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発明の名称 制震装置、及び建物
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−23722(P2007−23722A)
公開日 平成19年2月1日(2007.2.1)
出願番号 特願2005−211432(P2005−211432)
出願日 平成17年7月21日(2005.7.21)
代理人 【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
発明者 石丸 辰治 / 公塚 正行 / 横田 治彦 / 前林 和彦 / 広瀬 景一
要約 課題
制震性能を向上させると共に、加工と取付作業とを容易にする。

解決手段
第1トグル制震装置100及び第2トグル制震装置150の二つのトグル制震装置を備えているので、大型化することなく制震効果が格段に向上している。更に、第1トグル制震装置100と第2トグル制震装置150は、スライダー装置300,302によって、第1アーム24、第4アーム130の面内の動作を妨げることなく、面外の移動を規制されている。よって、力の伝達機構が損なわれらないので、振動エネルギー吸収効果が低減することなく、制震効果を十分に発揮することができる。
特許請求の範囲
【請求項1】
柱と梁で構築された建物に設けられる制震装置であって、
下階の下階取付部に一端が回転自在に連結された第1アームと、前記建物へ地震力が作用すると前記下階取付部と相対変位する上階の上階取付部に一端が回転自在に連結された第2アームと、前記第1アームの他端と前記第2アームの他端を所定の角度を持って回転自在に連結する第1連結部材と、前記第1連結部材に一端が回転自在に連結され、他端が前記下階取付部と同じ階へ回転自在に連結された第1ダンパーと、を備える第1トグル制震装置と、
前記下階取付部に一端が回転自在に連結された第3アームと、前記上階取付部に一端が回転自在に連結された第4アームと、前記第3アームの他端と前記第4アームの他端を所定の角度を持って回転自在に連結する第2連結部材と、前記第2連結部材に一端が回転自在に連結され、他端が前記上階取付部と同じ階へ回転自在に連結された第2ダンパーと、を備える第2トグル制震装置と、
前記上階と前記下階との間に設けられた固定部材と、
前記固定部材に取り付けられ、前記柱と前記梁とで構成された面の外側への、前記第1トグル制震装置と前記第2トグル制震装置との移動を規制する面外座屈阻止手段と、
備えることを特徴とする制震装置。
【請求項2】
柱と梁で構築された建物に設けられる制震装置であって、
下階の下階取付部に一端が回転自在に連結された第1アームと、前記建物へ地震力が作用すると前記下階取付部と相対変位する上階の上階取付部に一端が回転自在に連結された第2アームと、前記第1アームの他端と前記第2アームの他端を所定の角度を持って回転自在に連結する第1連結部材と、前記第1連結部材に一端が回転自在に連結され、他端が前記下階取付部と同じ階へ回転自在に連結された第1ダンパーと、を備える第1トグル制震装置と、
前記下階取付部に一端が回転自在に連結された第3アームと、前記上階取付部に一端が回転自在に連結された第4アームと、前記第3アームの他端と前記第4アームの他端を所定の角度を持って回転自在に連結する第2連結部材と、前記第2連結部材に一端が回転自在に連結され、他端が前記上階取付部と同じ階へ回転自在に連結された第2ダンパーと、を備える第2トグル制震装置と、
前記第1トグル制震装置の第1連結部材に一端が回転自在に連結され、他端が前記第2トグル制震装置の前記第2連結部材に回転自在に連結され、伸縮自在の連結アームと、
前記上階と前記下階との間に設けられた固定部材と、
前記固定部材に取り付けられ、前記柱と前記梁とで構成された面の外側への前記連結アームの移動を規制する面外座屈阻止手段と、
を備えることを特徴とする制震装置。
【請求項3】
前記連結アームは、
前記1トグル制震装置の前記第1連結部材に回転自在に連結される第1継手部と、
前記第2トグル制震装置の前記第2連結部材に回転自在に連結される第2継手部と、
前記第1継手部に設けられた第1軸部と、
前記第2継手部に設けられた第2軸部と、
前記第1軸部と前記第2軸部とがスライド可能に挿入される中空のパイプ部と、
を備えることを特徴とする請求項2に記載の制震装置。
【請求項4】
前記面外座屈阻止手段は、前記固定部材上を交差する2方向にスライド自在なスライダー機構を備えることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の制震装置。
【請求項5】
前記第1トグル制震装置と前記第2トグル制震装置とは、複数階に跨って取り付けられ、
前記固定部材は、前記上階と前記下階の間にある梁、又は間柱であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の制震装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の制震装置を備えることを特徴とする建物。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、地震及び風による揺れを抑えることができる制震装置、及びこの制震装置を備える建物に関する。
【背景技術】
【0002】
地震及び風による構造物の振動を低減させるダンパーの効果を向上させる制震装置としては、本出願人はトグル制震装置を提案している(特許文献1)。
【0003】
図15に示すように、トグル制震装置206は、2つのアーム200,202が形成する面内でアーム200,202が円弧運動をして、構造物の変位をアーム200,202の連結部分で増幅し、ダンパー204の減衰効果を発揮させる機構である。しかし、アーム200,202の継ぎ手200A,202Aを連結するピン208の部分で面外座屈が生じると、力の伝達機構が損なわれ振動エネルギー吸収効果は大幅に低減される。
【0004】
そこで、面外座屈を防ぐために、図16に示すように、継ぎ手200A,202Aの重ね代Aを大きくすると共に、直交方向B(面外方向)のクリアランスを小さくしている。
【0005】
これにより、面外座屈が生じ始めたとしても、その重ね代部分の反力で、面外座屈に対する復元力を得て2本のアーム200,202が面内方向に移動するように設計されている。
【特許文献1】特開2004−44755号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、継ぎ手のクリアランスを小さくし、重ね代を大きくするには、建物に要求される精度とかけ離れた加工精度がアームの継ぎ手200A,200Bに要求されることになる。また、施工現場においても、クリアランスが小さいと取付作業が困難となる。
【0007】
更に、従来よりも制震性能を向上させることも要求されている。装置を大型化すると(アーム200,202を長くすると)制震性能を向上させることができるが、大型化に伴い面外座屈も生じやすくなり、その結果、加工と取付作業とが、より一層、困難となる。
【0008】
本発明は係る事実を考慮し、制震性能を向上させると共に、加工と取付作業とを容易にすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために請求項1に記載の制震装置は、柱と梁で構築された建物に設けられる制震装置であって、下階の下階取付部に一端が回転自在に連結された第1アームと、前記建物へ地震力が作用すると前記下階取付部と相対変位する上階の上階取付部に一端が回転自在に連結された第2アームと、前記第1アームの他端と前記第2アームの他端を所定の角度を持って回転自在に連結する第1連結部材と、前記第1連結部材に一端が回転自在に連結され、他端が前記下階取付部と同じ階へ回転自在に連結された第1ダンパーと、を備える第1トグル制震装置と、前記下階取付部に一端が回転自在に連結された第3アームと、前記上階取付部に一端が回転自在に連結された第4アームと、前記第3アームの他端と前記第4アームの他端を所定の角度を持って回転自在に連結する第2連結部材と、前記第2連結部材に一端が回転自在に連結され、他端が前記上階取付部と同じ階へ回転自在に連結された第2ダンパーと、を備える第2トグル制震装置と、前記上階と前記下階との間に設けられた固定部材と、前記固定部材に取り付けられ、前記柱と前記梁とで構成された面の外側への、前記第1トグル制震装置と前記第2トグル制震装置との移動を規制する面外座屈阻止手段を、備えることを特徴としている。
【0010】
請求項1に記載の制震装置は、第1トグル制震装置と第2トグル制震装置の二つトグル制震装置を備えている。
【0011】
第1トグル制震装置は、第1連結部材に一端が下階取付部と同じ階へ回転自在に連結された第1ダンパーの他端を回転自在に連結することで、地震等による上階取付部と下階取付部の水平方向或いは鉛直方向へ相対変形が小さくても、幾何学的な特性から第1アームの他端と第2アームの他端の連結部分の大きな変形に増幅され、第1ダンパーが大きなストロークを得る。このため、小さい変形×大きな力=大きな変形×小さな力という関係が成立し、第1ダンパーが小さな力によって、建物の振動を抑制する。
【0012】
同様に、第2トグル制震装置も、第2連結部材に一端が上階取付部と同じ階へ回転自在に連結された第2ダンパーの他端を回転自在に連結することで、第2ダンパーが小さな力によって、建物の振動を抑制する。
【0013】
このように、2基一対の第1トグル制震装置及び第2トグル制震装置を備えているので、大型化することなく、従来よりも格段に制震性能が向上している。
【0014】
更に、面外座屈阻止手段によって、第1トグル制震装置と第2トグル制震装置とを、面の外側へ移動(面外座屈)しないように規制している。
【0015】
これにより、第1トグル制震装置と第2トグル制震装置とを面内で動作させることができるため、制震装置は十分な制震効果を発揮することができる。また、例えば、第1アームと第2アームの継ぎ手部分(連結部分)、及び第3アームと第4アームの継ぎ手部分(連結部分)のクリアランスを小さくしたり、重ね代を大きくして、面外座屈を阻止する必要もなくなるため、継ぎ手部分の加工精度を落とすことができ、取付作業も容易となる。
【0016】
請求項2に記載の制震装置は、柱と梁で構築された建物に設けられる制震装置であって、下階の下階取付部に一端が回転自在に連結された第1アームと、前記建物へ地震力が作用すると前記下階取付部と相対変位する上階の上階取付部に一端が回転自在に連結された第2アームと、前記第1アームの他端と前記第2アームの他端を所定の角度を持って回転自在に連結する第1連結部材と、前記第1連結部材に一端が回転自在に連結され、他端が前記下階取付部と同じ階へ回転自在に連結された第1ダンパーと、を備える第1トグル制震装置と、前記下階取付部に一端が回転自在に連結された第3アームと、前記上階取付部に一端が回転自在に連結された第4アームと、前記第3アームの他端と前記第4アームの他端を所定の角度を持って回転自在に連結する第2連結部材と、前記第2連結部材に一端が回転自在に連結され、他端が前記上階取付部と同じ階へ回転自在に連結された第2ダンパーと、を備える第2トグル制震装置と、前記第1トグル制震装置の第1連結部材に一端が回転自在に連結され、他端が前記第2トグル制震装置の前記第2連結部材に回転自在に連結され、伸縮自在の連結アームと、前記上階と前記下階との間に設けられた固定部材と、前記固定部材に取り付けられ、前記柱と前記梁とで構成された面の外側への前記連結アームの移動を規制する面外座屈阻止手段と、を備えることを特徴としている。
【0017】
請求項2に記載の制震装置は、請求項1に記載の制震装置と同様に、2基一対の第1トグル制震装置及び第2トグル制震装置を備えているので、大型化することなく、従来よりも格段に制震性能が向上している。
【0018】
更に、伸縮自在の連結アームの両端が、第1トグル制震装置の第1連結部材と第2トグル制震装置の第2連結部材とに回転自在に連結されている。そして、面外座屈阻止手段が、この連結アームを面の外側への移動(面外座屈)しないように規制している。したがって、第1トグル制震装置と第2トグル制震装置が、面内での動作を妨げられることなく、面の外側へ移動(面外座屈)しないように規制される。
【0019】
これにより、第1トグル制震装置と第2トグル制震装置とを面内で動作させることができるため、制震装置は十分な制震効果を発揮することができる。また、例えば、第1アームと第2アームの継ぎ手(連結部分)、及び第3アームと第4アームの継ぎ手(連結部分)のクリアランスを小さくしたり、重ね代を大きくして、面外座屈を阻止する必要もなくなるため、継ぎ手の加工精度を落とすことができ、取付作業も容易となる。
【0020】
請求項3に記載の制震装置は、請求項1に記載の構成において、前記連結アームは、前記第1トグル制震装置の前記第1連結部材に回転自在に連結される第1継手部と、前記第2トグル制震装置の前記第2連結部材に回転自在に連結される第2継手部と、前記第1継手部に設けられた第1軸部と、前記第2継手部に設けられた第2軸部と、前記第1軸部と前記第2軸部とがスライド可能に挿入される中空のパイプ部と、を備えることを特徴としている。
【0021】
請求項3に記載の制震装置は、連結アームが第1連結部材と第2連結部材を連結している。そして、この連結アームは、第1連結部材に回転自在に連結される第1継手部に設けられた第1軸部と、第2連結部材に回転自在に連結される第2継手部に設けられた第2軸部と、がスライド可能(伸縮自在)に中空のパイプ部に挿入された構成となっている。
【0022】
このように連結アームは、両端が回転自在、及び伸縮自在の構成となっているので、連結アームで第1トグル制震装置と第2トグル制震装置を連結しても、第1トグル制震装置と第2トグル制震装置の面内での動作を妨げない。
【0023】
請求項4に記載の制震装置は、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の構成において、前記面外座屈阻止手段は、前記固定部材上を交差する2方向にスライド自在なスライダー機構を備えることを特徴としている。
【0024】
請求項4に記載の制震装置は、面外座屈阻止手段として、固定部材上を交差する2方向にスライド自在なスライダー機構を備えている。したがって、第1トグル制震装置と第2トグル制震装置は、面内での動作を妨げられることなく、面の外側へ移動(面外座屈)しないように規制される。
【0025】
請求項5に記載の制震装置は、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の構成において、前記第1トグル制震装置と前記第2トグル制震装置とは、複数階に跨って取り付けられ、前記固定部材は、前記上階と前記下階の間にある梁、又は間柱であることを特徴としている。
【0026】
請求項5に記載の制震装置は、1階を構成する柱と梁で構成される架構に第1トグル制震装置と第2トグル制震装置を取付けるのではなく、複数階に跨って取付けている。このため、建物が地震で揺れたとき、下階取付部と上階取付部の相対変位量が大きいので、ダンパーのストロークも大きくなる。このため、効率良く振動エネルギーを吸収することができる。
【0027】
更に、面外座屈阻止手段を設ける固定部材として、梁、又は間柱を利用することで、部材点数を削減している。
【0028】
請求項6に記載の建物は、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の制震装置を備えることを特徴としている。
【0029】
請求項6に記載の建物は、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の制震装置を備えているので、地震及び風等による揺れが抑えられる。
【発明の効果】
【0030】
以上説明したように本発明によれば、2基一対の第1トグル制震装置及び第2トグル制震装置を備えているので、大型化することなく、従来よりも格段に制震性能が向上している。更に、第1トグル制震装置と第2トグル制震装置は、面外座屈阻止手段によって、面の外側への移動(面外座屈)しないように規制されているので、例えば、継手部分の加工と取付作業とを容易にできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
図14に示すように、第1実施形態の制震装置12が、既存の複数階からなる建物10に取り付けられている。なお、制震装置12が取り付けられる建物は、階数や構造形式(RC造建物、SRC造建物、S造建物等)には限定されない。
【0032】
図1に示すように、制震装置12は、第1トグル制震装置100と第2トグル制震装置150を備えている。
【0033】
第1トグル制震装置100は、第1アーム24の継手板24Aが柱16Bと2階の天井部分の梁14Bの隅部から張り出したブラケット80にピン19で回転可能に連結されている。また、1階の基礎部の梁14Aと柱16Aの隅部から張り出したブラケット82には、ピン22で回転可能に第2アーム30の継手板30Aが連結されている。
【0034】
図2にも示すように、第1アーム24及び第2アーム30の自由端側に設けられた継手板24B,30Bは、ピン32で回動可能に所定の角度を持って連結されている。また、継手板30Bには、ピン34でダンパー36のロッド36Aの端部が回転可能に連結されている。ダンパー36のシリンダー36Bの端部は、梁14Aと柱16Bの隅部から張り出したブラケット84にピン40で回転可能に連結され、継手板24B,30B(ピン32)の動きに追従できるようになっている。
【0035】
同様に、第2トグル制震装置150の第3アーム124の継手板124Aが、ブラケット80にピン119で回転可能に連結されている。また、ブラケット82には、ピン122で回転可能に第4アーム130の継手板130Aが連結されている。
【0036】
第3アーム124及び第4アーム130の自由端側に設けられた継手板124B,130Bは、ピン132で回動可能に所定の角度を持って連結されている。また、継手板130Bには、ピン134でダンパー136のロッド136Aの端部が回転可能に連結されている。ダンパー136のシリンダー136Bの端部は、梁14Bと柱16Aの隅部から張り出したブラケット86にピン140で回転可能に連結され、継手板124B,130B(ピン132)の動きに追従できるようになっている。
【0037】
なお、ブラケット84とブラケット86とは上下左右反対の、対角線上に配置され、第1トグル制震装置100と第2トグル制震装置150とは点対称となった構成となる。
【0038】
また、梁14Aと梁14Bの間にある梁14Cの側面と、第1トグル制震装置100の第1アーム24と、の間には、スライダー装置300が設けられている。
【0039】
図3と図4とに示すように、スライダー装置300は、第1レール310Aを有する第1レールブロック310を備えている。この第1レールブロック310が梁14Cの側面に、第1レール310Aが水平方向となるように固定されている。
【0040】
第1レールブロック310の第1レール310Aには、スライドブロック312係合されており、第1レール310Aに沿ってスライドブロック312がスライド可能となっている。
【0041】
このスライドブロック312には、第2レールブロック314の第2レール314Aが係合されており、第2レール314Aに沿って第2レールブロックがスライド可能となっている。なお、第2レール314Aは、第1レール310Aと直交するように配置されている。(第2レール314Aは垂直方向となる)。
【0042】
第2レールブロック314には、第1レール310A及び第2レール314Aに対して直交する軸を軸心として回転自在なクロスローラリング316が取り付けられ、このクロスローラリング316に取付ブロック318が取り付けられている。そして、この取付ブロック318に、第1アーム24が溶接や接着などによって固定されている。
【0043】
よって、第1アーム24は、スライダー装置300によって、梁14Cから離れなれることなく、水平と垂直との2方向にスライド自在に支持されると共に、第1レール310A及び第2レール314Aに対して直交する軸を軸心として回転自在に支持されている。つまり、第1アーム24の、梁14A、14Bと柱16A,16Bとで構成する面内での動きを拘束することなく、面外へ移動しないようにしている。
【0044】
図1に示すように、同様に、梁14Cの側面と、第2トグル制震装置150の第4アーム130と、の間には、スライダー装置302が設けられている。なお、スライダー装置302は、前述したスライダー装置300と同様の構成である、
したがって、同様に、第4アーム130は、スライダー装置302によって、梁14Cから離れなれることなく、水平と垂直との2方向にスライド自在に支持されると共に、第1レール310A及び第2レール314Aに対して直交する軸を軸心として回転自在に支持されている。つまり、第4アーム130の面内での動きを拘束することなく、面外へ移動しないようにしている。
【0045】
次に、第1実施形態に係る制震装置の作用を説明する。
【0046】
図5から図7に示すように、地震及び風等によって建物10が右方向(図5、図7(B))、又は左方向(図6、図7(C))へ水平変形したとする。なお、図7は、第1トグル制震装置100と第2トグル制震装置150の動きを判りやすくするため、非常に極端に変形させており、実際には、これほど大きく建物が変形することはない。
【0047】
このような水平変形により、制震装置12を構成する第1トグル制震装置100の、第1アーム24及び第2アーム30がピン19、22を中心に回転運動を行うため、上階の梁14Aと下階の梁14Bのピンの相対水平変位量より、ピン32の変位量が増幅されて大きくなる。
【0048】
同様に、第2トグル制震装置150の、第3アーム124及び第4アーム130がピン119、122を中心に回転運動を行うため、上階の梁14Aと下階の梁14Bのピンの相対水平変位量より、ピン132の変位量が増幅されて大きくなる。
【0049】
このように、2階層離れた上階の梁14Aと下階の梁14Bの小さな層間変位が、ピン32,132の大きな回転変位に増幅され、小さい変位×大きな力=大きな変位×小さな力という関係が成立する。すなわち、ダンパー36、136のロッド36A,136Aが大きく伸張し、小さな力によって、建物10の振動が減衰され効果的に制震される。
【0050】
また、単層の柱と梁に制震装置を取り付けるのではなく、複数階に跨って第1トグル制震装置100、第2トグル制震装置200を取り付けている(本実施形態では2階層)。このため、建物10が地震で揺れたとき、連結されたダンパー36,136のストロークが大きくなり、効率良く振動エネルギーを吸収することができる。
【0051】
また、第1トグル制震装置100及び第2トグル制震装置150の二つのトグル制震装置を備えているので、大型化することなく(アームやダンパーを長くすることなく)、制震効果が格段に向上している。
【0052】
更に、第1トグル制震装置100と第2トグル制震装置150は、スライダー装置300,302によって、第1アーム24、第4アーム130の面内の動作を妨げることなく、面外の移動を規制されている。
【0053】
よって、力の伝達機構が損なわれないので、振動エネルギー吸収効果が低減することなく、制震効果を十分に発揮することができる。また、従来のように、継ぎ手24B,30B(連結部分)、及び継ぎ手124B,130B(連結部分)のクリアランスを小さくしたり、重ね代を大きくして、面外座屈を阻止する必要もなくなるため、継ぎ手24B,30B,124B,130Bの加工精度を落とすことができ、取付作業も容易となる。
【0054】
なお、本実施形態では、第1トグル制震装置100には、第1アーム24にスライダー装置300を取り付けたが、これに限定されない。図示は省略するが、第2アーム30にスライダー装置を取り付ける構成であっても良い。或いは、第1アーム24と第2アーム30の両方に取り付ける構成であっても良い。
【0055】
同様に、第2トグル制震装置150には、第4アーム130にスライダー装置302を設けたが、第3アーム124にスライダー装置を取り付ける構成であっても良いし、第3アーム124と第4アーム130の両方に取り付ける構成であっても良い。
【0056】
次に、第2実施形態に係る制震装置112を説明する。なお、第1実施形態と同一の部材は同一の符号とし、重複する説明は省略する。
【0057】
図8と図9とに示すように、制震装置112は、第1実施形態と同様、第1トグル制震装置101と第2トグル制震装置151を備えている。更に、第1トグル制震装置101の継手板31Bと第2トグル制震装置151の継手板131Bとが、連結アーム500で連結されている。
【0058】
図10に示すように、連結アーム500は、両端の継手部502,504が、前述した継手板31B、131B(図9参照)に、ピン512,514によって回転可能に取り付けられている。更に、継手部502,504の軸部502A,504Aが中空のパイプ501に挿入されている。パイプ501は、外筒510と内筒506,508とから構成されており、内筒506,508はスライドし、外筒510の両端から出入りする。軸部502A,504Aはパイプ501の内筒506,508をスライドし、内筒506,508の端部から出入りする。
【0059】
よって、図10(A)と図10(B)とに示すように、連結アーム500は、内筒506,508のスライド分、及び、軸部502A,504Aのスライド分、アーム長が変化する、伸縮自在な構成となっている。
【0060】
また、図7に示すように、梁14Cの側面と連結アーム500との間には、スライダー装置304が設けられている。
【0061】
スライダー装置304も第1の実施形態で説明したスライダー装置300,302と同様の構成をしており、取付ブロック318には、連結アーム500の外筒510が溶接や接着などによって固定されている。(図3と図4を参照)。
【0062】
よって、連結アーム500は、スライダー装置304によって、梁14Cから離れなれることなく、水平と垂直との2方向にスライド自在に支持されると共に、第1レール310A及び第2レール314Aに対して直交する軸を軸心として回転自在に支持されている。つまり、連結アーム500の面内での動きを拘束することなく、面外へ移動しないようにしている。
【0063】
次に、第2実施形態に係る制震装置の作用を説明する。
【0064】
第1実施形態と同様に、図11から図13に示すように、地震及び風等によって建物10が右方向(図11、図13(B))、又は左方向(図12、図13(C))へ水平変形したとすると、制震装置112によって、建物10の振動が減衰され制震される。また、制震装置112は、第1トグル制震装置101及び第2トグル制震装置151の二つのトグル制震装置を備えているので、制震効果が格段に向上している。なお、図7は、第1トグル制震装置101と第2トグル制震装置151の動きを判りやすくするため、非常に極端に変形させており、実際はこれほど大きく建物が変形することはない。
【0065】
さて、上記変変形に伴い、第1トグル制震装置101の継手板31B及び第2トグル制震装置151の継手板131Bの位置と間隔とが変わる。つまり、連結アーム500のアーム長と位置(角度も含む)が変わる。しかし、前述したように、連結アーム500は伸縮自在となっており、また、継手部502,504は回転自在に、継手板31B,131Bに連結されている。よって、連結アーム500は、第1トグル制震装置101と第2トグル制震装置151の動作を妨げない。
【0066】
また、連結アーム500は、スライダー装置304によって、面内の動作を妨げることなく、面外への移動を阻止されている。よって、第1トグル制震装置101の第1アーム24と第2アーム31との連結部分(ピン32)、及び、第2トグル制震装置151の第3アーム124と第4アーム131との連結部分(ピン132)、の両方が、面内の動作を妨げられることなく、面外の移動を規制されている。
【0067】
よって、力の伝達機構が損なわれないので、振動エネルギー吸収効果が低減することなく、制震効果を十分に発揮することができる。また、継ぎ手24B,31B,124B,131Bの加工精度を落とすことができ、取付作業も容易となる。
【0068】
また、スライダー装置304一つで、第1トグル制震装置101と第2トグル制震装置151の両方(制震装置112全体)の面外座屈を防止しているので、構成が簡単であり、また、低コストである。
【0069】
なお、本発明は上記の実施形態の構成に限定されない。
【0070】
例えば、上記実施形態では、スライダー装置300,302,304はいずれも梁14Cに取付けられていたが、これに限定されない。例えば、梁14Aと梁14Bと間に設けた間柱(図示省略)であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】第1実施形態の制震装置を示す図である。
【図2】第1実施形態の制震装置の要部の斜視図である。
【図3】スライダー装置の分解斜視図である。
【図4】(a)はスライダー装置の正面図であり、(b)は(a)をb方向に見た図であり、(c)は(a)をc方向に見た図である。
【図5】図1の状態から建物が右方向に水平変形した状態の図である。
【図6】図1の状態から建物が左方向に水平変形した状態の図である。
【図7】第1実施形態の制震装置を模式的に示し、(A)は建物が変形していない状態の模式図であり、(B)は建物が右方向に水平変形した状態の模式図であり、(C)は建物が左方向に水平変形した状態の模式図である。
【図8】第2実施形態の制震装置を示す図である。
【図9】第2実施形態の制震装置の要部の斜視図である。
【図10】(A)は連結アームが縮んだ状態の断面図であり、(B)は連結アームが延びた状態の断面図である。
【図11】図8の状態から建物が右方向に水平変形した状態の図である。
【図12】図8の状態から建物が左方向に水平変形した状態の図である。
【図13】第2実施形態の制震装置を模式的に示し、(A)は建物が変形していない状態の模式図であり、(B)は建物が右方向に水平変形した状態の模式図であり、(C)は建物が左方向に水平変形した状態の模式図である。
【図14】第1実施形態の制震装置を取り付けた建物を示す図である。
【図15】従来の制震装置を示す図である。
【図16】従来の制震装置のアームの継ぎ手構造を示す図である。
【符号の説明】
【0072】
10 建物
12 制震装置
14A 梁
14B 梁
14C 梁(固定部材)
16A 柱
16B 柱
24 第1アーム(第2アーム)
30 第2アーム(第1アーム)
30B 継手板(第1連結部材)
32 ピン(第1連結部材)
36 ダンパー(第1ダンパー)
80 ブラケット(上階取付部)
82 ブラケット(下階取付部)
100 第1トグル制震装置
101 第1トグル制震装置
112 制震装置
124 第3アーム(第4アーム)
130 第4アーム(第3アーム)
130B 継手板(第2連結部材)
131 第4アーム(第3アーム)
131B 継手板(第2連結部材)
132 ピン(第2連結部材)
136 ダンパー(第2ダンパー)
150 第2トグル制震装置
151 第2トグル制震装置
300 スライダー装置(面外座屈阻止手段)
302 スライダー装置(面外座屈阻止手段)
304 スライダー装置(面外座屈阻止手段)
500 連結アーム
501 パイプ部
502 継手部(第1継手部)
502A 軸部(第1軸部)
504 継手部(第2継手部)
504A 軸部(第1軸部)




 

 


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