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発明の名称 開口の止水養生構造及び止水養生方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−247364(P2007−247364A)
公開日 平成19年9月27日(2007.9.27)
出願番号 特願2006−76460(P2006−76460)
出願日 平成18年3月20日(2006.3.20)
代理人 【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
発明者 西村 淳
要約 課題
移設作業において、手間と時間を削減することで工期への影響を少なくし、しかも安全性を向上させるようにした。

解決手段
止水養生構造1は、養生床10と、養生床10の外周に沿うように配置される円柱形状のチューブ体20と、養生床10に固定されていて所定長さをもって横方向に張り出してなる張出係止部材11とを備えている。張出係止部材11を躯体2に載置するようにして係止させることで、養生床10を躯体2に形成された開口Rから所定の隙間Sをもって配置させ、その隙間Sにチューブ体20を配置してから、チューブ体20の内部に空気を送り込んで膨張させて躯体2の開口側端面に密着させるようにした。
特許請求の範囲
【請求項1】
躯体に形成された開口を塞ぐことで止水養生させてなる開口の止水養生構造であって、
前記開口の内側に前記躯体から所定の隙間をもって配置された養生床と、
前記養生床の外周に沿うようにして前記隙間に配置されたチューブ体と、
前記養生床に固定されていて平面視で前記躯体に対して重なるように横方向に張り出してなる張出係止部材と、
が設けられ、
前記チューブ体の内部に空気を送り込んで膨張させ、前記チューブ体を前記躯体の開口側端面に密着させるように構成されていることを特徴とする開口の止水養生構造。
【請求項2】
前記養生床と前記チューブ体とが一体に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の開口の止水養生構造。
【請求項3】
前記チューブ体は、前記躯体と前記養生床との間の前記隙間から前記養生床上に収納させるように構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の開口の止水養生構造。
【請求項4】
前記養生床の両側に設けられる一対の隙間のうち一方の隙間に、弾力性を有する止水部材が設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の開口の止水養生構造。
【請求項5】
前記チューブ体は複数の単体チューブ体を直列に連結させて一体化されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の開口の止水養生構造。
【請求項6】
躯体に形成された開口に配置される養生床と、該養生床の外周に沿うように配置されるチューブ体と、前記養生床に固定されていて所定長さをもって横方向に張り出してなる張出係止部材とを備えてなる止水養生構造を形成する止水養生方法であって、
前記張出係止部材を前記躯体に載置するようにして係止させることで、前記開口の内側に前記躯体から所定の隙間をもって前記養生床を配置させ、
前記隙間にチューブ体を配置し、該チューブ体の内部に空気を送り込んで膨張させて前記躯体の開口側端面に密着させるようにしたことを特徴とする止水養生方法。
【請求項7】
前記チューブ体を備えた前記養生床を移設するときには、前記チューブ体の空気を抜いて前記隙間から取り出し、移設手段によって前記養生床を移設するようにしたことを特徴とする請求項6に記載の止水養生方法。
【請求項8】
前記移設手段は、前記養生床の上方に設けられている吊上げ設備又は前記養生床の下方に設けられている昇降設備であることを特徴とする請求項6又は7に記載の止水養生方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築工事の躯体などに形成される開口を止水するための止水養生構造及び止水養生方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建築工事において、エレベータの設置箇所などの躯体開口は、躯体施工中の最上階から最下階まで連続して設けられている。そのため、降雨時には、その開口から水が躯体内に浸入してくることになる。一般的に、仕上げ工事を行う施工面に雨水が浸入すると、仕上げ工事が実施できなくなることから、作業工程に支障が出て工期が長くなる原因になっていた。
このため、雨水が開口より浸入しないように、途中階に止水養生を施したフロア(これを「止水階」という)を設けている。止水養生方法として、開口の周囲に柱材を組み立て、その柱材の上端に屋根を架けるようにしてシート材で開口を覆う方法が一般的に行なわれている。これにより、止水階より上階から浸入してくる雨水を止めることができ、止水階より下階では仕上げ工事を行うことができる。そして、躯体工事の進捗に伴って、この止水養生を施す止水階も上階へと盛り替えていくようにする。
また、このような従来の止水養生のほかに開口を止水養生する技術が、例えば特許文献1に提案されている。
特許文献1は、液物の流入により膨張すると共に長手方向に伸長するチューブ体を、地下通路などの入口にその開口を塞ぐように複数配置させたものである。チューブ体の両端には取り付け用の連結金具(支承手段)が固定されていて、開口側には支承手段に支承される取付金具を固定させておき、この取付金具にチューブ体の連結金具を固定する。そして、チューブ内に液物を流入させることで、チューブ体が膨らんで開口部を閉塞する堰を設置するものである。
【特許文献1】特開2006−9506号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1は、チューブ体の連結金具に固定される取付金具を開口に予め設置しておく必要があり、建築工事の躯体開口などのように、開口数が多くある場合や、工事の進捗に伴って順次盛り替える必要がある場合などでは、移設に手間と時間がかかり、工期に影響を及ぼすといった問題があった。そして、同じく建築工事の躯体開口に適用する場合には、開口に取付金具を固定する作業やチューブ体を開口に配置する作業といった開口部における作業が多く、墜落、飛来落下といった危険作業を伴い、安全性に問題があった。
また、従来の柱材とシート体によって組み立てられる止水養生方法においても、特許文献1と同様であり、複数の柱材を組み立ててシート体を柱材に連結する作業は、多くの手間がかかる作業であるため、頻繁に移設することが敬遠されることになり、その結果、仕上げ工事の開始が遅れる原因となっていた。
【0004】
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、移設作業において、手間と時間を削減することで工期への影響を少なくし、しかも安全性を向上させるようにした開口の止水養生構造及び止水養生方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明に係る開口の止水養生構造は、躯体に形成された開口を塞ぐことで止水養生させてなる開口の止水養生構造であって、開口の内側に躯体から所定の隙間をもって配置された養生床と、養生床の外周に沿うようにして隙間に配置されたチューブ体と、養生床に固定されていて平面視で躯体に対して重なるように横方向に張り出してなる張出係止部材とが設けられ、チューブ体の内部に空気を送り込んで膨張させ、チューブ体を躯体の開口側端面に密着させるように構成されていることを特徴としている。
また、本発明に係る止水養生方法では、躯体に形成された開口に配置される養生床と、養生床の外周に沿うように配置されるチューブ体と、養生床に固定されていて所定長さをもって横方向に張り出してなる張出係止部材とを備えてなる止水養生構造を形成する止水養生方法であって、張出係止部材を躯体に載置するようにして係止させることで、開口の内側に躯体から所定の隙間をもって養生床を配置させ、隙間にチューブ体を配置し、チューブ体の内部に空気を送り込んで膨張させて躯体の開口側端面に密着させるようにしたことを特徴としている。
本発明では、養生床に設けられた張出係止部材を開口周りの躯体に載置するように係止させることで開口の所定位置に養生床とチューブ体とを配置し、その後、チューブ体を膨張させて躯体の開口側端面に密着させることで、開口を密閉状態で止水養生することができる。このように設置、移設作業が簡略化されたことで、従来のように複数の部材を開口部で組み立てるような止水養生を行う必要がなくなる。そして、例えば建築工事の進捗状況に応じて頻繁に移設することができることから、仕上げ工事の開始を早めることができる。
【0006】
また、本発明に係る開口の止水養生構造では、養生床とチューブ体とが一体に設けられていることが好ましい。
本発明では、チューブ体の内部に空気を送り込むことで膨張したチューブ体が躯体の開口側端面に密着して止水される。そして、止水養生構造は、チューブ体と養生床とを一体化させた状態で例えばクレーンなどを使用して移設することができることから、組立・解体といった手間のかかる作業を省略でき、作業時間の短縮を図ることができる。
【0007】
また、本発明に係る開口の止水養生構造では、チューブ体は、躯体と養生床との間の隙間から養生床上に収納させるように構成されていることが好ましい。
本発明では、止水養生構造の移設時に、躯体と養生床との間の隙間からチューブ体を取り出して養生床上に収納させることで養生床の外周にチューブ体が配置されない状態となり、例えば移設作業中にチューブ体が躯体の開口側端面に接触して損傷するといったことを防止できる。
【0008】
また、本発明に係る開口の止水養生構造では、養生床の両側に設けられる一対の隙間のうち一方の隙間に、弾力性を有する止水部材が設けられていることが好ましい。
本発明では、養生床の両側に設けられる一対の隙間のうち一方の隙間に止水部材を設け、他方の隙間にチューブ体を設けることで、他方のチューブ体が膨張したときの膨張力により養生床が移動して止水部材が押圧され、止水部材と躯体の開口側端面とが密着して止水状態となる。このように、養生床の全周にチューブ体が設けられていない場合であっても、全周にある場合と同様の止水効果が得られる。そのため、チューブ体を養生床の全周に設ける必要がなくなってチューブ体の設置数を削減でき、コストを低減させることができる。
【0009】
また、本発明に係る開口の止水養生構造では、チューブ体は複数の単体チューブ体を直列に連結させて一体化されていることが好ましい。
本発明では、運搬など取り扱い易い大きさの単体チューブ体を製作し、これらの単体チューブ体を任意に組み合わせて直列に連結することで、様々な大きさの開口に対応させることができる。
【0010】
また、本発明に係る止水養生方法では、チューブ体を備えた養生床を移設するときには、チューブ体の空気を抜いて隙間から取り出し、移設手段によって養生床を移設することが好ましい。
本発明では、膨張した状態で配置されているチューブ体の空気を抜いて躯体と養生床との間の隙間からチューブ体を取り出し、例えば養生床に収納させておくことで、移設作業中にチューブ体が躯体の開口側端面と接触するなどして損傷するといったことを防止できる。
【0011】
また、本発明に係る止水養生方法では、移設手段は、養生床の上方に設けられている吊上げ設備又は養生床の下方に設けられている昇降設備であることが好ましい。
本発明では、例えば養生床及びチューブ体を一体化させた状態で、上方より吊上げ設備を使用して吊って移設したり、昇降設備の上部に養生床を固定させた状態でその昇降設備を移動させて移設することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の開口の止水養生構造及び止水養生方法によれば、養生床に設けられた張出係止部材を開口周りの躯体に載置するように係止させて開口の所定位置に養生床とチューブ体とを配置し、その後、チューブ体を膨張させて躯体の開口側端面に密着させることで、開口を密閉状態で止水養生することができる。このように設置、移設作業が簡略化されたことで、従来のように複数の部材を開口部で組み立てるような止水養生を行なう必要がなくなる。このため、移設作業における手間と時間を削減でき、工期に与える影響を少なくすることができる。さらに、頻繁に移設を繰り返すことができるため、仕上げ工事の開始を早めるといった効果を奏する。
また、止水養生構造の設置や移設における作業は、例えば吊上げ設備を用いて所定の箇所に配置するだけの作業であり、開口部で組立作業や解体作業を行うことなく移設できることから、危険作業がなくなり、作業の安全性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の開口の止水養生構造及び止水養生方法の実施の形態について、図1乃至図5に基づいて説明する。
図1は本発明の実施の形態による止水養生構造を示す平面図、図2は図1に示す止水養生構造のA−A線断面図、図3は止水養生構造の断面図であって(a)は図1に示すB−B線断面図、(b)は図1に示すC−C線断面図、図4はチューブ体の配置状態を示す平面図、図5はチューブ体の設置状態を示す拡大断面図である。
【0014】
図1に示すように、本実施の形態による止水養生構造1は、建築工事の躯体2に形成されるエレベータ開口などであって、躯体施工中の最上階から最下階まで連続して設けられている開口Rを塞いで止水するものである。ここで、止水養生構造1が設けられるフロアーを「止水階F」として以下説明する。
【0015】
止水養生構造1は、四角形状の平板をなしていて開口Rの内側に躯体2から所定の隙間Sをもって配置される養生床10と、この隙間Sにおいて養生床10の三辺の外周部10aに沿うように長手方向が配置されてなるチューブ体20と、養生床10の残る一辺の外周部10bに設けられている止水部材30とから概略構成されている。このとき、詳しくは後述するが、チューブ体20は、膨張した状態で養生床10および躯体2の開口側端面2aに対して隙間なく密着した状態となっている(図2参照)。
そして、これら養生床10、チューブ体20及び止水部材30は、予め開口Rの大きさに合わせて、一体に組み立てておくようにする。ここで、隙間Sについて、チューブ体20が配置される隙間を第一隙間S1とし、止水部材30が配置される隙間を第二隙間S2とする。
【0016】
図1及び図3(a)に示すように、養生床10の上面外周部10cには、養生床10から横方向外方に向けて張り出し可能な張出係止部材11が所定の箇所に設けられている。この張出係止部材11は、例えば鋼材などが使用され、その一端11aが養生床10に固定され、他端(外方端部11b)が、平面視で開口周部の躯体2に重なる長さ寸法をもって張り出している。そして、張出係止部材11の外方端部11bを躯体2に載置するようにして係止させることで、養生床10を開口Rに固定状態で配設させることができる。
また、移設時において、この張出係止部材11は、外方端部11bを養生床10の外周より内側となるように収納させるようにする。
なお、張出係止部材11の高さは、養生床10の床面10dに対して後述する連結部材40を回動させて収納位置G2に移動させる際のチューブ体20に干渉しないような高さとすることが好ましい(図3(a)、図5参照)。
【0017】
また、図1の紙面における養生床10の上部中央部には、スライド式で開閉可能な開閉蓋12が設けられている。これにより、例えば資材の搬入出の際に、開閉蓋12を図1の矢印E方向にスライドさせて養生床10内に開口部10Aを設けることができる。図3(b)に示すように、この開閉蓋12は、そのスライド方向(矢印E方向)に転動する車輪12aを備え、養生床10の床面10dに敷設されたスライドレール13に沿って移動させることができる。なお、この開閉蓋12は、資材の搬入出がなく不要な場合には設けなくてもよく、また任意の箇所に設置することができる。
【0018】
図4及び図5に示すように、チューブ体20は、例えばゴム状の材料が使用され、コンプレッサなどでチューブ体20の内側に空気を送り込むことによって円柱形状に膨張する。また、このチューブ体20は、例えば膨張時の外径寸法で直径200mm、長さ600mm又は450mmの単体チューブ体20Aを任意に組み合わせて直列に連結させ、養生床10の周囲に配置させることができる。すなわち、複数種類の長さを有する単体チューブ体20A、20A、・・・を製作しておくことで、様々な大きさの開口Rに対応することができる。
【0019】
そして、図5に示すように、これらの単体チューブ体20Aは、外径寸法より少し大きな径をなす例えばビニール製からなるホース(図示省略)に直列に挿入されて一体に連結されている。このようにホースに挿入された状態のチューブ体20の上端には、長尺平板をなす取付プレート21が固着されている(図1参照)。ここで、チューブ体20側の第一隙間S1の寸法(躯体2の開口側端面2aと養生床10との間隔)は、膨張した状態のチューブ体20の外径寸法より小さくなるようにしておく。これにより、チューブ体20は、萎んだ状態(図5に示す二点鎖線のチューブ体20の状態)から膨張させた状態としたとき、躯体2の開口側端面2aに密着し、この第一隙間S1において止水状態となる。
【0020】
また、図5に示すように、チューブ体20は、養生床10の適宜箇所に設けられている連結部材40によって連結されている。この連結部材40は、一端40aが床面10dに固定され、他端40bがチューブ体20の取付プレート21に固着されている。そして、連結部材40は、一端40aを支点にして、チューブ体20が第一隙間S1に配置される位置をなす止水位置G1から収納位置G2に向かう方向(矢印G方向)に往復回動する。例えば、止水養生構造1をほかの開口に移設する場合には、チューブ体20が第一隙間S1に配置されている状態で連結部材40が養生床10側に回動すると、チューブ体20は養生床10(収納位置G2)に収納された状態となる。
【0021】
図1及び図3(b)に示すように、止水部材30は、弾力性を有するゴム材料が使用され、養生床10の両側に設けられる一対の隙間S1、S2のうち第二隙間S2に設けられている。この止水部材30が配置される第二隙間S2は、チューブ体20が配置される隙間S1より小さく、止水部材30と躯体2の開口側端面2aと接する程度とされる。そして、止水部材30は、養生床10を挟んで反対側のチューブ体20が膨張したときの膨張力により押圧され、躯体2の開口側端面2aに密着し、この第二隙間S2において止水態となる。このように、養生床10の全周にチューブ体20が設けられていない場合であっても、全周にある場合と同様の止水効果が得られる。そのため、チューブ体20を養生床10の全周に設ける必要がなくなってチューブ体20の設置数を削減でき、コストを低減させることができる。
【0022】
次に、止水養生構造1を使用した止水養生方法について図面に基づいて説明する。
図4に示すように、養生床10の外周部10a、10bに連結部材40を介して複数の単体チューブ体20A及び止水部材30を配置して一体に組み立てておく。このとき、チューブ体20には空気が充填されていない萎んだ状態であり、図5に示す二点鎖線の収納位置G2に配置しておく。そして、図1に示すように、止水階Fにおいて、養生床10を例えば図示しないクレーン(移設手段、吊上げ設備)などで上方から吊り上げながら開口Rに所定の隙間Sをもって配置する。このとき、所定箇所に設けられた張出係止部材11を外方に張り出し、その外方端部11bを躯体2に載置させて養生床10を固定させる。その後、連結部材40を回動させてチューブ体20を収納位置G2から止水位置G1に移動し、チューブ体20を第一隙間S1に配置させる(図5参照)。
【0023】
次いで、図3(b)に示すように、チューブ体20に空気を送り込んで膨張させると、チューブ体20が配置されている第一隙間S1はチューブ体20によって塞がれ、チューブ体20は躯体2の開口側端面2aに密着する。このチューブ体20の膨張と同時に、養生床10は止水部材30側に移動し、この止水部材30が躯体2の開口側端面2aに密着して第二隙間S2が塞がって止水養生構造1が形成され、雨水などを止水することができる。
【0024】
次に、止水養生構造1の移設方法について図面に基づいて説明する。
本実施の形態による移設作業は、止水養生構造1が設置されている止水階Fの開口Rに対して、同軸をなし上方に形成されている同形状の開口に移設するものである(図1参照)。
先ず、図5に示すように、チューブ体20の空気を抜き、そのチューブ体20を連結部材40を用いて止水位置G1から収納位置G2に収納させる。これにより、移設作業中にチューブ体20が躯体2の開口側端面2aと接触して損傷するといったことを防止できる。
そして、設置したときと同様にクレーン(図示省略)などを使用して上方から養生床10を吊り上げると共に、外方に張り出した張出係止部材11を養生床10内に縮め、移設先の開口へ移動する。そして、所定の第一及び第二隙間S1、S2を確保した状態で養生床10を配置し、上述した止水養生方法と同様の手順により、チューブ体20を第一隙間S1に配置して膨張させて止水養生構造1が形成される(図1参照)。
このようにチューブ体20や養生床10を一体化させた状態で移設することで、組立、解体作業がなくなり、容易に移設作業を行うことができる。
【0025】
上述した本実施の形態による開口の止水養生構造及び止水養生方法では、養生床10に設けられた張出係止部材11を開口周りの躯体2に載置するように係止させて開口Rの所定位置に養生床10とチューブ体20とを配置し、その後、チューブ体20を膨張させて躯体2の開口側端面2aに密着させることで、開口Rを密閉状態で止水養生することができる。このように設置、移設作業が簡略化されたことで、従来のように複数の部材を開口部で組み立てるような止水養生を行なう必要がなくなる。このため、移設作業における手間と時間を削減でき、工期に与える影響を少なくすることができる。さらに、頻繁に移設を繰り返すことができるため、仕上げ工事の開始を早めるといった効果を奏する。
また、止水養生構造1の設置や移設における作業は、例えば吊上げ設備を用いて所定の箇所に配置するだけの作業であり、開口部で組立作業や解体作業を行うことなく移設できることから、危険作業がなくなり、作業の安全性を向上させることができる。
【0026】
次に、実施の形態の変形例について、図6に基づいて説明するが、上述の実施の形態と同一又は同様な部材、部分には同一の符号を用いて説明を省略し、実施の形態と異なる構成について説明する。
図6は実施の形態の変形例による止水養生構造の移設方法を示す側面図である。
図6に示すように、止水養生構造1の移設時において、実施の形態による止水養生構造1の移設時に使用した移設手段をなすクレーンに代えてエレベータ50(移設手段、昇降設備)を用いて移設するものである。ここで、図1に示す養生床10、チューブ体20及び止水部材30から概略構成される止水養生構造1については、実施の形態と同様の構成である。
変形例による移設方法では、エレベータ用の開口Rにおいて、エレベータ50の頂部50aにリフト式の昇降装置51を設置し、この昇降装置51の下降位置においてその上端51aに養生床10を固定する。そして、エレベータ50を所定の箇所まで上昇させ、昇降装置51を下降位置から上昇させ、養生床10を移設先の上方の第二開口R2の所定位置に配置させる。本変形例では、実施の形態と同様に開口部において組立や解体作業が発生しないため、移設作業が簡略化され、短時間で、且つ手間をかけずに移設することができる。
【0027】
以上、本発明による開口の止水養生構造及び止水養生方法の実施の形態及び変形例について説明したが、本発明は上記の実施の形態及び変形例に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本実施の形態及び変形例では養生床10の外周をなす四辺のうち三辺にチューブ体20を配置させ、一辺に止水部材30を配置させているが、このような配置形態に限定されることはなく、例えば養生床10の全周にわたってチューブ体20を配置させるようにしてもよい。要は、養生床の両側に設けられる一対の隙間のうち少なくともどちらか一方の隙間にチューブ体20が設けられればよいのである。
また、開口Rの形状、大きさは本実施の形態及び変形例のように平面視四角形状であることに限定されず、例えば平面視円形の開口であっても適用することができる。その場合、養生床の形状を円形の開口に合わせて製作し、その養生床の外周にチューブ体を配置させるようにすればよい。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施の形態による止水養生構造を示す平面図である。
【図2】図1に示す止水養生構造のA−A線断面図である。
【図3】止水養生構造の断面図であって(a)は図1に示すB−B線断面図、(b)は図1に示すC−C線断面図である。
【図4】チューブ体の配置状態を示す平面図である。
【図5】チューブ体の設置状態を示す拡大断面図である。
【図6】実施の形態の変形例による止水養生構造の移設方法を示す側面図である。
【符号の説明】
【0029】
1 止水養生構造
2 躯体
10 養生床
11 張出係止部材
20 チューブ体
20A 単体チューブ体
30 止水部材
40 連結部材
50 エレベータ(移設手段、昇降設備)
R 開口
S1 第一隙間
S2 第二隙間






 

 


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