞水セットと該最上部滞水セットの直下に位置する滞水材との間に、該滞水材が前記傾斜材であれば前記脚材、前記脚材であれば前記傾斜材を挿入し連設して、前記U字溝上滞水ユニットを構成する請求項6〜8のいずれか1項に記載の地下貯留槽設計支援装置。
【請求項10】
前記水平荷重計算手段は、前記U字溝上滞水ユニット構成手段により構成された前記U字溝上滞水ユニットに対して、該U字溝上滞水ユニットにおける前記一部省略滞水ユニットを構成する各中間部滞水セットに使用されている基本滞水セットにかかる水平荷重を計算すると共に、
前記U字溝上滞水ユニット構成手段は、前記水平荷重計算手段により計算された、前記U字溝上滞水ユニットにおける前記一部省略滞水ユニットを構成する各中間部滞水セットに使用されている基本滞水セットにかかる水平荷重の値が、該基本滞水セットの備える耐水平荷重の値よりも小さい場合のみ、該基本滞水セットを構成している下層側の脚材を傾斜材に変更して前記U字溝上滞水ユニットを構成する請求項9記載の地下貯留槽設計支援装置。
【請求項11】
形状の異なる複数種類の滞水材の中から一種類以上の滞水材を上下方向に組み合わせて連設して滞水容積率及び耐水平荷重の異なる複数種類の滞水セットを構成し、該滞水セットを上下方向に複数組み合わせて連設して滞水ユニットを構成すると共に、該滞水ユニットを水平状に縦横に連設して構成される滞水槽を備えて地下に埋設され設置される地下貯留槽が設計支援対象であり、コンピュータにより実行される地下貯留槽設計支援方法であって、
前記コンピュータは、複数種類の各前記滞水セットである基本滞水セットを、該基本滞水セットが備える滞水容積率及び耐水平荷重と対応させて、該基本滞水セットの情報として保持していると共に、前記地下貯留槽の設置条件に関する情報を保持しており、
前記コンピュータにより実行されるステップであって、
前記地下貯留槽における滞水槽の滞水ユニットを構成する滞水セットに対して、該滞水セットにかかる水平荷重を、前記地下貯留槽の設置条件に基づき計算する水平荷重計算ステップと、
前記水平荷重計算ステップにより計算された前記滞水セットの水平荷重の値以上である耐水平荷重を備えた前記基本滞水セットを、前記コンピュータに保持されている基本滞水セットの情報の中から選択すると共に、更に、該選択された前記基本滞水セットの中から、前記滞水容積率の最も大きい前記基本滞水セットを選択して、前記地下貯留槽における滞水槽の前記滞水ユニットを構成する滞水セットとして採用する基本滞水セット選択採用ステップと、で構成されていることを特徴とする地下貯留槽設計支援方法。
【請求項12】
前記コンピュータが保持する前記基本滞水セットの耐水平荷重は、該基本滞水セットの最下層に位置する滞水材にかかる水平荷重であり、
前記水平荷重計算ステップは、前記滞水セットの最下層に位置する滞水材にかかる水平荷重を計算する請求項11記載の地下貯留槽設計支援方法。
【請求項13】
前記コンピュータは、前記基本滞水セットが備える滞水容積率に代えて、該基本滞水セットが備える滞水容積率の大きさの順位を該基本滞水セットと対応させて保持しており、
前記基本滞水セット選択採用ステップは、最も大きい滞水容積率を備えた前記基本滞水セットを選択するのに代えて、滞水容積率の大きさの順位の最も高い前記基本滞水セットを選択する請求項11又は12記載の地下貯留槽設計支援方法。
【請求項14】
設計対象の前記地下貯留槽における滞水槽の滞水ユニットには、形状の異なる複数種類の前記滞水材として、前記滞水ユニットの最上面及び最下面に設置されて面を形成する板材、傾斜面を有し該傾斜面を流れる流水に混在する砂や汚泥が該傾斜面により下方に流れる作用を有する傾斜材、及び、前記板材と前記傾斜材間、又は、前記傾斜材間の支柱の役目を果たす脚材の3種類の滞水材が用いられると共に、
前記コンピュータは、前記板材、前記傾斜材、及び、前記脚材を組み合わせて構成されている前記基本滞水セットの情報を保持している請求項11〜13のいずれか1項に記載の地下貯留槽設計支援方法。
【請求項15】
前記コンピュータは、
前記滞水ユニットの最上部以外で且つ最下部以外の部分に単又は複数使用される前記基本滞水セットの情報として、前記傾斜材を2段連設した第1基本滞水セット、2段の前記傾斜材の上に1段の前記脚材を連設した第2基本滞水セット、1段の前記傾斜材の上に1段の前記脚材を連設した第3基本滞水セット、及び、1段の前記傾斜材の上に2段の前記脚材を連設した第4基本滞水セットの各情報を保持し、
前記滞水ユニットの最下部に一つ使用される前記基本滞水セットの情報として、1段の前記板材の上に1段の前記脚材を連設して構成した底部滞水セットの上に更に前記第1基本滞水セットを連設した第5基本滞水セット、前記底部滞水セットの上に更に前記第2基本滞水セットを連設した第6基本滞水セット、前記底部滞水セットの上に更に前記第3基本滞水セットを連設した第7基本滞水セット、及び、前記底部滞水セットの上に更に前記第4基本滞水セットを連設した第8基本滞水セットの各情報を保持し、
前記滞水ユニットの最上部に一つ使用される前記基本滞水セットの情報として、1段の前記傾斜材の上に2段の前記板材を連設した第9基本滞水セットの情報を保持している請求項14記載の地下貯留槽設計支援方法。
【請求項16】
前記基本滞水セット選択採用ステップは、前記コンピュータの保持する基本滞水セットの情報から、
前記滞水ユニットの最上部に使用される滞水セットである最上部滞水セットとして、前記第9基本滞水セットを選択し、
前記滞水ユニットの最下部に使用される滞水セットである最下部滞水セットとして、前記水平荷重計算ステップの計算結果に基づいて、前記第5基本滞水セット、前記第6基本滞水セット、前記第7基本滞水セット、及び、前記第8基本滞水セットの中からいずれかを選択し、
前記最上部滞水セットと前記最下部滞水セットとで挟まれる前記滞水ユニットの部分である中間部滞水ユニットに使用される滞水セットである中間部滞水セットとして、前記水平荷重計算ステップの計算結果に基づいて、前記第1基本滞水セット、前記第2基本滞水セット、前記第3基本滞水セット、及び、前記第4基本滞水セットの中からいずれかを選択して、それぞれ採用すると共に、
前記地下貯留槽設計支援方法は、前記滞水ユニットを構成する滞水ユニット構成ステップを備えており、該滞水ユニット構成ステップは、前記基本滞水セット選択採用ステップにより選択されて採用された前記最上部滞水セット、前記最下部滞水セット、及び、前記中間部滞水セットを用いて、前記コンピュータに保持されている設置条件に基づき、前記滞水ユニットを構成する請求項15記載の地下貯留槽設計支援方法。
【請求項17】
前記滞水ユニット構成ステップは、前記基本滞水セット選択採用ステップにより、前記中間部滞水ユニットを構成する中間部滞水セットとして選択された全ての基本滞水セットにおける、該基本滞水セットを構成する滞水材の段数の合計が、前記設置条件により定まる前記中間部滞水ユニットを構成する滞水材の段数である中間部段数よりも多い場合は、前記最上部滞水セットの直下に位置する中間部滞水セットである基本滞水セットを構成する最上層の滞水材から、順に多い段数分の滞水材を取り除いて前記滞水ユニットを構成する請求項16記載の地下貯留槽設計支援方法。
【請求項18】
前記コンピュータは、耐鉛直荷重が異なる複数種類の前記第9基本滞水セットを、該第9基本滞水セットの備える耐鉛直荷重と対応させて前記基本滞水セットの情報として保持していると共に、
前記地下貯留槽設計支援方法は、鉛直荷重計算ステップを備えており、
該鉛直荷重計算ステップは、前記コンピュータに保持されている設置条件に基づき、前記最上部滞水セットにかかる鉛直荷重を計算すると共に、
前記基本滞水セット選択採用ステップは、前記鉛直荷重計算ステップにより計算された前記最上部滞水セットの鉛直荷重の値以上である耐鉛直荷重を備えた前記第9基本滞水セットを、前記コンピュータに保持されている基本滞水セットの情報の中から選択して採用する請求項16又は17記載の地下貯留槽設計支援方法。
【請求項19】
設計対象の前記地下貯留槽の滞水槽には、水平状に縦又は横に1列に連設された前記滞水ユニットの列であるU字溝滞水ユニット列の下にU字溝が設けられ、且つ、
前記U字溝滞水ユニット列以外の滞水ユニットに用いられる傾斜材は、該傾斜材の傾斜の方向が、前記U字溝に向かって下がるように設置されると共に、前記U字溝滞水ユニット列の滞水ユニットであるU字溝上滞水ユニットに用いられる傾斜材は、該傾斜材の傾斜の方向が、前記U字溝滞水ユニット列の方向と同じとなるように設置され、
前記コンピュータは、前記板材に上下方向に開口する開口部を設けて形成された1段の開口板材の上に1段の前記脚材を連設すると共に該脚材の上に更に前記傾斜材を1段連設して構成されたU字溝上底部滞水セットの情報を保持しており、
前記地下貯留槽設計支援方法は、U字溝上滞水ユニットを構成するU字溝上滞水ユニット構成ステップを備えており、
該U字溝上滞水ユニット構成ステップは、
前記滞水ユニット構成ステップにより構成された前記滞水ユニットにおける最下部滞水セットの下層4段を取り除くと共に、取り除いた結果、残る部分がない場合は、前記コンピュータにより保持されている情報である前記U字溝上底部滞水セットのみで、残る部分がある場合は、該残る部分を前記U字溝上底部滞水セットの上に連設して、U字溝上最下部滞水セットを構成し、
該U字溝上最下部滞水セットの上に、前記滞水ユニットから前記最下部滞水セットを除いた部分で構成される一部省略滞水ユニットを連設すると共に、
前記一部省略滞水ユニットにおける最上部滞水セットと該最上部滞水セットの直下に位置する滞水材との間に、該滞水材が前記傾斜材であれば前記脚材、前記脚材であれば前記傾斜材を挿入し連設して、前記U字溝上滞水ユニットを構成する請求項16〜18のいずれか1項に記載の地下貯留槽設計支援方法。
【請求項20】
前記水平荷重計算ステップは、前記U字溝上滞水ユニット構成ステップにより構成された前記U字溝上滞水ユニットに対して、該U字溝上滞水ユニットにおける前記一部省略滞水ユニットを構成する各中間部滞水セットに使用されている基本滞水セットにかかる水平荷重を計算すると共に、
前記U字溝上滞水ユニット構成ステップは、前記水平荷重計算ステップにより計算された、前記U字溝上滞水ユニットにおける前記一部省略滞水ユニットを構成する各中間部滞水セットに使用されている基本滞水セットにかかる水平荷重の値が、該基本滞水セットの備える耐水平荷重の値よりも小さい場合のみ、該基本滞水セットを構成している下層側の脚材を傾斜材に変更して前記U字溝上滞水ユニットを構成する請求項19記載の地下貯留槽設計支援方法。
【請求項21】
請求項11〜請求項20のいずれか1項に記載の地下貯留槽設計支援方法が有する各ステップを備えており、前記コンピュータが実行可能な地下貯留槽設計支援プログラム。
【請求項22】
請求項21に記載の地下貯留槽設計支援プログラムが記録されたプログラム記録媒体。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、地下貯留槽設計支援装置、地下貯留槽設計支援方法、該設計方法に基づく地下貯留槽設計支援プログラム及び該プログラムを記録したプログラム記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
住宅地等では、集中豪雨等により、大量の雨水等が滞留する恐れがあり、この雨水等によって住居に浸水する恐れもある。そこで、大規模な宅地造成地等では、従来から、造成面積に見合う間隔や規模で調整池を造成している。この調整池は、例えば、地面を1m程度掘下げて雨水等の貯留部を形成し、この貯留部に周囲の住宅地からの排水溝や道路の側溝を接続している。このような調整池は、集中豪雨等に際しては、余分な雨水等を一時貯留することにより、周囲の住宅地への雨水等の滞留や下水の河川への流出、或いは、これらに起因する河川の氾濫等を防止しようとするものである。
【0003】
又、調整池としては、貯留部の周囲を透水シートで形成して、雨水等を徐々に地面に浸透させるように構成した浸透式の貯留部を用いたものもある。このように、貯留部の壁面を防水性シートで形成したり、透水性シートで形成したり、或いは下方を防水性シートで形成し上方を透水性シートで形成したりする等によって、調整池を、貯留施設、浸透施設、或いは、貯留浸透施設として機能させている。
【0004】
上記のような雨水等の貯留浸透施設には、さまざまなものが存在する。特許文献1に記載の雨水等の貯留浸透施設は、地面を掘下げてタンク部を構成し、その底部からグランドライン付近まで、複数の容器状部材を縦横かつ上下に配設して充填し、最上部には、被覆手段を施したことを特徴とするものである。そして、容器状部材を多数の孔を有する底部及び周側板で構成し、底部に向かって小さくなるテーパ状に構成したことを特徴とするものである。
【0005】
又、特許文献2に記載の雨水貯留装置は、地面を掘下げて形成した貯水槽の内部に、複数本の支柱を備えた合成樹脂製充填体を縦横に並べ、上下に積み重ねて充填し、その上に被覆手段を施した雨水貯留装置であって、貯水槽の底面に固形分排出用の溝を形成し、少なくとも上方の合成樹脂製充填体の支柱間に多数の水噴射孔を有する散水管、又は多数の排気孔を有する散気管を配設したものである。この雨水貯留装置は、充填体に堆積する固形分を簡単に取り除くことができることから、メンテナンスが容易な利点がある。
【0006】
ところで、特許文献1に記載の貯留浸透施設は、雨水等と共に砂や汚泥が貯留部に流れ込むことを防止するため、流入部に泥溜め枡を備えているが、長期間使用しているうちに泥溜め枡を通過した砂や汚泥が貯留部の底面に沈殿して堆積する。貯留部は内部に容器状部材が縦横かつ上下に配設して充填されており、堆積した砂や汚泥を除去することが難しい。このため、貯留部の内容積が徐々に少なくなって雨水等の貯留量が少なくなり、内容積が極端に少なくなると調整池として機能しなくなる虞がある。その場合、既設の調整池を掘り起こし、充填部材を撤去後に清掃し、再度充填部材を配設しなおすという手間がかかる上に、その費用も多額となる。また、必要に応じて新規の貯留浸透施設を造成することとなり、その場合は、新たな土地を必要とし、土地の有効利用の妨げになるという問題も生じる。
【0007】
又、特許文献2に記載の雨水貯留装置は、貯水槽の内部に散水管や散気管を別途配設するため、構成が複雑となって装置の作製が煩雑となり、費用もかさむという問題点がある。そして、散水管や散気管が貯水槽内に位置するため、その分貯水槽の空隙率が下がり貯水量が減るという問題がある。さらに、充填体に堆積する固形分を散水管で取り除くときには、貯水槽を空にして散水管から高圧の水を噴射する操作が必要である。
【0008】
そこで、これらの問題を解決するべく提案されたのが、特許文献3に記載の新たな構造を備えた地下貯留槽である。この新たな構造を備えた地下貯留槽は、雨水等と共に流入する砂や汚泥を所定の場所に誘導して集め、この場所に堆積した砂や汚泥をバキューム等で吸い出すと共に、所定の場所を洗浄することができる。そのため、長期間使用して貯留部に砂等が堆積しても除去することができ、従って、内容積を長期間にわたって充分に確保することができる。
【0009】
上記の新たな構造の地下貯留槽は、地下に設置され、滞水材を嵌合し積み上げて空間を構成して滞水槽を形成すると共に、この滞水槽を遮水シート又は透水シートで覆った構造をしている。この地下貯留槽に使用される滞水材は、複数種類の形状の異なるものが用意されており、上記の地下貯留槽はこれらの形状の異なる複数種類の滞水材を組み合わせて構成されている。又、これらの複数種類の各滞水材は、サイズが人手で運べる程度の大きさになっており、強度も大きいことから、人手で施工作業が行えると共に、滞水材を積み重ねるときに、施工者が滞水材の上に載って行っても安定して積み重ねることができるので、施工作業を容易に行うことができる。
【0010】
この上記の新たな構造の地下貯留槽は、上述したように、複数種類の滞水材を組み合わせて構成する構造を採用したことにより、これら複数種類の滞水材の組み合わせを部分的に変更することが可能であり、地下貯留槽の強度を保ちつつ、貯水部分となる空隙部分が最大となるように構成することができる。そのため、スペース効率のよい地下貯留槽を形成することができる。
【特許文献1】特公平4−26648号公報
【特許文献2】特開2000−160606号公報
【特許文献3】特開2004−019122号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかし、上記の新たな構造の地下貯留槽は、上述したように、複数種類の形状の異なる滞水材を組み合わせて構成するため、複雑な構造を有しており、設計段階では、従来、垂直荷重や水平荷重等の計算は、コンピュータで処理可能であるものの、滞水材の組み合わせによる構造の設計作業は、人手で行われていた。しかも、地下貯留槽の強度を保ちつつ、部分的に滞水材の組み合わせを変更して、貯水部分となる空隙部分が最大となるように構成するには、試行錯誤を繰り返さざるを得ず、設計に時間と人手を要していた。
【0012】
そこで、この発明は、このような状況に対処するためになされたものであって、複数種類の形状の異なる滞水材を組み合わせて構成される地下貯留槽において、強度を保ちつつ、貯水部分となる空隙部分が最大となるような構成とすることが可能な地下貯留槽の設計支援を行う地下貯留槽設計支援装置及び設計支援方法を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
まず、本発明の地下貯留槽設計支援装置について説明する。本発明の地下貯留槽設計支援装置は、地下貯留槽を設計支援対象とする設計支援装置である。この地下貯留槽では、形状の異なる複数種類の滞水材の中から一種類以上の滞水材を上下方向に組み合わせて連設して、滞水容積率及び耐水平荷重の異なる複数種類の滞水セットを構成する。この滞水セットの構成に用いられる上記の滞水材とは、地下貯留槽を構築するための空間を形成するために積み上げられる部材をいう。
【0014】
又、上記の滞水セットには空隙が形成されており、この空隙に雨水等が貯留される。上記の滞水容積率とは、滞水セットにおける雨水等が貯留されるこの空隙部分の容積の、滞水セット全体の体積に対する比率をいう。この滞水セットを上下方向に複数組み合わせて連設して滞水ユニットを構成すると共に、該滞水ユニットを水平状に縦横に連設して雨水等が貯留される滞水槽を構成する。この滞水槽は地下に埋設されて設置される。
【0015】
図1は、本発明の地下貯留槽設計支援装置の構成を示したブロック図である。図1において、本発明の地下貯留槽設計支援装置は、滞水セット情報保持手段1、設置条件情報保持手段2、水平荷重計算手段3、及び、基本滞水セット選択採用手段4を備えている。
【0016】
この内、滞水セット情報保持手段1は、複数種類の各滞水セットである基本滞水セットを、この基本滞水セットが備える滞水容積率及び耐水平荷重と対応させて、基本滞水セットの情報として保持している。
【0017】
又、設置条件情報保持手段2は、地下貯留槽における滞水槽の滞水ユニットを構成する滞水セットにかかる水平荷重を計算するのに必要な条件等の、地下貯留槽の設置条件に関する情報を保持している。
【0018】
又、水平荷重計算手段3は、設置条件情報保持手段2に保持されている設置条件に基づき、滞水セットにかかる水平荷重を計算する機能を備えている。
【0019】
又、基本滞水セット選択採用手段4は、水平荷重計算手段3により計算された滞水セットの水平荷重の値以上である耐水平荷重を備えた基本滞水セットを、滞水セット情報保持手段1に保持されている基本滞水セットの情報の中から選択すると共に、更に、この選択された基本滞水セットの中から、滞水容積率の最も大きい基本滞水セットを選択して、地下貯留槽における滞水槽の滞水ユニットを構成する滞水セットとして採用する機能を備えている。
【0020】
上記の地下貯留槽設計支援装置によれば、滞水セットの水平荷重の値以上の耐水平荷重を備えた基本滞水セットを選択すると共に、更に、選択されたこれらの基本滞水セットの中から、滞水容積率の最も大きい基本滞水セットを選択して、地下貯留槽における滞水槽の滞水ユニットを構成する滞水セットとして採用することができる。従って、複数種類の形状の異なる滞水材を組み合わせて構成される上述した新たな構造の地下貯留槽において、強度を保ちつつ、貯水部分となる空隙部分が最大となるような構成とすることが可能な地下貯留槽を、迅速、且つ、容易に設計することができる。
【0021】
上記の地下貯留槽設計支援装置において、滞水セット情報保持手段1が保持する基本滞水セットの耐水平荷重を、該基本滞水セットの最下層に位置する滞水材にかかる水平荷重とすると共に、水平荷重計算手段3は、滞水セットの最下層に位置する滞水材にかかる水平荷重を計算するようにするのが好ましい。
【0022】
滞水セットにかかる水平荷重として、滞水セットの各滞水材にかかる水平荷重の平均を求める方法もあるが、多少複雑となることから、上記のようにするのが便宜である。
【0023】
又、上記の地下貯留槽設計支援装置において、滞水セット情報保持手段1は、基本滞水セットが備える滞水容積率に代えて、該基本滞水セットが備える滞水容積率の大きさの順位を該基本滞水セットと対応させて保持すると共に、基本滞水セット選択採用手段4は、最も大きい滞水容積率を備えた基本滞水セットを選択するのに代えて、滞水容積率の大きさの順位の最も高い基本滞水セットを選択するようにしてもよい。
【0024】
このようにすることにより、滞水容積率を用いる場合に比べて、滞水セット情報保持手段1の処理プロセスを簡明にすることができる。
【0025】
上記の設計対象の地下貯留槽に対して、該地下貯留槽における滞水槽の滞水ユニットを構成する形状の異なる複数種類の上記の滞水材として、具体的に、滞水ユニットの最上面及び最下面に設置されて面を形成する板材、傾斜面を有し該傾斜面を流れる流水に混在する砂や汚泥が該傾斜面により下方に流れる作用を有する傾斜材、及び、板材と傾斜材間、又は、傾斜材間に挿入される支柱の役目を果たす脚材の3種類の滞水材を用いるのが好ましい。
【0026】
この場合には、滞水セット情報保持手段1は、板材、傾斜材、及び、脚材を組み合わせて構成されている基本滞水セットの情報を保持するように構成される。
【0027】
このようにすることにより、上述した優れた性能を有する新たな構造の地下貯留槽の設計に、具体的に対処することができる。
【0028】
更に具体的に、上記の地下貯留槽設計支援装置としては、次のように構成するのが好ましい。まず、滞水セット情報保持手段1は、滞水ユニットの最上部以外で且つ最下部以外の部分に単又は複数使用される基本滞水セットの情報として、傾斜材を2段連設した第1基本滞水セット、2段の傾斜材の上に1段の脚材を連設した第2基本滞水セット、1段の傾斜材の上に1段の脚材を連設した第3基本滞水セット、及び、1段の傾斜材の上に2段の脚材を連設した第4基本滞水セットの各情報を保持するように構成する。
【0029】
又、同じく、滞水セット情報保持手段1は、滞水ユニットの最下部に一つ使用される基本滞水セットの情報として、1段の板材の上に1段の脚材を連設して構成した底部滞水セットの上に更に上記の第1基本滞水セットを連設した第5基本滞水セット、底部滞水セットの上に更に上記の第2基本滞水セットを連設した第6基本滞水セット、底部滞水セットの上に更に上記の第3基本滞水セットを連設した第7基本滞水セット、及び、底部滞水セットの上に更に上記の第4基本滞水セットを連設した第8基本滞水セットの各情報を保持するように構成する。
【0030】
そして、又、同じく、滞水セット情報保持手段1は、滞水ユニットの最上部に一つ使用される基本滞水セットの情報として、1段の傾斜材の上に2段の板材を連設した第9基本滞水セットの情報を保持するように構成するのである。
【0031】
又、基本滞水セット選択採用手段4は、次のように構成する。即ち、滞水ユニットの最上部に使用される滞水セットである最上部滞水セットとして、滞水セット情報保持手段1の保持する基本滞水セットの情報から、第9基本滞水セットを選択して採用する機能を備えるように構成する。
【0032】
そして、滞水ユニットの最下部に使用される滞水セットである最下部滞水セットとして、水平荷重計算手段3の計算結果に基づいて、滞水セット情報保持手段1の保持する基本滞水セットの情報から、上記の第5基本滞水セット、第6基本滞水セット、第7基本滞水セット、及び、第8基本滞水セットの中のいずれかを選択して採用する機能を備えるように構成する。
【0033】
更に、上記の最上部滞水セットと最下部滞水セットとで挟まれる滞水ユニットの部分である中間部滞水ユニットに使用される滞水セットである中間部滞水セットとして、水平荷重計算手段3の計算結果に基づいて、滞水セット情報保持手段1の保持する基本滞水セットの情報から、上記の第1基本滞水セット、第2基本滞水セット、第3基本滞水セット、及び、第4基本滞水セットの中のいずれかを選択して採用する機能を備えるように構成する。
【0034】
又、設置条件情報保持手段は、滞水ユニットを構成する滞水材の段数等の情報を、設置条件の情報として保持している。
【0035】
そして、上記の地下貯留槽設計支援装置に、滞水ユニットを構成する滞水ユニット構成手段を備える。この滞水ユニット構成手段は、基本滞水セット選択採用手段4により選択されて採用された最上部滞水セット、最下部滞水セット、及び、中間部滞水セットを用いて、設置条件情報保持手段2に保持されている設置条件に基づき、滞水ユニットを構成する機能を備えるようにするのである。
【0036】
このようにすることにより、上記の優れた性能を有する新たな構造の地下貯留槽の設計に、具体的にきめ細かく対処することができる。
【0037】
上記の地下貯留槽設計支援装置において、滞水ユニット構成手段は、基本滞水セット選択採用手段4により、中間部滞水ユニットを構成する中間部滞水セットとして選択された全ての基本滞水セットにおける、該基本滞水セットを構成する滞水材の段数の合計が、設置条件により定まる中間部滞水ユニットを構成する滞水材の段数である中間部段数よりも多い場合は、最上部滞水セットの直下に位置する中間部滞水セットである基本滞水セットを構成する最上層の滞水材から、順に多い段数分の滞水材を取り除いて滞水ユニットを構成するのが妥当である。
【0038】
このようにすることにより、上述した優れた性能を有する新たな構造の地下貯留槽の設計において、設計対象の地下貯留槽の設置条件に対して、具体的に柔軟に対処することができるからである。
【0039】
又、上記の地下貯留槽設計支援装置を、次のように構成するのが好ましい。即ち、滞水セット情報保持手段1に、第9基本滞水セットを構成する板材の材質が異なる等により耐鉛直荷重が異なる複数種類の第9基本滞水セットを、この第9基本滞水セットの備える耐鉛直荷重と対応させて基本滞水セットの情報として保持させる。又、設置条件情報保持手段2は、設置条件に関する情報として、滞水ユニットの最上部を構成する最上部滞水セットにかかる鉛直荷重を計算するのに必要な情報等を保持している。そして、地下貯留槽設計支援装置に、鉛直荷重計算手段を備えるのである。
【0040】
この場合に、該鉛直荷重計算手段は、設置条件情報保持手段2に保持されている設置条件に基づき、最上部滞水セットにかかる鉛直荷重を計算する。そして、基本滞水セット選択採用手段4は、鉛直荷重計算手段により計算された最上部滞水セットの鉛直荷重の値以上である耐鉛直荷重を備えた第9基本滞水セットを、滞水セット情報保持手段1に保持されている基本滞水セットの情報の中から選択して採用する。
【0041】
このようにすることにより、上述したと同様に、上記の新たな構造の地下貯留槽の設計において、設計対象の地下貯留槽の設置条件に対して、柔軟に対処することができる。
【0042】
上記の地下貯留槽設計支援装置の設計対象として、U字溝が設けられた地下貯留槽とすることができる。即ち、上記の設計対象の地下貯留槽として、地下貯留槽の滞水槽には、水平状に縦又は横に1列に連設された滞水ユニットの列であるU字溝滞水ユニット列の下に、U字溝が設けられている。そして、U字溝滞水ユニット列以外の滞水ユニットに用いられる傾斜材は、この傾斜材の傾斜の方向が、U字溝に向かって下がるように設置されると共に、U字溝滞水ユニット列の滞水ユニットであるU字溝上滞水ユニットに用いられる傾斜材は、この傾斜材の傾斜の方向が、U字溝滞水ユニット列の方向と同じとなるように設置されている。
【0043】
この場合に、滞水セット情報保持手段1は、U字溝上底部滞水セットの情報を保持している。このU字溝上底部滞水セットは、上記の板材に上下方向に開口する開口部を設けて形成した1段の開口板材の上に1段の脚材を連設すると共に、該脚材の上に更に傾斜材を1段連設して構成されている。又、地下貯留槽設計支援装置には、U字溝上滞水ユニットを構成するU字溝上滞水ユニット構成手段を備える。このU字溝上滞水ユニット構成手段は、次のようにしてU字溝上滞水ユニットを構成する。
【0044】
即ち、上記の滞水ユニット構成手段により構成された滞水ユニットにおける最下部滞水セットの下層4段を取り除き、取り除いた結果、残る部分がない場合は、滞水セット情報保持手段1により保持されている情報であるU字溝上底部滞水セットのみで、又、残る部分がある場合は、該残る部分をU字溝上底部滞水セットの上に連設して、U字溝上最下部滞水セットを構成する。
【0045】
そして、該U字溝上最下部滞水セットの上に、滞水ユニットから最下部滞水セットを除いた部分で構成される一部省略滞水ユニットを連設する。そして、更に、この一部省略滞水ユニットにおける最上部滞水セットと該最上部滞水セットの直下に位置する滞水材との間に、この滞水材が傾斜材であれば脚材、脚材であれば傾斜材を挿入し連設して、U字溝上滞水ユニットを構成するのである。
【0046】
又、上記の場合、更に、次のようにするのが妥当である。即ち、水平荷重計算手段3は、上記のU字溝上滞水ユニット構成手段により構成されたU字溝上滞水ユニットに対して、U字溝上滞水ユニットにおける上記の一部省略滞水ユニットを構成する各中間部滞水セットに使用されている基本滞水セットにかかる水平荷重を計算する。そして、U字溝上滞水ユニット構成手段は、水平荷重計算手段3により計算された、U字溝上滞水ユニットにおける上記の一部省略滞水ユニットを構成する各中間部滞水セットに使用されている基本滞水セットにかかる水平荷重の値が、この基本滞水セットの備える耐水平荷重の値よりも小さい場合のみ、この基本滞水セットを構成している下層側の脚材を傾斜材に変更してU字溝上滞水ユニットを構成するのである。
【0047】
上述した優れた性能を有する新たな構造の地下貯留槽は、雨水等と共に流入する砂や汚泥を所定の場所に誘導して集める特徴を備えているが、上記のU字溝は、この所定の場所としての機能を有している。そこで、上記のようにすることにより、上述した優れた性能を有する新たな構造の地下貯留槽の設計に対処することができる。
【0048】
次に、本発明の地下貯留槽設計支援方法について説明する。本発明の地下貯留槽設計支援方法は、上述した本発明の地下貯留槽設計支援装置と同様、地下貯留槽を設計支援対象としており、コンピュータにより実行される設計支援方法である。この支援対象の地下貯留槽は、上記の地下貯留槽設計支援装置の支援対象である、上述した地下貯留槽と同じものである。
【0049】
上記のコンピュータは、複数種類の各滞水セットである基本滞水セットを、この基本滞水セットが備える滞水容積率及び耐水平荷重と対応させて、基本滞水セットの情報として保持していると共に、地下貯留槽の設置条件に関する情報を保持している。
【0050】
又、上記の地下貯留槽設計支援方法は、水平荷重計算ステップ、及び、基本滞水セット選択採用ステップで構成されている。この内、水平荷重計算ステップは、地下貯留槽における滞水槽の滞水ユニットを構成する滞水セットに対して、該滞水セットにかかる水平荷重を、地下貯留槽の設置条件に基づき計算するステップである。
【0051】
又、基本滞水セット選択採用ステップは、水平荷重計算ステップにより計算された滞水セットの水平荷重の値以上である耐水平荷重を備えた基本滞水セットを、上記のコンピュータに保持されている基本滞水セットの情報の中から選択すると共に、更に、該選択された基本滞水セットの中から、滞水容積率の最も大きい基本滞水セットを選択して、地下貯留槽における滞水槽の滞水ユニットを構成する滞水セットとして採用するステップである。
【0052】
上記の地下貯留槽設計支援方法において、上記のコンピュータが保持する基本滞水セットの耐水平荷重を、該基本滞水セットの最下層に位置する滞水材にかかる水平荷重とすると共に、水平荷重計算ステップは、滞水セットの最下層に位置する滞水材にかかる水平荷重を計算するステップとするのが好ましい。
【0053】
又、上記の地下貯留槽設計支援方法において、上記のコンピュータは、基本滞水セットが備える滞水容積率に代えて、該基本滞水セットが備える滞水容積率の大きさの順位を該基本滞水セットと対応させて保持すると共に、基本滞水セット選択採用ステップは、最も大きい滞水容積率を備えた基本滞水セットを選択するのに代えて、滞水容積率の大きさの順位の最も高い基本滞水セットを選択するようにしてもよい。
【0054】
上記の設計対象の地下貯留槽に対して、該地下貯留槽における滞水槽の滞水ユニットを構成する形状の異なる複数種類の上記の滞水材として、具体的に、滞水ユニットの最上面及び最下面に設置されて面を形成する板材、傾斜面を有し該傾斜面を流れる流水に混在する砂や汚泥が該傾斜面により下方に流れる作用を有する傾斜材、及び、板材と傾斜材間、又は、傾斜材間の支柱の役目を果たす脚材の3種類の滞水材を用いるのが好ましい。
【0055】
この場合には、上記のコンピュータは、基本滞水セットが、板材、傾斜材、及び、脚材を組み合わせて構成されている該基本滞水セットの情報を保持する。
【0056】
具体的に、上記の地下貯留槽設計支援方法としては、次のように構成するのが好ましい。まず、上記のコンピュータは、滞水ユニットの最上部以外で且つ最下部以外の部分に単又は複数使用される基本滞水セットの情報として、傾斜材を2段連設した第1基本滞水セット、2段の傾斜材の上に1段の脚材を連設した第2基本滞水セット、1段の傾斜材の上に1段の脚材を連設した第3基本滞水セット、及び、1段の傾斜材の上に2段の脚材を連設した第4基本滞水セットの各情報を保持する。
【0057】
又、同じく、上記のコンピュータは、滞水ユニットの最下部に一つ使用される基本滞水セットの情報として、1段の板材の上に1段の脚材を連設して構成した底部滞水セットの上に更に上記の第1基本滞水セットを連設した第5基本滞水セット、底部滞水セットの上に更に上記の第2基本滞水セットを連設した第6基本滞水セット、底部滞水セットの上に更に上記の第3基本滞水セットを連設した第7基本滞水セット、及び、底部滞水セットの上に更に上記の第4基本滞水セットを連設した第8基本滞水セットの各情報を保持する。
【0058】
そして、又、同じく、上記のコンピュータは、滞水ユニットの最上部に一つ使用される基本滞水セットの情報として、1段の傾斜材の上に2段の板材を連設した第9基本滞水セットの情報を保持するように構成するのである。
【0059】
又、基本滞水セット選択採用ステップは、次のように構成する。即ち、上記のコンピュータの保持する基本滞水セットの情報から、滞水ユニットの最上部に使用される滞水セットである最上部滞水セットとして、第9基本滞水セットを選択して採用するように構成する。
【0060】
そして、滞水ユニットの最下部に使用される滞水セットである最下部滞水セットとして、水平荷重計算ステップの計算結果に基づいて、上記のコンピュータの保持する基本滞水セットの情報から、上記の第5基本滞水セット、第6基本滞水セット、第7基本滞水セット、及び、第8基本滞水セットの中のいずれかを選択して採用するように構成する。
【0061】
更に、上記の最上部滞水セットと最下部滞水セットとで挟まれる滞水ユニットの部分である中間部滞水ユニットに使用される滞水セットである中間部滞水セットとして、水平荷重計算ステップの計算結果に基づいて、上記のコンピュータの保持する基本滞水セットの情報から、上記の第1基本滞水セット、第2基本滞水セット、第3基本滞水セット、及び、第4基本滞水セットの中のいずれかを選択して採用するように構成する。
【0062】
又、上記のコンピュータは、滞水ユニットを構成する滞水材の段数等の情報を、設置条件の情報として保持している。
【0063】
そして、上記の地下貯留槽設計支援方法に、滞水ユニットを構成する滞水ユニット構成ステップを備える。この滞水ユニット構成ステップは、基本滞水セット選択採用ステップにより選択されて採用された最上部滞水セット、最下部滞水セット、及び、中間部滞水セットを用いて、上記のコンピュータに保持されている設置条件に基づき、滞水ユニットを構成するのである。
【0064】
上記の地下貯留槽設計支援方法において、滞水ユニット構成ステップは、基本滞水セット選択採用ステップにより、中間部滞水ユニットを構成する中間部滞水セットとして選択された全ての基本滞水セットにおける、該基本滞水セットを構成する滞水材の段数の合計が、設置条件により定まる中間部滞水ユニットを構成する滞水材の段数である中間部段数よりも多い場合は、最上部滞水セットの直下に位置する中間部滞水セットである基本滞水セットを構成する最上層の滞水材から、順に多い段数分の滞水材を取り除いて滞水ユニットを構成するのが妥当である。
【0065】
又、上記の地下貯留槽設計支援方法を、次のように構成するのが好ましい。即ち、コンピュータに、第9基本滞水セットを構成する板材の材質が異なる等により耐鉛直荷重が異なる複数種類の第9基本滞水セットを、この第9基本滞水セットの備える耐鉛直荷重と対応させて基本滞水セットの情報として保持させる。又、同じく、上記のコンピュータは、設置条件に関する情報として、地下貯留槽における滞水槽の滞水ユニットの最上部を構成する最上部滞水セットに対して、該最上部滞水セットにかかる鉛直荷重である鉛直荷重を計算するのに必要な設置条件の情報を保持する。そして、地下貯留槽設計支援方法に、鉛直荷重計算ステップを備えるのである。
【0066】
この場合に、該鉛直荷重計算ステップは、コンピュータに保持されている設置条件に基づき、最上部滞水セットにかかる鉛直荷重を計算する。そして、基本滞水セット選択採用ステップは、鉛直荷重計算ステップにより計算された最上部滞水セットの鉛直荷重の値以上である耐鉛直荷重を備えた第9基本滞水セットを、コンピュータに保持されている基本滞水セットの情報の中から選択して採用する。
【0067】
上記の地下貯留槽設計支援装置の設計対象として、U字溝が設けられた地下貯留槽とすることができる。即ち、上記の設計対象の地下貯留槽として、該地下貯留槽の滞水槽には、水平状に縦又は横に1列に連設された滞水ユニットの列であるU字溝滞水ユニット列の下に、U字溝が設けられている。そして、U字溝滞水ユニット列以外の滞水ユニットに用いられる傾斜材は、この傾斜材の傾斜の方向が、U字溝に向かって下がるように設置されると共に、U字溝滞水ユニット列の滞水ユニットであるU字溝上滞水ユニットに用いられる傾斜材は、この傾斜材の傾斜の方向が、U字溝滞水ユニット列の方向と同じとなるように設置されている。
【0068】
この場合に、上記のコンピュータは、U字溝上底部滞水セットの情報を保持している。このU字溝上底部滞水セットは、上記の板材に上下方向に開口する開口部を設けて形成した1段の開口板材の上に1段の脚材を連設すると共に、該脚材の上に更に傾斜材を1段連設して構成されている。又、上記の地下貯留槽設計支援方法には、U字溝上滞水ユニットを構成するU字溝上滞水ユニット構成ステップを備える。このU字溝上滞水ユニット構成ステップは、次のようにしてU字溝上滞水ユニットを構成する。
【0069】
即ち、上記の滞水ユニット構成ステップにより構成された滞水ユニットにおける最下部滞水セットの下層4段を取り除き、取り除いた結果、残る部分がない場合は、コンピュータにより保持されている情報であるU字溝上底部滞水セットのみで、又、残る部分がある場合は、該残る部分をU字溝上底部滞水セットの上に連設して、U字溝上最下部滞水セットを構成する。
【0070】
そして、該U字溝上最下部滞水セットの上に、滞水ユニットから最下部滞水セットを除いた部分で構成される一部省略滞水ユニットを連設する。そして、更に、この一部省略滞水ユニットにおける最上部滞水セットと該最上部滞水セットの直下に位置する滞水材との間に、この滞水材が傾斜材であれば脚材、脚材であれば傾斜材を挿入し連設して、U字溝上滞水ユニットを構成するのである。
【0071】
上記の場合、更に、次のようにするのが妥当である。即ち、水平荷重計算ステップは、
上記のU字溝上滞水ユニット構成ステップにより構成されたU字溝上滞水ユニットに対して、該U字溝上滞水ユニットにおける上記の一部省略滞水ユニットを構成する各中間部滞水セットに使用されている基本滞水セットにかかる水平荷重を計算する。
【0072】
そして、U字溝上滞水ユニット構成ステップは、水平荷重計算ステップにより計算された、U字溝上滞水ユニットにおける上記の一部省略滞水ユニットを構成する各中間部滞水セットに使用されている基本滞水セットにかかる水平荷重の値が、この基本滞水セットの備える耐水平荷重の値よりも小さい場合のみ、この基本滞水セットを構成している下層側の脚材を傾斜材に変更してU字溝上滞水ユニットを構成するのである。
【0073】
上記の各地下貯留槽設計支援方法によれば、上述した地下貯留槽設計支援装置を使用して得られる作用、効果と同様の作用、効果を得ることができる。
【0074】
本発明の地下貯留槽設計支援プログラムは、上記の各地下貯留槽設計支援方法が有する各ステップを備えたプログラムであって、上記のコンピュータが実行可能なプログラムである。又、本発明のプログラム媒体は、上記の地下貯留槽設計支援プログラムが記録されたプログラム媒体である。
【発明の効果】
【0075】
本発明によれば、滞水セットの水平荷重の値以上の耐水平荷重を備えた基本滞水セットを選択すると共に、更に、選択されたこれらの基本滞水セットの中から、滞水容積率の最も大きい基本滞水セットを選択して、地下貯留槽における滞水槽の滞水ユニットを構成する滞水セットとして採用することができる。従って、複数種類の形状の異なる滞水材を組み合わせて構成される上述した新たな構造の地下貯留槽において、強度を保ちつつ、貯水部分となる空隙部分が最大となるような構成とすることが可能な地下貯留槽を、迅速、且つ、容易に設計することができる。
【0076】
又、具体的には、板材、傾斜材、及び、脚材を滞水材として用いる地下貯留槽の設計や、U字溝を備えた地下貯留槽の設計に、迅速、且つ、容易に対処することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0077】
以下、本実施の形態における地下貯留槽設計支援装置について、図面を参照しながら詳しく説明する。この地下貯留槽設計支援装置は、前述した新たな構造の地下貯留槽を設計支援の対象としている。
【0078】
<設計支援の対象である地下貯留槽の説明>
そこで、まず、前述した新たな構造の地下貯留槽について詳しく説明する。図2は、この地下貯留槽の例の断面図である。この地下貯留槽は、前述したように、地下に設置される。即ち、図2に示すように、地表51から地中52に穴を掘って、基礎コンクリート26を打ち、その上に保護シート25と遮水シート24又は透水シートを敷くと共に、中央にコンクリート27及びコ字形のコンクリート製の枠を用いて、溝状のU字溝28を形成する。
【0079】
溝状のU字溝28を形成後、遮水シート24又は透水シートの上に、滞水材20を嵌合し積み上げて空間を構成して滞水槽50を形成する。そして、この滞水槽50の側面を遮水シート24又は透水シートで覆う。図2のように遮水シート24を用いると、雨水等を貯留する機能を備えた地下貯留槽となるが、透水シートを用いると、雨水等を透水する機能を備えた地下透水槽となる。又、下方を防水性シートで覆い上方を透水性シートで覆うことにより、両者の機能を共に有する地下貯留透水槽とすることもできる。
【0080】
滞水槽50の側面を遮水シート24又は透水シートで覆った後、掘り出した土を埋め戻して滞水槽50を埋設して、地下貯留槽の設置が完成する。この地下貯留槽における滞水槽50の地表からの埋設深さや滞水槽50の容量等の仕様は、この地下貯留槽の設置条件により定まる。又、この地下貯留槽の滞水槽50には、集水桝54に連結されている導水管55が連結される。集水桝54は、道路に設けられている側溝等と導水管53で連結されており、雨水等が集水桝54に集められる。この雨水等が更に、導水管55を通って、上記の地下貯留槽の滞水槽50に流れ込む仕組みになっている。この地下貯留槽は、雨水貯留用に使用されるほか、工場排水や農業排水等の貯留用にも使用することができる。
【0081】
図3は、上記の地下貯留槽の滞水槽50の外観を示した斜視図である。図3に示すように、上記の地下貯留槽の滞水槽50は、滞水材20を嵌合して連設することにより積み上げて形成される滞水ユニット40を、水平状に縦横に配列して連設することにより形成される。又、U字溝28には、U字溝上滞水ユニット41が形成される。又、図3に示す滞水槽50には、図2に図示されていないマンホール45が備えられている。上記のU字溝上滞水ユニット41の構成は、滞水ユニット40を基にして定められる。そこで、まず、滞水ユニット40について説明する。
【0082】
図4は、上記の滞水ユニット40の外観を示した斜視図である。図4に示すように、滞水ユニット40は、上述したように、滞水材20を嵌合して連設することにより積み上げて形成されているが、具体的には、複数種類の滞水材20を上下方向に組み合わせて嵌合して構成される滞水セット30を、上下方向に連設して構成されるのである。
【0083】
上記の滞水材20は、複数種類の形状の異なるものが用意されている。具体的には、板材21、傾斜材22、及び、脚材23の3種類が用意されている。これらの滞水材20は、ポリプロピレン樹脂等のプラスチック製で、そのサイズは、施工作業を容易にするために、人手で運べる程度の大きさであり、滞水材20の種類毎に、同じ形状で且つ同じサイズに定められている。
【0084】
図5は、上記の3種類の滞水材20の外観を示した斜視図であり、図5(a)は板材21、図5(b)は傾斜材22、そして、図5(c)は脚材23を表している。又、図6は、この3種類の滞水材20を、後述する説明用に簡略化して表したものであり、図6(a)は板材21、図6(b)は傾斜材22、そして、図6(c)は脚材23を表している。尚、実際の板材21は、他の滞水材20よりも厚さが薄いが、図6では他の滞水材20と同じ厚さとしている。
【0085】
上記の板材21は、滞水ユニット40の最上面及び最下面に設置されて面を形成するのに使用される。又、傾斜材22は、傾斜面を有しており、この傾斜面により雨水等に混在する砂や汚泥等をその重力や流水の勢いを利用して所定場所へ向かって流す機能を備えている。又、脚材23は、板材と傾斜材22との間、又は、傾斜材22相互間に挿入されて支柱として使用され、4個単位で用いられる。
【0086】
これらの板材21、傾斜材22、及び、脚材23の滞水材20中から、一種類以上を選んで上下方向に組み合わせることにより、上記の滞水セット30が構成される。従って、滞水セット30には、構成や段数の異なる種々のものが存在する。
【0087】
この滞水セット30には空隙が形成され、この空隙に雨水等が貯留される。この滞水セット30は、滞水材20の組み合わせの違いにより、滞水セット30の全体の体積に対する空隙部分の容積の比率である滞水容積率、及び、地中に埋設時にこの滞水セット30が耐え得る水平荷重である耐水平荷重が異なる。上述したように、滞水材20は、この滞水材20の種類毎に、同じ形状で且つ同じサイズに定められているので、これらの滞水材20を組み合わせて構成される各滞水セット30も、滞水セット30の種類毎に、同じ形状で且つ同じサイズに定められている。又、上記の滞水容積率及び耐水平荷重についても、各滞水セット30を構成する滞水材20の形状やサイズ等により、それぞれ定まる一定の同じ値を有している。
【0088】
これらの滞水セット30を、上下方向に連設して滞水ユニット40が構成されるが、この滞水セット30は、滞水ユニット40の上下方向のどの部分に使用されるかによって、最上部滞水セット31、最下部滞水セット33、及び、中間部滞水セット32の3種類に分かれる。最上部滞水セット31は、滞水ユニット40の最上部に一つ使用される滞水セット30である。最下部滞水セット33は、滞水ユニット40の最下部に一つ使用される滞水セット30である。そして、中間部滞水セット32は、滞水ユニット40の最上部以外で且つ最下部以外の部分、即ち、上記の最上部滞水セット31と上記の最下部滞水セット33とで挟まれる滞水ユニット40の部分に一つ又は複数個使用される滞水セット30である。上記の最上部滞水セット31と上記の最下部滞水セット33とで挟まれる滞水ユニット40の部分を中間部滞水ユニット40aと称する。従って、中間部滞水セット32は、中間部滞水ユニット40aに少なくとも一つ使用される滞水セット30である。
【0089】
上記の最上部滞水セット31、最下部滞水セット33、及び、中間部滞水セット32に使用される滞水セット30は、滞水材20の組み合わせ方で、上述したように、構成や段数の異なる種々のものが構成される。これらの異なる構成を有するそれぞれの滞水セット30を、基本滞水セットと称する。図7〜図9は、これらの各種の基本滞水セットを示したものである。上記の最上部滞水セット31、最下部滞水セット33、及び、中間部滞水セット32は、それぞれ、これらの基本滞水セットの中から選択して採用される。
【0090】
最上部滞水セット31に用いられる基本滞水セットとしては、図7に示す1段の傾斜材22の上に2段の板材を連設した第9基本滞水セット31aが用意されている。この第9基本滞水セット31aは、第9基本滞水セットを構成する板材の材質が異なることで耐鉛直荷重が異なる複数種類が用意されており、最上部滞水セット31にかかる鉛直荷重により、いずれかが選択されて採用される。最上部滞水セット31にかかる鉛直荷重は、上記の地下貯留槽の設置条件における滞水槽50の地表からの埋設深さ等により計算することができる。
【0091】
中間部滞水セット32に用いられる基本滞水セットとしては、傾斜材22を2段連設した図8(a)に示す第1基本滞水セット32a、2段の傾斜材22の上に1段の脚材23を連設した図8(b)に示す第2基本滞水セット32b、1段の傾斜材22の上に1段の脚材23を連設した図8(c)に示す第3基本滞水セット32c、及び、1段の傾斜材22の上に2段の脚材23を連設した図8(d)に示す第4基本滞水セット32dが用意されている。
【0092】
この中間部滞水セット32に用いられる各基本滞水セットにおける耐水平荷重は、構造上、第1基本滞水セット32aが最も大きく、第2基本滞水セット32bから第4基本滞水セット32dにかけて次第に小さくなる。これに対して、滞水容積率は、構造上、第1基本滞水セット32aが最も低く、第2基本滞水セット32bから第4基本滞水セット32dにかけて次第に高くなる。
【0093】
そこで、中間部滞水セット32として使用される基本滞水セットとしては、中間部滞水セット32にかかる水平荷重により、上記の基本滞水セットの中から、この水平荷重に耐える基本滞水セットが選択されると共に、更にこの選択された基本滞水セットの中から、滞水容積率の最も高い基本滞水セットが選択されて採用される。中間部滞水セット32にかかる水平荷重は、中間部滞水セット32の埋設深さ等から計算することができ、この中間部滞水セット32の埋設深さ等は、上記の地下貯留槽の設置条件から計算することができる。
【0094】
最下部滞水セット33に用いられる基本滞水セットとしては、1段の板材の上に1段の脚材23を連設して構成した底部滞水セット34の上に、上記の第1基本滞水セット32aを連設した図9(a)に示す第5基本滞水セット33a、同じく底部滞水セット34の上に上記の第2基本滞水セット32bを連設した図9(b)に示す第6基本滞水セット33b、同じく底部滞水セット34の上に上記の第3基本滞水セット32cを連設した図9(c)に示す第7基本滞水セット33c、及び、同じく底部滞水セット34の上に上記の第4基本滞水セット32dを連設した図9(d)に示す第8基本滞水セット33dが用意されている。
【0095】
この最下部滞水セット33に用いられる各基本滞水セットにおける耐水平荷重及び滞水容積率は、最下部滞水セット33が構造的に底部滞水セット34の上に中間部滞水セット32を連設したものであるので、中間部滞水セット32と同様の状況である。即ち、耐水平荷重は、第5基本滞水セット33aが最も大きく、第6基本滞水セット33bから第8基本滞水セット33dにかけて次第に小さくなる。これに対して、滞水容積率は、第5基本滞水セット33aが最も低く、第6基本滞水セット33bから第8基本滞水セット33dにかけて次第に高くなる。
【0096】
そこで、中間部滞水セット32と同様、最下部滞水セット33として使用される基本滞水セットは、最下部滞水セット33にかかる水平荷重により、上記の基本滞水セットの中から、この水平荷重に耐える基本滞水セットが選択されると共に、更にこの選択された基本滞水セットの中から、滞水容積率の最も高い基本滞水セットが選択されて採用される。最下部滞水セット33にかかる水平荷重は、中間部滞水セット32と同様、最下部滞水セット33の埋設深さ等から計算することができ、この最下部滞水セット33の埋設深さ等は、上記の地下貯留槽の設置条件から計算することができる。
【0097】
ところで、上記の地下貯留槽における滞水槽50の地表からの埋設深さや滞水槽50の容量等の仕様は、上述したように、上記の地下貯留槽の設置条件により定まる。即ち、設置条件から滞水槽50を構成する滞水ユニット40の高さが定まり、この滞水ユニット40の高さから滞水ユニット40を構成する滞水材20の段数が定まる。この設置条件から定まる滞水ユニット40を構成する滞水材20の段数から、最上部滞水セット31に採用された基本滞水セットの段数と、最下部滞水セット33に採用された基本滞水セットの段数とを差し引いた残りの段数を中間部段数と称する。又、滞水ユニット40の中間部段数相当部分は、上述した最上部滞水セット31と最下部滞水セット33とで挟まれる滞水ユニット40の部分であり、上述した中間部滞水ユニット40aに相当する。
【0098】
滞水ユニット40におけるこの中間部滞水ユニット40aの構成には、上述した中間部滞水セット32として選択採用される基本滞水セットが用いられる。この基本滞水セットの選択採用は、中間部滞水ユニット40aの1番下に位置する中間部滞水セット32から順に1個ずつ、上述した方法で水平荷重を計算しながら行われる。従って、水平荷重の計算の結果によっては、中間部滞水ユニット40aの下の方と上の方とで、同じ種類の基本滞水セットが選択される場合もあるし、異なる種類の基本滞水セットが選択される場合もある。例えば、中間部滞水ユニット40aの1番下に位置する中間部滞水セット32として選択された基本滞水セットが第2基本滞水セット32bで、この滞水セットの上に連設される中間部滞水セット32として選択された基本滞水セットが、水平荷重の計算の結果によっては、同じ第2基本滞水セット32bの場合もあれば、第3基本滞水セット32c等の場合もある。
【0099】
又、選択採用される基本滞水セットの個数は、選択採用された全ての基本滞水セットをそれぞれ構成する滞水材20の段数の合計が、上記の中間部段数を充足するのに必要な個数とする。
【0100】
そうすると、以上のようにして選択採用された基本滞水セットにより構成された中間部滞水ユニット40aの滞水材20の段数が、設置条件により定まる中間部段数より多い場合が生じる。この場合は、最上部滞水セット31の直下に位置する中間部滞水セット32である基本滞水セットにおいて、該基本滞水セットを構成する最上層の滞水材20から順に、多い段数分の滞水材20を取り除いて滞水ユニット40を構成する。
【0101】
図10は、この構成方法の例について説明したものである。図10(a)は、構成の途中を示したものであり、図10(b)は、構成した結果を示したものである。図10(a)において、例えば、上記の地下貯留槽の設置条件における貯留槽の容量から、滞水ユニット40の個数と滞水ユニット40を構成する滞水材20の段数が定まる。この段数が13段であったとする。そして、最上部滞水セット31として用いる基本滞水セットとして、第9基本滞水セット31a(図10(a)のア)が選択され、最下部滞水セット33として用いる基本滞水セットとして、第8基本滞水セット33d(図10(a)のイ)が選択されたとする。
【0102】
ここで、設置条件により定まる滞水ユニット40を構成する滞水材20の段数である13段から、第9基本滞水セット31a構成する滞水材20の段数である3段と、第8基本滞水セット33dを構成する滞水材20の段数である5段を引くと、5段となるので、上述した設置条件により定まる中間部段数は5段である。そこでこの設置条件により定まる中間部段数を充足するだけの中間部滞水セット32として用いる基本滞水セットが採用される。その結果として、図10(a)に示すように、第4基本滞水セット32d(図10(a)のウとエ)が2個選択採用されたとする。この構成では、中間部滞水セット32として選択採用された全ての基本滞水セットにおける、該基本滞水セットを構成する滞水材20の段数の合計は、第4基本滞水セット32dを構成する滞水材20の段数である3段の2倍であり、6段となる。この段数は、設置条件により定まる中間部滞水ユニット40aを構成する滞水材20の段数である中間部段数5段よりも1段多い。
【0103】
そこで、最上部滞水セット31の直下に位置する中間部滞水セット32として採用された基本滞水セットを構成する最上層の滞水材20から、順に多い段数分、即ち、1段分の滞水材20を取り除いて、滞水ユニット40を構成する。この場合、最上部滞水セット31の直下に位置する中間部滞水セット32として採用された基本滞水セットは、第4基本滞水セット32dであり、この第4基本滞水セット32dは、3段の滞水材20で構成されている。そして、この第4基本滞水セット32dの最上層は、脚材23(図10(a)のJ)であるので、この脚材23を取り除くと、図10(b)に示すようになる。即ち、図10(a)の(エ)と比べると、図10(b)の(エ)は1段少なくなっている。このようにして構成された滞水ユニット40が、図4に示した滞水ユニット40である。
【0104】
尚、上記の例では、最下部滞水セット33として用いる基本滞水セットが第8基本滞水セット33dで、中間部滞水ユニット40aを構成する中間部滞水セット32として採用された基本滞水セットが、第4基本滞水セット32dの2個であるが、これらの組み合わせとしては、地下貯留槽の設置条件によっては、さまざまな組み合わせが考えられる。例えば、最下部滞水セット33として用いられる基本滞水セットとして、第8基本滞水セット33d以外の、第5基本滞水セット33a、第6基本滞水セット33b、又は、第7基本滞水セット33cのいずれの場合もあり得る。又、中間部滞水ユニット40aを構成する中間部滞水セット32として採用される基本滞水セットとしては、第4基本滞水セット32d以外の、第1基本滞水セット32a、第2基本滞水セット32b、又は、第3基本滞水セット32cのいずれの場合もあり得るし、上述したように、中間部滞水ユニット40aの下の方と上の方とで、同じ種類の基本滞水セットが選択される場合もあれば、異なる種類の基本滞水セットが選択される場合もある。
【0105】
次に、U字溝上滞水ユニット41について説明する。上述したように、上記の地下貯留槽には、図3に示すように、水平状に縦又は横に1列に並んだ滞水ユニット40の列の下に、この列に沿って、U字溝28が設けられている。このU字溝28の上に位置する滞水ユニット40を、U字溝上滞水ユニット41と称する。又、このU字溝上滞水ユニット41が1列に並んでいる列を、U字溝滞水ユニット列と称する。
【0106】
このU字溝上滞水ユニット41を備えている地下貯留槽では、U字溝滞水ユニット列以外の滞水ユニット40の滞水セット30に含まれる傾斜材22の傾斜の方向が、図3に示すように、U字溝28に向かって下がるように設置されると共に、U字溝滞水ユニット列を形成しているU字溝上滞水ユニット41に含まれる傾斜材22の傾斜の方向が、U字溝滞水ユニット列の方向と同じとなるように配設されている。これは、傾斜材22を流れる砂や汚泥等が、U字溝28に流れ込みやすいようにするためである。尚、図3及び図4に表示されている滞水ユニット40の頂部表面には、矢印35や矢印36が表示されているが、この矢印35や矢印36は、その矢印の表示がある滞水ユニット40を構成している滞水セットに含まれている傾斜材22の傾斜の向き、即ち、傾斜が低くなる方向を示すために用いられている。しかし、実際の滞水ユニット40には、このような矢印35や矢印36は表示されていない。
【0107】
上記のU字溝上滞水ユニット41は、上述したように、滞水ユニット40を基にして、上記の地下貯留槽の設置条件に基づき定められる。即ち、板材21に上下方向に開口する開口部を設けて形成した1段の開口板材21aの上に1段の脚材23を連設すると共に、該脚材23の上に更に傾斜材22を1段連設してU字溝上底部滞水セット38を構成する。そして、滞水ユニット40における最下部滞水セット33の下層4段を取り除いて残る部分がない場合は、U字溝上底部滞水セット38のみで、残る部分がある場合は、この残る部分を上記のU字溝上底部滞水セット38の上に連設してU字溝上最下部滞水セット37とする。
【0108】
そして、更に、このU字溝上最下部滞水セット37の上に、滞水ユニット40から最下部滞水セット33を除いた部分で構成される一部省略滞水ユニット40bを連設する。その上で、更に、最上部滞水セット31と、一部省略滞水ユニット40bにおけるこの最上部滞水セット31の直下に位置する滞水材20との間に、滞水材20を挿入し連設して、U字溝上滞水ユニット41を構成する。挿入する滞水材20としては、一部省略滞水ユニット40bにおける最上部滞水セット31の直下に位置する滞水材20が、傾斜材22であれば脚材23を、脚材23であれば傾斜材22を用いる。
【0109】
このように、滞水材20を1段挿入するのは、U字溝上滞水ユニット41を構成するU字溝上最下部滞水セット37の段数が、滞水ユニット40を構成する最下部滞水セット33の段数よりも1段少なくなるので、これを補って、U字溝上滞水ユニット41の段数を滞水ユニット40の段数と同数にするためである。又、U字溝上滞水ユニット41を構成するU字溝上最下部滞水セット37の段数を、滞水ユニット40を構成する最下部滞水セット33の段数よりも1段少なくして、その上に、一部省略滞水ユニット40bを連設するのは、滞水ユニット40を流れる砂や汚泥等が、スムースにU字溝上滞水ユニット41を経由してU字溝28に流れ込むようにするためである。
【0110】
図11は、上記の滞水ユニット40の例に基づいて、この滞水ユニット40からU字溝上滞水ユニット41を構成する上記の構成方法を説明したものである。この場合、基になる滞水ユニット40は、最上部滞水セット31として、第9基本滞水セット31a(図10(b)のア)を、最下部滞水セット33として、第8基本滞水セット33d(図11(a)のイ)を、そして、中間部滞水セット32として、第4基本滞水セット32d(図11(a)のウとエ)を、それぞれ採用して構成されている。
【0111】
そこで、U字溝上滞水ユニット41は、次の手順で構成される。まず、上記の滞水ユニット40において、最下部滞水セット33である第8基本滞水セット33dから下層4段を取り除くと、脚材23(図10(b)のK)のみが残る。又、滞水ユニット40から最下部滞水セット33を除いて、一部省略滞水ユニット40bが構成される。この一部省略滞水ユニット40bは、図10(b)の(ア)、(ウ)及び(エ)で構成される。
【0112】
一方、図11(a)において、U字溝上滞水ユニット41としては、まず、下から上に向かって、開口板材21a、脚材23、及び、傾斜材22を順に連設してU字溝上底部滞水セット38を構成し、このU字溝上底部滞水セット38の上に、上記で残った脚材23(図10(b)のK)を連設して、U字溝上最下部滞水セット37(図11(a)のキ)を構成する。
【0113】
次に、このU字溝上最下部滞水セット37の上に、上記の一部省略滞水ユニット40b(図11(a)のカ、ク及びケ)を連設する。そうすると、一部省略滞水ユニット40bにおける最上部滞水セット31の直下に位置する滞水材20は、脚材23(図10(a)のP)であるから、傾斜材22(図11(b)のQ)を、U字溝上最下部滞水セット37の上に連設された一部省略滞水ユニット40bにおける最上部滞水セット31と、この最上部滞水セット31の直下に位置する滞水材20である脚材23(図11(b)のP)との間に挿入する。このようにして、図11(b)に示すようなU字溝上滞水ユニット41が構成される。
【0114】
上記のようにして構成されたU字溝上滞水ユニット41では、図11(a,b)及び図9からわかる通り、U字溝上最下部滞水セット37の下側3段は、滞水ユニット40の最下部滞水セット33に用いられる基本滞水セットのいずれとも、その下側3段と構成が全く同じであり、且つ、U字溝上最下部滞水セット37の段数は、最下部滞水セット33に用いられる基本滞水セットの段数よりも1段低くなるので、U字溝上最下部滞水セット37の耐水平荷重は、最下部滞水セット33の耐水平荷重よりも大きい。そのため、最下部滞水セット33が水平荷重に十分耐える以上、U字溝上最下部滞水セット37も水平荷重に十分耐え得る。
【0115】
しかし、U字溝上滞水ユニット41における上記の一部省略滞水ユニット40bを構成する各中間部滞水セット32に使用されている基本滞水セットの位置は、滞水ユニット40における一部省略滞水ユニット40bを構成する各基本滞水セットの位置よりも一段低いことから、滞水ユニット40における一部省略滞水ユニット40bを構成する各中間部滞水セット32に使用されている基本滞水セットが水平荷重に十分耐えるからといって、U字溝上滞水ユニット41における一部省略滞水ユニット40bを構成する各中間部滞水セット32に使用されている基本滞水セットが水平荷重に十分耐え得るとはいえない。
【0116】
そこで、U字溝上滞水ユニット41に対して、更に、U字溝上滞水ユニット41における一部省略滞水ユニット40bを構成する各中間部滞水セット32に使用されている基本滞水セットにかかる水平荷重の計算を行う。そして、この計算した基本滞水セットにかかる水平荷重の値が、この基本滞水セットの備える耐水平荷重の値よりも小さい場合のみ、この基本滞水セットを構成している下層側の脚材23を、傾斜材22に変更してU字溝上滞水ユニット41を構成し、U字溝上滞水ユニット41の耐水平荷重の強化を図る。
【0117】
上述の例では、図11(b)において、例えば、(ク)の部分は第4基本滞水セット32dが用いられているが、この(ク)の部分の水平荷重の値が、第4基本滞水セット32dの耐水平荷重の値よりも小さい場合は、(ク)の部分の第4基本滞水セット32dの下層側の脚材23、即ち、中層の脚材23(図11(b)のR)を傾斜材22に変更してU字溝上滞水ユニット41を構成する。U字溝上滞水ユニット41における一部省略滞水ユニット40bを構成する他の基本滞水セットに対しても同様の処理を行う。
【0118】
<地下貯留槽設計支援装置の説明>
次に、本実施の形態における地下貯留槽設計支援装置について説明する。この地下貯留槽設計支援装置は、上述した地下貯留槽の設計支援を行う装置である。この装置のハードウエアとしては、ワークステーションや高性能のパソコンが用いられる。これらのワークステーションやパソコンを用いた地下貯留槽設計支援装置は、一般に、図12に示すような構成である。即ち、本実施の形態における地下貯留槽設計支援装置10は、図12において、CPU11、メモリ12、キーボード13、マウス14、表示装置15、及び、プリンタ16で構成されている。
【0119】
上記の地下貯留槽設計支援装置10のメモリ12には、本実施の形態で必要なOSを含む各種ソフトウエアが搭載されており、本実施の形態における地下貯留槽設計支援装置10の機能は、これらのソフトウエアを実行することにより実現される。即ち、前述した滞水セット情報保持手段、設置条件情報保持手段、水平荷重計算手段、基本滞水セット選択採用手段、滞水ユニット構成手段、鉛直荷重計算手段、及び、U字溝上滞水ユニット構成手段の各機能は、これらのソフトウエアと上記のハードウエアとの協働で実現される。
【0120】
上記の地下貯留槽設計支援装置10のメモリ12には、上述した地下貯留槽の設置条件関する情報、及び、最上部滞水セット31、最下部滞水セット33、及び、中間部滞水セット32に使用される各種の基本滞水セットに関する情報が記憶されている。又、U字溝上底部滞水セット38に関する情報も記憶されている。これらの情報は、図12に示すキーボード13等を用いて入力されることにより、メモリ12に記憶される。
【0121】
基本滞水セットに関する情報である上記の各種の基本滞水セットは、上述したように、耐水平荷重及び滞水容積率がそれぞれ異なっている。しかし、この耐水平荷重と滞水容積率とは、上述したように、耐水平荷重が大きくなると、滞水容積率は低くなり、耐水平荷重が小さくなると、滞水容積率は高くなることから、トレードオフの関係にある。そこで、水平荷重計算の結果に基づき、耐え得る基本滞水セットの中から最も滞水容積率の高い基本滞水セットを選択する手順を簡素化するために、基本滞水セットの情報に次のような工夫を行っている。
【0122】
即ち、選択可能な基本滞水セットを、この基本滞水セットの耐水平荷重が大きい方から小さい方へ順に並べると、この順番は、これらの基本滞水セットを、この基本滞水セットの滞水容積率が低い方から高い方へ順に並べた順番になる。そこで、各基本滞水セットの耐水平荷重を上限とし、この基本滞水セットより耐水平荷重が一つ下の順位の基本滞水セットにおける耐水平荷重を下限として一覧表示したのが、図13に示す基本滞水セットテーブル(その1)である。図13は、中間部滞水セット32及び最下部滞水セット33に使用される基本滞水セットを示している。図13中、NGとあるのは、該当する基本滞水セットが用意されていないことを示している。
【0123】
上述したように、耐水平荷重と滞水容積率とはトレードオフの関係にあることから、上記の基本滞水セットテーブル(その1)は、基本滞水セットが備える滞水容積率の大きさの順位をこの基本滞水セットと対応させて保持させたのと同様の作用効果を有している。又、この基本滞水セットテーブル(その1)を用いて基本滞水セットを選択することは、滞水容積率の大きさの順位が付されている基本滞水セットの情報から、滞水容積率の大きさの順位の最も高い基本滞水セットを選択するのと、実質的に同じである。
【0124】
又、最上部滞水セット31に使用される基本滞水セットを、上記と同様に、耐鉛直荷重が大きい方から小さい方へ順に並べて一覧表示したのが、図14に示す基本滞水セットテーブル(その2)である。これらの基本滞水セットに関する情報が、上記の地下貯留槽設計支援装置10のメモリ12に記憶されている。尚、図14において、NGとあるのは、該当する基本滞水セットが用意されていないことを示している。
【0125】
次に、上記の地下貯留槽設計支援装置の処理プロセスについて説明する。上述したように、上記の地下貯留槽における滞水槽50の地表からの埋設深さや滞水槽50の縦横のサイズや容量等の仕様は、上記の地下貯留槽の設置条件により定まる。又、各基本滞水セットは、各基本滞水セットを構成する滞水材20のサイズ等から、それぞれ定まる一定の値で表されるサイズ、滞水容積率、及び、耐水平荷重等を有している。
【0126】
従って、上記の地下貯留槽の設置条件から、滞水槽50を構成する滞水ユニット40の高さ及び滞水ユニット40を構成する滞水材20の段数が定まる。又、上記の地下貯留槽の設置条件から、滞水ユニット40を構成する各滞水セット30の埋設位置が定まり、該埋設位置により、各滞水セット30にかかる水平荷重を計算することができる。但し、上記の地下貯留槽設計支援装置では、滞水セット30を構成する滞水材20で最下層に位置する滞水材20にかかる水平荷重を計算するようにしている。滞水セット30にかかる水平荷重としては、滞水セット30の各滞水材20にかかる水平荷重の平均を求める方法もあるが、多少複雑となることから、上記のようにするのが便宜であるからである。又、上記の地下貯留槽の設置条件から、滞水ユニット40の最上部の滞水セット30にかかる鉛直荷重を計算することができる。上記の地下貯留槽設計支援装置の処理プロセスには、これらの仕組みが織り込まれている。
【0127】
図15は、上記の地下貯留槽設計支援装置の主な処理プロセスを示したフローチャートである。図15において、上記の地下貯留槽設計支援装置の処理プロセスは、滞水ユニットにおける滞水材段数計算ステップ(S1)、最上部滞水セット選択ステップ(S2)、最下部滞水セット選択ステップ(S3)、中間部滞水セット選択ステップ(S4)、滞水ユニット構成ステップ(S5)、及び、U字溝上滞水ユニット構成ステップ(S6)で構成されている。これらの各ステップで処理された結果は、全て、地下貯留槽設計支援装置10のメモリ12に記憶される。以下、これらの各ステップについて説明する。
【0128】
まず、上記の地下貯留槽設計支援装置10に対して、図12に示すこの地下貯留槽設計支援装置10のキーボード13やマウス14等を用いて動作開始の指示がなされると、滞水ユニット40における滞水材段数計算ステップ(S1)が実行される。このステップ(S1)では、地下貯留槽設計支援装置10のメモリ12に記憶されている設置条件の情報を基にして、上記の地下貯留槽における滞水槽50を構成する滞水ユニット40に使用される滞水材20の段数Nを計算する。
【0129】
次に、最上部滞水セット選択ステップ(S2)に移行する。図16は、この最上部滞水セット選択ステップ(S2)の詳細処理プロセスを示したフローチャートである。このステップ(S2)では、地下貯留槽設計支援装置10のメモリ12に記憶されている設置条件の情報を基にして、滞水ユニット40の最上部の最上部滞水セット31にかかる鉛直荷重を計算する(S21)。そして、地下貯留槽設計支援装置10のメモリ12に記憶されている図14に示す基本滞水セットテーブル(その2)の中から、この計算により求められた鉛直荷重の値が、上限値と下限値の間に存在する基本滞水セットを選択する。即ち、上記の計算により求められた鉛直荷重に基づいて、基本滞水セットテーブル(その2)から、最上部滞水セット31(第9基本滞水セット31a)として、第9基本滞水セットA、第9基本滞水セットB、又は、第9基本滞水セットCのいずれかの基本滞水セットを選択して採用する(S22)。そして、選択された基本滞水セットの滞水材20の段数を上記のNから減算して新たなNとする(S23)。
【0130】
次に、最下部滞水セット選択ステップ(S3)に移行する。図17は、この最下部滞水セット選択ステップ(S3)の詳細処理プロセスを示したフローチャートである。このステップ(S3)では、地下貯留槽設計支援装置10のメモリ12に記憶されている設置条件の情報を基にして、滞水ユニット40の最下部の最下部滞水セット33にかかる水平荷重を計算する(S31)。そして、地下貯留槽設計支援装置10のメモリ12に記憶されている図13に示す基本滞水セットテーブル(その1)の中から、この計算により求められた水平荷重の値が、上限値と下限値の間になる基本滞水セットを選択する。即ち、上記の計算により求められた水平荷重に基づいて、基本滞水セットテーブル(その1)から、最下部滞水セット33として、第5基本滞水セット〜第8基本滞水セットのいずれかの基本滞水セットを選択して採用する(S32)。そして、選択された基本滞水セットの滞水材20の段数を上記の最上部滞水セット選択ステップ(S2)で演算されたNから更に減算して新たなNとする(S33)。
【0131】
次に、中間部滞水セット選択ステップ(S4)に移行する。図18は、この中間部滞水セット選択ステップ(S4)の詳細処理プロセスを示したフローチャートである。このステップ(S4)では、中間部滞水ユニット40aの最下方に位置する中間部滞水セット32の水平荷重を計算する(S41)。そして、この計算により求められた水平荷重に基づいて、上記の最下部滞水セット選択ステップ(S3)と同様にして、地下貯留槽設計支援装置10のメモリ12に記憶されている図13に示す基本滞水セットテーブル(その1)から、中間部滞水セット32として、第1基本滞水セット〜第4基本滞水セットのいずれかの基本滞水セットを選択して、地下貯留槽設計支援装置10のメモリ12に記憶する(S42)。
【0132】
そして、選択された基本滞水セットの滞水材20の段数を上記の最下部滞水セット選択ステップ(S3)で演算されたNから更に減算して新たなNとする(S43)。そして、減算した結果のNが0以下であるか否かを判断する(S44)。ここで、減算する前のNは、滞水ユニットにおける滞水材段数計算ステップ(S1)で演算された滞水ユニット40を構成する滞水材20の段数(即ち、設置条件から定まる滞水ユニット40における滞水材20の段数)Nから、最上部滞水セット選択ステップ(S2)で演算された最上部滞水セット31に使用される基本基本滞水セットの滞水材20の段数、及び、最下部滞水セット選択ステップ(S3)で演算された最下部滞水セット33に使用される基本滞水セットの滞水材20の段数を減算した値である。これは、中間部滞水ユニット40aの滞水材20の段数であり、即ち、中間部段数を表している。
【0133】
そこで、S43における減算した結果のNが0以下でなければ、中間部滞水ユニット40aを充足するのに必要な個数の中間部滞水セット30として使用される基本滞水セットが選択されていないことになるので(S44)、この場合は、上記で選択処理が行われた中間部滞水セット30の上方に隣接する次の中間部滞水セット30の水平荷重を計算する(S45)。そして、S42へ戻り、S42、S43、及びS44を再度行う。この上記のS45、S42、S43、及びS44の処理は、S44で減算した結果のNが0以下になるまで繰り返して行う。S44で減算した結果のNが0以下になると、中間部滞水ユニット40aを充足するのに必要な個数の中間部滞水セット30として使用される基本滞水セットが選択されたことになる(S44)。尚、上記のS42で、基本滞水セットが選択される毎に、この選択された基本滞水セットのみならず、この基本滞水セットが選択された順序が、地下貯留槽設計支援装置10のメモリ12に記憶される。
【0134】
中間部滞水セット30として使用される基本滞水セットの選択は、上述したように、水平荷重の計算に基づいて、第1基本滞水セット32a〜第4基本滞水セット32dの中から選択される。図19は、図13に示す基本滞水セットテーブル(その1)に基づいて行われるこの選択の過程を示した説明図である。図19は、左から右に向かって、又、上から下に向かって、基本滞水セットが配列されているが、これは、左から右に向かって、且つ、上から下に向かって、次第に基本滞水セットの耐水平荷重が小さくなると共に滞水容積率が高くなるように配列されている。即ち、図19の右又は下へ行くにつれて、耐水平荷重が小さくなると共に滞水容積率が高くなるように配列されている。
【0135】
この図19において、図の一番上の列は、中間部滞水ユニット40aの最下方に位置する中間部滞水セット32であり、水平荷重の計算の結果であるXの値に基づき、第1基本滞水セット32a〜第4基本滞水セット32dのいずれが選択されるかが定まる。そして、この選択された基本滞水セットからスタートして、基本滞水セットの選択毎に行われる水平荷重の計算の結果であるXの値が、より滞水容積率の高い基本滞水セットの耐水平荷重以下になる度に、下のほうへ移動して、基本滞水セットの種類が変更される。
【0136】
尚、基本原理として、最下方に位置する中間部滞水セット32よりも上に位置する中間部滞水セット32にかかる水平荷重は、最下方に位置する中間部滞水セット32よりも小さくなる。そこで、中間部滞水ユニット40aの最下方に位置する中間部滞水セット32に使用される基本滞水セットとして、例えば、第2基本滞水セット32bが選択されたとすると、最下方に位置する中間部滞水セット32の強度が、第2基本滞水セット32bの備える耐水平荷重で十分である以上、最下方に位置する中間部滞水セット32よりも上位に位置する中間部滞水セット32に使用される基本滞水セットとして、第2基本滞水セット32bよりも耐水平荷重の大きい第1基本滞水セット32aは、選択する必要性はないので、選択されることはない。同様にして、最下方に位置する中間部滞水セット32に使用される基本滞水セットとして第3基本滞水セット32cが選択されると、第1基本滞水セット32a、及び、第2基本滞水セット32bが選択されることはない。又、同様に、第4基本滞水セット32dが選択されると、第1基本滞水セット32a、第2基本滞水セット32b、及び、第3基本滞水セット32cが選択されることもない。図19は、このような状況を基にして作成されている。
【0137】
中間部滞水セット30として使用される基本滞水セットの選択が上記のようにして終了すると、次に、S44で減算した結果のNが、0であるか否かを判断する(S46)。Nが0である場合は、中間部滞水ユニット40aを充足している全ての基本滞水セットを構成する滞水材20の段数の合計が、上記の中間部段数と一致するので、S4における処理を終了する。
【0138】
Nが0でない場合、即ち、マイナスの場合は(S46)、中間部滞水ユニット40aを充足している全ての基本滞水セットを構成する滞水材20の段数の合計が、上記の中間部段数と一致しない、即ち、上記の中間部段数より段数が多くなるので、この場合は、最後に選択された基本滞水セットの情報に対して、この最後に選択された基本滞水セットを構成する最上層の滞水材20から、順に上記の多い段数分、即ち、上記のNの値の絶対値が示す段数分の滞水材20を取り除いた処理をして(S47)、この中間部滞水セット選択ステップ(S4)における処理を終了する。
【0139】
例えば、滞水ユニット40を構成する滞水材20の段数が13段である上述した例の場合、中間部段数は5段である。この場合に、中間部滞水セット32として、最初に、S41及びS42で、第4基本滞水セット32dが選択されることになるが(S41及びS42)、第4基本滞水セット32dの滞水材20の段数は3段であるから、この段階では、減算した結果のNは、2であり、0以下ではない(S43及びS44)。そこで、次に、再度、第4基本滞水セット32dが選択されるが(S45及びS42)、この段階では、減算した結果のNは、−1となり、0ではない(S43及びS44)。
【0140】
そこで、最後に選択された基本滞水セットである第4基本滞水セット32dを構成する最上層の滞水材20から、上記のNの値の絶対値が示す段数分、即ち1段の滞水材20を取り除く。上記の第4基本滞水セット32dを構成する最上層の滞水材20は、脚材23であるから、この脚材23を取り除くことにより、最後に選択された基本滞水セットを修正する。
【0141】
次に、滞水ユニット構成ステップ(S5)に移行する。このステップ(S5)では、上記の最上部滞水セット選択ステップ(S2)で選択され採用された基本滞水セット、及び、最下部滞水セット選択ステップ(S3)で選択され採用された基本滞水セットと、中間部滞水セット選択ステップ(S4)で選択され採用された基本滞水セット及びその選択された順序とを用いて、滞水ユニット40を構成する。
【0142】
即ち、最下部滞水セット選択ステップ(S3)で選択され採用された基本滞水セットの上に、中間部滞水セット選択ステップ(S4)で選択され採用された基本滞水セットを、この基本滞水セットが選択された順序に従って下から上へ積み上げて連設し、更にその上に、最上部滞水セット選択ステップ(S2)で選択され採用された基本滞水セットを積み上げて連設して、滞水ユニット40を構成する。
【0143】
次に、U字溝上滞水ユニット構成ステップ(S6)に移行する。図20、図21及び図22は、このU字溝上滞水ユニット構成ステップ(S6)の詳細処理プロセスを示したフローチャートである。このステップ(S6)では、最下部滞水セット選択ステップ(S3)で選択された滞水ユニット40の最下部滞水セット33として採用された基本滞水セットの下層4層を取り除いて(S61)、残る部分の有無を判断する(S62)。残る部分がある場合は、この残る部分を、上記のU字溝上底部滞水セット38の上に連設してU字溝上最下部滞水セット37を構成する(S63)。残る部分がない場合は、地下貯留槽設計支援装置10のメモリ12に記憶されているU字溝上底部滞水セット38をそのままU字溝上最下部滞水セット37とする(S64)。
【0144】
そして、滞水ユニット構成ステップ(S5)で構成された滞水ユニット40から最下部滞水セット33を取り除いて一部省略滞水ユニット40bを構成する(S65)。この一部省略滞水ユニット40bを、上記のU字溝上最下部滞水セット37の上に連設する(S66)。次に一部省略滞水ユニット40bにおける最上部滞水セット31の直下に位置する滞水材20の種類を判断する(S67)。この滞水材20の種類が脚材23であれば(S68)、傾斜材22を、最上部滞水セット31と該最上部滞水セット31の直下に位置する滞水材20との間に挿入して連設し、U字溝上滞水ユニット41を構成する(S69)。最上部滞水セット31の直下に位置する滞水材20の種類が脚材23でなければ(S68)傾斜材22であるので、脚材23を、最上部滞水セット31と該最上部滞水セット31の直下に位置する滞水材20との間に挿入して連設し、U字溝上滞水ユニット41を構成する(S70)。
【0145】
次に、一部省略滞水ユニット40bを構成する各中間部滞水セット32に使用されている基本滞水セットにかかる水平荷重を計算する(S71)。そして、この計算結果が中間部滞水セット32に使用されている基本滞水セットの耐水平荷重以下か否かを判断する(S72)。上記の計算結果が上記の耐水平荷重以下でない場合、即ち、上記の耐水平荷重より大きい場合は(S73)、この中間部滞水セット32に使用されている基本滞水セットの強度が不足しているので、この基本滞水セットを構成している下層側の脚材23を、傾斜材22に変更して強化する(S74)。そして、全ての中間部滞水セット32に使用されている基本滞水セットに対して上記の水平荷重の計算が終了したか否かを判断し(S75)、終了していなければ(S76)、終了するまで(S76)、S71以降を繰り返す。又、S73で、計算結果が上記の耐水平荷重以下である場合は、上記の中間部滞水セット32に使用されている基本滞水セットの強度は不足していないので、そのままS74に移行して、以後上記と同様に処理する。
【0146】
上記の地下貯留槽設計支援装置によれば、滞水セットの水平荷重の値以上の耐水平荷重を備えた基本滞水セットが選択されると共に、更に、選択されたこれらの基本滞水セットの中から、滞水容積率の最も大きい基本滞水セットを選択して、地下貯留槽における滞水槽の滞水ユニット40を構成する滞水セットとして採用することができる。又、具体的に、板材、傾斜材22、及び、脚材23を滞水材20として用いた滞水セットを構成することができる。又、採用されたこれらの滞水ユニット40を用いて、滞水ユニット40やU字溝上滞水ユニット41を構成することができる。従って、構成されたこれらの滞水ユニット40やU字溝上滞水ユニット41を用いることにより、上述した新たな構造の地下貯留槽において、強度を保ちつつ、貯水部分となる空隙部分が最大となるような構成とすることが可能な地下貯留槽を、迅速、且つ、容易に設計することができる。
【0147】
上記の地下貯留槽設計支援装置では、各基本滞水セットの耐水平荷重を上限とし、該基本滞水セットより耐水平荷重が一つ下の順位の基本滞水セットにおける耐水平荷重を下限として一覧表示した基本滞水セットテーブルを用いているが、各基本滞水セットを、この基本滞水セットが備える滞水容積率及び耐水平荷重と対応させて一覧表示した基本滞水セットテーブルを用いるようにしてもよい。この場合は、基本滞水セットの選択方法は、水平荷重計算の結果に基づき、耐え得る基本滞水セットの中から最も滞水容積率の高い基本滞水セットを選択する方法を用いる。
【0148】
或いは、各基本滞水セットを、この基本滞水セットが備える滞水容積率の大きさの順位をこの基本滞水セットと対応させて一覧表示した基本滞水セットテーブルを用いるようにしてもよい。この場合は、基本滞水セットの選択方法は、水平荷重計算の結果に基づき、耐え得る基本滞水セットの中から滞水容積率の大きさの順位の最も高い基本滞水セットを選択する方法を用いる。
【0149】
又、上記の地下貯留槽設計支援装置では、滞水材として、板材21、傾斜材22、及び、脚材23により構成される滞水セットを用いた水貯留槽を設計支援の対象としているが、これらとは異なる滞水材により構成される滞水セットを用いた地下貯留槽を設計支援の対象とすることもできる。
【0150】
又、上記の地下貯留槽設計支援装置では、板材21、傾斜材22、及び、脚材23を組み合わせた基本滞水セットとして、第1基本滞水セット〜第9基本滞水セットを用いた水貯留槽を設計支援の対象としているが、これらとは異なる組み合わせにより構成される滞水セットを用いた地下貯留槽を設計支援の対象とすることもできる。
【0151】
又、上記の地下貯留槽設計支援装置10において、地下貯留槽設計支援装置10のメモリ12に3次元立体図形を作成するためのソフトウエアを搭載することにより、このソフトウエアで作成された図形を、上述した各処理におけるプロセスに併用するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0152】
【図1】本発明の地下貯留槽設計支援装置の構成を示したブロック図である。
【図2】本実施の形態における設計支援の対象である地下貯留槽の断面図である。
【図3】図2の地下貯留槽における滞水槽の外観を示した斜視図である。
【図4】図2の地下貯留槽における滞水ユニットの外観を示した斜視図である。
【図5】滞水材の外観を示した斜視図であり、(a)は板材、(b)は傾斜材、そして、(c)は脚材である。
【図6】滞水材を示した簡略図であり、(a)は板材、(b)は傾斜材、そして、(c)は脚材である。
【図7】最上部滞水セットに用いられる第9基本滞水セットの簡略図である。
【図8】中間部滞水セットに用いられる基本滞水セットの簡略図であり、(a)は第1基本滞水セット、(b)は第2基本滞水セット、(c)は第3基本滞水セット、そして、(d)は第4基本滞水セットである。
【図9】最下部滞水セットに用いられる基本滞水セットの簡略図であり、(a)は第5基本滞水セット、(b)は第6基本滞水セット、(c)は第7基本滞水セット、そして、(d)は第8基本滞水セットである。
【図10】滞水ユニットの構成方法の説明図であり、(a)は構成の途中、(b)は構成の結果を示している。
【図11】U字溝上滞水ユニットの構成方法の説明図であり、(a)は構成の途中、(b)は構成の結果を示している。
【図12】本実施の形態における地下貯留槽設計支援装置に用いられるパソコンの構成を示したブロック図である。
【図13】本実施の形態における地下貯留槽設計支援装置のメモリに記憶されている基本滞水セットテーブル(その1)である。
【図14】本実施の形態における地下貯留槽設計支援装置のメモリに記憶されている基本滞水セットテーブル(その2)である。
【図15】本実施の形態における地下貯留槽設計支援装置の処理プロセスを示したフローチャートである。
【図16】本実施の形態における地下貯留槽設計支援装置における最上部滞水セット選択ステップを示したフローチャートである。
【図17】本実施の形態における地下貯留槽設計支援装置における最下部滞水セット選択ステップを示したフローチャートである。
【図18】本実施の形態における地下貯留槽設計支援装置における中間部滞水セット選択ステップを示したフローチャートである。
【図19】本実施の形態における地下貯留槽設計支援装置における中間部滞水セットの選択過程を示した説明図である。
【図20】本実施の形態における地下貯留槽設計支援装置におけるU字溝上滞水ユニット構成ステップを示したフローチャート(その1)である。
【図21】本実施の形態における地下貯留槽設計支援装置におけるU字溝上滞水ユニット構成ステップを示したフローチャート(その2)である。
【図22】本実施の形態における地下貯留槽設計支援装置におけるU字溝上滞水ユニット構成ステップを示したフローチャート(その3)である。
【符号の説明】
【0153】
1 滞水セット情報保持手段
2 設置条件情報保持手段
3 水平荷重計算手段
4 基本滞水セット選択採用手段
10 パソコン
11 CPU
12 メモリ
13 キーボード
14 マウス
15 表示装置
16 プリンタ
20 滞水材
21 板材
21a 開口板材
22 傾斜材
23 脚材
24 遮水シート
25 保護シート
26 基礎コンクリート
27 コンクリート
28 U字溝
29 地中
30 滞水セット
31 最上部滞水セット
31a 第9基本滞水セット
32 中間部滞水セット
32a 第1基本滞水セット
32b 第2基本滞水セット
32c 第3基本滞水セット
32d 第4基本滞水セット
33 最下部滞水セット
33a 第5基本滞水セット
33b 第6基本滞水セット
33c 第7基本滞水セット
33d 第8基本滞水セット
34 底部滞水セット
37 U字溝上最下部滞水セット
38 U字溝上底部滞水セット
40 滞水ユニット
40a 中間部滞水ユニット
40b 一部省略滞水ユニット
41 U字溝上滞水ユニット
45 マンホール
50 滞水槽
51 地表
52 地中
53 導水管
54 集水桝
55 導水管




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013