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発明の名称 シークイン縫いが可能なミシン
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−151598(P2007−151598A)
公開日 平成19年6月21日(2007.6.21)
出願番号 特願2005−346788(P2005−346788)
出願日 平成17年11月30日(2005.11.30)
代理人 【識別番号】100077539
【弁理士】
【氏名又は名称】飯塚 義仁
発明者 田島 良
要約 課題
シークイン送り量を各ミシンヘッド毎に独立に設定できるようにすることにより、例えばグループ制御する際に、1つの刺繍柄中で使用可能なシークインサイズの種類を豊富にする。

解決手段
複数のミシンヘッドのうち1グループとしてグループ化して取り扱う複数のミシンヘッド内の各シークイン送り装置におけるシークインの送りピッチをそれぞれ独立に設定する設定手段を具備し、1グループ内のすべてのシークイン送り装置でそれぞれ独自のサイズ(送りピッチ)のシークインをセットできるようにする。
特許請求の範囲
【請求項1】
複数のミシンヘッドを備え、各ミシンヘッド毎にシークイン送り装置を備えたミシンにおいて、前記シークイン送り装置は、各縫い動作毎にシークインを設定された送りピッチで針落ち位置に向けて送り出すものであり、
前記複数のミシンヘッドのうち1グループとしてグループ化して取り扱う複数のミシンヘッド内の各シークイン送り装置におけるシークインの送りピッチをそれぞれ独立に設定する設定手段を備えたことを特徴とするミシン。
【請求項2】
前記各ミシンヘッドは、複数の針棒のいずれかを針落ち位置に選択的に設定して縫い動作を行う多針ヘッドであり、
前記シークイン送り装置は、前記多針ヘッドにおける少なくとも1つの針棒の位置に対応して設けられている請求項1に記載のミシン。
【請求項3】
前記各多針ヘッドにおいて、前記複数の針棒の配列における両端の針棒の位置に対応して、前記シークイン送り装置がそれぞれ設けられており、
前記設定手段は、前記多針ヘッドにおける異なる針棒位置に対応するシークイン送り装置毎に独立に前記送りピッチの設定を行うものである請求項2に記載のミシン。
【請求項4】
前記多針ヘッドにおいて前記シークイン送り装置に対応する針棒が選択された時のミシン回転数を、それ以外の針棒が選択されたときのミシン回転数とは独立に設定する設定手段を更に備えたことを特徴とする請求項2に記載のミシン。
【請求項5】
縫い動作の実行中において、前記多針ヘッドで選択される針棒が、前記シークイン送り装置に対応する針棒に切り換えられるとき、ミシンの運転を止めることなく、前記設定手段で設定された前記シークイン送り装置に対応する針棒が選択された時のミシン回転数へと、ミシン主軸の回転数を切り替えることを特徴とする請求項4に記載のミシン。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、シークイン縫いが可能なミシンに関し、特に、複数のミシンヘッドを備えた多頭式の刺繍ミシンにおいて、複数の各ミシンヘッド毎に個別にシークイン送り量を可変設定できるようにしたことに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のシークイン送り装置としては、例えば、下記特許文献1あるいは特許文献2又は3に示されたものが知られている。このようなシークイン送り装置は、多数のシークイン(スパンコール)を連結してなるシークイン連結体を巻回収納したリールから該シークイン連結体を繰り出して支承板の上面に載置し、送りレバーの前進及び後退動作によってシークイン連結体を1個分のシークインのサイズに対応する所定ピッチで送り出す送り機構を備え、ミシンの針棒の縫い動作に連動して送り出されたシークイン連結体から1個のシークインを切断しつつシークインを被縫製体に縫着するようになっている。
【特許文献1】ドイツ実用新案登録第G9209764.2号公報
【特許文献2】米国特許第5755168号公報
【特許文献3】ドイツ特許第DE19538084号公報(特許文献2に対応)
【0003】
また、下記特許文献4においては、シークイン送り装置をミシンヘッドに装着することで、刺繍布等の被刺繍物にシークインを縫い付けることができるようにした刺繍ミシンが示されている。ミシンヘッドとしては、各種の色糸に対応する複数の針棒を具備した針棒ケースを具備し、いずれか所望の色糸の針棒を所定の針落ち位置に選択的に位置させるようにする多針ヘッドが公知である。シークイン送り装置をミシンヘッドに装着するにあたっては、そのような多針ヘッドの針棒ケースの両側のそれぞれに装着するか(図1(A)の例)、あるいは左右いずれか一方にのみ装着する場合(図1(B)又は(C)の例)がある。
【特許文献4】特開2004-167097号公報
【0004】
針棒ケースの所定位置に取り付けられたシークイン送り装置においてはシークイン切り離し用の切断機構(刃)を具備しており、針棒ケースに保持された針棒の上下動に連動してこの切断機構が駆動される。1つのミシンヘッドH1の針棒ケースにおいて横並びに並んだ複数の針棒を、正面から見て右側から順に、第1針、第2針、第3針、・・・最終針、と呼ぶとすると、図1(A)に示すように、シークイン送り装置2,3が針棒ケースの両側に装着された場合は第1針及び最終針がシークイン縫い専用となり、左側のみに装着された場合(図1(B))は最終針がシークイン縫い専用となり、右側のみに装着された場合(図1(C))は第1針がシークイン縫い専用となる。ここで、「針棒がシークイン縫い専用になる」とは、該針棒が、上記シークイン切断機構の駆動と、送り出されて切断されたシークインの縫い付けとに供されるということであり、これらの針棒は通常の刺繍縫いには用いないということである。
【0005】
ところで、シークイン送り装置はシークイン連結体の送り量をそのシークイン片の連結ピッチに合わせて調整することができるようになっており、この送り量は刺繍機の操作パネルで設定することができる。しかもこの送り量(シークイン送りピッチ)の設定は、左側、右側で格別に設定することができる。したがって、ミシンヘッドの両サイドにシークイン送り装置が装着されている場合、左右のシークイン送り装置2,3にセットするシークインを異なるピッチ(大きさの異なるシークインの連結体)のものにすることで、一つの刺繍柄中に異なる種類のシークイン(ピッチの異なるもの)を縫い付けることができ、装飾性により富んだ刺繍を行うことができる。
【0006】
ところで、この送り量の設定は上記のように左右のシークイン送り装置の間では格別に設定することはできても、複数のヘッドを並設した多頭刺繍ミシンにあっては、従来、各ヘッド毎に各別に設定することはできなかった。多頭刺繍ミシンの場合、例えば2ヘッドずつを一つのグループとして、あたかも2ヘッドで1ヘッドであるかのように扱って刺繍縫いを行うグループ制御ができる。例えば、図2(A)に示すように10基のミシンヘッドH1〜H10を備えた刺繍ミシンにおいて、同図(B)に示すように刺繍機の右側から順に2ヘッドずつグループ化すると、各グループG1〜G5においてはその刺繍範囲E2が、X方向(横方向)に関して、グループ化しない場合の刺繍範囲E1に比べて2倍となり、1つのグループにつき2ヘッドを使用して1つの刺繍柄を作成できるようになる。各ミシンヘッドの針数が仮に9本だとすると、一つの刺繍に合計18色の針棒糸での大型刺繍(X方向に関して通常の2倍の刺繍範囲を持つ柄)の縫いが可能となる。
【0007】
しかし、このようにグループ制御する場合において、従来は、各ヘッド毎に独自にシークインの送り量を設定できるようになっていないため、1グループ内の各ヘッドでは左右両側にシークイン送り装置が設置されていたとしても、送りピッチ(サイズ)が異なるシークインは2種類しか使用できなかった。例えば、1グループに2ヘッドを含む場合、各ヘッドの左右両側に設置する各シークイン送り装置にセットするシークインの色はそれぞれ変更できても、そのサイズは左右2通りでしか変更できないため、2サイズ4色のバリエーションでしかシークインを使用することができない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上述の点に鑑みてなされたもので、シークイン送り量を各ミシンヘッド毎に独立に設定できるようにすることにより、例えばグループ制御する際に、1つの刺繍柄中で使用可能なシークインサイズの種類を豊富にすることができるミシンを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、複数のミシンヘッドを備え、各ミシンヘッド毎にシークイン送り装置を備えたミシンにおいて、前記シークイン送り装置は、各縫い動作毎にシークインを設定された送りピッチで針落ち位置に向けて送り出すものであり、前記複数のミシンヘッドのうち1グループとしてグループ化して取り扱う複数のミシンヘッド内の各シークイン送り装置におけるシークインの送りピッチをそれぞれ独立に設定する設定手段を備えたことを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、複数のミシンヘッドのうち1グループとしてグループ化して取り扱う複数のミシンヘッド内の各シークイン送り装置におけるシークインの送りピッチをそれぞれ独立に設定する設定手段を備えているので、1グループ内のすべてのシークイン送り装置でそれぞれ独自のサイズ(送りピッチ)のシークインをセットできる。従って、1グループ内の複数のミシンヘッドの協働によって形成される1つの刺繍柄中で使用可能なシークインサイズの種類を豊富にすることができる。例えば、1グループに2ヘッドを含む場合、各ヘッドの左右両側に設置する各シークイン送り装置にセットするシークインの色及びサイズをそれぞれ独自に設定できるので、4サイズ4色のバリエーションでシークインを使用することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、添付図面を参照してこの発明の実施の形態の一例を詳細に説明する。
本発明の一実施例に係る刺繍ミシンの機械的構成は従来公知の構成からなるものであってよい。例えば、1つのミシンヘッドH1が、図1(A)又は(B)又は(C)に示すように、多針ヘッドであって、左右側にそれぞれシークイン送り装置2及び3を具備するか若しくは右又は左側にシークイン送り装置2又は3を具備する構成であってよい。本発明の一実施例に係る刺繍ミシンは、このようなミシンヘッドH1を複数具備しており、そして、上述した従来技術のように隣り合った2個(又はそれ以上)のミシンヘッドを1つのグループとしてグループ化して大型刺繍(シークイン入り刺繍)縫いを行うことができる。なお、各シークイン送り装置2及び3の機械的構成は、いかなる構成のものを用いてもよい。例えば、前述のように、多数のシークインを連結してなるシークイン連結体を巻回収納したリールから該シークイン連結体を繰り出して支承板の上面に載置し、送りレバーの前進及び後退動作によってシークイン連結体を1個分のシークインのサイズに対応する所定ピッチで送り出す送り機構を備え、ミシンの針棒の縫い動作に連動して送り出されたシークイン連結体から1個のシークインを切断しつつシークインを被縫製体に縫着するものである。ここで、刺繍柄に応じて任意の色及びサイズ(ピッチ)のシークイン連結体が各シークイン送り装置2及び3にセットすることができ、セットするシークイン連結体のサイズ(ピッチ)に応じて、追って説明するように、本発明に従う「シークイン送りピッチ」設定処理が行われる。
【0012】
図3は、本発明の一実施例に係る刺繍ミシンが具備する操作パネルボックス10に関連する制御システムを示すブロック図である。この制御システムは、CPU(中央処理ユニット)11,ROM(リードオンリーメモリ)12,RAM(ランダムアクセスメモリ)13を含むコンピュータで構成され、該コンピュータのバス14にインタフェースを介して操作パネルボックス10が接続されている。また、コンピュータのバス14には、ハードディスク及び/又はその他のメモリ(フラッシュメモリ、フレキシブル磁気ディスク、CD、MO等)が公知のように接続される。操作パネルボックス10は、液晶あるいはCRT等の電子式ディスプレイ16と、該ディスプレイ16の画面上に配置された透明スイッチ群からなるタッチパネル17と、操作スイッチ18等を含む。この操作パネルボックス10及びこれに関係するコンピュータの処理機能が、「シークインの送りピッチ」設定のための及びその他の各種の設定機能のための設定手段に相当する。
【0013】
図4は、操作パネルボックス10の正面図であり、ディスプレイ16においてメイン画面が表示されている例を示している。ディスプレイ16の前面が透明スイッチ群からなるタッチパネル17であり、公知のように、該ディスプレイ16の画面に表示されたキー画像を操作者の指等で押すと、該押されたキー画像に対応するキースイッチがオンされたと判断される。このメイン画面において、所定の選択キーK1を押すと、各種パラメータ設定用の処理に移行する。すると、ディスプレイ16の画面は、図5に示すような各種パラメータ設定用のフロントページ画面に切り換わる。このフロントページ画面では、メニューウィンドウMWは、1番〜10番のメニューが選択可能である。図6は、この各種パラメータ設定用処理で実行される「シークイン送りピッチ」設定処理の一例を示すフローチャートである。
【0014】
図6において、ステップS1では、左又は右のシークイン送り装置2又は3のどちらが選択されたかを判定する。右のシークイン送り装置2が選択された場合は、ステップS2に行き、各ヘッド毎にそれぞれの右側のシークイン送り装置2による「シークインの送りピッチ」をそれぞれ独立に設定する。一方、左のシークイン送り装置3が選択された場合は、ステップS3に行き、各ヘッド毎にそれぞれの左側のシークイン送り装置3による「シークインの送りピッチ」をそれぞれ独立に設定する。「シークインの送りピッチ」の設定ではない場合は、ステップS4に行き、その他の処理を適宜行う。
【0015】
ステップS1での判定処理に関連する選択操作例を説明する。図5のフロントページ画面においてページ「P3」のキー画像K2を2回オン操作して画面を切り換えることで、切り換わった画面においてページ「P6」のキー画像が表示される状態とし、このページ「P6」のキー画像を押すと、メニューウィンドウMWの表示が51番〜59番のメニュー(左右のシークインの送りピッチ設定メニューを含む)を選択し得る画面に切り換わる。その画面では、最初はメニューウィンドウMW中の最上段の「51.自動給油装置」のメニューのタグ画像が反転表示状態となっている。その画面で、メニューウィンドウMW中の「54.シークイン装置(R)」のメニューのタグ画像を押すと、図7(A)に示すようなシークイン送り量設定画面に切り換わり、メニューウィンドウMW中の該押圧したタグ画像が反転表示されて、右側のシークイン送り量の設定画面であることを示す。こうして、右側のシークイン送り装置2が選択され、図6のステップS2の処理に移行する。一方、メニューウィンドウMW中の「55.シークイン装置(L)」のメニューのタグ画像を押すと、該押圧したタグ画像が反転表示されて左側のシークイン送り量の設定画面が選択されたことを示す。かくして、左側のシークイン送り装置3が選択され、図6のステップS3の処理に移行する。
【0016】
ステップS2でのシークイン送り量設定処理に関連する設定操作手順の実例を、図7を参照して説明する。図7(A)の画面において、メニューウィンドウMW中の「54.シークイン装置(R)」の右隣の表示を見ると、「Any6.0」となっている。これは、現状では、すべてのミシンヘッドの右側(R側)のシークイン送り装置2においてシークイン送り量(送りピッチ)が6ミリメートルに設定されていることを示している。また、メニューウィンドウMWの右側の上部における設定確認画像CIにおいても同じように表示されている。所望の送りピッチ量に設定変更する場合は、画面中のテンキー画像TKを操作して所望の数値入力を行う。例えば、図7(A)の画面でテンキー画像TKの数値「0」のキーを押すと、図7(B)の画面に切り換わり、この設定確認画像CI中の「Any」の下に「0」が表示される。この設定を確定するために、リターンキー画像RKを押すと、図7(C)の画面に切り換わり、メニューウィンドウMW中の「54.シークイン装置(R)」の右隣の表示が「Any 0」となる。このように、右側(又は左側の場合も同様)のシークイン送り装置2(又は3)の送りピッチ設定を「Any 0」と設定した状態では、どのヘッドの右側(又は左側)シークイン送り装置2(又は3)も使用しないという設定となり、この設定にすると、右側(又は左側)シークイン送り装置2(又は3)が装着されていても作動しない。また、元々、右側(又は左側)シークイン送り装置2(又は3)が装着されていない場合は、このように設定する(若しくは、そのように自動的に設定されるようにしてもよい)。
【0017】
図7(C)の画面において、各ヘッド毎のシークイン送り量(送りピッチ)を設定するモードにするには、右シフトキー画像SKをオン操作する。すると、図7(D)の画面に切り換わり、設定確認画像CI中において、1番目のミシンヘッドと2番目のミシンヘッドに関して、シークイン送りピッチの所定のデフォルト値「4.0」(単位はミリメートル)が表示される。すなわち、図7(D)において、設定確認画像CI中の上部中央の表示枠内の「1」は1番目のミシンヘッド(図2のH1)を示し、上部右側の表示枠内の「2」は2番目のミシンヘッド(図2のH2)を示す。なお、ミシンヘッド番号は、ミシンの正面から見て、最右端を番号1とし、左方に向かってその番号が増すものとする。設定確認画像CI中の下部の各表示枠には、上部表示枠に表示された番号のヘッドに対して設定されたシークイン送り量が表示される。そして、設定確認画像CI中の下部中央の表示枠に表示された数値をテンキー画像TKの操作によって変更できるようになっている。
【0018】
よって、図7(D)の画面では、1番目のミシンヘッドの右側のシークイン送り装置の送りピッチが設定・変更可能である。例えばこの送り量(送りピッチ)を6.0ミリメートルに設定したい場合は、テンキー画像TKの数値「6」と「0」のキーを順次押すことで「6.0」の入力を行い、この入力を確定させるために、リターンキー画像RKを押す。すると、図7(E)の画面に切り換わり、設定確認画像CI中の下部中央の表示枠に数値「6.0」が表示される。ここで、設定するヘッドを次の2番目のヘッドに変更する場合は、右シフトキー画像SKを1回オン操作する。すると、図7(F)の画面に切り換わり、設定確認画像CIの表示が全体的に1つ左方向に移動する。すなわち、1番目のヘッドを示す番号「1」とその送り量の設定値「6.0」は左側の表示枠にそれぞれ移動し、上部中央の表示枠には2番目のヘッドを示す「2」が表示され、その下部の表示枠にはデフォルト値「4.0」が表示される。また、その右隣の表示枠には、3番目のヘッドを示す番号「3」と、その送りピッチ量のデフォルト値「4.0」が新たに表示される。
【0019】
図7(F)の画面においては、中央の表示枠に表示された2番目のヘッドの送りピッチが設定・変更可能である。例えばこの送り量を3.7ミリメートルに設定したい場合は、テンキー画像TKの数値「3」と「7」のキーを順次押すことで「3.7」の入力を行い、この入力を確定させるために、リターンキー画像RKを押す。すると、図7(G)の画面に切り換わり、設定確認画像CI中の下部中央の表示枠に数値「3.7」が表示される。
【0020】
以後、同様に、右シフトキー画像SKをオン操作して、設定対象のヘッドを順次変更して、それぞれに対応して所望の送り量を数値入力すればよい。なお、その場合、前に設定したヘッドに戻ってその送り量を設定し直したい場合は、右シフトキー画像SKをオン操作する代わりにその左隣にある左シフトキー画像をオン操作すればよい。こうして、全てのヘッドに対して所望の送り量の設定が完了したら、この設定を確定するために、リターンキー画像RKを押す。すると、図7(H)の画面に切り換わり、メニューウィンドウMW中の「54.シークイン装置(R)」の右隣の表示が、「ヘッド単位」というものに切り換わる。この「ヘッド単位」の表示は、シークイン送りピッチが各ヘッド毎に個別に設定されていることを示している。確定した各ヘッド毎のシークイン送りピッチの設定値は、RAM13のワークエリア内に揮発的にあるいはメモリ15内に不揮発的に保存される。なお、この図7(H)の画面で、各ヘッド毎に個別のシークイン送りピッチ設定内容を確認したい場合は、右シフトキー画像SK(又はその左隣の左シフトキー画像)を適宜オン操作して、設定確認画像CIの表示を順次左に(又は右に)移動させるようにすればよい。
【0021】
図6のステップS3で実行される左側のシークイン送り装置3についてのシークイン送りピッチ量の設定操作手順も、図7を参照して上述した手順と全く同様に行うことができる。すなわち、メニューウィンドウMW中の「55.シークイン装置(L)」のタグ画像を押すことで、該押圧したタグ画像が反転表示されて左側のシークイン送り量の設定画面が選択された状態にすると、図7を参照して上述した手順と全く同様に、テンキー画像TK、リターンキー画像RK、右シフトキー画像SK、設定確認画像CI等を使用して、左側のシークイン送り装置3についてのシークイン送りピッチ量の設定操作が行える。
【0022】
上記の実施の形態では、シークイン送り量を各ヘッド毎に独立に設定する構成からなっている。このような実施の形態の場合、刺繍ミシンを上述したようにグループ制御する場合、各ヘッド毎に独自にシークインの送りピッチ(送り量)を可変設定できるようになっているが故に、1グループとしてグループ化して取り扱う複数のミシンヘッド内の各シークイン送り装置におけるシークインの送りピッチをそれぞれ独立に設定することができることとなる。例えば、図2(A)に示すように10基のミシンヘッドH1〜H10を備えた刺繍ミシンにおいて、同図(B)に示すように刺繍ミシンの右側から順に2ヘッドずつグループ化すると、各グループG1〜G5においてはその刺繍範囲E2が、X方向(横方向)に関して、グループ化しない場合の刺繍範囲E1に比べて2倍となり、1つのグループにつき2ヘッドを使用して1つの刺繍柄を作成できるようになる。各ミシンヘッドの針数が仮に9本だとすると、一つの刺繍に合計18色の針棒糸での大型刺繍(X方向に関して通常の2倍の刺繍範囲を持つ柄)の縫いが可能となる。加えて、本発明によれば、1グループ内のすべてのシークイン送り装置でそれぞれ独自のサイズ(送りピッチ)のシークインをセットできるので、1グループ内の複数のミシンヘッドの協働によって形成される1つの刺繍柄中で使用可能なシークインサイズの種類を豊富にすることができる。例えば、1グループに2ヘッドを含む場合、各ヘッドの左右両側に設置する各シークイン送り装置にセットするシークインの色及びサイズをそれぞれ独自に設定できるので、4サイズ4色のバリエーションでシークインを使用することができるようになる。また、1グループ内のヘッド数は隣接する2ヘッドに限らず、隣接する3ヘッド又は4ヘッド等、任意であってよい。従って、1グループが3ヘッドであれば、1つの大型刺繍(X方向に関して通常の3倍の刺繍範囲を持つ柄)において、6サイズ6色のバリエーションでシークインを使用することができるようになるし、また、1グループが4ヘッドであれば、1つの大型刺繍(X方向に関して通常の4倍の刺繍範囲を持つ柄)において、8サイズ8色のバリエーションでシークインを使用することができるようになる。また、ミシンの全ヘッドを1グループとして、各ヘッド毎に異なるサイズのシークインを使用するようにしてもよい。
【0023】
なお、本発明は、上記実施例のように刺繍ミシン内の全ヘッドに関して個別にシークイン送りピッチを設定するやり方に限らず、要するに、1グループ内の各ヘッドに関して個別にシークイン送りピッチを設定できるようになっていればよい。その場合、グループ間では、1グループ内の各ヘッドに関して個別に設定されたシークイン送りピッチ量をそれぞれ共通に使用するものとする。例えば図2(B)に示すように刺繍ミシンの右側から順に2ヘッドずつグループ化する場合、1グループ内の右から1番目と2番目のヘッドについて、それぞれ左右のシークイン送り装置の送りピッチをそれぞれ独立に設定し、こうして設定された各送りピッチ設定値を全グループにつき同じ1番目と2番目のヘッドについてそれぞれ共通に使用すればよい。3ヘッドづつグループ化する場合も同様であり、1グループ内の右から1番目、2番目、3番目のヘッドについて、それぞれ左右のシークイン送り装置の送りピッチをそれぞれ独立に設定し、こうして設定された各送りピッチ設定値を全グループにつき同じ1番目、2番目、3番目のヘッドについてそれぞれ共通に使用すればよい。なお、1グループ内のヘッド数などグループ分けの仕方も、操作パネルボックス10を使用して適宜可変設定できるが、その詳細説明は省略する。なお、図2(B)のような10ヘッド立て多頭式刺繍ミシンでは、3ヘッドづつのグループは3グループ出来る一方で、1ヘッドが余るが、余った1ヘッドは休止状態とすればよい。他方、12ヘッド立て多頭式刺繍ミシンの場合は、3ヘッドづつのグループは丁度4グループ出来、余りのヘッドは出ない。
【0024】
なお、刺繍ミシンでシークイン縫いを行うときは、通常の刺繍縫い時よりも低い回転数(針棒の昇降スピード)で稼動したほうが良い場合がある。従って、通常の色糸刺繍縫いとシークイン縫いとが混在した刺繍柄を縫うとき、通常の色糸刺繍縫いを例えば1200rpmの回転数で縫い、シークイン縫いはそれよりも遅い例えば1000rpmの回転数で実施しようとした場合、従来は、刺繍柄の縫製途中において、シークイン縫いに移行する際には刺繍ミシンの運転を一旦止めて、回転数の設定を変更するという手間が掛かった。このような手間をなくすために、本実施例では、次に述べるように、シークイン縫い時の回転数を予め設定しておくことができるようにしている。
【0025】
図5のフロントページ画面においてページ「P2」のキー画像をオン操作すると、メニューウィンドウMWの表示が、図8に示すような11番〜20番のメニュー(シークイン縫い用のミシン回転数設定メニューを含む)を選択し得る画面に切り換わる。その画面では、最初はメニューウィンドウMW中の最上段の11番のメニューのタグ画像が反転表示状態となる。その画面で、メニューウィンドウMW中の「17. 1針、最終針回転数」のメニューのタグ画像を押すと、図8に示すようなシークイン縫い用のミシン回転数設定画面に切り換わり、メニューウィンドウMW中の該押圧したタグ画像が反転表示されて、シークイン縫い用のミシン回転数設定画面であることを示す。図8において、メニューウィンドウMWの右隣に表示されたシークインR用のミシン回転数表示枠RRには、1ヘッド中の右側のシークイン送り装置2に対応する第1針(1ヘッドの針棒ケースの最左端の針棒)用に設定されたミシン回転数が表示され、また、シークインL用のミシン回転数表示枠RLには、1ヘッド中の左側のシークイン送り装置3に対応する最終針(例えば1ヘッドの針棒ケースに針棒を9本備えている場合は、第9針)用に設定されたミシン回転数が表示される。各ミシン回転数表示枠RL、RRには、初期状態においては、所定のデフォルト値(これはシークイン用の所定デフォルト値であってもよいし、現在設定されている通常のミシン回転数設定値であってもよい)が表示される。シークインL用のアップダウンキー画像UD1を押すことにより、シークインL用のミシン回転数表示枠RLに表示された回転数を増加又は減少させることができ、こうして、1ヘッド中の左側のシークイン送り装置3に対応するシークイン縫い用のミシン回転数を設定することができる。また、シークインR用のアップダウンキー画像UD2を押すことにより、シークインR用のミシン回転数表示枠RRに表示された回転数を増加又は減少させることができ、こうして、1ヘッド中の右側のシークイン送り装置2に対応するシークイン縫い用のミシン回転数を設定することができる。なお、この設定処理は、例えば、図6のステップS4の中で実行される。
【0026】
刺繍縫い運転時において、ある刺繍柄の刺繍縫いシーケンスの進行に従い、シークイン縫い付け工程に入って第1針(右側のシークイン送り装置2)または最終針(左側のシークイン送り装置3)が選択され、それまでの通常の色糸の針棒から該第1針又は最終針に切り換えられるとき、ミシン回転数が、上記のように設定された通りの右又は左のシークイン縫い用のミシン回転数に自動的に切り換えられ、ミシンの運転を止めることなく、シークイン縫いに自動的に移行する。従って、従来のように、シークイン縫いに移行する時点で刺繍ミシンの稼動を止めて、シークイン縫い用に回転数の設定を変更するという手間が省けることになり、刺繍効率が大幅に向上する。勿論、シークイン縫いから通常縫いに戻る場合も、ミシン回転数を自動切り換えすることで、手動で通常縫い用ミシン回転数に戻す手間を省くことができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】シークイン送り装置を多針ヘッドの針棒ケースの両側又は片側に装着する例を示す正面図。
【図2】多頭刺繍ミシンにおいて複数のミシンヘッドをグループ化する一例を示す平面略図。
【図3】本発明の一実施例に係る刺繍ミシンが具備する操作パネルボックスに関連する制御システムを示すブロック図。
【図4】同実施例に係る操作パネルボックスの一例を示す正面図。
【図5】同操作パネルボックスのディスプレイ上に各種パラメータ設定用のフロントページ画面を表示した状態を示す正面図。
【図6】本発明の一実施例に係る刺繍ミシンにおける制御システムが実行する各種パラメータ設定用処理における「シークイン送りピッチ」設定処理の一例を示すフローチャート。
【図7】図6の「シークイン送りピッチ」設定処理に関連する設定操作手順の実例を示すディスプレイ画面図。
【図8】シークイン縫い用のミシン回転数設定処理に関連する設定操作手順の実例を示すディスプレイ画面図。
【符号の説明】
【0028】
H1〜H10 ミシンヘッド
2,3 シークイン送り装置
10 操作パネルボックス
11 CPU(中央処理ユニット)
12 ROM(リードオンリーメモリ)
13 RAM(ランダムアクセスメモリ)
16 ディスプレイ
17 タッチパネル




 

 


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