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発明の名称 杭頭免震構造
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−154558(P2007−154558A)
公開日 平成19年6月21日(2007.6.21)
出願番号 特願2005−352927(P2005−352927)
出願日 平成17年12月7日(2005.12.7)
代理人 【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
発明者 小前 健太郎
要約 課題
杭頭免震構造において、適正な杭頭回転を許容しつつ制御し、基礎と免震ピットの簡略化を実現する。

解決手段
杭頭免震構造において、杭2の杭頭部とその上部に設置する免震装置1との間に、免震装置と杭頭部との間で軸力を伝達可能かつそれらの間に生じる相対的な杭頭回転を許容しつつ制御する杭頭デバイス4を介装する。杭頭デバイスとしては、軸力を相互に伝達可能に密着しかつ杭頭回転に伴って径方向に相対摺動可能な対の凸球面5aと凹球面6aとが形成された下部部材5と上部部材6からなるものが好適である。さらに、上部部材を杭頭部もしくは下部部材に対して連結する連結部材10にダンパーとしての機能を持たせることが好ましい。
特許請求の範囲
【請求項1】
杭頭部の上部に設置した免震装置により上部構造体を免震支持する杭頭免震構造であって、杭頭部とその上部に設置する免震装置との間に、免震装置と杭頭部との間で軸力を伝達可能かつそれらの間に生じる相対的な杭頭回転を許容しつつ制御する杭頭デバイスを介装してなることを特徴とする杭頭免震構造。
【請求項2】
請求項1記載の杭頭免震構造であって、
杭頭デバイスは、杭頭部および免震装置に対してそれぞれ固定される下部部材と上部部材とを有し、それら下部部材と上部部材とには軸力を相互に伝達可能に密着しかつ杭頭回転に伴って径方向に相対摺動可能な対の凸球面と凹球面とが形成され、かつ前記上部部材を下部部材に対する相対摺動を許容しつつ杭頭部もしくは下部部材に対して連結する連結部材を有してなることを特徴とする杭頭免震構造。
【請求項3】
請求項2記載の杭頭免震構造であって、
杭頭デバイスにおける連結部材は、杭頭回転に伴う下部部材と上部部材との径方向の相対摺動により塑性変形して振動エネルギーを吸収するためのダンパーとしての機能を有してなることを特徴とする杭頭免震構造。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は積層ゴム等の免震装置により建築物を免震支持するための構造に関わり、特に免震装置を杭頭部に直接的に設置する杭頭免震構造に関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように建築物を対象とする免震構造としては、免震ピット内の底部に下部構造としての免震基礎を設け、その免震基礎上に多数の免震装置を設置し、それら免震装置により上部構造全体を水平変位可能に免震支持するというものが最も一般的であるが、そのような従来一般の免震構造では実質的に下部構造と上部構造の双方に対して剛強な基礎を二重に設けることになるし、それに伴い免震ピットの所要深さが大きくなり、必然的に根切り量も多くなるので、通常の構造の建物に比べて基礎全体の構造およびその施工が格段に複雑化してしまい、かなりのコスト高となることが不可避である。
【0003】
そのため、特に下部構造としての免震基礎の簡略化を目的として、例えば特許文献1に示されるような杭頭免震構造も提案されている。これは、下部構造としての免震基礎を実質的に独立の杭のみから形成して各杭の杭頭部に免震装置を直接的に設置するというものであり、これによれば従来一般の免震基礎における大断面かつ剛強な基礎梁を省略できることから免震基礎を大幅に簡略化でき、それに伴い免震ピットも浅くすることが可能であり、充分なコストダウンを図ることができるものである。
【0004】
また、従来一般の免震構造は地震時においても杭頭回転(杭頭面の水平面に対する傾斜)が生じないことが前提であり、そのために下部構造としての免震基礎は無条件に剛強とされていたのであるが、特許文献1に示される杭頭免震構造では逆に杭頭回転を拘束することなく許容することを前提としており、そのため杭頭部を地盤や免震装置に対してピン支承の形態で結合するものとしている。
【0005】
結局のところ、特許文献1に示されるような従来の杭頭免震構造は杭頭回転を許容することによって頑強な基礎梁の省略が可能となったものであり、このような杭頭免震構造では基礎梁の省略による下部構造と免震ピットの大幅な簡略化、合理化、コストダウンを実現できるばかりでなく、杭頭部に大きな杭頭モーメントが作用することがないので杭の曲げ剛性をも大幅に軽減でき、それによる杭自体の合理化も図ることができる点でも有効であり、今後広く普及する気運にある。
【特許文献1】特許第3663557号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に示される杭頭免震構造では、杭頭回転を許容するために底盤に設けた凸部を杭頭に対して単にダボ筋により連結する構造としていることから、そのような構造では杭頭回転がほぼ無条件に許容されるのみであり、したがって杭頭回転が生じた際の杭頭部応力やその変形量、回転角等を正確に評価したり制御することも必ずしも容易ではない。また、構造的に好ましくない過大な杭頭回転を抑制することも困難であるので、過大な杭頭回転が生じることが想定されるような液状化地盤への適用は現実的ではない。勿論、底盤を充分に頑強なものとすれば杭頭回転を拘束し制御できるが、それは単なる免震構造と同様に杭頭部間に頑強な基礎梁やつなぎ梁を設けることと変わりがないから、そのようなことは無意味である。
【0007】
上記事情に鑑み、本発明は免震基礎と免震ピットの合理化、簡略化を図りつつ、杭頭回転を単に許容するのみならず適正に評価し制御することが可能であって構造的にも合理的な杭頭免震構造を実現することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、杭頭部の上部に設置した免震装置により上部構造体を免震支持する杭頭免震構造であって、杭頭部とその上部に設置する免震装置との間に、免震装置と杭頭部との間で軸力を伝達可能かつそれらの間に生じる相対的な杭頭回転を許容しつつ制御する杭頭デバイスを介装してなることを特徴とする。
【0009】
本発明における杭頭デバイスとしては、杭頭部および免震装置に対してそれぞれ固定される下部部材と上部部材とを有し、それら下部部材と上部部材とには軸力を相互に伝達可能に密着しかつ杭頭回転に伴って径方向に相対摺動可能な対の凸球面と凹球面とが形成され、かつ前記上部部材を下部部材に対する相対摺動を許容しつつ杭頭部もしくは下部部材に対して連結する連結部材を有するものが好ましい。さらに、その杭頭デバイスにおける連結部材は、杭頭回転に伴う下部部材と上部部材との径方向の相対摺動により塑性変形して振動エネルギーを吸収するためのダンパーとしての機能を有するものが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、杭頭部と免震装置との間に介装した杭頭デバイスによって杭頭回転を支障なく許容可能であり、かつその杭頭デバイスによって杭頭回転を適正な許容範囲内に収まるように制御して過大な杭頭回転を拘束することが可能であるから、地震時における杭頭部の挙動が明解かつ適正に評価可能であって構造的に合理的である。したがって、従来の単なる杭頭免震構造においては依然として必要とされていた基礎梁やつなぎ梁、底盤を完全省略することが可能であって、杭頭免震構造の本来の利点を充分に生かしつつ、免震構造としての信頼性と安全性を一層向上させることができ、液状化地盤も含めて様々な地盤条件に幅広く適用することも可能である。
【0011】
特に本発明では、凸球面と凹球面とを摺動可能に組み合わせた構成の汎用の杭頭ピンデバイスを好適に採用可能であるし、その場合において杭頭デバイスにおける下部部材と上部部材とを連結する連結部材をダンパーとして機能させることにより他にダンパーを設ける必要もないので、この点においても免震構造全体の簡略化と合理化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の杭頭免震構造の一実施形態を図1に示す。本実施形態の杭頭免震構造は、基本的には特許文献1に示されている従来の杭頭免震構造と同様に、積層ゴム等の免震装置1を杭2の杭頭部に設置することで大断面かつ剛強な基礎梁を省略し、したがって免震ピット3を充分に浅くできるものであるが、本実施形態では杭2と免震装置1との間に杭頭回転を許容しつつ制御するための杭頭デバイス4を設置することを主眼としている。
【0013】
杭頭デバイス4は、基本的にはたとえば特開2001−348885号公報に記載されているいわゆる杭頭ピンデバイスと同様に機能するものであって、上向きの凸球面5aを有する下部部材5を杭頭部に対して固定するとともに、下向きの凹球面6aを有する上部部材6を免震装置1の底面に対して固定して、それら凸球面5aと凹球面6aとを直接的に密着させることによりそれらの間で軸力を支障なく伝達しつつ(つまり上部構造の荷重を杭2によって支障なく支持しつつ)、杭頭回転に伴う凸球面5aと凹球面6aとの径方向の相対的な摺動を許容するものであり、しかも凸球面5aと凹球面6aとの接触面積や接触面の粗度、面圧力等の調整により設定される摩擦抵抗力によって杭頭回転を制御可能なものであり、それにより杭頭回転を適正な許容範囲内に収めて過大な杭頭回転が生じることを防止できるものである。
【0014】
より具体的には、本実施形態における杭頭デバイス4における下部部材5は、フランジ状のベース部5bの中心部に凸球面5aが上方に突出して形成されたものとなっており、そのベース部5bがアンカーボルト7により無収縮モルタル8を介して杭頭部に対して強固に固定されている。
なお、本実施形態における杭2は、PHC杭2aの杭頭部に同径の杭頭鋼管2bを一体化してその杭頭鋼管2b内に充填コンクリート2c(高流動コンクリートが好ましい)を充填したものとされ、杭頭デバイス4の下部部材5を固定するためのアンカーボルト7はその充填コンクリート2cに対して埋設されて定着されている。そして、杭頭鋼管2b内面には環状のシアキー2dが3段にわたって形成されていて、杭頭鋼管2b内の充填コンクリート2cはそれらシアキー2dを介して杭頭鋼管2bに対して確実に一体化しており、上部構造から免震装置1、杭頭デバイス4を介して充填コンクリート2cに伝達された軸力は、充填コンクリート2cと杭頭鋼管2a内面との付着力のみならずシアキー2dを介して杭頭鋼管2bに伝達され、そこからPHC杭2aへと確実に伝達し得るものとなっている。
【0015】
一方、杭頭デバイス4における上部部材6は、フランジ状のベース部6bの下面側中心部に凹球面6aが形成されており、そのベース部6bが免震装置1の下部ベースプレート1aに対して多数のアンカーボルト9により締結されて一体に固定されている。そして、上部部材6の凹球面6aが下部部材5の凸球面5aに被せられてそれら下部部材5と上部部材6とが相対的に摺動可能に組み合わせられ、かつ上部部材6はダンパーとしても機能する連結部材10によって杭頭部に対して連結されたものとなっている。
【0016】
連結部材10は鉛系金属材料を素材として形成されたもので、上部部材6を杭頭部に定着するためのアンカーボルトとしての強度を有するばかりでなく、従来一般の鉛プラグ入り積層ゴムにおける鉛プラグと同様にダンパーとしても機能するようになっている。すなわち、連結部材10の上端部は上部部材6の中心部に形成された座ぐりを貫通してそこに締結され、下端部は下部部材5の中心部に形成された座ぐりを貫通して杭頭鋼管2b内の充填コンクリート2c内に達し、そこに予め埋設されている袋ナット11に差し込まれて定着されている。これにより、杭頭回転が生じて上部部材6が下部部材5および杭頭部に対して径方向に相対摺動を生じた際には、連結部材10は径方向(つまり水平横方向)に剪断力を受けて側方に変位しつつ塑性変形が生じ、それによる振動エネルギー吸収効果を発揮するものとなっている。勿論、そのダンパー効果は連結部材10の素材や径寸法、長さ寸法等の調整により自由にかつ幅広く設定できるものとなっている。
【0017】
なお、図1における符号15は免震装置1により免震支持される上部構造としての建物の最下階の梁であり、免震装置1はその上部ベースプレート1bが梁15の底面に対してアンカーボルト16により固定されている。
また、符号17は杭頭デバイス4の周囲全体を覆うカバー、18は凸球面5aと凹球面6aとの間に介装されたシールであり、これらにより凸球面5aと凹球面6aとの間への異物の侵入を有効に防止できるものとなっている。
さらに、符号19は免震ピット3の底面となっている土間スラブであるが、この土間スラブ19には特許文献1に示されている従来の杭頭免震構造における底盤のように杭頭回転を拘束する機能は不要であるから構造スラブである必要はなく、単なる土間コンクリートあるいは捨てコン程度でも充分である
【0018】
以上で説明した本実施形態の杭頭免震構造によれば、杭2の杭頭部と免震装置1との間に介装した杭頭デバイス4によって杭頭回転が支障なく許容され、かつその杭頭デバイス4によって杭頭回転を適正な許容範囲内に収まるように制御して過大な杭頭回転を拘束することが可能であるから、地震時における杭頭部の挙動が明解かつ適正に評価可能であって構造的に合理的であるし、従来の単なる杭頭免震構造に比べて免震構造としての信頼性と安全性を一層向上させることができ、液状化地盤も含めて様々な地盤条件に幅広く適用することも可能である。
【0019】
勿論、本実施形態の杭頭免震構造は従来の杭頭免震構造を基本としてそれに杭頭デバイス4を付加したのみであるので、杭頭免震構造の本来的な利点、すなわち、頑強な基礎梁やつなぎ梁あるいは底盤が不要である、それら基礎梁やつなぎ梁あるいは底盤の完全省略による免震基礎と免震ピット3の大幅な簡略化、合理化、コストダウンを実現できる、杭頭部に大きな杭頭モーメントが作用することがないので杭2自体の合理化も図ることができる、といった様々な利点をそのまま生かすことができる。
【0020】
また、杭頭デバイス4としては既に実用化されている杭頭ピンデバイス、特に上記実施形態において採用したような凸球面5aと凹球面6aとを摺動可能に組み合わせたものをそのまま好適に採用可能であるが、さらに杭頭デバイス4における連結部材10をダンパーとして機能させることにより、他にダンパーを設ける必要が一切なく、したがって免震装置1としては従来においては多用されている減衰機構付きのもの(鉛ダンパー入り積層ゴムや高減衰積層ゴム等)に代えて単純かつ安価な天然ゴム系の積層ゴムを用いることで充分であるので、この点においても構造全体の簡略化と合理化を図ることができる。
【0021】
以上で本発明の好適な一実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものでは勿論なく、たとえば以下のような応用や変形が考えられる。
杭頭デバイス4としては上記実施形態のものに限られず、杭頭回転を許容し制御可能なものである限りにおいてその構造や形式は任意であり、たとえばカバー17やシール18の有無は任意であるし、上記実施形態とは天地を逆にしたものも同様に採用可能である。
杭頭デバイス4としては上記実施形態のようにダンパーとしても機能する連結部材10を組み込んだものが好適に採用可能ではあるが、それに限定するべきものでもなく、減衰機構を備えた免震装置を用いる場合や、他にダンパーを設置する場合等においては、ダンパー機能を有していない従来一般の杭頭ピンデバイスを用いることでも良い。
勿論、杭2としてはPHC杭に限らず他の構造の杭たとえば鋼管杭も採用可能(その場合には鋼管杭の杭頭部をそのまま上記実施形態における杭頭鋼管2bとして機能させれば良い)であるし、免震装置1の形式も任意であり、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で様々な設計的変更が可能であることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の杭頭免震構造の実施形態を示す基礎部の断面図である。
【符号の説明】
【0023】
1 免震装置
1a 下部ベースプレート
1b 上部ベースプレート
2 杭
2a PHC杭
2b 杭頭鋼管
2c 充填コンクリート
2d シアキー
3 免震ピット
4 杭頭デバイス
5 下部部材
5a 凸球面
6 上部部材
6a 凹球面
7 アンカーボルト
8 無収縮モルタル
9 アンカーボルト
10 連結部材
11 袋ナット
15 梁
16 アンカーボルト
17 カバー
18 シール
19 土間スラブ




 

 


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