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発明の名称 インクジェット式記録装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−69375(P2007−69375A)
公開日 平成19年3月22日(2007.3.22)
出願番号 特願2005−256393(P2005−256393)
出願日 平成17年9月5日(2005.9.5)
代理人 【識別番号】100085291
【弁理士】
【氏名又は名称】鳥巣 実
発明者 水谷 浩光 / 伊藤 敦
要約 課題
インクをフィルタへの流入に先立ってフィルタの面に沿う方向に案内してフィルタ面上において異物の堆積に偏りを生じさせることで、インクが流通可能なフィルタの部分を確保し、フィルタ面積を大きくすることなく、従来と同程度のフィルタ寿命を確保する。

解決手段
キャビティユニット2は、フィルタ部14A〜14Dを部分的に有するフィルタプレート14を備える。フィルタプレート14のフィルタ部14A〜14Dと下流側端部で対向する案内通路部25A〜25D、その案内通路部25A〜25Dの上流側端部と対向するインク取り込み通路部24A〜24Dを有する各プレートを積層する。インク取り込み通路部24A〜24Dから流入したインクは、案内通路部25A〜25Dに案内されて、フィルタ部14A〜14Dの上面に沿って流れ、異物を案内通路部25A〜25Dの下流側端部に押し流す。
特許請求の範囲
【請求項1】
インクを取り込むインク取り込み通路部、前記取り込まれたインクに含まれる異物を除去するフィルタ部、インクを噴射する複数のノズル穴、前記複数のノズル穴にインクを供給する複数の圧力室および前記圧力室に供給するインクを一時的に貯留するマニホールドを含み複数のプレート部材の積層によって構成されるキャビティユニットを備え、前記圧力室が加圧されることで記録媒体に前記ノズル穴よりインクを噴射して記録するインクジェット式記録装置において、
前記キャビティユニットは、前記フィルタ部を部分的に有する第1のプレート部材を備え、
前記第1のプレート部材の前記フィルタ部の上流側に、前記フィルタ部への流入に先立って、前記インクを前記フィルタ部の上面に沿って流れる方向に案内する案内通路を有する第2のプレート部材が積層されていることを特徴とするインクジェット式記録装置。
【請求項2】
前記インク取り込み通路部は、前記取り込んだインクを前記プレート部材の厚さ方向に流すもので、前記フィルタ部に対して前記案内通路内の流れ方向にずれて配置され、
前記案内通路は、前記第2のプレート部材に貫通穴として形成されるとともに、上流端部が前記インク取り込み通路部の下流側に、下流端部が前記フィルタ部の上流側にそれぞれ開放されていることを特徴とする請求項1記載のインクジェット式記録装置。
【請求項3】
前記キャビティユニットは、さらに、
前記圧力室が貫通穴として形成された第3のプレート部材と、
前記マニホールドが貫通穴として形成された第4のプレート部材と
を備え、
前記第3のプレート部材、第2のプレート部材、第1のプレート部材および第4のプレート部材の順に積層して構成され、
前記インク取り込み通路部は、前記第3のプレート部材に貫通穴として形成され、
前記第1および第2のプレート部材には、前記マニホールドと前記圧力室とを連通する連通穴が形成されていることを特徴とする請求項1または2記載のインクジェット式記録装置。
【請求項4】
前記第1のプレート部材の、前記案内通路の上流端に対応する部分は、前記インク取り込み通路部からのインクが衝突して流れ方向を変える邪魔板として機能する構成とすると共に、前記インク取り込み通路部または案内通路は、上流側から下流側に向けて徐々に通路断面積が大きくなっていることを特徴とする請求項2または3記載のインクジェット式記録装置。
【請求項5】
前記プレート部材に直交する方向から見て、前記インク取り込み通路部は、複数個が千鳥状に設けられる一方、前記フィルタ部は、前記インク取り込み通路部に対応して複数個が前記インク取り込み通路部と交互に設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のインクジェット式記録装置。
【請求項6】
前記各インク取り込み通路部内の流れ方向に対して直交する方向にずれて2つの前記フィルタ部が配置され、
前記インク取り込み通路部の下流端部から前記フィルタ部に向けてインクを案内する案内通路が2方向に分岐して、分岐したそれぞれの通路が前記各フィルタ部の上流側まで延びていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載のインクジェット式記録装置。
【請求項7】
前記案内通路の下流側に、前記異物の溜まり部が形成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のインクジェット式記録装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェット式記録装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、インクを取り込むインク取り込み通路部(インク供給孔)、インクを噴射する複数のノズル穴、前記複数のノズル穴にインクを供給する複数の圧力室および前記圧力室に供給するインクを一時的に貯留するマニホールドを含み複数のプレート部材の積層によって構成されるキャビティユニットを備え、前記圧力室が加圧されることで前記ノズル穴よりインクを噴射して記録するインクジェット式記録装置は知られている。
【0003】
そのようなインクジェット式記録装置においては、インクに含まれる異物を取り除くために、前記インク取り込み通路部の上流端開口に、異物を除去するフィルタを設けるのが一般的であるが、フィルタを囲むようにフィルタよりも厚いプレート部材を配置して、フィルタとその上流側に位置するインク供給部材の下面との間に偏平な空間を形成し、フィルタに停滞する気泡を、扁平な空間をインク流が速く流れることによって除去しやすくしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、共通インク室(マニホールド)の上側に積層されるプレート部材に、インク供給孔に相当する位置に多数のフィルタ孔を並べて穿設し、フィルタを構成するものも知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
そのようなフィルタは、そのフィルタ部に堆積する異物量を想定して、つまり異物によりある程度目詰まりしても一定の期間はフィルタ効果を確保できるように製作されている。
【特許文献1】特開2004−306540号公報(段落0033および図4)
【特許文献2】特開2003−311951号公報(段落0061および図6)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述した特許文献1,2に記載したフィルタは、インク供給孔と直接対向しており、インク供給孔から流入したインクがフィルタに直角に当たり、フィルタに捕捉した異物がインク供給孔と対向する位置にそのまま堆積されてしまう。このため、フィルタ面全体において目詰まりが早期に発生しやすく、インク供給孔とフィルタの面積を、必要以上に大きくする必要があった。
【0007】
本発明は、インクをフィルタへの流入に先立ってフィルタの面に沿う方向に案内してフィルタ面上において異物の堆積に偏りを生じさせることで、インクが流通可能なフィルタの部分を確保し、フィルタ面積を大きくすることなく、従来と同程度のフィルタ寿命を確保することができるインクジェット式記録装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明は、インクを取り込むインク取り込み通路部、前記取り込まれたインクに含まれる異物を除去するフィルタ部、インクを噴射する複数のノズル穴、前記複数のノズル穴にインクを供給する複数の圧力室および前記圧力室に供給するインクを一時的に貯留するマニホールドを含み複数のプレート部材の積層によって構成されるキャビティユニットを備え、前記圧力室が加圧されることで記録媒体に前記ノズル穴よりインクを噴射して記録するインクジェット式記録装置において、前記キャビティユニットは、前記フィルタ部を部分的に有する第1のプレート部材を備え、前記第1のプレート部材の前記フィルタ部の上流側に、前記フィルタ部への流入に先立って、前記インクを前記フィルタ部の上面に沿って流れる方向に案内する案内通路を有する第2のプレート部材が積層されていることを特徴とする。
【0009】
このようにすれば、フィルタ部の上流側の案内通路によって、フィルタ部への流入に先立ってインクが、前記フィルタ部の上面に沿って流れる方向に案内される。これにより、インクがフィルタ部の上面(表面)に沿って流れるので、フィルタ部の表面上において、異物がインクの流れによって押し流され、フィルタ面全体ににわたって異物を堆積するのではなく、異物の堆積に偏りが生じる。よって、フィルタ面全体にわたっての目詰まりが抑制され、フィルタ面積を大きくすることなく、従来と同程度のフィルタ寿命を確保することが可能となる。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1のインクジェット式記録装置において、前記インク取り込み通路部が、前記取り込んだインクを前記プレート部材の厚さ方向に流すもので、前記フィルタ部に対して前記案内通路内の流れ方向にずれて配置され、前記案内通路が、前記第2のプレート部材に貫通穴として形成されるとともに、上流端部が前記インク取り込み通路部の下流側に、下流端部が前記フィルタ部の上流側にそれぞれ開放されていることを特徴とする。
【0011】
このようにすれば、案内通路を貫通穴とすることで、インクをフィルタ部の上面に沿って流れる方向に案内する案内通路の構成が簡単となる。また、フィルタ部とインク取り込み部を前記案内通路内の流れ方向においてずらせることで、フィルタ部の上面に沿っての流れを簡単に生成することが可能になる。
【0012】
請求項3の発明は、請求項1または2のインクジェット式記録装置において、前記キャビティユニットが、さらに、前記圧力室が貫通穴として形成された第3のプレート部材と、前記マニホールドが貫通穴として形成された第4のプレート部材とを備え、前記第3のプレート部材、第2のプレート部材、第1のプレート部材および第4のプレート部材の順に積層して構成され、前記インク取り込み通路部は、前記第3のプレート部材に貫通穴として形成され、前記第1および第2のプレート部材には、前記マニホールドと前記圧力室とを連通する連通穴が形成されていることを特徴とする。
【0013】
このようにすれば、フィルタ部、案内通路、圧力室、マニホールドなどの、記録ヘッドとして必要な構成要素を有するプレート部材を積層することによってキャビティユニットが構成されるため、構造が簡単である。
【0014】
請求項4の発明は、請求項2または3のインクジェット式記録装置において、前記第1のプレート部材の、前記案内通路の上流端に対応する部分が、前記インク取り込み通路部からのインクが衝突して流れ方向を変える邪魔板として機能する構成とすると共に、前記インク取り込み通路部または案内通路が、上流側から下流側に向けて徐々に通路断面積が大きくなっていることを特徴とする。
【0015】
このようにすれば、第1のプレート部材との衝突やインク取り込み通路部または案内通路の通路断面積の変化により、フィルタ部に流入するインクの流速を、フィルタ部への流入に先立って低下させ、異物を除去するフィルタ効果が高められる。
【0016】
請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれかのインクジェット式記録装置において、前記プレート部材に直交する方向から見て、前記インク取り込み通路部が、複数個が千鳥状に設けられる一方、前記フィルタ部は、前記インク取り込み通路部に対応して複数個が前記インク取り込み通路部と交互に設けられていることを特徴とする。
【0017】
このようにすれば、インク取り込み通路部を千鳥状に配置することによって、それらを設けるプレート部材の幅を狭くでき、結果としてキャビティユニットの幅を狭くすることが可能となる。
【0018】
請求項6の発明は、請求項1〜3のいずれかのインクジェット式記録装置において、前記各インク取り込み通路部内の流れ方向に対して直交する方向にずれて2つの前記フィルタ部が配置され、前記インク取り込み通路部の下流端部から前記フィルタ部に向けてインクを案内する案内通路が2方向に分岐して、分岐したそれぞれの通路が前記各フィルタ部の上流側まで延びていることを特徴とする。
【0019】
このようにすれば、2つのフィルタ部を設けることによって、必要なフィルタ面積を簡単に確保することができる。つまり、インク取り込み通路部の通路断面積が小さくても、フィルタ部を2つにするだけで、必要なフィルタ面積を確保することができる。
【0020】
請求項7の発明は、請求項1〜6のいずれかのインクジェット式記録装置において、前記案内通路の下流側に、前記異物の溜まり部が形成されていることを特徴とする。
【0021】
このようにすれば、異物は案内通路方向に流れるインクによって運ばれるので、異物は、フィルタ部に流入するのに先立って、案内通路下流側の溜まり部に溜められる。よって、インクに含まれる異物が減少するので、フィルタ部の目詰まりが低減される。
【発明の効果】
【0022】
本発明は、フィルタ部への流入に先立ってインクを、案内通路によって前記フィルタ部の上面に沿って流れる方向に案内するので、フィルタ面に対する異物の堆積に偏りを生じさせ、フィルタ部の表面全体の目詰まりを抑制することができる。よって、フィルタ面積を大きくすることなく、従来と同程度のフィルタ寿命を確保することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態を図面に沿って説明する。なお、本実施の形態に係るインクジェット式記録装置は、記録媒体に沿って往復移動するキャリッジ上に記録ヘッドが搭載され、記録ヘッドからインク液滴を前記記録媒体に向けて噴射させる、周知のインクジェット式記録装置である。
【0024】
図1は本発明に係るインクジェット式記録装置に用いられる圧電式のインクジェットヘッドの断面図、図2は同インクジェットヘッドの分解斜視図である。
【0025】
図1に示すように、インクジェットヘッド1は、複数枚の金属プレートを備えるキャビティユニット2の上側にプレート型の圧電アクチュエータ3が接合され、このプレート型の圧電アクチュエータ3の上側に外部機器との接続のためのフレキシブルフラットケーブル4が重ね接合されている。
【0026】
キャビティユニット2は、図1に示すように、9枚のプレート11〜19それぞれを積層状態で接着剤にて重ね接合した構造となっている。つまり、上側から順に積層される、キャビティプレート11(第3のプレート部材)、ベースプレート12、アパチャプレート13(第2のプレート部材)、フィルタプレート14(第1のプレート部材)、2枚のマニホールドプレート15,16(第4のプレート部材)、ダンパープレート17、スペーサプレート18およびノズルプレート19の合計9枚の薄いプレートで構成される。そして、キャビティユニット2の下面側に開口された、後述するノズル穴から下向きにインクを噴射する構成とされている。なお、各プレート11〜19は50〜150μm程度の厚さを有し、42%ニッケル合金鋼板製の金属プレートである。
【0027】
キャビティプレート11には、複数の、平面視細長形状の圧力室(ブラックについて2列の圧力室11A1,11A2、シアン、イエロー、マゼンタについて1列の圧力室11B,11C,11D)が、それらの長手方向がキャビティプレート11の短辺方向(図1の左右方向)に沿うようにして貫通穴として形成されている。圧力室11A〜11Dは、平面視で、キャビティプレート11の長辺方向(図1の紙面に直角方向、図2のX方向)に沿って、千鳥配列状で5列に配列されている。そして、圧力室11A〜11Dは、それに対応するノズル穴よりインクを噴射する際に、上側から圧電アクチュエータ3によって加圧される。
【0028】
各圧力室11A〜11Dの長手方向の一端部は、連通路部21を通じてノズルプレート19の各ノズル穴に連通する。この連通路部21は、キャビティプレート11の下側に積層される7枚のプレート12〜18それぞれに設けられる貫通穴の集合体として形成される。
【0029】
一方、各圧力室11A〜11Dの長手方向の他端部は、絞り通路部22を通じて後述する共通インク室としてのマニホールド23A1,23A2,23B,23C,23Dと連通している。この絞り通路部22は、キャビティプレート11の下側に積層される3枚のプレート12〜14それぞれに設けられる貫通穴の集合体として形成され、マニホールド23A〜23Dから各圧力室11A〜11Dへインクを供給する際に流路抵抗となるように断面積を小さくして形成されている。
【0030】
2枚のマニホールドプレート15,16には、その長辺方向に沿って長い5つのマニホールド23A〜23Dがノズル穴19B〜19Dの各列に沿って延びるように板厚を貫通して形成されている。すなわち、図1に示すように、2枚のマニホールドプレート15,16を積層し、かつその上面をフィルタプレート14で覆い、下面をダンパープレート17にて覆うことにより、合計5つのマニホールド23A〜23Dが独立して形成される。各マニホールド23A〜23Dは、各プレート11〜19の積層方向から平面視したときに、圧力室11A〜11Dの一部と重なって圧力室11A〜11Dの列方向(ノズル穴の列方向)に沿って長く延びている。ここで、マニホールド23A〜23Dは、ブラックについて2つ、シアン、イエロー、マゼンタについてそれぞれ1つずつ設けられている。
【0031】
また、ダンパープレート17には、マニホールド23A〜23Dに対応してダンパー室26A1,26A2,26B,26C,26Dが下面凹部として形成されている。そして、ダンパープレート17の、マニホールド23A〜23Dとダンパー室26A〜26Dとに挟まれる部分は、マニホールド23A〜23D側およびダンパー室26A〜26D側のいずれの側にも撓む弾性を有している。
【0032】
ノズルプレート19には、図2に示すように、微小径(この実施の形態では25μm程度)のインク噴射用ノズル穴(ノズルプレート19に形成されたノズル穴19B,19C,19Dのみ図示)が微小間隔で多数個穿設されている。このノズル穴は、ノズルプレート19における長辺方向(図1の紙面に直角な方向、図2のX方向)に沿って配列され、ノズル列を構成している。
【0033】
一方、圧電アクチュエータ3は、特開平4−341853号公報等に開示された公知のものと同様に、複数枚の圧電シート31を積層した構造で、1枚の厚さが30μm程度の各圧電シートのうち下側から偶数段目の圧電シート31aの上面(広幅面)には、キャビティユニット2における各圧力室11A〜11Dに対応した箇所ごとに細幅の個別電極32が長辺方向に沿って列状に形成されている。下から奇数段目の圧電シート31bの上面(広幅面)には、複数個の圧力室11A〜11Dに対して共通のコモン電極33が形成されている。
【0034】
そして、このような構成のプレート型の圧電アクチュエータ3における下面(圧力室111A〜11Dと対面する広幅面)全体に、接着剤としてのインク非浸透性の合成樹脂材からなる接着材シート(図示せず)を予め貼着し、次いで、キャビティユニット2に対して、圧電アクチュエータ3が、その各個別電極32をキャビティユニット2における各圧力室11A〜11Dの各々に対応させて接着固定される。また、この圧電アクチュエータ3における上側の表面には、各電極32に接続される配線パターンを有するフレキシブルフラットケーブル4が固定される。
【0035】
また、各マニホールド23A〜23Dの一端部は、図2〜図4に示すように、インク取り込み通路部24A〜24Dおよび案内通路部25A〜25Dを介してインク供給源(図示せず)に連通している。この案内通路部25A〜25Dの下流端が、インクに含まれる異物を除去するフィルタ部14A〜14Dを通じてマニホールド23A〜23Dに連通されている。なお、このフィルタ部14Aの部分でブラックインクの流れは、2つのマニホールド23A1,23A2に分かれる。
【0036】
インク取り込み通路部24A〜24Dは、キャビティプレート11およびベースプレート12に貫通穴として形成され、案内通路部25A〜25Dはアパチャプレート13(第2のプレート部材)に長穴状の貫通穴として形成されている。案内通路部25A〜25Dは、上流端部がインク取り込み通路部24A〜24Dの下流側に、下流端部がフィルタ部14A〜14Dの上流側にそれぞれ開放されている。これによって各インク取り込み通路部24A〜24Dおよび案内通路部25A〜25Dが、フィルタ部14A〜14Dを介して、各マニホールド23A〜23Dにインク色毎に連通される。なお、案内通路部25A〜25Dは、それぞれ、上流側から下流側に向けて徐々に通路断面積が大きくなっている。
【0037】
一方、フィルタ部14A〜14Dは、上側のマニホールドプレート15の上面に隣接するフィルタプレート14に、各マニホールド23A〜23Dの一端部に対応して部分的に形成されている。ここで、フィルタ部14A〜14Dは、(i)フィルタプレートの所定の位置に微細な多数の開孔を穿孔して部分的に形成しもよいし、(ii)フィルタプレートに形成された開孔にフィルタ部材を嵌め込んで形成してもよいし、(iii)フィルタプレートを、所定の位置に開孔が形成されたプレート部材と全体にわたって微細な多数の開孔が穿孔されたプレート部材とを重ね合わせ接合することで形成してもよい。なお、ブラックについてのフィルタ部14Aは、2つのブラック用のマニホールド23A1,23A2について共用され、シアン、イエロー、マゼンタについてのフィルタ部14B〜14Dはそれぞれ1つのマニホールド23B〜23Dについて用いられる。
【0038】
インク取り込み通路部24A〜24Dは、前記インク供給源より取り込んだインクをプレート11〜19の厚さ方向に流すもので、フィルタ部14A〜14Dに対して案内通路部25A〜25D内の流れ方向にずれて配置され、インク取り込み通路部24A〜24Dは、フィルタプレート14においてフィルタ部14A〜14Dのない壁面と対向している。これにより、インク取り込み通路部24A〜24Dから流入したインクは、フィルタプレート14に衝突して方向を変え、案内通路部25A〜25Dにより、フィルタ部14A〜14Dへの流入に先立って、フィルタ部14A〜14Dの上面に沿って流れる方向に案内されることになる。
【0039】
また、プレート11〜19に直交する方向から見て、図3に示すように、インク取り込み通路部24A〜24Dは、複数個が千鳥状に配列される。つまり、隣接するインク取り込み通路部は、マニホールド23A〜23Dの長手方向に対して交互にずれ、かつその長手方向に対して直交する方向に対して相互に重ならないように配置されている。一方、フィルタ部14A〜14Dは、インク取り込み通路部24A〜24Dに対応して複数個がインク取り込み通路部24A〜24Dと交互に設けられている。つまり、隣接するフィルタ部は、マニホールド23A〜23Dの長手方向に対しインク取り込み通路部24A〜24Dがずれる方向とは逆にずれ、かつその長手方向に対して直交する方向に対して相互に重ならないように配置されている。
【0040】
各フィルタ部14A〜14Dは、図3から明らかなように、前記の直交する方向の幅を、インク取り込み通路部24A〜24Dの幅よりも大きく形成されており、その結果、案内通路部25A〜25Dは、インク取り込み通路部24A〜24Dからフィルタ部14A〜14Dに向け、幅を拡大するように形成されている。このように、フィルタ部14A〜14Dの面積を大きくしても、フィルタ部およびインク取り込み通路部24A〜24Dが相互にずれて配置されているから、キャビティユニット2の短辺方向の長さが小さくても、インク取り込み通路部24A〜24D相互間の距離を大きく取ることができ、インク供給源から延びる供給部材(図示せず)とインク取り込み通路部との間のシール構造を確実にすることができる。
【0041】
上記インクジェットヘッド1によれば、インク取り込み通路部24A〜24Dからノズル穴に至るインク流通路において、まず、取り込まれたインクは、インク取り込み通路部24A〜24Dからインク供給チャンネルとしてのマニホールド23A〜23Dに供給される。この際、インク取り込み通路部24A〜24Dは、取り込んだインクを複数のプレート11〜19の厚さ方向に流すように形成されているので、インク取り込み通路部24A〜24Dからのインクは、案内通路部25A〜25Dの上流端に対応する部分に進入する際にフィルタプレート14に衝突して流れ方向を変更させることになる。つまりフィルタプレート14が邪魔板として機能し、インクの流れ方向を変更させるとともにその流速を低下させる。また、案内通路部25A〜25Dは上流側から下流側に向けて徐々に通路断面積が大きくなっているので、この点からもインクの流速を低下させる上で有利な構造となっている。
【0042】
そして、フィルタ部14A〜14Dの上流側の案内通路部25A〜25Dによって、フィルタ部14A〜14Dへの流入に先立って、フィルタ部14A〜14Dの上面に沿って流れる方向にインクが強制的に案内されるので、そのインクによって異物がフィルタ部14A〜14Dの上面(フィルタ面)に沿って押し流され、案内通路部25A〜25Dの下流端部に蓄積される。よって、フィルタ部14A〜14Dに対しフィルタ面に直交する方向にインクが流れてフィルタ部を通過する従来の一般的な場合のように、フィルタ面全体にわたって異物の堆積が生ずるのではなく、異物の堆積に偏りが生じ、インク取り込み通路部24A〜24D寄りのフィルタ部14A〜14Dの領域が目詰まりすることなく、インク通路として長期にわたり確保される。
【0043】
その後、マニホールド23A〜23Dから絞り通路部22を経由して各圧力室11A〜11Dに分配供給される。そして、圧電アクチュエータ3の駆動により、インクは各圧力室11A〜11D内から連通路部21を通って、その圧力室11A〜11Dに対応するノズル穴から噴射される。
【0044】
本発明は、前記実施の形態に制限されるものではなく、次のように変更することも可能である。
【0045】
(i)前記実施の形態では、案内通路部25A〜25Dは、上流側から下流側に向けて通路断面積が徐々に大きくなっているが、インク取り込み通路部を、上流側から下流側に向けて徐々に通路断面積が大きくなっているように構成して同様な効果を得ることも可能である。また、案内通路およびインク取り込み通路部の両方とも上流側から下流側に向けて通路断面積が徐々に大きくなっているようにしてもよいのはもちろんである。
【0046】
(ii)前記実施の形態では、案内通路部25A〜25Dによってフィルタ部14A〜14Dの上面に沿って流れる方向にインクを案内しているだけであるが、案内通路の下流側に、異物の溜まり部を形成し、より多くの異物を蓄積する構成とすることも可能である。具体的には、案内通路部25A〜25Dの下流側において、ベースプレートの下面側に、フィルタ部14に対応して凹部として異物の溜まり部41を形成することができる。また、単に凹部としての異物の溜まり部を設けるのではなく、例えば図5に示すように、案内通路部25D’の下流側において、その下流側部分を延長するとともにベースプレート12’の下面側に、前記延長部分およびフィルタ部14に対応して凹部として異物の溜まり部41を形成することで、よりスペースが広い異物の溜まり部41を得ることができる。
【0047】
(iii)前記実施の形態では、1つのインク取り込み通路部に対し1つのフィルタ部が設けられる構成としているが、例えば図6に示すように、インク取り込み通路部51内の流れ方向に対して直交する方向にずれて2つのフィルタ部52,53が配置され、インク取り込み通路部51の下流端部からフィルタ部52,53に向けてインクを案内する案内通路54a,54bが2方向に分岐して、分岐したそれぞれの通路54a,54bが各フィルタ部52,53の上流側まで延びている構成とすることも可能である。このようにすれば、2つのフィルタ部を設けるので、1つのフィルタの幅や面積の大きさを小さくしても流路面積を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明に係る実施の形態であるインクジェット式記録装置に用いられる圧電式のインクジェットヘッドの断面図である。
【図2】同インクジェットヘッドの分解斜視図である。
【図3】同インクジェットヘッドにおけるキャビティユニットのインク取り込み通路部付近の平面図である。
【図4】(a)は図3のA−A線における断面図、(b)は図3のB−B線における断面図である。
【図5】他の実施の形態であるキャビティユニットの断面図である。
【図6】別の実施の形態を示し、(a)はキャビティユニットのインク取り込み通路部付近の平面図、(b)は図6(a)のC−C線における断面図である。
【符号の説明】
【0049】
1 インクジェットヘッド
2 キャビティユニット
3 圧電アクチュエータ
12,12’ ベースプレート
13 アパチャプレート
14 フィルタプレート
15,16 マニホールドプレート
19 ノズルプレート
19a ノズル穴
23A〜23D マニホールド
24A〜24D インク取り込み通路部
25A〜25D,25D’ 案内通路部
41 異物の溜まり部
51 インク取り込み通路部
52,53 フィルタ部
54a,54b 案内通路




 

 


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