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発明の名称 洗濯乾燥機
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−244657(P2007−244657A)
公開日 平成19年9月27日(2007.9.27)
出願番号 特願2006−72563(P2006−72563)
出願日 平成18年3月16日(2006.3.16)
代理人 【識別番号】100071135
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 強
発明者 巽 尚生
要約 課題
乾燥運転時に水槽内に供給される空気が水槽と回転槽との間の空間に流入することを防止する。

解決手段
回転槽4の後端面のうち回転軸8の周囲部に温風取込口47を設け、水槽3内に温風入口35から温風取込口47近傍の円筒状部42まで延びる導風路45を設ける。前記温風取込口47の外周部には円筒状のシール保持部13aが設けられ、前記シール保持部13aにはシール部材50が設けられている。前記シール部材50は、前記円筒状部42に向かって延び前記回転槽4側に傾斜するリップ部53を有しており、前記回転槽4が低速で回転するときは前記リップ部53の先端は前記円筒状部42の外周面に近接し、前記回転槽4が高速で回転駆動するときは前記リップ部53の先端は前記開口部から離間するように前記リップ部は弾性変形する。
特許請求の範囲
【請求項1】
水槽と、
前記水槽内に回転可能に配置された回転槽と、
前記回転槽の軸方向端面に設けられた回転軸と、
乾燥運転時には前記回転槽を低速で回転させ、脱水運転時には前記回転槽を高速で回転させる駆動手段と、
前記水槽内に温風を供給する温風供給手段と、
前記回転槽の軸方向端面のうち前記回転軸の周囲部に設けられた温風取込口と、
前記水槽内に設けられ前記温風取込口と軸方向に対向する円筒状の開口部を有し、前記水槽内に供給された温風を前記開口部に導く導風路と、
前記温風取込口の外周部に設けられ前記開口部と同心円状のシール部材とを備え、
前記シール部材は、前記開口部に向かって延び前記回転槽側に傾斜するリップ部を有し、前記回転槽が低速で回転するときは前記リップ部の先端は前記開口部の外周面に近接し、前記回転槽が高速で回転駆動するときは前記リップ部の先端は前記開口部から離間するように前記リップ部は弾性変形することを特徴とする洗濯乾燥機。
【請求項2】
温風取込口の外周部に設けられ、前記開口部と同心円筒状の外筒部を備え、
前記外筒部の少なくとも一部は前記開口部と径方向に対向するように構成され、
シール部材は前記外筒部に設けられていることを特徴とする請求項1記載の洗濯乾燥機。
【請求項3】
回転槽の停止時は、リップ部の先端は開口部から離間するように構成されていることを特徴とする請求項1記載の洗濯乾燥機。
【請求項4】
シール部材には複数の水抜き孔が設けられていることを特徴とする請求項1記載の洗濯乾燥機。
【請求項5】
シール部材は外筒部に嵌合される円環状のベース部を備え、
水抜き孔は前記外筒部及び前記ベース部の対応部位にそれぞれ設けられ、前記ベース部は、前記外筒部に嵌合されたときに前記外筒部の水抜き孔に係合する係合片部を有していることを特徴とする請求項4記載の洗濯乾燥機。
【請求項6】
リップ部の先端部には他の部分よりも肉厚な肉厚部が設けられていることを特徴とする請求項1記載の洗濯乾燥機。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、乾燥効率の向上を図った洗濯乾燥機に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばドラム式洗濯乾燥機では、ドラム内に収容された洗濯物を乾燥させるために、温風発生装置が発生する温風を水槽を通じてドラム内に供給するように構成されている。この場合、水槽内に供給された温風がドラム内に流入せず、水槽とドラムの間の空間に流入することを防止するために、水槽に設けられた温風供給口の近傍では、水槽とドラムの間の空間をシール部材で塞ぐようにしている。これにより、水槽内に供給された温風の多くがドラム内に流入する(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−245492号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、ドラムは脱水時に高速回転されることにより振れ回り、周辺の部材との接触するおそれがある。ドラムと周辺の部材とが接触すると騒音が発生するため、ドラムとその周辺の部材との間には所定の空間が設けられている。従って、ドラム若しくは水槽にシール部材を設ける場合には、脱水時にドラムが振れ回ることを考慮して、シール部材を水槽若しくはドラムとの間に所定の空間を設ける必要があった。ところが、このようにシール部材の周辺に空間が存在すると、温風がシール部材を通りぬけて水槽とドラムの間の空間に入り込んでしまうおそれがあった。
【0004】
本発明は上記した事情に鑑みてなされるものであり、その目的は、乾燥運転時に水槽内に供給される空気が水槽と回転槽との間の空間に流入することを防止することができる洗濯乾燥機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の洗濯乾燥機は、水槽と、前記水槽内に回転可能に配置された回転槽と、前記回転槽の軸方向端面に設けられた回転軸と、乾燥運転時には前記回転槽を低速で回転させ、脱水運転時には前記回転槽を高速で回転させる駆動手段と、前記水槽内に温風を供給する温風供給手段と、前記回転槽の軸方向端面のうち前記回転軸の周囲部に設けられた温風取込口と、前記水槽内に設けられ前記温風取込口と軸方向に対向する円筒状の開口部を有し、前記水槽内に供給された温風を前記開口部に導く導風路と、前記温風取込口の外周部に設けられ前記開口部と同心円状のシール部材とを備えている。前記シール部材は、前記開口部に向かって延び前記回転槽側に傾斜するリップ部を有しており、前記回転槽が低速で回転するときは前記リップ部の先端は前記開口部の外周面に近接し、前記回転槽が高速で回転駆動するときは前記リップ部の先端は前記開口部から離間するように前記リップ部は、弾性変形する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、乾燥運転時に水槽内に流入した温風は導風路を通って開口部、温風取込口を経て回転槽内に流入する。このとき、開口部と温風取込口との間から漏出する空気は、シール部材によって水槽と回転槽との間の空間に入り込むことが阻止される。また、前記シール部材は、回転槽が高速回転するときは先端が開口部から離間するように構成されているため、騒音の発生やリップ部の磨耗を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の具体的な実施例について図面を参照しながら説明する。
図1ないし図6は本発明をドラム式(横軸回転形)の洗濯乾燥機に適用した第1の実施形態を示している。図1に示すように、本実施形態に係る洗濯乾燥機1は、略矩形箱状の外箱2、前記外箱2内に配設された円筒状の水槽3、前記水槽3内に配設された円筒状の回転槽4を有して構成されている。前記水槽3及び回転槽4は洗濯槽として機能するものであり、いずれも中心軸が後下がりに傾斜するように配置されている。
【0008】
前記水槽3は、サスペンション(図示せず)を介して外箱2の底面に支持されている。水槽3の後端面にはアウタロータ形のブラシレスDCモータ6(駆動手段に相当)が設置されている。水槽3の後端面の中央には軸受7が取付けられており、前記軸受7に前記モータ6の回転軸8が支持されている。前記回転軸8は、前記水槽3の後端面を貫通して水槽3内まで延びている。また、水槽3の後端面のうち軸受7の周囲部にモータ6のステータ6aが固定されている。
【0009】
回転槽4の後端面の中央には前方に突出する凹部9が設けられており、前記凹部9の中央には円形状の開口10が設けられている。前記凹部9には多数の孔部11が設けられている。また、前記回転槽4の後端面には補強部材12が固定されている。図1及び図4ないし図6に示すように、前記補強部材12は、前記凹部9の内周に嵌合するベース部13及びベース部13の外周から放射状に延びる3本のリブ14から構成されている。前記リブ14の先端部は回転槽3の後端部周縁に当接し、ねじ止めされている。
【0010】
前記ベース部13は、回転槽4との対向部分が開口する浅皿形状に構成されており、その中央には前記開口10の周縁部に当接する円筒状の軸取付部15が設けられている。また、ベース部13の後面には円筒状のシール保持部13a(外筒部に相当)が設けられている。前記回転軸8の先端は軸取付部15にボルト15aで固定されており、これにより、モータ6のロータ6bと一体的に回転槽4が回転する。尚、軸取付部15には前方からキャップ16がはめ込まれておりボルト15aが覆い隠されている。
【0011】
回転槽4の周壁部には通水孔及び通気孔として機能する多数の孔4aが設けられており、前記周壁部の内部には複数のバッフル(図示せず)が設けられている。また、水槽3の後下部には排水口18が設けられている。外箱2の下部には排水ポンプ19が配設されており、前記排水口18は排水管20を介して排水ポンプ19の入水口に接続されている。また、排水ポンプ19の出水口にはホース21が連結されている。
【0012】
前記外箱2の前面(図1における左面)には、洗濯物を出し入れするための開口22及び前記開口22を開閉する蓋23が設けられている。また、前記水槽3及び回転槽4の前端面には前記開口22に対応する開口24,25がそれぞれ設けられている。外箱2の開口22及び水槽3の開口24はベローズ26によって連結されている。
前記外箱2内の上部の後部には給水弁(図示せず)を備えた給水装置27が配置されている。また、外箱2内の上部の前部には洗剤投入器28が配置されている。洗剤投入器28と給水装置27とは給水ホース29を介して接続されている。
【0013】
前記水槽3の上部には温風供給手段としての乾燥装置30が設置されている。前記乾燥装置30は、通気ダクト31、前記通気ダクト31内の前部に配置された送風ファン32、前記通気ダクト31内の中央部に配置されたヒータ33を備えている。送風ファン32の回転軸32aは通気ダクト31を貫通して前記通気ダクト31の上部に突出しており、通気ダクト31の上面に配置されたファンモータ34によって回転されるように構成されている。
【0014】
水槽3の上部後端には温風入口35が形成されており、前記通気ダクト31の後端部は前記温風入口35に接続されている。一方、水槽3の前端部の下部には温風出口36が形成されており、前記通気ダクト31の前端部は排気ダクト37を介して温風出口36に接続されている。
【0015】
前記排気ダクト37は、水槽3の開口24に沿うように湾曲しており、その上部には注水管〈図示せず〉が設けられている。前記注水管は、給水装置27から図示しない注水ホースを介して供給される水をシャワー状にして排気ダクト37内に噴射するように構成されている。
【0016】
次に、図1ないし図6を参照しながら回転槽4の後端部の孔部11と温風入口35との間に設けられた温風取り込み構造について説明する。前記水槽3の後端部の前面にはダクトカバー41が取付けられている。前記ダクトカバー41は温風入口35の周辺部から下方に延びる直線部41aと軸受7の周囲部に位置する環状部41bとから構成されている。環状部41bの内周縁部には回転槽4に向かって突出する円筒状部42が設けられている。
【0017】
前記ダクトカバー41の外周縁部には全体に亘ってフランジ43が設けられており、前記フランジ43が水槽3の後端部の前面にネジ止めされている。このとき、回転軸8は前記円筒状部42から離間しており、前記回転軸8と円筒状部42との間に連通口44(開口に相当)が形成される。上記構成により、水槽3の後端部とダクトカバー41との間には温風入口35から連通口44に向かって延びる導風路45が形成される。
また、前記円筒状部42は、補強部材12のシール保持部13aの内周に位置している。言い換えると、円筒状部42の外周面の一部とシール保持部13aの内周面の一部とは、所定の間隔を存して径方向に対向するように構成されている。
【0018】
一方、図1及び図4ないし図6に示すように、補強部材12のベース部13のうち軸取付部15と前記ベース部13の周壁部との間には放射状に延びる複数本、例えば12本のフィン46が設けられている。上記構成により隣り合うフィン46間には略扇形状の空間が形成される。12個の扇形状の空間のうちの半分に対応するベース部13の後面には温風取込口47が形成されている。温風取込口47を有する扇形状の空間と開口部を有しない扇形状の空間とは交互に配置されている。
【0019】
また、図2及び図3に示すように、前記ベース部13のシール保持部13aには環状のシール部材50が取付けられている。前記シール部材50は可撓性を有するゴムなどの弾性部材から構成されており、円筒状のベース部51、ベース部51の内周面の後端からほぼ直角方向に突出する係止部52、前記係止部52の先端から斜め前方に延びるリップ部53から構成されている。このような構成により、シール部材50は断面が略V字状となっている。シール部材50は、ベース部51を補強部材12のシール保持部13aの外周部に嵌め込んだ後、ベース部51の外周部に金属製の環状の固定金具54を圧入することにより補強部材12のシール保持部13aに固定されている。このとき、係止部52はシール保持部13aの後端面に係止されている。また、リップ部53の先端はダクトカバー41の円筒状部42から僅かに離間している。
【0020】
回転槽4が回転駆動されると、リップ部53に遠心力が加わる。遠心力の大きさは、リップ部53の質量、回転槽4の回転中心からリップ部53までの距離、回転槽4の回転速度の二乗に比例する。従って、回転槽4の回転速度が大きくなると、それに伴いリップ部53に加わる遠心力が大きくなる。本実施例では、回転槽4が低速で回転する洗濯工程及び乾燥工程時は、リップ部53の先端は円筒状部42に近接しているが、回転槽4が高速で回転する脱水工程時は、リップ部53に作用する遠心力によってリップ部53は径方向に弾性変形し、円筒状部42から離間するように構成されている。
【0021】
次に、上記構成の作用について説明する。上記洗濯乾燥機1では、標準的な運転コースが開始されると、まず、モータ6を所定の通電モードで通電し、このときのモータ6の回転速度等に基づきモータ負荷としての洗濯物重量が検知される。本実施例では、回転槽4の停止時にシール部材50のリップ部53が円筒状部42から離間するように構成している。従って、洗濯物の重量検知の際に前記リップ部50がモータ負荷とならず、洗濯物の重量が誤検知されることを防止できる。
【0022】
続いて、洗濯工程、脱水工程、乾燥工程が順に実行される。洗濯工程では、給水装置27が駆動されて水槽3内に給水する動作が行われる。そして、水槽3内に洗濯物量に応じた所定量の水が給水されるとモータ6が駆動されて回転槽4が正逆方向に低速で回転される。このとき、シール部材50のリップ部53に作用する遠心力が小さいためリップ部53は弾性変形せず、ダクトカバー41に近接した状態にある。
【0023】
脱水工程では、水槽3内の水を排出した後、回転槽4を高速で一方向に回転させる動作が行われる。このため、回転槽4内の洗濯物は回転槽4の周壁部内面に付着した状態で回転され、遠心脱水される。このとき、リップ部53に作用する遠心力が大きいためリップ部53は弾性変形し、ダクトカバー41の円筒状部42から離間する。
【0024】
乾燥工程では、モータ6により回転槽4が正逆方向に低速で回転されると共にヒータ33及びファンモータ38の駆動が開始される。また、給水装置27から注水管を介して排気ダクト37内に注水される。この結果、送風ファン32の送風作用により水槽3内の空気が温風出口36から排気ダクト37を経て通気ダクト31内に流入し、ヒータ33によって加熱された後、温風入口35から水槽3内に流入する。
【0025】
このとき、回転槽4の回転速度が小さく、リップ部53に作用する遠心力が小さいためリップ部53は弾性変形せず、ダクトカバー41と近接した状態にある。このため、温風入口35から水槽3内の導風路45に流入した空気(温風)の多くは、回転槽4と水槽3との間の空間に向かうことなく連通口44を通って温風取込口47に向かい、孔部11から回転槽4内に流入する。
【0026】
回転槽4内に流入した温風は洗濯物の水分を奪った後、温風出口36から排気ダクト37内に流入する。そして、注水管から噴射される水により冷却及び凝縮されて除湿された後、送風ファン32及びヒータ34を通過して回転槽4内に戻される。このような空気の循環により回転槽4内の洗濯物は乾燥される。
【0027】
上記構成によれば、次のような効果を得ることができる。即ち、水槽3に設けられた導風路45の外周部に可撓性を有するシール部材50を設け、乾燥工程時に回転槽4が低速で回転駆動されるときは、前記シール部材50のリップ部53が円筒状部42に近接するように構成した。従って、前記導風路45から連通口44を通って温風取込口47に向かう空気が回転槽4と水槽3との間の空間に入り込むことを防止できる。このため、温風入口40から水槽3内に流入した温風の多くを回転槽4内に導くことができ、乾燥効率の向上を図ることができる。
【0028】
特に本実施例では、連通口44を構成する円筒状部42とシール部材50を設けたシール保持部13aを径方向に対向させてラビリンス構造とし、その部分にシール部材50を設けた。シール部材50によって、水槽3及び回転槽4の間の空間に温風が入り込むことを防止できると共に前記ラビリンス構造の前記円筒状部42とシール保持部13aとによっても水槽3及び回転槽4の間の空間に温風が入り込むことを防止できる。
【0029】
また、前記リップ部53は脱水工程時に回転槽4が高速回転するときは、遠心力によって倒れ、ダクトカバー61から離間する。従って、回転槽4の停止時にリップ部53の先端が円筒状部42と近接する構成としても、脱水工程時にリップ部53と円筒状部42とが接触することがない。このため、リップ部53とダクトカバー61が接触することによる異音の発生やリップ部53の磨耗を極力抑えることができる。しかも、本実施例では、回転軸8の近傍に連通口44及び温風取込口47を設け、前記温風取込口47を有するベース部13に設けられたシール保持部13aの内周にシール部材50を設けた。回転槽4が高速回転して揺動したときの距離は回転軸8の近傍ほど小さい。従って、脱水工程時に高速回転する回転槽4が揺動しても、リップ部53が円筒状部42と接触することを極力防止できる。
【0030】
更に、回転槽4の高速回転時に前記リップ部53は径方向に倒れて円筒状部42と離間するように構成した。このような構成を採用することにより、シール部材50の真円度が低い場合や、シール部材50と回転槽4の回転中心とが一致しない場合でも、回転槽4の高速回転時にシール部材50と円筒状部42とを確実に離間させることができる。
【0031】
シール部材50を断面V字状の溝状部材とし、回転槽4と水槽3の間の空間に漏出しようとする空気の流れの上流側に溝状部材が開口するようにした。従って、前記シール部材50は漏出しようとする空気の流れに対する大きな抵抗となり、空気が漏れ出ることを一層防止できる。しかも、回転槽4内の衣類の乾燥が進んで膨らみ回転槽4内に空気が入り込み難くなったとき、シール部材50は回転槽4側からの空気を受けて後方に膨出する。すると、リップ部53の先端が一層、円筒状部42に近接するため、空気が漏れ出ることを防止できる。
【0032】
ところで、洗濯乾燥機の組立工程では、水槽3に軸受7を取付けると共に前記軸受7に回転軸8を支持させた後、補強部材12のシール保持部13aにシール部材50が取付けられた状態の回転槽4を前方から挿入し、回転軸8の前端に回転槽4の後面中央をねじ止めすることになる。このとき、シール部材50の開口が前方を向いているため、円筒状部42の外周にシール保持部13aを挿入するときにリップ部53が円筒状部42に引っかかることがない。
【0033】
以上に対して、図7ないし図9は、シール部材の形状やシール部材の取付け方法が異なる第2ないし第4の実施形態を示している。
まず、図7に示す本発明の第2の実施形態に係るシール部材60は、円筒状のベース部61と、前記ベース部61の内周面の後端から斜め前方に延びるリップ部62と、前記ベース部61の外周面に固着された金属環63とから構成されている。前記金属環63は、例えば焼付けによりベース部61の外周面に固着されている。
前記シール部材60は、シール保持部13aの内周面に圧入されている。このとき、リップ部62の先端はダクトカバー41の円筒状部42の外周面に近接している。
このような構成においても第1の実施例と同様の作用、効果が得られる。
【0034】
図8は本発明の第3の実施形態を示すものであり、次の点が第2の実施形態と異なる。即ち、本実施例に係るシール部材60は、リップ部62の先端に前方に折曲する折曲部64が設けられている。回転槽4の停止時及び低速回転時は、前記折曲部64はダクトカバー41の円筒状部42に軽く接触している。一方、回転槽4の高速回転時は遠心力によってリップ部62が倒れるため折曲部64は円筒状部42から離間する。
【0035】
上記構成によれば、乾燥工程時に連通口44から温風取込口47に向かう温風が回転槽4と水槽3の間の空間に入り込むことをほぼ確実に阻止することができる。
尚、本実施例は、重量センサによって回転槽4内の洗濯物の重量を測定する構成の洗濯乾燥機に適している。重量センサで回転槽内の衣類の重量を検出する構成においては、低速回転時にリップ部62と円筒状部42が接触していても、前記洗濯物の重量を正確に検出することができるからである。
【0036】
図9は本発明の第4の実施形態を示すものであり、次の点が第1の実施形態と異なる。即ち、第4の実施形態では、リップ部53の先端に他の部分よりも肉厚な肉厚部71を設けている。前記肉厚部71を設けたことにより、肉厚部71を設けない構成に比べてリップ部53の先端に作用する遠心力が大きくなる。従って、脱水工程時にモータ6が高速回転する際にリップ部53が倒れ始めるタイミングを早くすることができる。
【0037】
次に、シール部材に付着した水がそのままシール部材に残留しないようにシール部材に水抜き孔を設けた第5ないし第10の実施形態について説明する。
具体的には、図10に示す本発明の第5の実施形態では、シール部材50のベース部51とリップ部53との境界部分に複数の水抜き孔81が設けられている。
一方、図11に示す本発明の第6の実施形態では、シール部材60のベース部61の前端部に複数の水抜き孔81が設けられていると共にこれら水抜き孔81に対応する複数の孔82が金属環63に設けられている。また、補強部材12のうちシール保持部13aの基端部分であって前記水抜き孔81及び孔82に対応する部分には孔83が設けられている。第5及び第6のいずれの実施例においても、前記水抜き孔81は8個から12個程度設けられている。
【0038】
シール部材60に水が付着した場合、その水の多くは脱水工程時に回転槽4が高速回転する際に飛散する。ところが、シール部材60のベース部61とリップ部62との間に付着した水は、回転槽4が高速回転しても飛散し難く、残留する。このようにベース部61とリップ部62との間に残留した水は、遠心力によって倒れようとするリップ部62の抵抗となるおそれがある。これに対して、上記した第6或いは第7の実施形態によれば、シール部材61に水が付着しても、その水を水抜き孔81等から排出させることができる。従って、脱水工程において回転槽4が高速回転するときにリップ部62を確実に倒すことができるため、騒音の発生やリップ部62の磨耗の一層の防止を図ることができる。
【0039】
図12に示す本発明の第7の実施形態は、シール部材60のベース部61とリップ部53との境界部分に複数の水抜き孔81を設けると共に、ベース部51の内周面は、前方から後方に向かって前記水抜き孔81側(外周側)に傾斜する傾斜面としたものである。
図13に示す第8の実施形態は、シール部材60のベース部61の前端部に複数の水抜き孔81を設けると共に、前記ベース部51の内周面を後方から前方に向かって前記水抜き孔81側(外周側)に傾斜する傾斜面としたものである。
【0040】
上記構成によれば、シール部材50のベース部61とリップ部62との間に付着した水を効率良く水抜き孔81に向かわせて水抜き孔81から排出させることができる。このため、第7及び第8の実施形態では、第5及び第6の実施形態よりも水抜き孔81の個数を少なくしても、第5及び第6の実施形態と同等の効果を得ることができる。
【0041】
図14に示す本発明の第9の実施形態は、第1の実施形態に示すシール部材50に水抜き孔81を設けたものである。具体的には、前記シール部材50のリップ部53と前記係止部52との境界部分に水抜き孔81が設けられている。このような構成においても、第5及び第6の実施形態と同様の作用、効果が得られる。
【0042】
図15に示す本発明の第10の実施形態は、上記した第6の実施形態と次の点が異なっている。即ち、金属環63のうち、シール部材60のベース部61の前端部に設けられた複数の水抜き孔81に対応する部分に、孔82に代えて切り起こし91(係合片部に相当)を設けている。前記切り起こし91は、シール部材60をシール保持部13aの内周に嵌合する際に孔83に係合される。このような構成によれば、シール部材60が軸方向後方に移動してシール保持部13aから抜け出ることを防止することができる。
【0043】
尚、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような変形が可能である。
上記した実施形態ではいずれもヒータ式の乾燥装置30を備えた洗濯乾燥機を示したが、本発明は、ヒートポンプ式の乾燥装置を備えた洗濯乾燥機にも適用できる。
本発明は、外箱3の上面に洗濯物の投入口が設けられた洗濯乾燥機にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るドラム式洗濯乾燥機の全体構成を示す縦断側面図
【図2】シール部材を拡大して示す縦断側面図
【図3】導風路及び開口部の周辺部分を拡大して示す図
【図4】補強部材の前面図
【図5】補強部材の後面図
【図6】図4におけるX−X線に沿う補強部材の縦断側面図
【図7】本発明の第2の実施形態を示す図3相当図
【図8】本発明の第3の実施形態を示す図3相当図
【図9】本発明の第4の実施形態を示す図3相当図
【図10】本発明の第5の実施形態を示す図2相当図
【図11】本発明の第6の実施形態を示す図2相当図
【図12】本発明の第7の実施形態を示す図2相当図
【図13】本発明の第8の実施形態を示す図2相当図
【図14】本発明の第9の実施形態を示す図2相当図
【図15】本発明の第10の実施形態を示す図2相当図
【符号の説明】
【0045】
図面中、1は洗濯乾燥機、3は水槽、4は回転槽、6はモータ(駆動手段)、8は回転軸、13aはシール保持部(外筒部)、30は乾燥装置(温風供給手段)、42は円筒状部(開口部)、45は導風路、47は温風取込口、50,60はシール部材、51,61はベース部、53,62はリップ部、71は肉厚部、81は水抜き孔、83は孔(水抜き孔)、91は切り起こし(係合片部)を示す。




 

 


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