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発明の名称 薬液注入工法及び薬液注入装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−23496(P2007−23496A)
公開日 平成19年2月1日(2007.2.1)
出願番号 特願2005−202908(P2005−202908)
出願日 平成17年7月12日(2005.7.12)
代理人 【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
発明者 田地 陽一 / 天利 実
要約 課題
地盤改良効果を維持しつつ薬液の使用量を少なくして地盤改良に掛かるコストの低減を図った薬液注入工法及び薬液注入装置を提供する。

解決手段
薬液を所定濃度に希釈するための水を貯留する貯水槽2と、貯水槽2から供給した水を用いて薬液を所定濃度に調整しつつ貯留する薬液ミキサー3と、地盤の所定深度に薬液を吐出するための注入管4と、薬液ミキサー3及び注入管4に送液ポンプ6を介して接続され薬液ミキサー3から注入管4に薬液を送る注入ホース5とからなる送液回路7に、気泡を生成する気泡生成装置10を接続し、気泡生成装置10で生成した気泡を送液回路7に供給することによって薬液に気泡を混入し、気泡が混入した薬液を地盤に注入する。
特許請求の範囲
【請求項1】
薬液を所定濃度に希釈するための水を貯留する貯水槽と、該貯水槽から供給した前記水を用いて前記薬液を所定濃度に調整しつつ貯留する薬液ミキサーと、地盤の所定深度に前記薬液を吐出するための注入管と、前記薬液ミキサー及び前記注入管に送液ポンプを介して接続され前記薬液ミキサーから前記注入管に前記薬液を送る注入ホースとからなる送液回路を備える薬液注入装置を用いて、前記薬液を前記地盤に注入し地盤改良を行う薬液注入工法において、
前記送液回路に気泡を生成する気泡生成装置を接続し、該気泡生成装置で生成した前記気泡を前記送液回路に供給することによって前記薬液に前記気泡を混入し、前記気泡が混入した前記薬液を前記地盤に注入することを特徴とする薬液注入工法。
【請求項2】
薬液を所定濃度に希釈するための水を貯留する貯水槽と、前記貯水槽から供給した前記水を用いて前記薬液を所定濃度に調整しつつ貯留する薬液ミキサーと、地盤の所定深度に前記薬液を吐出するための注入管と、前記薬液ミキサー及び前記注入管に送液ポンプを介して接続され前記薬液ミキサーから前記注入管に前記薬液を送る注入ホースとからなる送液回路を備える薬液注入装置において、
前記送液回路に接続され、生成した気泡を該送液回路に供給する気泡生成装置が設けられていることを特徴とする薬液注入装置。
【請求項3】
請求項2記載の薬液注入装置において、
前記気泡生成装置が、前記貯水槽と前記薬液ミキサーとを結び、前記薬液ミキサーに前記貯水槽から前記水を送るための送水管に接続されていることを特徴とする薬液注入装置。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載の薬液注入装置において、
前記気泡生成装置で生成する前記気泡は、粒径が50μmから200μmとされていることを特徴とする薬液注入装置。

発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬液を地盤に注入して地盤改良を行なう薬液注入工法及びこれに用いられる薬液注入装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、軟弱地盤や地下水帯水地盤の強度増加や不透水化などを図る地盤改良工法として、地盤の土粒子間隙中に薬液(薬液注入材)を注入する薬液注入工法が多用されている。この薬液注入工法では、これに用いる薬液として、セメント、ベントナイト、水ガラスなど種々のものが存在するが、中でも水ガラス系薬液を主体としたものが多用されている。この種の薬液を用いる薬液注入工法は、例えば主剤と、硬化剤または助剤、あるいは硬化剤と助剤(以下、これらを総称して硬化剤という)の配合比率を調整することで容易に硬化時間(ゲルタイム)を調整することが可能とされ、地盤の土質性状や目的に応じて多様な選択性を有することや、注入した薬液により地盤を適度な固さとすることができ、例えば改良後に地盤を掘削する場合など好適に掘削できることや、薬液の注入に要する機械設備が小型で狭所や高さ制限のある場所での施工性がよいことなど多くの利点を有している。
【0003】
このような薬液注入工法は、薬液を地盤内に注入する方法の違いにより、1ショット方式と1.5ショット方式と2ショット方式とに区別される。また、地盤内に建て込まれ地盤の所定深度に薬液を送るための注入管の違いにより、二重管ストレーナ方式とダブルパッカー方式とに区別される。
【0004】
ここで、1ショット方式とは、主剤と硬化剤を所定の配合比率で薬液ミキサーによって予め撹拌混合しておき、主剤と硬化剤を混合した1液状態の薬液を圧送して地盤に注入するものである。これに対し、1.5ショット方式は、主剤と硬化剤とを送液ポンプで個別に注入管に送り注入管の頭部で2液を合わせ、混合された薬液を注入管の先端から吐出して地盤に注入するものである。また、2ショット方式とは、1.5ショット方式と同様に、主剤と硬化剤とを送液ポンプで個別に注入管に送り、注入管の先端から吐出される瞬間に2液を合わせて混合するものである。
【0005】
一方、二重管ストレーナ方式とは、外管と内管とを備える注入管(二重管ロッド)を使用して所定深度まで地盤を削孔した後に、外管と内管のそれぞれの内孔部分から主剤と硬化剤を送液するもので、1.5ショットまたは2ショット方式で用いられている。これに対し、ダブルパッカー方式では、地盤をケーシング削孔した後に、軸方向に所定間隔をもって複数の貫通孔が形成された外管をケーシング内に挿入し、薬液を吐出する噴出部を先端に有し噴出部を挟んで軸方向上下にパッカーが設けられた内管を外管内に挿入する。そして、貫通孔と噴出部の深度を一致させて上下のパッカーで外管と内管との隙間を閉塞しつつ貫通孔と噴出部とを一つの空間内に位置させる。このダブルパッカー方式は、噴出部から薬液を吐出し貫通孔を通じて地盤に薬液を注入するものであり、1ショット方式で用いられている。ダブルパッカー方式を用いた場合には、地盤の所定深度毎に複数の貫通孔を形成しておき噴出部を順に各貫通孔に一致させつつ注入を行なうことで、深度方向の地盤に順次薬液を注入することが可能とされる(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平9−3868号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の薬液注入工法は、前述した通り非常に優れた特長を有している反面、薬液のコストが高いという問題があった。このため、薬液注入による地盤改良効果を維持しつつ薬液の使用量を少なくして地盤改良に係るコストの低減を図ることが強く望まれていた。
【0007】
本発明は、上記事情を鑑み、地盤改良効果を維持しつつ薬液の使用量を少なくして地盤改良に掛かるコストの低減を図った薬液注入工法及び薬液注入装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達するために、この発明は以下の手段を提供している。
【0009】
本発明の薬液注入工法は、薬液を所定濃度に希釈するための水を貯留する貯水槽と、該貯水槽から供給した前記水を用いて前記薬液を所定濃度に調整しつつ貯留する薬液ミキサーと、地盤の所定深度に前記薬液を吐出するための注入管と、前記薬液ミキサー及び前記注入管に送液ポンプを介して接続され前記薬液ミキサーから前記注入管に前記薬液を送る注入ホースとからなる送液回路を備える薬液注入装置を用いて、前記薬液を前記地盤に注入し地盤改良を行う薬液注入工法において、前記送液回路に気泡を生成する気泡生成装置を接続し、該気泡生成装置で生成した前記気泡を前記送液回路に供給することによって前記薬液に前記気泡を混入し、前記気泡が混入した前記薬液を前記地盤に注入することを特徴とする。
【0010】
本発明の薬液注入装置は、薬液を所定濃度に希釈するための水を貯留する貯水槽と、前記貯水槽から供給した前記水を用いて前記薬液を所定濃度に調整しつつ貯留する薬液ミキサーと、地盤の所定深度に前記薬液を吐出するための注入管と、前記薬液ミキサー及び前記注入管に送液ポンプを介して接続され前記薬液ミキサーから前記注入管に前記薬液を送る注入ホースとからなる送液回路を備える薬液注入装置において、前記送液回路に接続され、生成した気泡を該送液回路に供給する気泡生成装置が設けられていることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の薬液注入装置においては、前記気泡生成装置が、前記貯水槽と前記薬液ミキサーとを結び、前記薬液ミキサーに前記貯水槽から前記水を送るための送水管に接続されていることが望ましい。
【0012】
さらに、本発明の薬液注入装置においては、前記気泡生成装置で生成する前記気泡の粒径が50μmから200μmとされていることが望ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明の薬液注入工法及び薬液注入装置によれば、気泡生成装置を送液回路内に設けることによって、薬液に気泡を混入することが可能となり、この気泡が混入した薬液を地盤に注入することで、土粒子間隙中に薬液と気泡とを混在させることが可能となる。これにより、地盤を不飽和状態にすることができるため、従来の土粒子間隙中に薬液が飽和されるものと比較して、地盤の強度を増大させることができる。よって、従来に比べて少ない薬液使用量で地盤の設計強度を確保することが可能となり、薬液注入工法の単位土量あたりのコストを低減することが可能となる。
【0014】
また、薬液に気泡を混入することにより、薬液の地盤への浸透性を増大させることができ、これにより、確実に薬液を地盤に注入することが可能となり、さらに、この場合には、注入時の圧力を低く抑えることができるため、薬液注入時の安全性の向上をも図ることが可能となる。さらに、気泡を混入した薬液を例えば砂質系地盤に注入した場合には、土粒子間隙中に混在された気泡によって地盤に液状化抵抗を付与することが可能となる。
【0015】
また、本発明の薬液注入工法及び薬液注入装置においては、気泡発生装置を貯水槽と薬液ミキサーとを結ぶ送水管に接続することで、薬液を所定濃度に調整するための水とともに気泡を薬液ミキサーに供給することができる。このため、薬液ミキサーで水を混ぜて所定濃度の薬液を作成すると同時に、気泡を混ぜることができるため、確実に薬液中に気泡を分散させて混入することが可能となり、上記の効果をより確実なものとすることができる。
【0016】
さらに、本発明の薬液注入工法及び薬液注入装置においては、気泡の粒径を50μmから200μmとすることにより、薬液に混入した気泡を消泡しにくいものとすることができ、上記の効果をさらに確実に得ることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図1から図2を参照し、本発明の一実施形態に係る薬液注入工法及び薬液注入装置について説明する。本実施形態は、例えば水ガラス系薬液(薬液)を地盤に注入して地盤改良を行なう薬液注入工法及びこれに使用される薬液注入装置に関するものであり、特に気泡を混入した薬液を二重管ストレーナ方式で地盤に注入する薬液注入工法及び薬液注入装置に関するものである。ここで、本実施形態では、主剤(薬液)と、硬化剤または助剤あるいは硬化剤と助剤(以下、これらを総称して硬化剤という)(薬液)を二重管ロッド(注入管)の先端で混合する2ショット方式で薬液を注入するものとしている。
【0018】
本実施形態の薬液注入装置1は、図1に示すように、水を貯留する貯水槽2と、貯水槽2から供給した水を用いて、所定の水ガラス濃度に調整しつつ主剤を貯留する主剤タンク3aと所定濃度に調整しつつ硬化剤を貯留する硬化剤タンク3bとを備える薬液ミキサー3と、外管4aと内管4bとからなる二重管ロッド4と、薬液ミキサー3の主剤タンク3aと硬化剤タンク3bとをそれぞれ二重管ロッド4の外管4aと内管4bとに結ぶ注入ホース(主剤注入ホース5aおよび硬化剤注入ホース5b)5と、薬液ミキサー3から二重管ロッド4の外管4aと内管4bとに主剤と硬化剤とをそれぞれ送液する送液ポンプ6とが主な構成要素とされている。ここで、貯水槽2と薬液ミキサー3と二重管ロッド4と注入ホース5と送液ポンプ6は、薬液が流通する送液回路7を構成する。また、本実施形態では、主剤は水ガラスとされ、硬化剤は例えば水溶性の無機酸、有機酸、塩類、エステル類、アルデヒドなどとされる。
【0019】
貯水槽2と薬液ミキサー3とには、主剤タンク3aと硬化剤タンク3bにそれぞれ所定量の水を供給するための送水管2aが接続されている。この送水管2aを介して貯水槽2から主剤タンク3aと硬化剤タンク3bに水が供給され、主剤タンク3aと硬化剤タンク3bとにそれぞれ適宜手段で供給された主剤原液と硬化剤原液と、この水とを各タンク3a、3bにそれぞれ設けた撹拌手段3cで撹拌混合し主剤と硬化剤とを所定濃度に調整することが可能とされている。
【0020】
また、貯水槽2と薬液ミキサー3に接続された送水管2aには、気泡生成装置10が接続されている。この気泡生成装置10は、例えばスタティックミキサーなどを備える発泡装置10aと、例えばコンプレッサーなどの圧縮空気供給手段10bとが主な構成要素とされている。この気泡生成装置10では、起泡剤10cを圧縮供給手段10bからの圧縮空気とともに発泡装置10aの一端側に供給することで、圧縮空気と起泡剤とが例えばスタティックミキサー内で混合されて気泡が生成され、生成した気泡を発泡装置10aの他端側から排出することが可能とされている。ここで、上記のように気泡を生成するための起泡剤としては、例えば合成界面活性剤系、樹脂セッケン系、加水分解タンパク系など種々のものが適用可能である。
【0021】
二重管ロッド4は、図示せぬ例えばボーリングマシンに支持され、先端には、地盤を掘削して注入孔を形成するための刃部を備えるメタルクラウン4cが取り付けられており、後端(頭部)には、内管4bの内孔(内管側内孔)と、外管4aの内面及び内管4bの外面の間に画成される外管4aの内孔(外管側内孔)とにそれぞれ個別に連通する内孔を備える二重管構造のスイベル4dが取り付けられている。
【0022】
主剤注入ホース5aは、一端が主剤タンク3aに接続され、他端が二重管ロッド4の外管側内孔と連通するようにスイベル4dと接続されている。また、主剤注入ホース5aの一端と他端との間には、主剤タンク3aに貯留された主剤を二重管ロッド4の外管側内孔に送液するための送液ポンプ6が介在されているとともに、主剤注入ホース5aの他端と送液ポンプ6の間に主剤注入ホース5aを流通する主剤の流量と送液時の圧力とを計測するための流量計8が設置されている。一方、硬化剤注入ホース5bは、一端が硬化剤タンク3bに接続され、他端が二重管ロッド4の内管側内孔と連通するようにスイベル4dと接続されている。
【0023】
ついで、上記の構成からなる薬液注入装置1を用いて薬液を2ショット方式で注入する薬液注入工法について説明する。
【0024】
はじめに、二重管ロッド4とこれを支持する例えばボーリングマシンとを用いて地盤に薬液注入を行なう所定深度の注入孔を削孔形成する。ついで、主剤原液と硬化剤原液とを、適宜手段を用いてそれぞれ主剤タンク3aと硬化剤タンク3bに貯留するとともに、貯水槽2から所定量の水をそれぞれに供給する。そして、主剤タンク3aと硬化剤タンク3bとにそれぞれ設けられた撹拌手段3cによってこれらを撹拌混合し、主剤と硬化剤とをそれぞれ所定の濃度に調整する。
【0025】
ここで、本実施形態では、主剤タンク3aと硬化剤タンク3bにそれぞれ主剤原液と硬化剤原液を供給し、希釈のための水を供給する段階で、気泡生成装置10を駆動して発泡装置10aの他端側から所定量の気泡を、送水管2a内を流通する水に供給する。これにより、主剤タンク3aと硬化剤タンク3bとには、それぞれ水が供給されると同時に、所定量の気泡が供給されることとなる。そして、水と主剤原液、水と硬化剤原液とをそれぞれ撹拌手段3cで撹拌する際には、気泡も同時に撹拌されることとなり、所定濃度に調整した主剤と硬化剤とには、気泡が分散状態で混合されることとなる。なお、本実施形態の気泡生成装置10で生成し主剤と硬化剤とに分散されつつ混入される気泡は、その粒径が50μm〜200μmとされ、この粒径の気泡は、送水管2a内を流通する水に供給される段階や、撹拌手段3cで主剤や硬化剤に撹拌される段階などで消泡されにくいものとされる。そして、後述する気泡が混入した主剤と硬化剤(各薬液)が混合されつつ地盤に注入され、地盤内でゲル化するまでの間に混入した気泡がやはり消泡することがないものとされる。
【0026】
ついで、送液ポンプ6を駆動しつつ気泡を混入した主剤と硬化剤とを二重管ロッド4の外管側内孔と内管側内孔とを通じて地盤の所定深度に配された先端側からそれぞれ吐出させる。二重管ストレーナ方式の薬液注入工法では、はじめに、一次注入として、二重管ロッド4の先端部分で主剤と硬化剤が混合された薬液を注入孔と外管4aとの間隙部分に充填しゲル化させ、この間隙部分のシールを行なう。
【0027】
一次注入が完了した段階で、主剤または主剤と硬化剤を二重管ロッド4の先端側から所定圧力で吐出して二次注入を行なう。このとき、吐出した薬液は、一次注入で間隙部分をシールしたゲルを割裂しつつ地盤の土粒子間隙中に浸透してゆき、所定の時間(ゲルタイム)が経過した段階でゲル化して固化され、これにより、地盤の強度や遮水性の向上が図られる。
【0028】
本実施形態においては、上記のように地盤に注入する薬液に気泡が混入されているため、従来の気泡を含まない薬液では土粒子間隙が薬液で飽和されるのに対して、土粒子間隙に薬液と気泡とが混在した不飽和状態とされる。また、薬液に気泡が混入されていることにより、薬液の土粒子間隙への浸透性がよく、薬液注入を行なうための圧力を小さな圧力とした場合においても広範囲の地盤に薬液を注入することが可能とされる。
【0029】
ここで、本発明の実施例と従来例について試験を行なった。この試験結果として気泡を混入した薬液と混入しない従来の薬液とをそれぞれ注入した供試体の一軸圧縮強度と供試体の湿潤密度の関係を図2に示す。この図において実線及び破線は最小二乗法により求めた回帰直線であり、実線が実施例による気泡を薬液に混入した場合の回帰直線を示し、破線が従来の薬液を用いた場合の回帰直線を示している。また、ここでは、薬液として溶液型活性シリカ注入材(商品名:パーマロックASF−N)を主剤として使用している。さらに、シリカ濃度を4%に調整することで、ゲルタイム(ゲル化するまでの時間)が1440分となるようにしている。なお、それぞれの薬液を注入した試料には豊浦標準砂を用いている。
【0030】
この気泡を混入した薬液と、従来の薬液とを用いてそれぞれ形成した供試体の一軸圧縮強度を比較すると、気泡を混入した薬液を用いた供試体の一軸圧縮強度が、気泡を混入しない従来の薬液を用いた供試体に対して20〜30%大きくなることが示されている。
【0031】
したがって、上記の薬液注入工法及び薬液注入装置1においては、貯水槽2と薬液ミキサー3との間を結ぶ送水管2aに、気泡生成装置10を接続することによって、薬液ミキサー3の主剤タンク3a及び硬化剤タンク3bに水を供給すると同時に、気泡を供給することができる。また、主剤タンク3aと硬化剤タンク3bとにそれぞれ設けられた撹拌手段3cで、主剤と硬化剤とを所定濃度に調整するための撹拌混合を行なうとともに、主剤と硬化剤とに、気泡を分散状態で混入することが可能となる。これにより、気泡を混入した薬液を送液回路7内に流通させることができ、これを地盤に注入することができるため、土粒子間隙中に薬液と気泡とが混在され不飽和状態とすることができる。これにより、単位土量当たりの薬液使用量を低減させることができ、薬液注入工法のコストを低減することが可能となる。
【0032】
また、本実施形態の気泡を混入した薬液は、従来の気泡を混入していない薬液と比較して、地盤への浸透性がよく、小さな注入圧力で広範囲の地盤に注入することが可能となる。さらに、気泡を混入した薬液を地盤に注入した場合には、地盤強度を高めることができるとともに、地盤の液状化抵抗を増大させることが可能となる。
【0033】
さらに、気泡生成装置10で生成し薬液に混入する気泡の粒径を50μmから200μmとすることで、薬液に混入してから地盤に注入されてゲル化するまでの間に消泡されにくいものとすることができ、上記の効果を確実に得ることが可能とされる。
【0034】
以上、本発明に係る薬液注入工法及び薬液注入装置の実施形態について説明したが、本発明は上記の一実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、上記の実施形態では、気泡生成装置10が、送水管2aに接続され、貯水槽2から薬液ミキサー3に供給する水とともに気泡が送液回路7内に供給されるものとしたが、例えば所定の濃度に調整された主剤や硬化剤が流通する注入ホース5a、5bなど、送液回路内の別所に気泡生成装置10を接続して薬液中に気泡を混入させてもよいものである。この場合には、例えば注入ホース5に管路ミキサーなどを設けることで、薬液中に供給した気泡を混合し分散されるようにしてもよいものである。
【0035】
さらに、本実施形態では、気泡生成装置10がスタティックミキサーを備える発泡装置10aと圧縮空気供給手段10bとを備えるものとして説明を行なったが、発泡装置10aはスタティックミキサーを備えぬものであってもよく、気泡発生装置10は、起泡剤10cを用いて気泡を生成することが可能であれば、他の構成であってもよいものである。
【0036】
さらに、本実施形態では、本発明を、主剤と硬化剤とを二重管ロッド4の先端で混合する2ショット方式の薬液注入工法に適用するものとして説明を行なったが、本発明は、二重管ロッド4の頭部(後端)で主剤と硬化剤とを混合する1.5ショット方式に適用されてもよいものであり、これとともに、ダブルパッカーを用いた1ショット方式の薬液注入工法に適用されてもよいものである。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の第1実施形態に係る薬液注入装置を示す図である。
【図2】気泡を混入した薬液と従来の薬液の注入効果の差異を示す図である。
【符号の説明】
【0038】
1 薬液注入装置
2 貯水槽
2a 送水管
3 薬液ミキサー
3a 主剤タンク
3b 硬化剤タンク
3c 撹拌手段
4 注入管
4a 外管
4b 内管
5 注入ホース
6 送液ポンプ
7 送液回路
10 気泡生成装置
10a 発泡装置
10b 圧縮空気供給手段
10c 起泡剤





 

 


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