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発明の名称 衣類洗濯機
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−61175(P2007−61175A)
公開日 平成19年3月15日(2007.3.15)
出願番号 特願2005−247711(P2005−247711)
出願日 平成17年8月29日(2005.8.29)
代理人 【識別番号】100071135
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 強
発明者 久保田 亨
要約 課題
十分な除菌効果を長期に亘って持続させることができ、且つ除菌剤の残量を容易に視認することができる衣類洗濯機を提供する。

解決手段
循環ポンプ31により水槽18内の洗濯水が循環経路21を通して循環されると、フィルタユニット30内の除菌剤に洗濯水が接触して除菌性を有する銀イオンが溶出される。溶出した銀イオンは、洗濯水と共に水槽18内に流入する。除菌剤の組成成分をリン酸カルシウムとしたので、このリン酸カルシウムが洗濯水に溶けることにより、除菌剤の体積は徐々に減少する。
特許請求の範囲
【請求項1】
本体内に設けられた水槽と、
この水槽の内部と連通するように設けられた循環経路と、
前記水槽内の洗濯水を前記循環経路を通して循環させる圧送手段と、
除菌性を有する金属元素とリン酸系ガラスとからなる除菌剤とを備え、
前記除菌剤は、前記循環経路の途中に配設されていることを特徴とする衣類洗濯機。
【請求項2】
前記除菌剤は、前記圧送手段が稼動しているときに洗濯水に接触し、前記圧送手段が稼動していないときには洗濯水に接触しない位置に配設されていることを特徴とする請求項1記載の衣類洗濯機。
【請求項3】
前記循環経路の途中に設けられ前記洗濯水中の異物を捕獲するリントフィルタと、
前記除菌剤を収納するためのケースであり、前記洗濯水を通水するための通水孔が形成された除菌剤ケースとを備え、
前記リントフィルタと前記除菌剤ケースとを一体的に設けることを特徴とする請求項1または2記載の衣類洗濯機。
【請求項4】
前記リントフィルタは、前記循環経路において前記除菌剤の上流側に配置されていることを特徴とする請求項3に記載の衣類洗濯機。
【請求項5】
前記循環経路は、
前記除菌剤が配設された第1の経路と、
前記除菌剤を迂回する第2の経路と、
前記水槽内の洗濯水を前記第1の経路を通して循環させる第1の状態と前記第2の経路を通して循環させる第2の状態とを切り替える切替手段とを備えたことを特徴とする請求項1ないし4の何れかに記載の衣類洗濯機。
【請求項6】
前記水槽内に風呂水を給水するための風呂水ポンプと、
前記圧送手段を制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、
前記風呂水ポンプが稼動して前記水槽に風呂水が給水された場合には、前記除菌剤の溶出濃度を上げるように前記圧送手段を制御することを特徴とする請求項1ないし5の何れかに記載の衣類洗濯機。

発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、本体内部に除菌剤を備えた衣類洗濯機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、衣類洗濯機で衣類を洗濯しても、雑菌類を完全に除去できない場合や、水槽に蓄積したバイオフィルム(微生物が排泄する粘液など)や黴などが衣類に付着してしまい不衛生になる場合がある。
【0003】
これを防止する方法として、まず、衣類自体に抗菌防臭加工を施す方法がある。この方法では、抗菌防臭加工を施した当初においては、衣類に有効成分が残存しているので除菌作用が有効に働くが、衣服を使用して有効成分が衣類から溶出してしまうと、菌の増殖を抑制できなくなってしまう。つまり、除菌効果を持続させることができないという問題がある。
【0004】
また、別の方法として、除菌作用を有する次亜塩素酸や過炭酸ナトリウムなどを主成分とする塩素系漂白剤や酸素系漂白剤などの除菌剤を、例えば、洗剤に混ぜ込む、或いは、洗濯機に予め除菌剤を用意しておきこれを洗濯槽に自動的に投入するなどして、洗濯槽に直接投入する方法がある。しかしながら、これらの次亜塩素酸や過炭酸ナトリウムなどは水に非常に溶けやすく、一旦溶けてしまうと洗濯終了後には排水されてしまうので、除菌剤が必要以上に消費されてしまうという欠点がある。特に、衣類洗濯機の場合では、その製品寿命が一般的に十数年と長いため、このような除菌剤を用いた場合、ユーザは、何度も除菌剤を補充しなければならず手間のかかるものであった。
【0005】
このような欠点を解決することを目的として、水に溶けにくい除菌剤(例えばトリクロサン)を用いるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
このものによれば、トリクロサンが必要以上に溶けてしまうことはなく、除菌剤の補充などの手間を軽減することができる。しかしながら、このトリクロサンは、主に洗濯水の除菌を目的とするものであり、洗濯後においては衣類に残留することなくすすぎ水と共に排水されてしまう。そのため、衣類自体に除菌効果を与えることができないという欠点がある。
【0006】
そこで、洗濯後において衣類自体に抗菌効果を与えることを目的として、衣類に対して付着性を有する銀イオンを除菌成分とする除菌剤が提案されている。具体的に説明すると、この除菌剤は、極微量で除菌効果の大きい銀イオンがゼオライトやアパタイトなどの無機担体に担持されることにより構成されている。このものによれば、銀イオンは無機担体の表面から徐々に溶出されるので、上記した塩素系漂白剤や酸素系漂白剤などの除菌剤に比べ、除菌剤を長期に亘って使用することができる。また、銀イオンは洗濯中に衣類に付着し洗濯後においても衣類に残留する。そのため、衣類自体に除菌効果を与えることができ、衣類を衛生的に着用することができる。
【0007】
しかしながら、この除菌剤にも欠点があり、以下、この欠点について図11を参照して説明する。図11は、洗濯水中の除菌成分(銀イオン)の濃度と衣類洗濯機の経過年数(衣類洗濯機を使用した年数)との関係を示したグラフである。
【0008】
まず、図11中一点鎖線a(従来例1)は、上記した除菌剤を、例えば衣類洗濯機の給水経路に配置した場合を示している。この場合、銀イオンは除菌剤に水が接触している時間(給水時間)にのみ溶出することになるが、この給水時間は一般的に短く設定されている。そのため、除菌剤に水が十分に接触することができず、銀イオンの濃度は、初期においても十分な除菌効果を得るために必要な濃度(1ppb)に達していない。つまり、衣類洗濯機の経過年数に拘らず常時、有効な除菌効果を得ることはできない。
【0009】
このような場合に、例えば単純に除菌剤の量を増やしたとしても、銀イオンの濃度を高めることはできるものの、その分コストが高くなったり、除菌剤の収納スペースが大きくなるなどの問題が生じる。また、除菌剤の量を多くすると、給水経路の給水圧の損失につながり、給水速度や給水時間が安定しないという問題が生じていた。
【0010】
次に、図11中破線b(従来例2)は、上記した除菌剤を、洗濯時に洗濯水と接触する位置(例えばリントフィルタ内)に配置した場合を示している。この場合、除菌剤に洗濯水が接触する時間が長くなるので、その分、洗濯水中の銀イオンの濃度は高くなる。しかしながら、洗濯水と接触できるのは無機担体の表面部分の銀イオンであり、無機担体内部の銀イオンは溶出しにくい状態にある。そのため、銀イオンの濃度は、初期においては無機担体表面の銀イオンが溶出して高くなっているが、表面部分の銀イオンが溶出してしまった後では、洗濯水中の銀イオンの濃度は急激に低下してしまい、有効な除菌効果を得られなくなっている。
【0011】
また、上記したゼオライトやアパタイトなどの無機担体は水に不溶であり、銀イオンが溶出したとしてもその体積は減少しない。そのため、ユーザが無機担体の外見(大きさ)によって銀イオンの残量を判断することができないという欠点があった。
【0012】
その他の方法として、金属銀からなる電極を給水経路の途中に設置し、この電極から銀イオンを溶出させる方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。このものにおいても、銀イオンを溶出させる装置が給水経路の途中に配置されていることから、上記した図11中従来例1(一点鎖線a)に示したものと同様に、給水時間が短い場合には有効な除菌効果が得られない可能性がある。
【特許文献1】特開2002−239288号公報
【特許文献2】特開2004−321316号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
上記したように、除菌剤を洗濯槽に直接投入する方法では、除菌剤を長期間に亘って保持することが困難であり、除菌剤を補充する手間がかかるという欠点がある。
また、無機担体に銀イオンを担持させた除菌剤を給水経路に配置する方法では、給水時間が短く除菌効果を得るために必要な銀イオンの溶出量を確保できないという欠点がある。一方、無機担体に銀イオンを担持させた除菌剤を洗濯時に洗濯水と接触する位置に配置する方法では、無機担体内部の銀イオンが溶出しにくい状態にあることから、除菌効果を持続することが困難であるという欠点がある。
【0014】
さらに、無機担体が水に不溶であり、その体積によって銀イオンの残量を判断することができないという欠点があった。
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、十分な除菌効果を長期に亘って持続させることができ、且つ除菌剤の残量を容易に視認することができる衣類洗濯機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
請求項1に記載の衣類洗濯機は、本体内に設けられた水槽と、この水槽の内部と連通するように設けられた循環経路と、前記水槽内の洗濯水を前記循環経路を通して循環させる圧送手段と、除菌性を有する金属元素とリン酸系ガラスとからなる除菌剤とを備え、前記除菌剤は、前記循環経路の途中に配設されていることに特徴を有する。
【0016】
このような構成によれば、圧送手段により水槽内の洗濯水が循環経路を通して循環されると、循環経路の途中に配設された除菌剤に洗濯水が接触するので、洗濯水には除菌剤から除菌性を有する金属元素が溶出される。溶出した除菌剤は、洗濯水と共に水槽内に流入する。
【0017】
また、除菌剤の成分をリン酸系ガラスとしたので、このリン酸系ガラスが洗濯水に溶けることにより、除菌剤の体積は徐々に減少する。
【発明の効果】
【0018】
請求項1に記載の衣類洗濯機によれば、圧送手段により水槽内の洗濯水が循環経路を通して循環されると、除菌剤に洗濯水が接触して除菌性を有する銀イオンが溶出されるように構成したので、水槽内の洗濯水が循環経路に循環されていない状態では、除菌性を有する金属元素が洗濯槽内に流入されることはない。また、除菌性を有する金属元素と共にリン酸系ガラスも溶出していくので、除菌剤内部の金属元素が溶出しにくくなることはない。つまり、除菌剤が徐々に小さくなることにより、除菌剤内部の金属元素も良好に溶出されるので、溶出される銀イオンの濃度が急激に低下することがない。これにより、除菌性を有する金属元素が不必要に消費されてしまうことを防止できると共に、金属元素の濃度を十分な除菌効果を得るために必要な濃度以上に維持することができ、十分な除菌効果を長期に亘って持続させることができる。また、溶出した金属元素は洗濯中に衣類に付着し洗濯後においても衣類に残留する。そのため、衣類自体に除菌効果を与えることができ、衣類を衛生的に着用することができる。
【0019】
また、除菌剤の体積が徐々に減少するので、ユーザは、除菌剤の残量を容易に視認することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態について図1ないし図11を参照して説明する。図2は、衣類洗濯機の全体的な外観を示す外観斜視図である。衣類洗濯機1の外箱2は、側板3,4、基台5、天板6および前カバー7a,7bを備えて構成されている。
【0021】
外箱2は全体として略矩形箱状をなしている。側板3,4は、鉄板により形成され衣類洗濯機1の左右の横側面を構成する。また、側板3,4には、衣類洗濯機1を持ち上げるための取手8が形成されている。基台5は、外箱2の下部に配置され衣類洗濯機1全体を支える土台としての機能を有する。天板6は、樹脂により形成され衣類洗濯機1の上面を構成する。また、天板6には、化粧板9が埋め込まれていると共に、水道水給水口10および風呂水給水口11が設けられている。化粧板9は、例えば衣類洗濯機1の上部に洗濯物や洗剤などを置いた場合に、衣類洗濯機1に傷が付いてしまうことを防止するためのものである。水道水給水口10および風呂水給水口11は後述する給水経路20(図1参照)を構成し、水道水および風呂水の給水口となるものである。
【0022】
前カバー7a,7bは、衣類洗濯機1の前面を構成する。前カバー7aの前面中央部には、洗濯物を出し入れするための投入口を開閉する扉12が設けられていると共に、扉12を開くためのボタン13が設けられている。また前カバー7aの前面上部には、操作パネル14および洗剤類投入ケース15が設けられている。操作パネル14は、前カバー7aの裏側に設けられた制御装置16(制御手段に相当)に接続されている。また、操作パネル14には、運転コースを選択したり運転を開始させるためのスイッチが設けられていて、ユーザは、この操作パネル14を操作することにより、洗濯運転コース、乾燥運転コース、或いは洗濯運転コース及び乾燥運転コースを続けて行う洗濯乾燥運転コース等を選択して運転させることができる。尚、上記した制御装置16は、図示はしないが、マイクロコンピュータを中心としてROM,RAMなどを備えて構成されていて、上記した運転コースの制御のほか、後述する循環ポンプ31(図1参照)の稼動制御やサーミスタ(図示せず)を介した温度制御など、衣類洗濯機1の動作全般を制御するものである。
【0023】
洗剤類投入ケース15内部には複数の部屋が形成されていて、部屋ごとに洗剤,柔軟剤,漂白剤など各種の薬剤を投入できるようになっている。これらの部屋は、それぞれ後述する給水経路20に接続されるようになっている。また、図示しない切替機構により給水経路20に接続する部屋を切り替えることができるように構成されていて、洗濯コースの工程ごとに、その工程に適当な薬剤が洗濯水に導入されるようになっている。
【0024】
一方、前カバー7bは、衣類洗濯機1の下部に着脱可能に設けられていて、例えば衣類洗濯機1の真下に排水管を設置する場合に、この前カバー7bを取り外すことにより衣類洗濯機1の底部を容易に操作することができるようになっている。また、前カバー7bには、後述する収納部43(図6参照)を開閉するフィルタ蓋17が設けられている。
【0025】
次に、衣類洗濯機1の内部構成について図1を参照して説明する。図1は、衣類洗濯機1の内部構成を概略的に示す図である。衣類洗濯機1の内部には、水槽18、ドラム19、給水経路20、循環経路21、排水経路22および熱交換器23が備えられている。
【0026】
水槽18は、一端側(図1では左側)が開口した円筒状をなしており、その一端側(開口した側)を上記した扉12に対向させるようにして、サスペンション(図示せず)により基台5に弾性支持されている。また、水槽18の一端側(開口した側)は、ベロー24を介して外箱2に支持されている。
【0027】
ドラム19は、一端側(図1では左側)が開口した円筒状をなしており、その一端側(開口した側)を上記した扉12に対向させるようにして、水槽18の内部に配置されている。ドラム19の周壁には、多数の貫通した透孔19aが形成されている。また、ドラム19の内部には、洗濯物を掻き揚げるためのバッフル(図示せず)が設けられている。ドラム19は、水槽18の他端側(図1では右側)に配置されたモータ25に連結されている。そして、このモータ25が回転駆動されることにより、ドラム19は、水槽18に対して回転可能となっている。
【0028】
給水経路20は、上記した水道水給水口10および風呂水給水口11から水槽18の上部に亘って設けられている。給水経路20の途中には、上記した洗剤類投入ケース15が配設されている。そして、給水経路20において水道水給水口10と洗剤類投入ケース15との間には、給水弁26が配設されている。また、給水経路20において風呂水給水口11と洗剤類投入ケース15との間には、風呂水を圧送して水槽18に給水するための風呂水ポンプ27が配設されている。これにより、水道水給水口10からの水道水は、給水弁26および洗剤類投入ケース15を介して水槽18に供給され、一方、風呂水給水口11からの風呂水は、風呂水ポンプ27および洗剤類投入ケース15を介して水槽18に給水されるようになっている。
【0029】
循環経路21は、水槽18の下部に設けられた吸引口28からベロー24に設けられた噴出口29に亘って、水槽18の内部と連通するようにして設けられている。この循環経路21の途中には、フィルタユニット30および循環ポンプ31(圧送手段に相当)が配設されている。フィルタユニット30の構成および配設の態様については後述する。循環ポンプ31は、水槽18内に給水された洗濯水を循環経路21を通して循環させるためのものである。また、上記した噴出口29は、ベロー24の上部からドラム19の内方を臨むようにして備えられている。
【0030】
排水経路22は、フィルタユニット30から排水口32に亘って設けられている。排水経路22には、排水弁33が配設されている。そして、排水弁33が開放されると、水槽18内の洗濯水は、フィルタユニット30を介して排水口32から排水されるようになっている。
【0031】
熱交換器23は、水槽18の他端側(図1では右側)に配置され、上記した給水弁26から注水管34を介して注水可能に構成されている。また、熱交換器23は、排水管35を介して排水経路22に連結されている。この熱交換器23には、周知の乾燥機構(図示せず)の作用により、ドラム19内の洗濯物の水分を吸収した温風が送り込まれるようになっている。そして、送り込まれた温風中の水分が給水弁26からの注水によって冷却(凝縮)されるので、温風の除湿を行うことができるようになっている。凝縮した水分は、排水管35を介して排水口32から排水される。
【0032】
次に、上記したフィルタユニット30の構成ついて図3および図4を参照して説明する。図3は、フィルタユニット30の全体的な外観を示す外観斜視図である。フィルタユニット30は、ケース本体36、除菌剤ケース37およびキャップ部38を備えて構成されている。ケース本体36は、上面が開放した略矩形容器状をなしている。また、その側壁部および底部には、複数のスリット36aが形成されている。
【0033】
除菌剤ケース37は、ケース本体36の一部(キャップ部38側の一部)と除菌剤カバー39から構成されている。
キャップ部38は、円筒状をなしていて、その外周壁には、螺旋状に突出した雄ねじ部38aが形成されている。また、キャップ部38の先端部には、操作ノブ38bが形成されている。
【0034】
ここで、上記した除菌剤カバー39について図4を参照して詳しく説明する。除菌剤カバー39は、ケース本体36の長手方向に沿った縦断側面が略逆への字状となる形状をなしていると共に、その略全面に亘って、複数の通水孔40が設けられている。また、除菌剤カバー39の内側には、洗濯水中の異物を捕獲するためのリントフィルタ41が一体的に固定されている。このリントフィルタ41のメッシュサイズは、通水孔40の大きさ(メッシュサイズ)よりも細かく形成されていて、リントフィルタ41全体としては布状のものとなっている。そして、この除菌剤カバー39は、ケース本体36に着脱可能に構成されていて、除菌剤カバー39とケース本体36の一部との間(換言すれば、除菌剤ケース37の内部)に、除菌剤42を収納することができるようになっている。
【0035】
ここで、通水孔40およびリントフィルタ41のメッシュサイズと除菌剤42の体積(大きさ)との関係について説明する。上記した除菌剤42は、後述する組成により徐々に体積が減少するようになっている。そこで、本実施形態においては、通水孔40およびリントフィルタ41のメッシュサイズを、ある所定の期間(例えば衣類洗濯機1の平均的な製品寿命である約10年)経過後に予測される除菌剤42の体積よりも小さく形成している。
【0036】
次に、このフィルタユニット30を収納するための収納部43の構成について図5を参照して説明する。収納部43は、衣類洗濯機1の底部においてフィルタ蓋17に対向する位置に配置されている。この収納部43の上側には、図5に示すように、循環経路21の上流側(吸引口28側)に連通された給水口44が設けられている。また、収納部43には、循環経路21の下流側(噴出口29側)に連通された吐出口45およびフィルタユニット30側の雄ねじ部38aをねじ込み可能な雌ねじ部43aが設けられている。更に、収納部43には、上記した循環ポンプ31が併設されている。即ち、収納部43は、循環ポンプ31と共に循環経路21の一部を構成している。そして、この循環ポンプ31が稼動されることにより、水槽18内の洗濯水は、収納部43に対して、給水口44を介して収納部43の上側から導入され(図5中矢印A参照)、吐出口45から吐出される(図5中矢印B参照)ようになっている。
【0037】
次に、フィルタユニット30の配設の態様(取り付け態様)について図6および図7を参照して説明する。
上記したフィルタ蓋17を開けると、図6に示すように、収納部43に対してフィルタユニット30を挿入可能な状態となる。そして、収納部43にフィルタユニット30のケース本体36を挿入させながら操作ノブ38bを回転させて雄ねじ部38aを雌ねじ部43aにねじ込むことにより、収納部43(換言すれば、循環経路21の途中)にフィルタユニット30を取り付けることができるようになっている(図7参照)。このとき、収納部43内部は、キャップ部38に備えられたシール材(図示せず)により水密な状態となる。また、操作ノブ38bを逆方向に回転させると、フィルタユニット30を収納部43から取り外すことができるようになっている。
【0038】
フィルタユニット30を収納部43に取り付けた状態で、循環ポンプ31を稼動させると、フィルタユニット30内の除菌剤42には、収納部43の上側(循環経路21の上流側)から洗濯水が導入されることになる(図4中矢印C参照)。即ち、上記したリントフィルタ41は、循環経路21において除菌剤42の上流側に配置されていることになる。
【0039】
次に、上記した除菌剤42の組成成分および各組成成分の機能について説明する。除菌剤42は、銀酸化物(金属元素に相当)、リン酸カルシウム(リン酸系ガラスに相当)、酸化亜鉛および酸化コバルトから組成されている。
【0040】
銀酸化物は、洗濯水中に銀イオンとして溶出することにより除菌作用を担うものである。この銀酸化物の除菌剤42における含有量を0.1質量%以下とすると、洗濯水中の銀イオンの濃度が1ppb以下(図11参照)となってしまい、実質的に除菌効果を得られなくなる。一方、その含有量を5質量%以上とすると、銀酸化物自体が光の作用により褐色に変化することから除菌剤42の変色を招いてしまう。そのため、本実施形態では、銀酸化物の含有量を約3質量%とした。
【0041】
リン酸カルシウムは、水(洗濯水)に対して徐々に溶出する性質(徐溶性)を有していて、この徐溶性により除菌剤42自体の体積を徐々に小さくさせる機能を担うものである。また、リン酸カルシウムは、ガラスとしての性質である硬性(硬さ)を有している。そのため、除菌剤42に機械的な強度(硬さ)を付与する機能をも担う。ここで、リン酸カルシウムの含有量を10質量%以下とすると、十分な強度を維持することができなくなり、一方、その含有量を80質量%以上とすると、脆さの方が顕著になってしまい除菌剤42の強度の低下を招くおそれがある。そのため、本実施形態では、リン酸カルシウムの含有量を約69質量%とした。
【0042】
酸化亜鉛は、主には上記した銀酸化物の褐色化を防止する機能を担うものである。また、この酸化亜鉛から溶出される亜鉛イオンにも、銀イオンほどではないが除菌作用が認められることから、除菌成分としての機能をも担う。しかし、酸化亜鉛も若干ではあるが変色するので、その含有量を50質量%以上とすると、酸化亜鉛自体の変色が顕著になる。そのため、本実施形態では、酸化亜鉛の含有量を約27質量%とした。
【0043】
酸化コバルトは、除菌剤42を青色に着色するために添加するものである。酸化コバルトは、その含有量が0.01質量%であっても、除菌剤42を鮮やかな青色に着色することができるが、本実施形態では、酸化コバルトの含有量を約1質量%とした。
【0044】
また、本実施形態では、衣類洗濯機1の平均的な製品寿命である約10年経過後においても、除菌剤42から溶出する銀イオンの濃度が、十分な除菌効果を得るために必要な濃度に達することができるようにするため、除菌剤42の溶解速度などの実験データに基づいて除菌剤42を形成した。具体的には、除菌剤42の形状を、直径約15[ミリメートル],厚さ約5[ミリメートル]の円盤形状とし(図4参照)、除菌剤42一粒あたりの重さを2.1[グラム]とした。そして、この除菌剤42を、除菌剤ケース37に20粒収納した。
【0045】
この条件で除菌剤42を使用した場合、10年経過後の除菌剤42の総質量は、上記の実験データに基づいて予測すると、当初の総質量約42グラム(2.1[グラム/粒]×20[粒]=42[グラム])から約36グラムまで減少する。しかしながら、除菌剤42の総質量が約36グラムになったとしても、溶出する銀イオン濃度は当初の銀イオン濃度の約92パーセント程度に維持されることが予測され、十分な除菌効果を得ることができる。
【0046】
次に、本実施形態の作用について説明する。なお、上記した各運転コースでは、標準的に洗濯工程,すすぎ工程,脱水工程が順に実行されるが、これらの工程のうち、本実施形態の作用に関係する部分は、洗濯工程およびすすぎ工程に共通する部分であるので、以下、洗濯工程およびすすぎ工程についての説明を一括して行い、脱水工程の説明については省略する。
【0047】
洗濯工程(すすぎ工程)では、制御装置16は、給水動作,洗濯動作(すすぎ動作),排水動作を制御プログラムに基づいて適宜繰り返して実行する。まず、給水動作では、制御装置16は、給水弁26を作動させることにより水道水を水槽18に給水する。
【0048】
そして、制御装置16は、水位センサ(図示せず)を介して水槽18内の洗濯水の水位が所定の設定水位に達したことを検知すると、洗濯動作(すすぎ動作)を実行する。洗濯動作(すすぎ動作)では、制御装置16は、ドラム19を回転させてドラム19内の洗濯物の洗濯(すすぎ)を実行すると共に、循環ポンプ31を稼動させて、水槽18内の洗濯水を循環経路21を通して循環させる。
【0049】
水槽18内の洗濯水が循環経路21を通して循環されると、循環経路21の途中に配設された除菌剤ケース37内の除菌剤42に洗濯水が接触するので、洗濯水には除菌剤42から銀イオンや亜鉛イオンが溶出される。そして、溶出した銀イオンや亜鉛イオンは、洗濯水と共に噴出口29から水槽18内に流入する。水槽18に流入した銀イオンや亜鉛イオンは、洗濯(すすぎ)が行われることに伴ってドラム19内の洗濯物に付着する。
【0050】
また、除菌剤42からは、銀イオンや亜鉛イオンと共にリン酸カルシウムも溶出していくので、除菌剤42の体積は徐々に減少する。更に、リン酸カルシウムから溶出したリン酸成分は、洗濯水に溶存するマグネシウムなどに対してキレート構造を形成してマグネシウムなどの水溶性を高める。また、リン酸成分は、洗濯水に溶存する銀イオンと共に溶解度積の大きい(溶けやすい)塩を形成する。
【0051】
制御装置16は、洗濯動作(すすぎ動作)を終了すると、排水動作を実行する。排水動作では、制御装置16は、排水弁33を稼動させることにより排水経路22を介して洗濯水を排水口32から排水する。
【0052】
上記した洗濯工程(すすぎ工程)では、水道水を給水して洗濯を行う場合を説明したが、本実施形態の制御装置16は、風呂水ポンプ27を稼動させることにより風呂水を水槽18に給水することも可能である。この場合、制御装置16は、除菌剤42の銀イオンの溶出濃度が上がるように循環ポンプ31の稼動を制御する。以下、この循環ポンプ31の制御について図8および図9を参照して説明する。なお、説明するにあたっては、水槽18内へ供給する洗濯水の水量が77[リットル]であり、循環ポンプ31として60[Hz]のものを使用した場合を想定して具体的に説明する。
【0053】
図8は、循環ポンプ31の毎分あたりの流量と銀イオンの溶出濃度との関係を示している。この図8に基づいて、循環ポンプ31の循環流量を多くすると、除菌剤42に対して洗濯水が接触する割合が増加し、その分、銀イオンの溶出濃度が上がる。一方、図9は、循環ポンプ31の作動時間と銀イオンの溶出濃度との関係を示している。この図9に基づいて、循環ポンプ31の作動時間を長くすることによっても、除菌剤42に対して洗濯水が接触する割合が増加し、その分、銀イオンの溶出濃度が上がる。
【0054】
以上は、洗濯工程(すすぎ工程)における本実施形態の作用について説明した。ところで、一般的に、ユーザは、衛生的観点から衣類(特に下着類)を複数回(例えば衣類を着用するごとに)洗濯に供することが通常である。そこで、以下、本実施形態の衣類洗濯機1を用いて、同じ衣類を複数回洗濯した場合の作用について図10を参照して説明する。図10は、衣類の洗濯回数と衣類に付着した銀イオンの濃度(衣類1グラムあたりの銀イオン付着量)との関係を示したグラフである。
【0055】
図10において、まず、衣類を1回洗濯したときの衣類に付着した銀イオン濃度は、約0.05[μg/g]である。その後、例えばユーザが衣類を着用することにより、衣類に付着した銀イオンは、ある程度(付着量全体の約20パーセント程度)衣類から脱落する。この状態から、衣類の2回目の洗濯を行うと、洗濯水中の銀イオンが、更に衣類に付着し、衣類1グラムあたりの銀イオン濃度が上昇(濃縮)する。2回目洗濯後も、衣類の着用などにより銀イオンが衣類から脱落するが、洗濯を繰り返し行うことにより銀イオンの濃度は徐々に上昇していく。ここで、上記したように洗濯後の衣類からは、付着量全体の約20パーセント程度の銀イオンが脱落する。つまり、衣類に付着した銀イオンの量が多くなると、その分、脱落する銀イオンの量も多くなるので、衣類に付着する銀イオンの濃度は、一定の濃度(図10では約0.2[μg/g])に収束する。
【0056】
以上に説明したように、本実施形態によれば、循環ポンプ31により水槽18内の洗濯水が循環経路21を通して循環されると、除菌剤42に洗濯水が接触して除菌性を有する銀イオンが溶出されるように構成したので、水槽18内の洗濯水が循環経路21に循環されていない状態では、除菌性を有する銀イオンが水槽18内に流入されることはない。また、除菌性を有する銀イオンと共にリン酸カルシウムも溶出していくので、除菌剤42内部の銀イオンが溶出しにくくなることはない。つまり、除菌剤42が徐々に小さくなることにより、除菌剤42内部の銀イオンも良好に溶出されるので、溶出される銀イオンの濃度が急激に低下することがない。これにより、除菌性を有する銀イオンが不必要に消費されてしまうことを防止できると共に、銀イオンの濃度を十分な除菌効果を得るために必要な濃度以上に維持することができ、十分な除菌効果を長期に亘って持続させることができる。このことを図11中実線c(実施例)に示す。即ち、本実施形態によれば、衣類洗濯機の経過年数が10年を越えたとしても、銀イオンの濃度を十分な除菌効果を得るために必要な濃度(1ppb)以上に維持することができる。
【0057】
そして、溶出した銀イオンは洗濯中に衣類に付着し洗濯後においても衣類に残留する。そのため、衣類自体に除菌効果を与えることができ、衣類を衛生的に着用することができる。
【0058】
また、除菌剤42の体積が徐々に減少するようにしたので、ユーザは、除菌剤42の残量を容易に視認することができる。更に、除菌剤42を酸化コバルトで着色したので、除菌剤42をより容易に視認することができる。また、リントフィルタ41と、除菌剤ケース37を構成する除菌剤カバー39とを一体的に設けたので、リントフィルタ41を洗浄する場合や交換する場合に、同時に、除菌剤ケース37内の除菌剤42の体積を確認することができ、除菌剤42の残量をより一層容易に視認することができる。
【0059】
リントフィルタ41を、循環経路21において除菌剤42の上流側に配置したので、洗濯水中の異物は、除菌剤42に到達する前にリントフィルタ41により捕獲される。これにより、洗濯水中の異物が除菌剤42に接触して除菌効果が低下することを未然に防止できる。
【0060】
風呂水ポンプ27が稼動して水槽18に風呂水が給水された場合には、除菌剤42の溶出濃度を上げるように循環ポンプ31を制御するように構成したので、雑菌や異物が多量に存在し不衛生な風呂水を洗濯水として使用したとしても、銀イオンの溶出量を増加させることにより、十分な除菌効果を得ることができる。
【0061】
上記した洗濯工程(すすぎ工程)においては、洗濯効果を上昇させる目的から、シーズヒータ(図示せず)により洗濯水を加熱して洗濯を行なう場合もある。この場合、従来の衣類洗濯機では、洗濯水中のマグネシウムなどが、スケール(蒸発残渣成分)としてシーズヒータ表面に析出(堆積)してしまい、このスケールを除去するために手間がかかったり、剥がれ落ちたスケールが衣類を汚してしまうなどの問題が生じていた。しかしながら、本実施形態によれば、洗濯水中に溶出したリン酸成分が、マグネシウムなどに対してキレート構造を形成してマグネシウムなどの水溶性を高めるので、マグネシウムなどがスケールとして析出してしまうことを防止することができる。
【0062】
また、リン酸成分が、銀イオンと溶解度積の大きい塩を形成するので、銀イオンが他の陰イオン(塩素イオン等)と共に溶解度積の小さい(溶けにくい)塩を生成して沈殿してしまい洗濯水に溶存する銀イオンの濃度が低下してしまうことを防止することができる。また、銀イオンを溶解度積の大きい塩として洗濯水中に安定して溶存させることができ、銀イオンが金属銀として析出することをも防止することができる。これにより、析出した金属銀が衣類に付着して衣類が黒変してしまうこと(黒化現象)を防止することができる。
【0063】
除菌剤42をリン酸カルシウムで組成し除菌剤42に機械的な強度(硬さ)を付与したので、除菌剤42が破砕して散乱してしまうことを防止することができる。更に、除菌剤42の形状を円盤形状に形成したので、例えば循環経路21を循環する洗濯水の水圧により、除菌剤42に衝撃が与えられたとしても、その衝撃力を分散させることができ、除菌剤42が破砕して散乱してしまうことをより一層防止することができる。また、除菌剤42が破砕すると、その表面積が増大し除菌剤42が溶けやすい状態となってしまうが、除菌剤42の破砕が防止されることにより、除菌剤42が必要以上に溶けてしまうことをも防止することができる。
【0064】
また、通水孔40およびリントフィルタ41のメッシュサイズを、ある所定の期間経過後に予測される除菌剤42の体積(大きさ)よりも小さく形成したので、その所定期間内においては、除菌剤42が通水孔40およびリントフィルタ41を通過して除菌剤ケース37から脱落することがなく、これらの除菌剤42が、循環経路21を通してドラム19中の衣類に異物として付着することを防止できる。
【0065】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について図12および図13を参照して説明する。なお、上記した第1の実施形態に記載したものと同一の部分については説明を省略し、以下、異なる部分についてのみ説明する。
【0066】
まず、第2の実施形態の構成について説明する。図12は、衣類洗濯機51の全体的な外観を示す外観斜視図である。衣類洗濯機51の前面を構成する前カバー7aの前面上部には、洗剤類投入ケース15に隣接するようにして、除菌剤42を収納するための除菌剤カセット52(除菌剤ケースに相当)が設けられている。次に、衣類洗濯機51の内部構成について図13を参照して説明する。図13において、循環経路53は、水槽18の下部に設けられた吸引口28からベロー24に設けられた噴出口29に亘って、水槽18の内部と連通するようにして設けられている。この循環経路53の途中には、循環ポンプ31が配設されている。また、循環経路53において水槽18の所定の設定水位(図13中二点鎖線D参照)よりも高い位置には、上記した除菌剤カセット52が配設されている。
【0067】
次に、第2の実施形態の作用について説明する。ユーザが、操作パネル14を介して、例えば洗濯運転を開始させると、制御装置16は、給水動作,洗濯動作(すすぎ動作),排水動作を制御プログラムに基づいて適宜繰り返して実行する。
【0068】
制御装置16は、洗濯動作(すすぎ動作)では、上記した第1の実施形態に記載したものと同様にして、ドラム19を回転させると共に、循環ポンプ31を稼動させて、水槽18内の洗濯水を循環経路53を通して循環させる。このとき、循環経路53の途中に配設された除菌剤カセット52内の除菌剤42に洗濯水が接触するので、洗濯水に除菌剤42の銀イオンや亜鉛イオンが溶出され、溶出した銀イオンや亜鉛イオンは、水槽18内に流入しドラム19内の洗濯物に付着する。
【0069】
制御装置16は、洗濯動作(すすぎ動作)を終了すると、後続の排水動作を実行するに先立って、循環ポンプ31の稼動を停止させる。循環ポンプ31の稼動が停止されると、除菌剤カセット52が水槽18の所定の設定水位よりも高い位置に配設されていることから、除菌剤カセット52内の除菌剤42に水槽18内の洗濯水が及ぶことはなく、銀イオンや亜鉛イオンは、殆んど或いは全く溶出しない。
【0070】
以上に説明したように、第2の実施形態によれば、除菌剤42は、循環ポンプ31が稼動しているときに洗濯水に接触し、循環ポンプ31が稼動していないときには洗濯水に接触しない位置に配設されているので、循環ポンプ31が稼動していない状態では、銀イオンや亜鉛イオンは、殆んど或いは全く溶出しない。これにより、除菌性を有する銀イオンや亜鉛イオンが不必要に消費されてしまうことを更に防止することができ、十分な除菌効果をより一層長期に亘って持続させることができる。
【0071】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について図14を参照して説明する。なお、この場合も、上記した第1の実施形態に記載したものと同一の部分については説明を省略し、以下、異なる部分についてのみ説明する。
【0072】
まず、第3の実施形態の構成について説明する。図14において、循環経路61は、水槽18の下部に設けられた吸引口28からベロー24に設けられた噴出口29に亘って、水槽18の内部と連通するようにして設けられている。この循環経路61の途中には、循環ポンプ31および切替バルブ62(切替手段に相当)が配設されている。また、循環経路61において切替バルブ62の下流側(噴出口29側)には、上記した第1の実施形態に記載したフィルタユニット30が配設された第1の経路61aと、このフィルタユニット30を迂回する第2の経路61bが形成されている。なお、図示はしないが、フィルタユニット30は、上記した第1の実施形態に記載したものと同様の態様(図6および図7参照)により第1の経路61aに配設されている。そして、切替バルブ62により、水槽18内の洗濯水を第1の経路61aを通して循環させる第1の状態と、水槽18内の洗濯水を第2の経路61bを通して循環させる第2の状態とを切り替えることができるようになっている。
【0073】
次に、第3の実施形態の作用について説明する。制御装置16は、洗濯動作(すすぎ動作)では、上記した第1の実施形態に記載したものと同様にして、ドラム19を回転させると共に、循環ポンプ31を稼動させて水槽18内の洗濯水を循環経路61を通して循環させる。このとき、切替バルブ62により循環経路61を第1の状態に切り替えると、フィルタユニット30内の除菌剤42に洗濯水が接触して銀イオンや亜鉛イオンが溶出される。一方、切替バルブ62により循環経路61が第2の状態に切り替えられると、フィルタユニット30に対して洗濯水が迂回されて循環されるようになり、この状態では、フィルタユニット30内の除菌剤42に洗濯水が接触することはなく、従って、銀イオンや亜鉛イオンが溶出されることはない。
【0074】
以上に説明したように、第3の実施形態によれば、水槽18内の洗濯水を第1の経路61aを通して循環させる第1の状態と、水槽18内の洗濯水を第2の経路61bを通して循環させる第2の状態とを切り替えるように構成したので、除菌剤42に洗濯水が接触して銀イオンや亜鉛イオンが溶出される状態と、除菌剤42に洗濯水が接触せず銀イオンや亜鉛イオンが溶出されることがない状態とを切り替えることができる。つまり、第1の状態と第2の状態とを適宜切り替えることにより、除菌剤42の銀イオンや亜鉛イオンを必要なときにのみ溶出させることができ、除菌剤42を不必要に消費することを防止することができる。
【0075】
具体的な例を挙げると、洗濯工程で銀イオンや亜鉛イオンを衣類に付着させるよりも、後続するすすぎ工程で銀イオンや亜鉛イオンを衣類に付着させた方が、洗濯後の衣類に銀イオンや亜鉛イオンが残存しやすいことから、すすぎ工程でのみ除菌剤42を消費したい場合がある。このような場合に、洗濯工程では第2の状態に切り替え、続くすすぎ工程では第1の状態に切り替えることにより、除菌剤42の銀イオンや亜鉛イオンを必要なとき(すすぎ工程)にのみ溶出させることができ、除菌剤42を不必要に消費することを防止することができる。
【0076】
また、ユーザによっては、例えば金属アレルギーなどの理由により、衣類に銀イオンや亜鉛イオンなどの金属イオンが付着することを防止しなければならない場合がある。このような場合には、常時、第2の状態に切り替えておくことにより、銀イオンや亜鉛イオンが衣類に付着することはなく、ユーザの目的に応じた衣類の洗濯を行うことができる。
【0077】
(その他の実施形態)
なお、本発明は上記した各実施形態に限定されるものではなく、次のように変形または拡張することができる。
【0078】
リントフィルタ41は、除菌剤カバー39に対して接着により固定しても良いし、融着により固定しても良い。また、除菌剤カバー39に対してリントフィルタ41を一体的に設けない構成であっても良い。
【0079】
除菌剤42の組成成分のうち、リン酸カルシウムについては、水に対して徐溶性を有するものであれば良く、例えば、リン酸系ガラスに属する他の化合物を使用しても良いし、ホウ酸系ガラスに属するものを使用しても良い。また、リン酸カルシウム(リン酸系ガラス)の含有量は、最適には30〜70%が好ましいが、例えば、含有量を10〜80%としても良い。
【0080】
酸化亜鉛については、銀酸化物の褐色化を防止する機能を有するものであれば良く、例えば酸化セリウムであっても良い。
酸化コバルトについては、除菌剤42を着色する機能を有するものであれば良く、例えば、無機系の顔料、酸化銅、酸化鉄、酸化マンガン、タルク(滑石)などを使用しても良い。特に酸化銅で着色した場合では、酸化銅から溶出する銅イオンが除菌作用を有するため、銀イオンと共に除菌作用の更なる相乗効果が期待できる。なお、これらの着色材料の含有量は、人体や洗濯物に対して有害とならない範囲で使用するものとする。
【0081】
除菌剤42の形状は、円盤形状に限られるものではなく、例えば、立方体や板状であっても良い。また、一粒あたりの重さや大きさを適宜変更することにより、銀イオンの溶出量を調整することも可能である。
【0082】
なお、上記した各実施形態では、水槽18の軸方向が横向きの場合を例示したが、水槽18の軸方向が上下方向となる縦軸形の洗濯機にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明の第1の実施形態を示すものであって、衣類洗濯機の内部構成を概略的に示す図
【図2】衣類洗濯機の全体的な外観を示す外観斜視図
【図3】フィルタユニットの全体的な外観を示す外観斜視図
【図4】除菌剤カバーの縦断側面図
【図5】収納部の全体的な外観を示す外観斜視図
【図6】収納部にフィルタユニットを取り付ける前の状態を示す図
【図7】収納部にフィルタユニットを取り付けた後の状態を示す図
【図8】循環ポンプの循環流量と除菌成分の溶出濃度との関係を示すグラフ
【図9】循環ポンプの作動時間と除菌成分の溶出濃度との関係を示すグラフ
【図10】衣類の洗濯回数と衣類に付着した銀イオンの濃度との関係を示すグラフ
【図11】洗濯水中の除菌成分の濃度と衣類洗濯機の経過年数との関係を示すグラフ
【図12】本発明の第2の実施形態を示す図2相当図
【図13】図1相当図
【図14】本発明の第3の実施形態を示す図1相当図
【符号の説明】
【0084】
図面中、1は衣類洗濯機、16は制御装置(制御手段)、18は水槽、21は循環経路、27は風呂水ポンプ、31は循環ポンプ(圧送手段)、37は除菌剤ケース、40は通水孔、41はリントフィルタ、42は除菌剤、51は衣類洗濯機、52は除菌剤カセット(除菌剤ケース)、53は循環経路、61は循環経路、61aは第1の経路、61bは第2の経路、62は切替バルブ(切替手段)を示す。




 

 


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