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発明の名称 ミシンの針棒駆動装置及びミシン
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−61248(P2007−61248A)
公開日 平成19年3月15日(2007.3.15)
出願番号 特願2005−248871(P2005−248871)
出願日 平成17年8月30日(2005.8.30)
代理人 【識別番号】100089004
【弁理士】
【氏名又は名称】岡村 俊雄
発明者 柴田 到 / 加藤 勉
要約 課題
針棒クランク位置調節機構により主軸クランクに対する針棒クランクの主軸平行方向の位置を調節可能で且つ固定可能にして、ガイド機構により針棒クランクの他端部を上下方向にガイドするガイド性を簡単に確実に高めることができる、ミシンの針棒駆動装置を提供する。

解決手段
針棒上下動機構30のクランク機構34は主軸クランク35と針棒クランク36を有し、針棒クランク36の下端部を上下方向にガイドするガイド機構60と、主軸クランク35に対する針棒クランク36の主軸平行方向の位置を調節可能で且つ固定可能な針棒クランク位置調節機構38とを備える。
特許請求の範囲
【請求項1】
ミシンの主軸の回転運動を針棒の上下往復運動に変換するクランク機構を有する針棒駆動装置において、
前記クランク機構は、主軸に固定された主軸クランクと、一端部が主軸クランクに主軸と平行で且つ偏心した軸回りにクランク軸部材を介して回転自在に連結されると共に他端部が針棒を支持する針棒支持部材に主軸と平行な軸回りに回転自在に連結された針棒クランクとを有し、
前記針棒クランクの他端部を上下方向にガイドするガイド機構と、
前記主軸クランクに対する針棒クランクの主軸平行方向の位置を調節可能で且つ固定可能な針棒クランク位置調節機構と、
を備えたことを特徴とするミシンの針棒駆動装置。
【請求項2】
前記クランク軸部材の一端側部分が主軸クランクに形成された軸穴に挿入固定されると共に他端部分が針棒クランクに回動自在に連結され、
前記針棒クランク位置調節機構は、主軸クランクの軸穴に挿入されたクランク軸部材を主軸クランクに固定解除可能に固定するネジ部材を有することを特徴とする請求項1に記載のミシンの針棒駆動装置。
【請求項3】
前記ガイド機構は、ミシン機枠に固定された上下方向に長いガイド溝を有する案内部材と、前記針棒クランクの他端部に枢着され且つ前記ガイド溝に係合される被案内駒とを有することを特徴とする請求項1又は2に記載のミシンの針棒駆動装置。
【請求項4】
前記被案内駒は、前記ガイド溝に係合した状態で案内部材の針棒側端面に摺接する鍔部を有することを特徴とする請求項3に記載のミシンの針棒駆動装置。
【請求項5】
前記案内部材は、主軸平行方向において針棒クランクに対して針棒と反対側に配設されたことを特徴とする請求項4に記載のミシンの針棒駆動装置。
【請求項6】
前記ミシンの機枠に、前記ネジ部材を外部から操作する工具を挿入する為の工具挿入穴を形成したことを特徴とする請求項2に記載のミシンの針棒駆動装置。
【請求項7】
前記ミシンは加工布のボタン穴の縁部分に縫目を形成するボタン穴かがりミシンであることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載のミシンの針棒駆動装置。
【請求項8】
請求項1〜7の何れかに記載のミシンの針棒駆動装置を備えたことを特徴とするミシン。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ミシンの主軸の回転運動を針棒の上下往復運動に変換するクランク機構を有する針棒駆動装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ミシンには、ミシンモータと、ミシンモータにより回転駆動される主軸(上軸)と、主軸の回転運動を針棒の上下往復運動に変換するクランク機構が設けられている。クランク機構は、主軸に固定された主軸クランクと、上端部が主軸クランクに回転自在に連結され下端部が針棒を支持する針棒支持部材に回転自在に連結された針棒クランクとを有し、この針棒クランクの下端部を上下方向にガイドするガイド機構が設けられている。
【0003】
例えば、特許文献1のミシンでは、針棒クランクの主軸平行方向の両側に1対の案内部材が配設され、これら案内部材に上下方向に長いガイド溝が夫々形成され、これらガイド溝に係合する1対の角駒が針棒クランクの下端部に枢着されている。1対の案内部材のうち針棒側の案内部材のガイド溝はスリットに形成され、1対の角駒のうち針棒側の角駒を枢支する軸がスリットを挿通して、その軸端部に別の角駒が枢着され、この角駒が針棒に固定された案内部材の水平方向に長いガイド溝に係合している。
【0004】
また、本願出願人は、加工布にボタン穴の縁部分に縫目を形成するボタン穴かがりミシンにおいて、前記同機能の主軸、クランク機構、ガイド機構を備えたものを実用化しており、このボタン穴かがりミシンでは、針棒クランクの二股状の下端部が針棒を支持する針棒支持部材の両端部に回転自在に連結され、この針棒と針棒支持部材が針棒クランクを介して主軸クランクに片持ち状に支持され、ガイド機構は針棒クランクの下端部と共に針棒支持部材(針棒)を上下方向にガイドするように構成されている。
【0005】
このガイド機構では、角駒が案内部材のガイド溝に係合した状態で、案内部材の針棒側端面に摺接する鍔部を有するものが採用されている。
【特許文献1】特開2003−24664号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記ボタン穴かがりミシンのように、針棒と針棒支持部材が針棒クランクを介して主軸クランクに片持ち状に支持されたものでは、クランク機構が作動して、針棒と針棒支持部材と針棒クランク等の昇降体が上下動されると、その昇降体に主軸クランクと針棒クランクとの連結部を中心にモーメントが作用する。特に、昇降体が高速で上下動された場合、また、針棒支持部材が重い場合には、前記モーメントが大きくなるため、このモーメントにより昇降体がガタつかないようにするために、ガイド機構により針棒クランクの下端部を上下方向にガイドするガイド性を高める必要が生じる。
【0007】
しかし、前記ガイド機構のように、角駒が案内部材のガイド溝に係合した状態で、案内部材の針棒側端面に摺接する鍔部を有するものでは、この角駒の鍔部と案内部材の針棒側端面との間に隙間が生じると、前記モーメントにより、主軸クランクと針棒クランクとの連結部(ベアリング)に作用する負荷が大きくなり、その連結部が摩耗、破損し易くなり、更に、前記のように昇降体にガタつきが生じて、角駒が案内部材のガイド溝に円滑に係合しなくなって、この角駒や案内部材が摩耗、破損する虞が生じる。
【0008】
従来、クランク機構、ガイド機構では、製作誤差や組付誤差を考慮して、角駒の鍔部と案内部材の針棒側端面との間に多少の隙間ができることを許容している。しかし、前記の問題が生じるため望ましくはなく、この問題を解消するためには、クランク機構、ガイド機構等の製作精度や組付精度を高めればよいが、製作負荷や組付負荷が大きくなり製作コスト面でも不利になる。或いは、クランク機構、ガイド機構等の製作精度や組付精度を高めて前記改題を解消するのにも限界がある。
【0009】
本発明の目的は、針棒クランク位置調節機構により主軸クランクに対する針棒クランクの主軸平行方向の位置を調節可能で且つ固定可能にして、クランク機構、ガイド機構等の製作精度や組付精度を必要以上に高めることなく、ガイド機構により針棒クランクの他端部を上下方向にガイドするガイド性を簡単に確実に高めることができ、クランク機構、ガイド機構の耐久性を高めることができる、ミシンの針棒駆動装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1のミシンの針棒駆動装置は、ミシンの主軸の回転運動を針棒の上下往復運動に変換するクランク機構を有する針棒駆動装置において、前記クランク機構は、主軸に固定された主軸クランクと、一端部が主軸クランクに主軸と平行で且つ偏心した軸回りにクランク軸部材を介して回転自在に連結されると共に他端部が針棒を支持する針棒支持部材に主軸と平行な軸回りに回転自在に連結された針棒クランクとを有し、前記針棒クランクの他端部を上下方向にガイドするガイド機構と、前記主軸クランクに対する針棒クランクの主軸平行方向の位置を調節可能で且つ固定可能な針棒クランク位置調節機構とを備えたことを特徴とする。
【0011】
この針棒駆動装置では、クランク機構の主軸クランクが主軸に固定され、針棒クランクの一端部が主軸クランクに主軸と平行で且つ偏心した軸回りにクランク軸部材を介して回転自在に連結され、針棒クランクの他端部が針棒を支持する針棒支持部材に主軸と平行な軸回りに回転自在に連結されている。主軸が回転駆動されると、その駆動力が主軸からクランク機構の主軸クランクとクランク軸部材と針棒クランクとを介して針棒支持部材に伝達され、その針棒支持部材と共に針棒が上下に往復駆動される。
【0012】
ガイド機構により針棒クランクの他端部が上下方向にガイドされ、また、このガイド機構により針棒支持部材、針棒が上下方向にガイドされる。そして、針棒クランク位置調節機構により、主軸クランクに対する針棒クランクの主軸平行方向の位置を調節し固定することにより、針棒クランクとガイド機構とを適切な位置関係として、ガイド機構により針棒クランクの他端部を上下方向にガイドするガイド性が高められ、主軸クランクに針棒クランクを回転自在に連結する連結部(ベアリング)に作用する負荷が低減され、針棒クランク、針棒支持部材、針棒が円滑に上下動される。
【0013】
ここで、請求項1の発明に次の構成を採用可能である。
前記クランク軸部材の一端側部分が主軸クランクに形成された軸穴に挿入固定されると共に他端部分が針棒クランクに回動自在に連結され、前記針棒クランク位置調節機構は、主軸クランクの軸穴に挿入されたクランク軸部材を主軸クランクに固定解除可能に固定するネジ部材を有する(請求項2)。前記ガイド機構は、ミシン機枠に固定された上下方向に長いガイド溝を有する案内部材と、前記針棒クランクの他端部に枢着され且つ前記ガイド溝に係合される被案内駒とを有する(請求項3)。
【0014】
前記被案内駒は、前記ガイド溝に係合した状態で案内部材の針棒側端面に摺接する鍔部を有する(請求項4)。前記案内部材は、主軸平行方向において針棒クランクに対して針棒と反対側に配設される(請求項5)。前記ミシンの機枠に、前記ネジ部材を外部から操作する工具を挿入する為の工具挿入穴が形成される(請求項6)。前記ミシンは加工布のボタン穴の縁部分に縫目を形成するボタン穴かがりミシンである(請求項7)。
また、請求項8のミシンは、請求項1〜7の何れかに記載のミシンの針棒駆動装置を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1のミシンの針棒駆動装置によれば、針棒クランク位置調節機構を設けたことにより、クランク機構、ガイド機構等の製作精度や組付精度を必要以上に高めることなく、針棒、針棒支持部材、クランク機構、ガイド機構を組付けた状態で、主軸クランクに対する針棒クランクの主軸平行方向の位置を調節し固定することができ、これにより、針棒クランクとガイド機構とを適切な位置関係として、ガイド機構により針棒クランクの他端部を上下方向にガイドするガイド性を簡単に確実に高めることができる。
【0016】
従って、クランク機構が作動した際、針棒と針棒支持部材が針棒クランクを介して主軸クランクに片持ち状に支持されていても、更に、針棒クランク、針棒支持部材、針棒が高速で上下動された場合、また、この針棒支持部材等が重い場合でも、ガイド機構が確実に機能して、主軸クランクに針棒クランクを回転自在に連結する連結部(ベアリング)に作用する負荷を低減し、針棒クランク、針棒支持部材、針棒を円滑に上下動させることができ、クランク機構、ガイド機構の耐久性を高めることが可能になる。
【0017】
請求項2のミシンの針棒駆動装置によれば、クランク軸部材の一端側部分を主軸クランクに形成された軸穴に挿入固定すると共に他端部分を針棒クランクに回動自在に連結し、針棒クランク位置調節機構は、主軸クランクの軸穴に挿入されたクランク軸部材を主軸クランクに固定解除可能に固定するネジ部材を有するので、針棒クランク位置調節機構の構造を簡単化できて、主軸クランクに対する針棒クランクの主軸平行方向の位置を簡単に且つ確実に調節して固定することができる。
【0018】
請求項3のミシンの針棒駆動装置によれば、ガイド機構は、ミシン機枠に固定された上下方向に長いガイド溝を有する案内部材と、針棒クランクの他端部に枢着され且つガイド溝に係合される被案内駒とを有するので、ガイド機構を簡単な構成にして、針棒クランクの他端部を上下方向に確実にガイドすることができる。
【0019】
請求項4のミシンの針棒駆動装置によれば、被案内駒は、ガイド溝に係合した状態で案内部材の針棒側端面に摺接する鍔部を有するので、針棒クランク位置調節機構による位置調節により、被案内駒の鍔部を案内部材の針棒側端面に確実に摺接させて、ガイド機構によるガイド性、クランク機構、ガイド機構の耐久性を高めることができる。
【0020】
請求項5のミシンの針棒駆動装置によれば、案内部材を、主軸平行方向において針棒クランクに対して針棒と反対側に配設したので、針棒支持部材、針棒等のスペースを確保することがでる。
【0021】
請求項6のミシンの針棒駆動装置によれば、ミシンの機枠に、ネジ部材を外部から操作する工具を挿入する為の工具挿入穴を形成したので、ミシンの外部からネジ部材を操作して容易に弛めたり締めたりすることができる。
【0022】
請求項7のミシンの針棒駆動装置によれば、ミシンは加工布のボタン穴の縁部分に縫目を形成するボタン穴かがりミシンであるので、このボタン穴かがりミシンにおける、ガイド機構により針棒クランクの他端部を上下方向にガイドするガイド性を簡単に確実に高め、クランク機構、ガイド機構の耐久性を高めることができる。
請求項8のミシンによれば、請求項1〜7と同様の効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本実施形態のミシンの針棒駆動装置は、加工布のボタン穴の縁部分に縫目を形成するボタン穴かがりミシン(電子鳩目穴かがりミシン)に適用され、主軸の回転運動を針棒の上下往復運動に変換するクランク機構は、主軸に固定された主軸クランクと、一端部が主軸クランクに主軸と平行で且つ偏心した軸回りにクランク軸部材を介して回転自在に連結されると共に他端部が針棒を支持する針棒支持部材に主軸と平行な軸回りに回転自在に連結された針棒クランクとを有し、針棒クランクの他端部を上下方向にガイドするガイド機構と、主軸クランクに対する針棒クランクの主軸平行方向の位置を調節可能で且つ固定可能な針棒クランク位置調節機構とを備えたものである。
【実施例】
【0024】
図1、図2に示すように、電子鳩目穴かがりミシン1は、略矩形箱状のベッド部2と、その後部上部側から前方に延びるアーム部3とを一体的に備えて構成され、ミシンテーブル4上に載置されている。このミシンテーブル4の上側に、縫製に供する鳩目穴かがり縫目を複数種類の鳩目穴かがり縫目から択一的に選択する等の各種の操作を指示する操作パネル5が設けられている。また、ミシンテーブル4の下側に、電子鳩目穴かがりミシン1の各機構の作動を制御するマイクロコンピュータからなる制御装置6が設けられている。
【0025】
アーム部3の先端部に、縫針7を下端に取付けた中空状(パイプ状)の針棒8が設けられ、この針棒8が、針棒上下動機構30(図4に示す)により上下動され、針振り機構60(図4に示す)により水平方向に揺動される。
【0026】
図3に示すように、ベッド部2には、針棒8の上下動及び揺動や、針棒8に対向するように左右1対のルーパー(図示略)を有するルーパー機構10等を同期駆動させる縫製機構の駆動源となるミシンモータ(図示略)と、ルーパー機構10を備えたルーパー土台11が設けられている。このルーパー土台11は回動機構15により鉛直軸周りに一体的に回動可能になっている。
【0027】
ここで、縫針7には糸供給源(図示略)から供給される上糸が挿通されるとともに、左ルーパーの先端部には下糸が挿通され、右ルーパーは上糸ループを編み込みながら下糸を交絡させて、ループ結合部を形成する。
【0028】
回動機構15は、後述するθ方向駆動モータ21により針棒8をその軸心周りに回動可能な針棒回動機構15Aと、後述するθ方向駆動モータ21によりルーパー土台11を針棒8の回動と同期させて回動可能なルーパー土台回動機構15Bとから構成されている。従って、針棒8及びルーパー土台11はベッド部2内に設けられたθ方向駆動モータ21及びギヤ機構により、夫々水平面において、鉛直軸周りに一体的に回動させるようになっている。
【0029】
次に、針棒回動機構15及びルーパー土台回動機構15Bについて説明する。
鉛直向きのレース回動軸16の上端部と下端部とに夫々プーリ17,18が固着され、上側プーリ17と針棒8を嵌合した針棒ブロック19とに亙ってタイミングベルト20が掛装されている。一方、下側プーリ18とθ方向駆動モータ21の駆動軸に固着された駆動プーリ22とルーパー土台11の従動ギヤ23とに亙ってタイミングベルト24が掛装されている。
【0030】
それ故、θ方向駆動モータ21の回転によりレース回動軸16及びタイミングベルト20,24を介して、針棒8とルーパー土台11とが同期して鉛直軸心回りに回動できるようになっている。
【0031】
針棒回動機構15Aは、針棒ブロック19、タイミングベルト20、レース回動軸16、プーリ17、プーリ18、タイミングベルト24、駆動プーリ22、θ方向駆動モータ21等から構成されている。ルーパー土台回動機構15Bは、ルーパー土台11の従動ギヤ23、タイミングベルト24、θ方向駆動モータ21等から構成されている。
【0032】
図2に示すように、ベッド部2には、ルーパー土台11の後方側に位置して固定配置されて鳩目穴部(ボタン穴)を形成する為のメス25が取付け台(図示略)にボルトにより着脱可能に取付けられるとともに、このメス25に対して上方より接離する打ち抜き用ハンマー26がアーム部3内において上下動可能に設けられている。
【0033】
この打ち抜き用ハンマー26の先端部には、ハンマー本体27が着脱可能に取付けられ、ベッド部2内に設けられたエアシリンダなどからなるハンマー駆動機構(図示略)により駆動され、ハンマー本体27とメス25の協働により、略円形状の鳩目部とこれに連なる直線状の足部とからなる鳩目穴部を加工布に穿孔する。
【0034】
図1、図2に示すように、ベッド部2の上面部には、鳩目穴かがり縫いに供する加工布がセットされる送り台28が設けられている。この送り台28は、全体として薄形の矩形箱状をなし、ルーパー土台11及びメス25に対向する部位が開放されている。また、この送り台28の上面には、図示を省略するが、金属製からなる左右1対のクロスプレートが設けられている。
【0035】
ベッド部2内には、この送り台28を、ステッピングモータからなるX方向駆動モータ(図示略)の駆動によりX方向(左右方向)に送り移動させるX方向移動機構(図示略)と、ステッピングモータからなるY方向駆動モータ(図示略)の駆動によりY方向(前後方向)に送り移動させるY方向移動機構(図示略)とが設けられている。
【0036】
次に、アーム部3内に前後方向向きに配設された主軸31により針棒8を上下駆動させる針棒上下動機構30(針棒駆動装置)について、図4〜図8を参照して説明する。
【0037】
主軸31は複数箇所において機枠Fに回転可能に支持されている。主軸31の後端部に固着されたプーリ32とミシンモータのモータ軸に固着された駆動プーリ(図示略)とにタイミングベルト33が掛装され、主軸31はミシンモータによりタイミングベルト33を介して回転駆動される。
【0038】
針棒上下動機構30は、主軸31の回転運動を針棒8の上下往復運動に変換するクランク機構34と、このクランク機構34に連動連結された上下動伝達機構40とを有する。クランク機構34は主軸クランク35と針棒クランク36とを有する。主軸クランク35は主軸31の前端部に内嵌されてネジ部材35aにより固定され、主軸クランク35の後端部がベアリング35bを介して機枠Fに回転自在に支持されている。
【0039】
針棒クランク36は、主軸クランク35の前側において主軸クランク35に接近し且つ平行に配設された鉛直向きのクランク本体部36aと、このクランク本体部36aの下端部分から一体的に前方に延びる平面視L字状の張出しクランク部36bとからなり、張出しクランク部36bの前端部の張出し支持部36cは、クランク本体部36aと所定距離を隔てて平行になるように左右方向向きに形成されている。
【0040】
針棒クランク36の一端部であるクランク本体部36aの上端部が、主軸クランク35に主軸31と平行(前後方向向き)で且つ偏心した軸回りにクランク軸部材37を介して回転自在に連結されている。針棒クランク36の他端部であるクランク本体部36aの下端部と張出し支持部36cの左端部が、上下動伝達機構40のヨーク部材41に1対の第1支軸42を介して主軸31と平行な(前後方向向きの)軸回りに回転自在に連結されている。
【0041】
クランク軸部材37は、後端側部分の主軸側軸部37aと、この主軸側軸部37aに対して僅かに偏心した前端側部分の針棒側軸部37bとを少し偏心させて一体的に形成したものである。主軸側軸部37aが、主軸クランク35に形成された軸穴35cに挿入固定されている。針棒側軸部37bがベアリング37cを介して針棒クランク36に回動自在に内嵌されて連結され、針棒側軸部37bの前端部に設けられた鍔37dにより、針棒クランク36が抜け止めされて、針棒側軸部37bに対する前後方向の位置が固定される。
【0042】
ここで、このクランク機構34において、主軸クランク35に対する針棒クランク36の主軸平行方向(前後方向)の位置を調節可能で且つ固定可能な針棒クランク位置調節機構38が設けられている。この針棒クランク位置調節機構38は、主軸側軸部37aを軸穴35cに挿入した状態で前後方向に移動させて位置調節可能に構成すると共に、軸穴35cに挿入された主軸側軸部37aを主軸クランク35に固定解除可能に固定する複数(例えば、3本)のネジ部材39を有する。
【0043】
主軸クランク35には、軸穴35cに連通し且つ外側に開口する複数(例えば、3つ)のネジ穴35dが形成され、これらネジ穴35dに夫々ネジ部材39が螺合されている。一方、主軸側軸部37aの外周面には、前後方向に長くフラットなネジ当接面37eが形成されている。このネジ当接面37eに、ネジ穴35dに螺合されたネジ部材39の先端部が当接し主軸側軸部37aを押圧して、主軸側軸部37aが主軸クランク35に固定され一体化される。本実施例では、少なくとも1つのネジ当接面37eが形成され、そのネジ当接面37eに2本のネジ部材39の先端部が当接するように構成されている。
【0044】
ここで、図8に示すように、この電子鳩目穴かがりミシン1のカバー部材1a(機枠)には、前記複数のネジ部材39を外部から操作する工具(図示略)を挿入する為の工具挿入穴1bが形成されている。尚、各ネジ部材39の頭部には、工具の先端部が係合する工具係合部(図示略)が形成されている。具体的には、カバー部材1aのうちクランク軸部材37の後側に位置するカバー部材後部に工具挿入穴1bが形成されている。但し、主軸31と共に主軸クランク35が回転してネジ部材39も回転するため、ネジ部材39を外部から工具で操作する場合には、ネジ部材39が工具挿入穴1b側に向く回転位置で主軸31と主軸クランク35を停止させた状態で行うことになる。
【0045】
さて、上下動伝達機構40は、針棒クランク36に1対の前後方向向きの第1支軸42を介して回動自在に支持されたヨーク部材41と、このヨーク部材41に1対の左右方向向きの第2支軸44を介して回動自在に支持された環状部材43と、針棒クランク36の下端部を上下方向にガイドする1対のガイド機構50と、環状部材43の上下両面に設けられた1対の座金部材51と、針棒8に固定された上下1対の針棒抱き52,53等を備えている。尚、ヨーク部材41、環状部材43等が針棒支持部材に相当するものである。
【0046】
各ガイド機構50は、針棒クランク36の下端部に支持された被案内駒45,46と、被案内駒45,46が摺動自在に係合する上下方向に長いガイド溝47a,48aを有する板状の駒ガイド板47,48(案内部材に相当する)を有する。1対の駒ガイド板47,48は、ヨーク部材41、環状部材43、1対の座金部材51等を挟んで前後両側に鉛直姿勢で互いに平行になるように配設されて機枠Fに固着され、特に、後側の駒ガイド板47は、前後方向において針棒クランク36に対して針棒8と反対側に配設されている。
【0047】
1対の被案内駒45,46は、1対の第1支軸42に夫々支持され、ガイド溝47a,48aに係合した状態で駒ガイド板47,48のガイド溝47a,48aに沿った針棒側端面に摺接する鍔部45a,46aを有する。この鍔部45a,46aについては、被案内駒45,46のうちガイド溝47a,48aに係合する部分に対して全周に張り出すように形成してもよいが、本実施例では、左右方向に張り出すように形成されている。
【0048】
尚、1対の第1支軸42は、その中央部分が針棒クランク36のクランク本体部36aと張出し支持部36cに内嵌されて固定ピン56,57で固定されている。また、第1支軸42の針棒側端部にヨーク部材41の後側と前側の支持部41aが外嵌支持され、針棒とは反対側の端部に被案内駒45,46が外嵌支持されている。一方、1対の第2支軸44は、針棒8とは反対側の端部がヨーク部材41の左側と右側の支持部41c,41dに内嵌されて固定ピンで固定されている。また、第2支軸44の針棒側部分に環状部材43の左側と右側の支持部43a,43bが外嵌支持されている。
【0049】
つまり、環状部材43は、前後1対の第1支軸42と左右1対の第2支軸44により、ヨーク部材41を介して針棒クランク36にユニバーサルジョイント的に支持されている。この環状部材43の開口は針棒8の直径よりも大きく、鉛直向きに配設された針棒8は、環状部材43の開口に揺動用隙間Sを確保して挿通されている。
【0050】
針棒8は、その上端近傍部が機枠Fに固定された弾性材からなる薄板状で円形の支持板9で上下動可能に且つ揺動可能に支持され、環状部材43の開口を挿通して下方に延び、後述する針振り機構60を経てアーム部3の下側に臨み、その下端部に縫針7が取付けられている。
【0051】
ところで、針棒8の外形と同じ寸法の穴が中央部に形成された円形の上側座金部材51が環状部材43の上側に摺動自在に配設されるとともに、同様に構成された円形の下側座金部材51が環状部材43の下側に摺動自在に配設され、針棒8はその中段部においてこれら上下両側の座金部材51を挿通している。
【0052】
針棒8には、上側座金部材51の上面に当接状に配設された上側針棒抱き52が固着され、下側座金部材51の下面に当接状に配設された下側針棒抱き53が固着されている。主軸31の回転駆動により、主軸クランク35を介して、針棒クランク36のクランク本体部36aと張出し支持部36cとが同期して上下動すると、前後1対の第1支軸42及び前後1対の被案内駒45,46とガイド溝47a,48aとの係合を介してヨーク部材41が上下に移動するため、左右1対の第2支軸44を介して環状部材43が上下に所定ストローク分移動し、上下の針棒抱き52,53により針棒8が上下駆動される。
【0053】
このとき、針棒8が上下動しながら後述する針振り機構60により前後左右に揺動する場合には、上下両側の座金部材51が環状部材43に対して摺動可能であるため、針棒8は何ら支承なく前後左右に揺動することができる。この針棒8の揺動に際して、針棒8に固定した上下1対の針棒抱き52,53及び上下1対の座金部材51が水平姿勢から傾斜姿勢に変化した場合でも、環状部材43が針棒クランク36に前述したユニバーサルジョイント的に支持されているため、座金部材51の傾きを確実に吸収させることができ、針棒8の上下動と揺動が可能である。
【0054】
次に、針振り機構60について、図4、図5、図9を参照して説明する。
針振り機構60は、針振り駆動部61と針振り本体部62とからなる。針振り駆動部61について説明すると、主軸31に固着された傘歯ギヤ65に係合する傘歯ギヤ66が左右向きの回転軸67に固着され、その回転軸67に固着された偏心カム板(図示略)に、揺動部材68の二股状に形成された二股部68aが係合している。その揺動部材68はその下端部において機枠Fに固定された回転軸69に回動可能に支持されている。
【0055】
揺動部材68の二股部68aの一方に連結ロッド70の後端部が連結されている。その連結ロッド70の前端部が、針棒8の近傍部において、左右向きの支持軸71に揺動可能な揺動調節板72の第1腕部72aに形成された湾曲状の切欠き穴72bにボルト(図示略)とナット73を介して連結されている。揺動調節板72の第2腕部72cは針振りヨーク74の基端部に連結されている。
【0056】
ここで、連結ロッド70の前端部を固定しているナット73を緩めて、連結ロッド70の前端部の湾曲状切欠き穴72bに対する取付け位置を、揺動調節板72の支持軸71側に近づけた場合、第2腕部72cの揺動量が大きくなり、針棒8の針振り量を大きくできる。一方、揺動調節板72の支持軸71と反対側に遠ざけた場合、第2腕部72cの揺動量が小さくなり、針棒8の針振り量を小さくできる。
【0057】
次に、針振り本体部62について説明すると、図9に示すように、平面視円形の針棒回動ブラケット80が抜け止め状態で、アーム部3の頭部下面に形成された大径の貫通孔(図示略)に回動可能に嵌め込まれている。針棒回動ブラケット80は基本的に中空円筒体で構成され、貫通孔に嵌挿される筒状部80aと、その下部に設けたタイミングプーリ80bと、このタイミングプーリ80bから垂下して対向する1対の脚部80cとを一体的に備えている。
【0058】
そして、夫々の脚部80cに横方向に収納孔80dが夫々穿設されている。また、針棒回動ブラケット80の筒状部80aには、円筒状の針棒案内部材81が上下動可能に収納されている。この針棒案内部材81は、長尺側の筒状部材82と、筒状部材82の下端に固定した直方体状のブロック部83とからなる。
【0059】
そして、組付け状態では、筒状部材82が針棒回動ブラケット80の筒状部80aに内挿され、このときブロック部83は、針棒回動ブラケット80における脚部80cの間に挾まれて位置している。
【0060】
尚、ブロック部83の側面で、夫々の脚部80cに接する2つの面には、同一方向に延在する2本の斜状溝83aが夫々形成されている。また、各脚部80cにおける収納孔80dには、ガイドピン84が摺動可能に収容される。このガイドピン84の先端部には、斜状溝83aと摺動自在に係合する針振り突部84aが突設されている。ガイドピン84の他端部には軸方向に有底孔部84bが夫々穿設され、この有底孔部84bに圧縮バネ85が弾力的に収容されている。
【0061】
そして、トラニオン状の押え板86により脚部80cを挟持すると、押え板86における対向舌片86aが収納孔80dを対応的に塞ぐ。従って各収納孔80dに収容したガイドピン84は圧縮バネ85により内方へ付勢されて、その針振り突部84aをブロック部83の斜状溝83aに摺動可能に臨ませる。
【0062】
針棒案内部材81の筒状部材82には連結カラー87が外挿され、筒状部材82に周設したフランジ88と上方から外挿した固定カラー89との間で回動可能に挟まれている。この連結カラー87は水平方向に延出する連結ピン87aを備え、これら連結ピン87aが針振りヨーク74の二股状の連結部74aに連結されている。
【0063】
そこで、前述した針振り駆動部61により針振りヨーク74及び連結カラー87を介して針棒案内部材81を上下に移動させると、ブロック部83も一体的に上下動を行なう。このとき、押え板86によりアーム部3に固定された関係となるガイドピン84は、その針振り突部84aをブロック部83の斜状溝83aに臨ませているから、ブロック部83( および針棒案内部材81) はその斜状溝83aに案内されて左右に揺動する。
【0064】
また、前述の如く、連結カラー87には針棒案内部材81が内挿されるものであるが、これら連結カラー87の内周面と針棒案内部材81の外周面との間には、針棒案内部材81が連結カラー87に対し僅かに移動するのを許容する環状隙間が形成してある。即ち、針棒案内部材81は、その環状隙間の存在によって、針振りに際して、連結カラー87に対し僅かに前後左右方向に移動可能になっている。
【0065】
電子鳩目穴かがりミシン1の針棒上下動機構30の作用、効果について説明する。
ミシンモータが駆動されて主軸31が回転駆動されると、その駆動力が主軸31からクランク機構34の主軸クランク35とクランク軸部材37と針棒クランク36とを介して、ヨーク部材41に伝達される。そのヨーク部材41、環状部材43等と共に針棒8が上下に往復駆動され、この場合、ガイド機構50により針棒クランク36の下端部が上下方向にガイドされる。また、このガイド機構50によりヨーク部材41、環状部材43、針棒8が上下方向にガイドされる。
【0066】
ところで、針棒8と環状部材43とヨーク部材41等は針棒クランク36を介して主軸クランク35に片持ち状に支持されているため、クランク機構34が作動して、針棒8と環状部材43とヨーク部材41と針棒クランク36等の昇降体が上下動されると、その昇降体に主軸クランク35と針棒クランク36との連結部(ベアリング37c)を中心にモーメントが作用する。
特に、前記昇降体が高速で上下動された場合、また、その昇降体が重い場合には、前記モーメントが大きくなるため、このモーメントにより昇降体がガタつかないようにするために、ガイド機構50により針棒クランク36の下端部を上下方向にガイドするガイド性を高める必要が生じる。
【0067】
しかし、図11に示すように、特に後側の案内機構50において、被案内駒45の鍔部45aと駒ガイド板47の針棒側端面との間に隙間が生じると、前記モーメントにより、主軸クランク35と針棒クランク36との連結部のベアリング37cに作用する負荷が大きくなり、その連結部が摩耗、破損し易くなる。更に、前記昇降体にガタつきが生じて、被案内駒45が駒ガイド板47のガイド溝47aに円滑に係合しなくなって、この被案内駒45や駒ガイド板47が摩耗、破損する虞が生じる。
【0068】
前述のように、この問題を解消するために、クランク機構34、ガイド機構50等の製作精度や組付精度を高めればよいが、製作負荷や組付負荷が大きくなり製作コスト面でも不利になり、或いは、クランク機構34、ガイド機構50等の製作精度や組付精度を高めて前記改題を解消するのにも限界がある。
【0069】
そこで、この電子鳩目穴かがりミシン1の組み付け時、或いは、電子鳩目穴かがりミシン1を長期間使用した後に、図11に示すように、後側の案内機構50において、被案内駒45の鍔部45aと駒ガイド板47の針棒側端面との間に隙間が生じている場合には、針棒クランク位置調節機構38により、主軸クランク35に対する針棒クランク36の主軸平行方向の位置を調節し固定することができる。
【0070】
この場合、複数のネジ部材39を弛めた状態で、針棒クランク36を後側へ押し、主軸クランク35に対して針棒クランク36とクランク軸部材37を一体的に後方へ移動させる。そして、図10に示すように、被案内駒45の鍔部45aを駒ガイド板47の針棒側端面に当接させ、この状態で、複数のネジ部材39を締めて調節作業が完了する。
【0071】
以上のように、針棒クランク位置調節機構38を設けたことにより、クランク機構34、ガイド機構50等の製作精度や組付精度を必要以上に高めることなく、針棒8、ヨーク部材41、環状部材43、クランク機構34、ガイド機構50を組付けた状態で、主軸クランク35に対する針棒クランク36の主軸平行方向の位置を調節し固定することができる。これにより、針棒クランク36とガイド機構50とを適切な位置関係として、ガイド機構50により針棒クランク36の下端部を上下方向にガイドするガイド性を簡単に確実に高めることができる。
【0072】
従って、クランク機構34が作動した際、針棒8、環状部材43、ヨーク部材41等が針棒クランク36を介して主軸クランク35に片持ち状に支持されていても、更に、これら昇降体が高速で上下動された場合、また、その昇降体が重い場合でも、ガイド機構50が確実に機能して、主軸クランク35に針棒クランク36を回転自在に連結する連結部(ベアリング37c)に作用する負荷を低減し、前記昇降体を円滑に上下動させることができ、クランク機構34、ガイド機構50の耐久性を高めることが可能になる。
【0073】
クランク軸部材37の一端側部分の主軸側軸部37aを主軸クランク35に形成された軸穴35cに挿入固定すると共に他端部分の針棒側軸部37bを針棒クランク36に回動自在に連結し、針棒クランク位置調節機構38は、軸穴35cに挿入された主軸側軸部37aを主軸クランク35に固定解除可能に固定する複数のネジ部材39を有するので、針棒クランク位置調節機構38の構造を簡単化できて、主軸クランク35に対する針棒クランク36の主軸平行方向の位置を簡単に且つ確実に調節して固定することができる。
【0074】
ガイド機構50は、機枠Fに固定された上下方向に長いガイド溝47a,48aを有する駒ガイド板47,48と、針棒クランク36の下端部に枢着され且つガイド溝47a,48aに係合される被案内駒45,46とを有するので、ガイド機構50を簡単な構成にして、針棒クランク36の下端部を上下方向に確実にガイドすることができる。
【0075】
被案内駒45,46は、ガイド溝47a,48aに係合した状態で駒ガイド板47,48の針棒側端面に摺接する鍔部45a,46aを有するので、針棒クランク位置調節機構38による位置調節により、後側のガイド機構50において、被案内駒45の鍔部45aを駒ガイド板47の針棒側端面に確実に摺接させて、ガイド機構50によるガイド性、クランク機構34、ガイド機構50の耐久性を高めることができる。
【0076】
後側のガイド機構50の駒ガイド板47を、主軸平行方向において針棒クランク36に対して針棒8と反対側に配設したので、ヨーク部材41、環状部材43等のスペースを確保することがでる。カバー部材1aに、ネジ部材39を外部から操作する工具を挿入する為の工具挿入穴1bを形成したので、カバー部材1aを装着した状態で、外部からネジ部材39を操作して容易に弛めたり締めたりすることができる。
【0077】
次に、前記実施形態を部分的に変更した変更形態について説明する。
1]針棒クランク位置調節機構38の作用について、複数のネジ部材39を弛めた状態で、主軸クランク35に対して針棒クランク36とクランク軸部材37を一体的に前方へ移動させて、前側のガイド機構50において、被案内駒46の鍔部46aを駒ガイド板48の針棒側端面に当接させてもよい。
【0078】
2]クランク軸部材37の針棒側軸部37bを針棒クランク36に形成された軸穴に挿入固定すると共に主軸側軸部37aを主軸クランク35に回動自在に連結し、針棒クランク位置調節機構38を、針棒クランクの軸穴に挿入された針棒側軸部を針棒クランク36に固定解除可能に固定する複数のネジ部材を有するものに構成してもよい。
【0079】
3]被案内駒45,46の鍔部45a,46aを省略し、被案内駒45,46がガイド溝47a,48aに係合した状態で、被案内駒45,46の先端部がガイド溝47a,48aに奥端面に摺接するように構成する。この場合、針棒クランク位置調節機構38では、被案内駒45又は46の先端部がガイド溝47a又は48aの奥端面に当接するように、主軸クランク35に対する針棒クランク36の主軸平行方向の位置を調節して固定する。
【0080】
尚、本発明を電子鳩目穴かがりミシン1に適用した場合について説明したが、針棒上下動機構30を備えた本縫いミシン等の各種の工業用ミシンに本発明を適用できる。
尚、本発明は以上説明した実施の形態に限定されるものではなく、当業者でれば、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、前記実施例に種々の変更を付加して実施することができ、本発明はそれらの変更形態をも包含するものである。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】電子鳩目穴かがりミシンを含む装置全体の斜視図である。
【図2】電子鳩目穴かがりミシンの側面図である。
【図3】回動機構の斜視図である。
【図4】電子鳩目穴かがりミシンの内部の要部の斜視図である。
【図5】電子鳩目穴かがりミシンの内部の要部の側面図である。
【図6】クランク機構と針棒クランク位置調節機構を含む要部の縦断面図である。
【図7】図5のVII−VII線断面図である。
【図8】電子鳩目穴かがりミシンの縦断面図である。
【図9】針振り本体部の斜視図である。
【図10】針棒クランク位置調節機構の調節前の縦断面図である。
【図11】針棒クランク位置調節機構の調節後の縦断面図である。
【符号の説明】
【0082】
1 電子鳩目穴かがりミシン
1a カバー部材
1b 工具挿入穴
8 針棒
30 針棒上下動機構
31 主軸
34 クランク機構
35 主軸クランク
35c 軸穴
36 針棒クランク
37 クランク軸部材
38 針棒クランク位置調節機構
39 ネジ部材
41 ヨーク部材
43 環状部材
45 被案内駒
45a 鍔部
47 駒ガイド板
47a ガイド溝
50 ガイド機構




 

 


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