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発明の名称 洗濯乾燥機
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−143735(P2007−143735A)
公開日 平成19年6月14日(2007.6.14)
出願番号 特願2005−340478(P2005−340478)
出願日 平成17年11月25日(2005.11.25)
代理人 【識別番号】100071135
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 強
発明者 巽 尚生
要約 課題
温風温度の立ち上がりを早くし、且つヒートポンプの駆動の立ち上がりを正常に且つ迅速にし、しかも、消費電力の低減及び乾燥速度の向上を図る。

解決手段
外箱1内には水槽2及び回転槽3、水槽2に温風を供給するための温風循環路48、温風循環路48に設けられた送風機40が設けられている。さらに圧縮機26、蒸発器24及び凝縮器25を冷媒管により接続した冷凍サイクルから構成され、前記温風循環路48に蒸発器24及び凝縮器25が配設されたヒートポンプ28が設けられている。また温風循環路48にはヒータ50が設けられている。そして、乾燥行程において送風機40及びヒートポンプ28を駆動すると共に、ヒータ50を乾燥行程初期に通電するようにし、且つ、このヒータ50の容量を圧縮機26の冷凍能力以下とした。
特許請求の範囲
【請求項1】
外箱内に配設された水槽と、
この水槽内に設けられた回転槽と、
前記水槽に温風を供給するための温風循環路と、
この温風循環路に設けられた送風機と、
圧縮機、蒸発器及び凝縮器を冷媒管により接続した冷凍サイクルから構成され、前記温風循環路に前記蒸発器及び凝縮器が配設されたヒートポンプと、
前記温風循環路に設けられたヒータとを備え、
乾燥行程において前記送風機及び前記ヒートポンプを駆動すると共に、前記ヒータを乾燥行程初期に通電するようにし、且つ、このヒータの容量を前記圧縮機の冷凍能力以下としたことを特徴とする洗濯乾燥機。
【請求項2】
水槽から出る温風の温度を検出する温風出口温度検出手段を備え、この温風出口温度検出手段による検出温度が設定値以上になったときにヒータを断電するようにしたことを特徴とする請求項1記載の洗濯乾燥機。
【請求項3】
凝縮器の冷媒温度を検出する凝縮器冷媒温度検出手段を備え、この凝縮器冷媒温度検出手段による検出温度が設定値以上になったときにヒータを断電するようにしたことを特徴とする請求項1記載の洗濯乾燥機。
【請求項4】
圧縮機の温度を検出する圧縮機温度検出手段を備え、この圧縮機温度検出手段による検出温度が設定値以上になったときにヒータを断電するようにしたことを特徴とする請求項1記載の洗濯乾燥機。
【請求項5】
外気温度を検出する外気温度検出手段又は圧縮機の温度を検出する圧縮機温度検出手段を備え、この外気温度検出手段又は圧縮機温度検出手段による検出温度に基づいて圧縮機の駆動を開始するようにしたことを特徴とする請求項1記載の洗濯乾燥機。
【請求項6】
ヒートポンプ駆動及びヒータ通電時における送風機の送風量を、ヒートポンプのみ駆動時における送風量より低くしたことを特徴とする請求項1記載の洗濯乾燥機。
【請求項7】
水槽から出る温風の温度を検出する温風出口温度検出手段を備え、ヒートポンプ駆動及びヒータ通電時における送風量を、この温風出口温度検出手段による検出温度の上昇に伴い徐々に増加させることを特徴とする請求項1又は6記載の洗濯乾燥機。

発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は乾燥用にヒートポンプを備えた洗濯乾燥機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、洗濯乾燥機例えばドラム式の洗濯乾燥機においては、洗濯物の乾燥用にヒートポンプを備えたものがある。前記ヒートポンプは、圧縮機、蒸発器及び凝縮器を冷媒管により接続した冷凍サイクルから構成されており、水槽に温風を供給するための温風循環路に、前記蒸発器及び凝縮器が配置された構成である。前記ヒートポンプは、圧縮機で圧縮し吐出した冷媒を凝縮器で放熱し凝縮させ、そして、蒸発器で蒸発(吸熱)させ、そして圧縮機に戻すことを繰り返すものであり、その際、凝縮器で前記温風循環路の中の循環空気を加熱して温風化する。この温風が水槽に供給されて洗濯物の水分を奪うことで乾燥に寄与し、温風が水分を含んで温風循環路に戻り、前記蒸発器と熱交換して除湿され、そして、再度凝縮器で加熱されることを繰り返す(例えば特許文献1)。
【0003】
この種の洗濯乾燥機では、凝縮器で放熱した熱を温風生成に利用し、蒸発器の吸熱を除湿に利用することでエネルギーが無駄に捨てられず、いわゆる省エネ効果がある。
しかし、前記ヒートポンプは、乾燥行程初期においては、外気温が低いような場合に、圧縮機の動作が悪く温風生成が遅くなったり、あるいは零度を下回るような場合には、蒸発器外側に除湿した水が氷結して温風循環路の送風性が低下したりし、ヒートポンプ全体のシステムの動作低下を招き、乾燥速度が低下して乾燥時間が長くなるおそれがあった。この対策としてヒートポンプと共に、ヒータを用いることが考えられる。
【0004】
なお、ヒートポンプとヒータとを備えたものとして、特許文献2及び特許文献3がある。特許文献2のものは、温風供給路にヒータを設け、このヒータにより温風を生成し、この温風の除湿をヒートポンプの蒸発器で行う構成であり、つまりヒータのみの加熱源によって乾燥を行う構成である。そしてヒートポンプは単独で冷凍サイクルとして稼動させ、洗濯機周囲の空調を行う構成である。
【0005】
特許文献3のものは、温風循環路にヒートポンプの凝縮器及び蒸発器を設けると共にヒータを設け、乾燥時にヒートポンプを駆動すると共に、このヒータを通電する構成としている。そして、このヒータに供給する電力を蓄える蓄電装置を備え、乾燥時には、この蓄電装置からヒータに電源を供給し、この場合、電流制御装置により洗濯乾燥機の電流が15Aを超えない制御をしている。
【特許文献2】特許登録第3330789号(特開平9−56992号)公報
【特許文献3】特開2005−52544号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献2のものでは、温風の生成にヒータのみを使用するため、つまりヒートポンプの凝縮器は利用していないため、エネルギー消費(消費電力)が多く、乾燥速度が遅いという欠点があった。これに対して特許文献3のものでは、容量の大きいヒータ及びこれに大電力を供給する蓄電装置を用いる構成としているため、非常に高価であり、しかも、家庭用電源の許容電流値を超えるこのないように蓄電装置のオンオフ制御を行う電流制御装置が必要があった。また、ヒータの容量が大きく、ヒートポンプでのエネルギー回収ができず、急激な温度上昇が起こり、ヒートポンプがシステムとして機能しなくなるおそれがある。
【0007】
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、温風温度の立ち上がりを早くできると共にヒートポンプの駆動の立ち上がりを正常に且つ迅速にでき、しかも、消費電力の低減及び乾燥速度の向上を図り得る洗濯乾燥機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、次の点に着目してなされている。すなわち、圧縮機、蒸発器及び凝縮器を冷媒管により接続した冷凍サイクルから構成したヒートポンプにおいては、圧縮機への入力電力に応じて前記冷凍サイクルの冷凍能力がほぼ決まるものであり、冷凍サイクルの冷凍能力(電力換算)は圧縮機への入力電力の2〜2.5倍程度である。ヒータの容量がこの冷凍サイクルの冷凍能力の範囲を超えると、ヒータで加えたエネルギーを回収できずにヒートポンプが異常温度上昇してしまって、ヒートポンプが冷凍サイクルシステムとして機能しなくなる。つまり、この冷凍サイクルの冷凍能力の範囲以下のヒータの容量であれば、当該ヒータで加えたエネルギー(熱エネルギー)をヒートポンプが回収できる。ヒータ容量が小さくて済むことは、洗濯乾燥機の使用電力が一般の家庭用電源の範囲で収まることになる。そして、ヒータ通電によるエネルギー付与は、ヒートポンプ全体の温度が低い駆動初期(乾燥行程初期)に行えば良く、その以後もヒータ通電を行うと、ヒートポンプ全体が過度に温度上昇する。すなわち、ヒートポンプ全体の温度が上がれば、ヒータ通電を停止しても、ヒートポンプのみを駆動することで、衣類の乾燥(温風生成及び除湿)に十分に機能する。
【0009】
上述の点に着目した本願の請求項1の発明は、
外箱内に配設された水槽と、
この水槽内に設けられた回転槽と、
前記水槽に温風を供給するための温風循環路と、
この温風循環路に設けられた送風機と、
圧縮機、蒸発器及び凝縮器を冷媒管により接続した冷凍サイクルから構成され、前記温風循環路に前記蒸発器及び凝縮器が配設されたヒートポンプと、
前記温風循環路に設けられたヒータとを備え、
乾燥行程において前記送風機及び前記ヒートポンプを駆動すると共に、前記ヒータを乾燥行程初期に通電するようにし、且つ、このヒータの容量を前記圧縮機の冷凍能力以下としたところに特徴を有する。
【0010】
この請求項1の発明によれば、乾燥行程において送風機及び前記ヒートポンプを駆動するものであるが、乾燥行程初期には、ヒータに通電するようにしたので、該ヒータにより、温風温度の立ち上がりとヒートポンプのシステム全体の温度上昇とを促進でき、しかも、このヒータの容量を前記圧縮機の冷凍能力以下としたから、ヒートポンプにより該ヒータのエネルギーを回収できて、このヒータ通電時においてヒートポンプが機能低下することなく正常に立ち上がるようになり、しかも洗濯乾燥機の使用電力を家庭用電源の範囲で収めることができる。そして、ヒータ通電は、乾燥行程初期であるので、つまり、乾燥行程初期を過ぎれば、ヒータが断電されてヒートポンプのみの駆動となるので、熱効率が良く、消費電力を抑えることができる。総じて消費電力の低減と乾燥速度アップを図ることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、温風温度の立ち上がりを早くできると共にヒートポンプの駆動の立ち上がりを正常に且つ迅速にでき、しかも消費電力の低減及び乾燥速度の向上を図り得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の第1実施例につき、図1ないし図5を参照して説明する。まず、図1には、洗濯乾燥機、中でもドラム式(横軸形)洗濯乾燥機の全体構成を示しており、外殻である外箱1の内部に、水槽2を配設し、水槽2の内部に回転槽3を配設している。上記水槽2及び回転槽3は、ともに円筒状を成すもので、前側(図中、左側)の端面部にそれぞれの開口部4,5を有している。
【0013】
このうち、回転槽3の開口部5は洗濯物出し入れ用であり、それを水槽2の開口部4が囲繞している。又、水槽2の開口部4は、外箱1の前面部に形成した洗濯物出し入れ用の開口部6にベローズ7で連ねており、外箱1の開口部6には扉8を開閉可能に設けている。回転槽3には又、周側部(胴部)のほぼ全域に孔9を形成しており(一部のみ図示)、この孔9は、通水孔として機能すると共に通風孔としても機能するようになっている。水槽2には、底部の最後部に排水口10を形成している。
そして、回転槽3の後側の端面部の後面(背面)には、補強部材11を取付けており、この補強部材11を介して、回転槽3の後側の端面部の中心部に回転軸12を取付け、該回転槽12を補強部材11から後方へ突出させている。回転槽3の後側の端面部の中心部周りには、多数の小孔から成る温風導入口13を形成している。
【0014】
これに対して、水槽2の後側の端面部の後面の中心部には、軸受ハウジング14を取付けており、この軸受ハウジング14の中心部に上記回転軸12を挿通して軸受15,16により回転可能に支承している。又、それにより、回転槽3を水槽2に回転可能に支持している。なお、水槽2は、図2に示す左右一対のサスペンション17により前記外箱1に弾性支持しており、その支持形態は、図1に示すように、水槽2の軸方向が前後となる横軸状で、しかも前上がりの傾斜状であり、従って、この水槽2に上述のように支持された回転槽3も、同形態となっている。
【0015】
前記軸受ハウジング14には、外周に、モータ18のステータ19を取付けており、このステータ19に、回転軸12の後端部に取付けたロータ20を外側から対向させている。従って、モータ18はアウターロータ形であり、更に、この場合、ブラシレスDCモータであって、回転軸12を中心に回転槽3を回転させる駆動装置として機能するようになっている。
【0016】
水槽2の下方(外箱1の底面上)には、複数個のクッション21を介して台板22を配置し、この台板22上に通風ダクト23を配置している。通風ダクト23(これは後述する温風循環路48の一部を構成している)の内部には、前部に蒸発器24を配置しており、後部に凝縮器25を配置している。これら蒸発器24及び凝縮器25は、図3に示す圧縮機26及びキャピラリチューブ27と共にヒートポンプ(冷凍サイクル)28を構成するもので、このヒートポンプ28においては、冷媒流通パイプ29によって、圧縮機26、凝縮器25、キャピラリチューブ27、蒸発器24を冷媒管により接続した冷凍サイクルから構成されている。圧縮機26が作動することによって冷媒を循環させるようになっている。
【0017】
又、通風ダクト23の前端部の上部には吸風口30を形成しており、この吸風口30に、前記水槽2の前側端面部の開口部4より上方の部分に形成した温風出口31を、還風ダクト32及び接続ホース33を介して接続している。
通風ダクト23内の上記吸風口30と前記蒸発器24との間には、糸くず捕獲用のフィルタ34を配置しており、通風ダクト23の側面部中、フィルタ34と蒸発器24との間における通風ダクト23底面部の最低部35に臨む部分には、ドレン口36を形成している。なお、通風ダクト23は、底面部中の、蒸発器24の直下に位置する部分23aを、上記最低部35に連なる下降傾斜面としている。
【0018】
又、ドレン口36は、前記水槽2の排水口10に排水弁37を介して接続した排水ホース38に、除湿排水管39によって接続している。
一方、通風ダクト23の後端部には、送風機40のケーシング41を連結しており、このケーシング41(これも後述の温風供給路48の一部を構成している)の内部に送風機40の送風ファン42を配置し、ケーシング41の外部に送風ファン42を回転させる送風機40の送風機モータ43を配置している。そして、ケーシング41の出口部44を、前記軸受ハウジング14のフランジ部14aから前記水槽2の後側端面部の上部に形成した温風入口45に、接続ホース46及び給風ダクト47を介して、図2にも示すように接続している。
【0019】
ここで、前記還風ダクト32、接続ホース33、通風ダクト23、ケーシング41、接続ホース46及び給風ダクト47は温風循環路48を構成している。この結果、送風機40の送風ファン42を回転させると、水槽2内及び回転槽3内の空気が、温風出口31からを通り、温風入口45から水槽2内に戻される。
前記温風循環路48の還風ダクト32には、水槽2から出る温風の温度を検出する温風温度検出手段としての温風出口温度センサ49が設けられており、また、給風ダクト47にはヒータ50が設けられている。
【0020】
ここで前記圧縮機26の容量は例えば入力600Wのものであり、この圧縮機26の冷凍サイクル能力(電力換算)は2〜2.5倍の1200〜1300Wである。そして、前記ヒータ50の容量は700Wであり、もって、該ヒータ50の容量を前記圧縮機26の冷凍能力以下としている。この場合、圧縮機26の容量は入力600Wでヒータ50の定格が700Wであるから、合計で1300Wで、家庭用電源100の15Aでの使用に何ら問題がない。
【0021】
なお、外箱1の内部上部には、給水弁51が設けられ、この給水弁51は接続パイプ52を介して、前側の上部に配置した給水ボックス53に接続されている。この給水ボックス53には、洗剤や仕上げ剤などが適宜収容されるようになっている。従って、前記給水弁5が開放されると、この給水ボックス53から水槽2内に給水されると共に、適宜時期に、この給水と共に洗剤や仕上げ剤が水槽2内に供給されるようになっている。
【0022】
図3には、電気的構成のブロック図を示しており、この図3において、制御装置54は、例えばマイクロコンピュータから成るもので、洗濯乾燥機の作動全般を制御する制御手段として機能するものであり、図示しない操作パネルが有した各種操作スイッチから成る操作入力部55より各種操作信号が入力されると共に、水槽2内の水位を検知する水位センサ56から水位検知信号が、回転槽3の回転を検知する回転センサ57から回転検知信号が、前記温風出口温度センサ49から温度検知信号が、それぞれ入力されるようになっている。
そして、制御装置54は、上記各種信号の入力並びにあらかじめ記憶した制御プログラムに基づいて、前記給水弁51と、モータ18、排水弁37、圧縮機26、送風機モータ43を、それぞれ、駆動回路58を介して制御するようになっている。
【0023】
次に、上記構成の洗濯乾燥機の作用を述べる。
上記構成の洗濯乾燥機では、標準的な運転コースが開始されると、制御装置54は図4に示す制御動作を実行する。なお、図5(a)には、ヒータ50の通断電状況及び圧縮機26の駆動状況を示している。まず、最初に洗濯物量の検知を行う(ステップS1)。この洗濯物量の検知は、例えばモータ18を駆動して回転槽3を回転させたときの、回転速度が所定値に達するまでの所要時間を制御装置54が測定し、その所要時間が長いほど、収容された洗濯物量が多いと判断される。そして、この洗濯物量の検知結果に応じて洗濯時間、回転槽3の回転速度(水流条件)及び脱水時間の設定を行い(ステップS2)、ヒータ50の断電時限(通電開始から断電までの時間)を予め設定した所定時限に設定する(ステップS3)。この所定時限はヒータ50による乾燥行程初期における温風生成寄与及びヒートポンプ28立ち上がりに十分な時間に設定されている。通常は、乾燥運転が恒率運転に入った時期になればヒートポンプ28は良好に機能するものであり、前記ヒータ50の断電時期は恒率運転が始まる時期に設定されている。
【0024】
次いで、洗い行程を実行する(ステップS4)。この洗い行程では、給水弁51による給水動作がなされた後、モータ18を駆動して回転槽3を設定回転速度で所定時間正逆両方向に交互に回転することを行う。
この後脱水行程を実行する(ステップS5)。この脱水行程では、水槽2内の水を排出した後、回転槽3を高速で一方向に回転させる。この後、すすぎ1行程、すすぎ2行程を実行する(ステップS6)。そして、最終の脱水行程を実行する(ステップS7)。
【0025】
この後、乾燥行程を実行する(ステップS8〜ステップS15)。この乾燥行程では、モータ18を低速で正逆両方向に回転させて回転槽3を低速で回転させつつ、送風機40を駆動し(ステップS8)し、そして、ヒータ50を通電し(ステップS9)、さらに、圧縮機26を駆動する(ステップS10)。前記送風機40の駆動により、水槽2内の空気が温風出口31から還風ダクト32及び接続ホース33を経て通風ダクト23内に流入する。そして、次に述べるように、凝縮器25により加熱されると共に、ヒータ50によりこの空気が加熱されて温風化し、蒸発器24で除湿される。
【0026】
前記圧縮機26の駆動により、ヒートポンプ28が機能する。すなわち、ヒートポンプ28に封入した冷媒が圧縮されて高温高圧の冷媒となり、その高温高圧の冷媒が凝縮器25に流れて、通風ダクト23内の空気流と熱交換してこれを温風化する。この凝縮器25部分で冷媒は温度低下して液化される。この液化された冷媒が、次に、キャピラリチューブ27を通過して減圧された後、蒸発器24に流入し、気化する。それにより、蒸発器24は通風ダクト23内の空気を冷却する。この後、蒸発器24で蒸発した冷媒は圧縮機26に戻り、再度圧縮されることが繰り返される。
【0027】
ここで、外気温度が低いような場合には、ヒートポンプ28の冷凍サイクルシステムがなかなか立ち上がらないことが懸念されるが、前記ヒータ50が通電発熱しているから、温風の温度立ち上がりが促進され、しかもヒートポンプ28のシステム全体の温度上昇も促進される。この場合、ヒータ50の入力(容量)は700Wで、圧縮機26の入力は600Wであり、合計で1300Wであり、一般的な家庭での電源100Vで許容電流15Aの範囲内にある。
そして、上記圧縮機26の駆動によりヒートポンプ28における冷凍能力(電力換算)は1300〜1500Wであり、ヒータ50の容量は該冷凍能力以下であるから、ヒートポンプ28は該ヒータ50のエネルギーを回収でき、ヒートポンプ28が機能低下することなく、正常に立ち上がってゆく。
【0028】
かくして、ヒータ50、蒸発器24、凝縮器25を有する通風ダクト23と回転槽3との間を空気が循環することにより、回転槽3内の洗濯物が乾燥される。
この後、ヒータ50の通電開始からの時限が所定時限に達すると(ステップS11、図5(a)のタイミングta)、ヒータ50を断電する(ステップS12)。この時点では、ヒートポンプ28全体は十分に温度上昇しており、また、温風温度もヒートポンプ28の機能が十分に発揮できる温度に達している。従って、この後は、ヒータ50が断電されても、ヒートポンプ28により、温風の加熱と除湿とが良好に繰り返される。なお、図5(b)には、入力電力の合計値の変化を示している。
【0029】
この後、乾燥終了条件を満たしたか否かを判断する(ステップS13)。この判断は、温風出口温度センサ49の検出温度の変化を監視し、その検出温度が急激に立ち上がることをもって乾燥終了条件を満たしたと判断する。この乾燥終了条件を満たしたことが判断されると、圧縮機26の駆動を停止してヒートポンプ28の駆動を停止し(ステップS14)、モータ18(回転槽3)の回転駆動を停止すると共に送風機40の駆動を停止し(ステップS15)、乾燥行程を終了すると共に洗濯乾燥運転を終了する。
【0030】
このような本実施例によれば、乾燥行程において送風機40及びヒートポンプ28を駆動するものであるが、乾燥行程初期には、ヒータ50に通電するようにしたので、該ヒータ50により、温風温度の立ち上がりとヒートポンプ28のシステム全体の温度上昇とを促進でき、しかも、このヒータの容量を圧縮機26の冷凍能力以下としたから、ヒートポンプ28により該ヒータ50のエネルギーを回収できて、このヒータ50通電時においてヒートポンプ28が機能低下することなく正常に立ち上がるようになり、しかも洗濯乾燥機の使用電力を家庭用電源の範囲で収めることができる。従って、ヒータへ多大電力を給電するための逐電装置や電流制御装置も不要である。そして、ヒータ50通電は、乾燥行程初期のみであるので、つまり、乾燥行程初期を過ぎれば、ヒータ50が断電されてヒートポンプ28のみの駆動となるので、熱効率が良く、消費電力を抑えることができる。総じて消費電力の低減と乾燥速度アップを図ることができる。
【0031】
図6は本発明の第2の実施例を示しており、この第2の実施例では、ヒータ50の断電時限を予め設定するようにしたが、ヒータ50の断電を、温風出口温度センサ49の検出温度に基づいて行うようにした点が第1の実施例と異なる。すなわち、この第2の実施例では、前記第1の実施例のフローチャート(図4)のステップS3に相当する処理は無く、ステップS11に代えて、ステップP10の判断処理を設けている。このステップP10では、温風出口温度センサ49の検出温度が設定値(例えば45℃)以上になったことをもってヒータ50断電時期であると判断し、次のステップP11でヒータ50を断電する。
【0032】
温風出口温度が45℃未満であるとヒートポンプ28の機能がまだ十分であるとはいえない(例えば蒸発器24での除湿が余り効率よく行われない、つまり、乾燥運転が恒率運転に入った状態とはいえない)ことが多いが、この実施例では、温風出口温度が45℃以上となったときにヒータ50を断電するから、温風出口温度に基づいてヒートポンプ28の動作状況を判断し、その動作状況がヒータ50断電に最適となった時期に該ヒータ50を断電でき、ヒートポンプ28の機能を十分に得ながら、ヒータ50による過剰加熱を防止できる。
【0033】
図7は本発明の第3の実施例を示しており、この実施例では、ヒータ50の断電時期を凝縮器25の冷媒温度によって判断する(ステップQ10)点が、上述の第2の実施例と異なる。この場合、凝縮器25には図示しないが凝縮器冷媒温度検出手段を設けていて、この凝縮器冷媒温度検出手段による検出温度が設定値に達したことをもってヒータ50断電時期であると判断し、ヒータ50を断電する。このような第3の実施例においても、第2の実施例と同様の効果を得ることができる。なお、凝縮器25の冷媒温度測定箇所は、該凝縮器25の冷媒管のほぼ中央が温度安定状態であって、該中央部分が最適である。
【0034】
この場合、本発明の第4の実施例として示す図8のように、圧縮機26の例えば冷媒吐出部の温度を検出する圧縮機温度検出手段(図示せず)を備え、この検出温度が設定値以上となったことをもってヒータ50断電時期であると判断し(ステップR10)、ヒータ50を断電するようにしても良い。この場合、圧縮機26の外側部分の温度を検出するようにしても良い。
【0035】
図9は本発明の第5の実施例を示しており、この実施例においては、圧縮機温度検出手段(図示せず)を備え、圧縮機26の駆動開始時期を該圧縮機温度検出手段による検出温度が設定値に達した(ステップT9)ことをもって、圧縮機26の駆動を開始する時期であると判断し、圧縮機を駆動する(ステップT10)ようにした点が第4の実施例と異なる。この第5の実施例においては、蒸発器24が良好な状況になったことを検出して、圧縮機26の駆動(ヒートポンプ28の駆動)を開始できる。すなわち、圧縮機26は乾燥行程開始時にヒータ50通電と同時に駆動開始しても良いが、外気温度が低い(例えば気温5℃以下)場合には、蒸発器24に付着する除湿水が凍ってしまうおそれがあり、この状態では蒸発器24の通風部分が目詰まり気味となってしまうおそれがあり、ヒートポンプ28の動作が鈍化し、圧縮機26の駆動は遅延したほうがよい。従って、この第5の実施例のように、気温5℃以下とほぼ同等となる圧縮機温度設定値を検出したときに、圧縮機26の駆動を開始することで、蒸発器24部分の目詰まりが起きない状況で、ヒートポンプ28を良好に駆動できることになる。
【0036】
この場合、本発明の第6の実施例として示す図10のように、外気温度を検出する外気温度検出手段(図示せず)を備え、この外気温度検出手段による検出温度に基づいて圧縮機26の駆動を開始するようにしても良い。すなわち、ステップU9で外気温度を検出し、次のステップU10で、予め設定してある温度・タイムラグ相関データベースから、この外気温度に対応したタイムラグ(前記ヒータ50通電開始からの圧縮機26駆動までの遅延時間)を設定し、次のステップU11で上記設定タイムラグを経過したか否かを判断し、経過すればステップU12で圧縮機26の駆動を開始する。この実施例においては、ヒータ50通電開始後、外気温度に応じた時間で圧縮機26を駆動でき、外気温度に応じてヒートポンプ28を良好に駆動できることになる。
【0037】
図11は本発明の第7の実施例を示しており、ヒートポンプ28駆動及びヒータ50通電時における送風機40の送風量を、ヒートポンプ28のみ駆動時における送風量より低く、また、ヒートポンプ28駆動及びヒータ50通電時における送風量を、温風出口温度の上昇に伴い徐々に増加させるようにした点が第3の実施例と異なる。すなわち、ステップV8では、送風機40を所定風量(例えば1m3/min)対応のファン回転数に設定し、そしてステップV11で、温風出口温度センサ49により検出された温風出口温度が所定温度例えば30℃に達した時に、ステップV12で当該温風出口温度が所定温度上昇する都度送風量を段階的に増加(回転数を上げ)し、温風出口温度が45℃に達すると(ステップV13)、次のステップV14で送風量を最大値例えば2.5m3に設定し、ステップV15を経てステップV16でヒータ50を断電する(ヒートポンプ28のみ駆動となる)。
【0038】
この第7の実施例によれば、ヒートポンプ28駆動及びヒータ50通電時における送風機40の送風量を、ヒートポンプ28のみ駆動時における送風量より低くしたから、ヒータ50の容量をヒートポンプ28の冷凍能力以下に設定しながらも、乾燥行程初期における温風の温度上昇を早めに行うことができる。すなわち、ヒータ50の容量をヒートポンプ28の冷凍能力以下に設定することは、前記第1の実施例などで既述したように、ヒートポンプの正常な立ち上がりを図りつつ、温風温度の上昇を、ヒートポンプ28単独駆動の場合に比して速めることができると共に、しかも洗濯乾燥機の使用電力として家庭用電源の範囲で収めることができ、そして、全体的には熱効率も良く、消費電力を抑えることができるものであるが、乾燥行程初期においては、ヒートポンプ28単独駆動の場合に比して、温風温度の立ち上がりを速め得るとはいうものの、やはりヒータ50の容量が小さいので、さらなる温風上昇の速度の向上が求められる。この点、ヒータ50通電時には送風量を通常(ほぼ2.5m3)より低くしたことで、ヒータ50と空気との熱交換効率が良くなり、温風温度の立ち上がりが良くなる。
【0039】
また、この第7の実施例によれば、ヒートポンプ28駆動及びヒータ50通電時における送風量を、温風出口温度の上昇に伴い徐々に増加させるようにしたから、蒸発器24での除湿能力を十分に発揮できるようになる。すなわち、乾燥が進むにつれて(温風出口温度の上昇が進むにつれて)、ヒートポンプ28の蒸発器24の除湿効率が高くなり、この状況で送風量を増加すれば、除湿量の増加を期待でき、つまり、蒸発器24での除湿能力を十分に発揮でき、乾燥速度の増加つまり乾燥時間短縮にもつながる。
【0040】
図12は本発明の第8の実施例を示しており、この実施例では、乾燥行程の前(前記脱水行程の終了間際)には、プレヒート運転を行うようにした点が第1の実施例と異なる。すなわち、このプレヒート運転は、脱水行程開始前に、送風機40を駆動する(ステップW8)と共に、ヒータ50を通電し(ステップW9)、さらに圧縮機26を駆動し(ステップW10)、脱水行程開始(ステップW11)から終了(ステップW16)までの間、前記ステップV11〜ステップV14と同様の送風量制御(ステップW12〜ステップW15)を行う。これにより、ヒータ50及びヒートポンプ28を利用して乾燥前の洗濯物の予備加熱ができて、洗濯物の乾燥を効率良く行うことができる。
【0041】
本発明は上記した各実施例に限定されるものではなく、次のように変更して実施しても良い。例えばヒータは凝縮器の送風方向下流側の部分に設ける構成としても良い。また、ドラム式洗濯機ではなく、縦軸型の洗濯乾燥機に適用しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の第1の実施例を示す洗濯乾燥機全体の縦断側面図
【図2】ヒートポンプの概略構成図
【図3】電気的構成のブロック図
【図4】制御内容を示すフローチャート
【図5】(a)ヒータ及び圧縮機の動作状況を示す図、(b)入力の変化を示す図
【図6】本発明の第2の実施例を示す図4相当図
【図7】本発明の第3の実施例を示す図4相当図
【図8】本発明の第4の実施例を示す図4相当図
【図9】本発明の第5の実施例を示す図4相当図
【図10】本発明の第6の実施例を示す図4相当図
【図11】本発明の第7の実施例を示す図4相当図
【図12】本発明の第8の実施例を示す図4相当図
【符号の説明】
【0043】
図面中、2は水槽、3は回転槽、24は蒸発器、25は凝縮器、26は圧縮機、28はヒートポンプ、40は送風機、48は温風循環路、50はヒータ、54は制御装置を示す。




 

 


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