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発明の名称 洗濯機
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−89775(P2007−89775A)
公開日 平成19年4月12日(2007.4.12)
出願番号 特願2005−282209(P2005−282209)
出願日 平成17年9月28日(2005.9.28)
代理人 【識別番号】100071135
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 強
発明者 林 美穂
要約 課題
撹拌体を回転駆動するモータの回転速度制御において回転速度と回転速度指令との間にずれが生じても、最適な水流で洗い及びすすぎを行う。

解決手段
重量測定(S1)を行い、洗濯物の量に応じてオン時限の定速運転時におけるq軸の基準電流Iqsと、オン時限からオフ時限への減速時における回転速度ωの基準変化率Rsを設定する(S2)。給水撹拌行程におけるq軸電流Iqと基準電流Iqsとの比較および回転速度ωの変化率Rと基準変化率Rsとの比較に基づいて、指令回転速度ωrefにおけるオン時限、オフ時限およびオン時限における回転速度を設定し(S5〜S19)、以降の洗い行程、すすぎ行程の水流を制御する。
特許請求の範囲
【請求項1】
洗濯槽内にモータにより回転駆動される撹拌体を備え、前記撹拌体を回転駆動することにより前記洗濯槽内に水流を形成して洗い及びすすぎを行う洗濯機において、
前記モータの回転速度を検出する回転速度検出手段と、
回転速度指令および前記回転速度検出手段により検出された回転速度に基づいて前記モータの回転速度を制御する回転速度制御手段と、
前記水流を減少させるために前記モータの減速指令が与えられた時、前記回転速度検出手段により検出された回転速度の変化率を求め、その回転速度の変化率に基づいて、前記水流を形成させる前記モータの回転速度指令を生成する水流制御手段とを備えたことを特徴とする洗濯機。

発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗濯槽内にモータにより回転駆動される撹拌体を備え、その撹拌体を回転駆動することにより洗濯槽内に水流を形成して洗い及びすすぎを行う洗濯機に関する。
【背景技術】
【0002】
インバータを用いることなく商用電源により直接誘導モータを駆動し、その回転駆動力によりパルセータを回転させる洗濯機がある。この洗濯機は、誘導モータの通電期間の長さ(オン時限)と断電期間の長さ(オフ時限)を調整することにより洗い運転及びすすぎ運転における水流を制御している。また、最近では、モータに流れる電流を検出し、この検出電流に基づいてモータの回転速度を制御することにより、モータの発生トルクが洗い運転と脱水運転のそれぞれについて最適となるように制御する洗濯機が提案されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−53092号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
パルセータの回転により作り出される水流は、洗濯物の布質、洗濯槽内の布量と水量との比率などによって変化する。商用電源により誘導モータを直接駆動する場合には、負荷の増大に伴ってすべりが増加して回転速度が低下する。すなわち、洗濯物の布質が柔らかく軽負荷となる場合には、洗濯槽内での布の動きが大きくなり水はね(スプラッシュ)が生じ易くなる。一方、洗濯物の布質がかたい(ごわごわしている)場合には、負荷の増大により洗濯槽内での布の動きが小さくなる。
【0004】
これに対し、回転速度のフィードバック制御を行うと、モータ(パルセータ)の回転速度を回転速度指令に追従させることができ、洗濯物の布質、洗濯槽内の布量と水量との比率などに対する回転速度(水流)の変動(回転速度指令からのずれ)を抑えることができる。しかしながら、モータの出力トルクは、モータ自体の出力能力および制御回路の構成により制限を受ける。このため、この制限を超える過負荷状態になると、制御プログラムに基づいて指令された通りの回転速度で駆動することができず、水流の過不足を生じてしまう。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、撹拌体を回転駆動するモータの回転速度制御において回転速度と回転速度指令との間にずれが生じても、最適な水流で洗い及びすすぎを行うことができる洗濯機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の洗濯機は、洗濯槽内にモータにより回転駆動される撹拌体を備え、前記撹拌体を回転駆動することにより前記洗濯槽内に水流を形成して洗い及びすすぎを行う洗濯機において、前記モータの回転速度を検出する回転速度検出手段と、回転速度指令および前記回転速度検出手段により検出された回転速度に基づいて前記モータの回転速度を制御する回転速度制御手段と、前記水流を減少させるために前記モータの減速指令が与えられた時、前記回転速度検出手段により検出された回転速度の変化率を求め、その回転速度の変化率に基づいて、前記水流を形成させる前記モータの回転速度指令を生成する水流制御手段とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、過負荷等によりモータの回転速度が回転速度指令からずれる状態が生じても、減速指令時の回転速度の変化率に基づいて回転速度指令を調整することにより、洗濯層内における洗濯物の状態に適した水流を作り出せる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。
図2は、縦型全自動洗濯機の一部を破断して示す縦断側面図である。洗濯機本体1は、矩形箱状の外箱2と、外箱2の上面に設けられたトップカバー3とから構成されている。外箱2の内部には、支持軸5a及びばね5bよりなる弾性吊持機構5(実際は複数であるが1つのみ図示)により水槽4が弾性吊持されており、水槽4の内部には洗濯槽兼脱水槽である洗濯槽6が回転可能に配設されている。洗濯槽6の周壁部には多数の脱水孔6aが形成されている。また、洗濯槽6の上端部にはバランスリング7が設けられている。さらに、洗濯槽6の内底部にはパルセータ8(撹拌体)が回転可能に配設されている。
【0009】
外箱2のうち水槽4の外底部には、槽軸9a及び撹拌軸9bを有する機構部9が配設されており、槽軸9aには洗濯槽6が連結され、撹拌軸9bの上端部にはパルセータ8が連結されている。また撹拌軸9bの下端部はブラシレスDCモータからなる洗濯機モータ10のアウタロータ10aが連結されている。そして、洗い行程及びすすぎ行程では、このモータ10によりパルセータ8のみが直接正逆回転され、脱水行程ではパルセータ8及び洗濯槽6が同期して高速回転されるようになっている。
【0010】
水槽4の底部には排水口11が形成されており、その排水口11には、排水弁12を介して排水ホース13が接続されている。なお、上記トップカバー3には、蓋14が設けられている。また、このトップカバー3の前部上面には、操作パネル15が設けられ、これの裏面側に制御装置16が配置されている。
【0011】
図3は、制御装置16の電気的構成を示すブロック図である。制御回路17は、洗濯機の運転全般を制御する制御用のマイクロコンピュータ18(図4参照)、モータ10のベクトル制御の演算を実行するDSP(Digital Signal Processor)19(図4参照)、これらマイコン18とDSP19が実行する制御プログラムが格納された不揮発性メモリ等から構成されている。制御プログラムを実行することにより、マイコン18は水流制御手段として機能し、DSP19は回転速度検出手段および回転速度制御手段として機能する。
【0012】
制御回路17は、操作パネル15に設けられた各種の操作スイッチ20からスイッチ操作信号を入力し、水位センサ21から水位検知信号を入力するように構成されている。また、制御回路17は、操作パネル15に設けられた各種の表示器を有してなる表示部22、報知手段としてのブザー23、給水弁24、排水弁12及びモータ10を駆動回路25を介して駆動するように構成されている。駆動回路25のうちインバータ26は、モータ10に三相交流電圧を印加するものである。
【0013】
コース設定スイッチにより例えば「標準」コースが選択されて運転が開始されると、制御回路17は、給水、洗い、排水、脱水、給水、すすぎ、排水、脱水の各行程の実行を制御する。洗い、すすぎの各行程においては、パルセータ8を回転駆動して洗濯槽6内の洗濯水及び洗濯物を撹拌するようになっている。また、脱水行程においては、高速の回転速度で洗濯槽6を回転させるようになっている。
【0014】
図4は、制御回路17のうちDSP19により実行される制御系と、駆動回路25の一部としてモータ10を駆動するインバータ回路26の構成を示す機能ブロック図である。制御用のマイコン18は、洗い、すすぎ、脱水の各行程において指令回転速度ωrefを出力するようになっている。減算器27は、その指令回転速度ωrefとエスティメータ(Estimator)28から出力されたモータ10の回転速度ωとから速度偏差を求める。
【0015】
速度PI制御部29は、上記速度偏差を入力してPI演算を行い、q軸指令電流Iqrefとd軸指令電流Idrefとを生成する。減算器30、31は、指令電流Iqref、Idrefとαβ/dq変換部32から出力されるq軸電流Iq、d軸電流Idとからそれぞれq軸、d軸の電流偏差を求め、電流PI制御部33q、33dに出力する。q軸電流Iqはマイコン18にも与えられる。
【0016】
電流PI制御部33q、33dは、それぞれ上記電流偏差を入力としてPI演算を行いq軸指令電圧Vq、d軸指令電圧Vdを生成して出力する。dq/αβ変換部34は、エスティメータ28から出力されたモータ10の二次磁束の回転位相角(ロータ位置角)θに基づいて、指令電圧Vd、Vqを指令電圧Vα、Vβに変換する。
【0017】
αβ/UVW変換部35は、二相の指令電圧Vα、Vβを三相の指令電圧Vu、Vv、Vwに変換して出力する。切換スイッチ36u、36v、36wは、指令電圧Vu、Vv、Vwと、初期パターン出力部37から出力される起動用の指令電圧Vus、Vvs、Vwsとを切り換えて出力する。
【0018】
PWM形成部38は、指令電圧Vu、Vv、Vwまたは指令電圧Vus、Vvs、Vwsを搬送波によりPWM変調したPWM信号Vup(+,-)、Vvp(+,-)、Vwp(+,-)をインバータ回路26に出力する。インバータ回路26は6個のIGBT39を三相ブリッジ接続して構成され、下アーム側U相、V相の各IGBT39のエミッタは、それぞれ電流検出用のシャント抵抗40(u,v)を介してグランドに接続されている。また、両者の共通接続点は、図示しない増幅・バイアス回路を介してA/D変換部41に接続されている。インバータ回路26には、100Vの交流電源を倍電圧全波整流した約280Vの直流電圧が印加される。増幅・バイアス回路はシャント抵抗40の端子電圧を増幅し、その増幅信号の出力範囲が正側に収まるようにバイアスが与えられている。
【0019】
A/D変換部41は、増幅・バイアス回路の出力信号をA/D変換した電流データIu、Ivを出力する。UVW/αβ変換部42は、電流データIu、IvからW相の電流データIwを算出し、三相の電流データIu、Iv、Iwを二相の電流データIα、Iβに変換する。
【0020】
αβ/dq変換部32は、ベクトル制御時にはエスティメータ28からモータ10のロータ位置角θを得て電流データIα、Iβをq軸電流Iq、d軸電流Idに変換する。エスティメータ28は、q軸指令電圧Vq、d軸指令電圧Vd、q軸電流Iqおよびd軸電流Idに基づいてモータ10のロータ位置角θ及び回転速度ωを推定し各部に出力する。
【0021】
次に、本実施例の作用について図1、図5ないし図7も参照しながら説明する。
DSP19は、エスティメータ28で推定したモータ10の回転速度ωをフィードバックし、回転速度ωが指令回転速度ωrefに一致するように制御する。従って、給水撹拌行程、洗い行程、すすぎ行程などの正逆運転において、水流を低減する(更には反転させる)ために所定の変化率で低下する指令回転速度ωrefを与えると、モータ10はその指令回転速度ωrefに従って減速する。
【0022】
しかし、定速回転時に比べて大きいトルクを必要とする加減速時にあっては、モータ10自体の出力能力やインバータ回路26の電流出力能力により出力トルクが制限され、回転速度ωと指令回転速度ωrefとがずれる(速度偏差が大きくなる)場合がある。そこで、本実施形態では、減速時における回転速度ωの変化率の基準値(以下、基準変化率Rsという)を設定し、減速時における回転速度ωの変化率の検出値(以下、変化率Rという)と基準変化率Rsとの比較結果に基づいて、上記正逆運転における通電期間の長さ(オン時限)、断電期間の長さ(オフ時限)およびオン時限における回転速度を制御する。
【0023】
基準変化率Rsは、例えば指令回転速度ωrefの減速時における変化率である。さらに、一定の回転速度で回転している時のq軸電流Iqの基準値(以下、基準電流Iqsという)を設定し、定速運転時のq軸電流Iqと基準電流Iqsとの比較結果に基づいて、上記正逆運転におけるオン時限、オフ時限および回転速度を制御する。基準変化率Rsと基準電流Iqsは、発明者が実際の洗濯における水量と布量の標準的な混合比率を想定して得たものである。
【0024】
図1は、マイコン18が実行する水流設定処理のフローチャートである。スタートキーが操作されて運転がスタートすると、ステップS1において重量の測定を行い、洗濯物の量に応じた洗濯水位を決定する。洗濯物の量(重量)に応じた最適な水流を作るため、ステップS2において、オン時限の定速運転時におけるq軸電流Iqの基準値(基準電流Iqs)と、オン時限からオフ時限への減速時における回転速度ωの変化率の基準値(基準変化率Rs)を設定する。具体的には、洗濯物の量が増える(重量が大きくなる)と、それに応じて基準電流Iqsを大きく設定するとともに基準変化率Rsを大きく設定する。
【0025】
マイコン18は、ステップS3において給水弁24を開放して水槽4への給水を開始し、ステップS4で給水撹拌を行いながら水位センサ21からの信号を用いて所定の水位まで給水する。給水撹拌中に所定の水位まで給水した時点で、マイコン18は、ステップS5に移行してオン時限において一定の指令回転速度ωrefを与えている時のq軸電流IqをDSP19から入力する。続いて、ステップS6に移行して、DSP19から入力した回転速度ωに基づいて、オン時限からオフ時限への減速時における回転速度ωの変化率Rを求める。
【0026】
ステップS7以降、q軸電流Iqと基準電流Iqsとの比較処理および変化率Rと基準変化率Rsとの比較処理を行い、その比較結果に応じて指令回転速度ωrefにおけるオン時限、オフ時限およびオン時限における回転速度を制御する。この制御方法は、以下のようにして導かれる。
【0027】
図5(a)は、オン時限の定速運転時におけるq軸電流Iqとパルセータ8の動き易さとの関係を示している。q軸電流Iqは、設定された水流をどの程度の回転力で作り出すことができるかを表しており、負荷により必要な回転力が定まる。q軸電流Iqが適正値すなわち基準電流Iqsにほぼ等しい場合は、水量に対し布量が適正である。これに対し、q軸電流Iqが基準電流Iqsよりも小さい場合は、水量に対し布量が少なくパルセータ8が動き易く、逆にq軸電流Iqが基準電流Iqsよりも大きい場合は、水量に対し布量が多くまたは布質がかたく(ごわごわしており)パルセータ8が動きにくい。
【0028】
図5(b)は、オン時限からオフ時限への減速時における回転速度ωの変化率Rとパルセータ8の停止し易さとの関係を示している。変化率Rは、設定された水流で動かした状態から停止するまでにどの程度の時間がかかるかを表しており、負荷により必要な時間が定まる。変化率Rが適正値すなわち基準変化率Rsにほぼ等しい場合は、水量に対し布量が適正である。これに対し、変化率Rが基準変化率Rsよりも小さい場合は、水量に対し布量が少なくまたは布質がしなやかでパルセータ8が停止しにくく、逆に変化率Rが基準変化率Rsよりも大きい場合は水量に対し布量が多くまたは布質がかたく(ごわごわしており)パルセータ8が停止し易い。
【0029】
図6は、これらの関係を表形式により示している。変化率Rが基準変化率Rsにほぼ等しい場合であっても、q軸電流Iqが基準電流Iqsよりも小さい場合は水量に対し布量がやや少なく、q軸電流Iqが基準電流Iqsよりも大きい場合は水量に対し布量がやや多い。変化率Rが基準変化率Rsよりも大きい場合には、q軸電流Iqが基準電流Iqsにほぼ等しい場合は水量に対し布量がやや多く、q軸電流Iqが基準電流Iqsよりも大きい場合は水量に対し布量が多い。変化率Rが基準変化率Rsよりも小さい場合には、q軸電流Iqが基準電流Iqsにほぼ等しい場合は水量に対し布量がやや少なく、q軸電流Iqが基準電流Iqsよりも小さい場合は水量に対し布量が少ない。
【0030】
以上の関係から、変化率R=基準変化率Rs且つq軸電流Iq=基準電流Iqsの適正状態での指令回転速度ωrefの標準的なオン時限とオフ時限を0.5s、オン時限における回転速度を120rpmとした場合、指令回転速度ωrefにおけるオン時限、オフ時限およびオン時限における回転速度を図1および図7に示すように制御する。
【0031】
[q軸電流Iq=基準電流Iqs、変化率R>基準変化率Rsの場合]
布を動かす力は適正であるが、やや停止し易いため、オフ時限を0.1s短くして布の動きをやや速める。図1では、ステップS8の処理でYESと判断した後のステップS9の処理に対応する。
【0032】
[q軸電流Iq=基準電流Iqs、変化率R<基準変化率Rsの場合]
布を動かす力は適正であるが、やや停止しにくいため、オフ時限を0.1s長くして布の動きをやや緩やかにする。図1では、ステップS10の処理でYESと判断した後のステップS11の処理に対応する。
【0033】
[q軸電流Iq<基準電流Iqs、変化率R=基準変化率Rsの場合]
布を動かす力がやや過剰であるため、オン時限を0.1s短くし且つ回転速度を10rpm下げて水流をやや弱める。図1では、ステップS12の処理でYESと判断した後のステップS13の処理に対応する。
【0034】
[q軸電流Iq>基準電流Iqs、変化率R=基準変化率Rsの場合]
布を動かす力がやや不足しているため、オン時限を0.2s長くし且つ回転速度を10rpm上げて水流をやや強める。図1では、ステップS14の処理でYESと判断した後のステップS15の処理に対応する。
【0035】
[q軸電流Iq>基準電流Iqs、変化率R>基準変化率Rsの場合]
布を動かす力が不足しているため、オン時限を0.4s長くし、オフ時限を0.1s短くし且つ回転速度を20rpm上げて水流を強める。図1では、ステップS16の処理でYESと判断した後のステップS17の処理に対応する。
【0036】
[q軸電流Iq<基準電流Iqs、変化率R<基準変化率Rsの場合]
布を動かす力が過剰であるため、オン時限を0.2s短くし、オフ時限を0.1s長くし且つ回転速度を20rpm下げて水流を弱める。図1では、ステップS18の処理でYESと判断した後のステップS19の処理に対応する。
【0037】
q軸電流Iq<基準電流Iqs、変化率R>基準変化率Rsの場合およびq軸電流Iq>基準電流Iqs、変化率R<基準変化率Rsの場合には、標準的なオン時限、オフ時限、オン時限における回転速度を用いる。以上の水流設定処理を、図1のステップS7でYESと判断するまで、すなわち変化率R=基準変化率Rs且つq軸電流Iq=基準電流Iqsとなるまで繰り返し実行する。ステップS7でYESと判断すると、そのときのオン時限、オフ時限およびオン時限における回転速度を有する指令回転速度ωrefにより以降の洗い行程とすすぎ行程の水流を制御する。
【0038】
以上述べた本実施形態によれば、モータ10(パルセータ8)の回転速度ωをフィードバック制御するので、オープンループ制御の場合に比べて制御性能が向上する。さらに、水流を減少させるためのモータ10の減速時における回転速度ωの変化率Rと基準変化率Rsとの比較および定速運転時のq軸電流Iqと基準電流Iqsとの比較に基づいて、水量に対して布量が適正かどうかすなわち洗濯槽6内で洗濯物を動かす力が適正かどうかを判断し、この判断により指令回転速度ωrefにおけるオン時限、オフ時限およびオン時限における回転速度を標準値に対し調整する。
【0039】
この調整した指令回転速度ωrefを用いた水流制御により、回転速度ωと指令回転速度ωrefとのずれ(速度偏差)を補償でき、洗濯槽6内で布に適正な動きを与えて、洗い行程、すすぎ行程で適切な水流を作り出すことができる。また、洗濯槽6内での布の動きが適正化されることにより水はね(スプラッシュ)も低減する。さらに、水流を制御することにより、布の絡みを防止する効果も期待できる。
【0040】
なお、本発明は上記し且つ図面に示す実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のように変形または拡張が可能である。
給水撹拌行程のみならず洗い行程または/およびすすぎ行程においても継続的にまたは断続的に水流設定処理を実行するように構成してもよい。
指令回転速度ωrefにおけるオン時限、オフ時限およびオン時限における回転速度のうち一部の要素だけを設定するように構成してもよい。
q軸電流Iqと基準電流Iqsとの比較を省き、モータ10の減速時における回転速度ωの変化率Rと基準変化率Rsとの比較に基づいて、指令回転速度ωrefにおけるオン時限、オフ時限およびオン時限における回転速度を設定してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の一実施形態を示す水流設定処理のフローチャート
【図2】洗濯機の一部を破断して示す縦断側面図
【図3】制御装置の電気的構成を示すブロック図
【図4】制御系とインバータ回路の構成を示す機能ブロック図
【図5】(a)はq軸電流Iqとパルセータの動き易さとの関係を示し、(b)は回転速度ωの変化率Rとパルセータの停止し易さとの関係を示す図
【図6】図5に示す関係を表形式により示す図
【図7】q軸電流Iqと変化率Rに応じた指令回転速度ωrefのオン時限、オフ時限およびオン時限における回転速度を示す図
【符号の説明】
【0042】
図面中、6は洗濯槽、8はパルセータ(撹拌体)、10はモータ、18はマイクロコンピュータ(水流制御手段)、19はDSP(回転速度検出手段、回転速度制御手段)を示す。




 

 


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