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発明の名称 鳩目穴かがりミシンの布切断装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−61174(P2007−61174A)
公開日 平成19年3月15日(2007.3.15)
出願番号 特願2005−247701(P2005−247701)
出願日 平成17年8月29日(2005.8.29)
代理人 【識別番号】100071135
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 強
発明者 野村 悦造
要約 課題
ハンマー支持体に対するハンマー支持軸の回り止め機構の調節作業を簡単に行うことができるようにする。

解決手段
鳩目穴かがりミシンの布切断装置は、フレームにハンマー支持体9を介して上下動可能に支持されたハンマー支持軸10の回り止め機構56を備えている。前記回り止め機構56は、前記ハンマー支持軸9の外周に設けられた平坦面部41と、前記ハンマー支持体9のうち前記フレームよりも下部に位置する小径部9bの下端部に設けられた壁部44及び回り止め板50とを備えて構成されている。回り止め板50は前記壁部44のねじ穴45に螺挿されたねじ47によって平坦面部41に押し当てられるようになっている。
特許請求の範囲
【請求項1】
ミシン機枠に固定されたメスと、前記ミシン機枠に上下動可能に設けられたハンマーとの協働により、穴かがり縫目の形成後又は形成前に加工布に鳩目穴を形成する鳩目穴かがりミシンの布切断装置において、
前記ミシン機枠に固定されたハンマー支持体と、
前記ハンマー支持体に上下動可能に支持され下端部に前記ハンマーを有する円柱状のハンマー支持軸と、
前記ハンマー支持体に対する前記ハンマー支持軸の回動を防止する回り止め機構と、
前記ハンマー支持軸を介して前記ハンマーを上下動させるためのアクチュエータと、
前記アクチュエータの駆動力を前記ハンマー支持軸に伝達する伝達機構とを備え、
前記回り止め機構は、前記ハンマー支持軸の外周に設けられた平坦面部と、前記ハンマー支持体のうち前記ミシン機枠よりも下部に設けられ前記平坦面部に当接する回り止め部材とから構成されていることを特徴とする鳩目穴かがりミシンの布切断装置。
【請求項2】
前記回り止め部材は、前記ハンマー支持体の下端部に設けられ前記平坦面部に当接する板部材と、前記板部材を押圧して前記平坦面部に当接させる押圧部材とから構成されていることを特徴とする請求項1記載の鳩目穴かがりミシンの布切断装置。
【請求項3】
前記押圧部材は、前記平坦面部との間に前記板部材の配置領域を存するように前記ハンマー支持体の下端部に設けられた壁部材と、前記壁部材に設けられたねじ穴と、先端が前記板部材を押圧するように前記ねじ穴にねじ込まれるねじ部材とから構成されていることを特徴とする請求項2記載の鳩目穴かがりミシンの布切断装置。
【請求項4】
前記壁部材は、前記ハンマー支持体の下端部に設けられた係合溝に着脱可能に係合されていることを特徴とする請求項3記載の鳩目穴かがりミシンの布切断装置。

発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハンマーとメスとの協働により鳩目穴を形成する鳩目穴かがりミシンの布切断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
鳩目穴かがりミシンには、加工布に穴かがり縫目を形成した後、或いは形成する前に当該穴かがり縫目の内側、或いは穴かがり縫目の形成予定部分の内側に鳩目穴(ボタンホール)を開けるための布切断装置が装備されたものがある。例えば特開2005−95302号公報には、次のような鳩目穴かがりミシンの布切断装置が記載されている。
【0003】
即ち、前記布切断装置は、ミシンのベッド部のフレームに固定されたメスと、アーム部のフレームにハンマー支持体を介して上下動可能に支持されたハンマー支持軸と、前記ハンマー支持軸の下端部に固定されたハンマーと、前記ハンマー支持軸を上下動させるためのエアシリンダと、前記エアシリンダの駆動力を前記ハンマー支持軸に伝達する伝達機構等を備えている。
【0004】
また、前記布切断装置は、前記ハンマーと前記メスとのかみ合わせ状態が変化しないように、前記ハンマー支持体に支持されたハンマー支持軸が回動することを防止する回り止め機構を備えている。前記回り止め機構は、ハンマー支持軸の外周の一部を面取りすることにより形成された平坦面部と、前記ハンマー支持体に螺挿され前記平坦面部に当接する回り止めピンとから構成されている。
【特許文献1】特開2005−95302号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ハンマー支持軸が回動しようとする大きな力が前記回り止めピンに加わると、ずれが生じて前記回り止めピンががたつく場合がある。このような場合は、前記回り止めピンを締め直してがたつきを無くす必要がある。
ところが、上記回り止め機構の回り止めピンは、ハンマー支持体のうちミシンフレーム内に位置する上部に配置されていたため、前記回り止めピンを締め直す作業が面倒であるという問題があった。
そこで、本発明の目的は、ハンマー支持体に対するハンマー支持軸の回り止め機構の調節作業を簡単に行うことができる鳩目穴かがりミシンの布切断装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、ミシン機枠に固定されたメスと、前記ミシン機枠に上下動可能に設けられたハンマーとの協働により、穴かがり縫目の形成後又は形成前に加工布に鳩目穴を形成する鳩目穴かがりミシンの布切断装置において、前記ミシン機枠に固定されたハンマー支持体と、前記ハンマー支持体に上下動可能に支持され下端部に前記ハンマーを有する円柱状のハンマー支持軸と、前記ハンマー支持体に対する前記ハンマー支持軸の回動を防止する回り止め機構と、前記ハンマー支持軸を介して前記ハンマーを上下動させるためのアクチュエータと、前記アクチュエータの駆動力を前記ハンマー支持軸に伝達する伝達機構とを設け、前記回り止め機構を、前記ハンマー支持軸の外周に設けられた平坦面部と、前記ハンマー支持体のうち前記ミシン機枠よりも下部に設けられ前記平坦面部に当接する回り止め部材とから構成したことを特徴とする。
【0007】
この場合、前記回り止め部材は、前記ハンマー支持体の下端部に設けられ前記平坦面部に当接する板部材と、前記板部材を押圧して前記平坦面部に当接させる押圧部材とから構成すると良い。
更に、前記押圧部材は、前記平坦面部との間に前記板部材の配置領域を存するように前記ハンマー支持体の下端部に設けられた壁部材と、前記壁部材に設けられたねじ穴と、先端が前記板部材を押圧するように前記ねじ穴にねじ込まれるねじ部材とから構成することが好ましい。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ハンマー支持軸の平坦面に当接して前記ハンマー支持軸の回動を防止する回り止め部材をミシン機枠よりも下部に設けたため、回り止め機構の調節作業を簡単に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の第1の実施形態について図1ないし図10を参照しながら説明する。
図1は本実施形態に係る鳩目穴かがりミシン1を示すものである。前記ミシン1は、ベッド部2、アーム部3、脚柱部4を備えている。ベッド部2のフレーム1a(ミシン機枠に相当)上にはメス土台5が固定されており、前記メス土台5にはメス6が固定されている。前記ベッド部2には針板7が設けられている。前記メス6の上端部と前記針板7の上面とは略同じ高さ位置となるように構成されている。
【0010】
アーム部3の下部にはハンマー支持機構8が設けられている。前記ハンマー支持機構8は、略円筒状のハンマー支持体9、前記ハンマー支持体9に上下方向に摺動可能に支持された中空状のハンマー支持軸10、前記ハンマー支持軸10の下端部に取付けられたハンマー連結体11、前記ハンマー連結体11の下端に着脱可能に装着されたハンマー12、前記ハンマー支持軸10の上端に取付けられたリンク連結体13等を備えている。前記ハンマー12と前記メス6とは上下方向に対向するように構成されている。ハンマー支持機構8の詳細な構成については後述する。
【0011】
前記脚柱部4内の下部にはアクチュエータとしてのエアシリンダ14が配置されている。エアシリンダ14は、その下端部においてピン15によりフレーム1aに回動可能に支持されている。また、前記エアシリンダ14は、その上端部からピストンロッド14aが上方に向かって突出している。エアシリンダ14が駆動されると前記ピストンロッド14aが前記エアシリンダ14から進出及び退入するようになっている。
【0012】
前記アーム部3内には、前記エアシリンダ14の駆動力をハンマー支持軸10に伝達する伝達機構としてのリンク機構16が配置されている。図1及び図2に示すように、前記リンク機構16は、第1及び第2リンク部材17及び18、中間リンク部材19を備えて構成されている。前記第1リンク部材17は、前後方向に延びる支持部17aと、前記支持部17aの後端から右方に延びる駆動腕部17bと、前記支持部17aの前端から左方に延びる連結腕部17cとから構成されている。前記支持部17aは、前後方向に延びる支持軸20を介してフレーム1aに回動可能に支持されている。前記駆動腕部17bの先端は二股状になっており、前記ピストンロッド14aの先端の連結部14bにピン21を介して回動可能に連結されている。
【0013】
前記第2リンク部材18は、中央の支持部18aと、前記支持部18aの左右両側に位置する押圧腕部18b及び連結腕部18cとから構成されている。前記支持部18aは前後方向に延びる支持軸22を介してフレーム1aに回動可能に支持されている。前記押圧腕部18b及び連結腕部18cの先端はそれぞれ二股状になっている。前記押圧腕部18bの先端の二股部には押圧コロ23が支持軸24を介して支持されている。前記押圧コロ23は、ハンマー支持軸10の上部に位置するリンク連結体13に連結されている。
前記中間リンク部材19は、前記第1リンク部材17の連結腕部17cの先端及び第2リンク部材18の連結腕部18cの先端にそれぞれ連結ピン25,26を介して連結されている。
【0014】
上記構成においては、ピストンロッド14aが進出駆動されると、各リンク部材17,18,19が回動して前記ハンマー支持軸10が下方に押し下げられ、この結果、前記ハンマー12の下端のメス受け面12bが前記メス6の上端部に押し当てられるようになっている。従って、メス6、ハンマー支持機構8、ハンマー12、エアシリンダ14、リンク機構16等から布切断装置27が構成される。
【0015】
次に、ハンマー支持機構8の構成について図3ないし図8を参照しながら説明する。
アーム部3の下部のフレーム1aには円形の取付け穴1bが形成されており、前記取付け穴1bに前記ハンマー支持体9が嵌めこまれている。ハンマー支持体9は、外径寸法が大きい大径部9aと、大径部9aの下部に位置し外径寸法が小さい小径部9bと、大径部9aと小径部9bの境界部分の外周に位置する取付鍔部9cとを有している。ハンマー支持体9は、前記取付け穴1bに下方から大径部9aを挿入し、前記取付鍔部9cをフレーム1aの下面に当接させて取付け鍔部9c及びフレーム1aを複数のボルト28で締結することによりフレーム1aに固定されている。フレーム1aの取付け穴1bの周縁部の下端には円環状のオイルシール29が設けられている。前記オイルシール29により、鳩目穴かがりミシン1で使用される潤滑油が、フレーム1aとハンマー支持体9との間から下方に落下することが防止されている。
【0016】
前記ハンマー支持体9は、大径部9a及び小径部9bにまたがって上下方向に貫通する孔部30を有しており、前記孔部30にハンマー支持軸10が上下方向に摺動可能に挿入されている。孔部30の内周面(摺動面)の上下方向中央部には、油溜まりとしての環状溝部30aが形成されている。
【0017】
前記ハンマー支持軸10の下端部には直方体状の連結部31が一体的に設けられている。連結部31の幅寸法は孔部30の内径寸法よりも大きく設定されている。前記ハンマー支持軸10は下方から前記孔部30に挿入されており、前記連結部31によってハンマー支持軸10の上方向の移動が制限されるようになっている。
【0018】
前記連結部31には前記ハンマー連結体11が例えば4本のねじ32により着脱可能に固定されている。前記ハンマー連結体11の前面の右下部には位置決めピン33が設けられている。また、ハンマー連結体11の前面中央には調節ネジ34を介してレバー35が設けられている。前記レバー35の下端部にはフック部35aが形成されている。一方、ハンマー12の前面には係合溝12aが形成されており、前記ハンマー12の下端部にはメス受け面12bが形成されている。前記ハンマー12は、その上端部をハンマー連結体11の下端部に当接させると共にその右端面を位置決めピン33に当接させた状態でフック部35aを係合溝12aに係合させ、調節ネジ34を締め付けることにより前記ハンマー連結体11に取付けられる。また、前記調節ネジ34を緩めることにより前記フック部35aは係合溝12aから離間し、ハンマー12をハンマー連結体11から取り外すことができる。
【0019】
前記リンク連結体13は、前記ハンマー支持軸10の上端部に取付けられている。前記リンク連結体13は、前記孔部30に挿入された軸部13aと、前記軸部13aの上端に設けられた矩形板状の押圧面部13bと、前記押圧面部13bの右端部から上方に延び前記押圧面部13bとの対向面を有するL字状の係止片部13cとから構成されている。前記押圧腕部18aの押圧コロ23は、押圧面部13bと係止片部13cとの間に配置されている。
【0020】
前記ハンマー支持軸10の上端部の前後部には一対の凸部36,36が設けられている。前記リンク連結体13の押圧面部13bは前記凸部36の間に配置されている。このような構成により、組立時におけるハンマー支持軸10に対するリンク連結体13の位置決め及び回り止めがなされている。
【0021】
さて、前記孔部30内には引張りコイルばね37が配置されている。前記リンク連結体13の軸部13aの下部には切り込み38が設けられていると共に前記切り込み38を横切るピン39が挿通されている。一方、前記孔部30内の下部には、前記孔部30を径方向に横切るピン40が挿通されている。前記引張りコイルばね37の上端部は前記切込み38内に配置されていると共に前記ピン39に係止されており、前記ばね37の下端部は前記ピン40に係止されている。上記構成により、リンク連結体13は前記引張りコイルばね37によってハンマー支持軸10に連結されている。この場合、前記引張りコイルばね37の弾性力により、前記リンク連結体13はハンマー支持軸10側に付勢され、押圧面部13bがハンマー支持軸10の上端に密着するようになっている。
【0022】
また、前記ハンマー支持軸10の下半部の外周の一部(図6において左部)は面取りされて平坦面部41が形成されている。前記平坦面部41は、連結部31の一側面に連なっている。一方、ハンマー支持体9の小径部9bの外周の一部(図6において左部)には前記平坦面部41に対応する平坦面部42が形成されている。そして、前記小径部9bの下部には前記平坦面部42と平行に延びる凹部43が形成されており、前記凹部43により前記小径部9bの下部の左端部に壁部44(壁部材に相当)が形成されている。つまり、前記平坦面部42は前記壁部44の左端面に相当する。前記壁部44には前後一対のねじ穴45が形成されている。前記ねじ穴45には、ナット46を介してねじ47(ねじ部材に相当)が螺挿されている。
【0023】
更に、前記取付け鍔部9cの下面のうち前記凹部43の前後部に位置する部分にはそれぞれ取付け段部48が設けられている。前記取付け段部48にはそれぞれねじ穴(図示せず)が形成されている。前記ねじ穴49の中心を結ぶ直線は、前記凹部43からややずれるように構成されている。
【0024】
前記凹部43には回り止め板50が配置されるようになっている。前記回り止め板50は本発明の回り止め部材及び板部材に相当し、前記凹部43は板部材の配置領域に相当する。前記回り止め板50は、ハンマー支持軸10の平坦面部41を押圧する押圧面部50aと、前記押圧面部50aの両端に位置し前記取付け段部48にねじ51により固定される取付部50bとを有している。前記取付け段部48に対応して、前記取付部50bの上面と前記押圧面部50aの上面との間には段差が設けられており、これにより、前記凹部43に配置された回り止め板50の前後方向の移動が規制されるようになっている。
【0025】
前記ハンマー支持軸10を前記ハンマー支持体9の孔部に下方から挿入する際、前記平坦面部41を前記壁部44に対向させる。そして、凹部43に回り止め板50を配置してねじ51で固定すると共に、壁部44のねじ穴45に螺挿されたねじ47の先端で回り止め板50を押圧する。このとき、ねじ51の締め付け具合やねじ47のねじ込み具合を適宜調節することにより、前記ハンマー支持軸10はハンマー支持体9の孔部30内を上下方向に摺動可能に且つ回動不能な状態に調節される。つまり、平坦面部41、壁部44、凹部43、ねじ47、回り止め板50等は回り止め機構52を構成する。
【0026】
このように、壁部44と平坦面部41との間に回り止め板50を配置して、前記壁部44によって前記回り止め板50をバックアップする構成としたため、ハンマー支持軸10が回動しようとする力が前記回り止め板50に加わった場合でも当該回り止め板50が変形してハンマー支持軸10との間にがたが生じたり、破損したりすることを極力防止できる。従って、前記回り止め機構52によりハンマー支持軸10が回動することを確実に防止できる。特に、前記ねじ穴49の中心を結ぶ直線が前記凹部43からややずれるように構成したため、回り止め板50の押圧面部50aに作用する力が前記ねじ穴49に螺挿されるねじ51に及び難い。このため、ねじ穴49に螺挿されているねじ51が緩んでがたが発生することも防止できる。
【0027】
しかも、ハンマー支持体9のうちフレーム1aよりも下部に位置する部分に回り止め板50を取付けたため、回り止め板50が変形して平坦面部41との間にがたが生じた場合にねじ47,51を締め直す作業や、回り止め板50が破損した場合に前記回り止め板50を交換する作業を簡単に行うことができる。
【0028】
また、ハンマー支持軸10の上部には、当該支持軸10を径方向に貫通して孔部30に達するねじ穴53が設けられている。これに対して、リンク連結体13の軸部13aには、前記ねじ穴53に対応する凹部54が設けられている。通常時は前記ねじ穴53には何も挿通されておらず、引張りコイルばね37が破損した時に固定金具としてのねじ55が螺挿されるようになっている(図3に、ねじ穴53にねじ55が螺挿された状態を示す)。ねじ穴53に螺挿されたねじ55の先端は前記凹部54内に位置し、これにより、リンク連結体13がハンマー支持軸10に固定される。
【0029】
次に、上記構成の作用について説明する。
図1は、エアシリンダ14のピストンロッド14aが進出状態であって、ハンマー支持軸10が上昇した待機位置に位置している状態を示している。この状態で、作業者は穴かがり縫目の形成後又は形成前の加工布Wを針板7上の所定位置に位置決めする。そして、エアシリンダ14を駆動してピストンロッド14aを矢印P1方向に退入動作させると、第1リンク部材17が支持軸20を中心として時計回り(図1に矢印P2で示す方向)に回動する。すると、中間リンク部材19を介して第2リンク部材18が支持軸22を中心として反時計回り(図1に矢印P3で示す方向)に回動し、第2リンク部材18の押圧腕部18bが押圧コロ23を介してリンク連結体13の押圧面部13bを押圧する。これにより、リンク連結体13と一体的にハンマー支持軸10が下方の切断位置に押し下げられて図9に示す状態になる。この結果、加工布Wが、ハンマー12によりメス6に押圧され、加工布Wの穴かがり縫目又は穴かがり縫目の形成予定部の内側に鳩目穴が形成される。
【0030】
ここで、エアシリンダ14のピストンロッド14aの退入により第1リンク部材17が支持軸20を中心として時計回りに回動するとき、支持軸20の中心Xと、連結ピン26の中心Yと、連結ピン27の中心Zとから三角形が構成される。この三角形により、トグル機構(所謂、倍力機構)が構成される。
【0031】
このため、第1リンク部材17が時計回りに回動されると、XとYとからなる辺XYと、YとZとからなる辺YZとの開角αが大きくなって、連結ピン27を押し上げる。この押し上げる力は、ピストンロッド14aの退入駆動の際の駆動力よりも大きなトルクである。従って、小型のエアシリンダ14であったとしても、鳩目穴形成に必要な切断力(例えば8KNの切断力)を、ハンマー12に発生させることができる。
【0032】
一方、ピストンロッド14aが退入状態であって、ハンマー支持軸10が下降した切断位置に位置している図9に示す状態で、エアシリンダ14のピストンロッド14aが矢印P4方向に進出動作すると、第1リンク部材17が反時計回り(図9に矢印P5で示す方向)に回動する。この結果、中間リンク部材19を介して第2リンク部材18が時計回り(図9に矢印P6で示す方向)に回動して第2リンク部材18の押圧腕部18bが上昇し、押圧コロ23に係止している係止片部13cを介してハンマー支持軸10が上方の待機位置に引き上げられて図1に示す状態になる。
【0033】
ところで、穴かがり縫目の縫製処理の途中で縫糸が切れた状態で処理が実行されてしまった場合、作業者は、ハンマー支持軸10を下方の切断位置まで押し下げて位置合わせを行った後、穴かがり縫目を縫製し直す必要がある。この場合、エアシリンダ14は停止状態にあるため、処理の終了に伴って上方の待機位置にあるハンマー支持軸10を、作業者は手動操作で下方へ移動させることになる。即ち、図10に示すように、作業者はハンマー支持軸10に対して矢印P7で示す方向の力を加え、引張りコイルばね37の弾性力に抗してハンマー支持軸10を下方へ移動させる。これにより、ハンマー12を加工布Wの所定位置に押し当てることができ、位置あわせをすることができる。また、位置合わせを行った後は、ハンマー支持軸10に加えた力を解除することにより、引張りコイルばね37の弾性力によってハンマー支持軸10が引き上げられ、待機位置に戻される。つまり、エアシリンダ14やリンク機構16の動作に関係なくハンマー支持軸10を下降させたり上昇させたりすることができる。
【0034】
このように本実施形態によれば、ハンマー支持軸10の上にリンク連結体13を設けると共に前記リンク連結体13とハンマー支持軸10とを引張りコイルばね37で連結した。そして、エアシリンダ14が駆動されてピストンロッド14aが進退動作するときは、前記引張りコイルばね37の伸縮状態を変化させることなく前記ハンマー支持軸10とリンク連結体13とが一体的に上下動し、エアシリンダ14が停止しているときは、ハンマー支持軸10に対して下向きの力を加えることにより、前記引張りコイルばね37の弾性力に抗して前記ハンマー支持軸10のみが下方に移動するように構成した。従って、通常の鳩目穴形成作業時は、前記引張りコイルばね37に対して外力が作用しないため、前記引張りコイルばね37の負担を小さくでき、当該引張りコイルばね37の寿命を延長することができる。
【0035】
ところで、前記引張りコイルばね37が破損した場合には、ハンマー支持軸10とリンク連結体13との連結が解除されてしまうため、リンク連結体13に伝達されたエアシリンダ14の駆動力がハンマー支持軸10に伝達されない。これに対して、本実施形態では、ねじ穴53にねじ55を螺挿することにより前記ハンマー支持軸10にリンク連結体13を固定することができるように構成した。従って、引張りコイルばね37が破損した場合であっても、ねじ55によりハンマー支持軸10とリンク連結体13とを応急的に連結できるように構成したため、鳩目穴の形成作業を継続することができる。
【0036】
更に、本実施形態では、リンク連結体13に押圧面部13bと係止片部13cとを設けた。そして、リンク機構16の出力側端部である第2リンク部材18の押圧腕部18bが下方に回動するときは前記押圧コロ23により前記押圧面部13bが押圧され、前記押圧腕部18bが上方に回動するときは前記押圧コロ23に係止された係止片部13cを介してハンマー支持軸10が上昇するように構成した。従って、エアシリンダ14による押圧腕部18bの上下動をハンマー支持軸10に確実に伝達することができる。
【0037】
図11及び図12は本発明の第2の実施形態を示すものであり、第1の実施形態と異なるところを説明する。この第2の実施形態は回り止め機構52の構成が第1の実施形態と異なっている。具体的には、回り止め板50に代えて回り止め板61がハンマー支持軸10の平坦面部41に当接するようになっている。回り止め板61は、ハンマー支持軸10の平坦面部41を押圧する押圧面部61aと、前記押圧面部61aの両端に位置する取付部61bと、前記押圧面部61aの長手方向中央部に位置する取付部61cとを有している。ハンマー支持体9の小径部9bの下面には凹部62が設けられており、前記凹部62に前記回り止め板61は配置されている。凹部62には取付部61bに対応する取付段部(図示せず)が設けられており、前記取付け段部に対応して前記取付部61bの上面と前記押圧面部61aの上面との間には段差が設けられている。これにより、前記凹部62に配置された回り止め板61の移動が規制されるようになっている。凹部62に配置された回り止め板61は、取付部61b、61cを介してねじ63で固定されている。
【0038】
本実施形態では、小径部9bの下部に前記回り止め板61をバックアップする壁部44を設けていないが、前記回り止め板61を3個のねじ63で固定したことにより、支持軸10が回動しようとする力が前記回り止め板61に加わった場合に当該回り止め板61が変形したり破損したりすることを防止できる。
【0039】
尚、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような変形が可能である。
図示しないが、前記壁部44をハンマー支持体9とは別体に構成し、前記ハンマー支持体9の下面に着脱可能に取付けても良い。この場合、前記ハンマー支持体9の下面に前記壁部44が係合する係合溝を設けると良い。
連結用弾性部材は引張りコイルばねに限らず、ゴムから構成しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の第1の実施形態を示すものであり、鳩目穴かがりミシンの内部構造を示す正面図
【図2】鳩目穴かがりミシンの内部構造を示す上面図
【図3】ハンマー支持機構の周辺部分を拡大して示す縦断正面図
【図4】ハンマー支持機構の周辺部分を拡大して示す左側面図
【図5】ハンマー支持体及びハンマー支持軸の正面図
【図6】ハンマー支持体及びハンマー支持軸の縦断左側面図
【図7】ハンマー支持体及びハンマー支持軸の上面図
【図8】ハンマー支持体及びハンマー支持軸の下面図
【図9】加工布切断時の図1相当図
【図10】手動操作でハンマー支持軸を下降させたときの図1相当図
【図11】本発明の第2の実施形態を示す図6相当図
【図12】図8相当図
【符号の説明】
【0041】
図面中、1は鳩目穴かがりミシン、1aはフレーム(ミシン機枠)、6はメス、9はハンマー支持体、10はハンマー支持軸、12はハンマー、14はエアシリンダ(アクチュエータ)、16はリンク機構(伝達機構)、41は平坦面部、43は凹部(板部材の配置領域)、44は壁部(壁部材)、45はねじ穴、47はねじ(ねじ部材)、50,61は回り止め板(回り止め部材、板部材)、52は回り止め機構を示す。




 

 


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