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強制排水システムの配管構造 - 積水化学工業株式会社
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発明の名称 強制排水システムの配管構造
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−120124(P2007−120124A)
公開日 平成19年5月17日(2007.5.17)
出願番号 特願2005−313168(P2005−313168)
出願日 平成17年10月27日(2005.10.27)
代理人 【識別番号】100075502
【弁理士】
【氏名又は名称】倉内 義朗
発明者 山田 雄大 / 市野沢 哲 / 大橋 平和
要約 課題
高さ制約のある床下空間部において、各種水まわり設備機器等の排水源から、屋内排水立管が配管されたパイプスペースまで配管距離が長くなる場合であっても、排水源からの排水を円滑に行う。

解決手段
本発明の配管構造は、床下空間9に横設されて屋内排水立管1に接続される屋内排水横枝管2と、屋内の排水源4から床下空間9の屋内排水横枝管2へ導通する排水導管3とを備え、床下空間9における排水導管3と屋内排水横枝管2との間に排水用ポンプPを介在させるとともに、この排水用ポンプPから屋内排水立管1までの間に電磁弁6を配設する。この電磁弁6には弁の開閉を制御する制御手段7が備えられ、排水用ポンプPが定常運転状態から停止状態に切り替わると、制御手段7によって一定時間経過後に電磁弁6が閉じられ、排水を停止させる。
特許請求の範囲
【請求項1】
多層建築物における屋内排水立管と、屋内の床下空間に横設されて屋内排水立管に接続される屋内排水横枝管と、屋内の排水源から床下空間の屋内排水横枝管へ導通する排水導管とを備え、排水導管と屋内排水横枝管との間に排水用ポンプを介在させるとともに、この排水用ポンプから屋内排水立管までの区間に電磁弁を配設し、
この電磁弁には弁の開閉を制御する制御手段が備えられ、前記排水用ポンプが定常運転状態から停止状態に切り替わると、制御手段によって一定時間経過後に電磁弁が閉じられることを特徴とする強制排水システムの配管構造。
【請求項2】
前記排水用ポンプの上流側吸込口の手前には逆止弁が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の強制排水システムの配管構造。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の強制排水システムの配管構造に関する。
【背景技術】
【0002】
集合住宅における住戸内床下配管は、管勾配を必要とする自然流下方式(重力排水方式)が多用されている。このような自然流下方式では、屋内の排水口の直下や排水立管との接続までなどにトラップを設けて、排水管からの臭気の逆流や害虫の進入を防ぐようになされている。よく用いられるトラップには、S形トラップやP形トラップ等があり、用途に応じて使い分けられている。
【0003】
また、建物の構造上の制約から、配管がなされる床下空間部の高さは、メンテナンスに必要な最低限の高さしかなく、屋内排水立管あるいは排水枡からの距離が長くなればなるほど、床下空間部の高さ制約によって屋内排水枝管の傾斜勾配が緩やかになる。このため、水まわり設備機器の設置位置は、必然的に、その設備機器に導通する屋内排水枝管が規定の水勾配を確保できる範囲となり、屋内排水立管あるいは排水枡の近傍位置に限定されてしまうというのが一般的であった。
【0004】
ところで、近時、供給過剰の中古オフィスビルを改修してマンション等の集合住宅に用途転換するという、いわゆるコンバージョンを行う例が増加している。このコンバージョンでは、既存建物の構造躯体はそのまま利用しつつ、間仕切壁の配置や水まわり設備を居住空間に適合するように改修がなされる。
【0005】
しかし、マンション等に改修する場合には、オフィスビルとは異なって、水まわり設備を各戸ごとに設けなければならず、高さ制約のある床下空間部内で、オフィスビル仕様の既存のパイプスペースに対して、どこまで横引き配管ができるかが課題となってくる。そこで、パイプスペースを配置変更したり増設したりすることも考えられるが、間仕切壁の配置変更が比較的行いやすいのに対して、このようなパイプスペースの配置変更や増設は、既存建物の構造躯体の改修を伴う大がかりな変更であり難工事になるとともにコストがかさむので好ましくはなかった。
【0006】
そこで、水まわり設備機器からパイプスペース内にある屋内排水立管までの横引き配管距離が長くなって、十分な水勾配を確保できなくとも、円滑に排水することのできる排水システムが必要であった。
【0007】
例えば、特許文献1に記載されているように、排水源と排水立管とを排水横枝管で接続してポンプで強制的に排水するようにした排水システムが提案されている。この種の排水システムでは、床下空間部の排水横枝管に十分な水勾配を設けることができなくても、ポンプで支障なく排水できるとされている。また、ポンプの下流側に配設された排水横枝管の両端を立ち上げることによって管内に水を残留させ、トラップとして機能させるように意図されている。
【特許文献1】特許第2786694号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記のような排水システムでは、床下空間部において、ポンプの下流側にトラップ機能を設けているので、排水初期のポンプケーシング内は大気で満たされた状態となっている。このため、排水の開始時にはポンプが空回りしてしまい、強制的に排水がなされるまでに時間がかかってしまうという問題点があった。また、浴槽や洗濯機など、一度に多量の排水を行う排水源に排水横枝管が接続している場合には、排水口から排水が逆流してしまう可能性もあった。
【0009】
そこで本発明は、上記のような事情にかんがみてなされたものであり、高さ制約のある床下空間部において、各種水まわり設備機器等の排水源から、屋内排水立管が配管されたパイプスペースまで配管距離が長くなる場合であっても、排水源からの排水を横引き配管によって円滑に行うことを可能にする強制排水システムの配管構造を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記した目的を達成するため、本発明の請求項1に係る強制排水システムの配管構造は、多層建築物における屋内排水立管と、屋内の床下空間に横設されて屋内排水立管に接続される屋内排水横枝管と、屋内の排水源から床下空間の屋内排水横枝管へ導通する排水導管とを備え、排水導管と屋内排水横枝管との間に排水用ポンプを介在させるとともに、この排水用ポンプから屋内排水立管までの区間に電磁弁を配設し、この電磁弁には弁の開閉を制御する制御手段が備えられ、前記排水用ポンプが定常運転状態から停止状態に切り替わると、制御手段によって一定時間経過後に電磁弁が閉じられることを特徴とする。
【0011】
また、請求項2記載の発明のように、排水用ポンプの上流側吸込口の手前には逆止弁が設けられることにより、排水の逆流を防止するように構成されることが好ましい。
【0012】
このような構成によれば、排水用ポンプが停止すると排水が電磁弁によって流通を阻止されて、排水源と電磁弁との間で滞留することになる。これにより、配管の封水を形成することができる。また、かかる封水は、電磁弁によって流通が阻止されているので破封は起こらず、円滑な排水を実現することが可能になる。したがって、高さ制約のある床下空間において配管距離が長くなる場合であっても、横引き配管で排水源からの排水を円滑に行うことができる。
【発明の効果】
【0013】
上述のように構成される本発明によれば、高さ制約のある床下空間部において、各種水まわり設備機器等の排水源から、屋内排水立管が配管されたパイプスペースまで配管距離が長くなる場合であっても、排水源からの排水を横引き配管によって省スペースで円滑に行うことを可能にする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明に係る強制排水システムの配管構造の最良の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0015】
図1は本発明の強制排水システムの配管構造の一実施例を略示した説明図、図2は図1の排水源近傍の詳細構造を示す説明図である。
【0016】
図示するように、排水本管へと通じる屋内排水立管1と、床下空間9に横設される屋内排水横枝管2とが接続され、この屋内排水横枝管2が、浴槽、洗面台、洗濯機、またはキッチンシンク等の屋内の排水源4に接続されている。この排水源4と床下空間9の屋内排水横枝管2とは排水導管3で導通されている。
【0017】
さらに、これらの排水導管3と屋内排水横枝管2との間には、排水用ポンプPが介在されている。図2に示すように、排水源4の一例である流し台41の下部空間において、シンク42の排出口42には排水導管3が接続され、この排水導管3の他端には、シンク42から排水される水を強制的に排水しうる排水用ポンプPが接続されている。排水導管3と排水用ポンプPの上流側に備えられた吸込口81との間には、排水の逆流を防止する逆止弁5が介在されている。この逆止弁5により、排水導管3側から排水用ポンプP側への一方向のみに水を流すように構成されている。
【0018】
排水用ポンプPには、例えば遠心式ポンプや渦流式ポンプなど任意のポンプを用いることができる。例示の排水用ポンプPは、ポンプ室82と、このポンプ室82内に配置されたファン83と、このファン83を回転させるモータ84とを備えている。ポンプ室82の下部には吸込口81が設けられており、ポンプ室82の上部には吐出口85が設けられている。そして、ファン83が回転すると吸込口81から水を吸い込み、この吸い込んだ水が吐出口85から吐出されるようになっている。
【0019】
排水用ポンプPの吐出口85の高さ位置は、吸込口81の高さ位置よりも高く、さらに、吸込口81の手前に逆止弁5が設けられているので、ポンプ室82がトラップを形成して、ポンプ室82に排水Wが残存するように構成されている。
【0020】
また、ポンプ室82内には圧力センサ86が設けられており、この圧力センサ86が検出する圧力に基づいてモータ84を、流し台41の下部空間に配置されたコントローラ42が制御するようになっている。この圧力センサ86は、例えば静電容量式センサであって、排水源4から排水導管3を経て排水用ポンプPの吸込口81に入った水頭圧が設定可能な所定値以上になればこれを検知して排水用ポンプPを駆動させ、所定値以下になれば排水用ポンプPを停止させるものである。
【0021】
ポンプ室82の吐出口85には屋内排水横枝管2の一端が接続されている。この屋内排水横枝管2は、床板91の孔91Aを通って床下空間9に配設されている。この屋内排水横枝管2の管径は排水導管3の管径より小さく設定され、床板91と隔壁(コンクリートスラブ)92との間の床下空間9に自由に配設できるようになっている。かかる屋内排水横枝管2の他端は屋内排水立管1に接続されている。また、屋内排水横枝管2の一端側部2Aは所定の長さを有するとともに、ほぼ水平に配設されている。そこで、この屋内排水横枝管2の一端側部2Aを昇り勾配に配設してエアー抜きの促進効果を図ってもよい。
【0022】
例示の形態の配管構造において、排水用ポンプPから屋内排水立管1までの間には、電磁石(ソレノイド)の力で弁の開閉を行う電磁弁6が配設されている。
【0023】
この電磁弁6には、タイマーTを備えた制御手段7が接続され、この制御手段7によって電磁弁6の開閉が制御されている。すなわち、排水用ポンプPが定常運転状態から停止状態に切り替わると、制御手段7がこれを検知し、タイマーTによって算出された一定時間が経過すると、電磁弁6が閉じられて排水を停止させるように構成されている。
【0024】
ここで、この排水用ポンプPによる排水の定常運転時の排水流速をvとし、排水用ポンプPから電磁弁までの配管距離をLとすると、排水用ポンプPから吐出された排水が電磁弁6に到達するのに要する時間t1は、次式(1)によって求められる。なお、このとき圧損による流速低下はないものとする。
【0025】
1=L/v ……(1)
排水用ポンプPが停止すると、制御手段7において排水用ポンプPから吐出された排水が電磁弁6に到達するのに要する時間t1が算出され、タイマーTによって時間t1の計測が開始される。そして、制御手段7は、排水が排水用ポンプPから吐出されてからの経過時間が、時間t1よりも短い時間内で電磁弁6を閉じる。これにより、排水は電磁弁6の手前で停止し、逆止弁5から排水用ポンプPを介して電磁弁6までの間に滞留するので、封水を形成することができる。この結果、かかる配管構造において形成された封水は、電磁弁6によって流通が阻止されて、排水で満たされた排水用ポンプP内にエアーが入らないので、屋内排水立管1の排水による瞬間的差圧の発生による破封(排水の自己サイホン作用による破封)は起こらず、円滑な排水を実現することが可能になる。
【0026】
なお、上記構成の排水用ポンプPは床上に配設されても、床下空間に配設されてもどちらでもよい。また、制御手段7は電磁弁6の制御のみならず、排水用ポンプPの制御を兼ねるものであってもよい。
【0027】
以上のように配管構造が構成されることによって、既存建物のコンバージョンを行う場合など、高さ制約のある床下空間9において、各種排水源4から屋内排水立管1までの配管距離が長くなってしまうことがあっても、横引き配管によって省スペースで配管することができ、排水源4からの排水開始時に排水用ポンプPが空回りしたり封水切れを起こしたりするなどの弊害をもたらすことなく、円滑に排水することが可能になる。
【産業上の利用可能性】
【0028】
本発明は屋内の床下配管に適用して省スペース化を図ることが可能であり、特に既存建物の改修時のように、新設の排水源から屋内排水立管までの配管距離が長くなる場合にも好適に利用することができ、円滑な排水を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明に係る強制排水システムの配管構造の一実施例を略示した説明図である。
【図2】前記強制排水システムの配管構造における排水源近傍の詳細構造を示す説明図である。
【符号の説明】
【0030】
1 屋内排水立管
2 屋内排水横枝管
3 排水導管
4 排水源
5 逆止弁
6 電磁弁
9 床下空間
P 排水用ポンプ
T タイマー




 

 


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