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制震ダンパー - 清水建設株式会社
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発明の名称 制震ダンパー
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−247278(P2007−247278A)
公開日 平成19年9月27日(2007.9.27)
出願番号 特願2006−72884(P2006−72884)
出願日 平成18年3月16日(2006.3.16)
代理人 【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
発明者 半澤 徹也 / 磯田 和彦 / 寺田 岳彦
要約 課題
一体構造とすることで施工手間を削減でき、しかも小さい変形から大きい変形までの広い範囲にわたって減衰性能を期待でき、制震効果を向上させた。

解決手段
制震ダンパー1は、一対の内部鋼板11A,11Bと内部鋼板11A,11B同士の間で固定状態に設けられた中間鋼板12との間に挟持されてなる第一粘弾性体13A,13Bと、内部鋼板11A,11Bと中間鋼板12との間に摩擦材21A,21Bが配されていて中間鋼板12に対して平行に摺動するすべり機構20とが設けられている。そして、内部鋼板11A,11Bを挟持するように一対の外部鋼板31A,31Bが設けられ、外部鋼板31A,31Bと内部鋼板11A,11Bとの間に挟持されてなる第二粘弾性体32A,32Bとが設けられている。
特許請求の範囲
【請求項1】
複数の鋼板の間に粘弾性体を挟み込ませてなる制震ダンパーであって、
一対の第一鋼板と該第一鋼板同士の間で固定状態に設けられた第二鋼板との間に挟持されてなる第一粘弾性体と、
前記一対の第一鋼板と前記第二鋼板との間に摩擦材が配され、前記第二鋼板の側面に対して平行に摺動するすべり機構と、
前記一対の第一鋼板を挟持させるように設けた一対の第三鋼板と前記第一鋼板との間に挟持されてなる第二粘弾性体と、
が設けられていることを特徴とする制震ダンパー。
【請求項2】
前記第一粘弾性体は、前記第二粘弾性体より厚さ寸法が大きいことを特徴とする請求項1に記載の制震ダンパー。
【請求項3】
前記第一粘弾性体と前記第二粘弾性体との種類が異なるものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の制震ダンパー。
【請求項4】
前記すべり機構は、前記第二粘弾性体で対応する荷重より大きな所定の荷重が与えられたときに摺動することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の制震ダンパー。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の鋼材の間に粘弾性体を挟み込んだ構成の制震ダンパーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建築物などの躯体の適所に、地震による振動エネルギーを吸収して構造物の変形を抑制する制震ダンパーを設置することは周知のとおりである。この制震ダンパーには、外部鋼板と内部鋼板との間に粘弾性体を挟持させてなる粘弾性ダンパーがある。粘弾性ダンパーを組み込んで構成される建築骨組では、地震時に建物が変位した際に外部鋼板と内部鋼板とが面内で相対変位し、そのときに生じる粘弾性体の粘性抵抗力によって振動エネルギーを吸収して建物の振動を減衰させることができる。この粘弾性ダンパーは、小さな変形領域で減衰性を発揮させる場合や耐震効果としての設計要求が厳しい場合に、粘弾性ダンパーに大きな物性値(高剛性、高減衰係数値)を与えるようにするのが一般的である。しかし、中小規模な地震や風などの小さな変形から大きな力を負担させようとすると、大地震などの大きな変形による負担力が過大となり、制震ダンパーと建築物の躯体の接合部や、周辺フレームへの負担が大きくなっていた。
このような問題に対して、小さな変形から減衰効果を発揮できるように粘弾性体を設置し、且つ大規模な地震発生時などの大きな変形に対して、粘弾性体に過大な力を負担させることを抑制するために、粘弾性ダンパーと摩擦ダンパーなどを組み合わせた機構がある(例えば、特許文献1、2参照)。
また、上述した問題に対応するほかの制震ダンパーとして、種類の異なる粘弾性を組み合わせた構造が例えば特許文献3、4に開示されている。
特許文献3は、複数の鋼板の間に粘弾性体を挟み込んだ構造であり、低せん断弾性率の粘弾性体と高せん断弾性率の粘弾性体とが鋼板の面に対して平行となるように積層されたものである。これによると、例えば風などの揺れに対しては低せん断弾性率の粘弾性体で振動エネルギーを吸収し、大きな地震などの揺れに対しては高せん断弾性率の粘弾性体で振動エネルギーを吸収することができる。
また、特許文献4は、粘性的性質が強い粘弾性体と、弾性的性質が強い粘弾性体との物性値が異なる粘弾性体を、鋼板同士の同一の隙間に組み合わせて一つの制震ダンパーとして機能させたものである。
【特許文献1】特開平9−268802号公報
【特許文献2】特開平10−299284号公報
【特許文献3】特開2004−132415号公報
【特許文献4】特開2000−297557号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1、2では、粘弾性ダンパーと摩擦ダンパーなどとが別々の部材、部位から構成されていて夫々の部材同士が接続されているので、部材の組み合わせの選択や、制震ダンパーと建築物との接合部の設計に自由度がある反面、設計および施工に手間がかかる場合があった。
また、特許文献3、4では、小さな変形から大きな変形までを制震ダンパーに備えられている粘弾性体のみで減衰させる構造であり、粘弾性体の耐久性、材質、厚さ、大きさなどの異なる種類の粘弾性体を複数組み合わせることで減衰性能を十分に発揮させることが難しいといった問題があった。
【0004】
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、一体構造とすることで施工手間を削減でき、しかも小さい変形から大きい変形までの広い範囲にわたって減衰性能を期待でき、制震効果を向上させた制震ダンパーを提供することを目標とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明に係る制震ダンパーは、複数の鋼板の間に粘弾性体を挟み込ませてなる制震ダンパーであって、一対の第一鋼板と第一鋼板同士の間で固定状態に設けられた第二鋼板との間に挟持されてなる第一粘弾性体と、一対の第一鋼板と第二鋼板との間に摩擦材が配され、第二鋼板の側面に対して平行に摺動するすべり機構と、一対の第一鋼板を挟持させるように設けた一対の第三鋼板と第一鋼板との間に挟持されてなる第二粘弾性体とが設けられていることを特徴としている。
本発明では、風揺れや小規模の地震等の小さな変形に対しては、第三鋼板と第一鋼板とが相対的に変形し、第二粘弾性体で振動エネルギーを吸収して制震される。比較的大規模な地震時等の大きな変形に対しては、第三鋼板と第一鋼板との相対変形に加え、第一鋼板と第二鋼板とが相対的に変形する第一粘弾性体及びすべり機構の摺動によって振動エネルギーを吸収して制震することができる。このように大きな変形における振動エネルギーを、第一粘弾性体とすべり機構との両者によって分担させることができ、大きな変形の荷重をすべり機構のみで負担することがなくすべりの摺動範囲内で振動を制御できることから、制御力の急変を抑制でき、制震効果を向上させることができる。
【0006】
また、本発明に係る制震ダンパーでは、第一粘弾性体は、第二粘弾性体より厚さ寸法が大きいことが好ましい。
本発明では、小さな変形を厚さ寸法が小さな第二粘弾性体で負担し、大きな変形を厚さ寸法が大きな第一粘弾性体で負担することができる。
【0007】
また、本発明に係る制震ダンパーでは、第一粘弾性体と第二粘弾性体との種類が異なるものであってもよい。
本発明では、第一粘弾性体と第二粘弾性体との種類(例えば、剛性率或いはせん断弾性率の特性)が異なるものを配置させることにより、小さな変形の場合と大きな変形の場合とに対応させて減衰できる。
【0008】
また、本発明に係る制震ダンパーでは、すべり機構は、第二粘弾性体で対応する荷重より大きな所定の荷重が与えられたときに摺動することが好ましい。
本発明では、所定の荷重より小さな荷重を第二粘弾性体によって対応させ、それより大きな所定の荷重をすべり機構の作動により対応させることで、小さい変形から大きな変形までを各部材に分担させることができ、制震ダンパーとしての減衰性能を効果的に制御させることができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の制震ダンパーによれば、第一粘弾性体とすべり機構とが一体に組み合わされた構造であり、従来のように別々の部材、部位から構成されていないため、設計および施工にかかわる手間を削減することができる。
また、風揺れや小規模の地震等の小さな変形に対しては第二粘弾性体で振動エネルギーを吸収し、比較的大規模な地震時等の大きな変形に対しては第一粘弾性体及びすべり機構によって振動エネルギーを吸収することができる。そして、すべり機構と第一粘弾性体とを組み合わせたことで、小さな変形から大きな変形に移行しても第一及び第二粘弾性体への過大な荷重の発生を抑制でき、従来の粘弾性体よりも振動エネルギーの吸収量を大きくすることができる。
このように、一つの制震ダンパーによって、小さな変形から大きな変形までの広範囲にわたってその変形に対応できる最適な減衰性能が期待できることから、制震効果を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の制震ダンパーの第一の実施の形態について、図1乃至図7に基づいて説明する。
図1は本発明の第一の実施の形態による制震ダンパーを示す側面図、図2は同じく制震ダンパーを示す正面図、図3は制震ダンパーのすべり機構を示す拡大図、図4(a)、(b)は変位時における制震ダンパーの作動状態を示す図、図5(a)、(b)は従来例における変位と荷重の関係を示す図、図6(a)、(b)は実施例における変位と荷重の関係を示す図、図7は比較例における変位と荷重の関係を示す図である。
【0011】
図1及び図2に示すように、本制震ダンパー1は、柱(図示省略)と梁2(上階梁2A、下階梁2B)との間に壁型として設置されるものである。この制震ダンパー1は、すべり機構20を設けた第一粘弾性ダンパー10と、第一粘弾性ダンパー10をその両側面から挟持させるように設けた第二粘弾性ダンパー30とから構成されている。
第一粘弾性ダンパー10は、その上端10aで第一連結部材3、3を介してボルトなどの固定手段によって上階梁2Aに固定されている。一方、第二粘弾性ダンパー30は、その下端30aで第二連結部材4を介してボルトなどの固定手段によって下階梁2Bに固定されている。
【0012】
図1に示すように、第一粘弾性ダンパー10は、一対の内部鋼板11A、11B(第一鋼板)と、両内部鋼板11A、11Bと固定状態に設けられた中間鋼板12(第二鋼板)との間(これを隙間Sとする)に挟持されてなる第一粘弾性体13A、13Bとが設けられている。さらに、第一粘弾性ダンパー10には、内部鋼板11A、11Bの上端部11a、11aと中間鋼板12との間に、この中間鋼板12に接触させるように摩擦材21A,21Bが配置され、その中間鋼板12の側面に対して平行に摺動するすべり機構20が設けられている。そして、摩擦材21A,21Bと第一粘弾性体13A、13Bとは、夫々が同一の隙間Sに配置されている。
【0013】
ここで、すべり機構20についてさらに詳細に説明する。
図3に示すように、上述した隙間Sにおいて、すべり機構20の摩擦材21A、21Bは、介入部材22、22を介して内部鋼板11A,11Bに固定されている。そして、すべり機構20は、摩擦材21A、21Bが配置されている3箇所(図2参照)で、内部鋼板11A,11B、介入部材22、22、摩擦材21A、21B及び中間鋼板12をボルト23で貫通させ、ナット24を螺合させて締め付ける構成となっている。また、ボルト23には、ボルト軸と同軸になるように複数の皿バネ25を挿通させている。この皿ばね25によって、摩擦材21A、21Bを所定の摩擦力となるように設定することができる。なお、中間鋼板12における各ボルト23の貫通箇所には、長穴12a(図2参照)が形成されている。このような構成により、第一粘弾性ダンパー10は、長穴12aの範囲内で摺動することができる。
【0014】
図1に示す第二粘弾性ダンパー30は、第一粘弾性体ダンパー10の内部鋼板11A,11Bをその両側から、第二粘弾性体32A、32Bを介して外部鋼板31A,31B(第三鋼板)によって挟持するように設けられている。この第二粘弾性体32A、32Bは、第一粘弾性体13A,13Bよりも厚さ寸法が小さく、大きな面積で形成されている。
なお、第一及び第二粘弾性体13A,13B、32A,32Bは、材料として例えばゴム材料、樹脂材料などを採用することができ、同種の部材、或いは異種の部材を使用してもかまわない。
【0015】
このような構成による制震ダンパー1は、図4(a)に示すように、風や小規模の地震による小さな変形が与えられたときには、厚さ寸法が小さく減衰性が大きな第二粘弾性体32A,32B(第二粘弾性ダンパー30)が作動し、外部鋼板31A、31Bと内部鋼板11A,11Bとが相対的に変形する(これを、第一相対変形とする)。つまり、小さな変形が作用したときは、その揺れを第二粘弾性ダンパー30の第二粘弾性体32A,32Bによってその振動エネルギーを吸収して制震される。
【0016】
一方、図4(b)に示すように、大規模な地震による大きな変形が与えられたときには、前述した第一相対変形に加え、適度な力(本発明の所定の荷重に相当)が与えられたときに内部鋼板11A,11Bと中間鋼板12とが相対的に変形(これを、第二相対変形とする)する第一粘弾性体13A,13B及びすべり機構の作用によって振動エネルギーを吸収して制震することができる。
これにより、大きな変形に対して粘弾性体に発生する荷重が過大となって制震ダンパー1と建築物の躯体との接合部や周辺フレームへの負担が大きくなることを抑制することができ、さらに厚さ寸法を小さくしても粘弾性体の材料自体の限界せん断歪を超えることによる破断を防止することができる。
また、本制震ダンパー1では、すべり機構20を、内部鋼板11A,11Bを介して第一粘弾性体13A,13Bと一体化させた構造としたことで、現場における施工が簡略化され、施工手間を削減させることができる。そして、これらの部材が分離されていないため、例えば制震性能の計算がし易くなって設計が容易になるという効果がある。
【0017】
(実施例)
次に、本実施の形態による制震ダンパー1の制震性能において、変形と荷重の関係を解析した結果に基づいてさらに詳しく説明する。
表1に示すように、本解析では、本実施の形態による制震ダンパー1を用いた実施例と、従来例、比較例の3つの解析を実施した。
従来例は、面積1.3m、厚さ1.0cmの粘弾性体(第二粘弾性体32A、32Bに相当)を有し、第一粘弾性体13A、13B及びすべり機構20を設けない一般的な粘弾性体ダンパーを使用した解析である(図1参照)。
実施例は、本実施の形態による制震ダンパー1であり、第一粘弾性体13A、13Bを面積1.3m、厚さ0.5cmとし、第二粘弾性体32A,32Bを面積0.8m、厚さ1.0cmとし、すべり機構20における摩擦力を50tとした解析である。
そして、比較例は、第二粘弾性体13A,13Bを面積1.3m、厚さ0.5cmとし、すべり機構20における摩擦力を100tとし、実施例における第一粘弾性体13A,13Bを設けていない構成による解析である。
【0018】
【表1】


【0019】
図5乃至図7は各制震ダンパーに外力を与えたときの荷重と変形の関係を示した粘弾性体の履歴特性であり、この履歴特性をなす略楕円形状をなす線分の内側領域が振動エネルギーの吸収量となる。
そして、従来例、実施例、比較例による各解析では、変位4cm程度で100tの制御力が作用するように設定して解析を行なった。
その解析結果について説明すると、実施例の図6(a)は、従来例の図5(a)と比べると、変位に対する荷重領域の範囲が広がっていることが確認でき、振動エネルギーの吸収量が大きくなっていることがわかる。つまり、図5(a)に示す従来例では、4cmの変位に対応させるため厚さ1cmの粘弾性体が用いられているため、実施例の第一粘弾性体13A,13Bの厚さ0.5cmのものと比べて粘弾性体自体の歪みが大きく剛性が小さくなる。
そのため、実施例では、図6(b)に示すように略1cm以下の変位の小さな範囲で第二粘弾性体32A,32Bの作用により50〜70t程度の制御力となり、図5(b)に示す従来例の40〜60tの制御力と比べて振動エネルギーの吸収量が大きくなることが確認できる。
【0020】
また、図7に示すように、比較例では、第一粘弾性体13A、13Bが設けられていないため、変位の大きな範囲において上述した第二相対変形(つまり内部鋼板11A,11Bと中間鋼板12との相対変形)がなく、この大きな変位のほとんどがすべり機構20によって負担されることになる。すべり機構20の摺動量は中間鋼板12の長穴12a(図2参照)の寸法によって規制されるため、大きな荷重、変位のピークがカットされて振動の変動が激しくなり、応答加速度の上昇や残留変形の発生が懸念されることになる。
【0021】
これらの解析結果から、図6に示す実施例では、大きな変位における振動エネルギーを、第一粘弾性体13A,13B及びすべり機構20によって分担されることが確認できる。そして、このように大きな変形の力をすべり機構20のみで負担することがなくなり、すべり機構20の摺動範囲内で振動を制御できることから制御力の急変を抑制できる。また、一部を第一粘弾性体13A,13Bが負担するため、すべり機構20における残留変形の発生を抑制させることができる。
【0022】
上述した本第一の実施の形態による制震ダンパー1では、第一粘弾性体13A,13Bとすべり機構20とが一体に組み合わされた構造であり、従来のように別々の部材、部位から構成されていていないため、設計および施工にかかわる手間を削減することができる。
また、風揺れや小規模の地震等の小さな変形に対しては第二粘弾性体32A,32Bで振動エネルギーを吸収し、比較的大規模な地震時等の大きな変形に対しては第一粘弾性体13A,13B及びすべり機構20によって振動エネルギーを吸収することができる。そして、すべり機構20と第一粘弾性体13A、13Bとを組み合わせたことで、小さな変形から大きな変形に移行しても第一粘弾性体13A,13B及び第二粘弾性体32A,32Bへの過大な荷重の発生を抑制でき、従来の粘弾性体よりも振動エネルギーの吸収量を大きくすることができる。
このように、一つの制震ダンパーによって、小さな変形から大きな変形までの広範囲にわたってその変形に対応できる最適な減衰性能が期待できることから、制震効果を向上させることができる。
【0023】
次に、本発明の第二の実施の形態について、添付図面に基づいて説明するが、上述の第一の実施の形態と同一又は同様な部材、部分には同一の符号を用いて説明を省略し、第一の実施の形態と異なる構成について説明する。
図8は第二の実施の形態による制震ダンパーを示す図であって、(a)はその正面図、(b)はその側面図である。
図8(a)及び(b)に示すように、第二の実施の形態の制震ダンパー1は、各鋼板、すなわち内部鋼板11A、11B、中間鋼板12、外部鋼板31A,31Bが長方形状をなすブレース材5を構成し、例えば梁と柱とに囲われる架構内で斜め方向に配置されるブレースの機能を果たすものである。そして、これら各鋼板間に挟持される第一粘弾性体13A,13Bと、第二粘弾性体32A,32Bについてもブレース材5の大きさに合わせた寸法に形成されている。
このときのすべり機構20による摺動方向はブレース材5の軸方向となる。つまり、図8(a)に示す中間鋼材12に形成される長穴12bは、その長手方向がブレース材5の軸方向をなしている。したがって、第二の実施の形態による制震ダンパー1にかかる変形に対して、第一粘弾性体13A,13B、すべり機構20、第二粘弾性体32A,32Bは、ブレース材5の軸方向に減衰することになる。
本第二の実施の形態の制震ダンパー1では、上述したようにブレース材5として機能させるための形状をなしているが、制震ダンパー1としての作用、効果については第一の実施の形態と同様である。
【0024】
以上、本発明による制震ダンパーの第一及び第二の実施の形態について説明したが、本発明は上記の第一及び第二の実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本第一及び第二の実施の形態では第一粘弾性体13の面積を第二粘弾性体32の面積より大きくしているが、粘弾性体の設定に関しては、材質、物性値、形状、厚さ、面積などの条件より設定することが好ましい。
また、第一粘弾性体13と第二粘弾性体32とは、厚さ寸法を変えることによって小さな変形の場合と大きな変形の場合とに対応させて減衰できるようにしているが、これに限定されることはない。すなわち、第一粘弾性体13と第二粘弾性体32との種類(例えば、剛性率或いはせん断弾性率の特性)が異なるものを配置させることで、上述した大小の変形に対応させるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の第一の実施の形態による制震ダンパーを示す側面図である。
【図2】制震ダンパーを示す正面図である。
【図3】制震ダンパーのすべり機構を示す拡大図である。
【図4】(a)、(b)は、変位時における制震ダンパーの作動状態を示す図である。
【図5】(a)、(b)は従来例における変位と荷重の関係を示す図である。
【図6】(a)、(b)は実施例における変位と荷重の関係を示す図である。
【図7】比較例における変位と荷重の関係を示す図である。
【図8】第二の実施の形態による制震ダンパーを示す図であって、(a)はその正面図、(b)はその側面図である。
【符号の説明】
【0026】
1 制震ダンパー
10 第一粘弾性ダンパー
11A,11B 内部鋼板(第一鋼板)
12 中間鋼板(第二鋼板)
13A、13B 第一粘弾性体
20 すべり機構
21A,21B 摩擦材
30 第二粘弾性ダンパー
31A,31B 外部鋼板(第三鋼板)
32A、32B 第二粘弾性体






 

 


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