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地盤調査方法、地盤調査システムおよび地盤調査シート - 積水化学工業株式会社
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発明の名称 地盤調査方法、地盤調査システムおよび地盤調査シート
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−16442(P2007−16442A)
公開日 平成19年1月25日(2007.1.25)
出願番号 特願2005−197793(P2005−197793)
出願日 平成17年7月6日(2005.7.6)
代理人 【識別番号】100091096
【弁理士】
【氏名又は名称】平木 祐輔
発明者 西村 新吾 / 二川 和貴
要約 課題
建築予定地の液状化の可能性を、短時間で容易に推定できる地盤調査方法と、地盤調査システムを提供する。

解決手段
地盤調査システム1は、測定地点の対象深度範囲内の各深度の測定点において、地下水位の状態、土質の状態、およびN値を入力する入力手段と、飽和土層の液状化抵抗比と、測定地点の地盤内の各深度に発生する等価な繰返しせん断応力比との比から算出した液状化発生に対する安全率に基づいて限界N値を算出する限界N値算出部を備え、測定点が地下水位以下であり、土質が砂質である場合に、その深度におけるN値と限界N値とを比較し、N値が限界N値以下のとき液状化の可能性が有ると推定する。推定結果を、限界N値を連結した基準線22と、各深度の測定点に対応するN値と、を記載する液状化判定部21を備える地盤調査シート20に出力する。
特許請求の範囲
【請求項1】
地盤が液状化する可能性を推定するための地盤調査方法であって、
測定地点の対象深度範囲内の各深度において、地下水位、土質、およびN値を測定し、
前記測定地点の各深度における測定点が地下水位以下であり、土質が砂質である場合に、その深度における測定点のN値と予め算定された限界N値とを比較し、
前記N値が前記限界N値以下のとき、測定地点の地盤は液状化の可能性有りと推定することを特徴とする地盤調査方法。
【請求項2】
前記限界N値は、飽和土層の液状化抵抗比と、測定地点の地盤内の各深度に発生する等価な繰返しせん断応力比との比から算出した液状化発生に対する安全率に基づいて算出されることを特徴とする請求項1に記載の地盤調査方法。
【請求項3】
前記液状化の可能性の推定結果を、測定地点の地盤の深度と、該各深度の測定点に対応する前記限界N値を連結した基準線と、前記各深度の測定点に対応するN値と、を記載する液状化判定部を備える地盤調査シートに出力することを特徴とする請求項1または2に記載の地盤調査方法。
【請求項4】
地盤が液状化する可能性を推定するための地盤調査システムであって、
測定地点の対象深度範囲内の各深度の測定点において、地下水位の状態、土質の状態、およびN値を入力する入力手段と、
限界N値を算出する限界N値算出部を備えると共に、前記測定点が地下水位以下であり、土質が砂質である場合に、その深度におけるN値と前記限界N値とを比較し、N値が限界N値以下のとき液状化の可能性が有ると推定する推定手段と、
を備えることを特徴とする地盤調査システム。
【請求項5】
前記推定手段の限界N値算出部は、飽和土層の液状化抵抗比と、測定地点の地盤内の各深度に発生する等価な繰返しせん断応力比との比から算出した液状化発生に対する安全率に基づいて限界N値を算出することを特徴とする請求項4に記載の地盤調査システム。
【請求項6】
前記システムは、前記推定手段の推定結果を出力する出力手段をさらに備えることを特徴とする請求項4または5に記載の地盤調査システム。
【請求項7】
前記請求項4〜6のいずれかに記載の地盤調査システムに用いる地盤調査シートであって、
測定地点の地盤の深度と、該各深度の測定点に対応する前記限界N値を連結した基準線と、前記各深度の測定点に対応するN値と、を記載する液状化判定部を備えることを特徴とする地盤調査シート。
【請求項8】
前記地盤調査シートは、測定地点の地盤の深度と、該各深度の測定点における地下水の状態および土質の状態と、前記N値のデータとを記載するデータ表示部を、さらに備えることを特徴とする請求項7に記載の地盤調査シート。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、地盤調査方法と地盤調査システムに係り、特に、建築予定地に建物を建築する際に液状化に関する地盤調査を短時間に低コストで推定できる実用的な調査方法と、地盤調査システム、および推定結果を記載する地盤調査シートに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の地盤調査方法としては、特許文献1に記載の地盤調査方法がある。この地盤調査方法は、建築地近傍において複数のボーリング地点のボーリングデータを収集し、該データより複数地点における液状化の可能性の数値を算出し、各地点における前記数値のうち可能性の高い側の数値を、建築地における液状化の可能性の数値と推定している。また、深度の浅い地盤調査で得られるN値と、孔内水位の測定結果から建築地における液状化の可能性を推定している。
【特許文献1】特開2002−250027号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、前記特許文献1に記載の地盤調査方法は、建築予定地において液状化の可能性を簡易的に推定することができ、しかも迅速に推定することができる方法であるが、より実用的な調査方法が求められている。また、推定された液状化の可能性を報告する調査シートを見やすくして、推定結果を確認しやすくすることが求められている。
【0004】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、地下水位と土質および建築予定地で測定されたN値に基づいて、建築予定地の液状化の可能性を簡易的に迅速に推定できる地盤調査方法と、地盤調査システムを提供することにある。また、前記の地盤の調査方法やシステムを用いて液状化の可能性を明確に表示できる実用的な地盤調査シートを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成すべく、請求項1に記載の発明による地盤調査方法は、地盤が液状化する可能性を推定するための地盤調査方法であって、測定地点の対象深度範囲内の各深度において、地下水位、土質、およびN値を測定し、測定地点の各深度における測定点が地下水位以下であり、土質が砂質である場合に、その深度における測定点のN値と予め算定された限界N値とを比較し、N値が限界N値以下のとき、測定地点の地盤は液状化の可能性有りと推定することを特徴としている。
【0006】
請求項2に記載の発明による地盤調査方法では、前記の限界N値は、飽和土層の液状化抵抗比と、測定地点の地盤内の各深度に発生する等価な繰返しせん断応力比との比から算出した液状化発生に対する安全率に基づいて算出することを特徴としている。対象深度範囲としては、N値を測定するロッド等が貫入不能な固い地盤に到達するまでの最大5メートル程度が好ましい。
【0007】
前記のごとく構成された本発明の地盤調査方法は、測定地点のある深度の測定点において地下水位以下であるか、地盤の土質が砂質であるか、あるいは、その深度におけるN値と、限界N値とを比較して地盤の液状化の可能性を推定するため、地盤の各深度における液状化の可能性を迅速に、しかも精度良く推定することができる。すなわち、ある測定点が地下水位以下で、砂質であるとき、N値と限界N値とを比較してN値が限界N値以下のとき、液状化の可能性有りと推定することができる。
【0008】
本発明の請求項3に記載の発明による地盤調査方法は、前記液状化の可能性の推定結果を、測定地点の地盤の深度と、該各深度の測定点に対応する限界N値を連結した基準線と、各深度の測定点に対応するN値と、を記載する液状化判定部を備える地盤調査シートに出力することを特徴としている。この構成によれば、地盤調査シートの液状化判定部に記載された限界N値を連結した基準線に対して、各深度の測定点に対応するN値が基準より大きいか、小さいかを一目で判断でき、液状化の可能性を容易に把握することができる。
【0009】
本発明の請求項4に記載の発明による地盤調査システムは、地盤が液状化する可能性を推定するための地盤調査システムであって、測定地点の対象深度範囲内の各深度の測定点において、地下水位の状態、土質の状態、およびN値を測定した測定値を入力する入力手段と、限界N値を算出する限界N値算出部を備えると共に、前記測定点が地下水位以下であり、土質が砂質である場合に、その深度におけるN値と前記限界N値とを比較し、N値が限界N値以下のとき液状化の可能性が有ると推定する推定手段と、を備えることを特徴としている。
【0010】
請求項5に記載の発明による地盤調査システムでは、前記推定手段の限界N値算出部は、飽和土層の液状化抵抗比と、測定地点の地盤内の各深度に発生する等価な繰返しせん断応力比との比から算出した液状化発生に対する安全率に基づいて限界N値を算出することを特徴としている。
【0011】
このように構成された地盤調査システムは、地下水位の状態、土質の状態、およびN値を測定した測定値を入力すると、推定手段が入力された地下水位の状態、土質の状態およびN値から、測定点が地下水位以下であり、砂質であり、N値が限界N値以下であることを検出して液状化の可能性を短時間で推定することができる。
【0012】
請求項6に記載の発明による地盤調査システムは、前記推定手段の推定結果を出力する出力手段をさらに備えることを特徴としている。出力手段としては、推定結果を、例えば地盤調査シートにプリントして出力する構成や、ディスプレイで表示して出力する構成が好ましい。この構成によれば、建築予定地の液状化の可能性を推定し、その推定結果を出力するため、液状化の可能性を容易に把握することができる。
【0013】
請求項7に記載の発明による地盤調査シートは、前記の地盤調査システムで用いる地盤調査シートであって、測定地点の地盤の深度と、該各深度の測定点に対応する前記限界N値を連結した基準線と、前記各深度の測定点に対応するN値と、を記載する液状化判定部を備えることを特徴とする。この構成によれば、測定地点の地盤の各深度に対応して、基準線とN値とを記載しているため、地盤調査システムで推定された液状化の可能性を容易に判断することができる。
【0014】
請求項8に記載の発明による地盤調査シートは、測定地点の地盤の深度と、該各深度の測定点における地下水の状態および土質の状態と、前記N値のデータとを記載するデータ表示部を、さらに備えることを特徴としている。この構成によれば、推定結果の詳細をデータ表示部で容易に確認することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の地盤調査方法は、スウェーデン式サウンディング試験等の深度の浅い地盤調査データを利用し、測定地点の深度に基づいて、地下水位以下か、あるいは砂質かを確認し、その場合にN値と限界N値とを比較して容易に、短時間で建築地の液状化危険度の判定ができるので、調査費用の削減と調査時間の短縮が可能となる。また、建築地の液状化の可能性を迅速に推定でき、免震建築物が建築できるかを判断することができるとともに、地盤改良が必要かを判断することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明に係る地盤調査方法および地盤調査システムの一実施形態を図面に基づき詳細に説明する。図1は、本実施形態に係る地盤調査システムの要部構成を示すブロック図、図2は、図1の地盤調査システムで用いる地盤調査シートで、液状化の可能性の有無を示す地盤調査シートの正面図であり、このシートは液状化の可能性無しを示している。
【0017】
図1において、本実施形態の地盤調査システム1は、地盤が液状化する可能性を推定するためのシステムであって、測定地点の各深度における地下水位の状態を示す水位データ、土質の状態を示す土質データ、および測定地点において測定された各深度におけるNsw値の測定データを入力する入力手段2と、入力されたデータに基づいて測定地点における液状化の可能性を推定する推定手段10とを備えている。そして、このシステム1は、推定手段10で推定された結果を出力する出力手段3をさらに備えて構成される。
【0018】
この推定手段10は、入力された地下水位の状態と、土質の状態とから、測定点が地下水位以下であり、土質が砂質である場合に、その深度におけるN値と予め算定された限界N値とを比較して、N値が限界N値以下のとき液状化の可能性あると推定する機能を有している。前記の限界N値の詳細は後述するが、飽和土層の液状化抵抗比と、測定地点の地盤内の各深度に発生する等価な繰返しせん断応力比との比から算出した液状化発生に対する安全率に基づいて算出される。
【0019】
すなわち、推定手段10は、測定点が地下水位より上である状態を判定する水位判定部11と、土質が砂質であることを判定する土質判定部12と、測定地点における液状化発生に対する安全率を算出し、この安全率に基づいて限界N値を算出する限界N値算出部13と、入力手段2から入力されたN値と予め算定された限界N値とを比較して液状化の可能性の有無を推定するN値比較推定部14とを備えている。また、限界N値算出部13では、図示していないが、Nsw値をN値に換算する換算部を内蔵している。
【0020】
推定手段10はマイクロコンピュータから構成され、CPUを備えると共に、ROM、RAMおよび電気的に書換可能な不揮発性メモリであるEEPROM(electrically erasable programmable ROM)からなる記憶部が内蔵されており、各種の判定動作、算出動作、推定動作を実施する。推定手段10は、水位判定部11や土質判定部12の判定によっては、限界N値の算出を行なわず、測定地点における液状化の可能性の推定を実施するように構成されている。
【0021】
この地盤調査システム1の、推定手段10が推定した結果を出力する出力手段3は、測定地点の地盤の深度と、各深度の測定点に対応する限界N値と、各深度の測定点に対応するN値とを、図2に示される地盤調査シート20の液状化判定部21に記載するように構成されている。そして、液状化判定部21には、限界N値を連結する基準線22が記載されており、各測定点に対応して入力されたN値と限界N値曲線との大小関係が一目で判断できるように構成されている。なお、出力手段はディスプレイ等に表示して出力するものでもよい。
【0022】
前記の出力手段3により出力される地盤調査シート20は、測定地点の地盤の深度と、各深度の測定点に対応する限界N値と、各深度の測定点に対応するN値とを記載する液状化判定部21を備えるシートであり、限界N値を連結する基準線22の右側に測定されたN値が位置していれば安全で液状化の可能性が無いことを示し、左側に位置していれば液状化の可能性が有ることを明確に示すことができる。また、地盤調査シート20は、入力された地下水位、土質、およびN値のデータを表に記載するデータ表示部23を備えている。
【0023】
前記のように地下水位の深さにより、その深さ以深(以下)の安全限界となるN値(限界N値)を算定して、図2に示す液状化の可能性の有無を示す地盤調査シート20を作成した。このシート20の使用法は、スウェーデン式サウンディング試験によるNsw値から換算したN値をシート上にプロットし、適用される地下水位範囲の基準線22の右側の安全領域に地下水位以下の全てのN値があれば安全と判断する。また、地下水位測定を実施しない場合は地下水位を例えば25cmとして判定する。このように液状化の判定が簡易的にできるので、調査費用を削減でき、調査時間を短縮できる。
【0024】
本実施形態では、測定地点においてN値を測定する手段として、スウェーデン式サウンディング試験を行なう。以下に、スウェーデン式サウンディング試験について、簡単に説明する。この試験はJIS A1221に規定する試験方法に準じて行うものであり、先端にスクリューポイントを固定したロッドを使用して、荷重1kNまでの静的載荷による沈下測定を行い、続いて1kN載荷のまま、回転貫入を行うものである。これは所定の方法によりロッドを貫入させ、25cmの長さを貫入させるのに要したロッドの半回転数(半回転を1回として計測する)を記録し、これを1m貫入量に換算した時の値(Nsw)を求めるものである。
【0025】
前記のように構成された地盤調査システムを用いて、建築予定地での液状化の可能性を推定する調査方法の原理について、以下に説明する。
【0026】
この方法では、測定地点におけるスウェーデン式サウンディング試験のデータから、液状化発生に対する安全率を計算する。先ず、測定地点の地盤内の各深さに発生する等価な繰返しせん断応力比を次式(1)によって計算する。
τ/σ’=r×(αmax/g)×(σ/σ’)×r…(1)
上式で、τは水平面に生じる等価な一定繰返しせん断応力振幅
σ’は検討深さにおける有効土被り圧
は等価な繰返し回数に関する補正係数で、r=0.1(M−1)
但し、Mは地震のマグニチュード
αmaxは地表面における設計用水平加速度(gal)
σは検討深さにおける全土被り圧(鉛直全応力)
は地盤が剛体でないことによる低減係数で(1−0.015z)
zはメートル単位で表した地表面からの検討深さ
【0027】
次に、各深さにおける補正N値(Na)を、次式および細粒土含有率に応じた補正N値増分(図3)を用いて計算する。
=N+ΔN
=C×N
=√(10/σ’
上式で、Nは補正N値、
は換算N値、
ΔNは細粒土含有率に応じた図3による補正N値増分、
は換算N値係数(σ’の単位はt/m)、
Nは、とんび法又は自動落下法による実測N値、
但しコーンプーリ法を用いたときは、ロープをプーリから外してハンマを自由落下させる努力をした場合、1割程度、自由落下をしなかった場合、2割程度割り引くこととする。
【0028】
さらに、図4中のせん断歪振幅γ=5%曲線を用いて、補正N値(N)に対応する飽和土層の液状化抵抗比(τ/σ’)を求める。ここに、τは水平断面における液状化抵抗である。
【0029】
最後に、各深さにおける液状化発生に対する安全率Fを、式(2)により計算する。
={(τ/σ’)/(τ/σ’)}…(2)
【0030】
上式(2)より求めたF値が1より大きくなる土層については液状化の可能性はないものと判定し、1以下となる場合はその可能性が有り、値が小さくなるほどその土層の液状化発生危険度は高いと判定する。そして、前記の安全率Fが1となるときのN値を限界N値として、地下水位以下の深度ごとの限界N値が算出される。
【0031】
液状化の可能性を簡易的に判定するには、前記した判定法から地下水位毎の安全率F=1となる安全限界での深さとN値(半回転数Nswより換算)の関係線図を求め、その線図の安全領域にスウェーデン式サウンディング試験結果より換算したN値があれば液状化発生の可能性は無いと判断する。そして、以下の検討において、より安全側の検討とするために、前記のαmax=350gal、M=7.5、土層は細砂とし、γ=1.8t/m、細粒土含有率に応じた補正N値増分ΔNf=0とする。
【0032】
ここで、γは単位体積重量であり、液状化の可能性を推定するとき、有効土被り圧σ’及び全土被り圧σを算出する際に用いるものである。なお、検討深さより上部に存在する土の単位体積重量の和を「全土被り圧」と呼び、地下水位以下に関して水の単位体積重量(1.0)を引いたものを「有効土被り圧」と呼び、これは浮力の影響を考慮した値となる。
【0033】
これらの条件と前記の式から安全限界となる液状化抵抗比(τ/σ’)と検討深さzとの次式(3)を導出し、深さ毎の液状化抵抗比(τ/σ’)を算出すると、
τ/σ’=0.239z(1−0.015z)/(0.8z+W)…(3)
ここで、Wは地下水位の深さを示している。
【0034】
この液状化抵抗比からせん断幅ひずみ振幅5%曲線(図4)を表す次式(4)から補正N値(Na)を算定する。
τ/σ’=aCr{16√Na/100+(16√Na/Cs)}…(4)
ここで、a=0.45、Cr=0.57、n=14、Cs=80である。
【0035】
このようにして算定された補正N値(Na)から次式によりNswに変換する。
N値=Na√{(0.8z+W)/10}…(5)
Nsw=(N値−2)/0.067…(6)
【0036】
図5は地下水位毎の安全率Fとなる安全限界での深さとN値の関係線図を求めたものである。図5の破線で示す基準線は地下水位が0.25m、太い実線で示す基準線は地下水位が1m、2点鎖線で示す基準線は地下水位が2m、1点鎖線で示す基準線は地下水位が3m、細い実線で示す基準線は地下水位が4mの場合を示している。測定地点のスウェーデン式サウンディング試験の終了後に、ロッドを抜いた孔内の水位を確認し、地下水の深度により基準線を選択する。
【0037】
このように、各測定地点において、地下水位が−5m以浅で且つ、砂質層が地下水位以下で−5m以浅で且つ、その地点におけるF値が1以下の場合、この測定地点においては液状化の可能性が有ると判定する。そして、測定地点の少なくとも一つにおいて、前記と同様に液状化の可能性が有ると判定された場合、建築予定地においては液状化の可能性が有ると推定する。建築予定地において、液状化の可能性が有る場合は、建築自体を断念するか、あるいは地盤改良をしてから免震建築する等の判断に反映される。
【0038】
各測定地点において、地下水位が−5mより深いか、砂質層が地下水位以下で−5mより深いか、またはその地点におけるF値が1以上の場合、これらの測定地点においては液状化の可能性が無いと判定し、建築予定地における液状化の可能性が無いと推定する。この場合は、建築地における建物の建築は、地盤改良等をすることなく可能となる。このように、スウェーデン式サウンディング試験データに基づいて推定された液状化の可能性から、建築予定地の液状化の可能性を容易に推定して判断できるため、建築予定地において液状化の可能性を判断するためのボーリング調査を実施しないで液状化の可能性を推定できる。
【0039】
前記の如く構成された本実施形態の地盤調査方法の動作について、図6の建築予定地における建物の位置と測定地点を示す平面図と、図7のフローチャートを参照して以下に説明する。
【0040】
建築予定地に建物を建築するとき、例えば、図6に示される建物の外周の4点A,B,C,Eと、中心点Dの5点の測定地点でスウェーデン式サウンディング試験機によりNsw値を測定する。また、前記の5点で地下水位の状態と、土質の状態を測定する。図6に示す各測定地点A〜Eにおいて、スウェーデン式サウンディング試験機を用いて、スクリューポイントを固定したロッドを深さ5m程度まで貫入し、地下水位の状態、土質の状態、Nsw値を、例えば25cm間隔で、対象深度範囲の各深度において測定する。本実施形態では、建築予定地には3階建ての低層住宅を建築するため、5メートルの深さまで25cmごとに測定している。なお、測定する深度間隔は25cmに限らず、50cm等、任意に設定することができる。測定されたNsw値は、前記の数式(6)によりN値に換算される。なお、測定地点は外周の4個所だけでもよい。
【0041】
水位の状態を示すデータ、土質の状態を示すデータ、およびNsw値が入力手段2により推定手段10に入力される。推定手段10では、入力されたデータに基づいて、ある測定地点の所定の深さの測定点が地下水位以下であるか否かを水位判定部11で判定(ステップS1)し、地下水位以下であるときは「1」を表示する。また、土質判定部12では、所定の測定点が砂質であるか否かを判定(ステップS2)し、砂質であるときは「1」を表示する。前記の「1」は地盤調査シート20に出力される。
【0042】
ステップS1、ステップS2で「No」の場合は、ステップS5で液状化の可能性無しとして処理を終了する。ステップS1、ステップS2で「Yes」の場合は、ステップS3でN値と限界N値との比較を行い、N値≦限界N値のとき、すなわち「Yes」のときにステップS4で、液状化の可能性有りと推定する。また、ステップS3でN値が限界N値より大きく「No」の場合は、ステップS5で液状化の可能性無しと判断する。本実施形態では、限界N値をつなぐ基準線22として、地下水位が25cmの基準線を使用している。なお、地下水位が不明の場合に、近似的に、地下水位が25cmの基準線を使用して、液状化の可能性の推定をしてもよい。
【0043】
このように、ステップS1で「No」の場合や、ステップS2で「No」の場合は、ステップS5で液状化の可能性無しと、即判断するため、処理時間を短縮することができる。そして、ステップS1、ステップS2で「Yes」の場合のみ、N値と限界N値との比較を行なうため、全体として処理時間を大幅に短縮することができる。さらに、砂質でない層が所定の厚さであることを確認できたときは、液状化の可能性が少なくなるため、処理のフローを終了するため、処理時間を短縮することができる。
【0044】
以上述べたように、液状化の可能性を推定するとき、スウェーデン式サウンディング試験等の深度の浅い地盤調査で得られるNsw値と、地下水位および土質の測定結果により簡易的に判定することができる。中層住宅等を建築する場合は、地下深度20m程度までのボーリング地質調査による土質試験や、N値及び地下水位の測定結果から算定式に基づいて判定しているが、本実施形態の地盤調査システムは戸建て住宅等の低層の小規模建築物を建築する場合に十分に対応できる、地下深度5m程度までの液状化の可能性の推定が行える。
【0045】
図2に示される地盤調査シート20は、図6はA点での測定結果を示している。A点では、貫入深さが25cmの測定点で地下水が無く、土質は砂質であり、換算N値は「17.5」であった。また、50cmの測定点では、同様に地下水が無く、土質は砂質であり、換算N値は「32.3」であった。以下、75cm〜1.75mまでの間は、いずれも地下水が無く、土質は砂質であり、換算N値は「23.7」、「15.1」、「15.7」、「21.6」、「20.0」であった。また、2.00m〜2.50mまでの間は、地下水位以下であり、土質は砂質で、換算N値は「16.2」、「15.7」、「23.7」であった。そして、貫入深さが2.75m〜3.25mまでの間は地下水が有り、土質は砂質でなく、換算N値は「15.8」、「21.5」、「18.7」であった。なお、この深度範囲では土質が砂質でないので、Nsw値の測定は行なわなくてもよい。3.25m以下は、ロッドの先端が貫入不能な固い地盤に到達したため、貫入は3.25mで終了した。そして、地下水位以下の砂質の各深度の換算N値を液状化判定部21にプロットすると、換算N値は基準線22より大きく、基準線の右側に位置したので、液状化の可能性が無いと判定した。
【0046】
図8に示される地盤調査シート20Aは、図6のB点での測定結果を示している。B点では、貫入深さが25cmの測定点で地下水が無く、土質は砂質であり、換算N値は「8.0」であった。また、50cmの測定点では、同様に地下水が無く、土質は砂質であり、換算N値は「13.0」であった。以下、75cm〜1.75mまでの間は、いずれも地下水が無く、土質は砂質であり、換算N値は「13.5」、「14.9」、「18.3」、「28.5」、「10.6」であった。さらに、2.00m〜2.75mまでの間は地下水位以下であり、土質は砂質で、換算N値が「14.9」、「13.5」、「14.1」、「17.3」であった。そして、貫入深さが3.00m〜3.75mまでの間は地下水が有り、土質は砂質でなく、換算N値は「16.8」、「17.5」、「18.2」、「18.5」であった。なお、この深度範囲では土質が砂質でないので、Nsw値の測定は行なわなくてもよい。3.75m以下は貫入が不能となる固い地盤に突き当たったので、貫入は3.75mで終了した。そして、地下水位以下の砂質の各深度の換算N値を液状化判定部21にプロットすると、換算N値は基準線22より大きく、基準線の右側に位置したので、液状化の可能性が無いと判定した。
【0047】
図9に示される地盤調査シート20Bは、液状化の可能性が有る場合の測定結果を示している。すなわち、この地盤調査シートは、図6のC点での測定結果を示している。C点では、貫入深さが25cm〜1.75m間での測定点では地下水が無く、土質は砂質であり、各深度の換算N値は「6.3」、「7.4」、「8.4」、「8.1」、「7.3」、「8.2」、「8.5」であった。また、2m〜3.25mの測定点では、地下水があり、土質は砂質であり、換算N値は「9.0」、「10.0」、「10.5」、「11.3」、「10.8」、「12.0」であった。以下、3.50m〜4.00mまでの間は、いずれも地下水が有り、土質は砂質以外であり、換算N値は「13.2」、「12.8」、「14.1」であった。なお、この深度範囲では土質が砂質でないので、Nsw値の測定は行なわなくてもよい。そして、貫入深さが4.00m以下では、貫入が不能な固い地盤に到達したため、貫入は4.00mで終了した。
【0048】
このようにして得られた換算N値を、砂質である地下水位の範囲内で液状化判定部21にプロットすると、測定地点C点での測定結果は、測定点のうちの深度が2.00m〜3.25m間での6点における換算N値が限界N値以下であり、基準線22の左側に位置しており、これらの測定点では、地下水位以下であり、土質が砂質であり、しかも換算N値が限界N値以下であるため、液状化の可能性有りの調査結果となった。したがって、この測定地点Cでは、地表面で所定の水平加速度が加わったとき、液状化するおそれがあることが推定される。
【0049】
このようにして、5つの測定地点における地下水位の状態、土質の状態、およびN値を測定し、すべての測定地点で各深度における測定点が地下水位以下であり、土質が砂質である場合に、その深度における測定点のN値と前記限界N値とを比較し、N値が限界N値以下のとき、測定地点の地盤は液状化の可能性有りと推定する。すべての測定地点での液状化の可能性については、図10に示す判定シート30に表示される。判定シート30は、前記の5つの測定地点の液状化の可能性が有るハッチング部31を、測定地点Cの深度が2.00m〜3.25mの範囲と明確に表示しており、この判定シート30を出力することで、建築主に対して例えば基礎補強や地盤改良の必要性を説明する資料として最適となる。なお、液状化の可能性が有る測定地点の深度範囲をハッチングで示しているが、色分けで表示してもよく、○×で記載してもよい。また、各深度の測定点の欄中に限界N値を表示するようにしてもよい。
【0050】
なお、前記の実施形態では、5つの測定地点A,B,C,D,Eのうち、測定地点Cで液状化の可能性が有ると推定できたので、その時点で調査を終了し、残りの測定点D,Eでの測定を中止してもよい。また、スウェーデン式サウンディング試験での測定は、ロッドを基本的には5mの深度まで貫入し、測定中にロッドの貫入量が少なくなって支持基盤に至ることが明白となったときは、その時点で測定を終了するようにしているが、このような場合は、スウェーデン式サウンディング試験による測定を中断しても、液状化の可能性の推定結果に支障はない。
【0051】
以上述べたように、ある測定地点のある深度の測定点が地下水位以下であり、土質が砂質である場合に、スウェーデン式サウンディング試験により測定したNsw値から換算した換算N値を、液状化発生に対する安全率に基づいて算出した限界N値と比較して、液状化判定部21にプロットした。液状化判定部21は、予め算出した限界N値を連結した基準線22を備えており、この基準線に対してプロットした換算N値が右側に位置していれば、すなわち液状化発生に対する安全率が1より大きければ液状化の可能性が無いことが、一目で明らかとなる。また、プロットした換算N値が基準線22の左側に位置する場合は、液状化の可能性が有ることが明確となる。
【0052】
このように、本発明による地盤調査方法は、現在、戸建て住宅等の小規模建築物の建築において実施される簡易的なスウェーデン式サウンディング試験による地下水位から確認した地下水位の位置と、砂質であるかどうかとを確認し、Nsw値を換算したN値と液状化発生に対する安全率Fに基づいて算出した限界N値とを比較することにより、建築予定地での液状化の可能性を容易に推定することができる。しかも、地盤調査シート20の液状化判定部21により、建築予定地の測定地点での液状化の可能性を明瞭に表示させることができると共に、判定シート30で液状化の可能性の有る深度範囲を明確に表示させることができる。
【0053】
そして、建築予定地で液状化の可能性が有る場合は、例えば基礎の補強等の対策を実施したり、布基礎をべた基礎に変更したり、地盤改良を実施したり、住宅の建築を断念する等の判断が必要となる。本実施形態の地盤調査方法では、このような事前の判断をするための資料を容易に提供することができる。
【0054】
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は、前記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。例えば、スウェーデン式サウンディング試験で測定したNsw値をN値に換算する例を示したが、地盤調査シートのN値をNsw値に換算しておいて、直接入力するように構成してもよい。
【0055】
前記のフローチャートにおいて、ステップS1の測定点が地下水位以下であるの判断と、ステップS2の土質が砂質であるか否かの判断は、工程が前後してステップ1で土質が砂質であるかを判断し、次いでステップS2で地下水位以下であるか否かを判断するように構成してもよい。また、液状化発生に対する安全率を計算するときに用いる設計用水平加速度は350galの例を示したが、この数値を任意に設定できることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明の活用例として、スウェーデン式サウンディング試験を用いてNsw値の測定を行ない、N値に換算して入力する例を示したが、標準貫入試験等の他の試験でN値を測定して建築予定地の液状化の可能性を推定し、低層の住宅以外の建物を建設するときの地盤調査の用途にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明に係る地盤調査システムの一実施形態の構成を示すブロック図。
【図2】液状化の可能性の有無を示す地盤調査シートの正面図。
【図3】細粒土含有率と補正N値増分ΔNの関係を示すグラフ。
【図4】補正N値(Na)と飽和土層の液状化抵抗比τ/σ’の関係を示すグラフ。
【図5】地下水位の高さによる限界N値を連結する基準線を示すグラフ。
【図6】建築予定地における建物の位置と測定地点を示す平面図。
【図7】地盤調査方法の動作を説明するフローチャート。
【図8】他の測定地点の液状化の可能性無しを示す地盤調査シートの正面図。
【図9】他の測定地点の液状化の可能性有りを示す地盤調査シートの正面図。
【図10】液状化の可能性を表示する判定シートの正面図。
【符号の説明】
【0058】
1:地盤調査システム、2:入力手段、3:出力手段、10:推定手段、11:水位判定部、12:土質判定部、13:限界N値算出部、14:N値比較推定部、20:地盤調査シート、21:液状化判定部、22:基準線、23:データ表示部、30:判定シート、31:液状化の可能性が有るハッチング部




 

 


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