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発明の名称 まくら木構造体
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−138440(P2007−138440A)
公開日 平成19年6月7日(2007.6.7)
出願番号 特願2005−330556(P2005−330556)
出願日 平成17年11月15日(2005.11.15)
代理人 【識別番号】100100480
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 隆
発明者 斉藤 康宏 / 大西 国昭
要約 課題
振動を低減させることができるまくら木構造体を提供する。

解決手段
本発明のまくら木構造体1は、レール10の下方に配置されるまくら木本体21と、まくら木本体21のレール10と固定される位置を避けて配置される防振部材22とが設けられている。そして、防振部材22はゲル状樹脂22bと外側部材22aとを有しており、ゲル状樹脂22bは外側部材22aの裏面とまくら木本体21の上面21aとの間で挟まれた状態となっている。まくら木構造体1が使用時に振動した場合、まくら木本体21と外側部材22aとがずれることにより、ゲル状樹脂22bがせん断されて振動エネルギーを熱エネルギーに効率よく変換して振動を低減させることができる。
特許請求の範囲
【請求項1】
レールの下方に配置されるまくら木本体と、前記まくら木本体のレールと固定される位置を避けて配置される防振部材とが設けられ、防振部材はゲル状樹脂と外側部材とを有しており、ゲル状樹脂は外側部材の裏面とまくら木本体の表面との間で挟まれた状態となっていることを特徴とするまくら木構造体。
【請求項2】
防振部材は、設置状態で露出する部分のみに配置されるものであることを特徴とする請求項1に記載のまくら木構造体。
【請求項3】
レールの下方に配置される複数のまくら木本体と、前記まくら木本体部のレールと固定される位置を避けて、レールの間及びレールの外側の少なくとも一方に配置される防振部材とが設けられ、防振部材は弾性部材と外側部材とを有しており、弾性部材は外側部材の裏面と各まくら木本体の表面との間で挟まれた状態となっており、防振部材によってまくら木本体及びまくら木本体同士の間を覆っていることを特徴とするまくら木構造体。
【請求項4】
防振部材のレール方向の端部は、まくら木本体上に位置していることを特徴とする請求項3に記載のまくら木構造体。
【請求項5】
外側部材は剛性を有する部材により構成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のまくら木構造体。
【請求項6】
外側部材は、粉状体又は粒状体を所定の型に充填して圧縮して成形されるものであり、外側部材には内部に空隙が形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のまくら木構造体。
【請求項7】
外側部材の成形には粉状体が用いられ、前記粉状体の形状は、所定の方向の長さが他の方向の長さに比べて長いものであることを特徴とする請求項6に記載のまくら木構造体。
【請求項8】
外側部材は、繊維を含む樹脂の粉状体を用いて成形されているものであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のまくら木構造体。
【請求項9】
まくら木本体は、長繊維で強化された樹脂成形体であり、外側部材の成形に用いられる粉状体の繊維及び樹脂は、まくら木本体と同じ材質のものが用いられていることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のまくら木構造体。
【請求項10】
外側部材の表面側が凹状又は凸状であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のまくら木構造体。
【請求項11】
外側部材の裏面側が凹状又は凸状であり、弾性部材又はゲル状樹脂は、外側部材の裏面の凸部に対応する位置に配置されていることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載のまくら木構造体。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、防振性に優れるまくら木構造体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
列車などを走行させるための軌道には、レールが設けられている。そして、このレールを設置するためバラストなどの道床上にまくら木を設け、その上にレールを支える方法が用いられている。まくら木には、種々の素材が用いられており、例えば、木材、コンクリート、ガラス繊維強化した樹脂発泡体などである。
レール上を列車が通過する際には振動が発生するが、この振動がまくら木を介して伝達され、騒音の問題などが発生する。そのため、従来より、このような問題の対策が行われている。
【0003】
例えば、特許文献1に記載されているまくら木では、内部または表面に粘性体が充填されており、まくら木が振動した場合にも、この振動を粘性体により減衰させることにより、振動や騒音を低減させることができる。
また、まくら木以外の手段を用いて振動を低減させる方法として、軌道を囲むように防音壁を設けたり、また、軌道が敷設されるバラストを従来のものに比べて吸音性に優れるバラストを用いたりしている。
【特許文献1】特開2004−332531号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されているまくら木では、内部または表面に粘性体が充填させるための加工が必要であり、また、かかる部分が欠落して、まくら木の強度低下をおこすおそれがある。
また、まくら木以外の手段を用いて振動を低減させる方法である、防音壁を設けたり、、吸音性に優れるバラストを用いたりするのは、大掛かりな作業となって作業に時間がかかってしまう。
【0005】
一方で、繊維補強された樹脂を用いて製作されたまくら木の場合、表面研磨の工程、形状加工の工程、切断の工程など、製造過程などで切削粉や破砕片などが生じる。このようなものの処理は、廃棄物として処理することとなり、環境問題となるおそれがある。そのため、かかる材料を用いることができれば、このような問題も解決することができる。
【0006】
そこで、本発明は、作業時間を短くすることができ、振動や騒音を低減させることができる、まくら木構造体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記した目的を達成するための請求項1に記載の発明は、レールの下方に配置されるまくら木本体と、前記まくら木本体のレールと固定される位置を避けて配置される防振部材とが設けられ、防振部材はゲル状樹脂と外側部材とを有しており、ゲル状樹脂は外側部材の裏面とまくら木本体の表面との間で挟まれた状態となっていることを特徴とするまくら木構造体である。
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、ゲル状樹脂と外側部材とを有する防振部材を、ゲル状樹脂が外側部材の裏面とまくら木本体の表面との間で挟まれた状態となるように、まくら木本体のレールと固定される位置を避けて配置されるものであるので、まくら木本体が振動した場合に、まくら木本体と外側部材がずれることにより、ゲル状樹脂がせん断されて振動エネルギーを熱エネルギーに効率よく変換して振動を低減させることができる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、防振部材は、設置状態で露出する部分のみに配置されるものであることを特徴とする請求項1に記載のまくら木構造体である。
【0010】
請求項2に記載の発明によれば、防振部材は、設置状態で露出する部分のみに配置されるものであるので、周囲の騒音を外側部材の内部の空隙で減衰して騒音を低減し、また外側部材のずれが起こりやすくなり、より効率的に振動を低減させることができる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、レールの下方に配置される複数のまくら木本体と、前記まくら木本体部のレールと固定される位置を避けて、レールの間及びレールの外側の少なくとも一方に配置される防振部材とが設けられ、防振部材は弾性部材と外側部材とを有しており、弾性部材は外側部材の裏面と各まくら木本体の表面との間で挟まれた状態となっており、防振部材によってまくら木本体及びまくら木本体同士の間を覆っていることを特徴とするまくら木構造体である。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、弾性部材と外側部材とを有する防振部材を、弾性部材が外側部材の裏面とまくら木本体の表面との間で挟まれた状態となるように、まくら木本体のレールと固定される位置を避けて配置し、防振部材によってまくら木本体及びまくら木本体同士の間を覆っているので、防振部材によって効率的に防振することができる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、防振部材のレール方向の端部は、まくら木本体上に位置していることを特徴とする請求項3に記載のまくら木構造体である。
【0014】
請求項4に記載の発明によれば、防振部材のレール方向の端部は、まくら木本体上に位置しているので、防振部材ががたつきにくくなり、防振部材上を歩行する場合に確実に荷重を支えることができる。
【0015】
請求項5に記載の発明は、外側部材は剛性を有する部材により構成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のまくら木構造体である。
【0016】
請求項5に記載の発明によれば、外側部材は剛性を有する部材により構成されているので、まくら木本体と外側部材との間でずれを発生させてゲル状樹脂のせん断をより確実に起こすことができ、また、外側部材上を歩行した場合に破損しにくい。
【0017】
請求項6に記載の発明は、外側部材は、粉状体又は粒状体を所定の型に充填して圧縮して成形されるものであり、外側部材には内部に空隙が形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のまくら木構造体である。
【0018】
請求項6に記載の発明によれば、外側部材は、粉状体又は粒状体を所定の型に充填して圧縮して成形されるものであり、外側部材には内部に空隙が形成されているので、外側部材に入射した騒音の音波が空隙により減衰して、その結果、騒音を低減させる事が出来る。
【0019】
請求項7に記載の発明は、外側部材の成形には粉状体が用いられ、前記粉状体の形状は、所定の方向の長さが他の方向の長さに比べて長いものであることを特徴とする請求項6に記載のまくら木構造体である。
【0020】
請求項7に記載の発明によれば、外側部材の成形には粉状体が用いられ、前記粉状体の形状は、所定の方向の長さが他の方向の長さに比べて長いものであるので、空隙を確実に形成することができ、外側部材の吸音性をより向上させることができる。
【0021】
請求項8に記載の発明は、外側部材は、繊維を含む樹脂の粉状体を用いて成形されているものであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のまくら木構造体である。
【0022】
請求項8に記載の発明によれば、外側部材は、繊維を含む樹脂の粉状体を用いて成形されているものであるので、外側部材の強度を向上させることができる。
【0023】
請求項9に記載の発明は、まくら木本体は、長繊維で強化された樹脂成形体であり、外側部材の成形に用いられる粉状体の繊維及び樹脂は、まくら木本体と同じ材質のものが用いられていることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のまくら木構造体である。
【0024】
請求項9に記載の発明によれば、まくら木本体は、長繊維で強化された樹脂成形体であり、外側部材の成形に用いられる粉状体の繊維及び樹脂は、まくら木本体と同じ材質のものが用いられている。即ち、まくらぎ本体成型時に発生する廃材を利用したのものを再利用するという意味でリサイクル性に優れる。
【0025】
請求項10に記載の発明は、外側部材の表面側が凹状又は凸状であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のまくら木構造体である。
【0026】
請求項10に記載の発明によれば、外側部材の表面側が凹状又は凸状であるので、外側部材の上側から伝播された振動を乱反射させて騒音をより低減させることができる。また、外側部材の上を歩行する場合、滑り止めにも役立つ。
【0027】
請求項11に記載の発明は、外側部材の裏面側が凹状又は凸状であり、弾性部材又はゲル状樹脂は、外側部材の裏面の凸部に対応する位置に配置されていることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載のまくら木構造体である。
【0028】
請求項11に記載の発明によれば、外側部材の裏面側が凹状又は凸状であり、弾性部材又はゲル状樹脂は、外側部材の裏面の凸部に対応する位置に配置されているので、弾性部材又はゲル状樹脂を少なくすることができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明のまくら木構造体によれば、振動や騒音を低減させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下さらに本発明の具体的実施例について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態におけるまくら木構造体の敷設された状態で示した斜視図である。図2は、図1のまくら木構造体のバラストを取り除いた状態で示した斜視図である。図3は、図1のまくら木構造体の端部付近を拡大した斜視図である。図4は、本発明の第2の実施形態におけるまくら木構造体を示した斜視図である。図5は、本発明の第3の実施形態におけるまくら木構造体を示した斜視図である。図6は、図5のまくら木構造体の正面図である。図7は、図5のまくら木構造体の側面図である。
【0031】
本発明の第1の実施形態におけるまくら木構造体1は、図1、図2に示されており、まくら木本体21と防振部材22からなるものである。そして、まくら木構造体1は、バラスト部13上に設置される。
【0032】
レール10やバラスト部13は、通常のものと同様のものが用いられている。そして、まくら木構造体1のまくら木本体21は、レール10の下方に配置して、レール10を支えており、まくら木本体21の上面21a側でレール10と固定されている。なお、レール10とまくら木本体21との間には、図示しない締結部材(タイプレート)が設けられており、この締結部材によってレール10とまくら木本体21とが固定されている。
【0033】
また、まくら木構造体1は上面21a付近以外がバラスト部13に埋まる状態で埋設されており、側面21b、底面21c、木口面21dはバラスト部13と接触している。まくら木本体21は、複数用いられており、通常のものと同様に、レール10方向に配列している。
【0034】
まくら木本体21は長尺状の角柱状であり、通常まくら木として用いられるものが使用されている。まくら木本体21の材質は、ガラス長繊維で強化されたポリウレタン樹脂製の発泡成形体が用いられている。なお、この材質は、特に限定されるものでなく、他の材料を使用することができる。そして、まくら木本体21は剛性を有するものであって、使用時の振動によって大きな変形を起こさないものである。
【0035】
防振部材22は、防振部材22の全体形状は長方形状の板状である。そして、図1に示されるように、防振部材22はまくら木本体21と固定されているが、固定される位置は、まくら木構造体1の設置状態で露出する部分であり、本実施形態では、まくら木本体21の上面21aである。また、防振部材22が固定される位置のまくら木本体21の面は平面の部分である。
各まくら木本体21は、上記したように、2本のレール10と固定されているが、この固定されている部分以外の部分、すなわち、レール10の軌間の内側の1ヵ所と、軌間の外側の2ヵ所の、合計3ヵ所の表面に防振部材22が配置している。そして、防振部材22はまくら木本体21のレール10と固定される位置を避けて配置されている。また、防振部材22が配置される位置は、まくら木1が設置される状態で、露出している部分である。
【0036】
また、図3に示されるように、外側部材22aとゲル状樹脂22bとを有している。防振部材22の外側部材22aとゲル状樹脂22bは層状であり、外側部材22aが外側となるように配置され、ゲル状樹脂22bが外側部材22aの裏面とまくら木本体21の表面との間に挟まれた状態となっている。
外側部材22aの厚みは、特に限定されるものではないが、1cm〜20cm程度、好ましくは数cm〜十数cmが望ましい。
【0037】
外側部材22aは、剛性を有するものであって使用時の振動によって大きな変形を起こさないものであり、粉状体又は粒状体などを原料として圧縮成形されたものである。
本実施形態の外側部材22aでは、繊維を含む樹脂の粉状体とバインダーとを混合したものを用いて所定の形状に成形される。この圧縮成形の際、圧縮状態を調整して空隙が形成されるようにして外側部材22aが成形される。したがって、外側部材22aは多孔質となっており、外側部材22a自体に制振性を有している。なお、他の材料で成形されたものであっても、多孔質の成形品を用いた場合には制振性を向上させることができる。
【0038】
本実施形態で用いられる原料は、ガラス繊維を含むポリウレタン発泡樹脂の粉状体であり、まくら木本体21に用いられる繊維及び樹脂と同じものが用いられている。したがって、まくら木本体21の製造の際などに発生する不要となる部分を用いて粉状体とすることができる。
【0039】
外側部材22aの成形に用いる粉状体は、形状が針状乃至棒状であり、所定の方向の長さが他の方向の長さに比べて長いものである。そして、本実施形態に用いられる粉状体は、長さが約40mm、径が約1mmであり、アスペクト比が10以上である。また、この粉状体は、ガラス長繊維で強化されたポリウレタン樹脂製の発泡成形体を粉砕したものが用いられている。そして、この粉状体はまくら木本体21の材質と同じであり、まくら木本体21の製造工程で発生するものが用いられている。そのため、リサイクル性に優れる。
【0040】
粉状体が発泡樹脂の粉砕物であり、また、粉状体のアスペクト比が10以上のものを用いて防振部材22を形成しているので、成形された外側部材22aに空隙を形成させることができる。したがって、全体の強度を維持しながら、外側部材22a自体に防振性を向上させることができる。
【0041】
また、外側部材22aの成形は、上記粉状体にバインダーなどの添加材を添加して、これを金型などの型に充填して圧縮して行われる。また、この圧縮の際に、金型を加熱して成形を促進させることができる。本実施形態の場合には、添加剤として、ポリオールやMDI(Methylene Diphenyl Isocyanate)などのイソシアネートが用いられており、これにより粉状体のポリウレタン樹脂同士を結着させることができる。
外側部材22aはこのように形成されるので内部に空隙が形成された状態で固定化され、防振性と強度を両立することができる。そして、外側部材22aの密度(立方cm当たりg数)は0.3〜0.7、好ましくは0.35〜0.55とすることにより、防振性と強度を両立させることができる。
【0042】
また、ゲル状樹脂22bは、まくら木本体21や外側部材22aよりも軟らかい材料であり、せん断などの変形によって振動エネルギーを熱エネルギーに変えることができるものである。ゲル状樹脂22bは外側部材22aに比較して薄いものである。
ゲル状樹脂22bは、特に限定されるものでないが、例えば、ウレタン樹脂系のゲルやオレフィン系のゲルを用いることができる。
【0043】
まくら木本体21と防振部材22とは固定されているが、本実施形態では、まくら木本体21及び外側部材22aに対して接着し、接着後はゲル状樹脂22bを用いて、まくら木本体21と外側部材22aとを固定している。
【0044】
まくら木構造体1では、まくら木本体21はバラスト部13に埋設されるが、上面21a側は露出しているので、まくら木本体21に固定された防振部材22はバラスト部13に接触することが無く、防振部材22が摩耗することはない。
【0045】
まくら木構造体1が使用される場合には、レール10上を列車などが通過するが、かかる際に振動が発生する。この振動は、列車の車輪からレール10を介してまくら木本体21に伝達されるものや、列車の下側から空気を介してまくら木本体21側へと伝達されるものなどがある。
本実施形態のまくら木構造体1では、レール10を介してまくら木本体21に伝達される振動は、まくら木本体21に固定されている防振部材22により振動が低減し、また、列車の下側から空気を介してまくら木本体21側へと伝達される振動は、上面21aに配置される防振部材22によって遮断されて振動が低減する。
【0046】
レール10を介してまくら木本体21に伝達される振動は、防振部材22により振動が低減するが、これは、まくら木構造体1が振動すると、まくら木本体21と外側部材22aとの間でずれを生じ、このずれによってゲル状樹脂22bがせん断して、振動エネルギーが熱エネルギーに変換されることによるものである。
【0047】
上記した実施形態のまくら木構造体1では、防振部材22は上面21aのみに設置したが、上面21a以外に露出する部分がある場合には、かかる部分に防振部材22を配置することもできる。
例えば、まくら木本体21がバラスト部13に埋設されず、鉄橋やコンクリート上に設置される場合、まくら木本体21は鉄桁やコンクリート上に載せられた状態となり、側面21bや木口面21dは露出する。そのため、図4に示される第2の実施形態におけるまくら木構造体2のように、上面21aだけでなく、側面21bや木口面21dにも防振部材22を覆うように配置することができる。
【0048】
次に、本発明の第3の実施形態におけるまくら木構造体3について説明する。まくら木構造体3は、図5に示されている。そして、まくら木構造体3は、上記の実施形態と同様に、まくら木本体21と、まくら木本体21の露出する部分に配置される防振部材42からなるものである。また、本実施形態のまくら木構造体3においても、まくら木本体21の上に2本のレール10の固定が行われている。なお、まくら木本体21や2本のレール10の構造については、上記の実施形態と同様である。
【0049】
まくら木構造体3の防振部材42は、図5、図6に示されるように、まくら木本体21の上面21aや、まくら木本体21同士の間のバラスト部13の露出する部分を覆うことができるものであり、レール10の下側に配置されるタイプレート11も覆われている。そして、防振部材42のレール方向の長さは、上記した実施形態のものより長く、まくら木本体21の上面21aと、バラスト部13の上側を覆うことができるものである。
また、防振部材42はレール10同士の間と、両側のレール10の外側に設けられている。
【0050】
そして、まくら木構造体3の防振部材42は、外側部材42aと弾性部材42bとを有している。そして、外側部材42aと弾性部材42bとは層状であり、外側部材42aが外側となるように配置している。また、弾性部材42bはまくら木本体21に対応する位置に設けられており、まくら木本体21と外側部材42aとの間に弾性部材42bが位置している。
【0051】
防振部材42のレール方向の長さは、まくら木本体21同士の間隔に合わせられており、隣り合うまくら木本体21の間に橋渡しするように配置される。そして、この防振部材42を必要な数量準備し、必要に応じて防振部材42同士を連結することができる。
なお、外側部材42aの材質は、上記した実施形態で用いたものと同様なものが用いられ、また、弾性部材42bは、ゲル状の樹脂やゴムなどの弾性を有するものが用いられている。
【0052】
外側部材42aの上面45側及び下面46側は凹条部45a、46aが形成されており、上面45及び下面46は凹状となっている。そして、外側部材42aの上面45側に形成される凹条部45aや、外側部材42aの下面46側に形成される凹条部46aは、レール10方向に向く溝状であり、それぞれ複数形成されている。
なお、本実施形態の凹条部45a、46aの断面形状は、長方形状乃至台形状であるが、凹状部分の形状を他の形状、例えば波形形状、三角形状などを採用することができる。また、凹状の部分でなく、凸状の部分を有するものでも良い。さらに、上記実施形態では、凹条部45a、46aは所定の方向に延びるものであったが、所定の方向に延びるものでない凹状部や凸状部を採用することもできる。
【0053】
外側部材42aの凹条部45a、46aの形成は、平面状の板の一部を削って形成しても良く、また、樹脂成形の際の金型を凹条部45a、46aに対応する形状として成形時に形成することもできる。
【0054】
本実施形態のまくら木構造体3のように、外側部材42aの裏面側が凹凸状であるものを採用した場合には、まくら木本体21との間に配置される弾性部材42bは、外側部材42aの裏面の凸部に対応する位置に配置すればよい。なお、上記したゲル状樹脂22bの場合も同様である。
【0055】
まくら木構造体3では、防振部材42によってまくら木本体21の上面21aと、バラスト部13の上側が覆われる。したがって、列車通過時などにレール10からまくら木本体21へ伝達された振動だけでなく、バラスト部13に伝達した振動も、防振部材42によって上側への振動伝達を阻止することができる。
【0056】
また、外側部材42aの下面46側に形成される凹条部46aによって、バラスト部13などに伝達する振動が再び上部に伝播する際に、乱反射させて騒音をより低減させることができる。
そして、外側部材42aの上面45側に形成される凹条部45aによって、列車通過時に上側から下側に空中を伝播する騒音を乱反射させて低減しながら、上面45上を歩行する際に、雨水などが凹条部45aに流れて水溜まりになりにくく、滑りにくい。
【0057】
本実施形態のまくら木構造体3では、まくら木本体21上に、それぞれの防振部材42の端部が位置しているので、防振部材42ががたつきにくくなり、まくら木構造体3の設置がしやすく、さらに、防振部材42上を歩行する場合に確実に荷重を支えることができる。
また、図5、図7に示されるように、防振部材42の外側部材42aの端部には係合凸部43、係合凹部44が設けられ、隣り合う外側部材42aの係合凸部43及び係合凹部44が係合して、全体が一体構造となっている。したがって、隣り合う外側部材42aの連結をより確実に行うことができる。
【0058】
また、まくら木構造体3のまくら木本体21と防振部材42とは固定されるが、この固定のための手段は、ボルトを用いても良く、接着剤を用いても良く、さらに、他の手段を用いても良い。そして、ボルトによって固定する場合には、防振部材42の着脱を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の第1の実施形態におけるまくら木構造体の敷設された状態で示した斜視図である。
【図2】図1のまくら木構造体のバラストを取り除いた状態で示した斜視図である。
【図3】図1のまくら木構造体の端部付近を拡大した斜視図である。
【図4】本発明の第2の実施形態におけるまくら木構造体を示した斜視図である。
【図5】本発明の第3の実施形態におけるまくら木構造体を示した斜視図である。
【図6】図5のまくら木構造体の正面図である。
【図7】図5のまくら木構造体の側面図である。
【符号の説明】
【0060】
1、2、3 まくら木構造体
10 レール
21 まくら木本体
22、42 防振部材
22a、42a 外側部材
22b ゲル状樹脂
42b 弾性部材




 

 


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