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発明の名称 アクリル系複合繊維及びこれを含有する不織布、ならびにアクリル系複合繊維の製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−182641(P2007−182641A)
公開日 平成19年7月19日(2007.7.19)
出願番号 特願2006−551(P2006−551)
出願日 平成18年1月5日(2006.1.5)
代理人
発明者 温井 裕明 / 小林 秀章
要約 課題
低いエネルギーでも割繊フィブリル化し、高い比表面積となり、高吸液性、耐溶剤性を有するアクリル系複合繊維と、これを含有する不織布を提供する。

解決手段
アクリロニトリルを50質量%以上含有するアクリロニトリル系重合体40〜85質量%、セルロース系重合体60〜15重量%から構成され、見掛け繊度比が1.5〜3.0であるアクリル系複合繊維は、低いエネルギーでも割繊フィブリル化し、高い比表面積となるので、不織布用途に好適な繊維である。また、この繊維を用いた不織布は高吸液性、耐溶剤性に優れている。
特許請求の範囲
【請求項1】
アクリロニトリル単位を50質量%以上含有するアクリロニトリル系重合体40〜85質量%、セルロース系重合体60〜15質量%から構成され、見掛け繊度比が1.5〜3.0であるアクリル系複合繊維。
ここで、見掛け繊度比は以下の手順にて求める。
1.見掛け繊維断面積
(1)アクリル系複合繊維を液体窒素中に浸漬して凍結し、切断する。
(2)アクリル系複合繊維を凍結状態を保ったまま減圧乾燥し、走査型電子顕微鏡を用いて、その断面の倍率500倍の写真を撮影する。
(3)写真から100本の単繊維についてその見かけ断面積を測定し、その平均値を見掛け繊維断面積とする。
2.繊度換算断面積
(1)アクリル系複合繊維を20℃、65%RHで恒量になるまで乾燥する。
(2)アクリル系複合繊維の合計の長さ及び質量を測定する。
(3)合計の長さ、質量、アクリル系複合繊維を構成する重合体の比重及び混合比率から、アクリル系複合繊維が空隙を有さないときの実質体積を計算する。
(4)合計の長さ及び実質体積から、アクリル系複合繊維が空隙を有さないときの断面積を計算し、繊度換算断面積とする。
3.見掛け繊度比=見掛け繊維断面積/繊度換算断面積
【請求項2】
請求項1に記載のアクリル系複合繊維を切断した際、その端面に複数のクラックを有し、前記クラックの少なくとも一つは、長さが断面の幅の25〜80%であるアクリル系複合繊維。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のアクリル系複合繊維を20質量%以上含有してなる不織布。
【請求項4】
アクリロニトリル単位を50質量%以上含有するアクリロニトリル系重合体と、セルロースアセテート重合体とを溶剤に溶解させて紡糸原液を得、
前記紡糸原液をノズルから前記溶剤の水溶液中に吐出して糸条を得、
前記糸条を湿潤状態を保ったままアルカリ条件下で鹸化処理するアクリル系複合繊維の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、機械的応力や高圧水流噴射の衝撃力等により容易に割繊フィブリル化するアクリル系複合繊維及びこれを含有する不織布に関する。
【背景技術】
【0002】
アクリル繊維やアクリル系繊維(本願明細書では以下併せてアクリル系繊維という。)は、その優れた風合いや染色性から、衣料分野、建寝装分野に多用されてきたが、繊維資材用途として、アクリル系繊維の有する適度な親水性と親油性のバランスの良さが着目され、各種ワイピング材用途、特にウエットワイパー等ワイピングシート用の不織布への展開が試みられている。
【0003】
アクリル系繊維の特徴である、親水性と親油性のバランスの良さを最大限活かすために、アクリル系繊維を繊維表面積が大きい極細繊維として、ワイピング性能を向上させる手法が採られている。ワイピングシートは、使い捨てで使用されることが多いため、その製造のコスト低減は極めて大きな課題であり、繊維表面積を大きくする繊維の極細化と、ワイピングシート製造での省エネルギー化、更には繊維の使用量を抑えるワイピングシートの低目付化が要望されている。
【0004】
また、ワイピングシートは、水系の薬剤液や、アルコール類やケトン系などの有機溶剤液に含浸して使われるウエットワイパー用途が多くなっている。そこでワイピングシートには薬剤液や有機溶剤液の吸液性(以下、吸液性と称す)が高いことや、有機溶剤液に対する耐久性(以下、耐溶剤性と称す)が良いことは重要な要求性能となっている。
【0005】
極細アクリル系繊維を得る方法の一つに直接紡糸法がある。直接紡糸法は工業的に得られる繊維径が約3μm(繊度約0.1dtex)である。繊維径が約3μmの極細繊維は繊維表面積が小さく、ワイピング性能に限界がある。
【0006】
また、アクリル系繊維の極細繊維を得る方法として、一旦割繊性繊維を得、これを割繊して割繊フィブリル化する方法がある。例えばアクリロニトリル系重合体と、それ以外の異種重合体との相分離現象を利用して、割繊性を向上させる方法が提案されている(特許文献1、特許文献2参照)。
【0007】
割繊繊維を構成する異種重合体としては、アクリロニトリル系重合体と同じ溶剤に溶解可能であることが必要であり、アクリル樹脂系重合体、ポリウレタン系重合体、セルロースジアセテート重合体などが提案されている。
【0008】
しかしながら、これら重合体を単にアクリロニトリル系重合体と複合紡糸するだけでは、低エネルギーで割繊フィブリル化することが難しく、吸液性、耐溶剤性が充分でないため、低目付で優れたワイピング性能と共に均一な地合を有し、かつ高吸液性、耐溶剤性を有するワイピングシートを得ることが難しかった。
【特許文献1】特開平7−82605号公報
【特許文献2】特開平7−229017号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、低いエネルギーでも割繊フィブリル化し、高い比表面積となり、高吸液性、耐溶剤性を有するアクリル系複合繊維と、これを含有する不織布を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
即ち本発明の第一の要旨は、アクリロニトリル単位を50質量%以上含有するアクリロニトリル系重合体40〜85質量%、セルロース系重合体60〜15質量%から構成され、見掛け繊度比が1.5〜3.0であるアクリル系複合繊維である。
【0011】
また、前記アクリル系複合繊維は、切断した際、その端面に複数のクラックを有し、前記クラックの少なくとも一つは、長さが断面の幅の25〜80%であることが好ましい。
【0012】
本発明の第二の要旨は、前記アクリル系複合繊維を20質量%以上含有してなる不織布である。
【0013】
本発明の第三の要旨は、アクリロニトリル単位を50質量%以上含有するアクリロニトリル系重合体と、セルロースアセテート重合体とを溶剤に溶解させて紡糸原液を得、
前記紡糸原液をノズルから前記溶剤の水溶液中に吐出して糸条を得、
前記糸条を湿潤状態を保ったままアルカリ条件下で鹸化処理するアクリル系複合繊維の製造方法である。
【発明の効果】
【0014】
本発明のアクリル系複合繊維は、水への分散性が極めて優れ、不織布を製造する際の湿式抄造時に均一性の高いウエッブが得られ、ウエッブに水流噴射することにより、多孔質アクリル系複合繊維が容易に極細繊度に割繊フィブリル化して微細繊維になる。
【0015】
また、本発明のアクリル系複合繊維を20質量%以上含有してなる不織布は、水系のみならず油系の汚れに対するワイピング性能に極めて優れ、不織布面には繊維絡みの斑がなく均一性に優れた地合を有する。更に、高吸液性であるため多くの薬剤液を含浸させることが可能になり、薬剤の付着斑を低減させることが可能になる。更に、薬剤の含浸工程などの加工処理速度を高めることができる。また耐溶剤性に優れるため、光学部材など幅広いワイピング用途へ適用することができる。
【0016】
本発明のアクリル系複合繊維の製造方法は、ウエットワイパー等の不織布に使用するにあたって好適な物性を有するアクリル系複合繊維を製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0018】
(構成成分)
本発明のアクリル系複合繊維が含有する、アクリロニトリル単位を50重量%以上含有するアクリロニトリル系重合体は、アクリロニトリルのみからなってもよいし、アクリロニトリル単位を50質量%以上含有し、アクリロニトリルと共重合可能な他のビニル系単量体が共重合された共重合体であってもよい。アクリルニトリル単位の含有量が50質量%以上であると、優れたワイピング性が得られ、ケトン類等の有機溶剤に対する耐溶剤性を良好にすることができる。
【0019】
アクリロニトリルと共重合可能な他のビニル系単量体は特に限定されず、例えばアクリル酸、メタクリル酸、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリルアミド、メタクリルアミド等を用いることができる。
【0020】
アクリロニトリル系重合体の分子量は、特に限定されるものではないが、分子量が5万〜100万であることが好ましい。分子量が5万以上であると、紡糸工程での紡糸性を良好に保つことができ、繊維の糸質も悪化することはない。また分子量が100万以下であると、紡糸原液の粘度を紡糸に適した範囲に維持するために、重合体濃度を低下させる必要がないので、生産性を良好に保つことができる。
【0021】
本発明のアクリル系複合繊維は、セルロース系重合体を含有する。本発明ではセルロース系重合体として、セルロース重合体、セルロースジアセテート重合体、セルローストリアセテート重合体などの単独物又は混合物を使用することができる。このうち、後述するように、本発明のアクリル系複合繊維が、セルロースアセテート重合体を鹸化することによって得られるセルロース重合体を含有すると、吸液性が高く、耐溶剤性に優れたアクリル系複合繊維が得られるため好ましい。
【0022】
本発明のアクリル系複合繊維中の各成分含有量は、アクリロニトリルを50質量%以上含有するアクリロニトリル系重合体が40〜85質量%、セルロース系重合体が60〜15質量%である。アクリロニトリル系重合体の含有量は、40%以上であると良好な親水性親油性バランスによる優れたワイピング性能が確保でき、また85質量%以下であると割繊フィブリル化の性能が低下することはない。
【0023】
(見掛け繊度比)
本発明のアクリル系複合繊維は、その見掛け繊度比が1.5〜3.0の範囲にある。ここで、見かけ繊度比とは、以下の手順にて求める。
【0024】
1.見掛け繊維断面積
(1)アクリル系複合繊維を液体窒素中に浸漬して凍結し、切断する。
【0025】
(2)アクリル系複合繊維を凍結状態を保ったまま減圧乾燥し、走査型電子顕微鏡を用いて、その断面の倍率500倍の写真を撮影する。
【0026】
(3)写真から100本の単繊維についてその見かけ断面積を測定し、その平均値を見掛け繊維断面積とする。
【0027】
なお、単繊維の見かけ断面積とは、単繊維の外周によって囲まれた部分の面積を言い、単繊維の外周或いは内部に空隙を有する場合であっても、空隙を含めた見かけの断面積のことをいう。
【0028】
写真に基づく見かけ繊維断面積の測定は、写真のスケールを元にマニュアルで計算することもできるが、コンピュータを用いた画像処理を行うと、簡便に測定することができる。具体的には、例えば、撮影写真データをモニター画面上に写し、画像解析ソフトと目視を併用して繊維の外周境界線を判定することで見掛け断面積を測定することができる。
【0029】
2.繊度換算断面積
(1)繊維集合体を20℃、65%RHで恒量になるまで乾燥する。
【0030】
(2)繊維集合体の合計の長さ及び質量を測定する。
【0031】
(3)繊維集合体の質量と、繊維集合体を構成するアクリル系重合体とセルロース系重合体の比重と含有質量比率から、繊維集合体が空隙を有さないときの実質体積を計算する。
【0032】
すなわち、実質体積=繊維集合体の質量/(アクリル系重合体の比重×含有質量比率+セルロース系重合体の比重×含有質量比率)である。
【0033】
例えば、繊維集合体の質量が100g、アクリル系重合体の比重が1.16、含有質量比率が70wt%、セルロース系重合体の比重が1.32、含有質量比率が30wt%であれば、実質体積=83.1cmである。
【0034】
(4)繊維集合体の合計の長さ及び実質体積から、アクリル系複合繊維が空隙を有さないときの断面積を計算し、繊度換算断面積とする。
【0035】
すなわち、繊度換算断面積=実質体積/繊維集合体の合計の長さである。
【0036】
3.見掛け繊度比=見掛け繊維断面積/繊度換算断面積
この見掛け繊度比は、アクリル系複合繊維の水分散性や、紡糸工程での工程安定性、鹸化の効率性に関係するものであり、見掛け繊度比が1.5以上であると湿式抄造時の短繊維の分散状態が非常に良好で、均一な抄造ウエッブを得易くなる。また後述する鹸化処理において、短い処理時間で高効率にセルロースジアセテート重合体からセルロース重合体への転換が可能になる。
【0037】
また、見掛け繊度比が3.0以下であると、水分散性や鹸化効率が良好で、かつ紡糸工程での糸切れ、ロールへの巻き付き等が発生することもない。
【0038】
本発明のアクリル系複合繊維の繊度や繊維長は、特に制限はないが、一般に不織布の製造に用いられる繊度が好ましく、例えば繊度は0.3〜10dtex、繊維長は3mm〜25mmの範囲が好ましい。
【0039】
本発明のアクリル系複合繊維は、切断した際その端面にクラックが存在すると、割繊フィブリル化され易くなる。クラックは、繊維断面に存在する数が多い程、少ないエネルギーで割繊フィブリル化され、また短いクラックよりも長いクラックがあるほうがより効果的に割繊フィブリル化される。
【0040】
従って本発明のアクリル系複合繊維は、切断した際その断面に複数のクラックを有し、前記クラックの少なくとも一つは、長さが断面の幅の25〜80%であると、割繊フィブリル性が更に向上するため好ましい。
【0041】
なおクラックとは、剃刀等でアクリル系複合繊維を切断した際にその端面に観察される不定形な空隙のことであり、繊維の内部のみに存在するものだけでなく、その一部が繊維の表面に達する空隙のものも含める。このクラックの形状は特には限定しないが、亀裂状に細長い形状の方がより好ましい。
【0042】
また、クラックの長さとは、独立したクラックの中で最も離れた点を直線で結んだ長さをいう。クラックの一方の端が繊維表面に達している場合は、クラックが繊維表面に達した部位において、繊維表面に沿って仮想の直線を引いて繊維外周線とし、これを一方のクラックの端として測長する。
【0043】
また、断面の幅とは、断面形状が真円の場合は直径をいい、断面形状が楕円形等の場合は、繊維を二つの平行な面で挟んだ際に最小となる幅をいう。
【0044】
クラックは、繊維にクサビを打ち込んだような効果を発揮し、繊維内部に亀裂を生じさせるので、繊維は太い繊維状の幹を残すことなく割繊され、重合体の相分離の界面を基点に更に細かくフィブリル化される。クラックの長さが断面の幅の25%以上であるとこの割繊フィブリル化の効果が充分となり、断面の幅の80%以下であると、軽微な剪断力で簡単に割繊フィブリル化が進行することもなく、取り扱い性を良好にすることができる。クラックは、少なくとも一方の端部が繊維表面に達していることがより好ましい。
【0045】
クラックの発現は、1)異種重合体が相分離状態にある紡糸原液が、紡糸口金の孔から押し出され凝固液中で凝固する際の、各重合体の凝固特性の差、2)凝固、洗浄過程での溶剤の脱離に伴って生じる繊維中のボイド、3)凝固中又は凝固後の延伸による異種ポリマー間の界面剥離、等によって生じるものと推定される。
【0046】
(製造方法)
次に、本発明のアクリル系複合繊維の製造方法を説明する。まずアクリロニトリル系重合体と、セルロース系重合体を有機溶剤に溶解し紡糸原液とする。紡糸原液の濃度は、生産性、工程通過性等を考慮して適宜定めればよく、例えば重合体濃度が10〜40質量%となるように調整する。
【0047】
使用する有機溶剤は、アクリル系繊維の紡糸で一般的に使用される有機溶剤のうち、使用するセルロース系重合体を溶解できる溶剤が使用可能であり、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトンなどの有機溶剤を好ましく用いることができる。
【0048】
得られた紡糸原液を、湿式紡糸法或いは乾−湿式紡糸法により、溶剤と水からなる凝固液中に紡出し凝固させて糸条を形成する。溶剤濃度、温度には特に制限はなく、例えば溶剤濃度は20〜70質量%、凝固液の温度は30〜55℃とすることができる。得られた糸条は、熱水中で脱溶剤し、更に好ましくは3倍以上に延伸する。
【0049】
セルロースアセテート重合体は、アクリロニトリル系重合体とは非相溶性若しくは貧相溶性でありながら、アクリロニトリル系重合体の溶剤には可溶であり、アクリロニトリル系重合体との混合溶液とした紡糸原液を用いて紡糸することが可能となる。このため、セルロース系重合体としてはセルロースアセテート重合体を用いることが好ましい。
【0050】
セルロースアセテート重合体を使用する場合、糸条を延伸した後、鹸化処理を施し、セルロースアセテート重合体をセルロース重合体に転換すると、セルロース重合体を細長くアクリル繊維中に分散させることが容易になるため好ましい。
【0051】
使用するセルロースアセテート重合体は、平均酢化度が48.8%以上56.2%未満であると、アクリロニトリル系ポリマーの溶剤への溶解が良好になり、また鹸化によるセルロース重合体への転換が容易となるため好ましい。
【0052】
鹸化処理を行う場合、これに先立って熱ロールや熱風による乾燥処理を施すと、繊維断面に形成されるクラックの数や長さが低減する傾向を示し、割繊フィブリル性が低下するだけでなく、繊維間での密着が生じ湿式抄造時の水分散性が低下する傾向を示す。従って、鹸化処理を行う前に乾燥処理を施すことなく、湿潤状態を保ったまま鹸化処理を行うことが必要である。なお、鹸化処理は繊維の状態で行うこともできるし、後述する工程にて不織布とした後で行うこともできる。
【0053】
これら繊維は、鹸化処理の前或いは後で繊維の残留収縮を低減するために、熱水や加圧水蒸気による緩和処理を施してもよい。その後、この連続する繊維束を所定長に切断する。前記の鹸化処理は、熱水中で脱溶剤及び3倍以上に延伸した後の繊維であれば、特に処理する順序によらない。例えば緩和処理、切断処理の後で行っても構わない。
【0054】
鹸化処理は、セルロースアセテート重合体のアセチル基を水酸基へ転換させセルロースへ転換させるために行う、アルカリ薬剤の水溶液に繊維を含浸する処理であるが、その処理条件は、アクリロニトリル系共重合体は反応せず、セルロースアセテート重合体のみが容易に反応する条件を選択することが好ましい。
【0055】
アルカリ薬剤としては、水酸化ナトリウムや炭酸カルシウム等が用いられる。具体的な処理条件としては、水酸化ナトリウムを用いることが好ましく、水溶液の濃度は0.5〜10質量%が好ましく、1〜5質量%がより好ましい。温度は30〜90℃が好ましく、30〜60℃がより好ましい。時間は、5〜25分が好ましく、8〜15分がより好ましい。
【0056】
本発明の鹸化処理は、バッチ式処理でも連続処理でも構わない。鹸化処理された繊維は、着色防止のため、中和処理及びまたは充分な水洗処理を行うことが好ましい。
【0057】
鹸化の程度は、全てのアセチル基が完全に水酸基に転換せず、若干の未転換のアセチル基が残っていてもよい。
【0058】
本発明の不織布は、本発明のアクリル系複合繊維を20質量%以上含んでなる。本発明のアクリル系複合繊維を20質量%以上含むと、微細繊維の量が充分となり、優れたワイピング性能が得られる。
【0059】
本発明の不織布は、割繊フィブリル化して生じた微細繊維が相互に3次元交絡することにより形成される。割繊フィブリル化繊維は、割繊フィブリル化で生じた微細繊維を含む繊維であり、元のアクリル系複合繊維から完全分離状態或いは不完全分離状態で割繊フィブリル化した微細繊維を含み、さらに割繊フィブリル化の進行程度によって繊維径の異なる微細繊維を含んでなる繊維である。
【0060】
本発明の不織布におけるアクリル系複合繊維は、繊維径1μm以下に割繊フィブリル化して生じた微細繊維を有するものであることが好ましい。その場合不織布は、繊維径1μm以下に割繊フィブリル化した微細繊維を多量に含むため、優れたワイピング性能を有する。
【0061】
本発明の不織布には、強度や嵩高性等を改良する目的で、割繊フィブリル性を有さない他の繊維として、通常のアクリル系繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、ポリプロピレン繊維、ビニロン繊維、レーヨン繊維等を混綿、混抄等により混在させてもよい。他の繊維として、アクリロニトリル系重合体からなる、繊度0.05〜0.4dtex、L/D(繊維長/繊維径)500〜2000の極細アクリル繊維を用いると、ワイピング性能を低下させることなく不織布強度を向上させることができるので好ましい。
【0062】
本発明の不織布の目付は、10g/m以上であれば割繊フィブリル化した微細繊維の3次元交絡構造の形成が十分となり、200g/m以下であれば水流噴射による3次元交絡が容易に起こり、均一な地合が得られ、結果として優れたワイピング性能を発揮し、不織布面での繊維絡みの斑のない均一性に優れた地合を形成する。
【0063】
本発明の不織布の製造方法は、本発明のアクリル系複合繊維と、必要により前記のごとき通常のアクリル系繊維又は極細アクリル繊維等の他の繊維とを抄造原料として用い、湿式抄造して抄造ウエッブを形成し、抄造ウエッブを水流噴射にて割繊フィブリル化及び微細繊維の3次元交絡処理をすることにより得ることができ、更に必要に応じ熱ロールや熱風により乾燥することもできる。湿式抄造する抄造ウエッブは、一層でも良いし、少なくとも最外表となる表裏の何れか一層以上に本発明のアクリル系複合繊維を含んでいれば、複数層の抄造ウエッブを積層させても良い。
【0064】
アクリル系複合繊維と他の繊維を混抄させる際は、本発明のアクリル系複合繊維の割繊フィブリル化を進行させないように水に分散させることが好ましく、他の繊維と一緒に弱い撹拌力で水に分散させるか、それぞれ別々に分散させた水分散液を混合させる。これにより、均一な抄造ウエッブを形成することができる。
【0065】
また、湿式抄造を行う場合、熱融着バインダー繊維を用い、不織布の強度をより向上させることもできる。熱融着バインダー繊維を用いる場合は、不織布が粗硬にならないように、抄造原料中25重量%以下とすることが好ましい。
【0066】
抄造ウエッブへの水流噴射は、抄造ウエッブをネット上又はローラー上に支持し、好ましくは水圧3〜10MPaで水流を噴射し、本発明のアクリル系複合繊維を好ましくは繊維径1μm以下に割繊フィブリル化すると同時に、割繊フィブリル化により生じた微細繊維同士、又は割繊フィブリル化により生じた微細繊維と他の繊維とを3次元交絡させる。
【0067】
水流噴射は、得ようとする不織布の目的用途によって噴射ノズルの形状、配置等を適宜選択して行う。本発明のアクリル系複合繊維を抄造原料とする場合は、低い圧で水流噴射、また少ない噴射回数で割繊フィブリル化と交絡とを行うことができる。
【0068】
本発明の不織布は、繊維径1μm以下、繊維径0.1μmまでもの超極細繊度の微細繊維が多量に含まれることから、汚れを拭き取り除去するワイピング性能に格段に優れ、更に、セルロースからなる微細繊維も多く含み吸液性、耐薬品性に優れるため、本発明の不織布は各種のワイピング材として、またワイピングシート以外にもフィルター材としても有用である。
【0069】
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明する。
【実施例1】
【0070】
実施例中の評価項目は、次の方法により測定した。
【0071】
(繊維断面のクラック)
内径1.2mm、厚さ0.3mmの軟質塩化ビニル樹脂のチューブ中に繊維集合体が動かない程度に繊維を詰め、剃刀の刃でチューブごと繊維集合体をチューブ長さ方向に対して垂直方向に切断し、この切断面にスパッタリング装置で金の薄膜処理し、走査型電子顕微鏡1400倍で観察した。
【0072】
(見かけ繊度比)
走査電子顕微鏡 フィリップス社製 XL−20 を用いて繊維断面写真を撮影し、解像度640×480ピクセルで、画像解析ソフト MEDIA CYBERNETICS社 Image−Pro Plus Ver.5 を用いて、見掛け繊維断面積を求めた。
【0073】
さらに前述の方法で繊度換算断面積を求め、見かけ繊度比を求めた。
【0074】
(分散性)
標準パルプ離解機(熊谷理機工業社製、No2530、JIS P8209準拠装置)
を用い、繊維濃度1質量%となるように繊維を入れた水を、プロペラ羽根の回転速度1000rpmで30秒間撹拌処理し、この処理液を10ml採取して1000mlのガラスビーカー中で50倍に水で希釈し、繊維の分散状態を目視判定した。判定基準は、束状物や繊維の絡まった塊が全くないかあっても少量なものを○、非常に多いものを×、その中間のものを△とした。
【0075】
(割繊フィブリル性)
家庭用ミキサー(東芝社製、MX−L20GA、60Hz交流電源)を用い、濾水度が300ml以下に低下するのに要する撹拌時間を測定し、その時間を割繊フィブリル性の簡易的な指標とした。撹拌時間が短いほど、小さい水流噴射エネルギーで割繊フィブリル化できることを示し、時間が3分以内を◎、10分以内を○、20分以内を△、20分を超えるものを×とした。
【0076】
なお、濾水度は、繊維3g(乾燥した繊維換算)を水700mlに入れミキサーで所定時間撹拌し、この処理液を1000mlになるよう水で希釈し、この液をJIS P8121のカナダ標準濾水度試験器を用いて測定し、JIS P8121の付表1から20℃に温度補正した。
【0077】
(吸液性)
繊維製品の吸水性試験方法(JIS L 1907)のバイレック法に準じて、不織布シート試料の10分後の吸い上げ高さを測定した。吸い上げ高さが、10cm以上を○、5cm以上を△、5cm未満を×とした。
【0078】
(耐溶剤性(耐アセトン性))
耐溶剤性の指標として代表的な有機溶剤としてアセトンを選び評価した。ステンレスの容器中に不織布シート試料(乾燥換算)とアセトンの重量比が1:50になるように入れ、密封後、20℃の条件下で容器ごと3時間シェークした後、処理前後での試料の重量変化率を測定した。減量率が1%未満を○、5%未満を△、5%以上を×とした。
【0079】
(アクリル系複合繊維の紡糸)
アクリロニトリル(以降ANと表記)単位92質量%、酢酸ビニル単位8質量%の、分子量90000のAN系重合体(真比重1.16)をジメチルアセトアミド(以降DMAcと表記)に加熱溶解して、重合体濃度25重量%の紡糸原液Aを得、平均酢化度55%のセルロースジアセテート重合体(ダイセル化学工業社製、セルロースジアセテートMIフレーク、真比重1.32)をDMAcに加熱溶解して重合体濃度18重量%の紡糸原液Bを得た。紡糸原液Aと紡糸原液Bとを、重合体重量比が70/30になるように、ノズル直前でスタティックミキサーで均一に混合した。
【0080】
この紡糸原液を75℃に加温し、湿式紡糸法により、DMAc40重量%水溶液からなる40℃の凝固液中に、吐出孔が直径60μmの円形で孔数が20000のノズルより吐出し、凝固させつつ糸条を引き取り、沸騰水中で脱溶剤すると同時に6倍に延伸し、30℃に冷却後、糸条を湿潤状態で採取した。この糸条を、オーバーマイヤー型染色釜を使用して、後述する条件にて鹸化処理を行った後、中和、水洗し採取した。採取した繊維束を、ギロチンカッターで長さ6mmにカットし、アクリル系複合繊維を得た。このカット前のアクリル系複合繊維束を1000mmの長さ採取し、20℃、65%RHの雰囲気で恒量になるまで乾燥し、その質量から平均単繊維繊度を求めたところ、平均単繊維繊度は1.25dtexであった。
【0081】
(鹸化処理条件)
処理液濃度: 水酸化ナトリウム水溶液 1質量%
処理温度、時間 : 60℃×10分間
浴比:1:50(処理前の試料の絶乾質量に対して50倍の質量の処理液を用いた)
得られたアクリル系複合繊維の断面写真を図1に示す。また評価結果を表1に示す。表1から明らかなように、各繊維の繊維断面には多数のクラックがあり、2つのクラックは他端が繊維表面に達する、断面の幅の25%以上の長さを有することが確認され、繊維の見掛け繊度比は1.97であり、分散性及び割繊・フィブリル性に極めて優れるものであり、また、耐アセトン性に優れていることが判る。
【表1】


【0082】
(比較例1)
実施例1と同じ条件にて、ノズルより吐出し、凝固させつつ糸条を引き取り、沸騰水中で脱溶剤と同時に6倍に延伸し、30℃に冷却後、採取した糸条に紡糸油剤を付与し、110℃の熱ロールに緊張状態で接触させて乾燥処理を行い、繊維を得た。この繊維の平均単繊維繊度は1.2dtexであった。更にこの採取した繊維を、実施例1と同じ鹸化処理を行い、ギロチンカッターで長さ6mmにカットし、アクリル系複合繊維を得た。
【0083】
得られたアクリル系複合繊維の評価結果を表1に示す。表1から明らかなように、各繊維の繊維断面には多数のクラックがあり、1つのクラックは他端が繊維表面に達する断面幅の25%以上の長さであることが確認されたが、繊維の見掛け繊度比は1.27であり、分散性及び割繊フィブリル性に劣り、また耐アセトン性もやや劣る結果であった。
【0084】
(比較例2)
AN単位92質量%、酢酸ビニル単位8質量%の分子量90000のAN系重合体(真比重1.16)をDMAcに加熱溶解して、重合体濃度25質量%の紡糸原液Aを得、メチルメタクリレート単位(以降MMAと称する)90質量%、メチルアクリレート単位10重量%のMMA系ポリマー(三菱レイヨン社製、アクリペットMDK、分子量85000、ガラス転移温度90℃、真比重1.2)をDMAcに加熱溶解して、重合体濃度30質量%の紡糸原液Cを得た。紡糸原液Aと紡糸原液Cとを重合体質量比が50/50になるように、ノズル直前でスタティックミキサーで均一に混合した。
【0085】
この紡糸原液を60℃に加温し、湿式紡糸法により、DMAc30重量%水溶液からなる40℃の凝固液中に、吐出孔が直径75μmの円形で孔数が30000のノズルより吐出し、凝固させつつ糸条を引き取り、80℃の熱水中で脱溶剤すると同時に4.5倍に延伸し、沸騰水中で10%の緩和処理を施し、30℃に冷却後、繊維束を湿潤状態で採取した。この繊維束を1000mmの長さにカットして試料とし、20℃、65%RHの雰囲気で恒量になるまで乾燥し、その質量から平均単繊維繊度を求めたところ、平均単繊維繊度は3dtexであった。採取した繊維束を、ギロチンカッターで長さ6mmにカットし、アクリル系複合繊維を得た。
【0086】
得られたアクリル系複合繊維の評価結果を表1に示す。表1から明らかなように、各繊維の繊維断面には多数のクラックがあり、3つのクラックは他端が繊維表面に達する断面の幅の25%以上の長さであることが確認され、繊維の見掛け繊度比は1.85であり、分散性に優れ、また割繊フィブリル性に極めて優れるものであったが、耐アセトン性に劣るものであった。
【0087】
(比較例3)
AN単位92質量%、酢酸ビニル単位8質量%の、分子量90000のAN系重合体(真比重1.16)をDMAcに加熱溶解して、重合体濃度25質量%の紡糸原液Aを調製し、ポリアルキレングリコール(三洋化成社製、ニューポールPE−78、EO−PO−
EOのポリエーテル、EO/PO=8/2、分子量12000)をDMAcに加熱溶解して重合体濃度30質量%の紡糸原液Dを調製した。紡糸原液Aと紡糸原液Dとを固形分質量比が90/10になるように、ノズル直前でスタティックミキサーで均一に混合した。
【0088】
この紡糸原液を60℃に加温し、湿式紡糸法により、DMAc55質量%水溶液からなる35℃の凝固液中に、吐出孔形状が直径90μmの円形で孔数が20000のノズルより吐出し、凝固させつつ糸条を引き取り、80℃の熱水中で脱溶剤すると同時に6.0倍に延伸し、30℃に冷却後、繊維を湿潤状態で採取した。この繊維を1000mmの長さにカットして試料とし、20℃、65%RHの雰囲気で恒量になるまで乾燥し、その質量から平均単繊維繊度を求めたところ、平均単繊維繊度は2dtexであった。採取したトウを、ギロチンカッターで長さ6mmにカットし、アクリル系繊維を得た。
【0089】
得られたアクリル系繊維の評価結果を表1に示す。表1から明らかなように、各繊維の繊維断面には多数の微細なストロー状の孔はあるがクラックは確認されず、繊維の見掛け繊度比は1.76であり、分散性や耐アセトン性には優れるものの、割繊フィブリル性は非常に劣るものであった。
【0090】
(実施例2)
実施例1で得たアクリル系複合繊維を、標準パルプ離解機(熊谷理機工業社製、No2530、JIS P8209準拠装置)を用い、プロペラ羽根の回転速度1000rpmで30秒間撹拌して繊維濃度1質量%の水分散液1を得た。一方、抄紙用の極細アクリル繊維(三菱レイヨン社製、ボンネルMVP−H100、繊度0.4dtex、繊維長10mm、L/D2000)を羽根の回転速度3000rpmで3分間撹拌して繊維濃度1質量%の水分散液2を得た。水分散液1と水分散液2とを重量比50/50に標準角型シートマシン(熊谷理機工業社製、No2555)の分散槽中で撹拌混合し、抄造目付が25g/mになるように100メッシュ金網上に漉き上げ抄造ウエッブを得た。
【0091】
この抄造ウエッブをプラスチックネット(日本フィルコン社製、型番FOL90)を支持体とする水流噴射処理装置の支持体上に載せ、孔径0.12mm、孔ピッチ0.7mm間隔で直線上に1列配置したノズルから、5MPaの水圧で支持体を15m/分の速度で移動させながら抄造ウエッブに水流噴射し、その後、ニップロールで脱水し、110℃の熱風加熱装置で乾燥し、不織布を得た。
【0092】
得られた不織布は、走査型電子顕微鏡2000倍にて観察したところ、繊維径が1〜0.1μmの繊維径の異なる複数の微細繊維に割繊フィブリル化され、繊維径1μm以下の微細繊維が全体の約80%、繊維径0.5μm以下の微細繊維が全体の約45%を占めていた。生じた微細繊維同士或いは微細繊維と、割繊フィブリル化されてはいるが1μm以上の繊維、更には混抄の極細アクリル繊維とが相互に3次元に交絡して構成されていた。
【0093】
なお、繊維径1μm或いは0.5μm以下の微細繊維の占める割合の測定は、走査型電子顕微鏡2000倍写真の任意部分に長さ30μmに相当する縦及び横の線を引き、それぞれの線に交差した微細繊維の本数を測定し、その本数における繊維径1μm或いは0.5μm以下の繊維の本数の割合を求めることにより行った。
【0094】
得られた不織布のワイピング性能を評価するため、ガラス板に指紋を押印し、その汚れの拭き取り試験を行ったところ、非常に優れたワイピング性能を示した。また、得られた不織布の吸水性能及び耐アセトン性を評価したところ表2の様に非常に良好な性能を示した。
【0095】
(比較例4及び実施例3)
実施例1において、鹸化処理を行わない以外は全く同じ条件で採取したアクリル系複合繊維を用いて、実施例3と同じ条件にて、抄造ウエッブを作り水流噴射処理、脱水処理を行い湿潤したシートを次の2つ方法で処理して不織布を得た。一方は、このシートを110℃の熱風加熱装置で乾燥し不織布を得た(比較例4)。もう一方は、このシートを、実施例1と同じ鹸化処理条件で処理し、中和、水洗処理を行った後、ニップロールで脱水し、110℃の熱風加熱装置で乾燥し、不織布を得た(実施例3)。
【0096】
得られたそれぞれの不織布を、実施例2と同じ方法にて観察、測定、評価したところころ、実施例3の不織布については、繊維径が1〜0.1μmの繊維径の異なる複数の微細繊維に割繊フィブリル化され、繊維径1μm以下の微細繊維が全体の約78%、繊維径0.5μm以下の微細繊維が全体の約43%を占めていた。生じた微細繊維同士或いは微細繊維と、割繊フィブリル化されてはいるが1μm以上の繊維、更には混抄の極細アクリル繊維とが相互に3次元に交絡して構成されていた。
【0097】
得られた不織布のワイピング性能を評価するため、ガラス板に指紋を押印し、その汚れの拭き取り試験を行ったところ、非常に優れたワイピング性能を示した。また、得られた不織布の吸水性能及び耐アセトン性を評価したところ、表2の様に非常に良好な性能を示した。
【表2】


【0098】
比較例4の不織布については、繊維径が1〜0.1μmの繊維径の異なる複数の微細繊維に割繊フィブリル化され、繊維径1μm以下の微細繊維が全体の約76%、繊維径0.5μm以下の微細繊維が全体の約42%を占めていた。生じた微細繊維同士或いは微細繊維と、割繊フィブリル化されてはいるが1μm以上の繊維、更には混抄の極細アクリル繊維とが相互に3次元に交絡して構成されていた。
【0099】
ワイピング性能をについては、ガラス板に指紋を押印し、その汚れの拭き取り試験を行ったところ、優れたワイピング性能を示したが、吸水性能及び耐アセトン性を評価したところ表2の様に非常に悪いものであった。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】本発明の実施例1にて得られたアクリル系複合繊維の断面写真である。




 

 


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