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発明の名称 受圧体、並びに、受圧構造体
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−9532(P2007−9532A)
公開日 平成19年1月18日(2007.1.18)
出願番号 特願2005−191627(P2005−191627)
出願日 平成17年6月30日(2005.6.30)
代理人 【識別番号】100100480
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 隆
発明者 中尾 喜浩
要約 課題
設置施工性に優れ、法面の崩壊を確実に防止可能な受圧体、並びに、受圧構造体を提供することを目的とする。

解決手段
受圧体1は、法面2側に向けて設置される不陸吸収層9と、その上方に積層される受圧層10とを有する。受圧構造体Sは、アンカー部材4に受圧体1の上に受圧体6を載せた状態で装着し、アンカー締結部材18を装着することにより法面2上に設置される。不陸吸収層9は、アンカー部材4とアンカー締結部材18との締結力を受けて法面2の隆起形状に沿って変形する。
特許請求の範囲
【請求項1】
法面に立設されているアンカー部材に対して装着され、法面に圧設される受圧体であって、
複数の構成層が上下に積層されたものであり、
法面への設置時に法面側に向く不陸吸収層と、不陸吸収層よりも上方に積層される受圧層とを有し、
前記不陸吸収層が、ガラス繊維を含む熱硬化性樹脂を切削した時に発生した切削屑を用いた材料を固めて成形したものであり、
不陸吸収層の真比重に対するかさ比重の割合が、受圧層の真比重に対するかさ比重の割合よりも小さいことを特徴とする受圧体。
【請求項2】
不陸吸収層の真比重に対するかさ比重の割合が0.2〜0.7であることを特徴とする請求項1に記載の受圧体。
【請求項3】
不陸吸収層のかさ比重が、0.3g/cm3〜1.0g/cm3であることを特徴とする請求項1又は2に記載の受圧体。
【請求項4】
不陸吸収層および受圧層が、ガラス繊維を含む熱硬化性樹脂を切削した時に発生した切削屑を用いた材料を所定の圧力で圧縮成形したものであり、
不陸吸収層の圧縮成形に要する圧力が、受圧層の圧縮成形に要する圧力よりも低いことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の受圧体。
【請求項5】
不陸吸収層を構成する切削屑の平均粒径が、受圧層を構成する切削屑の平均粒径よりも大きいことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の受圧体。
【請求項6】
不陸吸収層を構成する切削屑の平均長さが、15mm〜100mmであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の受圧体。
【請求項7】
不陸吸収層の厚みが、5mm〜50mmであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の受圧体。
【請求項8】
複数の受圧体を重ねて構成される受圧構造体であって、
前記複数の受圧体のうち、少なくとも法面側に設置される受圧体が、請求項1乃至7のいずれかに記載の受圧体であり、
法面側に設置される受圧体は、不陸吸収層が法面側を向くように設置されることを特徴とする受圧構造体。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、地滑りや法面の崩壊を防止すべく法面に設置される一辺のサイズがおよそ1000mm程度もしくはそれ以下の比較的小型の受圧体(以下受圧体)、並びに、受圧構造体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
法面の崩壊や地滑りの発生を防止する有力な手法として、法面上に受圧体を設置し、この受圧体により法面を押さえ込む手法が広く採用されている。受圧体は、一般的には金属もしくは鉄筋コンクリートで一体成型したものや、正方形で面積の異なる構成材を法面側から遠ざかるにつれ面積が小さくなるように(例えばピラミッド状に)積層したものなどがある。また、前記受圧体の中心部には、斜面に打ち込まれたアンカーを挿通するためのアンカー挿通孔が上下方向に貫通するように設けられている。前記受圧体は、通常工場において製造され、重機および人手により設置される。
【0003】
法面に設置された受圧体は、法面を押しつけることにより、地滑りの発生や法面の崩壊を未然に防止することができる。しかし、受圧体が設置される法面は凹凸状で平坦でないことが多く、この様な法面上に受圧体を設置すると、受圧体から法面へと力が均等に作用せず、法面をしっかりと押さえ付けることができない。また、凹凸状の法面に受圧体を設置すると、法面側からの反力が、受圧体に不均一に作用してしまい、受圧体自体が破損する恐れもある。そこで、通常、受圧体の設置施工時には、あらかじめ土木作業機械等により法面が平坦化されている。
【0004】
しかし、法面の表面に大きくかたい礫等が含まれていたり、急斜面であったりすると、法面の平坦化には多大な労力を要し、受圧体の設置作業性が非常に低下する。そこで、上記した問題を解決すべく、本発明者らは、下記特許文献1に開示されている受圧体支持材を提供した。この受圧体支持材は、適当な大きさの木質繊維材が混入され、強制乾燥された半硬化状態のセメント形成材である。かかる受圧体支持材を、受圧体と法面との間に介在させれば、例え法面の表面形状が凹凸状であっても、この凹凸を前記受圧体支持材で吸収することができる。
【特許文献1】特開2000−345565号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記した受圧体支持材を、受圧体と法面との間に介在させれば、受圧体支持材が、法面の凹凸、すなわち不陸を吸収し、受圧体からの圧力を法面に均等に分散できた。よって、前記した受圧体支持材を用いれば、法面に多少の不陸があっても、受圧体をしっかりと法面に設置できた。
【0006】
しかし、上記した受圧体支持材は、製造に多大な手間を要するという問題があった。また、上記した受圧体支持材は、セメントの水和反応を伴うものであるため、受圧体の設置施工後、設置状態の安定化には所定の期間を要するという問題があった。
【0007】
そこで、本発明は、設置施工性に優れ、法面の崩壊を確実に防止可能な受圧体、並びに、受圧構造体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記した課題を解決すべく提供される請求項1に記載の発明は、法面に立設されているアンカー部材に対して装着され、法面に圧設される1000mm以下の比較的小型の受圧体であって、複数の構成層が上下に積層されたものであり、法面への設置時に法面側に向く不陸吸収層と、不陸吸収層よりも上方に積層される受圧層とを有し、前記不陸吸収層が、ガラス繊維を含む熱硬化性樹脂を切削した時に発生した切削屑を用いた材料を固めて成形したものであり、不陸吸収層の真比重に対するかさ比重の割合が、受圧層の真比重に対するかさ比重の割合よりも小さいことを特徴とする受圧体である。
【0009】
本発明の受圧体は、不陸吸収層と受圧層とを積層した構造であり、受圧層よりも不陸吸収層の方が真比重に対するかさ比重の割合が小さい。そのため、本発明の受圧体は、法面が砂礫等で起伏していても、不陸吸収層を法面側に向けて設置すると、受圧体支持材が変形して法面と接触する。そのため、本発明の受圧体によれば、多少の起伏がある法面上に設置されたとしても、不陸吸収層が法面にしっかりと面接触し、受圧体から法面に作用する圧力が法面に均等に作用する。従って、本発明によれば、砂礫を含有する法面であっても、容易に受圧体を設置でき、さらに法面の崩壊を確実に防止できる。
【0010】
上記請求項1に記載の受圧体において、不陸吸収層の真比重に対するかさ比重の割合が0.2〜0.7であることが望ましい(請求項2)。
【0011】
かかる構成によれば、受圧体の設置時に受圧体にかかる圧力により、不陸吸収層が法面の起伏形状に合わせて容易に変形可能な受圧体を提供できる。
【0012】
ここで、上記請求項1や請求項2に記載の受圧体において、不陸吸収層は、ある程度の圧力が作用することで法面に沿って変形可能であることが望ましいが、法面をしっかりと押さえ付けるためにはある程度の強度等を有する必要がある。
【0013】
そこで、かかる知見に基づき、上記請求項1又は2に記載の受圧体は、不陸吸収層のかさ比重が、0.3g/cm3〜1.0g/cm3であることが望ましい。(請求項3)
【0014】
かかる構成によれば、設置時に不陸吸収層が法面の起伏に沿って変形可能であると共に、設置後は法面にしっかりと圧力を伝達可能な受圧体を提供することができる。
【0015】
請求項4に記載の発明は、不陸吸収層および受圧層が、ガラス繊維を含む熱硬化性樹脂を切削した時に発生した切削屑を用いた材料を所定の圧力で圧縮成形したものであり、不陸吸収層の圧縮成形に要する圧力が、受圧層の圧縮成形に要する圧力よりも低いことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の受圧体である。
【0016】
かかる構成によれば、不陸吸収層が変形しやすく、法面に多少の起伏があっても容易に設置可能な受圧体を提供できる。
【0017】
請求項5に記載の発明は、不陸吸収層を構成する切削屑の平均粒径が、受圧層を構成する粉砕物の平均粒径よりも大きいことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の受圧体である。
【0018】
かかる構成によれば、法面への設置時に法面の凹凸(不陸)に沿って容易に不陸吸収層が変形可能な受圧体を提供できる。
【0019】
また、同様の知見に基づいて提供される請求項6に記載の発明は、不陸吸収層を構成する切削屑の平均長さが、15mm〜100mmであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の受圧体である。
【0020】
かかる構成によれば、法面上への設置時に作用する圧力により、不陸吸収層が法面の不陸に沿って容易に変形し、法面をしっかりと押さえ付けることが可能な受圧体を提供できる。
【0021】
請求項7に記載の発明は、不陸吸収層の厚みが、5mm〜50mmであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の受圧体である。
【0022】
かかる構成によれば、法面が多少の起伏を有していても、不陸吸収層をこの起伏にあわせて変形させ、法面にしっかりと面接触させることが可能な受圧体を提供できる。
【0023】
請求項8に記載の発明は、複数の受圧体を重ねて構成される受圧構造体であって、前記複数の受圧体のうち、少なくとも法面側に設置される受圧体が、請求項1乃至7のいずれかに記載の受圧体であり、法面側に設置される受圧体は、不陸吸収層が法面側を向くように設置されることを特徴とする受圧構造体である。
【0024】
本発明の受圧構造体は、受圧体と法面との間に、上記請求項1〜7に記載の受圧体を挟み込んだ状態で設置される。また、本発明の受圧構造体において、法面側に設置される受圧体は、不陸吸収層が法面側を向くように設置される。そのため、本発明の受圧構造体は、法面が多少の起伏を有していても容易に設置できると共に、法面の崩壊を確実に防止できる。
【発明の効果】
【0025】
本発明の受圧体によれば、設置施工性に優れ、法面の崩壊を確実に防止可能な受圧体、並びに、受圧構造体を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
続いて、本発明の一実施経形態である受圧体について、図面を参照しながら詳細に説明する。図1において、1は本実施形態の受圧体であり、Sは本実施形態の受圧構造体である。受圧体1は、法面2に設置される受圧構造体Sを構成するものである。
【0027】
法面2には、図1に示すように、掘削穴3が設けられている。掘削穴3には、アンカー部材4が挿通されている。アンカー部材4の一端側は、掘削穴3内に充填されたセメント等のグラウト材5により固定されており、法面2からアンカー部材4の他端側が突出している。また、アンカー部材4の他端側にはネジ加工が施されている。法面2は、砂礫を含有しているため、表面が凹凸状に起伏している。法面2は、予めある程度土木作業機械等により平坦化される。しかし、法面2の表面側に粒径の大きな礫や硬い礫などが存在する場合は、土木作業機械等を用いても平坦化が困難であるため、法面2の表面は、図1に示すような凹凸状に隆起している。
【0028】
法面2から突出したアンカー部材4には、図1に示すように、受圧体1および受圧体6が装着され、固定されている。受圧体1は、図3(a)に示すように、正面視が正方形の板体であり、略中央部にアンカー部材4を挿通可能なアンカー挿通孔8が設けられている。受圧体1は、図3(b)に示すように、不陸吸収層9と受圧層10を有する2層構造となっている。
【0029】
不陸吸収層9は、ガラス繊維を含む熱硬化性樹脂の切削屑を用いた材料を固めて成形したものである。さらに具体的には、不陸吸収層9には、例えば所定方向に向けて埋設した長繊維で補強した樹脂である、いわゆる繊維強化樹脂を切り欠き加工したときなどに発生するチップ状の原料、切削物を用い、これらにバインダーを混合した材料を加熱プレス等で圧縮成形したものが用いられる。また、繊維強化樹脂の端材を破砕したチップ状破砕物も使用できる。不陸吸収層9は、例えば積水化学工業株式会社製、商品名「エスロンネオランバーFFU」などのようなガラス長繊維を所定方向に引き揃えて埋設した熱硬化性樹脂発砲体である合成木材等の切削屑を原料として圧縮成形される。
【0030】
不陸吸収層9を構成する切削屑は、主として15mm〜100mm程度の範囲内の大きさのものを含むものであることが望ましく、主として30mm〜80mm程度の大きさのものを含むものであることがより一層好ましい。不陸吸収層9を構成する切削屑は、15mm〜100mmの範囲内の大きさのものが、原料となる切削屑の全量に対して30重量%〜70重量%の範囲内で含むものあることが最も好ましい。
【0031】
また、不陸吸収層9の比重(かさ比重)は、0.3g/cm3〜1.0g/cm3程度の範囲内とされることが好ましく、0.4g/cm3〜0.9g/cm3程度の範囲内であることがより一層好ましく、0.5g/cm3〜0.8g/cm3の範囲内であることが最も好ましい。
【0032】
不陸吸収層9は、真比重、すなわち不陸吸収層9を構成する素材そのものの比重に対するかさ比重の割合が0.2〜0.7の範囲内であることが望ましく、0.3〜0.6程度の範囲内であることがより一層好ましく、0.3〜0.5の範囲内であることが最も好ましい。
【0033】
換言すれば、不陸吸収層9の空隙率は、0.2〜0.7の範囲内であることが望ましく、0.3〜0.6程度の範囲内であることがより一層好ましく、0.3〜0.5の範囲内であることが最も好ましい。
【0034】
バインダーは、成形時に切削屑同士を結着させることができるものであり、不陸吸収層9全体を固化させることができるものである。本実施形態の不陸吸収層9は、ポリウレタン樹脂の切削屑を主原料とするものであるため、バインダーとしてMDI(Methylene Diphenyl Isocyanate)などのイソシアネートを好適に用いることができる。
【0035】
不陸吸収層9において、原料全体に対するバインダーの割合は特に限定されるものではないが、原料全体の重量(破砕物とバインダーの合計の重量)に対するバインダーの重量の割合は、10%〜50%が望ましく、15%〜40%であることがより一層好ましく、20%〜30%であることが最も好ましい。かかる割合が少ないと、切削屑の結着が不十分となり、また多すぎると、成形時に外部に排出されるなどして無駄になってしまうおそれがあるからである。
【0036】
不陸吸収層9は、上記した粉砕物とバインダーとを所定比で混合した原料を成形用の金型内に略均一となるように入れて、圧縮及び加熱することによって成形される。この際、圧力(プレス圧)は、10kgf/cm2〜60kgf/cm2程度の範囲内とされることが好ましく、20kgf/cm2〜50kgf/cm2程度の範囲内であることがより一層好ましく、30kgf/cm2〜40kgf/cm2の範囲内であることが最も好ましい。不陸吸収層9の成型時におけるプレス圧は、後述する受圧層10の成型のために付与されるプレス圧よりも低い。
【0037】
不陸吸収層9は、上記したようにして作成された合成木材に由来する切削屑の圧縮成形物を板状に成形して作成される。不陸吸収層9は、正面視した際に略正方形あるいは矩形の板状体であり、正面視した際の縦横の長さL,Wおよび厚みT1は、約20対20対1〜約200対200対1程度の範囲であることが望ましい。本実施形態では、不陸吸収層9の縦、横、厚みがそれぞれ590mm、590mm、20mm程度とされている。すなわち、本実施形態の不陸吸収層9の縦の長さL、横の長さW、厚みT1の比率は、約30対30対1程度とされている。また、不陸吸収層9の略中央には、アンカー部材4を挿通可能な貫通孔9aが設けられている。
【0038】
受圧層10は、ガラス繊維を含む熱硬化性樹脂の粉砕した粉状物を用いた材料を固めて成形したものである。さらに具体的には、受圧層10は、例えば上記した合成木材等の繊維強化樹脂を粉状とした粉状体を用い、この粉状体にバインダーを混合した材料を圧縮成形したものが用いられる。受圧層10の原料となる粉状体には、ガラス長繊維強化硬質合成樹脂発泡体の製造過程で発生するものを用いることができる。
【0039】
受圧層10の原料となる粉状体は、上記した不陸吸収層9の原料である繊維強化樹脂の切削屑よりも微細な粉体である。さらに詳細に説明すると、受圧層10の原料となる粉状体は、主として20μm〜10mm程度の範囲内の大きさのものを含むものであることが望ましく、主として30μm〜5mm程度の大きさのものを含むものであることがより一層好ましい。受圧層10の原料となる粉状体は、50μm〜2mmの範囲内の大きさのものが、原料となる切削屑の全量に対して2.5重量%以下の範囲内で含まれるものであることが最も好ましい。
【0040】
受圧層10の比重(かさ比重)は、1.25g/cm3〜1.50g/cm3程度の範囲内とされることが好ましく、1.30g/cm3〜1.45g/cm3程度の範囲内であることがより一層好ましく、1.35g/cm3〜1.45g/cm3の範囲内であることが最も好ましい。
【0041】
受圧層10は、真比重に対するかさ比重の割合が不陸吸収層9よりも大きい。受圧層10の真比重に対するかさ比重の割合は、0.8〜1.0の範囲内であることが望ましく、0.85〜0.97程度の範囲内であることがより一層好ましく、0.90〜0.95の範囲内であることが最も好ましい。
【0042】
換言すれば、受圧層10の空隙率は、0.8〜1.0の範囲内であることが望ましく、0.85〜0.97程度の範囲内であることがより一層好ましく、0.90〜0.95の範囲内であることが最も好ましい。すなわち、受圧層10は、上記した不陸吸収層9よりも樹脂の密度が高い。
【0043】
本実施形態の受圧層10は、上記した不陸吸収層9と同様に、いわゆる合成木材に由来する粉状体を用いて成形されるものである。すなわち、受圧層10は、ポリウレタン樹脂の破砕物を主原料とするものである。そのため、本実施形態では、受圧層10のバインダーとしてMDI(Methylene Diphenyl Isocyanate)などのイソシアネートを採用することが好適である。
【0044】
受圧層10においても、原料全体に対するバインダーの割合は適宜調整可能であるが、受圧層10の強度等を考慮すると、原料全体の重量(切削屑とバインダーの合計の重量)に対するバインダーの重量の割合は、10%〜50%が望ましく、15%〜40%であることがより一層好ましく、20%〜30%であることが最も好ましい。
【0045】
受圧層10は、上記した粉状体とバインダーの混合原料を成形用金型内に入れ、加熱圧縮することによって成形される。この際、圧力(プレス圧)は、65kgf/cm2〜95kgf/cm2程度の範囲内とされることが好ましく、70kgf/cm2〜90kgf/cm2程度の範囲内であることがより一層好ましく、75kgf/cm2〜85kgf/cm2の範囲内であることが最も好ましい。すなわち、受圧層10を成形する際のプレス圧は、不陸吸収層9の成型時のプレス圧よりも高い。そのため、受圧層10は、不陸吸収層9よりもしっかりと押し固められた状態になり、圧縮強度や剪断強度が不陸吸収層9よりも高い。
【0046】
上記したように、受圧層10の原料となる粉状体には、ガラス繊維が含まれている。しかし、受圧層10は、金型に上記した粉状体を単に投入して成形されるものである。そのため、成型品である受圧層10は、ガラス繊維の方向はランダムであり配向していない。従って、受圧層10は、いかなる方向から外力が作用しても、ほぼ一定の強度を発揮することができる。
【0047】
受圧層10は、合成木材に由来する粉状体の圧縮成形物を正面視した形状が略正方形あるいは矩形の板状に成形したものである。受圧層10の大きさ、すなわち正面視した際の縦、横の長さは、上記した不陸吸収層9の縦横の長さL,Wと略同一とされる。また、受圧層10の厚みT2は、30mm程度である。従って、受圧層10は、正面視した際の縦、横の長さL,Wと厚みT2の比率が約20対20対1程度の板体によって構成されている。また、受圧層10の中央には、アンカー部材4を貫通孔10aが形成されている。
【0048】
受圧体1は、上記した不陸吸収層9と受圧層10とを厚み方向に積層し、両者を接着固定したものである。ここで、不陸吸収層9および受圧層10は、それぞれポリウレタン樹脂の破砕物や粉状体を主原料とするものである。そのため、不陸吸収層9と受圧層10とを接着する接着剤には、接着強度等を考慮し、ウレタン系接着剤やエポキシ系接着剤等を適宜選択して用いることが望ましい。不陸吸収層9と受圧層10とを積層して一体化することにより、受圧体1の中央に貫通孔9a,10aが連通したアンカー挿通孔8が形成される。
【0049】
受圧体6は、正面視の形状が正方形であり、縦横の大きさが受圧体1と略同一の構成材7aに対して正面視した際の面積の異なる構成材7b,7c,7dを積み重ねて一体化したものである。受圧体6は、法面2側から遠ざかるにつれ面積が小さくなるように積層し、接着固定したものである。構成材7a,7b,7c,7dは、いずれも上記した合成木材により構成されている。構成材7a,7b,7c,7dを一体化した受圧体6の中心には、上下方向に貫通するアンカー挿通孔13が設けられている。
【0050】
受圧構造体Sは、図1に示すように受圧体6の最下層を構成する構成材7aと法面2との間に受圧体1を挟み込んで構成される。受圧体1は、図1や図2に示すように、不陸吸収層9が下方(法面2側)を向き、受圧層10が上方を向く姿勢とされ、アンカー挿通孔8に法面2から突出しているアンカー部材4を挿通することにより法面2上に配される。
【0051】
受圧体6は、アンカー挿通孔13に対して、底面を構成する構成材7a側の開口部分からアンカー部材4を挿通することにより、先に法面2上に配置されている受圧体1の上方に配置される。これにより、受圧体6の頂部、すなわち構成材7d側からアンカー部材4の先端部分が突出した状態になる。受圧体6の頂部から突出したアンカー部材4には、アンカー締結部材18が締結される。受圧体6は、アンカー部材4とアンカー締結部材18との締結力により、法面2側に押しつけられる。
【0052】
受圧体6が法面2側に押しつけられると、受圧体6が受圧体1を押圧することとなる。ここで、上記したように、受圧体1の受圧層10は圧縮強度が高いが、不陸吸収層9は、密度が低く、空隙率が高い。そのため、アンカー部材4とアンカー締結部材18との締結力によって受圧体6に押圧力が作用し、受圧体1が法面2側に押しつけられると、図1に示すように、受圧体1を構成する不陸吸収層9の法面2側の面が法面2の凹凸状の隆起に沿う形状に変形する。そのため、受圧体1および受圧体6を用いて構成される受圧構造体Sは、法面2に多少の凹凸(不陸)が存在する場合に、凹凸をならすことなく設置されても、不陸吸収層9が変形後して法面2にしっかりと接地し、受圧体6から作用する圧力を確実に法面2側へ伝播でき、法面の崩壊を確実に防止できる。
【0053】
本実施形態において、受圧体1の上方に配置される受圧体6は、合成木材製であったが、受圧体6はこれに限らず、鉄筋コンクリートや、金属などで作成されたものであってもよい。この場合、受圧体1の上方に配置される受圧体6の重量や圧縮強度に応じて、受圧体1の材質や、比重、大きさ等を変更することが望ましい。
【0054】
上記実施形態では、受圧体1上に複数の構成材7a〜7dを積層して構成される受圧体6を重ね合わせて受圧構造体Sを構成する例を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば受圧体6に代わって単一の板体やブロックからなる受圧体を受圧体1に重ねた構成としてもよい。
【0055】
また、上記実施形態の受圧構造体Sは、大きさの異なる構成材7a〜7dを重ね合わせ、ピラミッド型に積層した受圧体6を採用したものである。そのため、アンカー部材4とアンカー締結部材18との締結力に起因して作用する圧力を法面2側に略均等に伝播でき、法面2をしっかりと押さえ、法面2の崩壊を確実に防止できる。
【0056】
上記した受圧体6は、複数の構成材7a〜7dを積層したものであるため、各構成材7a〜7d毎に法面2上に搬入し、法面2上で積層して使用する構成としてもよい。また、上記したように、複数の構成材7a〜7dを重ね合わせて受圧体6を構成する場合は、上下に隣接する構成材7a〜7dを構成する合成木材に埋め込まれているガラス繊維の方向が互いに交差する構成としてもよい。かかる構成とした場合は、受圧体6の強度をより一層向上することができる。また、受圧体6は、例えば、頂部に配される構成材7dに埋め込まれているガラス繊維が、受圧体6に対して上下方向、すなわちアンカー部材4の長手方向に沿う方向に延伸するような構成としてもよい。かかる構成とした場合は、アンカー部材4とアンカー締結部材18との締結力を構成材7dでしっかりと受け止め、構成材7dが破損するのを防止できる。
【0057】
上記実施形態では、受圧体1上に受圧体6を載せて構成される受圧構造体Sを例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、図4に示すように受圧体1のみを法面2上に設置して固定したものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の一実施形態である受圧体および受圧構造体の設置構造を示す断面図である。
【図2】図1に示す受圧体および受圧構造体の設置構造の分解状態を示す断面図である。
【図3】(a)は本発明の一実施形態である受圧体の正面図であり、(b)は(a)の断面図である。
【図4】受圧体の設置状態の変形例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0059】
1 受圧体
2 法面
3 掘削穴
4 アンカー部材
6 受圧体
9 不陸吸収層
10 受圧層
S 受圧構造体




 

 


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