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発明の名称 柱主筋の継手構造
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−132158(P2007−132158A)
公開日 平成19年5月31日(2007.5.31)
出願番号 特願2005−328550(P2005−328550)
出願日 平成17年11月14日(2005.11.14)
代理人 【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
発明者 戸沢 正美 / 刑部 章 / 徳田 浩 / 中澤 春生 / 称原 良一
要約 課題
施工が容易で継手コストの削減が可能な、柱主筋の継手構造を提供する。

解決手段
柱は、周囲をフープ筋で拘束された太径の高強度鉄筋からなる柱主筋1と高強度コンクリートから構成される(超)高層RC造建物の中柱であり、柱の中間部に柱主筋1の継手が設けられている。柱の四隅に配設される柱主筋1の継手は機械式継手3とされ、その他の柱主筋1の継手は、柱主筋1より小さな径を有する添え筋2を用いた重ね継手とされている。下階から立ち上げられた柱主筋1dと上階の柱主筋1uとを接合する継手の位置、即ち、継手から床4までの下方距離hおよび継手から梁底5までの上方距離hは、L=σ・a/(τ・φ)によって算出されるカットオフ長さL以上とされている。ここに、σ:柱主筋の降伏強度、a:柱主筋の断面積、τ:柱主筋とコンクリートとの付着割裂強度、φ:柱主筋の周長である。
特許請求の範囲
【請求項1】
柱の四隅に配設される柱主筋の継手が機械式継手とされ、その他の柱主筋の継手が、柱主筋より小さな径を有する添え筋を用いた重ね継手とされていることを特徴とする柱主筋の継手構造。
【請求項2】
前記継手から床までの下方距離および前記継手から梁底までの上方距離が、次式によって算出されるカットオフ長さL以上とされていることを特徴とする請求項1に記載の柱主筋の継手構造。
L=σ・a/(τ・φ)
ここに、
σ:柱主筋の降伏強度、
a:柱主筋の断面積、
τ:柱主筋とコンクリートとの付着割裂強度、
φ:柱主筋の周長
【請求項3】
前記添え筋が、前記柱主筋に沿って床から立ち上げられていることを特徴とする請求項1または2に記載の柱主筋の継手構造。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、柱主筋の継手構造に関し、特に、中柱のような軸力変動の小さな柱における柱主筋の継手構造に関する。
【背景技術】
【0002】
(超)高層RC造の建物では、太径の高強度鉄筋(例えば、鉄筋径:D38、D41、鋼種:SD490、SD590、USD685)を使用するため、主筋の継手を機械式継手(ネジグラウト継手)とすることが一般的である(例えば、特許文献1参照)。
しかし、機械式継手を使用する建物は、鉄筋の単位重量当たりの単価が通常の建物よりも高く、柱1台の施工費に占める機械式継手の費用は約1/3となっている。
そこで、発明者らは、機械式継手によるコストアップを最小限に抑えるため、 梁中央に設けた 梁主筋の接合部を、 梁主筋と比較して小さい断面径を有する 継手筋を用いた重ね継手とする梁主筋の継手構造を提案している(特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平10−311087号公報
【特許文献2】特開2005−42442号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、柱の場合は柱主筋に引張力が作用し、軸力が変動するため、特許文献2に記載された継手構造を採用することは難しい。
【0004】
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、施工が容易で継手コストの削減が可能な、柱主筋の継手構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明に係る柱主筋の継手構造は、柱の四隅に配設される柱主筋の継手が機械式継手とされ、その他の柱主筋の継手が、柱主筋より小さな径を有する添え筋を用いた重ね継手とされていることを特徴とする。
本発明では、四隅に配設される柱主筋の継手を機械式継手としているので、柱が多少、軸力変動しても軸力を伝達することができる。しかも、その他の柱主筋の継手を重ね継手としているので、従来に比べて施工が容易で、継手コストの削減が可能である。加えて、柱主筋より小さな径を有する添え筋を使用するので、添え筋 の部材長を短くすることができ 、材料費を大幅に削減することが可能となる。
【0006】
図5に、1m×1mの正方形断面を有する柱(コンクリート強度:Fc=48N/mm、柱主筋:20−D41、降伏強度Ft=490N/mm)の終局耐力に関するM−N曲線を示す。図中、縦軸が軸力N、横軸が曲げモーメントMであり、細線10が一般部のM−N曲線、太線11が、本発明に係る継手部(添え筋:16−D29、降伏強度Ft=390N/mm)のM−N曲線を示している。
ここでは、柱に引張力が作用して軸力Nがゼロになった場合について検討する。
図4に示すように、柱の曲げモーメント分布が、柱上端でM=0kN・m、柱下端でM=Mmax=5600kN・mの三角形分布であると仮定する。図5に示すように、一般部では、軸力N=0における終局時最大曲げモーメントMmaxは5600kN・mである(図5のP点)。
一方、図4に示すように、継手部が柱の中央に設けられている場合、継手部における曲げモーメントは2800kN・mとなる。図5に示すように、継手部では、軸力N=0における終局時最大曲げモーメントMmaxは3000kN・mである(図5のQ点)。即ち、継手部の曲げモーメントは継手部の終局時最大曲げモーメント以下となり、安全である。
【0007】
また、本発明に係る柱主筋の継手構造では、前記継手から床までの下方距離および前記継手から梁底までの上方距離が、次式によって算出されるカットオフ長さL以上とされていることことを好適とする。
L=σ・a/(τ・φ)
ここに、
σ:柱主筋の降伏強度、
a:柱主筋の断面積、
τ:柱主筋とコンクリートとの付着割裂強度、
φ:柱主筋の周長
【0008】
カットオフ位置は柱主筋に作用する引張力がゼロとなる位置であり、カットオフ長さとは、柱の上端または下端からカットオフ位置までの距離のことである。
カットオフ位置で柱主筋に作用する引張力がゼロとなるので、柱の上端または下端において柱主筋に作用する引張力σ・aは、上端または下端からカットオフ位置までの柱主筋の付着力τ・φ・Lと釣り合うことになる。即ち、τ・φ・L=σ・aが成立する。従って、カットオフ長さL=σ・a/(τ・φ)となる。
継手位置を上記のように規制することにより、継手位置における柱主筋の引張力は理論上、ゼロとなる。
【0009】
また、本発明に係る柱主筋の継手構造では、前記添え筋が、前記柱主筋に沿って床から立ち上げられていてもよい。
本発明では、添え筋を柱主筋に沿って床から立ち上げることにより、応力伝達可能な添え筋を簡単に施工することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る柱主筋の継手構造では、柱の四隅に配設される柱主筋の継手を機械式継手とし、その他の柱主筋の継手を、柱主筋より小さな径を有する添え筋を用いた重ね継手としているので、従来に比べて施工が容易で、継手コストの削減が可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
図1および図2は、本発明に係る柱主筋の継手構造の一実施形態を示したものである。なお、図1では、図が煩雑になるためフープ筋は省略している。
図の柱は、周囲をフープ筋6で拘束された太径の高強度鉄筋からなる柱主筋1と高強度コンクリートから構成される(超)高層RC造建物の中柱であり、柱の中間部に柱主筋1の継手が設けられている。柱の四隅に配設される柱主筋1の継手は機械式継手3とされ、その他の柱主筋1の継手は、柱主筋1より小さな径を有する添え筋2を用いた重ね継手とされている。機械式継手3としては、トルク固定式、グラウト充填式、スリーブ圧着式等いずれの方式でもよい。
【0012】
また、下階から立ち上げられた柱主筋1dと上階の柱主筋1uとを接合する継手の位置、即ち、継手から床4までの下方距離hおよび継手から梁底5までの上方距離hは、次式によって算出されるカットオフ長さL以上とされている。
L=σ・a/(τ・φ)
ここに、
σ:柱主筋の降伏強度、
a:柱主筋の断面積、
τ:柱主筋とコンクリートとの付着割裂強度、
φ:柱主筋の周長
【0013】
本実施形態による柱主筋の継手構造では、四隅に配設される柱主筋1の継手を機械式継手3としているので、柱が多少、軸力変動しても軸力を伝達することができる。しかも、その他の柱主筋1の継手を重ね継手としているので、従来に比べて施工が容易で、継手コストの削減が可能である。加えて、柱主筋1より小さな径を有する添え筋2を使用するので、添え筋2の部材長を短くすることができ、材料費を大幅に削減することが可能となる。因みに、柱1台当たり柱主筋20−D41とすると、通常、機械式継手20箇所×4000円=80000円のところ、本発明によれば、機械式継手4箇所×4000円=16000円、および添え筋16箇所×10kg×100円/kg=16000円の計32000円となり、柱の継手コストを60%削減することができる。
また、施工時には、四隅に配設される機械式継手3を利用して上階の柱主筋1uを保持し、上階の柱主筋1uのレベルを調整することができる。
【0014】
図3は、本発明に係る柱主筋の継手構造の他の実施形態を示したものである。
本実施形態では、添え筋12が、下階から立ち上げられた柱主筋1dに沿って床4から立ち上げられ、結束筋(図示省略)で柱主筋1dに固定されている。このため、添え筋12を柱主筋1dに容易に固定することができる。
【0015】
なお、本実施形態では、(超)高層RC造建物の中柱を対象としているが、多少の軸力変動のある柱についても適用可能である。
【実施例】
【0016】
柱断面寸法:1m×1m、コンクリート強度:Fc=48N/mm、柱主筋:20−D41、降伏強度Ft=490N/mm、添え筋:16−D29、降伏強度Ft=390N/mmの柱について、カットオフ長さLを計算すると、以下に示すように概ね1000mm程度となる。
L=σ・a/(τ・φ)
=490×1340/(5.3×130)=953(mm)
ここで、上式における付着割裂強度τ=5.3N/mmは、柱主筋、添え筋、フープ筋、コンクリート強度などの諸定数に基づいて、高強度鉄筋の付着強度算定式(説明省略)により計算された値である。
【0017】
なお、柱主筋には通常、定尺鉄筋を使用するので、継手高さは各階ごとに異なる。従って、各階ごとに異なる継手高さを設定する必要がある。例えば、基準階階高が3200mmとすると、n階の継手高さが1000mmの場合、n+1階の継手高さは定尺鉄筋の長さを3500mmとして1300mm、n+2階の継手高さは定尺鉄筋の長さを3000mmとして1100mmとなる。
【0018】
基準階階高3200mm、基準階の梁成800mmとすると、柱の内法高さは2400mm、柱主筋のカットオフ長さL=1000mmであるから、継手高さは床から1000〜1400mmの間に設定する必要がある。これを、定尺鉄筋を使用して上記の要領で各階ごとに継手高さを設定する。
【0019】
また、添え筋の長さは計算上1000mm程度でよく、床から添え筋を立ち上げる場合は長さ2000mm程度の添え筋を用いればよい。継手高さが1000〜1400mmの間で変動した場合でも、長さ2000mmの添え筋を床から立ち上げることにより、応力伝達可能な添え筋を簡単に施工することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明に係る柱主筋の継手構造の一実施形態を示す立断面図である。
【図2】図1におけるA−A矢視断面図である。
【図3】本発明に係る柱主筋の継手構造の他の実施形態を示す立断面図である。
【図4】柱の曲げモーメント分布図である。
【図5】柱の終局耐力に関するM−N曲線である。
【符号の説明】
【0021】
1、1u、1d 柱主筋
2、12 添え筋
3 機械式継手
4 床
5 梁底
6 フープ筋
下方距離
上方距離




 

 


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