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発明の名称 床構造
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−217883(P2007−217883A)
公開日 平成19年8月30日(2007.8.30)
出願番号 特願2006−36820(P2006−36820)
出願日 平成18年2月14日(2006.2.14)
代理人 【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
発明者 山野辺 宏治
要約 課題
外的要因に対する保護を不要にすることができるとともに、建物内部の有効空間を広くとることができ、さらに、床の長期たわみの制御を可能にし、品質の高い空間を保証することができる床構造を提供することを目的としている。

解決手段
床版1に、懸垂曲線状に延在するPC鋼材2が設置され、PC鋼材2に緊張力が導入されて床版1にプレストレスが付与されている床構造において、PC鋼材2が床版1に形成されたボイド空間V1に挿通されており、PC鋼材2の一部を上下方向に移動させるジャッキ機構6,6が床版1の内部に設置されている。
特許請求の範囲
【請求項1】
床版に、懸垂曲線状に延在するPC鋼材が設置され、該PC鋼材に緊張力が導入されて床版にプレストレスが付与されている床構造において、
PC鋼材が床版に形成されたボイド空間に挿通されており、PC鋼材の一部を上下方向に移動させるジャッキ機構が床版の内部に設置されていることを特徴とする床構造。
【請求項2】
請求項1記載の床構造において、
ボイド空間を形成するボイド部材にジャッキ機構が取り付けられ、少なくともジャッキ機構とボイド部材とがユニット化されていることを特徴とする床構造。

発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレストレスを付与した床構造に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、コンクリート系の大スパン梁又は床の鉛直たわみを抑制するために、PC鋼材によるプレストレスによって鉛直たわみを抑制する技術が種々提供されている。この技術は、PC鋼材に引張力を導入して構造体に計画的に圧縮応力を与えて、たわみが生じる際の引張応力と相互に打ち消し合うように設計するものである(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
上記した技術では、コンクリートのクリープや乾燥収縮による長期たわみの実情に合わせて、PC鋼材によるプレストレスを調整することは稀であるが、積載荷重の変動が大きい倉庫等の大スパン構造物では、梁に作用する荷重に応じてプレストレスを調整しなければ、梁のたわみを適切に制御することができない。そこで、従来、PC鋼材を、懸垂曲線状に延在させた状態(両端を固定して中央を下向きに弛ませた状態)で、梁の外側に配置するとともに、PC鋼材のライズを調整する調整装置を設置する技術が提供されている。この技術によれば、懸垂曲線状に延在するPC鋼材に緊張力(引張力)が導入されるため、梁に上向きのプレストレス(吊り上げ力)が付与されて梁のたわみが抑制されるとともに、調整装置によってPC鋼材のライズを調整することで、梁に付与されるプレストレスが調整されるため、梁のたわみが適正に制御される(例えば、特許文献2参照。)。
【特許文献1】特開平5−106270号公報
【特許文献2】特開平11−241507号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記した従来の技術では、PC鋼材や調整装置が梁の外側に配置されているため、外的要因に対する保護が必要となる。さらに、PC鋼材や調整装置の分だけ、建物内部の有効空間が狭くなるという問題が存在する。また、大スパンの床は梁よりも長期たわみが大きくなる場合が多いため、梁のたわみを制御するだけでは品質の高い空間を保証することができないという問題がある。
【0005】
本発明は、上記した従来の問題が考慮されたものであり、外的要因に対する保護を不要にすることができるとともに、建物内部の有効空間を広くとることができ、さらに、床の長期たわみの制御を可能にし、品質の高い空間を保証することができる床構造を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明は、床版に、懸垂曲線状に延在するPC鋼材が設置され、該PC鋼材に緊張力が導入されて床版にプレストレスが付与されている床構造において、PC鋼材が床版に形成されたボイド空間に挿通されており、PC鋼材の一部を上下方向に移動させるジャッキ機構が床版の内部に設置されていることを特徴としている。
【0007】
このような特徴により、PC鋼材やジャッキ機構は、床版の外に設置されず、床版内部に設置される。また、ジャッキ機構によってPC鋼材のライズや緊張力が調整され、床版に付与されるプレストレスが制御される。
【0008】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の床構造において、ボイド空間を形成するボイド部材にジャッキ機構が取り付けられ、少なくともジャッキ機構とボイド部材とがユニット化されていることを特徴としている。
【0009】
このような特徴により、床構造を形成する際、ジャッキ機構とボイド部材とをユニット化したものを床版の所定位置に設置するだけでよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る床構造によれば、PC鋼材やジャッキ機構が床版の内部にそれぞれ設置されるため、PC鋼材やジャッキ機構を外的要因から保護するケース等が不要であるとともに、建物内部の有効空間を広くとることができる。また、ジャッキ機構によって床版に付与するプレストレスが調整されるため、積載荷重に応じてジャッキ機構を調整することで、床の長期たわみの制御を行うことができ、品質の高い空間を保証することができる。
【0011】
また、ジャッキ機構とボイド部材とをユニット化させることにより、床構造を形成する際、ユニット化されたものを床版の所定位置に設置するだけで、ボイド空間が形成されるとともにジャッキ機構が設置されるため、床構造の施工性(生産性)を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明に係る床構造の実施の形態について、図面に基いて説明する。
なお、図1は本発明の実施の形態に係る床構造を表す断面図であり、図2は図1のA−A間の断面図であり、図3は図1のB−B間の断面図であり、図4は図1のC−C間の断面図である。
【0013】
図1,図2,図3,図4に示すように、本実施の形態における床構造は、床版1に複数(図2〜図4では2本)のPC鋼材2,2が設置された構成からなる。
【0014】
床版1は、予め工場等で製作されて現場で梁間等に設置されるプレキャスト鉄筋コンクリート造の構造体であり、その内部には、一方向に延在する複数(図2〜図4では5つ)のボイド空間V1,V2が形成されている。これら複数のボイド空間V1,V2は、床版1のコンクリートの中に埋設された筒状のボイド部材3…によってそれぞれ形成されている。また、複数のボイド空間V1,V2には、中央部V1aが両端部V1b,V1bから一段下がった状態になっている第1のボイド空間V1と、全長に亘って直線的に形成された第2のボイド空間V2とがある。
【0015】
図1,図2に示すように、第1のボイド空間V1の中央部V1aは、断面形状が横長の空洞であり、床版1の下面側寄りに形成されている。また、図1,図4に示すように、第1のボイド空間V1の両端部V1b,V1bは、断面形状が横長の空洞であり、床版1の上面側寄りにそれぞれ形成されている。また、図1,図3に示すように、第1のボイド空間V1の中央部V1aと端部V1b,V1bとの間の部分(以下、クランク部V1c,V1cと記す。)は、断面矩形の空洞であり、床版1の上面側から下面側に傾斜して形成されている。
【0016】
第1のボイド空間V1の中には、第1のボイド空間V1に沿って懸垂曲線状に延在するPC鋼材2が挿通されている。PC鋼材2は、床版1に上向きのプレストレス(吊り上げ力)を付与するための緊張材であり、例えば、高張力鋼からなる鋼棒、鋼線、鋼より線、或いは鋼線や鋼より線を束ねたケーブル等である。このPC鋼材2には、プレテンション方式或いはポストテンション方式により所定の引張力(緊張力)が導入されており、また、PC鋼材2の両端は、床版1の端部に設けられた定着具4,4にそれぞれ取り付けられて定着されている。
【0017】
また、第1のボイド空間V1の内側面のうち、PC鋼材2が接触する角部分V1d…(第1のボイド空間V1の上下面にそれぞれ形成された出隅部)には、くの字状に屈曲した板状のガイドプレート5…が設けられている。PC鋼材2が引張られて軸方向に動くとき、このガイドプレート5上をPC鋼材2が摺動する。
【0018】
第1のボイド空間V1のクランク部V1c,V1cには、懸垂曲線状に延在するPC鋼材2の一部を鉛直方向(上下方向)に移動させることでPC鋼材2の緊張力およびライズを調整するジャッキ機構6が設置されている。ジャッキ機構6は、床版1のコンクリート内に埋設されており、床版1の上面と面一に設けられている基板10と、基板10に垂設された2本平行のガイドアーム11,11と、2本のガイドアーム11,11に吊持された長ナット12と、長ナット12に螺合されたボルト13と、ボルト13の上端(先端)に水平方向(ボルト13の軸方向に直交する方向)に回転自在に付設された保持部材14とから構成されている。
【0019】
長ナット12は、鉛直方向に延在されており、その下端は、床版1の下面に形成された窪み部1aに開放されている。ボルト13は、長ナット12の下側から締め込まれており、床版1の窪み部1aのところで調整作業(ボルトを締め込んだり、緩めたりする作業)が行われる。
【0020】
保持部材14は、第1のボイド空間V1内のPC鋼材2の一部を保持するものであり、第1のボイド空間V1の内部に配置されている。具体的には、保持部材14は、PC鋼材2を挿通させる筒状の部材であり、保持部材14に保持されたPC鋼材2は、その軸方向に移動自在になっている。また、第1のボイド空間V1のクランク部V1c,V1cでは、PC鋼材2は斜めに延在されているため、筒状の保持部材14の挿通孔は斜め延在されている。なお、保持部材14は、PC鋼材2を挿通させる筒状の部材でなくてもよく、例えば、断面C字形状の割スリーブ状の部材や半円筒形状の部材でもよく、或いは、PC鋼材2を挟持する部材でもよく、その他の構成からなる部材であってもよい。
【0021】
また、保持部材14は、2本のガイドアーム11,11の間に挟まれた状態で配置されており、ボルト13を長ナット12に締め込むことで、保持部材14はガイドアーム11,11に沿って上方に移動し、ボルト13を弛めることで、保持部材14はガイドアーム11,11に沿って下方に移動する。
【0022】
上記した構成からなるジャッキ機構6と、第1のボイド空間V1を形成するボイド部材3と、第1のボイド空間V1の中に挿通されるPC鋼材2と、PC鋼材2を摺動させるガイドプレート5…とは、ユニット化されている。具体的には、ボイド部材3の所定位置(クランク部V1c,V1cの位置)にジャッキ機構6が貫設されているとともに、ボイド部材3の所定位置(角部分V1d…)にガイドプレート5…が付設されており、さらに、保持部材14に保持(挿通)させた状態でPC鋼材2がボイド部材3の中に挿通されている。
【0023】
なお、図2〜図4に示す符号20は鉄筋コンクリート造の床版1の主筋を示しており、符号21は鉄筋コンクリート造の床版1のせん断補強筋(配力筋)を示している。
【0024】
上記した構成からなる床構造によれば、床版1に懸垂曲線状に延在するPC鋼材2が設置されており、このPC鋼材2に引張力が導入されているため、床版1に上向きのプレストレスが付与され、このプレストレスが床版1に作用する荷重(下向きの力)と打ち消し合い、床版1のたわみが抑制される。
【0025】
また、上記した構成からなる床構造によれば、ジャッキ機構6によって、PC鋼材2の一部を上下動させることができる。具体的には、ボルト13を長ナット12に締め込むことで、保持部材14が上方に移動し、保持部材14に保持されたPC鋼材2の一部が上方に移動する。一方、ボルト13を弛めることで、保持部材14が下方に移動し、保持部材14に保持されたPC鋼材2の一部が下方に移動する。このようにPC鋼材2の一部を上下動させると、PC鋼材2のライズや緊張力が変化する。したがって、床構造への積載荷重に応じてジャッキ機構6を調整することで、PC鋼材2のライズや緊張力が調整され、床版1に付与されるプレストレスが制御される。これによって、床構造の長期たわみの制御を行うことができ、品質の高い空間を保証することができる。
【0026】
また、PC鋼材2やジャッキ機構6は、床版1の外に配置されずに内部に設置されているため、PC鋼材2やジャッキ機構6を外的要因から保護するケース等が不要となり、建物内部の有効空間を広くとることができる。
【0027】
また、ジャッキ機構6とボイド部材3とPC鋼材2とガイドプレート5…とがユニット化されているため、プレキャストからなる床構造体を製作する際、ジャッキ機構6やボイド部材3をユニット化したものを、床版1の図示せぬ型枠内の所定位置にセットするとともに、床版1の主筋20…やせん断補強筋21をそれぞれ配筋し、その後、床版1のコンクリート打設を行うだけでよい。これによって、プレキャストからなる床構造体の生産性を向上させることができる。
【0028】
以上、本発明に係る床構造の実施の形態について説明したが、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、上記した実施の形態では、プレキャスト鉄筋コンクリート造からなる床構造について説明しているが、本発明は、在来工法によって形成される鉄筋コンクリート造の床構造であってもよく、或いは、鋼製デッキやプレキャスト版の上にコンクリートが打設された構成からなる床構造であってもよい。
【0029】
また、上記した実施の形態では、床版1に形成されたボイド空間V1,V2が一方向に延在しているが、本発明は、床版に二方向に延在するボイド空間が形成されていてもよい。
また、上記した実施の形態では、PC鋼材2を挿通させるための第1のボイド空間V1,V1のほかに、PC鋼材2が挿通されない第2のボイド空間V2…が床版1に形成されているが、本発明は、PC鋼材2が挿通されない第2のボイド空間V2…が形成されていなくてもよく、PC鋼材2を挿通させるためのボイド空間だけが形成されていてもよい。
【0030】
また、上記した実施の形態では、基板10とガイドアーム11,11と長ナット12とボルト13と保持部材14とからなるネジ式のジャッキ機構6が用いられているが、本発明は、如何なる構成のジャッキ機構であってもよく、油圧シリンダーやエアシリンダーを用いて上下動させるジャッキ機構であってもよく、モータ等の駆動機構とラック・ピニオン機構とを組み合わせたジャッキ機構であってもよく、或いは、パンタグラフやその他の機構を用いたジャッキ機構であってもよい。
【0031】
また、上記した実施の形態では、ジャッキ機構6とボイド部材3とPC鋼材2とガイドプレート5…とがユニット化されているが、本発明は、PC鋼材2やガイドプレート5…が、ジャッキ機構6やボイド部材3とユニット化されていなくてもよく、また、PC鋼材2やガイドプレート5…以外の部材が、ジャッキ機構6やボイド部材3とユニット化されていてもよい。さらに、請求項1記載の発明は、ジャッキ機構6とボイド部材3とがユニット化されていなくてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の実施の形態を説明するための床構造の断面図である。
【図2】本発明の実施の形態を説明するための図1のA−A間を表す断面図である。
【図3】本発明の実施の形態を説明するための図1のB−B間を表す断面図である。
【図4】本発明の実施の形態を説明するための図1のC−C間を表す断面図である。
【符号の説明】
【0033】
1 床版
2 PC鋼材
3 ボイド部材
6 ジャッキ機構
V1 第1のボイド空間(ボイド空間)




 

 


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