米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 固定構造物 -> 積水化学工業株式会社

発明の名称 雨樋
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−9669(P2007−9669A)
公開日 平成19年1月18日(2007.1.18)
出願番号 特願2005−346250(P2005−346250)
出願日 平成17年11月30日(2005.11.30)
代理人 【識別番号】100103975
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 拓也
発明者 平塚 裕康
要約 課題
本発明は、共押出成形により容易に得られ、長期の屋外使用でも変色しにくく、粉砕リサイクル成型可能な、塩化ビニル系樹脂からなる雨樋を提供する。

解決手段
塩化ビニル系樹脂基材に、平均重合度が500〜700の塩化ビニル系樹脂100重量部、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤0.1〜0.7重量部、錫マレート系熱安定剤3〜6重量部及び融点が40℃以上のフタル酸エステル系内滑剤1〜5重量部からなり、厚さ80〜200μmの塩化ビニル系樹脂組成物層が積層されていることを特徴とする雨樋。
特許請求の範囲
【請求項1】
塩化ビニル系樹脂基材に、平均重合度が500〜700の塩化ビニル系樹脂100重量部、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤0.1〜0.7重量部、錫マレート系熱安定剤3〜6重量部及び融点が40℃以上のフタル酸エステル系内滑剤1〜5重量部からなり、厚さ80〜200μmの塩化ビニル系樹脂組成物層が積層されていることを特徴とする雨樋。
【請求項2】
基材の塩化ビニル系樹脂の平均重合度が800〜1000であることを特徴とする請求項1記載の雨樋。
【請求項3】
基材の塩化ビニル系樹脂の100重量部にウォラスナイトが10〜50重量部添加されていることを特徴とする請求項1又は2記載の雨樋。
【請求項4】
塩化ビニル樹脂組成物に、更に、錫メルカプト系熱安定剤0.5〜3.0重量部を含むことを特徴とする請求項1記載の雨樋。
【請求項5】
塩化ビニル系樹脂組成物に、更に、有機顔料のみからなる着色剤が添加されていることを特徴とする請求項1又は4記載の雨樋。
【請求項6】
塩化ビニル系樹脂基材と塩化ビニル系樹脂組成物層が共押出により積層されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の雨樋。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、共押出成形により容易に得られ、長期の屋外使用でも変色しにくく、粉砕リサイクル成型可能な、塩化ビニル系樹脂からなる雨樋に関する。
【背景技術】
【0002】
屋外で使用される塩化ビニル系樹脂製の雨樋は、天候等による様々な負荷を受ける。特に、直射日光により、チョーキング(白化)が生じるという問題があり、塩化ビニル系樹脂製雨樋に耐候性に優れたアクリル樹脂を被覆してチョーキングを防止することが提案されている。
【0003】
しかしながら、塩化ビニル系樹脂とアクリル樹脂とを同時押出成形する場合、塩化ビニル系樹脂の成形温度条件(約180℃)とアクリル樹脂の成形温度条件(約220℃)とに開きがあり、製造の際に塩化ビニル系樹脂の成形温度の条件に合わせるとアクリル樹脂が流れないために雨樋の外周面を良好な肌艶にすることができないという問題があった。
【0004】
又、アクリル樹脂の成形温度の条件に合わせると塩化ビニル系樹脂が熱分解し易くなり、雨樋が変色或いは強度低下するという問題があった。更に、粉砕リサイクル成型が不可能であるという問題があった。
【0005】
これらの問題点を解消するために、「塩化ビニル樹脂製の管状芯体の外周面に、耐候性塩化ビニル樹脂からなる50μm以上300μm以下の被覆層を形成したことを特徴とする雨樋」が提案されており、「耐候性塩化ビニル樹脂は、管状芯体を構成する塩化ビニル樹脂よりも耐候性を向上させたものである。耐候性塩化ビニル樹脂には、紫外線吸収剤、光安定剤、艶消剤、顔料、染料等を適宜含めることができる。」と記載されている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2001−173173号公報
【0006】
しかし、耐候性樹脂として耐候性塩化ビニル系樹脂を用いていると、押出成型時の押出成型機内の樹脂圧が高く、生産性を高められないという問題点があった。又、上記の雨樋では、市場の高耐候化への要求から、耐候性が依然として不足していた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、上記の問題点に鑑み、共押出成形により容易に得られ、長期の屋外使用でも変色しにくく、粉砕リサイクル成型可能な、塩化ビニル系樹脂からなる雨樋を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の雨樋は、塩化ビニル系樹脂基材に、平均重合度が500〜700の塩化ビニル系樹脂100重量部、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤0.1〜0.7重量部、錫マレート系熱安定剤3〜6重量部及び融点が40℃以上のフタル酸エステル系内滑剤1〜5重量部からなり、厚さ80〜200μmの塩化ビニル系樹脂組成物層が積層されていることを特徴とする。
【0009】
本発明で使用される塩化ビニル系樹脂組成物は、平均重合度が500〜700の塩化ビニル系樹脂100重量部、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤0.1〜0.7重量部、錫マレート系熱安定剤3〜6重量部及び融点が40℃以上のフタル酸エステル系内滑剤1〜5重量部からなる。
【0010】
上記塩化ビニル系樹脂は、塩化ビニル単独重合体又は塩化ビニルを主成分(50重量%以上)とし、塩化ビニルモノマーと共重合可能なモノマーとの共重合体が挙げられる。これらは単独で用いられても良く、2種類以上併用して用いられても良い。
【0011】
上記塩化ビニルモノマーと共重合可能なモノマーとしては、例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン等のα−オレフィン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル類;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート類;スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル類;フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、塩化ビニリデン等のハロゲン化ビニル類;N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等のN−置換マレイミド類等が挙げられる。これらのその他の共重合性モノマーは、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用して用いられても良い。
【0012】
上記塩化ビニル系樹脂の平均重合度は、小さくなると連続生産時にスクリューヘッド等に粘着し成型安定性が不足し、大きくなると成型時の押出機の負荷、金型背圧が高くなり、生産性が低下するので、500〜700である。
【0013】
上記ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤は、耐候性を改善する目的で添加され、添加量が0.1重量部未満になると耐候性が低下し、0.7重量部より多く添加しても耐候性がそれ以上改善されないので、0.1〜0.7重量部に限定される。
【0014】
上記錫マレート熱安定剤は、成型時の熱安定性確保及び耐候性向上の目的で添加され、添加量が3重量部未満になると、十分な熱安定性、耐候性が得られず、6重量部を超える量を添加しても熱安定性、耐候性を改善する効果が大きくならないので、3〜6重量部に限定される。
【0015】
上記錫マレート熱安定剤としては、例えば、ジブチル錫マレート、ジオクチル錫マレート、ジブチル錫マレートポリマー、ジオクチル錫マレートポリマー等が挙げられる。
【0016】
上記フタル酸エステル系内滑剤は、成型時の塩化ビニル系樹脂組成物の溶融粘度を下げ、押出成型機内での樹脂圧低減、スクリュー負荷を低減し、成型可能条件領域を広くするために添加される。
【0017】
フタル酸エステル系内滑剤の融点は、40℃未満であると、夏場の使用時に融解、ブロッキング等の問題が発生するため、40℃以上に限定される。又、フタル酸エステル系内滑剤の添加量が1重量部未満になると溶融粘度が高く、押出成型時に背圧、スクリュー負荷が高くなり、6重量部を超える添加量の場合は得られる雨樋の耐熱性が低下するので、1〜5重量部に限定される。
【0018】
塩化ビニル系樹脂組成物に、塩化ビニル系樹脂組成物の熱安定性をさらに向上させるために錫メルカプト熱安定剤が添加されていることが好ましい。
【0019】
上記錫メルカプト熱安定剤を添加すると、塩化ビニル系樹脂組成物を成型機内に充填したまま成型機を停止して冷却し、その後再び加熱して成型をスタートしたとき、良品を得やすくなる。
【0020】
上記錫メルカプト熱安定剤の添加量が0.5重量部未満の場合は、例えば、樹脂温度190℃で成型している成型機を、塩化ビニル系樹脂組成物を充填したまま停止、冷却して、12時間後に再び昇温して樹脂温度190℃で成型を開始した場合、塩化ビニル系樹脂組成物が金型内に粘着するなどして、雨樋表面にスジが発生し、外観良好な雨樋が得られにくくなり、錫メルカプト安定剤の添加量が3.0重量部を超えると耐候性が悪化する傾向があるので、塩化ビニル系樹脂100重量部に対し0.5〜3.0重量部の範囲が好ましい。
【0021】
更に、塩化ビニル系樹脂組成物に、耐候性を改善するために着色剤が添加されていることが好ましい。上記着色剤としては、塩化ビニル系樹脂成形体の製造の際に一般に使用されている顔料であれば特に限定されず、例えば、アゾ系、フタロシアニン系、スレン系、染料レーキ系等の有機顔料、酸化物系、クロム酸モリブデン系、硫化物・セレン化物系、フェロシアン化物系等の無機顔料等が挙げられ、これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよいが、無機顔料は、長期の屋外使用に際して、塩化ビニル系樹脂の劣化に伴い、表面に析出して外観を白化させ、耐候性を低下させることがあるので、着色剤は有機顔料が好ましく、特に、無機顔料を含まず、有機顔料のみからなるのが好ましい。
【0022】
着色剤の添加量は、特に限定されないが、1重量部未満になると耐候性を向上させる効果がなく、5重量部を越えても耐候性を改善する効果が大きくならないので、1〜5重量部が好ましい。
【0023】
上記塩化ビニル系樹脂組成物には、必要に応じて、塩化ビニル系樹脂成形体の製造の際に一般に使用されている錫マレート熱安定剤以外の熱安定剤、融点が40℃以上のフタル酸エステル系内滑剤以外の滑剤、加工助剤、衝撃改良剤、耐熱向上剤、酸化防止剤、光安定剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤以外の紫外線吸収剤等の添加物が添加されてもよい。
【0024】
上記熱安定剤としては、塩化ビニル系樹脂成形体の製造の際に一般に使用されている熱安定剤であれば特に限定されず、例えば、ステアリン酸鉛、二塩基性亜リン酸鉛、三塩基性硫酸鉛等の鉛系安定剤、カルシウム−亜鉛系安定剤、バリウム−亜鉛系安定剤、バリウム−カドミウム系安定剤、ジブチル錫メルカプト、ジオクチル錫メルカプト、ジメチル錫メルカプト、ジブチル錫ラウレート、ジオクチル錫ラウレート、ジアルキル錫ビス(メルカプト脂肪酸エステル)、ジアルキル錫サルファイド等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0025】
上記滑剤としては、内部滑剤、外部滑剤等が挙げられる。
上記内部滑剤は、成形加工時の溶融樹脂の流動粘度を下げ、摩擦発熱を防止する目的で使用される。上記内部滑剤としては、塩化ビニル系樹脂成形体の製造の際に一般に使用されている内部滑剤であれば特に限定されず、例えば、ブチルステアレート、ラウリルアルコール、ステアリルステアレート、エポキシ化大豆油、グリセリンモノステアレート、ステアリン酸、ビスアミド等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0026】
上記外部滑剤は、成形加工時の溶融樹脂と金属面との滑り効果を上げる目的で使用される。上記外部滑剤としては、塩化ビニル系樹脂成形体の製造の際に一般に使用されている外部滑剤であれば特に限定されず、例えば、モンタン酸ワックス、パラフィンワックス、ポリオレフィンワックス、酸化ポリオレフィンワックス、エステル系ワックス等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0027】
上記加工助剤としては、塩化ビニル系樹脂成形体の製造の際に一般に使用されている加工助剤であれば特に限定されず、例えば、重量平均分子量10万〜200万のアルキルアクリレート−アルキルメタクリレート共重合体、アルキルアクリレート−アルキルメタクリレート−スチレン共重合体等のアクリル系加工助剤が挙げられ、具体例としては、n−ブチルアクリレート−メチルメタクリレート共重合体、2−エチルヘキシルアクリレート−メチルメタクリレート−ブチルメタクリレート共重合体等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0028】
上記衝撃改質剤としては、塩化ビニル系樹脂成形体の製造の際に一般に使用されている衝撃改質剤であれば特に限定されず、例えば、メチルメタクリレート−ブタジエン−スチレン共重合体(MBS樹脂)、塩素化ポリエチレン、アクリルゴム等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0029】
上記耐熱向上剤としては、塩化ビニル系樹脂成形体の製造の際に一般に使用されている耐熱向上剤であれば特に限定されず、例えば、α−メチルスチレン系、N−フェニルマレイミド系等の耐熱向上剤が挙げられる。
【0030】
上記酸化防止剤としては、塩化ビニル系樹脂成形体の製造の際に一般に使用されている酸化防止剤であれば特に限定されず、例えば、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル) プロピオネート]等のフェノール系抗酸化剤、硫黄系抗酸化剤、ホスファイト系抗酸化剤等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0031】
上記光安定剤としては、塩化ビニル系樹脂成形体の製造の際に一般に使用されている光安定剤であれば特に限定されず、例えば、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、デカン二酸(2,2,6,6−テトラメチル−1(オクチルオキシ)−4−ピペリジニル) エステルと1,1−ジメチルエチルヒドロペルオキシドとオクタンの反応生成物等のヒンダードアミン系光安定剤等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0032】
上記紫外線吸収剤としては、塩化ビニル系樹脂成形体の製造の際に一般に使用されている紫外線吸収剤であれば特に限定されず、例えば、サリチル酸エステル系、ベンゾフェノン系、シアノアクリレート系等の紫外線吸収剤が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0033】
上記塩化ビニル系樹脂組成物を製造する方法は、特に限定されず、例えば、ホットブレンドによる方法、コールドブレンドによる方法等が挙げられる。
【0034】
本発明の雨樋は、塩化ビニル系樹脂基材に、上記塩化ビニル系樹脂組成物よりなる塩化ビニル系樹脂組成物層が厚さ80μm〜200μmに積層されている。
塩化ビニル系樹脂組成物層を構成する塩化ビニル系樹脂は平均重合度が500〜700であり機械的物性が劣るので、塩化ビニル系樹脂組成物層はできるだけ薄いほうが好ましいが、80μm未満になると、隠蔽性が低下し、基材が透けて見えるようになり、色調が安定しにくくなり、200μmを超えて厚くしても、色調、耐候性を高める効果は大きくならないので80μm〜200μmに限定される。
【0035】
上記塩化ビニル系樹脂基材を構成する塩化ビニル系樹脂としては、前述の塩化ビニル系樹脂が使用可能であるが、機械的強度が必要なので、平均重合度が800〜1500の塩化ビニル系樹脂が好ましい。又、一度使用された後回収されたリサイクル塩化ビニル系樹脂成形品の粉砕品でもよい。
【0036】
上記塩化ビニル系樹脂には、必要に応じて、前述の熱安定剤、滑剤、加工助剤、衝撃改良剤、耐熱向上剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、着色剤等の添加物が添加されてもよい。
【0037】
尚、熱安定剤としては、成型性の優れたジオクチル錫メルカプト、ジブチル錫メルカプト又はジオクチル錫ラウレートが好ましい。
【0038】
又、基材の機械的強度向上させるために充填剤が添加されてもよい。上記充填剤としては、塩化ビニル系樹脂成形体の製造の際に一般に使用されている充填剤であれば特に限定されず、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、水酸化マグネシウム、タルク、マイカ、クレー、フライアッシュ、ウォラスナイト等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0039】
上記充填剤の中では、機械的強度向上効果の高いウォラスナイトが好ましく、ウォラスナイトの添加量は塩化ビニル系樹脂100重量部に対し10〜50重量部が好ましい。
【0040】
上記塩化ビニル系樹脂に添加物を混合する方法、特に限定されず、例えば、ホットブレンドによる方法、コールドブレンドによる方法等が挙げられる。
【0041】
本発明の雨樋は、従来公知の任意の方法で製造されればよいが、塩化ビニル系樹脂基材と塩化ビニル系樹脂組成物層が共押出により積層されるのが好ましい。基材を構成する塩化ビニル系樹脂を混練する押出成型機としては2 軸異方向押出機が好ましく、塩化ビニル系樹脂組成物を混練する押出成型機としては単軸スクリューの押出機が好ましい。
【発明の効果】
【0042】
本発明の雨樋の構成は上述の通りであり、共押出成形により容易に得られ、長期の屋外使用でも変色しにくく、粉砕リサイクル成型が可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
次に、本発明の雨樋の実施例及び比較例を示すことにより、本発明をさらに詳しく説明する。尚、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
【0044】
(実施例1〜6、比較例1〜7)
【0045】
基材用塩化ビニル樹脂組成物の作成
塩化ビニル樹脂(徳山積水社製、商品名「TS−1000R」平均重合度1000)100重量部、有機錫系熱安定剤(三共有機合成社製、商品名「STANN ONZ−100F」)1.0重量部、酸化ポリエチレンワックス(三井化学社製、商品名「Hiwax220MP」)0.5重量部、加工助剤(カネカ社製、商品名「PA−20」)0.5重量部及び酸化チタン含有有機顔料系黒色着色剤(大日精化社製、商品名「DASK1413(D)」)2.0重量部を200Lスーパーミキサー(ワカタ社製)に供給し、高速回転して110℃まで昇温した後、冷却して基材用塩化ビニル樹脂組成物を得た。
実施例6のみさらににウォラストナイト(キンセイマテック社製、商品名「SH−600」)40重量部を200Lスーパーミキサーに供し、基材用ポリ塩化ビニル系樹脂組成物を得た。
【0046】
塩化ビニル系樹脂組成物層用ペレットの作製
表1に示した所定量の塩化ビニル樹脂、紫外線吸収剤(化学名 2−[5−クロロ(2H)−ベンゾトリアゾール−2−イル]−4−メチル−6−(tert−ブチル)フェノール、チバスペシャリティケミカルズ社製、商品名「Tinuvin326」)、錫マレート系熱安定剤(化学名 三共有機合成社製、商品名「ONR−79F」)、錫メルカプト系熱安定剤(化学名 ジオクチル錫メルカプト脂肪酸エステル、三共有機合成社製、商品名「ONZ−100F」)、フタル酸エステル系内滑剤(化学名 フタル酸ジステアレート、融点44℃、コグニスジャパン社製、商品名「G60」)、着色剤(1)及び着色剤(2)並びに滑剤(三井化学社製、商品名「Hiwax2203A」)0.5重量部、加工助剤(カネカ社製、商品名「PA−20」)0.5重量部200Lスーパーミキサー(カワタ社製)に供給し、高速回転して110℃まで昇温した後、冷却して塩化ビニル樹脂組成物を得た。得られた塩化ビニル系樹脂組成物を押出機(長田製作所社製、商品名「OSC−30」) に供給し、樹脂温度170℃で押出し塩化ビニル系樹脂組成物層用のペレットを得た。
【0047】
尚、使用塩化ビニル樹脂及び着色剤は以下の通りである。
・塩化ビニル樹脂(平均重合度400) 徳山積水社製、商品名 SLP−40
・塩化ビニル樹脂(平均重合度500) 徳山積水社製、商品名 SLP−54
・塩化ビニル樹脂(平均重合度640) 徳山積水社製、商品名TS−640N
・塩化ビニル樹脂(平均重合度700) 徳山積水社製、商品名TS−700N
・塩化ビニル樹脂(平均重合度800) 徳山積水社製、商品名TS−800E
・着色剤(1) 酸化チタン含有有機顔料系黒色着色剤(大日精化社製、商品名「DASK1413(D)」)
・着色剤(2) 有機顔料のみからなる着色剤(大日精化社製、商品名「DASK1413(K)」)
【0048】
雨樋の作製
得られた基材用塩化ビニル樹脂組成物を押出機(プラスチック工学研究所製、商品名「BT−50」)に供給し、塩化ビニル系樹脂組成物層用ペレットを押出機(プラスチック工学研究所製、商品名「GT−32」)に供給して2層構造の雨樋を得た。尚、基材用塩化ビニル樹脂組成物及びペレットの押出温度はであった。
ペレットを押出した押出機のスクリュー負荷及び背圧並びに塩化ビニル系樹脂組成物層の厚みを表1に示した。
【0049】
得られた雨樋と、メタルウェザー耐候性試験機(ダイプラウィンテス社製)に供給し300時間の耐候性評価を行った後の雨樋を、色差計(日本電色社製、商品名「NR−3000」)により測定し、得られた色差(ΔE)を表1に示した。
【0050】
メタルウェザー耐候性試験機の評価条件は以下の通りであった。
照射:照度50mW/cm2 、ブラックパネル温度50℃、湿度50%、4 時間
結露:ブラックパネル温度50℃、湿度98%、試料台を30℃に冷却、4 時間
【0051】
尚、耐候性とは、長期の屋外使用に際しての色調の変化で表され、色調の変化が小さいほど耐候性に優れている。製造直後の雨樋と、それをメタルウェザー耐候性試験機(ダイプラウィンテス社製) で、上記評価条件により耐候性評価を行った後の雨樋の色差(ΔE)が5以下であれば、10年の屋外使用でも十分な耐候性であると言え、5を超えると色調が変化するので実使用上問題となる。
【0052】
実施例1〜4においては、押出機のスクリュー負荷、樹脂圧共に成型機の許容範囲に対して低い値となり、幅広い成型条件で生産することでき、色差(ΔE)が5 以下であり耐候性が優れていた。実施例5においては有機顔料のみからなる着色剤を用いたので、色差(ΔE)が更に小さくなり耐候性が優れていた。
【0053】
実施例6においては基材用塩化ビニル樹脂組成物にウォラストナイトを40重量部添加した基材用ポリ塩化ビニル系樹脂組成物を用いた場合も、色差(ΔE)が5以下となり、耐候性が優れていた。又、樹脂組成物を成型機内に充填したまま押出機を停止、冷却して12時間放置した後、再び加熱、押出スタートを行っても、分解は起きなかった。
【0054】
比較例1 においては、塩化ビニル系樹脂組成物層の厚みが80μmと薄く、共押出時の背圧が高くなった。従って、連続生産時に成型条件が変動した場合、押出機の許容範囲( 最大400kg/cm2 )を超えるおそれがあり、安定生産することができない。又、紫外線吸収剤が添加されていないので、色差(ΔE)が5より大きくなり、屋外使用に十分な耐候性が得られなかった。
【0055】
比較例2においては、塩化ビニル系樹脂組成物層の厚みが250μmと厚く、成型条件、耐候性に問題は生じないが、200μm以下の厚みの場合と耐候性の差異はない。品質に差がないので、塩化ビニル系樹脂組成物層の厚みが増えるとコスト高となり、厚みを増やす効果はなかった。
【0056】
比較例3においては、塩化ビニル系樹脂組成物層の塩化ビニル樹脂の重合度が700を超えており、押出機のスクリュー負荷が高くなった。連続成型時の変動を考慮すると、押出機の許容範囲(最大15A)を超える可能性があり、安定生産することができなかった。
【0057】
比較例4においては、紫外線吸収剤の添加量が0.7重量部より多いが、添加量が0.7重量部の場合(実施例4)と比較して、色差(ΔE)は大きく改善しなかった。又、錫マレート安定剤の添加量が6重量部より大きい場合でも、添加量6重量部の場合(実施例2)と比較して、色差(ΔE)は大きく改善しなかった。更に、フタル酸エステル系内滑剤の添加量が5重量部より多くなっても、押出機のスクリュー負荷、背圧が大きく低くなることはなかった。
【0058】
尚、比較例3、4では錫メルカプト熱安定剤の添加量が0.5重量部未満であるため、樹脂組成物を成型機内に充填したまま停止、冷却した後、加熱して再スタートすると、金型内で樹脂組成物が粘着し、成型品表面にスジが発生する等の不良が発生した。
【0059】
比較例5においては、錫マレート系安定剤の添加量が3重量部未満の場合は、熱安定性が不足し、雨樋にヤケによる筋状模様が発生し、良品を得ることができなかった。
【0060】
比較例6においては、フタル酸エステル系内滑剤の添加量が1重量部未満であり、押出時の溶融粘度が高くなり、スクリュー負荷、背圧が高くなった。このため、連続生産時の変動により、押出機の許容範囲を超える可能性があり、安定生産することができなかった。
【0061】
又、比較例6においては、錫メルカプト熱安定剤の添加量が3.0重量部を超えるため、色差(ΔE)が8.6と高く、屋外使用に際して十分な耐候性を有していなかった。
【0062】
比較例7においては、塩化ビニル系樹脂組成物層の塩化ビニル樹脂の重合度が500未満であり、連続生産時に塩化ビニル樹脂が押出機のスクリュー、バレル等に粘着し、良品をえることができなかった。
【0063】
(比較例8)
基材用塩化ビニル系樹脂組成物のみを、押出して1層の雨樋を得、実施例1で行ったと同様にして色差(ΔE)を測定し、結果を表1に示した。色差(ΔE)は9.1と高く、屋外使用に際して十分な耐候性を有していなかった。
【0064】
【表1】






 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013