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発明の名称 ミシンのルーパー土台への給油装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−61326(P2007−61326A)
公開日 平成19年3月15日(2007.3.15)
出願番号 特願2005−250705(P2005−250705)
出願日 平成17年8月31日(2005.8.31)
代理人 【識別番号】100089004
【弁理士】
【氏名又は名称】岡村 俊雄
発明者 土屋 浩二 / 鈴木 裕之
要約 課題
ミシンのルーパー土台に設けられたスプレダー作動カム板の摺動面への安定した自動給油を実現し、ルーパー土台の磨耗性や耐久性を向上させること。

解決手段
サブ潤滑油タンクに貯留された潤滑油が第2灯芯と第1灯芯45(ホルダー側灯芯45a)を介してスプレダー作動カム板23の第1摺動面23gに自動供給される。その第1摺動面23gには直線状の左油導入溝37と右油導入溝38とが夫々縦向きに形成されているので、第1摺動面23gに供給された潤滑油は第1摺動面23g全体に拡散され、これら左右両油導入溝37,38にも充填される。この状態で鳩目穴かがり縫目が形成されるのに応じてスプレダー作動カム板23が高速で往復揺動する際に、両油導入溝37,38に貯留された潤滑油が遠心力で上方に飛び散り、左右のカム部23b,23dと左右のスプレダー18,19の当接部18b,19bに夫々給油される。
特許請求の範囲
【請求項1】
1対のルーパーとスプレダーを設けたホルダー土台と前記スプレダーを開閉駆動させるカム部を有するスプレダー作動カム板とを水平軸に揺動可能に支持し、ルーパー駆動軸で前記ホルダー土台を揺動駆動すると共にスプレダー駆動軸でスプレダー作動カム板を揺動駆動するように構成したミシンのルーパー土台に潤滑油を給油する給油装置において、
前記スプレダー作動カム板の前記ホルダー土台と摺動する摺動面に自動的に給油する自動給油機構を設けたことを特徴とするミシンのルーパー土台への給油装置。
【請求項2】
前記スプレダー作動カム板の前記摺動面に油導入溝を形成したことを特徴とする請求項1に記載のミシンのルーパー土台への給油装置。
【請求項3】
前記自動給油機構は、前記スプレダー作動カム板の前記摺動面に潤滑油を給油する第1灯芯を有し、前記油導入溝は前記第1灯芯から給油された潤滑油を前記スプレダー作動カム板のカム部の下端近傍部に給油可能に構成されたことを特徴とする請求項2に記載のミシンのルーパー土台への給油装置。
【請求項4】
前記自動給油機構は、潤滑油を貯留するタンクであってベッド台に設けられた潤滑油タンクと、この潤滑油タンクに接続され内部に第2灯芯を収容した給油チューブとを備え、前記第1灯芯と前記第2灯芯とを接続したことを特徴とする請求項3に記載のミシンのルーパー土台への給油装置。
【請求項5】
前記自動給油機構における前記給油チューブ内の第2灯芯のルーパー土台側先端部は、前記第1灯芯の油導入側基端部の周回軌跡に接するように配設され、ルーパー土台が初期位相位置にあるとき前記第2灯芯の前記先端部が第1灯芯の油導入側基端部に接触するように構成したことを特徴とする請求項4に記載のミシンのルーパー土台への給油装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ミシンのルーパー土台への給油装置に関し、特に1対のルーパーとスプレダーを備えたホルダー部材とルーパー土台の縦壁との間で摺動しながら揺動するスプレダー作動カム板の摺動面に自動給油するようにしたものである。
【背景技術】
【0002】
従来、穴かがり縫目を縫製する穴かがり縫いミシンにおいては、穴かがり縫いが開始されると、ミシンモータの駆動により上軸が回転駆動され、その上軸の回転により、針棒上下動機構の駆動により針棒が上下動されるとともに、ルーパー土台に設けられた左右1対のルーパーとスプレダーが夫々駆動され、更に、針振り機構により針棒が揺動され、天秤機構により天秤が揺動され、加工布に穴かがり縫目が形成される。
【0003】
例えば、特許文献1に記載の鳩目穴かがりミシンは、ルーパー土台に左右1対のルーパーとスプレダーとを一体的に設けたホルダー部材(ルーパー・スプレダーホルダー部材)が揺動可能に設けられ、ルーパー土台の下部に延出された回動軸部11内にルーパー駆動軸が挿入装備されるとともに、そのルーパー駆動軸内にスプレダー駆動軸が挿入装備されている。これらルーパー駆動軸とスプレダー駆動軸は夫々カム機構により、夫々位相を異ならせつつも針棒の上下動周期と同期させて揺動駆動され、加工布に所定の穴かがり縫目が形成される。
【0004】
ところで、このように構成されたルーパー土台においては、1対のスプレダーを開閉する為のカム部を上端部に有する板状のスプレダー作動カム板がホルダー部材とルーパー土台の縦壁との間で摺動可能に支持されている。そこで、スプレダー作動カム板の特にホルダー部材と摺動する摺動面に灯芯の一端部である給油側終端部が臨み、その灯芯の他端部である油導入側端部がルーパー土台の外周側に設けられているので、作業者は、縫製作業を開始するその都度、オイルカンにより灯芯の油導入側端部に適宜給油するようにし、スプレダー作動カム板の揺動に支障を来すことがないようにしている。
【0005】
【特許文献1】特開2005−143950号公報 (第6〜7頁、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述した特許文献1に記載の鳩目穴かがりミシンのように、ルーパー土台に1対のルーパーとスプレダーとを設けたホルダー部材とルーパー土台の縦壁との間に摺動可能に支持されたスプレダー作動カム板の摺動面に、灯芯を介して作業者が手作業で給油している為、手作業による給油が面倒である上、給油を忘れた場合には磨耗や焼け付きが生じるという問題がある。一方、給油量が多い場合には、オイル垂れが起き、縫製に供する加工布がオイルで汚れる等の問題がある。
【0007】
本発明は、以上のような問題点を解消する為になされたものであり、ミシンのルーパー土台に設けられたスプレダー作動カム板の摺動面への安定した自動給油を実現し、ルーパー土台の磨耗性や耐久性を向上させることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1のミシンのルーパー土台への給油装置は、1対のルーパーとスプレダーを設けたホルダー土台と前記スプレダーを開閉駆動させるカム部を有するスプレダー作動カム板とを水平軸に揺動可能に支持し、ルーパー駆動軸で前記ホルダー土台を揺動駆動すると共にスプレダー駆動軸でスプレダー作動カム板を揺動駆動するように構成したミシンのルーパー土台に潤滑油を給油する給油装置において、スプレダー作動カム板のホルダー土台と摺動する摺動面に自動的に給油する自動給油機構を設けたものである。
【0009】
スプレダー作動カム板の摺動面に、自動給油により、適量の潤滑油が常に安定して供給できるようになり、スプレダー作動カム板は、縫製中に磨耗したり焼け付くようなことがなく、スプレダー作動カム板の揺動運動が円滑になる。
【0010】
請求項2のミシンのルーパー土台への給油装置は、請求項1において、前記スプレダー作動カム板の摺動面に油導入溝を形成したものである。
【0011】
請求項3のミシンのルーパー土台への給油装置は、請求項2において、前記自動給油機構は、スプレダー作動カム板の摺動面に潤滑油を給油する第1灯芯を有し、油導入溝は第1灯芯から給油された潤滑油をスプレダー作動カム板のカム部の下端近傍部に給油可能に構成されたものである。
【0012】
請求項4のミシンのルーパー土台への給油装置は、請求項3において、前記自動給油機構は、潤滑油を貯留するタンクであってベッド台に設けられた潤滑油タンクと、この潤滑油タンクに接続され内部に第2灯芯を収容した給油チューブとを備え、第1灯芯と第2灯芯とを接続したものである。
【0013】
請求項5のミシンのルーパー土台への給油装置は、請求項4において、前記自動給油機構における給油チューブ内の第2灯芯のルーパー土台側先端部は、第1灯芯の油導入側基端部の周回軌跡に接するように配設され、ルーパー土台が初期位相位置にあるとき第2灯芯の先端部が第1灯芯の油導入側基端部に接触するように構成したものである。
【発明の効果】
【0014】
請求項1の発明によれば、1対のルーパーとスプレダーを設けたホルダー土台とスプレダーを開閉駆動させるカム部を有するスプレダー作動カム板とを水平軸に揺動可能に支持し、ルーパー駆動軸でホルダー土台を揺動駆動すると共にスプレダー駆動軸でスプレダー作動カム板を揺動駆動するように構成したミシンのルーパー土台に潤滑油を給油する給油装置において、スプレダー作動カム板のホルダー土台と摺動する摺動面に自動的に給油する自動給油機構を設けたので、スプレダー作動カム板の摺動面に、自動給油により、適量の潤滑油が常に安定して供給できるようになる。従って、ミシンのルーパー土台に設けられたスプレダー作動カム板の摺動面への安定した自動給油を実現でき、ルーパー土台の磨耗性や耐久性の向上を図ることができる。
【0015】
請求項2の発明によれば、前記スプレダー作動カム板の摺動面に油導入溝を形成したので、スプレダー作動カム板の摺動面に自動給油された潤滑油が油導入溝に貯留され、その貯留された潤滑油の一部がスプレダー作動カム板の揺動により飛び散ってカム部にも給油される。それ故、スプレダーとカム部との摺動が円滑になり、スプレダーとカム部の磨耗を抑制でき、耐久性を格段に向上させることができる。その他請求項1と同様の効果を奏する。
【0016】
請求項3の発明によれば、前記自動給油機構は、スプレダー作動カム板の摺動面に潤滑油を給油する第1灯芯を有し、油導入溝は第1灯芯から給油された潤滑油をスプレダー作動カム板のカム部の下端近傍部に給油可能に構成されたので、ルーパー土台が縫製作業中に回動した場合でも、第1灯芯によりスプレダー作動カム板の摺動面に安定した給油ができ、しかも油導入溝によりスプレダーと干渉することなく、カム部に対する給油の確実性を格段に高めることができる。その他請求項2と同様の効果を奏する。
【0017】
請求項4の発明によれば、前記自動給油機構は、潤滑油を貯留するサブタンクであってベッド台に設けられた潤滑油タンクと、この潤滑油タンクに接続され内部に第2灯芯を収容した給油チューブとを備え、第1灯芯と第2灯芯とを接続したので、メンテナンスを行う等、ルーパー土台を装備したベッド部をベッド台に対して上方に起こした傾斜姿勢に切換えた場合でも、ベッド台に設けた潤滑油タンクの高さが変わらない為、潤滑油タンクに貯留された潤滑油を、給油チューブ内の第2灯芯とこれに接続された第1灯芯とを介して、スプレダー作動カム板の摺動面に対する安定給油を実現することができる。その他請求項3と同様の効果を奏する。
【0018】
請求項5の発明によれば、前記自動給油機構における給油チューブ内の第2灯芯のルーパー土台側先端部は、第1灯芯の油導入側基端部の周回軌跡に接するように配設され、ルーパー土台が初期位相位置にあるとき第2灯芯の先端部が第1灯芯の油導入側基端部に接触するように構成したので、給油チューブの配管系が簡単化し、しかも縫製がなされていない待機状態であって、ルーパー土台が回動後に初期位相位置に復帰する毎に、第2灯芯から第1灯芯への潤滑油の伝達が接触により可能になる。その他請求項4と同様の効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本実施例のミシンのルーパー土台への給油装置は、穴かがり縫いミシンのベッド台に設けたサブ潤滑油タンクに接続された供給チューブ内の第2灯芯と、これに接触する第1灯芯を介してルーパー土台のスプレダー作動カム板の摺動面に潤滑油が自動給油できるようにしてある。
【実施例】
【0020】
図1〜図2に示すように、穴かがり縫いミシン1は、上方を開放した略矩形箱状をなすベッド台2と、そのベッド台2に嵌め込むように載置されたベッド部3と、そのベッド部3の後方部から立設される脚柱部4と、その脚柱部4の上部から前方に延びるアーム部5等を有し、ミシンテーブル(図示略)上に載置固定されている。ここで、図2に示すように、ベッド部3は図示外のヒンジ機構を介して、水平な縫製姿勢と、2点鎖線で示す上方に起こした傾斜姿勢とに切換え可能になっている。
【0021】
アーム部5の先端下部には、縫針6を備えた針棒7が上下動可能に設けられ、詳しく図示はしないが、ミシンモータの駆動により回転する主軸の回転力が図示しない針棒上下動機構と針振り機構とに夫々伝達され、針棒7は上下動しながら所定幅分だけ左右に揺動するようになっている。この場合、主軸が2回転する毎に、針棒7は左側揺動位置と右側揺動位置とに揺動するようになっている。
【0022】
また、ベッド部3のフレームに、針棒7に対向するように1対のルーパー16,17と1対のスプレダー18,19とを備えたルーパー土台10が回転可能に設けられ、これら1対のルーパー16,17とスプレダー18,19とは後述する駆動機構を介して主軸の回転により、針棒7の上下動と調時して夫々駆動されるようになっている。
【0023】
図1に示すように、ルーパー土台10から一体的に下方に延びる回動軸部11に従動プーリ(図示略)が固着され、その従動プーリとθ方向駆動モータ(図示略)の駆動軸に固着された駆動プーリ(図示略)とに亙ってタイミングベルト(図示略)が掛け渡されている。従って、θ方向駆動モータの駆動により、これらプーリとタイミングベルトを介して、ルーパー土台10が水平面において、約180°に亙って、鉛直軸周りに一体的に往復回動するようになっている。このとき、針棒7も同時に約180°に亙って回転駆動される。
【0024】
次に、ルーパー土台10について説明する。
図3〜図5に示すように、ルーパー土台10は、円板状の台座部10aと、この台座部10aから上方に延びる縦壁部10bとが一体形成され、台座部10aの下側に固着された円筒状の回動軸部11と、縦壁部10bに揺動可能に支持されたホルダー土台15及び板状のスプレダー作動カム板23と、台座部10aに立設された支持柱部材12等を備えている。
【0025】
図4,図6に示すように、ホルダー土台15は正面視にてほぼV字形状であり、その左側の取付けブロック15aの上端部に、左ルーパー16が固着されている。その左ルーパー16の上側に覆い被さるように左スプレダー18が回動可能に支持され、その左スプレダー18の回動範囲を規制する左ストッパ20が固着されている。ホルダー土台15の右側の取付けブロック15bの上端部に、右ルーパー17が固着されている。その右ルーパー17の上側に覆い被さるように右スプレダー19が回動可能に支持され、その右スプレダー19の回動範囲を規制する右ストッパ21が固着されている。
【0026】
スプレダー作動カム板23は、図6に示すように、ほぼV字形状であり、その左側延出部23aの外側に所定長さを有する左カム部23bが縦向きに形成されるとともに、その右側延出部23cの外側に所定長さを有する右カム部23dが縦向きに形成されている。ここで、左スプレダー18のカム当接部18bは左カム部23bの上端近傍部に当接し、右スプレダー19のカム当接部19bは右カム部23dの上端近傍部に当接する。
【0027】
その為に、ホルダー土台15の取付けブロック15aの直ぐ下側にバネ受けピン24が固着され、そのバネ受けピン24に巻きバネ25が外装され、巻きバネ25の一端が左スプレダー18のバネ受け部18aに係合し、その他端がホルダー土台15に係合している。それ故、左スプレダー18が常に平面視にて時計回りに付勢され、左ストッパ20でその回動が規制されている。
【0028】
また、ホルダー土台15の取付けブロック15bの直ぐ下側にバネ受けピン(図示略)が固着されている。そのバネ受けピンに巻きバネ26が外装され、巻きバネ26の一端が右スプレダー19のバネ受け部19aに係合し、その他端がホルダー土台15に係合している。それ故、右スプレダー19が常に平面視にて反時計回りに付勢され、右ストッパ21でその回動が規制されている。
【0029】
ところで、図5,図6に示すように、ホルダー土台15に形成された支持穴15cと、板状のスプレダー作動カム板23に形成された支持穴23eとに水平な支持軸27(これが水平軸に相当する)が貫通されている。支持軸27の両端部は、台座部10aに下端部が固着された支持柱部材12と縦壁部10bに夫々固着されている。それ故、これらホルダー土台15とスプレダー作動カム板23とが支持軸27により揺動可能に支持されている。
【0030】
図5に示すように、円筒状の回動軸部11の上端部は台座部10aの中心部に下側から嵌め込んで固着され、その回動軸部11内にパイプ状のルーパー駆動軸30が挿入されるとともに、そのルーパー駆動軸30内にスプレダー駆動軸31が挿入されている。そこで、ルーパー駆動軸30の上端部は連結リンク(図示略)を介してホルダー土台15の連結部15dに連結されている。また、スプレダー駆動軸31の上端部は連結リンク(図示略)を介してスプレダー作動カム板23の連結部23fに連結されている。
【0031】
そこで、図示外のルーパー駆動機構によりルーパー駆動軸30が上下移動すると、ホルダー土台15が支持軸27を回動中心として左右に揺動する。ホルダー土台15が右方に揺動した場合、左ルーパー16が縫針6に対応するようになり、ホルダー土台15が左方に揺動した場合、右ルーパー17が縫針6に対応するようになる。
【0032】
一方、図示外のスプレダー駆動機構によりスプレダー駆動軸31が上下移動するとスプレダー作動カム板23が支持軸27を回動中心として左右に揺動する。ホルダー土台15が右方に揺動したとき、左ルーパー16が縫針6に対応するようになり、このときスプレダー作動カム板23が左方に揺動した場合、左スプレダー18のカム当接部18bが左カム部23bの移動で前方に移動する為、左スプレダー18は平面視にて反時計回りに回動して開く。即ち、左スプレダー18の先端部が左ルーパー16よりも後側に移動する。
【0033】
一方、ホルダー土台15が左方に揺動したとき、右ルーパー17が縫針6に対応するようになり、このときスプレダー作動カム板23が右方に揺動した場合、右スプレダー19のカム当接部19bが右カム部23dの移動で前方に移動する為、右スプレダー19は平面視にて時計回りに回動して開く。即ち、右スプレダー19の先端部が右ルーパー17よりも後側に移動する。
【0034】
ここで、ルーパー土台10による二重環縫いを簡単に説明する。例えば、内針が降りてくるときに、左ルーパー16が左から右方へ移動して上糸を掬う。その後、縫針6が上昇したときに左スプレダー18が開く。このとき、下糸は左ルーパー16と左スプレダー18とで三角形になっているので、そこに外針が降りてくる。外針が降りてくるときに、右ルーパー17が右から左方へ移動して上糸を掬う。その後、縫針6が上昇し、右スプレダー19が開く。このとき、上糸は、右ルーパー17と右スプレダー19とで三角形になっている。その後、縫針6が三角形内に下降してくる。これを繰り返すことで、加工布に二重環縫いによる鳩目穴かがり縫目が形成される。
【0035】
次に、スプレダー作動カム23の摺動面に自動給油する自動給油機構を有する給油装置35について説明する。この給油装置35は、スプレダー作動カム板23に形成した油導入溝37〜39と、これら油導入溝37〜39に夫々潤滑油を自動的に給油する自動給油機構36等を有している。
【0036】
図6に示すように、スプレダー作動カム板23のホルダー土台15と摺動する第1摺動面23g(これが摺動面に相当する)には、図7に示すように、その左側延出部23aにおいて直線状の左油導入溝37がほぼ鉛直向きに形成されるとともに、その側延出部23cに直線状の右油導入溝38がほぼ鉛直向きに形成されている。左油導入溝37の上端部は左カム部23bの下端近傍部に達しており、右油導入溝38の上端部は右カム部23dの下端近傍部に達している。これら油導入溝37,38の幅は約1mmであり、深さは約0.3mmである。
【0037】
スプレダー作動カム板23の縦壁部10bと摺動する第2摺動面23hには、図8に示すように、支持穴23eに隣接するように直線状の後油導入溝39がほぼ水平向きに形成されている。
【0038】
次に、自動給油機構36について説明する。この自動給油機構36は、第1灯芯45を有するルーパー側給油系40と、サブ潤滑油タンク52からそのルーパー側給油系40に第2給油チューブ55を介して潤滑油を供給するミシン側給油系41とを有している。
【0039】
先ず、ルーパー側給油系40について説明する。図5,図6に示すように、第1灯芯45のうちのホルダー側灯芯45aはホルダー土台15の内部に配管され、その油供給側内端部45cは、スプレダー作動カム板23の第1摺動面23gのうちの支持穴23eの直ぐ上側(図7参照)に接触するように臨んでいる。
【0040】
この油供給側内端部45cは、図7に示すように、ホルダー土台15が左右に揺動した場合、左右の油導入溝37,38の下端部に接触する位置である。第1灯芯45の油導入側基端部45dは、台座部10aの外周部に臨むように配設され、その端部にフェルトからなる油受け部材46が取付けられている。この油受け部材46は、ルーパー土台10が回動するに際して、周回軌跡で移動する。
【0041】
一方、第1灯芯45のうちの縦壁側灯芯45bは縦壁部10bの内部に配管され、その油供給側内端部45e(図8参照)はスプレダー作動カム板23の第2摺動面23hのうちの支持穴23eの直ぐ左側に接触するように臨んでいる。この油供給側内端部45eは、図8に示すように、スプレダー作動カム板23が左右に揺動した場合、後油導入溝39の端部に接触する位置である。この縦壁側灯芯45bはホルダー側灯芯45aの途中部に接続されている。
【0042】
次に、ミシン側給油系41について説明する。図2,図3に示すように、ベッド部3又は脚柱部4の内部に、潤滑油を貯留するメインタンク50が配設され、ベッド台2にサブ潤滑油タンク52が固着されている。
【0043】
メインタンク50の給油口とサブ潤滑油タンク52の被給油口52a(図9参照)とはビニール系の第1給油チューブ53で接続され、メインタンク50の潤滑油が第1給油チューブ53を介してサブ潤滑油タンク52に供給できるようになっている。但し、サブ潤滑油タンク52内に潤滑油が所定量貯留されると、メインタンク50からの潤滑油の供給が自動的に停止するようになっている。
【0044】
ここで、図9に示すように、サブ潤滑油タンク52の被給油口52aに第1給油チューブ53の下端部が嵌め込まれ、その下端部分に、コイル状にカールしたスプリング部材54が装着されている。それ故、第1給油チューブ53は被給油口52aにおいてスプリング部材54により締め付けられており、第1給油チューブ53が外れることは無い。しかも、第1給油チューブ53が被給油口52a側部分において急激に曲げられたような場合でも、そのスプリング部材54により第1給油チューブ53の折れ曲げが確実に回避できるようになっている。
【0045】
第2給油チューブ55の内部には、その全長に亙って第2灯芯56が収容されており、その第2灯芯56の基端部はサブ潤滑油タンク52の内部に設けられ、第2灯芯56のルーパー土台側先端部はルーパー土台10の油受け部材46と接触可能に位置している。図3,図5に示すように、第2灯芯56のルーパー土台側先端部には、フェルトからなる油供給部材57が設けられている。
【0046】
そこで、鳩目穴かがり縫いが行われていない状態であって、ルーパー土台10が縫製開始の為の初期位相位置にあるとき、第2灯芯56の先端部の油供給部材57が第1灯芯45の油受け部材46に接触し、第2灯芯56からの潤滑油が第1灯芯45に伝達できるようになっている。
【0047】
次に、このように構成された給油装置35の作用及び効果について説明する。
メインタンク50に貯留されている潤滑油が第1給油チューブ53を介してサブ潤滑油タンク52に供給され、サブ潤滑油タンク52に貯留された潤滑油が第2給油チューブ55内の第2灯芯56を介して油供給部材57にまで達している。
【0048】
穴かがり縫いミシン1に電源が投入されている状態であっても、投入されていない状態であっても、ルーパー土台10が、図3,図5に示す初期位相位置にあるときには、第1灯芯45の油導入側基端部45dの油受け部材46が第2灯芯56のルーパー土台側先端部の油供給部材57に接触しているので、サブ潤滑油タンク52の潤滑油が第1灯芯45に供給される。その第1灯芯45に供給された潤滑油は、更に、ホルダー側灯芯45aを介してスプレダー作動カム板23の第1摺動面23gに供給されるとともに、縦壁側灯芯45bを介してスプレダー作動カム板23の第2摺動面23hに供給される。
【0049】
スプレダー作動カム板23の第1摺動面23gに供給された潤滑油は、毛細管現象により第1摺動面23g全体に拡散するので、その潤滑油は左油導入溝37と右油導入溝38にも夫々充填される。更に、スプレダー作動カム板23の第2摺動面23hに供給された潤滑油も、毛細管現象により第2摺動面23h全体に拡散するので、その潤滑油は後油導入溝39にも充填される。
【0050】
このように、サブ潤滑油タンク52の潤滑油がスプレダー作動カム板23の第1摺動面23g及び左右の油導入溝37,38と、スプレダー作動カム板23の第2摺動面23h及び後油導入溝39に供給された状態で縫製が開始されると、ルーパー駆動軸30の上下移動によりホルダー土台15の上端部が高速で左右に往復揺動すると共に、図7に示すように、スプレダー駆動軸31の上下移動によりスプレダー作動カム板23の上端部が高速で左右に往復揺動する。
【0051】
その為、左油導入溝37と右油導入溝38に充填された潤滑油はスプレダー作動カム板23の往復揺動による遠心力で上方に、つまり左スプレダー18と右スプレダー19の方へ飛び散るようになる。その結果、左スプレダー18のカム当接部18bと左カム部23bとの間に自動的に給油されると共に、右スプレダー19のカム当接部19bと右カム部23dとの間にも自動的に給油される。
【0052】
このように、スプレダー作動カム板23のホルダー土台15と摺動する第1摺動面23gに自動的に給油する自動給油機構36を設けたので、スプレダー作動カム板23の第1摺動面23gに、自動給油により、適量の潤滑油が常に安定して供給できるようになり、ルーパー土台10に設けられたスプレダー作動カム板23の第1摺動面23gへの安定した自動給油を実現することができる。
【0053】
しかも、スプレダー作動カム板23の第1摺動面23gに左油導入溝37と右油導入溝38を夫々形成したので、スプレダー作動カム板23の第1摺動面23gに自動給油された潤滑油が左右の油導入溝37,38に夫々貯留され、その貯留された潤滑油の一部がスプレダー作動カム板23の往復揺動により上方に飛び散って左カム部23b及び右カム部23dにも給油される。それ故、左右のスプレダー18,19と左右のカム部23b,23dとの摺動が夫々円滑になり、左右のスプレダー18,19と左右のカム部カム部23b,23dの磨耗を夫々抑制でき、耐久性を格段に向上させることができる。
【0054】
また、自動給油機構36は、スプレダー作動カム板23の第1摺動面23gに潤滑油を給油する第1灯芯45を有し、左右の油導入溝37,38は第1灯芯45から給油された潤滑油をスプレダー作動カム板23の左右のカム部23b,23dの下端近傍部に夫々給油可能に構成されたので、ルーパー土台10が縫製作業中に回動した場合でも、第1灯芯45のホルダー側灯芯45aによりスプレダー作動カム板23の第1摺動面23gに安定した給油ができ、しかも左右の油導入溝37,38により左右のスプレダー18,19と干渉することなく、カム部23b,23dに対する給油の確実性を格段に高めることができる。
【0055】
また、自動給油機構36は、潤滑油を貯留するサブ潤滑油タンク52であってベッド台2に設けられたサブ潤滑油タンク52と、このサブ潤滑油タンク52に接続され内部に第2灯芯56を収容した第2給油チューブ55とを備え、第1灯芯45と第2灯芯56とを接続したので、メンテナンスを行う等、ルーパー土台10を装備したベッド部3をベッド台2に対して上方に起こした傾斜姿勢に切換えた場合でも、ベッド台2に設けた潤滑油タンク52の高さが変わらない為、潤滑油タンク52に貯留された潤滑油を、給油チューブ55内の第2灯芯56とこれに接続された第1灯芯45とを介して、スプレダー作動カム板23の第1摺動面23g及び第2摺動面23hに対する安定給油を実現することができる。
【0056】
更に、自動給油機構36における第2給油チューブ55内の第2灯芯56のルーパー土台側先端部に設けた油供給部材57は、第1灯芯45の油導入側基端部45dに設けた油受け部材46の周回軌跡に接するように配設され、ルーパー土台10が初期位相位置にあるとき第2灯芯56の油供給部材57が第1灯芯45の油受け部材46に接触するように構成したので、給油チューブの配管系が簡単化し、しかも縫製がなされていない待機状態であって、ルーパー土台10が回動後に初期位相位置に復帰する毎に、第2灯芯56から第1灯芯45への潤滑油の伝達が接触により可能になる。
【0057】
次に、前記実施形態を部分的に変更した変更形態について説明する。
1〕スプレダー作動カム板23の第1摺動面23gに形成した左油導入溝37と右油導入溝38は、複数本であってもよく、湾曲状やジグザグ状であってもよい。
【0058】
2〕第1灯芯45の油導入側基端部45dに取付けられた油受け部材46は、ローラ部材であってもよい。この場合、油受け部材46が回転しながら油供給部材57に接触することができる。それ故、これら油受け部材46と油供給部材57の接触抵抗を格段に軽減させることができるとともに、油供給部材57から油受け部材46への潤滑油の伝達性を維持することができる。
【0059】
3〕スプレダー作動カム板23の第2摺動面23hに形成された後油導入溝39は、鉛直向きに形成するようにしてもよく、複数本で構成するようにしてもよく、或いは削除するようにしてもよい。
【0060】
4〕メインタンク50を省略し、サブ潤滑油タンク52をメインタンクとして設けるようにしてもよい。
【0061】
5〕第1灯芯45の油導入側基端部45dと、第2灯芯56のルーパー土台側先端部との接触を部分的に変更し、図10に示すように構成するようにしてもよい。即ち、第1灯芯45の油導入側基端部45dを部分的に折り曲げて二重にし、その二重部分を止め金具58でルーパー土台10の台座部10aに固定する。
【0062】
一方、第2灯芯56のルーパー土台側先端部には、フェルトからなる油供給部材57が設けられている。それ故、ルーパー土台10が初期位相位置にあるとき、第2灯芯56の先端部の油供給部材57が第1灯芯45の油受け部材46の二重部分の下端部に確実に接触し、第2灯芯56からの潤滑油が第1灯芯45に伝達できるようになっている。
【0063】
6〕第1灯芯45と第2灯芯56の接続は、第2灯芯をルーパー土台10の周囲に配置し、ルーパー土台10がどこの位置にあっても常に、第1灯芯45と第2灯芯56とが接触するようにしてもよい。
【0064】
7〕本発明は以上説明した実施の形態に限定されるものではなく、当業者でれば、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、前記実施例に種々の変更を付加して実施することができ、本発明はそれらの変更形態をも包含するものである。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】ベッド部の一部を露出させた本発明の実施形態に係る穴かがり縫いミシンの斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係る穴かがり縫いミシンの側面図である。
【図3】給油装置の斜視図である。
【図4】ルーパー土台の拡大斜視図である。
【図5】ルーパー土台の要部縦断側面図である。
【図6】ホルダー土台とスプレダー作動カム板の分解斜視図である。
【図7】スプレダー作動カム板の正面図である。
【図8】スプレダー作動カム板の背面図である。
【図9】サブ潤滑油タンクの部分拡大図である。
【図10】変更形態に係り、第1灯芯と第2灯芯の接触部分を示す要部拡大縦断側面図である。
【符号の説明】
【0066】
1 穴かがり縫いミシン
2 ベッド台
3 ベッド部
10 ルーパー土台
15 ホルダー土台
16 左ルーパー
17 右ルーパー
18 左スプレダー
19 右スプレダー
23 スプレダー作動カム板
23b 左カム部
23d 右カム部
23g 第1摺動面
27 支持軸
30 ルーパー駆動軸
31 スプレダー駆動軸
37 左油導入溝
38 右油導入溝
45 第1灯芯
45a ホルダー側灯芯
45b 縦壁側灯芯
46 油受け部材
52 サブ潤滑油タンク
55 第2給油チューブ
56 第2灯芯
57 油供給部材




 

 


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