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外装パネル用の胴縁と留め金具の構造 - 松下電工株式会社
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発明の名称 外装パネル用の胴縁と留め金具の構造
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−32074(P2007−32074A)
公開日 平成19年2月8日(2007.2.8)
出願番号 特願2005−216349(P2005−216349)
出願日 平成17年7月26日(2005.7.26)
代理人 【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
発明者 志村 治男 / 田中 良典 / 大門 俊文 / 安田 正一
要約 課題
胴縁が変形しても留め金具が容易に外れることのない外装パネル用の胴縁と留め金具の構造を提供することを目的とする。

解決手段
外壁本体1に設けられる外装パネル2用の胴縁3と留め金具4の構造であり、胴縁3は屋外側に開口3aを有する底面5と2側面6とからなる断面コ字状の長尺材で、両開口端部7には開口内部に向けてストッパー8が立設される。ストッパー8は、両開口端部7に直角に取付けられるリップ8aとしての短辺と、このリップ8aの先端部から側面6に平行で底面5に向けて設けられるフランジ8bとで形成される。胴縁3の長手方向の任意の位置に留め金具4を嵌着するように、留め金具4の両側面11にはガイド面42と係止面43とを備える係止突起44が設けられる。係止突起44の係止面43にストッパー8のフランジ8bを嵌着する凹溝Gが留め金具4の側面11に沿って設けられる。
特許請求の範囲
【請求項1】
建築物の外壁本体に設けられる外装パネル用の胴縁と留め金具の構造であって、
前記胴縁は屋外側に開口を有する底面と2側面とからなる断面コ字状の長尺材で、両開口端部には開口内部に向けてストッパーが立設され、
前記留め金具は底面と2側面とからなる断面コ字状の短尺材で、前記底面の外側に、外装パネルを挟込んでネジにより留め金具の底面に押付けて固着する取付片を備え、この取付片は留め金具と同幅で留め金具に平行な略矩形の挟込部と、留め金具から突起して挟込部の一辺と固着する突起部とからなり、
前記留め金具の底面に前記ネジ用の穿孔穴を設け、この穿孔穴に対向して取付片の挟込部に前記ネジ用の差込穴を設け、
前記胴縁の長手方向の任意の位置に前記留め金具を嵌着するように、前記留め金具の両側面には、前記胴縁の対向するストッパー間の隙間から前記留め金具を前記胴縁の内部に挿入する際にストッパーを介して前記胴縁の両側面を徐々に弾性的に押し広げるガイド面と、前記留め金具を胴縁内に挿入した際に屋内側からストッパーに係止させる係止面とを備えた係止突起を突設するとともに、
前記係止面に前記ストッパーと嵌着する凹溝を前記留め金具の側面に沿って設けられることを特徴とする外装パネル用の胴縁と留め金具の構造。
【請求項2】
請求項1に記載の外装パネル用の胴縁と留め金具の構造であって、前記留め金具に設けられる取付片の挟込部のネジ用の差込穴の周囲が凹状リブ構造(取付片から見て凹状)であることを特徴とする外装パネル用の胴縁と留め金具の構造。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の建築物の外壁本体に設けられる外装パネル用の胴縁と留め金具の構造であって、
前記留め金具の両側面は複数のスリットにより分割されて不撓側面部と可撓側面部に区分され、この可撓側面部は不撓側面部よりも断面コ字状の内部側に傾斜するとともにその先端部が不撓側面部の先端部よりも突出して形成されることを特徴とする外装パネル用の胴縁と留め金具の構造。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の外装パネル用の胴縁と留め金具の構造であって、前記可撓側面部の先端部は留め金具の底面に略平行な接触面を備えることを特徴とする外装パネル用の胴縁と留め金具の構造。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の外装パネル用の胴縁と留め金具の構造であって、前記胴縁の両開口端部の開口内部に向けて立設されるストッパーは、両開口端部に直角に立設されるリップとリップ先端部から底面に向けて突設するフランジとからなることを特徴とする外装パネル用の胴縁と留め金具の構造。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、外装パネル用の胴縁と留め金具の構造に関し、特に、胴縁が変形しても留め金具が容易に外れることなく、安定して固着が維持できる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、外装パネルを建築物の外壁本体に取付けるための胴縁は、加工性や取付けが容易であるとの理由から主として木材が使用され、外装パネルの胴縁への取付けに関しては多くの場合釘が使用されている。
【0003】
この場合、釘頭が露出しているので錆びが発生しやすいため、外装パネルが不燃性で耐久性を持ち合わせていても建物全体としては耐久性が劣るという問題があった。さらに、木材の経年変化による劣化が避けられず、木材の反りや腐朽が生じ易いという欠点があるため、固定釘が浮き上がり外装パネルが脱落することがあった。
【0004】
これらの問題点を解決するために、特許文献1の記載が知られている。特許文献1によれば、図11、図12に示すように、建築物の外壁本体61に外装パネル62用の胴縁63と留め金具64が設けられ、胴縁63は屋外側に開口を有する断面構造で、釘65によって胴縁63の取付部66を貫き外壁本体61に固定される。
【0005】
留め金具64の正面部67の両側には係合部69が設けられ、係合部69は胴縁63の嵌合部68に挿入される。ここで、係合部69は少し外側に開くように設けられている。
【0006】
このため、留め金具64は係合部69が胴縁63の嵌合部68に弾性的に挿入収容されるので、大きな外力が加えられなければ胴縁63に固着した状態を保持することができるが、留め金具64を引張れば胴縁63内を嵌合部68に沿って自由にスライドさせることができる。
【0007】
留め金具64には、支持片70が係合部69と反対側に突出して設けられ、支持片70には上支持片71と下支持片72とを備え、この上支持片71と下支持片72によって上下の外装パネル62が支持される。
【0008】
このように、留め金具64は、胴縁63の中を上下に自由にスライドすることができるので、留め金具64を外装パネル62に合わせて任意の位置に取付けることができて外装パネルの脱落もなくなる。
【特許文献1】実開平5−35944号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
建物外壁を形成するときには、一般に実部(雄実、雌実)を上下端に設けた外装パネルが用いられ、最初に下側の外装パネルを留め金具を介して胴縁に取付けた後に、下側の外装パネル上に上側の外装パネルを実部を合わせて載せて、順次外装パネルを取付けるという作業がおこなわれる。
【0010】
ところが、上記の外装パネルの胴縁への取付け構造では、留め金具を胴縁に装着するのに、胴縁の長さ方向の端部から留め金具を挿入しなければならない。
【0011】
そして、作業者は、それぞれの外装パネルの取付け毎に、外装パネルの配置箇所から離れて胴縁の長さ方向の端部がある高所まで移動して胴縁内に留め金具を挿入しなくてはならないので作業効率が大変悪い。
【0012】
このため、すでに提案している考えであるが、胴縁の長さ方向の任意の箇所で留め金具を胴縁に簡単に装着可能にし、外装パネルの取付けの作業性が向上する外装パネル用の胴縁と留め金具がある。
【0013】
その構成は、図13に示すように、外壁本体1に設けられる外装パネル2用の胴縁3は屋外側に開口3aを有する底面5と2側面6とからなる断面コ字状の長尺材で、両開口端部7には開口内部に向けてストッパー8が立設される。
【0014】
このストッパー8は、両開口端部7に直角に取付けられるリップ8aとしての短辺と、このリップ8aの先端部から側面6に平行で底面5に向けて設けられるフランジ8bとで形成される。
【0015】
留め金具4は底面10と2側面11とからなる断面コ字状の短尺材で、胴縁3の長手方向の任意の位置に留め金具4を嵌着するように、留め金具4の両側面11には係止突起14が突設して設けられる。
【0016】
この係止突起14は、胴縁3の対向するストッパー8間の隙間(開口3a)から留め金具4を胴縁3の内部に挿入する際にストッパー8を介して胴縁3の両側面6を徐々に弾性的に押し広げる曲面のガイド面12と、留め金具4を胴縁3内に挿入した際に屋内側からストッパー8に係止させる係止面13とを備えている。
【0017】
さらに、前記留め金具4の両側面11は複数のスリット15により分割されて不撓側面部16と可撓側面部17に区分され、この可撓側面部17は不撓側面部16よりも断面コ字状の内部側に傾斜するとともにその先端部18が不撓側面部16の先端部19よりも突出して形成される。この可撓側面部17の先端部18が前記胴縁3の底面5に押し当てられることで可撓側面部17が撓み、その反力により前記係止突起14を前記ストッパー8に弾性的に押し当てることができる。
【0018】
この構成であれば、留め金具4を胴縁3の長さ方向の任意位置で押し込んで装着してから所定の場所までスライドすることができる。
【0019】
ところが、係止面13が水平構造なので留め金具4を胴縁3に挿入した際に、胴縁3が外側に少し開いていると留め金具4が横方向に移動する恐れがあった。
【0020】
特に、胴縁3はメーカーによって寸法のバラツキがあり微妙に形状が異なるため留め金具4との嵌め合いに影響が発生していた。さらに、ALCパネルに胴縁3を取付けて留め金具4で金属サイディングを現場施工したときに、地震等によりALCパネルが変形するとその外力で胴縁3も変形するということが発生していた。
【0021】
このため、図14に示すように、係止突起14の係止面13が平面状で、ストッパー8のフランジ8bに対して直角に当接する構成なので、胴縁3が矢印で示すように外側に変形している場合には留め金具4が横方向に移動する可能性が生じるので、ストッパー8が係止面13を滑って係止突起14から外れてしまうという問題があった。
【0022】
そこで、本発明は、胴縁が変形しても留め金具が容易に外れることなく、安定して固着維持できる外装パネル用の胴縁と留め金具の構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0023】
請求項1の発明は、建築物の外壁本体に設けられる外装パネル用の胴縁と留め金具の構造であって、前記胴縁は屋外側に開口を有する底面と2側面とからなる断面コ字状の長尺材で、両開口端部には開口内部に向けてストッパーが立設され、前記留め金具は底面と2側面とからなる断面コ字状の短尺材で、前記底面の外側に、外装パネルを挟込んでネジにより留め金具の底面に押付けて固着する取付片を備え、この取付片は留め金具と同幅で留め金具に平行な略矩形の挟込部と、留め金具から突起して挟込部の一辺と固着する突起部とからなり、
前記留め金具の底面に前記ネジ用の穿孔穴を設け、この穿孔穴に対向して取付片の挟込部に前記ネジ用の差込穴を設け、前記胴縁の長手方向の任意の位置に前記留め金具を嵌着するように、前記留め金具の両側面には、前記胴縁の対向するストッパー間の隙間から前記留め金具を前記胴縁の内部に挿入する際にストッパーを介して前記胴縁の両側面を徐々に弾性的に押し広げるガイド面と、前記留め金具を胴縁内に挿入した際に屋内側からストッパーに係止させる係止面とを備えた係止突起を突設するとともに、
前記係止面に前記ストッパーと嵌着する凹溝を前記留め金具の側面に沿って設けられることを特徴としている。
【0024】
この外装パネル用の胴縁と留め金具の構造であれば、前記係止面に前記ストッパーが嵌着する凹溝を前記留め金具の側面に沿って設けられので、前記胴縁の対向するストッパー間の隙間から前記留め金具を前記胴縁の内部に挿入して前記留め金具の係止突起の凹溝と胴縁のストッパーとを係止できる。
【0025】
さらに、前記留め金具の底面の外側に、留め金具と同幅で留め金具に平行な略矩形の挟込部を持つ取付片を備え、この取付片によって外装パネルを挟込んで固着することができる。
【0026】
また、留め金具の底面に前記ネジ用の穿孔穴を設け、この穿孔穴に対向して取付片の挟込部に前記ネジ用の差込穴を設けるので、外装パネルを留め金具の底面と取付片の挟込部(留め金具の幅と同幅)との間にネジで密着して固定することができる。
【0027】
請求項2の発明は、請求項1に記載の外装パネル用の胴縁と留め金具の構造であって、前記留め金具に設けられる取付片の挟込部のネジ用の差込穴の周囲が凹状リブ構造(取付片から見て凹状)であることを特徴としている。
【0028】
このため、取付片の強度を増すことができる。
【0029】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の建築物の外壁本体に設けられる外装パネル用の胴縁と留め金具の構造であって、前記留め金具の両側面は複数のスリットにより分割されて不撓側面部と可撓側面部に区分され、この可撓側面部は不撓側面部よりも断面コ字状の内部側に傾斜するとともにその先端部が不撓側面部の先端部よりも突出して形成されることを特徴としている。
【0030】
この外装パネル用の胴縁と留め金具の構造であれば、可撓側面部は不撓側面部よりも断面コ字状の内部側に傾斜するとともにその先端部が不撓側面部よりも突出して形成されるので、前記可撓側面部の先端部が前記胴縁の底面に押し当てられることで可撓側面部が撓んで前記係止突起が前記ストッパーに弾性的に押し当てられる。
【0031】
請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3に記載の外装パネル用の胴縁と留め金具の構造であって、前記可撓側面部の先端部は留め金具の底面に略平行な接触面を備えることを特徴としている。
【0032】
この外装パネル用の胴縁と留め金具の構造であれば、前記可撓側面部の先端部の接触面が胴縁の底面に対して面接触することができる。
【0033】
請求項5の発明は、請求項1乃至請求項4に記載の外装パネル用の胴縁と留め金具の構造であって、前記胴縁の両開口端部の開口内部に向けて立設されるストッパーは、両開口端部に直角に立設されるリップとリップ先端部から底面に向けて突設するフランジとからなることを特徴としている。
【0034】
この外装パネル用の胴縁と留め金具の構造であれば、フランジが突設されるので、ストッパーの強度を補強することができる。
【発明の効果】
【0035】
請求項1の発明によれば、前記胴縁の対向するストッパー間の隙間から前記留め金具を前記胴縁の内部に挿入して前記留め金具の係止突起の凹溝と胴縁のストッパーとを係止できるので、留め金具を胴縁の長さ方向の任意位置で装着できて所定の位置までスライドできる。
【0036】
そして、胴縁が変形した場合でも係止突起の凹溝によって留め金具が容易に外れることがなく、安定して固着が維持できる
さらに、前記留め金具の底面に前記ネジ用の穿孔穴を設け、この穿孔穴に対向して取付片の挟込部に前記ネジ用の差込穴を設けるので、外装パネルを留め金具の底面と取付片の挟込部(留め金具の幅と同幅)との間にネジで密着して固定することができるので、装着した外装パネルに風による負圧が掛かっても外装パネルが捲れて剥がれることがない。
【0037】
請求項2の発明によれば、取付片の強度を増すことができるので、装着した外装パネルに風による負圧が掛かっても、確実に外装パネルが捲れず剥がれることがなく信頼性が向上する。また、凹状リブ構造はネジの螺合時に座金の役目も果たすので、ネジによる締め付け効果が向上する。
【0038】
請求項3記載の発明によれば、前記可撓側面部の先端部が前記胴縁の底面に押し当てられることで可撓側面部が撓んで前記係止突起が前記ストッパーに弾性的に押し当てられる。
【0039】
このため、留め金具が胴縁の長さ方向の任意位置で装着できるとともに、胴縁に精度誤差が生じても留め金具がガタツクことなく安定して外装パネル用を保持することができる。
【0040】
請求項4記載の発明によれば、前記可撓側面部の先端部は胴縁の底面に対して(線接触ではなく)面接触することができるので、胴縁に精度誤差が生じても留め金具を胴縁に安定して保持できるので外装パネル用が安定して取付けられる。
【0041】
請求項5の発明によれば、フランジが突設されストッパーの強度を補強することができるので、留め金具を胴縁に安定して保持することができて外装パネルが安定して取付けられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0042】
以下に、本発明の第1の実施形態を図1〜図9に基づいて説明する。
【0043】
<外装パネル用の胴縁と留め金具の構造の構成>
図1、図2、図3に示すように、本発明の建築物の外壁本体1に設けられる外装パネル2用の胴縁3と留め金具4は、前記胴縁3は屋外側に開口3aを有する底面5と2側面6とからなる断面コ字状の長尺材で、ビス等の固着具33で外壁本体1に固定され、両開口端部7には開口内部に向けてストッパー8が立設される。
【0044】
ストッパー8は、両開口端部7に直角に取付けられるリップ8aとしての短辺と、このリップ8aの先端部から側面6に平行で底面5に向けて設けられるフランジ8bとで形成される。
【0045】
前記留め金具4は底面10と2側面11とからなる断面コ字状の短尺材で、前記留め金具4の底面10の外側に、外装パネル2を挟込んでネジ等の固着具31により留め金具4の底面10に押付けて固着する取付片21を備え、この取付片21は留め金具4と同幅で留め金具4に平行な略矩形の挟込部21aと、留め金具4から突起して挟込部21aの一辺と固着する突起部21bとからなる。
【0046】
そして、前記留め金具4の底面10に前記固着具31用の穿孔穴31aを設け、この穿孔穴31aに対向して取付片21の挟込部21aに前記固着具31用の差込穴31bを設ける。前記固着具31は穿孔穴31aに螺合する。
【0047】
前記胴縁3の長手方向の任意の位置に前記留め金具4を嵌着するように、前記留め金具4の両側面11には係止突起44が突設して設けられる。
【0048】
この係止突起44は、前記胴縁3の対向するストッパー8間の隙間(開口3a)から前記留め金具4を前記胴縁3の内部に挿入する際にストッパー8を介して前記胴縁3の両側面6を徐々に弾性的に押し広げる曲面のガイド面42と、前記留め金具4を胴縁3内に挿入した際に屋内側からストッパー8に係止させる水平の係止面43とを備えている。
【0049】
係止突起44の外形は略ビヤ樽縦割り1/4形状、厚さTであり、略U字形状の係止面43には留め金具4の側面11に沿って凹溝G(幅2mm、深さ2mm)が設けられ、前記ストッパー8のフランジ8bがこの凹溝Gに嵌着する
さらに、前記留め金具4の両側面11は複数のスリット15により分割されて不撓側面部16と可撓側面部17に区分され、この可撓側面部17は不撓側面部16よりも断面コ字状の内部側に傾斜するとともにその先端部18が不撓側面部16の先端部19よりも突出して形成される。この可撓側面部17の先端部18が前記胴縁3の底面5に押し当てられることで可撓側面部17が撓み、その反力により前記係止突起44を前記ストッパー8に弾性的に押し当てることができる。
【0050】
取付片21と留め金具4の底面10との間に隙間が形成されるが、取付片21には座繰部22が設けられるので、外装パネル2を受け入れる隙間Sは座繰部22と底面10との間に形成される。
【0051】
ここで、外装パネル2は図示しない内部の断熱材を両側から薄肉の金属板層で被覆してなる金属サイディングが用いられる。外装パネル2の上端部25には凸状の雄実26が突設され、外装パネル2の裏面側の金属板層は雄実26を超えて被取付片27が突設(延設)される。そして、被取付片27の先端部が、金属サイディングの薄肉の被覆金属板層で折り込まれて保護されている。
【0052】
外装パネル2の下端部28には凹状の雌実29が設けられているので、隣接する外装パネル2の上端部25の凸状の雄実26と実結合することができる。さらに、この外装パネル2の下端部28の裏面側には、留め金具4の取付片21を収容するための切欠き30が形成される。
【0053】
そして、外装パネル2の被取付片27は留め金具4の取付片21と底面10の間に挟み込まれるとともに固着具31を穿孔穴31aに螺合することにより固着される。
【0054】
なお、ここで胴縁3の主要寸法を、2側面6間の内距離がR1、両フランジ8b間の隙間(開口3a)の距離がR2、側面6の外形高さがH1、フランジ8bと底面5間の開口距離がH2と表しておく。
【0055】
<留め金具4の詳細構造>
図4、図5に示すように、断面コ字状の留め金具4の底面10は例えば長さL1=80mm、幅M1=40mmに形成され、底面10に取付片21が形成される。取付片21の挟込部21aは底面10の幅M1と同じ幅で略中央部36から長さN2=略26mmの領域に、底面10と平行に隙間S1=1、8mmで形成される。さらに挟込部21aの一辺に固着する突起部21bを介して固着部21cが略中央部36から長さL4=略16mmの領域まで連続し、固着部21cが底面10に一対のネジ57で固着される。
【0056】
取付片21の挟込部21aの略中心部(略中央部36から長さN3の位置)には外装パネル2取付け用の穿孔穴31aが形成される。さらに、挟込部21aの穿孔穴31aを囲む矩形の座繰部22は深さS2=1mmで凹状リブ構造に形成される。
【0057】
なお、外装パネル2の被取付片27を挿入しやすくするために、取付片21の自由端部39から長さS4=3mmに亘って高さS3=1、8mmだけ間口が開いて形成される。
【0058】
留め金具4の2側面11には係止突起44がそれぞれ3個合計6個突設され、
その取付け位置は、留め金具4の長手方向の中心位置と、一端部35と他端部40からそれぞれ長さL3=10mmの位置に設けられる。いま各係止突起44間の長手方向の距離がL2=30mmなので、L2>>L3の関係に配置される。
【0059】
上記のように係止突起44は「略ビヤ樽縦割り1/4形状」で、留め金具4が側面11から突設する高さQ1=4mm、取付幅Q2=略8mm、取付け深さQ3=略4mmであり、底面10からの距離Q4=3、5mmの位置に取付けられる。
【0060】
留め金具4の2側面11は、幅P3=2mmの4条のスリット15によって、5分割され、一端部35から順に、幅P1=18mmの不撓側面部16と幅P2=10mmの可撓側面部17が交互に配列される。ここで、スリット15は底面10から長さY=8mmの位置まで形成される。
【0061】
図6に示すように、不撓側面部16と可撓側面部17のそれぞれの断面形状は異なる形状である。
【0062】
不撓側面部16の断面形状は、側面11(幅M1=40mm)の位置で、高さH3=19mmで、先端部19は先端部19から高さH4=5mmの位置50のところから内側に長さH10=1mmだけ折れ曲がって(角度θ=略10度)形成される。
【0063】
可撓側面部17の断面形状は、側面11(幅M1=40mm)の位置で、高さH5=20mmで形成され、不撓側面部16に比べて長さY1=1mm(H5ーH3)だけ側面11が高い。そして、不撓側面部16は底面10から長さY=8mmの位置51(スリット15の上端51に一致する)から内側に長さH7の位置52まで折れ曲がって(角度θ=略10度)形成される。このとき、位置52は先端部18から長さH6のところであり、不撓側面部16における先端部19から長さH4の位置と同レベル位置である。
【0064】
さらに、位置52から先端部18にかけて長さH8折れ曲がって形成され、先端部18には底面5に略平行な接触片53(接触面)が長さH9=略5mmで形成される。
【0065】
このように、側面11から先端部18まで2度折れ曲がった合計長さは、H7+H8=2mmに形成される。
【0066】
なお、留め金具4に使用される板材は0、8mmの鋼材が用いられる。
【0067】
<胴縁3と留め金具4の相対関係>
上記(図1における)の胴縁3の主要寸法と留め金具4の相対関係において、図6に示すように、係止突起44を含めた留め金具4の幅寸法M5=48mmは、胴縁3の両フランジ8b間の隙間(開口3a)の距離R2より大きく、且つ胴縁3の2側面6間の内距離R1より小さく形成される。そして、不撓側面部16の先端部19から係止突起44の係止面43の凹溝Gの底までの長さ(H3−Q4―2mm)は胴縁3のフランジ8bと底面5間の開口距離H2と同じ長さに形成される。また、不撓側面部16の高さH3は胴縁3の側面6の外形高さH1と同じか少し高く形成される。
【0068】
それぞれの関係を式で表すと、
R1>M5>R2 (H3−Q4―2mm)=H2 H3≧H1である。
【0069】
<外装パネル用の胴縁と留め金具の作用>
図7に示すように、建築物の外壁本体1に設けられる外装パネル2は胴縁3に取付けられた留め金具4を介して、外壁本体1の下から上に向かって順番に横張りで組付けられる。
【0070】
より詳しくは、上記のように、留め金具4を任意の位置で胴縁3に嵌着して、その留め金具4をスライド下降させて、留め金具4の取付片21を外装パネル2の被取付片27に被せる。そして、ビス等の固着具31が底面10の穿孔穴31aに螺合することにより被取付片27と取付片21を固着する。
【0071】
さらに、次の外装パネル2を上から重ねる際に、下段の外装パネル2の上端部25の凸状の雄実26に、上段の下端部28の凹状の雌実29を被せて位置決めし、固着具31によって被取付片27と取付片21は固着される。
【0072】
このとき、取付片21には座繰部22が設けられるので固着具31の頭は座繰部22から突出しないとともに、次の外装パネル2の下端部28の裏面側には留め金具4の取付片21を収容するための切欠き30が形成されるので、上下の外装パネル2は容易に重ねることができる。
【0073】
なお、これ以外の座繰部22の役割として、ビス等の固着具31を外装パネル2に螺合して固着するときに、締め付け面圧を高めて固着効果を高めるという所謂座金効果もある。
【0074】
さらに、上記のように、外装パネル2(金属サイディング)の被取付片27の先端部が金属サイディングの薄肉の被覆金属板層で折り込まれて保護されているので、被取付片27の先端部は被取付片27の他の部分よりも折り込まれている分だけ厚肉部になるが、座繰部22はこの厚肉部から逃げて被取付片27(の他の部分)に当接することができるので、座繰部22によって確実に被取付片27を固着できるという効果を得ることができる。
【0075】
図8(a)、(b)に示すように、留め金具4を胴縁3に取付けるには、留め金具4を胴縁3にワンタッチで直接押し込むだけで完了する。
【0076】
詳しくは、押し込まれた留め金具4の側面11に形成された係止突起44が胴縁3のストッパー8に当接するが、係止突起44に形成されたガイド面42が曲面なので、係止突起44は無理なくストッパー8を押し広げるので、連動して胴縁3の側面6も徐々に弾性的に撓みながら押し広げられる。
【0077】
さらに、留め金具4を胴縁3に押し込む動作をつづけると、最終的に、係止突起44がストッパー8を乗り越えるとともに胴縁3の側面6が弾性的に元の位置まで復元する。このとき、係止突起44の係止面43に設けられた凹溝Gに前記ストッパー8のフランジ8bが嵌着する。
【0078】
この動作中において、上記のように、可撓側面部17の側面11は高さH5=20mmで、不撓側面部16に比べて長さY1=1mm(H5ーH3)だけ長いので、胴縁3の底面5には可撓側面部17の先端部18が当接する。
【0079】
そして、可撓側面部17は2段階に内側に折れ曲がっているので、容易に弾性的に撓むことができるので、その反力により留め金具4を係止突起44(係止面43)を介して胴縁3のストッパー8に常に安定して押付けて係止させることができる。このように、可撓側面部17のスプリング効果により可撓側面部17の先端部18と胴縁3の底面5との間に常時隙間が発生しないのでガタツキが生じない。
【0080】
また、係止突起44の係止面43に設けられた凹溝Gによって前記ストッパー8のフランジ8bが確実に食い込んで嵌着できるので、胴縁3が変形しても留め金具4が容易に外れることはない。
【0081】
可撓側面部17が、両側面11に2箇所毎設けられているので、安定してスライドできる。可撓側面部17により、留め金具4が任意の位置に保持できるので、仮止め時に留め金具4が胴縁3に沿って落下しないので、作業効率が向上する。
【0082】
さらに、留め金具4がスライド可能なので、外装パネル2の熱伸縮によって生じる内部応力を逐次逃がすことができるので、外装パネル2の変形や取付部の破損が生じることがない。
【0083】
<外装パネル2と取付片21の関係>
図9(a)、(b)、に示すように、外装パネル2の被取付片27は取付片21の挟込部21aと底面10間にネジ等の固着具31により一体的に固着されているので、風による負圧が掛かっても底面10の剛性が高いため挟込部21a(及び被取付片27)が捲れて剥がれることがないので外装パネル2が剥がれることはない。
【0084】
なお、前記留め金具4の底面10に前記固着具31の穿孔穴31a(ネジよりも小さい径)を設け、この穿孔穴31aに対向して取付片21の挟込部21aに前記固着具31用の差込穴31b(ネジ径よりも大きい孔)を設けるので、ネジ等の固着具31は底面10のみに羅合し、外装パネル2は底面10と取付片21にサンドイッチ状態に挟み込まれるので、ガタの生じない状態で固着することができる。
【0085】
<第2の実施形態>
図10に示すように、係止突起44aは略縦割り1/4円筒状、厚さTで、係止面43aには留め金具4の側面11に沿って凹溝G(幅2mm、深さ2mm)が設けられる。この係止突起44aであれば、ガイド面42aの曲面が筒状曲面なので製作が容易にできる。そして、上記第1の実施形態と同じ効果が得られる。
【0086】
以上、本発明の実施形態を図面に基づいて説明したが、上記の実施例はいずれも本発明の一例を示したものであり、本発明はこれらに限定されるべきでないということは言うまでもない。
【0087】
係止突起44の形状は、略球形縦割り1/4形状に形成してもよい。
【0088】
係止突起44の外形は略ビヤ樽縦割り1/4形状で厚みT、及び、係止突起44aは略縦割り1/4円筒状で厚みTとして形成する替わりに、それぞれの外形は同じで凹溝Gを備えた中実の構造にしてもよい。
【0089】
穿孔穴31aに螺合するネジ等の固着具31は(ネジ付き)ボルトでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】本発明の第1の実施形態における、建築物の外壁本体に設けられる外装パネル用の胴縁と留め金具の構造を示す断面透視図である。
【図2】本発明の第1の実施形態における、図1のA−A矢視図である。
【図3】本発明の第1の実施形態における、係止突起44の斜視図である。
【図4】本発明の第1の実施形態における、留め金具の平面図である。
【図5】本発明の第1の実施形態における、図4のB−B矢視図である。
【図6】本発明の第1の実施形態における、図5のC−C矢視図である。
【図7】本発明の第1の実施形態における、建築物の外壁本体に設けられる外装パネル用の胴縁と留め金具の配置を示す斜視図である。
【図8】本発明の第1の実施形態における、(a)は胴縁に留め金具を挿入する状態を示す断面図、(b)は胴縁に留め金具が挿入された状態を示す断面図である。
【図9】(a)は、本発明の第1の実施形態における、留め金具の斜視図、(b)は、外装パネル2が留め金具4の取付片21と底面10により挟込んで固着される状態を示す断面図である。
【図10】本発明の第2の実施形態における係止突起44aの斜視図である
【図11】従来の、建築物の外壁本体に設けられる外装パネル用の胴縁と留め金具の構造を示す断面図である。
【図12】従来の、留め金具の構造を示す斜視図である。
【図13】既に提案されている「建築物の外壁本体に設けられる外装パネル用の胴縁と留め金具の構造」を示す断面透視図である。
【図14】は、既に提案されている「建築物の外壁本体に設けられた外装パネル用の胴縁が広がったときの留め金具の係止突起14の状態」を示す断面透視図である。
【符号の説明】
【0091】
1 外壁本体
2 外装パネル
3 胴縁
3a 開口
4 留め金具
5 底面
6 側面
7 開口端部
8 ストッパー
8a リップ
8b フランジ
11 側面
42 ガイド面
43 係止面
44 係止突起
G 凹溝




 

 


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