米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 固定構造物 -> 清水建設株式会社

発明の名称 地下水取水施設
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−46323(P2007−46323A)
公開日 平成19年2月22日(2007.2.22)
出願番号 特願2005−231596(P2005−231596)
出願日 平成17年8月10日(2005.8.10)
代理人 【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
発明者 百田 博宣
要約 課題
死水域の縮小と取水能力の向上が図られ、経済性および維持管理にも優れた地下水取水施設を提供する。

解決手段
臨海部の透水性地盤1内には、地下水Wをせき止めるための止水壁3が設けられており、断層D、D間に海域とほぼ平行に構築されている。止水壁3の近傍(上流側)かつ難透水性地盤2の谷線Tの近傍の貯留域Rには、地表面から透水性地盤1を貫通して難透水性地盤2まで達する立坑4が設けられており、立坑4の下位部は、地下水Wを貯留するための吸水槽5となっている。吸水槽5の位置は、難透水性地盤2の上面より下方、即ち、 貯留域Rにおける最低水位より低い位置とされている。立坑4の下位部側面からは、難透水性地盤2の谷線Tに沿って底部集水孔6が上流側に延出するとともに、立坑4の上部側面からは、上部集水孔7…が平面視放射状に延出している。
特許請求の範囲
【請求項1】
上面に谷地形を有する難透水性地盤上の透水性地盤内を流れる地下水を、当該透水性地盤の下流部に設置した止水壁によりせき止め、当該止水壁の上流側に形成される地下水の貯留域を取水源とする地下水取水施設であって、
下位部を吸水槽とする立坑が、前記止水壁の近傍かつ前記難透水性地盤の谷線近傍の前記貯留域内に設けられ、
前記吸水槽の位置が前記難透水性地盤の上面より下方とされていることを特徴とする地下水取水施設。
【請求項2】
前記難透水性地盤の谷線に沿って前記立坑から延出する底部集水孔と、当該底部集水孔の上方にあって前記立坑から延出する上部集水孔とを前記貯留域内に備えることを特徴とする請求項1に記載の地下水取水施設。
【請求項3】
前記難透水性地盤の谷線に沿って前記立坑から延出する集水トンネルと、前記難透水性地盤の谷線に沿って前記集水トンネルの先端部からさらに延出する第一底部集水孔と、前記集水トンネルの壁面から上方に延出する第二底部集水孔と、前記集水トンネルの上方にあって前記立坑から延出する上部集水孔とを前記貯留域内に備えることを特徴とする請求項1に記載の地下水取水施設。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、地下水取水施設に関し、特に、地下ダムによって形成された地下水の貯留域を取水源とする地下水取水施設に関する。
【背景技術】
【0002】
地下ダムは、上面に谷地形を有する難透水性地盤上の高透水性地盤内を流れる地下水を対象とし、高透水性地盤の下流部に設置した止水壁により地下水をせき止め、せき止められた地下水を取水して利用するものである。取水方式としては、多数の井戸を設置する群井方式と、集水横孔を備えた集水竪坑方式が知られている。
【0003】
一方、特許文献1では、地下ダムに代えて、地表面から地盤を掘り下げて形成した揚水坑と、揚水坑から側方に延出するシールドトンネルおよび、シールドトンネルから延出する集水パイプからなる 地下水取水施設が提案されている。
【特許文献1】特開平11−93224号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
地下ダムを利用して取水する場合、従来の群井方式や集水竪坑方式では以下のような課題が明らかとなっている。
群井方式の課題を以下に列記する。
(1)各井戸に設置される水中ポンプには、ポンプ型式によるかぶり水位(最低水位)が必要であるが、井戸の底面深度が難透水性地盤の上面または難透水性地盤の浅部であるため、最低水位が難透水性地盤の上面より高く、必然的に死水域が発生する。
(2)井戸から取水するためには、地下水が井戸に流れるための水面勾配が必要となるが、貯留域全域から各井戸までの距離が長いため、死水域が大きくなる。水位低下時は、水面勾配がさらに小さくなり、取水能力が低下する。
(3)多数の井戸が密に配置されるため、井戸相互の干渉が起こり、個々の井戸の取水能力が低下する。
(4)多数の井戸を建設して水中ポンプを設置しなければならないため、建設費・設備費が高くなるうえ、維持管理が煩雑で維持管理費も嵩む。
【0005】
一方、集水竪坑方式では以下のような課題がある。
(1)集水横孔の設置により比較的広域の貯留水の集水が可能となるが、集水横孔より深い貯留水は取水できず、必然的に死水域が発生する。
(2)集水横孔の設置により貯留域全域から取水地点までの距離が低減され、取水能力の向上と死水域の低下が図られるが、集水横孔の本数が少ないため、取水能力は十分ではない。
【0006】
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、死水域の縮小と取水能力の向上が図られ、経済性および維持管理にも優れた地下水取水施設を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明は、上面に谷地形を有する難透水性地盤上の透水性地盤内 を流れる地下水を、当該透水性地盤の下流部に設置した止水壁によりせき止め 、当該止水壁 の上流側に形成される 地下水の貯留域 を取水源とする地下水取水施設であって、下位部を吸水槽とする立坑が、前記止水壁の近傍かつ前記難透水性地盤の谷線近傍の前記貯留域内に設けられ、前記吸水槽の位置が前記難透水性地盤の上面より下方とされていることを特徴とする。
本発明では、止水壁の近傍かつ難透水性地盤の谷線近傍の貯留域内に、下位部を吸水槽とする立坑を設置し、さらに吸水槽の位置を難透水性地盤の上面より下方とするので、 貯留域における最低水位より低い位置に吸水槽が設置されることになる。これにより、死水域が大幅に縮小し、取水能力が向上する。
【0008】
また、本発明では、前記難透水性地盤の谷線に沿って前記立坑から延出する底部集水孔と、当該底部集水孔の上方にあって前記立坑から延出する上部集水孔とを前記貯留域内に備えていてもよい。
本発明では、難透水性地盤の谷線に沿って延出する立坑から底部集水孔を設置するので、貯留域深部でも効率的に取水されるうえ、底部集水孔と上部集水孔とを貯留域の広い範囲に配設するので、貯留域全域から各集水孔までの距離が短くなる。その結果、死水域が飛躍的に小さくなり、貯留水の大部分を活用することが可能となる。しかも、揚水設備が一箇所でよいため、維持管理が容易となり、維持管理費が削減される。
【0009】
また、本発明では、前記難透水性地盤の谷線に沿って前記立坑から延出する集水トンネルと、前記難透水性地盤の谷線に沿って前記集水トンネルの先端部からさらに延出する第一底部集水孔と、前記集水トンネルの壁面から上方に延出する第二底部集水孔と、前記集水トンネルの上方にあって前記立坑から延出する上部集水孔とを前記貯留域内に備えていてもよい。
本発明では、集水トンネルと第一底部集水孔が貯留域深部の貯留水を広範囲に集水するとともに、第二底部集水孔と上部集水孔が上部の貯留水を速やかに集水する。そのため、死水域はさらに小さくなり、取水能力が飛躍的に向上する。また、本発明においても、揚水設備が一箇所でよいため、維持管理が容易となり、維持管理費を削減することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る地下水取水施設では、難透水性地盤の谷線に沿って立坑から延出する底部集水孔と、当該底部集水孔の上方にあって立坑から延出する上部集水孔とを貯留域内に備えているので、貯留域深部でも効率的に取水されるうえ、貯留域全域から各集水孔までの距離が短くなる。これにより、死水域が飛躍的に小さくなり、貯留水の大部分を活用することができる。しかも、揚水設備が一箇所でよいため、維持管理が容易となり、維持管理費が削減される。
【0011】
また、本発明に係る地下水取水施設では、難透水性地盤の谷線に沿って立坑から延出する集水トンネルと、難透水性地盤の谷線に沿って集水トンネルの先端部からさらに延出する第一底部集水孔と、集水トンネルの壁面から上方に延出する第二底部集水孔と、集水トンネルの上方にあって立坑から延出する上部集水孔とを貯留域内に備えていてもよい。これにより、集水トンネルと第一底部集水孔が貯留域深部の貯留水を広範囲に集水するとともに、第二底部集水孔と上部集水孔が貯留域上部の貯留水を速やかに集水し、死水域はさらに小さくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
[第一の実施形態]
図1は、本発明に係る地下水取水施設の第一の実施形態を示したものである。
本実施形態では、正断層によって難透水性地盤の上面に谷地形が形成された場合の地形地質構造を対象としている。このような地形地質構造は沖縄県の宮古島等で見られ、透水性地盤は琉球層群(琉球石灰岩)、難透水性地盤は島尻層群に相当する。
【0013】
難透水性地盤2は、ほぼ平行に走る複数の断層D…によって分断され、断層Dを境に一方の側が下方に落ち込んだ谷地形をしている(図1(c)参照)。また、難透水性地盤2は、海側のほうが低くなった傾斜地形をしており(図1(b)参照)、難透水性地盤2上に形成された透水性地盤1内を、地下水Wが海側へと流れている。以下の説明では便宜上、地下水Wの流れる方向を「下流」、その逆方向を「上流」と呼ぶことにする。
【0014】
臨海部の透水性地盤1内には、地下水Wをせき止めるための止水壁3が設けられており、断層D、D間に海域とほぼ平行に構築されている。止水壁3は、 地中連続壁工法など により不透水壁として構築する。止水壁3の上流側には地下水Wが貯留し、貯留域Rが形成される。一方、止水壁3を設けているので、海水が貯留域Rに浸入することはない。
【0015】
止水壁3の近傍(上流側)かつ難透水性地盤2の谷線Tの近傍の貯留域Rには、地表面から透水性地盤1を貫通して難透水性地盤2まで達する立坑4が設けられており、立坑4の下位部は、地下水Wを貯留するための吸水槽5となっている。吸水槽5の位置は、難透水性地盤2の上面より下方、即ち、 貯留域Rにおける最低水位より低い位置に設定されている。
立坑4内には、吸水槽5に貯留された地下水Wを地上で利用するために、吸水槽5から地上まで配設された揚水管Qと、揚水管Qの末端に接続された揚水ポンプPから構成される揚水設備が備えられている。揚水ポンプPは、ポンプ形式で必要となる長さ(かぶり深さ)L、水流によるモータ冷却用深さや砂溜り深さ等で必要となる長さLを考慮して設置するものとする。
【0016】
立坑4の下位部側面からは、難透水性地盤2の谷線Tに沿って底部集水孔6が上流側に延出するとともに、立坑4の上部側面からは、上部集水孔7…が平面視放射状に延出している。
【0017】
底部集水孔6および上部集水孔7…により集水された地下水Wは吸水槽5に蓄えられ、揚水設備により地上に送水される。
【0018】
本実施形態による地下水取水施設では、難透水性地盤2の谷線Tに沿って立坑4から延出する底部集水孔6を設置するので、貯留域R深部でも効率的に取水されるうえ、底部集水孔6と上部集水孔7…とを貯留域Rの広い範囲に配設するので、貯留域R全域から底部集水孔6および上部集水孔7…までの距離が短くなる。その結果、死水域が飛躍的に小さくなり、貯留水の大部分を活用することが可能となる。しかも、揚水設備が一箇所でよいため、維持管理が容易となり、維持管理費が削減される。
【0019】
なお、琉球層群において立坑を建設する際には、湧水対策が施工上の大きな課題となるが、事前に立坑設置域周辺について、地表から薬液等を注入して琉球層群中の大きな空隙を充填しておくことで対処することができる。これにより、立坑周辺が幾分、難透水性となるが、集水孔によって集水するため、何ら取水上の難点とはならない。
【0020】
[第二の実施形態]
図2は、本発明に係る地下水取水施設の第二の実施形態を示したものである。
本実施形態における地形地質構造も、第一の実施形態と同様に、正断層によって難透水性地盤の上面に谷地形が形成された場合の地形地質構造を対象とする。 なお、以下の説明において、第一の実施形態と共通する構成については同符号を付し、その説明を省略する。
【0021】
本実施形態では、立坑4の下位部側面から難透水性地盤2の谷線Tに沿って集水トンネル10が延出し、さらに集水トンネル10の先端部から難透水性地盤2の谷線Tに沿って第一底部集水孔16が延出している。
また、集水トンネル10の壁面からは、複数の第二底部集水孔18…が上方に向けて延出するとともに、立坑4の上部側面からは、上部集水孔17…が平面視放射状に延出している。
【0022】
第一底部集水孔16および第二底部集水孔18…により集水された地下水Wは集水トンネル10を介して吸水槽5に流れ、上部集水孔17…により集水された地下水Wとともに吸水槽5に蓄えられ、揚水設備により地上に送水される。
【0023】
本実施形態による地下水取水施設では、集水トンネル10と第一底部集水孔16が貯留域R深部の貯留水を広範囲に集水するとともに、第二底部集水孔18…と上部集水孔17…が貯留域R上部の貯留水を速やかに集水するので、死水域は第一の実施形態よりもさらに小さくなり、取水能力が飛躍的に向上する。しかも、第一の実施形態と同様に、揚水設備が一箇所でよいため、維持管理が容易となり、維持管理費を削減することができる。
【0024】
なお、琉球層郡中における集水トンネルの建設は立坑より登り勾配となるため、湧水は切羽から立坑に自然流下し、NATM施工も可能である。しかし、施工が困難な場合には、シールド工法による施工を行い、集水トンネルの完成後、第二底部集水孔とは別に短い集水孔をセグメントに設け、有孔部を有する集水トンネルとすればよい。
【0025】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、上記実施形態では、底部集水孔または第一底部集水孔をそれぞれ一孔としているが、難透水性地盤の上面の地形に応じて(例えば、複数の谷線が存在する場合など)複数設置してもよい。要は、本発明において所要の機能が得られればよいのである。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明に係る地下水取水施設の第一の実施形態を示し、(a)はその平断面図、(b)はA−A矢視断面図、(c)B−B矢視断面図である。
【図2】本発明に係る地下水取水施設の第二の実施形態を示し、(a)はその平断面図、(b)はA−A矢視断面図、(c)B−B矢視断面図である。
【符号の説明】
【0027】
1 透水性地盤
2 難透水性地盤
3 止水壁
4 立坑
5 吸水槽
6 底部集水孔
7、17 上部集水孔
10 集水トンネル
16 第一底部集水孔
18 第二底部集水孔
P 揚水ポンプ
Q 揚水管
W 地下水
R 貯留域
T 谷線
D 断層




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013