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発明の名称 既設ケーソン護岸工の目地閉塞構造
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−132064(P2007−132064A)
公開日 平成19年5月31日(2007.5.31)
出願番号 特願2005−325581(P2005−325581)
出願日 平成17年11月10日(2005.11.10)
代理人 【識別番号】100098246
【弁理士】
【氏名又は名称】砂場 哲郎
発明者 若林 雅樹
要約 課題
既設ケーソン護岸工において、基礎に生じた不陸等により隣接したケーソン間の目地に過度の隙間が生じた際に、迅速にその目地を閉塞し、裏込め砂等の吸い出しを防止できるようにする。

解決手段
隣接するケーソン2の対向する側壁面2aの一部を切削し、ケーソン2の高さ方向に沿って形成されたフィルタ材収容孔11と、フィルタ収容孔11内に収容され、内部に充填された粒径1〜2cmの中詰め石材14により、外周面の一部をケーソン側壁面2aに密着させ、隣接するケーソン2の目地を閉塞するようにした、フィルタ材収容孔11の内径より、わずかに小さい外径寸法に設定された筒状フィルタ材15とから構成したことにより、隣接するケーソン2の不陸等によって生じた目地を閉塞し、裏込め砂3等の吸い出しを防止できる。
特許請求の範囲
【請求項1】
隣接するケーソン側壁面の対向する面の一部を切削し、前記ケーソンの高さ方向に沿って形成されたフィルタ材収容孔と、該フィルタ収容孔内に収容され、内部に充填された中詰め材により、外周面の一部を前記ケーソン側壁面に密着させ、前記隣接するケーソンの目地を閉塞する筒状フィルタ材とを備えことを特徴とする既設ケーソン護岸工の目地閉塞構造。
【請求項2】
前記筒状フィルタ材は、前記フィルタ材収容孔の内径より、わずかに小さい外径寸法に設定され、前記中詰め材を充填した状態で、その外周面の一部が前記ケーソン側壁面に密着することを特徴とする請求項1記載の既設ケーソン護岸工の目地閉塞構造。
【請求項3】
前記筒状フィルタ材は、不織布を筒状に縫着してなることを特徴とする請求項1に記載の既設ケーソン護岸工の目地閉塞構造。
【請求項4】
前記中詰め材は、粒径1〜2cmの石材を用いたことを特徴とする請求項1に記載の既設ケーソン護岸工の目地閉塞構造。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は既設ケーソン護岸工の目地閉塞構造に係り、既設ケーソン護岸工において、基礎に生じた不陸等により隣接したケーソン間の目地に過度の隙間が生じた際に、迅速にその目地を閉塞し、裏込め砂等の吸い出しを防止できるようにした既設ケーソン護岸工の目地閉塞構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、港湾等の岸壁工事においては、捨石基礎上にコンクリート製のケーソン(函体)を連続して並設し、各ケーソン内に中詰め砂等を充填した重力構造物としてのケーソン護岸工を構築することが多い。
【0003】
ところが、これらのケーソン護岸工においては、経年使用において、捨石基礎下の地盤沈下や洗掘による基礎に不等沈下が生じ、隣接して敷設されたケーソン間の目地に過度の隙間が生じ、その隙間からケーソン背面(山側)に充填された裏込め砂等の吸い出し現象(海域への流出)が生じる事態が生じている。
【0004】
このような既設ケーソン間の目地からの裏込め砂の吸い出し防止策としては、従来、隣接するケーソン間の目地の前面(海側)をゴム板で覆う等の対策工があるが、ケーソン表面の海洋付着物を除去する表面清掃をしなければならず、これらは海中工事となるため、工費が高くなる上、ケーソン護岸工においては取り付けられたゴム板等が波浪に曝されるため、耐久性に問題があった。
【0005】
そこで、地上からの工事のみによって、既設ケーソン間の目地を形成する補修可能な方法(特許文献1)が提案されている。その他、弾性体からなる管体からなる目地材を、ケーソン間の隙間に挿入してコンクリート面に密着させて、目地間で弾性変形させて目地閉塞するようにした目地材(特許文献2)も提案されている。
【0006】
【特許文献1】特開2000−352035号公報
【特許文献2】特開平10−311015号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、特許文献1に開示された目地補修方法では、補修作業として、ケーソン天端からのコンクリート削孔、削孔された孔への保護チューブ、保護部材の挿入、チューブ内への流動性充填材の充填等、すべての工程が陸上作業で行われる。すなわち、ケーソン間の隙間を跨ぐように削孔された孔内に流動性充填材を充填するためにゴムチューブ等の袋状体を挿入し、その中に流動性充填材を充填するようになっている。さらに、布枠体等がその孔内に挿入されゴムチューブの保護が図られている。
【0008】
この特許文献1に開示された目地補修方法では、削孔から充填材の充填までに多くの工程を要し、使用材料が多種となり、工事が煩雑であるという問題がある。また、供用時においても、流動性充填材の主材料がアスファルトマスチック等の比較的、耐久性に乏しい材料であるため、補修部分の耐久性に問題がある。そのため、比較的短い期間で再度補修を行わなければならないおそれもある。
【0009】
また、特許文献2に開示された弾性体からなる管体の断面形状を変形させてケーソン間の目地を閉塞させるようにしているため、目地間に挿入されるため、波浪に曝されない。このため、部材の耐久性は向上するが、上述のようにあらかじめ管体を設置する位置のケーソン表面の清掃を行って海洋付着物等を除去する必要がある上、ケーソンの底部付近の隙間に管体を確実に挿入するためには潜水士らによる海中作業が必要になってくる。そこで、本発明の目的は上述した従来の技術が有する問題点を解消し、陸上からの作業により、簡易な構造により、確実に既設ケーソン間の目地を閉塞できるようにした既設ケーソン護岸工の目地閉塞構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明は隣接するケーソン側壁面の対向する面の一部を切削し、前記ケーソンの高さ方向に沿って形成されたフィルタ材収容孔と、該フィルタ収容孔内に収容され、内部に充填された中詰め材により、外周面の一部を前記ケーソン側壁面に密着させ、前記隣接するケーソンの目地を閉塞する筒状フィルタ材とを備えことを特徴とする。
【0011】
このとき前記筒状フィルタ材は、前記フィルタ材収容孔の内径より、わずかに小さい外径寸法に設定され、前記中詰め材を充填した状態で、その外周面の一部が前記ケーソン側壁面に密着させることが好ましい。
【0012】
前記筒状フィルタ材は、不織布を筒状に縫着して構成することが好ましい。さらに、前記中詰め材としては、粒径1〜2cmの石材を用いることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、簡易な構造からなる目地閉塞構造によってケーソン護岸工に生じた隙間からの裏込め砂の吸い出しを確実に防止できるとともに、さらにケーソンの不動沈下等が生じて隙間が拡大しても追従できるため、長期的に目地閉塞効果を維持することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の既設ケーソン護岸工の目地閉塞構造の実施するための最良の形態として、以下の実施例について添付図面を参照して説明する。
【実施例】
【0015】
図1は、捨石基礎1上に構築された既設ケーソン2,2…による護岸工の一部を示した斜視図である。同図に示したように、これらケーソン2は下部工としての捨石基礎1の不等沈下によってずれて、隣接した目地が設置時より開いた状態にある。そこで、このケーソン2間の隙間からの裏込め砂3の海4側への吸い出しを防止するために、ケーソン2,2間の目地5に本発明の目地閉塞構造10が施工された状態が示されている。なお、図1では、説明のために、ケーソン2の構造物としての寸法に対して、ケーソン2間の目地5と目地閉塞構造10の寸法とが拡大して図示されている。
【0016】
図1に示された目地閉塞構造10は、ケーソン2の奥行き方向の背面側近傍に設けられ、対向するケーソン2のそれぞれの側壁面2aに、ほぼ鉛直に形成された略半円溝11を含むフィルタ収容孔12に沿ってはめ込まれるように立設された筒状フィルタ材15と、筒状フィルタ材15に密に充填された中詰め材14とから構成されている。
【0017】
以下、本発明の目地閉塞構造10を、隙間が開いた既設ケーソン2の目地5に組み込む手順について、図2各図を参照して説明する。また、その際、筒状フィルタ材15の構成について、図3各図および図4各図を参照して説明する。
【0018】
図2(a)は、何らかの理由で所定の目地寸法より隙間が開いてしまったケーソン2の目地5を模式的に示した部分平面図である。捨石基礎1の不等沈下で生じるケーソン2間の目地5の開きは大きくとも数cm程度であり、本発明ではこの程度の目地の閉塞を可能とする構造を想定している。したがって、地震時等において側方流動現象によってケーソン2護岸工全体が大きく海域側に倒れ込むような場合は本発明の適用の範囲外である。
【0019】
まず、本発明の目地閉塞構造10をケーソン2間に取り付けるために、同図に示したように、既設ケーソン2の対向した側壁面2aに形成された略半円溝11と隙間とで構成されたフィルタ収容孔12を形成する。このフィルタ収容孔12は、対向するケーソン2間の目地5を跨ぐようにコンクリートコアカッタ装置(図示せず)をケーソン2の上面に据え付け、長尺ロッド先端に取り付け所定直径のリング状カッタを、長尺ロッドを図示しない芯出し装置を使用して保持しながら、ケーソン側壁面2aに略半円溝11を形成するようにしてケーソン2の上面から底部までほぼ鉛直に降下させてケーソン2間に形成された円形孔である。
【0020】
なお、このフィルタ収容孔12の直径は、対向するケーソン2の離れによって異なるが、本実施例では、利用するコンクリートコアカッタのカッタ径はケーソン2間の目地5の開きに応じてφ150〜200mmを予定している。すなわち、ケーソン2間の目地5の開きは平均して数〜10cm程度であるから、コンクリート側壁面2aを削り取って形成される略半円溝11の深さは約50mm以下となるように、カッタ径を設定する。このとき略半円溝11の深さはケーソン2に配筋された鉄筋の最小かぶり(通常10cm)より小さくなるのでフィルタ収容孔12の略半円溝11部分に鉄筋が露出することはない。
【0021】
なお、このフィルタ収容孔12の削孔は、対向するケーソン2の側壁面2aをほぼ半円状に削孔する動作であるため、このコンクリート側壁面2aを削り、あるいははつり取れる切削装置等であれば、コアカッタ等の円孔削孔装置の他、同様の機能を果たせる種々の切削装置、削孔装置を利用できる。また、噴射ノズルがカッタ径に相当する円軌道をなすように設定可能なウォータージェットを用いたカッタ等の使用も可能である。
【0022】
図2(b)は、筒状フィルタ材15をケーソン2の目地5の開き部分と略半円溝11とで構成されたフィルタ収容孔12に挿入した状態を示した平面図である。図3(a)は、図2(b),(c)に示した筒状フィルタ材15の形状の一部を拡大して示した部分斜視図である。本実施例では、この筒状フィルタ材15として、図3(a)に示したような、縦方向に沿って補強線材が配列されたポリプロピレン樹脂繊維を用いた厚さ5mm程度の不織布が用いられている。補強線材としては高密度ポリエステル糸が用いられるため、長手方向の引張強度の増加が期待できる。この筒状フィルタ材の具体的な製品としては、例えば三菱化学産資(株)製のダイヤベースHS(登録商標)がある。この筒状フィルタ材15内に、同図(b)に示したように、中詰め材14として川砂利を密に充填すると、不織布が円周方向にわずかに引き伸ばされ、筒状フィルタ材15の直径がわずかに増した状態になる。
【0023】
本発明では、図2(b)に示したようにフィルタ収容孔によりわずかに小さい外径寸法に設定された筒状フィルタ材15内に図2(c)に示したように、中詰め材14を充填し、筒状フィルタ材15の直径を増すことで、当初削孔して設けたフィルタ収容孔12の内周面に筒状フィルタ材15を密着させることができる。これにより、筒状フィルタ材15でケーソン2間に生じた隙間を完全に閉塞することができ、この隙間からの裏込め砂3の吸い出しを確実に防止することができる。なお、筒状フィルタ材15は弾性変形するため、その外径はフィルタ収容孔12の内径寸法よりわずかに大きくても挿入して使用でき、中詰め材14を充填することで、筒状フィルタ材15の外周面をフィルタ収容孔12の内周面に適度に密着させることができる。
【0024】
中詰め材14としては、充填時にフィルタ材の不織布を傷めないような材料として、個々の粒形が比較的丸みを帯びた川砂利等の石材を用いることが好ましい。その粒径としては1〜2cm程度の粒度分布で粒径が所定範囲で揃っていた方が、充填時にフィルタ材内に密に詰めてもかさ体積が小さくなりにくく、フィルタ材の直径の増加を十分期待することができる。また、人工軽量骨材のような単粒人工石材も充填性がよく、かさ体積が確保しやすいので、好ましい。また、粒径が比較的揃っていて、充填性がよければ、高炉スラグや廃コンクリートの再生砕石等のリサイクル材も本発明の石材として使用することができる。
【0025】
図2(b)は、筒状フィルタ材15の変形例を用いてフィルタ収容孔12を閉塞させた状態を示した部分平面図である。この平板状フィルタ材16は、図4(a)に示したように、図3各図で示した筒状の不織布と同じ材質からなる平板状の2枚の不織布17,17の両側端を長手方向に縫着して筒状フィルタ材15としたもので、初期状態では、同図(a)に示したように、平板状をなしている。この平板状フィルタ材16を、略半円溝11が形成されたケーソン2の目地5部分に挿入し、2枚の不織布17,17の間に中詰め材14を充填する。そうすると、図2(d)および図4(b)に示したように、フィルタ材16の側部の縫着部16aがケーソン2の目地5の隙間部分に位置し、中詰め材14が充填され断面が膨れた部分は、フィルタ収容孔12の略半円溝11の内周面に沿ってほぼ円形断面をなしてフィルタ収容孔12の内周面に密着する。これにより、本変形例でも上述した筒状フィルタ材15と同様の効果を得ることができる。さらに筒状フィルタ材15の他の変形例として、所定の幅の1枚の平板状フィルタ材を、半幅寸法となるように長手方向に半分に折り、長手方向に沿った端部を縫着して筒状としてもよい。
【0026】
次に、目地閉塞の施工方法について説明する。上述したように、まずコンクリートコアカッタでケーソンの目地5を跨ぐようにしてケーソン2の上面から底部まで削孔してフィルタ収容孔12を形成する。そして、筒状フィルタ材15の筒部内にフィルタ収容孔12の深さよりも若干長めのパイプ(図示せず)を挿入し、そのパイプを挿入した状態でパイプと共に筒状フィルタ15をフィルタ収容孔12内の底部まで挿入する。その後、パイプ上部の開口から中詰め材14を落とし込みつつ、パイプのみを引き上げてフィルタ収容孔12の底部から上面まで中詰め材14を充填する。なお、この使用するパイプは、所定長さの短いパイプを複数本ジョイントした構造とすることが好ましい。これにより、中詰め材14を充填する際、充填作業に伴ってパイプを引き上げるときに上にパイプの接続位置で取り外すことができるので、中詰め材14の投入位置をほぼ一定の高さに保つことができ、中詰め材充填作業が楽に行えるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の既設ケーソン護岸工の目地閉塞構造が組み込まれた既設ケーソンの設置状態を示した状態説明斜視図。
【図2】本発明の目地閉塞構造の施工手順を模式的に示した施工順序図。
【図3】筒状フィルタ材の部分形状を示した部分斜視図。
【図4】筒状フィルタ材の変形例の部分形状を示した部分斜視図。
【符号の説明】
【0028】
1 捨石基礎
2 ケーソン
3 裏込め砂
10 目地閉塞構造
12 フィルタ収容孔
14 中詰め材
15 筒状フィルタ材
16 平板状フィルタ材
17 不織布




 

 


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