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発明の名称 壁パネル
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−138527(P2007−138527A)
公開日 平成19年6月7日(2007.6.7)
出願番号 特願2005−333087(P2005−333087)
出願日 平成17年11月17日(2005.11.17)
代理人 【識別番号】100091096
【弁理士】
【氏名又は名称】平木 祐輔
発明者 瀧華 裕之
要約 課題
耐火性及び耐振動性に優れ、通常の暴露環境下においても、長期に使用することができる耐久性に優れた壁パネルを提供する。

解決手段
ベース部材10Aの表面に、接着剤30を介して、加飾用部材20が接着された壁パネル1であって、接着剤30は、無機系接着剤31と有機系接着剤32とを含んでいる。有機系接着剤32は、無機系接着剤31を周回して配設されているとより好適である。
特許請求の範囲
【請求項1】
ベース部材の表面に、接着剤を介して、加飾用部材が接着された壁パネルであって、
前記接着剤は、無機系接着剤と有機系接着剤とを含むことを特徴とする壁パネル。
【請求項2】
前記有機系接着剤は、前記無機系接着剤を周回して配設されていることを特徴とする請求項1に記載の壁パネル。
【請求項3】
前記ベース部材は、防錆塗料が塗工された金属部材と、前記金属部材に固定された固定部材とを備えており、前記無機系接着剤は、少なくとも前記固定部材の表面に配設されていることを特徴とする請求項1または2に記載の壁パネル。
【請求項4】
前記有機系接着剤は、弾性接着剤であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の壁パネル。
【請求項5】
前記無機系接着剤は、無機繊維もしくは有機繊維からなる布、または不織布を介在させて配設されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の壁パネル。
【請求項6】
前記加飾用部材は、SiO−Al系の無機質粉体、及び、アルカリ金属珪酸塩を含む成形硬化体であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の壁パネル。
【請求項7】
請求項1から6のいずれかに記載の壁パネルを備えたことを特徴とするユニット建物。
【請求項8】
ベース部材の表面に、接着剤を介して、加飾用部材が接着された建物であって、
前記接着剤は、無機系接着剤と有機系接着剤とを含むことを特徴とする建物。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベース部材の表面に接着剤を介して加飾用部材が接着された、外壁材として用いられる壁パネルに係り、特に、耐火性と耐水性の双方に優れた壁パネルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、建物などの外壁面には、金属板などのベース部材の表面に、接着剤を介して、石材、またはタイルなどの加飾用部材が接着された外壁パネルが使用されている。そして、このような加飾用部材を接着するにあたっては、その加飾用部材の接着面に、セメントモルタル等の無機系接着剤または合成樹脂系接着剤等の有機系接着剤を塗布して、この加飾用部材がベース部材に接着されることが一般的である。
【0003】
たとえば、このような外壁パネルの一例として、不燃無機質板体と金属板との積層板の金属表面に、エポキシ系接着剤、変形シリコーン接着剤、またはこの両者を混合した接着剤を介して、タイル、石材、塗料のいずれか1つ以上の加飾用材料が接着された壁パネルが提案されている(特許文献1参照)。このような壁パネルは、接着剤に有機系接着剤を用いているため耐水性に優れ、通常の暴露環境下で使用したとしても、加飾用部材が壁パネル本体から剥離することはない。
【0004】
【特許文献1】特開2004−293284号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、この有機系接着剤を用いた壁パネルは、タイルや石材などの加飾用部材が破損した場合には、この材料表面をバーナーなどで加熱することにより、この接着剤を軟化させてこの材料を外壁パネルから剥がし、新たな加飾用部材を張り付ける等して、容易に補修することができるので便利ではあるが、例えば火災が発生した場合など、偶発的にこの加飾用部材の表面が高温に晒された場合には、この接着剤は前記と同じく軟化し、さらに接着剤が炎に晒された場合には、この接着剤は燃焼してしまうので、加飾用部材が壁パネルから剥落してしまうおそれがある。特に、この加飾用部材が大きい場合には、その重量も大きいため、このような加熱により壁から剥落する危険性はさらに高まる。
【0006】
一方、従来のようなモルタルセメントなどの無機系接着剤は、耐熱性には優れているものの、耐久性及び耐水性に劣るため、通常の暴露環境下では長期使用することが難しい。さらに、無機系接着剤は、脆性材料であるため、地震などによる壁パネルの下地の振動、建物の温度変化による下地の変形が発生したとしても、この下地に接着剤が全く追従することがないので、この接着剤に亀裂が生じ加飾用部材が壁パネル本体から剥離するおそれがある。
【0007】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、たとえ、火災、地震などの災害が発生したとしても、耐火性及び耐振動性に優れ、通常の暴露環境下においても、長期に使用することができる耐久性に優れた壁パネルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、有機系接着剤の耐水性、耐振動性に優れた点、無機系接着剤の耐火性に優れた点に着眼し、加飾用部材を金属部材を含むベース部材に剥離なく接着させるためには、一枚の加飾用部材に対して、有機系接着剤と無機系接着剤とを使用条件に合わせて同時に使用することが重要であると考えた。
【0009】
本発明は、本発明者らが得た上記の新たな考えに基づくものであり、本発明の請求項1に記載の壁パネルは、ベース部材の表面に、接着剤を介して、加飾用部材が接着されたパネルであって、前記接着剤は、無機系接着剤と有機系接着剤とを含むことを特徴としている。このように構成された本発明の壁パネルは、耐水性を有した有機系接着剤と、耐火性に優れた無機系接着剤の併用により、無機系接着剤の耐水性に劣る点を有機系接着剤が補い、さらに有機系接着剤の耐火性に劣る点を無機系接着剤が補うので、長期にわたり使用可能な耐久性に優れた壁パネルを得ることができる。
【0010】
また、本発明の請求項2に記載の壁パネルは、有機系接着剤が、無機系接着剤を周回して配設されていることを特徴としている。このように構成された本発明の壁パネルは、有機系接着剤が無機系接着剤を周回して配設されているので、加飾用部材とベース部材の間に雨、結露などにより水が浸入しても、耐水性のある有機系接着剤により無機系接着剤への水の流れを遮断することができるので、無機系接着剤は劣化することがない。この結果、火災時には有機系接着剤が燃焼しても無機系接着剤が加飾用部材を保持して、この部材の剥落を防止することができる。
【0011】
本発明の請求項3に記載の壁パネルは、前記ベース部材が、防錆塗料が塗工された金属部材と、前記金属部材に機械的に固定された固定部材とを備えており、前記無機系接着剤は、少なくとも前記固定部材の表面に配設されていることを特徴としている。このように構成された本発明の壁パネルは、このベース部材の金属部材に防錆塗料が塗工されているので金属部材のそのものの腐食を防止でき、たとえ火災時において金属部材の塗料及び有機系接着剤が燃えて、その箇所の接着ができなくなったとしても、少なくとも固定された固定部材上の無機系接着剤が加飾用部材とベース部材との接着状態を保持して、加飾用部材の剥落を防止することができる。
【0012】
また、本発明の請求項4に記載の壁パネルは、前記有機系接着剤が、弾性接着剤であることを特徴としている。このように構成された本発明の壁パネルは、建物の振動、温度変化により、ベース部材が振動、変形したとしても、この弾性接着剤がこれらの振動を緩衝し、ベース部材の変形にも追従できるので、ベース部材からの加飾用部材の剥落を回避することができる。
【0013】
さらに、本発明の請求項5に記載の壁パネルは、前記無機系接着剤が、無機繊維もしくは有機繊維からなる布、または不織布を介在させて配設されていることを特徴としている。このように構成された本発明の壁パネルは、特に火災時などにおいて、加飾用部材またはベース部材の少なくとも一方が他方に対して大きく変形したとしても、無機系接着剤に含まれる無機繊維もしくは有機繊維からなる布、または不織布の布材が、この変形を許容するように働き(変形を逃がし)、ベース部材がこの布材を介して加飾用部材を保持することができる。
【0014】
さらに、本発明の請求項6に記載の壁パネルは、前記加飾用部材が、SiO−Al系の無機質粉体、及び、アルカリ金属珪酸塩を含む成形硬化体であることを特徴としている。このように構成された本発明の壁パネルは、このような成形硬化体を用いたことにより、この材料中に含まれる水分により、火災時には温度上昇が小さいので、接着剤の加熱を抑制することができる。さらに、この成形硬化体は、流し込み成形により成形されるため、タイル、石材に比べて、加飾される表面の形状だけでなく接着側の表面も、接着し易い表面に容易に成形することができる。また、このような成形硬化体は、発泡体にすることもでき、このような発泡体にすることにより、壁パネルの軽量化を図ることができる。
【0015】
さらに、本発明の請求項7に記載のユニット建物は、請求項1から6のいずれかに記載の壁パネルを備えたことを特徴としている。このように、壁パネルを建物ユニットまたはそのユニットの一部として、建設場所まで輸送して用いることにより、このユニット建物は、建物ユニットの輸送時における振動に対しても、また、輸送時にこのユニットが風雨に晒されたとしても、充分、前記加飾用部材を保持することができる。
【0016】
また、本発明の請求項8に記載の建物は、ベース部材の表面に、接着剤を介して、加飾用部材が接着された建物であって、前記接着剤は、無機系接着剤と有機系接着剤とを含むことを特徴としている。このように、前述した壁パネルとしてだけでなく、建物を構成するベース部材に、無機系接着剤と有機系接着剤とを介して加飾用部材を接着させてもよく、より好ましくは、この有機系接着剤は、前記無機系接着剤を周回して配設されている。またに、前記ベース部材は、防錆塗料が塗工された金属部材と、前記金属部材に固定された固定部材とを備えており、前記無機系接着剤は、少なくとも前記固定部材の表面に配設されていることが好ましい。さらに、前記有機系接着剤は、弾性接着剤であることが好ましく、前記無機系接着剤は、無機繊維もしくは有機繊維からなる布、または不織布を介在させて配設されていることが好ましい。さらにまた、前記加飾用部材は、SiO−Al系の無機質粉体、及び、アルカリ金属珪酸塩を含む成形硬化体であることが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明の請求項1に記載の壁パネルは、無機系接着剤と有機系接着剤の双方を介してベース部材に加飾用部材を接着したので、火災、地震などの災害が発生したとしても、耐火性及び耐振動性に優れ、通常の暴露環境下においても、長期に使用することができる耐久性に優れた壁パネルを得ることができる。
【0018】
本発明の請求項2に記載の壁パネルは、有機系接着剤を無機系接着剤に周回させて配設したので、無機系接着剤から水を遮断することにより無機系接着剤の劣化を防止できるので、火災時には無機系接着剤が有効に加飾用部材を保持することが可能となる。本発明の請求項3に記載の壁パネルは、固定部材の表面に無機系接着剤を配設するように構成したので、火災時などにおいても固定部材の表面に配設された無機系接着剤が加飾用部材とベース部材との接着状態を安定させることができる。
【0019】
本発明の請求項4に記載の壁パネルは、前記有機系接着剤を、弾性接着剤としたので、無機系接着剤が吸収しきれない衝撃、ベース部材の変形をこの弾性接着剤が吸収することができる。本発明の請求項5に記載の壁パネルは、無機系接着剤に、無機繊維もしくは有機繊維からなる布、または不織布を介在させたので、これら布材がベース部材の変形を許容するように変形する(変形を逃がす)ように作用し、ベース部材に加飾用部材を保持することができる。本発明の請求項6に記載の壁パネルは、加飾用部材にSiO−Al系の無機質粉体、及び、アルカリ金属珪酸塩からなる成形硬化体を用いたので、部材の接着性の良い耐熱性に優れた壁パネルを得ることができる。本発明の請求項7に記載のユニット建物は、建物ユニットまたはそのユニットの一部としてその壁パネルを搬送するので輸送時における振動に対しても、また、輸送時にこのユニットが風雨に晒されたとしても、充分、加飾用部材を保持することができる。さらに、請求項8に記載の建物は、前記ベース部材がパネル状ではなく、建物そのものであってもよく、このような建物は、先に示すのと同様の効果を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下の本発明に係る壁パネルのいくつかの実施形態を図面に基づき説明する。図1(a)は、第一実施形態に係る壁パネルを模式的に示した要部斜視図を示しており、(b)は、図1のA−A矢視図、(c)は、図1のB−B矢視図である。
【0021】
図1に示すように、第一実施形態に係る壁パネル1は、ベース部材10A、及び、複数の加飾用部材20,20,・・・、及び、接着剤30を備えており、ベース部材10Aの表面に、接着剤30を介して、これらの加飾用部材20,20,・・・が接着されている。
【0022】
ベース部材10Aは、金属部材11と不燃無機質板体12とからなり、この金属部材11は、不燃無機質板体12の形状に合わせて金属板を加工したものであり、接着剤などを介して不燃無機質板体12を覆っている。この金属部材11としては、鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム板等の金属板が挙げられ、使用環境に対する耐食性や不燃無機質板体12の形状に対する加工性等を考慮して適宜選択される。特に、鋼板は、コストも安く、耐熱性や透湿性に優れているので好ましい。さらに金属部材11に鋼板を使用するときには、耐久性を向上させるために、金属部材11の表面にメッキ処理が施されていてもよく、このメッキ処理としては亜鉛メッキ処理、アルミニウムメッキ処理、スズメッキ処理などが挙げられる。また、金属部材11の厚さは、特に制限されないが、0.05mm以上であることが好ましい。金属部材11の厚さが0.05mm未満の場合には、加熱された時に金属部材11が破損し易く耐火性が劣るからである。さらに、この金属部材(金属板材)11の厚みは、厚くすると機械的強度が得られ好ましいが、一方で、重量増で作業性や加工性が悪くなるので、金属部材11の厚さとしては、好ましくは2.0mm以下である。
【0023】
そして、この金属部材11に覆われた不燃無機質板体12は、不燃性の無機材料からなり、この不燃無機質板体12としては、石膏ボード、珪酸カルシウム板、石綿珪酸カルシウム板、岩綿保温板、硬質木片セメント板、石綿スレート板、軽量気泡コンクリート板等が挙げられるが、耐火性、防火性、断熱性、防音性等の特性に優れ、安価であることから、石膏ボードがより好ましい。さらに、この不燃無機質板体の厚みは適宜でよいが、運搬性、耐熱性などを考慮すると、10〜20mmが好ましく、より好ましくは、12〜15mmである。
【0024】
このように、ベース部材10Aは、不燃無機質板体12を金属部材11で覆っているので、この金属部材11が、不燃無機質板体12に対する水や湿気の接触を回避し、さらには不燃無機質板体12を補強するので、強度の高いベース部材10Aを得ることができる。なお、本実施形態では、ベース部材10Aは、金属部材11と不燃無機質板体12とを備えているが、このベース部材10Aは、壁パネルの使用箇所、施工方法に合わせて、金属部材11のみで構成されていてもよい。
【0025】
加飾用部材20は、石材またはタイルなどが挙げられ、石材としては、大理石、御影石等の自然石の板体や、珪砂や珪砂粉末、ゼオライト粉末等の自然石の粉末や、人造軽石やスラグ等を板状に固化させた人造石等を挙げることができる。また、タイルとしては、磁器タイルやセメント系のタイルや合成樹脂タイル等があるが、磁器タイルが美麗であるし、耐久性に優れているので好ましく、また、せっ器タイル、陶器タイルであってもよい。
【0026】
さらに、より好ましい加飾用部材20としては、SiO−Al系の無機質粉体、及び、アルカリ金属珪酸塩からなる成形硬化体が挙げられる。具体的には、この成形硬化体のSiO−Al系の無機質粉体としては、SiOを10重量%〜90重量%の範囲で、Alを90重量%〜10重量%の範囲で含有する平均粒径が20μmよりも小さい無機質粉体が好ましく、例えば、このSiO及びAl系無機質粉体としては、(a)粒径が20μm以下の粉体80重量%以上を含有するフライアッシュ、(b)400°C〜1000°Cの範囲の温度で焼成された粒径が20μm以下の粉体80重量%以上含有するフライアッシュ、(c)フライアッシュ又は粘土を溶融し、気体中で噴霧することによって得られた無機質粉体、(d)粘土に0.1kwh/kg〜30kwh/kg程度の機械的エネルギーを作用させることにより得られた無機質粉体、(e)(d)の無機質粉体を更に100°C〜750°Cで加熱することにより得られた無機質粉体、(f)メタカオリンよりなる群より選ばれる1種以上の無機質粉体が例示される。また、このような成形硬化体を発泡させた場合には、この成形硬化体の軽量化を図ることができると共に、断熱性も向上させることができるので好ましい。
【0027】
さらにこの成形硬化体に含まれるアルカリ金属珪酸塩とは、一般式MO・nSiO(ここでMはLi、K、Naから選択される1種又は2種以上であり、nは正数を示す。)で表され、好ましいnの値は0.1〜8の範囲であり、さらに好ましくは0.5〜3、特に好ましくは0.5〜2.5の範囲である。nの値が0.1より小さいと得られた成形硬化体の機械的強度が低く、一方、nが8を越えて大きくなると、アルカリ金属珪酸塩水溶液がゲル化を起こしやすく、粘度が急激に上昇するため、無機質粉体との混合が困難になる恐れがある。
【0028】
このアルカリ金属珪酸塩は、水に溶解された水溶液として添加されるのが好ましい。ここで、この水溶液濃度は特には限定されないが、その濃度が薄くなると無機質粉体との反応性が低下し、一方、濃くなると固形分が生じやすくなるので、1重量%以上であることが必要であり、1重量%〜70重量%の範囲が好ましく用いられる。
【0029】
さらにこの成形硬化体は、必要に応じて、補強繊維、無機質充填材、発泡剤、有機質発泡体、無機発泡体をさらに添加するようにしてもよい。この補強繊維としては、例えば、ビニロン、ポリプロピレン、アラミド、アクリル、レーヨンなどの有機繊維、カーボン、ガラス、チタン酸カリウム、アルミナ、鋼、スラグウールなどの無機繊維が挙げられる。また、この補強繊維の好ましい繊維長は、1〜15mm、好ましい繊維径は、1〜500μmである。繊維長が15mmを超えると、分散性が低下し、繊維径が1μmを下回ると混合時に再凝集し、ファイバーボールが形成されやすくなり、繊維長が1mmより下回るか繊維径が500μmを超えると、補強効果が小さくなる。この成形硬化体に補強繊維を添加することより、成形の機械的強度を向上させ、クラックの発生防止を図ることができる。
【0030】
さらに、無機質充填材としては、例えば珪砂、珪石粉、フライアッシュ、アルミナ(たとえば結晶質アルミナ)、マイカ、タルク、珪藻土、雲母、岩石粉末(シラス、抗火石等)、玄武岩、長石、珪灰石、粘土、ボーキサイト、セピオライト、繊維材料、ワラストナイト、炭酸カルシウム、ゼオライト、活性炭、アルミナゲル、各種鉱物が使用可能である。これらの充填材は、成形硬化体の用途に応じて適宜選択され、単独で、あるいは混合して使用されるものである。このような無機質充填材を添加させることにより、硬化時の収縮低減、スラリーの流動性向上、セルの緻密化、気泡の安定化などを図ることができる。
【0031】
また、無機質充填材は、平均粒径0.01μm以上1mm以下のものが好ましい。平均粒径が1mmを超えると、発泡が安定しなくなり、一方、0.01μmを下回ると、吸着水量の増加によって、発泡体用組成物の粘度が上昇して作業性が悪くなることがある。この無機質充填材の配合量は、無機質粉体100重量部に対して700重量部以下であることが好ましく、更に好ましくは10重量部〜500重量部の範囲で配合される。配合量が700重量部を超えると成形硬化体の機械的強度が低下する場合がある。
【0032】
このような成形硬化体を発泡させる発泡剤としては、過酸化水素、過酸化ナトリウム、過酸化カリウム、過ほう酸ナトリウム等の過酸化物やMg、Ca、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Al、Ga、Sn、Si、フェロシリコン等の金属粉末が例示される。価格、安全性、入手の容易さ、混合のし易さを考慮すると、これらの発泡剤の中で、Si粉末、フェロシリコン粉末及びアルミニウム粉末が好ましい。この発泡剤は、無機質粉体100重量部に対して0.15重量部以下の範囲で用いられ、目標とする無機発泡成形体(成形硬化体)の密度(比重)によって決定される。この配合量が0.15重量部を超える場合には、発泡ガスが過剰となり破泡し、吸水率が高くなり耐久性に問題を生じる。
【0033】
例えば、過酸化水素を発泡剤として用いるときは、水溶液として用いるのが好ましい。発泡剤として使用できる過酸化水素水溶液の濃度は、0.5重量%〜35重量%の範囲、好ましくは1重量%〜25重量%の範囲、更に好ましくは5重量%〜15重量%の範囲である。濃度が35重量%を越えて濃くなると、発泡が早く進行されるため、安定に発泡できなくなり、場合によっては危険を伴う。また、濃度が0.5重量%未満であると、過酸化水素量に対しての水の量が多くなりすぎて、粘度が低下し、発泡が安定しなくなる場合がある。また、金属粉末を発泡剤として用いる場合は、その平均粒径が1〜200μmの範囲にあることが好ましい。平均粒径が200μmを超えると反応性が低下し、1μmを下回ると分散性が低下するとともに、反応性が高くなり、発泡が速くなりすぎる恐れがある。
【0034】
更に、有機質発泡体としては、塩化ビニル樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、スチレン樹脂、尿素樹脂、ウレタン樹脂、エチレン樹脂等の合成樹脂の粒状発泡体が挙げられ、無機質発泡体としては、ガラスバルーン、シラスバルーン、フライアッシュバルーン、シリカバルーン、パーライト、ヒル石、粒状発泡シリカ等が挙げられる。これら有機質、無機質発泡体は、単独で使用しても混合して使用しても構わない。このような、有機質、無機質発泡体を添加することにより、加飾用部材20の重量の軽量化を図ることができる。
【0035】
このような発泡体は、比重が0.01未満では、成形体の機械的強度の低下を招く恐れがあり、又、1.5を越えると軽量化の効果が得られないため0.01〜1が好ましく、更に好ましくは0.03〜0.7である。上記発泡体の添加量は無機質粉体100重量部に対し、10重量部未満では軽量化の効果が得られず、一方、100重量部を越えると機械的強度が低下する恐れがあるため、10〜100重量部が好ましく、更に好ましくは30〜80重量部である。
【0036】
そして、発泡体用組成物の各原料から無機発泡成形体を得るには、アルカリ金属珪酸塩を加熱加圧下で水に溶解した後、必要に応じて発泡剤、充填材及び補強繊維を混合し、目標とする無機発泡成形体の比重に相当するスラリー比重に達するまで発泡体用組成物を混合してスラリーを調整する。混練はオムニミキサーのような通常のミキサーでもよい。ここで、スラリー比重と無機発泡成形体の比重とは相関はあるが、実際には硬化工程での発泡や乾燥時の余剰の水分の蒸散等が考慮されて決定される。これにより、このスラリー比重は、無機発泡成形体の比重と同等又は0.1〜0.5程度高い比重が設定され、0.5〜2の範囲内に設定されるのがよい。この材料を任意の方法で成形する。成形方法としては、注型、押出、プレス等任意の方法で可能であるが、意匠的に良好な注型が好ましい。
【0037】
材料を注型した型枠は、材料を型になじませる事が必要であるが、この方法としては手で均す、材料中バイブレーターを入れて振動させる、型枠自身を振動させるなどの方法を用いる事ができる。中でも型に振動を加える方法が、作業手順上容易である。また型枠の中に意匠型を設置しておけば、意匠のついた外壁を得る事ができる。型枠に材料がなじんだあと、養生硬化を行う。この方法は通常用いられる方法を用いる事ができ、常温での自然養生でも可能であるが、加熱して促進養生をおこなう事が早期に脱型を行う事ができるので有利である。
【0038】
このように、加飾用部材20に成形硬化体を用いたことにより、この材料中に含まれる水により、火災時には壁パネル全体としての温度上昇が小さくなるので、接着剤の加熱を抑制することができる。さらに、この成形硬化体は、流し込み成形により成形されるため、タイル、石材に比べて、加飾される表面の形状だけでなく接着側の表面も、接着し易い表面に容易に成形することができる。
【0039】
さらに、このような加飾用部材20はその大きさが大きいほど、単位面積あたりのつなぎ目が少なくなるため、火災時に加飾用部材20のつなぎ目から炎が入る可能性が低くなる。さらに、接着剤の塗り分けが容易となり生産しやすい。一方、加飾用部材20はその大きさが小さければ火災時に脱落しても危険性は低い。このような双方の効果を得るためには、この加飾用部材20の大きさは、300mm×300mm以上の大きさが有利であり、特に600mm×600mm以上のサイズであると、大幅な作業性向上が期待される。
【0040】
さらに本実施形態において、接着剤30は、図1の(b),(c)に示すように、無機系接着剤31と有機系接着剤32とを含んでおり、この有機系接着剤32は、加飾用部材20の接着面21において、無機系接着剤31を周回して配設されている。
【0041】
このように無機系接着剤31と有機系接着剤32の双方を介してベース部材10Aに加飾用部材20を接着したので、無機系接着剤31の耐水性に劣る点を有機系接着剤32が補い、さらに有機系接着剤32の耐火性に劣る点を無機系接着剤31が補うので、長期にわたり使用可能な耐久性に優れた壁パネル1を得る事ができる。さらに、有機系接着剤32が無機系接着剤31を周回して配設されているので、加飾用部材20とベース部材10Aの間に雨、結露などにより水が浸入しても、耐水性のある有機系接着剤32により無機系接着剤31への水の流れを遮断することができ、無機系接着剤31は浸入した水により劣化することがない。この結果、火災時には有機系接着剤32が燃焼しても無機系接着剤31が加飾用部材20を保持することができる。なお、本実施形態では、有機系接着剤32が無機系接着剤31を周回して配設されているが、暴露条件下でない屋内の低湿度の環境下においては、このように無機系接着剤31が有機系接着剤32を周回して配置される必要はなく、1つの加飾用部材に対して、無機系接着剤31、有機系接着剤32の双方が配設されていれば、耐振動性および耐火性に優れた壁パネルを得ることができる。
【0042】
また、このような無機系接着剤31としては、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、珪酸リチウム等の水ガラス系、燐酸アルミニウム系、セメント系、ガラスフリット等があげられる。これらは単独で用いても良いが、接着剤としての取り扱い性を容易にするため、アルミナ、シリカ等の充填材を添加したり、それぞれの材料の硬化剤を添加することも可能である。
【0043】
さらに、有機系接着剤32としては、エポキシ系、ポリウレタン系、ポリエステル系、変性シリコーン系、不飽和ポリエステル系など熱硬化性樹脂系、酢酸ビニル、エチレン酢酸ビニル系、塩化ビニル系、アクリル系等の熱可塑性樹脂系、クロロプレン、ニトリル、ブチル、ポリサルファイド、SBR等のエラストマー系、およびこれらの混合物があげられるが、これらのうち特に、ポリウレタン接着剤、エポキシ系接着剤、変形シリコーン接着剤などの弾性接着剤が好ましい。このような弾性接着剤は、設置前における壁パネル輸送時における振動、または、設置後における建物の振動、温度変化により、ベース部材10Aが振動、変形をしたとしても、この弾性接着剤がこれらの振動を緩衝し、ベース部材10Aの変形にも追従できるので、ベース部材10Aからの加飾用部材20の剥落を回避することができる。
【0044】
なお、加飾用部材20をベース部材10Aに接着する方法としては、例えば、加飾用部材20を工場生産する際、ロールコーター、ダイコーター、手塗りなど一般的な方法で、加飾用部材20の接着面に、無機系接着剤31と有機系接着剤32とを配設してもよく、これらの接着剤31,32を塗り分けるにあたっては、無機系接着剤31と有機系接着剤32との塗布箇所に合わせて複数の貫通部を設けたスペーサを準備し、該スペーサを加飾用部材20の接着面21に載置し、スペーサ上から、これらの貫通部に合わせて各接着剤31,32をヘラ等の均し具を用いて塗り均すようにしてもよい。このようなスペーサを用いることにより、所望の区域に無機系接着剤31と有機系接着剤32とを均一な塗膜厚みで、正確に塗り分けすることができるので好適である。なお、本実施形態では、有機系接着剤32は、加飾用部材20の接着面21の周縁近傍まで塗布したが、接着時における接着剤のはみ出しなどを考慮して、周縁から数ミリから十数ミリ程度内側に、有機系接着剤32を塗布するとなお好適である。
【0045】
図2は、第二実施形態に係る壁パネル2の要部分解斜視図であり、第一実施形態と相違する点は、ベース部材10Bの金属部材11の表面に防錆用の塗装が施されている点と、この金属部材11の表面に固定金具(固定部材)13が取り付けられている点であり、他の部材は同じであるため、同じ符号を付して、説明は省略する。
【0046】
図2に示すように、ベース部材10Bは、不燃無機質板体(図示せず)、金属部材11、及び2つの固定金具(固定部材)13,13を備えており、不燃無機質板体を覆った金属部材11の表面には、防錆塗料が塗工されており、さらに、この塗工された金属部材11の裏面から、コの字断面を有した2つの固定金具13,13が、ビス、ねじなどの固定具14を介して、金属部材11の表面と裏面とを挟持するように固定されている。尚、この固定金具13,13は、金属部材11の裏面から固定されているが、加飾用部材20が接着されない金属部材11の側面から、固定されてもよい。また、この固定金具13は、ステンレス鋼などの耐食性のある金属材料からなり、表面は塗装されていない。このように構成された固定金具13の表面と加飾用部材20の接着面との間には、無機系接着剤31が配設され、有機系接着剤32は、この無機系接着剤31を周回して、配設されている。このような壁パネル2の接着方法としては、加飾用部材20の接着面のうち、固定金具13の表面に対向する位置に無機系接着剤31を塗布し、その塗布した無機系接着剤31を周回するように有機系接着剤32を塗布し、これら接着剤31,32を塗布した加飾用部材20を固定金具13を含むベース部材10Bに当接させることにより、上記の如き接着剤の配置状態で、ベース部材10Bに加飾用部材20を接着することができる。
【0047】
このように、ベース部材10Bの金属部材11に防錆塗料が塗工されているので金属部材11そのものの腐食を防止でき、たとえ火災時において金属部材11の塗料及び有機系接着剤32が燃焼したとしても、金属部材11に固定された固定金具13上の無機系接着剤31が加飾用部材20とベース部材10Bとの接着状態を保持することができ、加飾用部材20の剥落を防止することができる。
【0048】
図3,図4は、第三実施形態に係る壁パネル3,4の要部断面図(図1(b)に示す第一実施形態に係る壁パネル1の断面に相当)であり、第一実施形態と相違する点は、無機系接着剤に、無機繊維もしくは有機繊維からなる布、または不織布の布材を介在させた点であり、他の部材は同じであるため、同じ符号を付して、説明は省略する。
【0049】
図3に示すように、壁パネル3は、新たに、布材31aを備えたものであり、この布材31aを介して、無機系接着剤31が、ベース部材10Aと加飾用部材20との間に配設されている。この布材31aは、無機繊維もしくは有機繊維からなる布であり、一端側が無機系接着剤31によりベース部材10Aに接着され、他端側が無機系接着剤31により加飾用部材20に接着されている。
【0050】
また、図4に示すように、壁パネル4も、壁パネル3と同じく、布材31bを備えており、この布材31bを介して、無機系接着剤31が、ベース部材10Aと加飾用部材20との間に配設されている。この布材31bは、厚さが5mm程度のブランケット状の不織布であり、この布材31bの両面には無機系接着剤31が配設されており、この無機系接着剤31により、加飾用部材20がベース部材10Aに接着されている。なお、この布材31bの厚みが厚い場合には、図4に示すように、加飾用部材20の接着面側に、この布材31aの厚み分の深さを有した凹所を設けてもよい。
【0051】
このような壁パネル3,4は、特に火災時などにおいて、加飾用部材20またはベース部材10Aの少なくとも一方が他方に対して大きく変形したとしても、無機系接着剤31に介在した無機繊維もしくは有機繊維からなる布、または不織布が、この変形を許容するように変形し、無機系接着剤31がこの布を介して加飾用部材20を保持することができる。
【0052】
また、この様な無機繊維の布、不織布となる素材としては、アルミナ繊維、アルミナ−シリカ繊維、ガラス繊維、炭素繊維などの繊維が用いられる。これらの繊維の耐熱性としては、加飾用部材の裏面が実際に火災時に到達すると思われる800℃以上の耐熱性が必要である。
【実施例】
【0053】
以下に、前記した第一及び第二実施形態に係る実施例を示す。
【0054】
(実施例1)
以下に示すようにして、壁パネルの試験体を製作した。加飾用部材20を貼り付けるベース部材10Aの金属部材11として、0.27mm厚さの亜鉛めっき鋼板を、コの字状に折り曲げ、厚さ15mmの普通石膏ボードの両面に複層貼り付けた。裏面側の四周には、辺長15×25mm、t=1.2mmのLアングルでアングル補強した。さらに、加飾用部材20となる、SiO−Al系の無機質粉体、及び、アルカリ金属珪酸塩を含む成形硬化体を、下記の如く成形した。成形にあたって、まず、以下に示す材料を準備した。
【0055】
・SiO−Al系粉体1:SATINTONE SP 33を(株)マキノ製ボールミルBM150(アルミナボール10mmφ使用、ボール充填率60%、メタカオリン混入量30kg)で6時間、0.3kwh/kgの機械エネルギーを作用させて、平均粒径が1.5μmとなるように粉砕したもの
・SiO−Al系紛体2:コランダム製造の炉フィルターダスト
・微粉珪砂:住友セメント製、ブレーン値5000cm/g
・補強繊維1:ビニロン繊維、クラレ(株)製、RM182、長さ9mm、径14μm
・補強繊維2:ポリプロピレン繊維、(株)テザック製、C−12EX、長さ12mm
・アルカリ金属珪酸塩水溶液:KO:SiOがモル比で1:1.4、濃度が45%のアルカリ液
・発泡剤:珪素粉(東邦亜鉛社製、珪素含有量93%、平均粒径6μm)
そして、成形材料として、前記した材料を所定の配合比率で、愛工舎製ACMミキサーに供給し5分間混合した。内寸450mm×450mm×16mm(内意匠部分厚さ8mm、ベース厚さ8mm)の型枠に流し込んで、蓋を取り付けた後、85℃オーブン内において6時間養生硬化させて成形硬化体の加飾用部材を得た。
【0056】
そして、有機系接着剤32として、変性シリコーン/エポキシ系接着剤(積水フーラー製 67H)を準備し、無機系接着剤31として、珪酸ソーダ系接着剤(エーアンドエーマテリアル社製 キルボンドGW)を準備し、図5の(a),(b)に示すように、有機系接着剤32が、加飾用部材20の周縁から幅10mm空けて無機系接着剤31を周回するような配置で、表1に示すような接着剤塗布量となるように、これら接着剤31,32を加飾用部材20に配設し、この加飾用部材20をベース部材10Aに接着した。そして、この試験体を、国土交通省が定める耐火試験条件で、1時間加熱を行い、加飾用部材20の脱落の確認を行った。この結果を表1に示す。
【0057】
(実施例2〜8)
実施例1と同じようにして、試験体を製作した。まず、実施例2〜4が、実施例1と相違する点は、使用した加飾用部材20の材質が異なるものであり、具体的には、表1に示すように、実施例2は、加飾用部材20に、サイズ:600×600×8mmの磁器質無釉タイル(INAX社製)を用いた点、実施例3は、加飾用部材20に、サイズ:900×900×4mmの陶器質大型セラミック板(日本クレーバーン社製 商品名;ケラミット)を用いた点、実施例4は、加飾用部材20に、サイズ:400×400×12mmの天然御影石(エービーシー商会製)を用い、接着剤塗布量を表1に示すようにした点、である。
【0058】
さらに、実施例5,6が、実施例1と相違する点は、使用した無機系接着剤31の材質が異なり、具体的には、表1に示すように、実施例5は、無機系接着剤31に、珪酸ソーダ粉末50%、水50%を混合し、スラリー状としたものを用いた点、実施例6は、無機系接着剤31に、燐酸アルミニウム(多木化学製 アシドホス120M)70%にブレーン値3000m/gの珪石粉30%混合したものを用いた点、である。
【0059】
さらに、実施例7,8が、実施例1と相違する点は、固定金具13を介して加飾用部材20を接着させた点であり、具体的には、実施例7は、図6(a)に示すように、接着側の表面が縦100mm×幅100mm、2つのコの字状の固定金具13,13を、中心間距離が800mmとなるように、ビス14により裏面から固定し、この固定金具13,13の表面に、無機系接着剤31が対向するように、加飾用部材20に無機系接着剤31を塗布し、図6(b)に示すようにこの無機系接着剤31を周回するように、有機系接着剤32を塗布し、これら接着剤を塗布した加飾用部材20をベース部材10Bに接着した点である。
【0060】
さらに、実施例8は、図7(a)に示すように、接着側の表面が縦900mm×幅100mmの固定金具13を、ビス14によりベース部材10Bの裏面から固定し、実施例7と同じような方法で、この固定金具13の表面に無機系接着剤31が対向するように加飾用部材20に塗布し、さらに、図7(b)に示すようにこの無機系接着剤31を周回するように、有機系接着剤32を塗布し、これら接着剤を塗布した加飾用部材20をベース部材10Bに接着した点である。
【0061】
そして、これらの実施例2〜8の試験体についても実施例1と同じように、耐火試験を行った。この結果を表1に示す。
【0062】
(比較例1〜4)
比較例1〜4は、順次、実施例1〜4と同じようにして、試験体を作製した。実施例1〜4と相違する点は、比較例1〜4の試験体には、無機系接着剤31を使用しなかった点である。そして、これらの比較例1〜4の試験体についても実施例1と同じように、耐火試験を行った。この結果を表1に示す。
【0063】
【表1】


【0064】
(結果)
これらの結果、実施例1〜8の如く無機系接着剤31と有機系接着剤32を使用した壁パネルの試験体は、比較例1〜4の如く有機系接着剤32のみを使用した壁パネルの試験体にくらべて、加飾用部材20が脱落し難かった。
【0065】
以上、本発明に係る壁パネルの一実施形態について詳述したが、本発明は、前記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。
【0066】
例えば、本実施形態では壁パネルを、ユニット建物に用いても良く、また、建物そのもの外壁材として、この加飾用部材をこれらの接着剤で接着しても、同様の効果を得ることができる。
【0067】
さらに、このような壁パネルは、実施例では900mm×900mmの大きさの加飾用部材を使用したが、例えば、加熱された際の反りなどを考慮すると、より小さい大きさであることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の第一実施形態に係る壁パネルを示した図であり、(a)は第一実施形態に係る壁パネルを模式的に示した要部斜視図であり、(b)は(a)のA−A矢視断面図、(c)は、(a)のB−B矢視断面図。
【図2】第二実施形態に係る壁パネルの要部分解斜視図。
【図3】第三実施形態に係る壁パネルの一例を示す要部断面図。
【図4】第三実施形態に係る壁パネルの他の例を示す要部断面図。
【図5】実施例1の壁パネルの試験体を説明するための図。
【図6】実施例7の壁パネルの試験体を説明するための図。
【図7】実施例8の壁パネルの試験体を説明するための図。
【符号の説明】
【0069】
1〜4:壁パネル,11:金属部材(金属板),10A,10B:ベース部材,13:固定金具(固定部材),20:加飾用部材,30:接着剤,31:無機系接着剤,31a,31b:布材(布、不織布),32:有機系接着剤




 

 


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