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発明の名称 既製コンクリート杭の杭頭半剛接構造
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−146421(P2007−146421A)
公開日 平成19年6月14日(2007.6.14)
出願番号 特願2005−340003(P2005−340003)
出願日 平成17年11月25日(2005.11.25)
代理人 【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
発明者 磯田 和彦 / 青木 孝
要約 課題
簡易な構成により杭頭の回転拘束力を緩和させて回転剛性を低減すると共に、杭の軸方向に作用する引張耐力を確保できるようにした。

解決手段
既製コンクリート杭10の杭頭半剛接構造は、杭体コンクリート11の内側に打設してなる中詰めコンクリート15を介して基礎50に接合させている。既製コンクリート杭10は、杭頭10aの杭端外周部10bを覆うシート状で弾力性を有する緩衝部材13を設け、緩衝部材13を基礎50に埋め込ませて構成し、杭頭10aの内周部に多数の頭付きスタッド20を配設し、杭体コンクリート11の中空部にアンカー筋30を配している。杭体コンクリート11の上端には、端板12を介して第二緩衝部材14が設けられる。
特許請求の範囲
【請求項1】
既製コンクリート杭の杭頭に杭端外周部を覆う弾力性を有する緩衝部材を設け、
該緩衝部材を構造物躯体の基礎に埋め込ませ、
前記杭頭を、前記既製コンクリート杭を構成する円筒形状をなす杭体コンクリートの内側の中空部に打設してなる中詰めコンクリートを介して前記基礎に接合させて構成されていることを特徴とする既製コンクリート杭の杭頭半剛接構造。
【請求項2】
前記杭体コンクリートの上端には、第二緩衝部材が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の既製コンクリート杭の杭頭半剛接構造。
【請求項3】
前記既製コンクリート杭の内周部に多数の頭付きスタッドを配設し、該各頭付きスタッドの先端を前記杭体コンクリートの内周面より突出させたことを特徴とする請求項1または2に記載の既製コンクリート杭の杭頭半剛接構造。
【請求項4】
前記既製コンクリート杭の中空部には、複数のアンカー筋が前記杭頭より上方に突出させて杭軸方向に配設されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の既製コンクリート杭の杭頭半剛接構造。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、既製コンクリート杭の杭頭と構造物躯体の基礎とを接合する杭頭半剛接構造に関する。
【背景技術】
【0002】
PHC杭(遠心力高強度プレストレストコンクリート杭)、SC杭(外殻鋼管付きコンクリート杭)、PRC杭(プレストレスト鉄筋コンクリート杭)などの中空形状をなす既製コンクリート杭が製品化されている。そして、これらの既製コンクリート杭は、従来の埋め込み杭工法に比較して大幅な支持力向上が進んだことから、場所打ちコンクリート杭に比較してコストの優位性が高まっている。
従来、杭と建物基礎との接合構造は、杭の主筋を基礎に定着するなどして杭頭接合部を剛接合とする構造を基本としていた。そして、既製コンクリート杭の場合は、杭頭にアンカー筋やパイルスタッドを設けて基礎に埋め込ませた剛接合としていた。この構造は、地震時において、杭頭部に大きな曲げ応力が発生するため杭頭接合部が損傷するという欠点があった。そこで、杭頭での接合の固定度を低下させることで、杭頭の固定度(回転剛性)を低減し、杭頭に生じる曲げモーメントを低減させることで杭や基礎の合理化を図った半剛接構造が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1は、既製コンクリート杭の杭頭外周に円筒形状のリング部材(接合部材)をかぶせるように配置し、このリング部材を介して杭頭と基礎とを接合させた杭頭接合構造である。この構造は、杭頭が基礎に直接接合していないため、杭頭の回転剛性を低減させるものである。
【特許文献1】特開2002−167776号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1の既製コンクリート杭における半剛接構造は、杭本体と基礎との接合(接触)箇所がない又は少ないため、杭軸方向力が小さい場合に剪断耐力が低下するという欠点があり、地震時における引張り耐力を確保できる構造ではなかった。そのため、杭頭の回転剛性を増加させることなく、すなわち杭頭の回転拘束力を緩和させた構造で且つ引張り耐力を確保できる好適な構造が必要とされていた。
【0004】
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、簡易な構成により杭頭の回転拘束力を緩和させて回転剛性を低減すると共に、杭の軸方向に作用する引張り耐力を確保できるようにした既製コンクリート杭の杭頭半剛接構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明に係る既製コンクリート杭の杭頭半剛接構造では、既製コンクリート杭の杭頭に杭端外周部を覆う弾力性を有する緩衝部材を設け、緩衝部材を構造物躯体の基礎に埋め込ませ、杭頭を、既製コンクリート杭を構成する円筒形状をなす杭体コンクリートの内側の中空部に打設してなる中詰めコンクリートを介して基礎に接合させて構成されていることを特徴としている。
本発明では、例えば地震などの発生により杭頭に曲げモーメントが作用したとき、杭頭の杭端外周部に設けられた例えばゴム製の材料からなる緩衝部材は、弾性変形によって押し潰されるようにして変形する。したがって、既製コンクリート杭は、この変形の範囲内で回転が可能となる。つまり、杭頭における回転剛性の増大を抑制でき、半剛接構造を実現することができる。また、中詰めコンクリートを介して杭と構造物躯体との間で確実に軸力伝達させることにより、引張り耐力を確保することができる。
【0006】
また、本発明に係る既製コンクリート杭の杭頭半剛接構造では、杭体コンクリートの上端には、第二緩衝部材が設けられていることが好ましい。
本発明では、第二緩衝部材により杭頭上端と基礎との接触がなくなるため、既製コンクリート杭と基礎との接合は、杭の中空部の中詰めコンクリートのみとなる。このように基礎に接する杭断面積が小さくなるため、回転剛性がより低減される。
【0007】
また、本発明に係る既製コンクリート杭の杭頭半剛接構造では、既製コンクリート杭の内周部に多数の頭付きスタッドを配設し、各頭付きスタッドの先端を杭体コンクリートの内周面より突出させることが好ましい。
本発明では、中詰めコンクリートを介して構造物躯体と一体化する頭付きスタッドを既製コンクリート杭の中空部に設けることで、杭の引張り耐力を強化させて抵抗できる構造とすることができる。
【0008】
また、本発明に係る既製コンクリート杭の杭頭半剛接構造では、既製コンクリート杭の中空部には、複数のアンカー筋が杭頭より上方に突出させて杭軸方向に配設されていることが好ましい。
本発明では、中詰めコンクリートを介して構造物躯体と一体化するアンカー筋を既製コンクリート杭の中空部に配設することで、杭の引張り耐力を強化させて抵抗できる構造とすることができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の既製コンクリート杭の杭頭半剛接構造によれば、例えば地震などの発生により杭頭に曲げモーメントが作用したとき、既製コンクリート杭は、緩衝部材の変形の範囲内で回転が可能となり、杭頭の回転拘束力を緩和させることができる。すなわち、杭頭における回転剛性の増大を抑制でき、半剛接構造を実現することができる。また、中詰めコンクリートを介して杭と構造物躯体との間で確実に軸力伝達させることにより、引張り耐力を確保することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の既製コンクリート杭の杭頭半剛接構造の第一の実施の形態について、図1に基づいて説明する。
図1(a)は第一の実施の形態の既製コンクリート杭の杭頭の立断面図、(b)は杭頭に配設された組立筋の平面図である。
【0011】
図1(a)及び(b)に示すように、既製コンクリート杭10は、PHC杭(遠心力高強度プレストレストコンクリート杭)である。
この既製コンクリート杭10の杭頭半剛接構造は、中空の杭頭10aの内周部に多数の頭付きスタッド20を配設し、各頭付きスタッド20の先端を既製コンクリート杭10を構成する円筒形状をなす杭体コンクリート11の内周面より突出させ、この既製コンクリート杭10の上端面には端板12が配され、端板12の外周縁に杭端外周部10b(杭頭10aの基礎50への埋込部)を覆う緩衝部材13を設けた構成を有している。
【0012】
杭体コンクリート11内には、円筒籠状の支持部材であり、既製コンクリート杭10の軸線方向に延び且つ一端が杭頭10aの端板12に接合された複数の固定プレート22と、固定プレート22を円周方向に間隔的に保持するフープ状の組立筋23とで構成されており、各固定プレート22の内面に上記の頭付きスタッド20の基端が接合されることで一体のフレーム状の支持部材21が形成されている。
【0013】
緩衝部材13は、例えば数センチ程度の厚さ寸法のシート状をなし、例えば止水性が高く剛性の小さな軟質ゴムなどの弾力性を有する材料が採用される。
この緩衝部材13は、杭頭10aにおける回転力に対応したものである。すなわち、杭頭10aに回転力が作用したとき、杭頭10aの杭端外周部10bに設けられた緩衝部材13は、弾性変形によって押し潰されるようにして変形する。したがって、既製コンクリート杭10は、この変形の範囲内で回転が可能となる。なお、緩衝部材13は、杭に作用する引張り耐力の有無に関係なく配置させる。
【0014】
端板12の上面には、例えばエラスタイト(登録商標、三興化学工業社製)などの発泡性を有する材料からなる第二緩衝部材14が設けられている。この第二緩衝部材14を設けることにより、杭10の中空部の中詰めコンクリート15のみが上部の基礎50に直接接続される構造となる。
このときの杭10と基礎50との接合面積(端板12又は第二緩衝部材14の内側の円形部分、中空部の面積に相当)は、例えば杭10の全断面に対して略半分となる。具体的には、基礎50に接する杭10の断面積(接触部の径)が小さいほど杭頭回転剛性が低減される。PHC杭の場合の内空部の内径は概ね杭径の0.7倍であることから、杭頭10aで中空部のみを基礎50に接触させることで、杭全断面を基礎50に接触させる場合より、杭頭回転剛性を1/3程度に低減できる。
【0015】
また、既製コンクリート杭10の断面中央部には、複数のアンカー筋30が杭頭10aより上方に突出させて杭軸方向に配設されている。このアンカー筋30は、所定箇所でフープ状の組立筋31によって緊結され、端板12上部に受け筋32を設け、この受け筋32で組立筋31が支持され、杭天端(第二緩衝部材14)でアンカー筋30の自重を受けている。
なお、アンカー筋30に代えて、アンカー筋30の端部を拡大したTヘッドバー(登録商標、清水建設社製)やマイティヘッド(登録商標、清水建設社製)鉄筋などを使用することでアンカーの長さ寸法を短くするようにしてもよい。
【0016】
このように中空の杭頭10aの内周側に多数の頭付きスタッド20と複数のアンカー筋30を配設したので、その中に中詰めコンクリート15を打設することにより、頭付きスタッド20及びアンカー筋30の剪断抵抗力及び定着力が確保され、中詰めコンクリート15と既製コンクリート杭10との一体性を高めることができる。
したがって、特別な追加工事を行わないでも、中詰めコンクリート15を介して、既製コンクリート杭10と構造物躯体との間の確実な軸力伝達を行うことができ、工事費用の削減が図れる。また、支持部材21を用いたことにより、頭付きスタッド20が配設しやすくなり、既製コンクリート杭10の製作が容易にできる。
【0017】
次に、本既製コンクリート杭10の杭頭半剛接構造の施工について説明する。
図1(a)及び(b)に示すように、先ず、固定プレート22に頭付きスタッド20を杭の中空部に頭部が突出するように溶接し、その後、杭体コンクリート11を打設して既製コンクリート杭を製造しておく。
まず、構造物躯体を支持するため、既製コンクリート杭10を、その緩衝部材13が基礎50に埋め込まれるようにして地盤に立設する。この場合、既製コンクリート杭10の杭頭10aの中空部には頭付きスタッド20の先端が突出することになるが、杭施工方法として、埋め込み工法(プレボーリング形式)や打撃工法を採用したとしても、この頭付きスタッド20が施工の障害になることはなく、従来の施工方法をそのまま踏襲することができる。
次いで、杭頭10aに構造物躯体と結合するための中詰めコンクリート15を打設する。この際、必要に応じて杭頭10aの中空部に補強用のアンカー筋30を建て込む。
【0018】
上述した本第一の実施の形態による既製コンクリート杭の杭頭半剛接構造では、例えば地震などの発生により杭頭10aに回転力が作用したとき、既製コンクリート杭10は、緩衝部材13の変形の範囲内で回転が可能となり、杭頭10aの回転拘束力を緩和させることができる。すなわち、杭頭10aにおける回転剛性の増大を抑制でき、半剛接構造を実現することができる。また、中詰めコンクリート15を介して杭と構造物躯体との間で確実に軸力伝達させることにより、引張り耐力を確保することができる。
【0019】
次に、本発明の第二の実施の形態について、図2に基づいて説明するが、上述の第一の実施の形態と同一又は同様な部材、部分には同一の符号を用いて説明を省略し、第一の実施の形態と異なる構成について説明する。
図2(a)は第二の実施の形態の既製コンクリート杭の杭頭の立断面図、(b)は杭頭に配設された組立筋の平面図である。
図2(a)、(b)に示すように、第二の実施の形態における既製コンクリート杭10は、杭体コンクリート41の外周に外殻鋼管42を配したSC杭(外殻鋼管付きコンクリート杭)に本発明を適用するものである。この既製コンクリート杭40は、外殻鋼管42の内周に頭付きスタッド20の基端が溶接などで接合され、杭体コンクリート41が打設されて製作されている。杭頭40aの上端部に端板12が溶接で連結されている。そして、杭端外周部40bには第一の実施の形態と同様に緩衝部材13が設けられている。
なお、第二の実施の形態では、第一の実施の形態の第二緩衝部材14(図1参照)が省略されているため、杭頭40aの上端面で基礎50に接触する構造である。このため、第一の実施の形態(図1参照)の杭の中空部と基礎50が接触する構造と比べると、基礎50との接触面積が大きいため杭の回転剛性が増えることになる。
本第二の実施の形態のような半剛接構造では、例えば、支持力が大きい高耐力杭工法(杭外周部から外方に突出させた節を設けることで地盤に対する支持力を増大させた工法)による杭に採用することが好ましい。つまり、高耐力杭の場合、回転剛性が作用する部分の圧縮応力が大きくなるため、第二の実施の形態のように杭10の上端面を基礎50に接触させるようにするとよい。要は、既製コンクリート杭に作用する軸力と曲げモーメントのバランスを考慮して上述したような杭の上端面と基礎50との接触面積を設定すればよい。
【0020】
以上、本発明による既製コンクリート杭の杭頭半剛接構造の第一及び第二の実施の形態について説明したが、本発明は上記の第一及び第二の実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、第一及び第二の実施の形態ではアンカー筋30は基本的に平面視円形に配置されているが、杭上部に施工される基礎50の水平方向に設けられる配筋との干渉を避けるために平面視四角形状に配置してもよい。
また、第一の実施の形態ではPHC杭、第二の実施の形態ではSC杭の既製コンクリート杭10、40を使用しているが、これらに限定されず、この他にPRC(プレストレスト鉄筋コンクリート杭)などが既製コンクリート杭の対象となる。
また、アンカー筋30については、杭に引張り耐力が生じる場合に設ければよく、引張り耐力が作用しない場合には設けなくてもよい。そして、アンカー筋30に鞘管等を被せてアンカー筋30と鞘管との間に非接着部を設けることにより可撓長さを大きくして固定度(回転剛性)の増大を抑制させるようにしてもよい。
さらに、アンカー筋30の本数、径、材種および頭付きスタッド20の径、本数については本第一及び第二の実施の形態に限定されることはなく、施工条件に対応して適宜設定すればよい。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】(a)は本発明の第一の実施の形態の既製コンクリート杭の杭頭の立断面図、(b)は杭頭に配設された組立筋の平面図である。
【図2】(a)は本発明の第二の実施の形態の既製コンクリート杭の杭頭の立断面図、(b)は杭頭に配設された組立筋の平面図である。
【符号の説明】
【0022】
10、40 既製コンクリート杭
10a、40a 杭頭
10b、40b 杭端外周部
11、41 杭体コンクリート
12 端板
13 緩衝部材
14 第二緩衝部材
15 中詰めコンクリート
20 頭付きスタッド
30 アンカー筋
50 基礎





 

 


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