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発明の名称 インクジェット記録装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−55256(P2007−55256A)
公開日 平成19年3月8日(2007.3.8)
出願番号 特願2006−204785(P2006−204785)
出願日 平成18年7月27日(2006.7.27)
代理人 【識別番号】100082500
【弁理士】
【氏名又は名称】足立 勉
発明者 梅田 隆一郎
要約 課題
インクジェット記録装置において、インクタンクと記録ヘッドとを接続するチューブ内に存するインクを移送させる移送手段の駆動をチューブの寸法対応値に対応した態様にて実現すること。

解決手段
インク供給チューブ11における第一の検出位置から第二の検出位置まで気泡が移動する間に該インク供給チューブ11を介して移送されるインクと気泡との混合物の移送量(インク移送量)を決定する。そして、決定されたインク移送量に基づき、ポンプ12を駆動制御する。
特許請求の範囲
【請求項1】
インクを貯蔵するサブタンクと噴射ノズルとを有し、前記噴射ノズルから前記サブタンク内のインクを選択的に噴射して被記録媒体に画像記録を行う記録ヘッドと、
前記サブタンク内に供給されるインクを貯蔵するメインタンクと、
前記サブタンクと前記メインタンクとを接続するチューブと、
前記チューブ内に存するインクを移送させる移送手段と、
前記チューブにおける第一の検出位置から第二の検出位置まで気泡が移動する間に前記チューブを介して移送されるインクと気泡との混合物の移送量を少なくとも1回決定する移送量決定手段と、
前記移送量決定手段によって少なくとも1回決定された前記移送量に基づき、前記移送手段の駆動制御を行う駆動手段と、
を備えることを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項2】
請求項1に記載のインクジェット記録装置において、
前記チューブにおける第一の検出位置から第二の検出位置まで気泡が移動する間に前記噴射ノズルから吐出されたインク量を少なくとも1回計量する吐出量計量手段を備え、
前記移送量決定手段は、前記吐出量計量手段によって少なくとも1回計量されたインク量に基づいて、前記チューブにおける第一の検出位置から第二の検出位置まで気泡が移動する間に前記チューブを介して移送されるインクと気泡との混合物の移送量を少なくとも1回決定することを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のインクジェット記録装置において、
前記チューブにおける第一の検出位置から第二の検出位置まで気泡が移動する間に前記チューブを介して移送されるインクと気泡との混合物の移送量であって、前記チューブの初期寸法に基づき予め設定された初期移送量を記憶する初期量記憶手段を備え、
前記移送量決定手段によって実際に前記移送量が決定される前においては、前記移送量決定手段は、前記初期量記憶手段が記憶した前記初期移送量を、前記移送量決定手段によって決定される前記移送量として決定し、
前記駆動手段は、前記初期移送量に基づき、前記移送手段の駆動制御を行うことを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載のインクジェット記録装置において、
前記移送量決定手段によって少なくとも1回決定された前記移送量に基づき、前記チューブの寸法対応値を少なくとも1個決定する対応値決定手段を備え、
前記駆動手段は、前記対応値決定手段によって決定された少なくとも1個の寸法対応値に基づき、前記移送手段の駆動制御を行うことを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項5】
請求項4に記載のインクジェット記録装置において、
前記チューブの初期寸法に基づき予め設定された初期寸法対応値を記憶する初期値記憶手段を備え、
前記対応値決定手段によって実際に前記寸法対応値が少なくとも1回決定される前においては、前記対応値決定手段は、前記初期値記憶手段が記憶した前記初期寸法対応値を、前記対応値決定手段によって決定される前記寸法対応値として決定し、
前記駆動手段は、前記初期寸法対応値に基づき、前記移送手段の駆動制御を行うことを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項6】
請求項1または請求項2に記載のインクジェット記録装置において、
前記移送量決定手段は、前記移送量を繰り返し決定し、
当該インクジェット記録装置は、
前記移送量決定手段によって繰り返し決定された複数個の前記移送量を記憶する移送量記憶手段と、
前記移送量記憶手段が記憶した少なくとも2個の前記移送量の平均値を決定する平均値決定手段と、
を備え、
前記駆動手段は、前記平均値決定手段によって決定された前記平均値に基づき、前記移送手段の駆動制御を行うことを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項7】
請求項6に記載のインクジェット記録装置において、
前記チューブにおける第一の検出位置から第二の検出位置まで気泡が移動する間に前記チューブを介して移送されるインクと気泡との混合物の移送量として、前記チューブの初期寸法に基づき予め設定された初期移送量を記憶する初期量記憶手段を備え、
前記平均値決定手段は、
前記移送量記憶手段が記憶する前記移送量の個数が1個以上あるものの2個以上の予め定めた個数未満である場合には、前記移送量記憶手段が記憶する少なくとも1個の前記移送量と、前記初期量記憶手段が記憶する前記初期移送量との平均値を決定し、
前記駆動手段は、該平均値に基づき、前記移送手段の駆動制御を行うことを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項8】
請求項6または請求項7に記載のインクジェット記録装置において、
前記平均値決定手段によって決定された前記平均値を記憶する平均値記憶手段と、
前記移送量決定手段によって最新の前記移送量が決定され、前記移送量記憶手段が当該最新の前記移送量を記憶した際に、当該最新の前記移送量と、前記平均値記憶手段が記憶する前記平均値との間の偏差が予め定めた範囲外の値か否かを判断する偏差判断手段と、
を備え、
前記偏差判断手段により、前記偏差が予め定めた範囲外の値であると判断された際には、
前記平均値決定手段は、前記移送量記憶手段が記憶する前記最新の前記移送量を含む少なくとも2個の前記移送量の平均値を決定すると共に、前記平均値記憶手段は、当該決定した平均値を、当該平均値記憶手段が今まで記憶していた前記平均値の更新値として記憶する一方、
前記偏差判断手段により、前記偏差が予め定めた範囲外の値ではないと判断された際には、
前記平均値決定手段は、前記平均値記憶手段が今まで記憶していた前記平均値を、前記駆動手段が前記移送手段を制御する際に用いる前記平均値として決定することを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項9】
請求項1または請求項2に記載のインクジェット記録装置において、
前記移送量決定手段は、前記移送量を繰り返し決定し、
当該インクジェット記録装置は、
前記移送量決定手段によって繰り返し決定された複数個の前記移送量の夫々に基づき、前記チューブの寸法対応値を決定する対応値決定手段と、
前記対応値決定手段によって決定された複数個の前記寸法対応値を記憶する対応値記憶手段と、
前記対応値記憶手段が記憶した少なくとも2個の前記寸法対応値の平均値を決定する平均値決定手段と、
を備え、
前記駆動手段は、前記平均値決定手段によって決定された前記平均値に基づき、前記移送手段の駆動制御を行うことを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項10】
請求項9に記載のインクジェット記録装置において、
前記チューブの初期寸法に基づき予め設定された初期寸法対応値を記憶する初期値記憶手段を備え、
前記平均値決定手段は、
前記対応値記憶手段が記憶する前記寸法対応値の個数が1個以上あるものの2個以上の予め定めた個数未満である場合には、前記対応値記憶手段が記憶する少なくとも1個の前記寸法対応値と、前記初期値記憶手段が記憶する前記初期寸法対応値との平均値を決定し、
前記駆動手段は、該平均値に基づき、前記移送手段の駆動制御を行うことを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項11】
請求項9または請求項10に記載のインクジェット記録装置において、
前記平均値決定手段によって決定された前記平均値を記憶する平均値記憶手段と、
前記対応値決定手段によって最新の前記寸法対応値が決定され、前記対応値記憶手段が当該最新の前記寸法対応値を記憶した際に、当該最新の前記寸法対応値と、前記平均値記憶手段が記憶する前記平均値との間の偏差が予め定めた範囲外の値か否かを判断する偏差判断手段と、
を備え、
前記偏差判断手段により、前記偏差が予め定めた範囲外の値であると判断された際には、
前記平均値決定手段は、前記対応値記憶手段が記憶する前記最新の前記寸法対応値を含む少なくとも2個の前記寸法対応値の平均値を決定すると共に、前記平均値記憶手段は、当該決定した平均値を、前記平均値記憶手段が今まで記憶していた前記平均値の更新値として記憶する一方、
前記偏差判断手段により、前記偏差が予め定めた範囲外の値ではないと判断された際には、
前記平均値決定手段は、前記平均値記憶手段が今まで記憶していた前記平均値を、前記駆動手段が前記移送手段を制御する際に用いる前記平均値として決定することを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項12】
請求項1〜請求項3のいずれかに記載のインクジェット記録装置において、
前記駆動手段は、前記移送量決定手段によって少なくとも1回決定された前記移送量に基づき、少なくとも前記チューブ内に存するインクと気泡との混合物の廃棄移送量を決定すると共に、該廃棄移送量の前記混合物を前記チューブ内から廃棄させるよう、前記移送手段の駆動制御を行うことを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項13】
請求項6〜請求項11のいずれかに記載のインクジェット記録装置において、
前記駆動手段は、前記平均値決定手段によって決定された前記平均値に基づき、少なくとも前記チューブ内に存するインクと気泡との混合物の廃棄移送量を決定すると共に、該廃棄移送量の前記混合物を前記チューブ内から廃棄させるよう、前記移送手段の駆動制御を行うことを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項14】
請求項4または請求項5に記載のインクジェット記録装置において、
前記駆動手段は、前記対応値決定手段によって決定された前記寸法対応値に基づき、少なくとも前記チューブ内に存するインクと気泡との混合物の廃棄移送量を決定すると共に、該廃棄移送量の前記混合物を前記チューブ内から廃棄させるよう、前記移送手段の駆動制御を行うことを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項15】
請求項4または請求項5に記載のインクジェット記録装置において、
前記寸法対応値は、前記チューブにおける第一の検出位置から第二の検出位置までの部分の内径と、前記チューブにおける第一の検出位置から第二の検出位置までの部分内をインクが流動する際の流路抵抗とのうちの一方であり、
前記駆動手段は、前記対応値決定手段によって決定された前記寸法対応値に基づき、前記噴射ノズルの吐出能力回復のために前記チューブ内に存するインクにかけるべき圧力を決定すると共に、該圧力に対応した前記移送手段の駆動制御を行うことを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項16】
請求項9〜請求項11のいずれかに記載のインクジェット記録装置において、
前記寸法対応値は、前記チューブにおける第一の検出位置から第二の検出位置までの部分の内径と、前記チューブにおける第一の検出位置から第二の検出位置までの部分内をインクが流動する際の流路抵抗とのうちの一方であり、
前記駆動手段は、前記平均値決定手段によって決定された前記平均値に基づき、前記噴射ノズルの吐出能力回復のために前記チューブ内に存するインクにかけるべき圧力を決定すると共に、該圧力に対応した前記移送手段の駆動制御を行うことを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項17】
請求項1〜請求項16のいずれかに記載のインクジェット記録装置において、
前記チューブにおける前記第一の検出位置から前記第二の検出位置まで気泡が移動する前に、前記チューブを介して移送されるインクと気泡との混合物の移送量が予め定めた量以上になったか否かを判断する判断手段を備え、
前記判断手段により、前記チューブにおける前記第一の検出位置から前記第二の検出位置まで気泡が移動する前に、前記チューブを介して移送される前記混合物の移送量が前記予め定めた量以上になったと判断された際には、
前記移送量決定手段は、前記予め定めた量以上になった移送量を、前記移送量決定手段によって決定される移送量から除外することを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項18】
請求項1〜17のいずれかに記載のインクジェット記録装置において、
前記第一の検出位置については、前記チューブにおける前記メインタンク側の端部付近に設定されており、前記第二の検出位置については、前記チューブにおける前記サブタンク側の端部付近に設定されていることを特徴とするインクジェット記録装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェット記録装置において、インクタンクと記録ヘッドとを接続するチューブの寸法対応値(例えば、チューブの径寸法、長さ寸法、チューブ内容積、チューブ内流路抵抗(圧力損失))のばらつき具合にも拘わらず、少なくとも該チューブ内に存するインクと気泡とのうち少なくとも一方の移送を該チューブの寸法対応値に対応した態様にて行う技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、チューブ供給型のインク供給システムを備えるインクジェット記録装置が知られている。すなわち、この種のインクジェット記録装置は、噴射ノズルからインクを噴射して被記録媒体に記録を行う記録ヘッドおよび記録ヘッドに供給されるインクを貯えるサブタンクを搭載したキャリッジと、サブタンクへ供給されるインクを貯えるメインタンクと、を備える。このインクジェット記録装置は、サブタンクのインクが減少したときにはメインタンクからチューブを介してサブタンクへインクを供給するよう構成されている。
【0003】
しかし、上述のようなチューブ供給型のインク供給システムを備えるインクジェット記録装置では、記録ヘッドの噴射ノズル内およびチューブ内に溜まったインクの粘度が徐々に増加する。そこで、このようなインクジェット記録装置の中には、記録ヘッドの噴射ノズル内やチューブ内に溜まったインクを排出するために定期的にパージ動作を行っているインクジェット記録装置がある(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2005−22167号公報(第6,7頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述のようなインクジェット記録装置においては、次のような問題があった。すなわち、上述のチューブについては、製造時にその寸法対応値(例えば、チューブの内径寸法、長さ寸法、チューブ内容積、チューブ内流路抵抗(圧力損失))にばらつきが存在する。
【0005】
このため、例えば、チューブ内容積が設計上のチューブ内容積より小さい場合があり得るにも拘わらず、チューブ内に増粘したインクあるいは気泡含有インクが残留することを確実に防止するためには、設計上のチューブ内容積よりも多めのインクあるいは気泡含有インクを初期導入時(インクジェット記録装置の電源を最初に投入した時)などにチューブ外に廃棄することが考えられる。
【0006】
また、例えば、チューブの径(チューブ内の径)が設計上の値よりも大きい場合があり得る。この場合には、チューブの径が設計上の値である場合に比べ、チューブの流路抵抗(換言すれば、インクがチューブ内を流動する際の流路抵抗(圧力損失))が低くなる。しかし、噴射ノズルの吐出能力回復を図るためのパージ動作時に、噴射ノズルの吐出能力を確実に回復させるためには、チューブの径が設計上の値である場合におけるチューブの流路抵抗よりも当該流路抵抗が高い場合を想定したパージ圧力で、噴射ノズルからインクを吐出させることが考えられる。従って、この場合も、実際に必要な量を越えた量のインクを吐出(廃棄)することになる。
【0007】
本発明は、このような不具合に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、インクジェット記録装置において、インクタンクと記録ヘッドとを接続するチューブ内に存するインクを移送させる移送手段の駆動をチューブの寸法対応値に対応した態様にて実現する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するためになされた請求項1に係るインクジェット記録装置は、記録ヘッドと、メインタンクと、チューブと、移送手段と、移送量決定手段と、駆動手段と、を備える。
【0009】
ここで、記録ヘッドは、インクを貯蔵するサブタンクと噴射ノズルとを有し、噴射ノズルからサブタンク内のインクを選択的に噴射して被記録媒体に画像記録を行う。メインタンクは、サブタンク内に供給されるインクを貯蔵する。チューブは、サブタンクとメインタンクとを接続する。移送手段は、チューブ内に存するインクを移送させる。移送量決定手段は、チューブにおける第一の検出位置から第二の検出位置まで気泡が移動する間にチューブを介して移送されるインクと気泡との混合物の移送量を少なくとも1回決定する。駆動手段は、移送量決定手段によって少なくとも1回決定された移送量に基づき、移送手段の駆動制御を行う。
【0010】
移送量決定手段が決定する移送量は、チューブ内の2つの検出位置間の容積(寸法対応値)に対応する。それゆえ、本発明において、駆動手段は、チューブの寸法対応値に対応した移送手段の駆動制御を行うことになる。
【0011】
従って、本発明によれば、例えば、チューブの寸法対応値に対応した移送手段の駆動制御が実現される分だけ、チューブ内に増粘したインクあるいは気泡含有インクが残留することを防止するために、初期導入時などにチューブ外に廃棄される無駄なインク量や、噴射ノズルの吐出能力回復のために噴射ノズルから吐出される無駄なインク量を低減させることが可能になる。
【0012】
本発明のインクジェット記録装置は、請求項2に記載の如く、チューブにおける第一の検出位置から第二の検出位置まで気泡が移動する間に噴射ノズルから吐出されたインク量を少なくとも1回計量する吐出量計量手段を備えていても良い。
【0013】
この場合には、移送量決定手段は、吐出量計量手段によって少なくとも1回計量されたインク量に基づいて、チューブにおける第一の検出位置から第二の検出位置まで気泡が移動する間にチューブを介して移送されるインクと気泡との混合物の移送量を少なくとも1回決定することが考えられる。
【0014】
このように構成すれば、移送量決定手段による移送量の決定が、噴射ノズルから吐出されるインク量に基づいて実行される分だけ、当該移送量の決定が正確に実行される。
本発明のインクジェット記録装置は、請求項3に記載の如く、チューブにおける第一の検出位置から第二の検出位置まで気泡が移動する間にチューブを介して移送されるインクと気泡との混合物の移送量であって、チューブの初期寸法に基づき予め設定された初期移送量を記憶する初期量記憶手段を備えていても良い。
【0015】
ここで、初期移送量とは、上述の移送量の初期値のことである。初期移送量の具体例としては、例えば、チューブの設計上の寸法対応値、あるいは、当該インクジェット記録装置を製造した際に実測したチューブの寸法対応値から想定される、チューブにおける第一の検出位置から第二の検出位置まで気泡が移動する間に前記チューブを介して移送されるインクと気泡との混合物の移送量が考えられる。
【0016】
請求項3の場合、移送量決定手段によって実際に移送量が決定される前においては、移送量決定手段は、初期量記憶手段が記憶した初期移送量を、移送量決定手段によって決定される移送量として決定し、駆動手段は、初期移送量に基づき、移送手段の駆動制御を行う。
【0017】
このようにすれば、2つの検出位置間を気泡が移動する間にチューブを介して移送されるインクと気泡との混合物の移送量を実際に決定する前の段階においても、駆動手段が、チューブの寸法対応値に対応した移送手段の駆動制御を行うことが可能になる。
【0018】
本発明のインクジェット記録装置は、請求項4に記載の如く、移送量決定手段によって少なくとも1回決定された移送量に基づき、チューブの寸法対応値を決定する対応値決定手段を備えていても良い。そして、この場合には、駆動手段は、対応値決定手段によって決定された少なくとも1個の寸法対応値に基づき、移送手段の駆動制御を行うものであっても良い。
【0019】
このようにすれば、チューブの寸法対応値に対応した移送手段の駆動制御が好適に実現される。
また、請求項4に記載の態様においては、請求項5に記載の態様を採用しても良い。すなわち、請求項5に記載のインクジェット記録装置は、更に、チューブの初期寸法に基づき予め設定された初期寸法対応値を記憶する初期値記憶手段を備える。
【0020】
ここで、初期寸法対応値とは、上述の寸法対応値の初期値のことであり、初期寸法対応値の具体例としては、例えば、設計上の寸法対応値、あるいは、当該インクジェット記録装置を製造した際に実測した寸法対応値などが考えられる。
【0021】
そして、請求項5では、対応値決定手段によって実際に寸法対応値が少なくとも1回決定される前においては、対応値決定手段は、初期値記憶手段が記憶した初期寸法対応値を、対応値決定手段によって決定される寸法対応値として決定し、駆動手段は、初期寸法対応値に基づき、移送手段の駆動制御を行う。
【0022】
このようにすれば、移送量決定手段によって決定される移送量に基づき、チューブの寸法対応値が実際に決定される前の段階においても、駆動手段が、チューブの寸法対応値に対応した移送手段の駆動制御を行うことが可能になる。
【0023】
本発明においては、請求項6に記載の如く、移送量決定手段が、上記移送量を繰り返し決定するものであっても良い。この場合、本発明のインクジェット記録装置は、移送量決定手段によって繰り返し決定された複数個の移送量を記憶する移送量記憶手段と、移送量記憶手段が記憶した少なくとも2個の移送量の平均値を決定する平均値決定手段と、を備えていても良い。そして、この場合、駆動手段は、平均値決定手段によって決定された平均値に基づき、移送手段の駆動制御を行うことが考えられる。
【0024】
請求項6の場合、移送量決定手段によって決定される複数個の移送量の夫々は、チューブの容積(寸法対応値)に対応する。このような移送量の平均値は、移送量決定手段によって決定される個々の移送量よりもチューブの実際の寸法対応値により正確に対応したものである可能性が高い。
【0025】
それゆえ、この場合には、移送量決定手段によって決定される個々の移送量だけに基づいて移送手段の駆動制御を行う場合よりも、チューブの実際の寸法対応値により正確に対応した移送手段の駆動制御が実現する可能性が高くなる。
【0026】
請求項6に記載の態様においては、請求項7に記載の態様を採用しても良い。すなわち、請求項7に記載のインクジェット記録装置は、チューブにおける第一の検出位置から第二の検出位置まで気泡が移動する間にチューブを介して移送されるインクと気泡との混合物の移送量として、チューブの初期寸法に基づき予め設定された初期移送量を記憶する初期量記憶手段を備える。
【0027】
請求項7の場合、平均値決定手段は、移送量記憶手段が記憶する移送量の個数が1個以上あるものの2個以上の予め定めた個数未満である場合には、移送量記憶手段が記憶する少なくとも1個の移送量と、初期量記憶手段が記憶する初期移送量との平均値を決定する。また、駆動手段は、該平均値に基づき、移送手段の駆動制御を行う。
【0028】
このようにすれば、2つの検出位置間を気泡が移動する間にチューブを介して移送されるインクと気泡との混合物の移送量を多数回決定する前の段階においても、チューブの実際の寸法対応値に比較的正確に対応した移送手段の駆動制御が実現する可能性が高くなる。
【0029】
請求項6または請求項7に記載の態様においては、請求項8に記載の態様を採用しても良い。すなわち、請求項8に記載のインクジェット記録装置は、平均値決定手段によって決定された平均値を記憶する平均値記憶手段と、移送量決定手段によって最新の移送量が決定され、移送量記憶手段が当該最新の移送量を記憶した際に、当該最新の移送量と、平均値記憶手段が記憶する平均値との間の偏差が予め定めた範囲外の値か否かを判断する偏差判断手段と、を備える。
【0030】
ここで、請求項8では、偏差判断手段により、上記偏差が予め定めた範囲外の値であると判断された際には、平均値決定手段は、移送量記憶手段が記憶する最新の移送量を含む少なくとも2個の移送量の平均値を決定すると共に、平均値記憶手段は、当該決定した平均値を、当該平均値記憶手段が今まで記憶していた平均値の更新値として記憶する。
【0031】
また、請求項8では、偏差判断手段により、上記偏差が予め定めた範囲外の値ではないと判断された際には、平均値決定手段は、平均値記憶手段が今まで記憶していた平均値を、駆動手段が移送手段を制御する際に用いる平均値として決定する。
【0032】
この場合には、移送量決定手段が決定した最新の移送量と平均値記憶手段が記憶する平均値との間の偏差が比較的大きい場合だけ移送手段を制御する際に用いられる平均値が変更される分だけ、移送量決定手段によって最新の移送量が決定される度に当該平均値が変更される場合に比べて、駆動手段により実行される制御処理が簡略化される。
【0033】
本発明においては、請求項9に記載の如く、移送量決定手段が、上記移送量を繰り返し決定するものであっても良い。この場合、本発明のインクジェット記録装置は、移送量決定手段によって繰り返し決定された複数個の移送量の夫々に基づき、チューブの寸法対応値を決定する対応値決定手段と、対応値決定手段によって決定された複数個の寸法対応値を記憶する対応値記憶手段と、対応値記憶手段が記憶した少なくとも2個の寸法対応値の平均値を決定する平均値決定手段と、を備えていても良い。そして、この場合、駆動手段は、平均値決定手段によって決定された平均値に基づき、移送手段の駆動制御を行うことが考えられる。
【0034】
請求項9の場合、平均値決定手段によって決定される、チューブの寸法対応値を平均した平均値は、対応値決定手段によって決定されるチューブの寸法対応値夫々の値よりもチューブの実際の寸法対応値により正確に対応したものである可能性が高い。
【0035】
それゆえ、この場合には、対応値決定手段によって決定されるチューブの寸法対応値夫々の値だけに基づいて移送手段の駆動制御を行う場合よりも、チューブの実際の寸法対応値により正確に対応した移送手段の駆動制御が実現する可能性が高くなる。
【0036】
請求項9に記載の態様においては、請求項10に記載の態様を採用しても良い。すなわち、請求項10に記載のインクジェット記録装置は、チューブの初期寸法に基づき予め設定された初期寸法対応値を記憶する初期値記憶手段を備える。
【0037】
請求項10の場合、平均値決定手段は、対応値記憶手段が記憶する寸法対応値の個数が1個以上あるものの2個以上の予め定めた個数未満である場合には、対応値記憶手段が記憶する少なくとも1個の寸法対応値と、初期値記憶手段が記憶する初期寸法対応値との平均値を決定する。また、駆動手段は、該平均値に基づき、移送手段の駆動制御を行う。
【0038】
このようにすれば、移送量決定手段によって決定される多数個の移送量に基づき、チューブの寸法対応値が多数個実際に決定される前の段階においても、チューブの実際の寸法対応値に比較的正確に対応した移送手段の駆動制御が実現する可能性が高くなる。
【0039】
請求項9または請求項10に記載の態様においては、請求項11に記載の態様を採用しても良い。すなわち、請求項11に記載のインクジェット記録装置は、平均値決定手段によって決定された平均値を記憶する平均値記憶手段と、対応値決定手段によって最新の寸法対応値が決定され、対応値記憶手段が当該最新の寸法対応値を記憶した際に、当該最新の寸法対応値と、平均値記憶手段が記憶する平均値との間の偏差が予め定めた範囲外の値か否かを判断する偏差判断手段と、を備える。
【0040】
ここで、請求項11では、偏差判断手段により、上記偏差が予め定めた範囲外の値であると判断された際には、平均値決定手段は、対応値記憶手段が記憶する最新の寸法対応値を含む少なくとも2個の寸法対応値の平均値を決定すると共に、平均値記憶手段は、当該決定した平均値を、平均値記憶手段が今まで記憶していた平均値の更新値として記憶する。
【0041】
また、請求項11では、偏差判断手段により、上記偏差が予め定めた範囲外の値ではないと判断された際には、平均値決定手段は、平均値記憶手段が今まで記憶していた平均値を、駆動手段が移送手段を制御する際に用いる平均値として決定する。
【0042】
この場合には、対応値決定手段が決定した最新の寸法対応値と平均値記憶手段が記憶する平均値との間の偏差が比較的大きい場合だけ移送手段を制御する際に用いられる平均値が変更される分だけ、対応値決定手段によって最新の寸法対応値が決定される度に当該平均値が変更される場合に比べて、駆動手段により実行される制御処理が簡略化される。
【0043】
請求項12に記載の如く、本発明において、駆動手段は、移送量決定手段によって少なくとも1回決定された移送量に基づき、少なくともチューブ内に存するインクと気泡との混合物の廃棄移送量を決定すると共に、該廃棄移送量の混合物をチューブ内から廃棄させるよう、移送手段の駆動制御を行うものであっても良い。
【0044】
また、請求項13に記載の如く、本発明において、駆動手段は、平均値決定手段によって決定された平均値に基づき、少なくともチューブ内に存するインクと気泡との混合物の廃棄移送量を決定すると共に、該廃棄移送量の混合物をチューブ内から廃棄させるよう、移送手段の駆動制御を行うものであっても良い。
【0045】
また、請求項14に記載の如く、本発明において、駆動手段は、対応値決定手段によって決定された寸法対応値に基づき、少なくともチューブ内に存するインクと気泡との混合物の廃棄移送量を決定すると共に、該廃棄移送量の混合物をチューブ内から廃棄させるよう、移送手段の駆動制御を行うものであっても良い。
【0046】
これらの場合には、上記「廃棄移送量」がチューブの寸法対応値に対応したものとして決定される分だけ、少なくともチューブ内から廃棄される無駄なインク量を低減できる。
本発明において、上記寸法対応値は、チューブにおける第一の検出位置から第二の検出位置までの部分の内径(以下、単に「チューブ内径」ともいう。)と、チューブにおける第一の検出位置から第二の検出位置までの部分内をインクが流動する際の流路抵抗(圧力損失)(以下、単に「チューブ流路抵抗」ともいう。)とのうちの一方であっても良い。
【0047】
この場合には、請求項4または請求項5に従属する請求項15に記載の如く、駆動手段は、対応値決定手段によって決定された寸法対応値に基づき、噴射ノズルの吐出能力回復のためにチューブ内に存するインクにかけるべき圧力を決定すると共に、該圧力に対応した移送手段の駆動制御を行うものであっても良い。
【0048】
また、この場合には、請求項9〜請求項11のいずれかに従属する請求項16に記載の如く、駆動手段は、平均値決定手段によって決定された平均値に基づき、噴射ノズルの吐出能力回復のためにチューブ内に存するインクにかけるべき圧力を決定すると共に、該圧力に対応した移送手段の駆動制御を行うものであっても良い。
【0049】
上述したように、移送量決定手段が決定する移送量は、チューブ内の2つの検出位置間の容積に対応する。
ここで、例えば、チューブにおける第一の検出位置から第二の検出位置までの部分の長さ寸法(以下、単に「チューブ長さ」ともいう。)や、チューブ内壁面における第一の検出位置から第二の検出位置までの部分の表面粗さ(以下、単に「チューブ粗さ」ともいう。)のそれぞれをチューブの違いに拘らず予め定めた同じ値と仮定できる状況下を想定してみる。
【0050】
この場合においては、移送量決定手段が決定する移送量に基づき、チューブ内径を上記寸法対応値として決定可能である。また、チューブ内径とチューブ長さとチューブ粗さとが明らかであれば、チューブ流路抵抗も上記寸法対応値として決定可能である。
【0051】
そして、例えば、噴射ノズルの吐出能力回復を図るためのパージ動作時に、噴射ノズルの部分にかけるべき圧力が規定値として設定されている場合には、当該規定値とチューブ流路抵抗とに基づき、チューブ内に存するインクにかけるべき圧力を決定することは可能となる。
【0052】
従って、請求項15や16の場合には、上記「噴射ノズルの吐出能力回復のためにチューブ内に存するインクにかけるべき圧力」がチューブの寸法対応値(「チューブ内径」あるいは「チューブ流路抵抗」)に対応したものとして決定される分だけ、噴射ノズルの吐出能力回復のために噴射ノズルから吐出される無駄なインク量を低減できる。
【0053】
本発明のインクジェット記録装置は、請求項17に記載の如く、チューブにおける第一の検出位置から第二の検出位置まで気泡が移動する前に、チューブを介して移送されるインクと気泡との混合物の移送量が予め定めた量以上になったか否かを判断する判断手段を備えていても良い。
【0054】
この場合には、該判断手段により、チューブにおける第一の検出位置から第二の検出位置まで気泡が移動する前に、チューブを介して移送される混合物の移送量が上記予め定めた量以上になったと判断された際には、移送量決定手段は、上記予め定めた量以上になった移送量を、移送量決定手段によって決定される移送量から除外する。
【0055】
このようにすれば、第一の検出位置で検出したチューブ内の気泡が、例えば、インクがチューブ外に移送されることに伴い、チューブ内を移動する気泡でなかった場合に、誤って、当該「第一の検出位置で検出したチューブ内の気泡」の移動に基づき、移送量決定手段が移送量を決定してしまうことを防止できる。
【0056】
本発明のインクジェット記録装置では、請求項18に記載の如く、第一の検出位置については、チューブにおけるメインタンク側の端部付近に設定される一方、第二の検出位置については、チューブにおけるサブタンク側の端部付近に設定されていても良い。
【0057】
このようにすれば、第一の検出位置と第二の検出位置との間隔がチューブの実際の長さ寸法に近くなる分だけ、チューブ全体の寸法対応値に対応した移送手段の駆動制御が実現され易くなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0058】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
[インクジェット記録装置1の全体構成の説明]
図1は、本発明を適用するのに好適なインクジェット記録装置1の外形斜視図である。また、図2は、インクジェット記録装置1の断面図である。
【0059】
インクジェット記録装置1は、プリンタ機能、コピー機能、スキャナ機能、ファクシミリ機能等を備えた、いわゆる多機能装置(MFD:Multi Function Device)であり、被記録媒体として、紙又はプラスチックフィルム等のシート状の用紙が用いられる。なお、本インクジェット記録装置1では、ファクシミリ機能においては、モノクロ画像記録を行い、プリンタ機能及びコピー機能においては、カラー及びモノクロ画像記録を行うことが可能である。
【0060】
図1及び図2に示すように、インクジェット記録装置1は、ケース1aの上部にスキャナ2が設けられ、その下部(ケース1a内の上部)に、上記各種機能において記録用紙40への記録(画像形成)を行うための記録部7が設けられている。
【0061】
図2に示すように、ケース1a内の下部には、給紙装置30が設けられている。また、ケース1a内の後方であって給紙装置30よりも上方には、箱型の金属製のフレーム5が配置されている。フレーム5は左右方向に長いほぼ直方体形状であり、ケース1aの内部に固定されている。
【0062】
フレーム5内の上部には記録部7が配置されている。記録部7は、プリンタ画像記録を行うための記録ヘッド4を搭載して左右(主走査方向)へ往復移動可能なキャリッジ4a及びその他の機構からなる。この記録部7において、キャリッジ4aはCPU等からなる制御装置110(図2には示さず。図6参照)により制御されることにより左右に往復することで記録ヘッド4も走査される。記録ヘッド4はこの走査時に噴射ノズル14a(図2には示さず。図3(a)参照)からインクを吐出することで記録ヘッド4の下方で停止配置される記録用紙40に画像を記録する。
【0063】
また、記録部7におけるキャリッジ4aの待機位置に相当する位置にはメンテナンスユニット(図示なし)が搭載されている。メンテナンスユニット部分では、ブレード等による記録ヘッド4のノズル面の拭き取りを行うワイピング動作や、噴射ノズル14a内からゴミや空気、更には固化したインクを強制的に除去するためのパージ動作、フラッシング動作等の各種メンテナンス動作が行われる。
【0064】
ケース1a内部の前方には、フルカラー画像記録のための4色(ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー)のインクをそれぞれ収容した4個のインクカートリッジ13(図2には示さず。図3参照)が収納されている。これらのインクカートリッジ13は、着脱可能に構成されており、インクの補充を行う場合はインクカートリッジ13ごと交換する。なお、インクカートリッジ13は、メインタンクに該当する。
【0065】
各インクカートリッジ13に収容されているインクは、各インクカートリッジ13と記録ヘッド4とを結ぶ4本のインク供給チューブ11を介して記録ヘッド4へ供給されるように構成されている。そして、これらのインク供給チューブ11は、キャリッジ4aの往復運動に対して従動可能に支持されている。
【0066】
また、フレーム5の後方には、給紙装置30の後方から記録部7へと記録用紙40を案内する搬送路5aが形成されている。記録部7は、搬送路5aの出口に隣接する箇所に搬送ローラ7aを有し、画像の記録された記録用紙40を排出する箇所に排出ローラ7bを有する。この搬送ローラ7aは用紙搬送モータ123(図2には示さず。図6参照)の回転駆動力を受けて回転する。
【0067】
給紙装置30は、ケース1aの開口部1bから挿入されてセットされた給紙カセット3を備えている。この給紙カセット3には、積み重ねた記録用紙40を収納する用紙収納部3aが設けられ、給紙カセット3がケース1a内に挿入されると、用紙収納部3a内の記録用紙40はケース1a内の後方に配置される。
【0068】
そして、用紙収納部3aの最上層に積層されている記録用紙40は、給紙ローラ8が回転することにより、搬送路5aを経て記録部7へ送り出される。なお、給紙ローラ8は、駆動軸9に軸支された長尺状のアーム10の先端部に回転可能に保持されており、駆動軸9が給紙モータ122(図2には示さず。図6参照)の回転駆動力を受けて回転することによりその回転が伝達されて回転するよう構成されている。
【0069】
また、インクジェット記録装置1の上部前面には、各種操作ボタンや液晶パネルなどからなる操作パネル6が設けられている。この操作パネル6により、ユーザは当該インクジェット記録装置1におけるプリンタモード、コピーモード、スキャナモード、ファクシミリモードといった各モードの選択をしたり、各種モードにおける各種設定項目を設定したり、ファクシミリ番号などの必要事項を入力したり、動作状況や通信履歴などを確認したりすることができる。また、この操作パネル6のユーザによる操作により、噴射ノズル14aの吐出能力回復を図るために比較的高圧のインク吐出を噴射ノズル14aを介して行うこと(パージ動作)を行うこともできる。
【0070】
[インク供給機構の説明]
図3は、インクジェット記録装置1のインク供給機構の概略構成を示す説明図であり、(a)はインク供給機構の側断面を模式的に示す図、(b)は記録ヘッド4の上視断面を模式的に示す図である。
【0071】
インク供給機構は、記録部7のキャリッジ4a上に設けられたマゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)、ブラック(K)各色のインクに対応する4基の記録ヘッド4(図3(b)参照)へそれぞれに対応するインクカートリッジ13からインクを供給するための機構である。図3(a)に示すように、各色のインクに対応する記録ヘッド4内にそれぞれ設けられたサブタンク14と、各色のインクのインクカートリッジ13とは、インク供給チューブ11とインク供給チューブ11の途中に設けられたポンプ12とを介して連通している。つまり、4基の記録ヘッド4にそれぞれ対応して、インク供給チューブ11及びポンプ12が設けられている。本実施形態では、それぞれのポンプ12は、インク供給チューブ11それぞれのインクカートリッジ13側の端部近傍に設けられている。なお、ポンプ12は、移送手段に該当する。
【0072】
インク供給チューブ11におけるポンプ12のサブタンク14側近傍(第一の検出位置)には、インク供給チューブ11内の気泡を検出可能な気泡検知装置11aが設置されている。また、インク供給チューブ11におけるサブタンク14近傍(第二の検出位置)には、インク供給チューブ11内の気泡を検出可能な気泡検知装置11bが設置されている。なお、インク供給チューブ11の内部容積をより正確に把握する観点から、第一の検出位置についてはポンプ12(換言すれば、インクカートリッジ13)に近いほど好ましく、第二の検出位置についてはサブタンク14に近いほど好ましい。また、これら気泡検知装置11aおよび気泡検知装置11bは後述する制御装置110と電気的に接続されている。なお、気泡検知装置11aおよび気泡検知装置11bの構成としては、インク供給チューブ11を光が透過する状態をフォトセンサで検知することで気泡の有無を検知する構成(光学式検知装置)や、インク供給チューブ11の部分について電気抵抗値を継続的に検知し、該抵抗値の変化に基づいて気泡の有無を検知する構成(電気抵抗式検知装置)などが考えられる。但し、これらの構成はいずれも公知技術に従ったものであるためここではその詳細な説明は省略する。
【0073】
記録ヘッド4は、その下方のノズル面に設けられた噴射ノズル14aから吐出するインクを貯留するためのサブタンク14と、サブタンク14を大気開放又は閉成するためのバルブユニット15を備える。サブタンク14とバルブユニット15との間は、空気を透過しインクを透過させない選択透過膜である気体透過膜15dを介して連通している。これにより、バルブユニットによる大気開放時は、空気だけがサブタンク14とバルブユニット15の間を流通し、インクはサブタンク14からバルブユニット15へは漏れ出さない構造となっている。
【0074】
バルブユニット15は、上部の大径部15fと、下部に設けられた小径の通気孔15eとを有する。大径部15f内には大径の弁体と小径のロッドとが一体に形成されたバルブ15bが昇降可能に収納されている。また、バルブ15bの弁体の下端面側と通気孔15eの上端面側との間にはシール用のOリングであるパッキン15cが介在している。そして、バルブ15bは大径部15f内に設けられたコイルスプリング等のばね15aによって常時下向きに押圧されている。この状態で、パッキン15cがバルブ15bの弁体と大径部15fの下端面とによって押圧されて、バルブ閉成状態となる。このとき、バルブ15bのロッドは通気孔15eの下端開口近傍まで延びてきている。一方、記録ヘッド4の待機位置等に設けられたリリースロッド16が上昇して、バルブ15bのロッドをばね15aの付勢力に抗して上向きに押圧すると、バルブ15bの弁体がパッキン15cから離れ、バルブ開成状態、即ち大気開放状態となる。
【0075】
ポンプ12は、インク供給チューブ11の途中に設けられている。このポンプ12は、インクをインクカートリッジ13から記録ヘッド4のサブタンク14へ供給する方向(以下、インク供給方向と称す。)と、インクをサブタンク14からインクカートリッジ13へ戻す方向(以下、インク退避方向と称す。)との双方向にインクを液送可能なポンプである。
【0076】
図4は、ポンプ12の具体例を示す図であり、(a)はねじポンプ12aの概略構成を示し、(b)はベーンポンプ12dの概略構成を示す図である。
ねじポンプ12aでは、図4(a)に示すように、ケーシング12bに内接してねじ形回転子12cを回転させることで、インクがねじ形回転子12cのねじ山とケーシング12bの内壁との間にできる隙間を満たして軸方向へ送られ、ポンプとして機能する。一方、ベーンポンプ12dは、図4(b)に示すように、ロータ12fに放射状に設けられた溝の中を板状の羽根(ベーン)12gがロータ12fの半径方向へ自由に出入りするような構成を有する。ロータ12fが回転することによってベーン12gが遠心力でロータ12fの半径方向外方へ延出し、ベーン12gの先端がケーシング12eの内周面に接触し、ロータ12fの回転に伴って摺動する。ロータ12fの回転によって、ベーン12g、ロータ12f及びケーシング12eで囲まれた室の大きさが拡大、縮小することによってポンプとして作用する。なお、本実施形態のインクジェット記録装置1においては、インク液送用のポンプ12としてねじポンプ12a、ベーンポンプ12dの何れを用いてもよい。
【0077】
図5は、ポンプ駆動切替機構17の概略構成を示す図である。このポンプ駆動切替機構17は、K、Y、C、Mの各色のインクに対応する各ポンプ12を選択的に駆動するためのものである。
【0078】
図5(a)に示すように、ポンプ駆動切替機構17は、K、Y、C、M各色のインク用のポンプ12への駆動力の連結切替を行うための駆動切替ギア18、ポンプ駆動モータ23(図5には示さず。図6参照)の作動により回転するポンプ駆動軸19、ポンプ駆動軸19を軸に回転可能に支持されているギア支持部材20、ポンプ駆動軸19に軸通されている駆動軸ギア21a、ギア支持部材20の一端に軸支され駆動軸ギア21aと係合する中間ギア21b、及びポンプ12を駆動するためのポンプ側ギア21c等からなる。なお、ギア支持部材20、駆動軸ギア21a、中間ギア21b及びポンプ側ギア21cからなる一連の構成ついては、各色のインクに対応するポンプ12ごとに設けられている。また、各ギア支持部材20は、中間ギア21bをポンプ側ギア21cへ係合させる方向へ常に付勢されている。
【0079】
駆動切替ギア18は、ステッピングモータ等の駆動切替モータ22(図5には示さず。図6参照)の作動によって回転するように構成されている。この駆動切替ギア18には、回転したときに下方に設けられている各ギア支持部材20の他端に係合する帯状の歯18aが4方向へ90°おきに放射状に形成されている。更に、各方向の歯18aには、それぞれ異なる位置に1箇所、各歯18aと1対1で対応するギア支持部材20と係合しないように切欠きが設けられている。つまり、この駆動切替ギア18を所定量(90°)ずつ回転させることで、駆動切替ギア18に設けられた各歯18aとその切欠き部分との作用により、駆動するポンプを1台ずつ選択することができるように構成されている。
【0080】
具体的には、図5(b)に示すように、この歯18aの切欠き部分が下側にあるとき、この切欠き部分に対応するギア支持部材20が中間ギア21bをポンプ側ギア21cへ押圧し、中間ギア21bがポンプ側ギア21cと係合する。したがって、駆動軸ギア21a、中間ギア21b及びポンプ側ギア21cが互いに係合している状態になる。このとき、ポンプ駆動モータ23の駆動を受けて回転するポンプ駆動軸19の回転が、ポンプ駆動軸19に軸通されている駆動軸ギア21a及び中間ギア21bを介してポンプ側ギア21cへ伝達され、ポンプ側ギア21cが回転することによってポンプ12が駆動する。
【0081】
一方、図5(c)に示すように(この図は駆動切替ギア18が図5(b)に示す状態から反時計回りへ90°だけ回転した状態を示す。)、歯18aが下側へ回りギア支持部材20の他端側と係合している状態では、ギア支持部材20が付勢力に逆らってポンプ駆動軸19を中心に回転し(図5(c)では、時計回り方向。)、ギア支持部材20の一端側に軸支されている中間ギア21bとポンプ側ギア21cとの係合が離れる。このとき、ポンプ駆動軸19の回転がポンプ側ギア21cへ伝達されず、ポンプ12は駆動しない。
【0082】
なお、ポンプ駆動切替機構17においては、ポンプ駆動モータ23の回転方向を正逆切り替えることで各ポンプ12を正逆両方向駆動すること、即ちインク供給方向とインク退避方向との双方向にインクを液送することが可能である。
【0083】
[インクジェット記録装置1の電気的構成]
ここで、インクジェット記録装置1の電気的構成について、図6のブロック図を用いて説明する。
【0084】
図6に示すように、インクジェット記録装置1は、CPU111、ROM112、RAM113及びEEPROM114を有する制御装置110を備えている。
この制御装置110は、記録用紙40の有無やその先端部、後端部、幅方向における端縁などを検出可能な周知のメディアセンサやレジストセンサなどからなる各種センサ群116、記録用紙40の搬送量(位置)を検出する用紙搬送用エンコーダ117、操作パネル6、キャリッジ送り用エンコーダ118等と電気的に接続されている。
【0085】
そして更に、制御装置110は、給紙モータ122を駆動するための給紙モータ駆動回路120a、用紙搬送モータ123を駆動するための搬送モータ駆動回路120b、キャリッジモータ124を駆動するためのキャリッジモータ駆動回路120c、記録ヘッド4を駆動(インクを吐出)するための記録ヘッド駆動回路120d、駆動切替モータ22を駆動するための駆動切替モータ駆動回路120e、ポンプ駆動モータ23を駆動するためのポンプ駆動モータ駆動回路120f、及びリリースロッド駆動部24を駆動するためのリリースロッド駆動回路120gの各々と電気的に接続されている。
【0086】
そして、ROM112やEEPROM114に格納された各種プログラムに従ってCPU111が各駆動回路120a〜120gを制御することで、それぞれの駆動対象が駆動・制御されることとなる。なお、既述の通り、給紙モータ122の回転により給紙ローラ8が駆動され、用紙搬送モータ123の回転により搬送ローラ7aが駆動される。
【0087】
また、制御装置110は、各インク供給チューブ11の気泡検知装置11a,11bと電気的に接続されている。
また、制御装置110のRAM113は、各インク供給チューブ11毎に、寸法対応値の初期値である初期寸法対応値を記憶する。
【0088】
ここで、寸法対応値とは、インク供給チューブ11の寸法(詳しくは、インク供給チューブ11における第一の検出位置から第二の検出位置までの部分の寸法)から得られる値のことであり、例えば、インク供給チューブ11の内径、長さ、内部容積、内部流路抵抗(圧力損失)が寸法対応値に該当する。
【0089】
寸法対応値の種類としては、このように種々の態様のものを採用し得る。本実施形態では、次の(1)、(2)の2種類の値それぞれを寸法対応値とした場合につき、以下において説明する。
【0090】
(1)各インク供給チューブ11における第一の検出位置から第二の検出位置までの部分の内径(以下、単に「各インク供給チューブ11の内径」、「インク供給チューブ11の内径」、あるいは「寸法対応値1」ともいう。)
(2)各インク供給チューブ11における第一の検出位置から第二の検出位置までの部分内をインクが流動する際の流路抵抗(圧力損失)(以下、単に「各インク供給チューブ11の流路抵抗」、「インク供給チューブ11の流路抵抗」、あるいは「寸法対応値2」ともいう。)
また、初期寸法対応値とは、寸法対応値の初期値のことである。初期寸法対応値の具体例としては、例えば、設計上の寸法対応値、あるいは、当該インクジェット記録装置1を製造する際に実測した寸法対応値などが考えられる。
【0091】
本実施形態では、「各インク供給チューブ11の内径」の設計上の値と、「各インク供給チューブ11の流路抵抗」の設計上の値とのそれぞれを初期寸法対応値としてRAM113に記憶した場合につき、以下では説明する。以下、「各インク供給チューブ11の内径」に関する初期寸法対応値を「初期寸法対応値1」ともいい、「各インク供給チューブ11の流路抵抗」に関する初期寸法対応値を「初期寸法対応値2」ともいう。
【0092】
また、RAM113は、「各インク供給チューブ11の内径」と、ポンプ液送量とを対応付けたテーブルを記憶する(図9参照)。
ここで、ポンプ液送量とは、初期導入時と、初期導入時を起点とした予め定めた時間経過毎の時点とにおいて廃棄される、少なくとも各インク供給チューブ11内(本実施形態では、各インク供給チューブ11内と各インク供給チューブ11に接続された記録ヘッド4(サブタンク14)内)に存するインクと気泡との混合物のポンプ12による廃棄移送量のことである。このような廃棄により、各インク供給チューブ11内に増粘したインクが残留することが好適に防止される。なお、「初期導入時」とは、インクジェット記録装置1の電源をユーザが最初に投入した時、のことである。
【0093】
また、RAM113は、「各インク供給チューブ11の流路抵抗」と、ポンプ液送圧とを対応付けたテーブルも記憶する(図10参照)。
ここで、ポンプ液送圧とは、ユーザの操作パネル6操作等に応じて、各インク供給チューブ11が接続された記録ヘッド4が有する噴射ノズル14aの吐出能力回復を図るパージ動作が行われる際に、インク供給チューブ11内に存するインク(具体的には、インクと気泡の混合物)にポンプ12がかけるべき圧力のことである。
【0094】
また、制御装置110のRAM113は、計量されたインクの吐出量を記憶するのに利用される。インクの吐出量の計量は、各ノズルからインクが吐出されるごとにカウント処理(後述のS320〜S340、S370〜S380(図8))を行うことにより実行される。
【0095】
カウント処理においては、予め定めた量のインクが吐出される度にRAM113に記憶されるカウント値が所定値(例えば、1)ずつ増加される。1度に増加されるカウント値は、吐出したインク滴の大きさによって変更される。
【0096】
例えば、比較的小さなインク滴が1度吐出された場合には、カウント値を1増加させる一方、比較的大きなインク滴が1度吐出された場合には、カウント値を3増加させる、といった処理が実行される。
【0097】
また、カウント処理では、例えば、操作パネル6のユーザによる操作により、噴射ノズル14aの吐出能力回復を図るためのパージ動作(吐出能回復処理)が行われた場合にもカウント値を所定値(例えば、50)増加させる処理が実行される。
【0098】
なお、RAM113は、1カウント値当たりのインク吐出量(以下、単に「単位吐出量」ともいう。)も記憶する。単位吐出量は、カウント停止時(後述のS340(図8))のカウント値を、各インク供給チューブ11における第一の検出位置から第二の検出位置まで気泡が移動する間に、各インク供給チューブ11に対応した各噴射ノズル14aから吐出されたインク量(以下、単に「インク移送量」ともいう。)に換算するために用いられる。
【0099】
ここで、「インク移送量」とは、換言すれば、各インク供給チューブ11における第一の検出位置から第二の検出位置まで気泡が移動する間に、各インク供給チューブ11を介して移送されるインクと気泡との混合物の移送量、のことである。
【0100】
また、制御装置110は、各インク供給チューブ11内および各インク供給チューブ11に接続された記録ヘッド4(サブタンク14)内のインクを入れ替える「インク入替処理」、および各インク供給チューブ11に関するランクデータの検出・記憶を行う「チューブランク検出処理」(詳細については後述する。)を実行する。
【0101】
なお、制御装置110(特に、RAM113とCPU111)は、初期値記憶手段、対応値記憶手段、平均値記憶手段に該当する。また、制御装置110(特に、CPU111とRAM113)は、気泡検知装置11a,11bとともに移送量決定手段、吐出量計量手段に該当する。また、制御装置110(特に、CPU111)は、対応値決定手段、平均値決定手段、偏差判断手段、判断手段に該当する。また、制御装置110(特に、CPU111)は、駆動切替モータ駆動回路120e、駆動切替モータ22、ポンプ駆動モータ駆動回路120f、ポンプ駆動モータ23とともに駆動手段に該当する。
【0102】
[インク入替処理の説明]
以下、制御装置110が実行するインク入替処理について、図7のフローチャートに基づいて説明する。なお、図7は、制御装置110において実行されるインク入替処理の手順を示すフローチャートである。
【0103】
このインク入替処理は、各インク供給チューブ11内に増粘したインクが残留することを好適に防止するため、インク供給チューブ11内および記録ヘッド4内のインクを入れ替える処理であり、インクジェット記録装置1の電源が入っている際に繰り返し実行される。
【0104】
まず、初期導入時か、あるいは、本処理のサブルーチンであるインク入替動作が前回実行されてから所定時間が経過したか否かを判断する(S210)。なお、ここでいう所定時間については、インク供給チューブ11内および記録ヘッド4内のインクの増粘性を考慮して20日から30日程度に設定されることが好ましい。本実施形態では、所定時間は20日と設定されている。初期導入時でない、あるいは、所定時間が経過していないと判断された場合には(S210:N)、そのまま本処理を終了する。一方、初期導入時である、あるいは、所定時間が経過していると判断された場合には(S210:Y)、サブルーチンであるインク入替動作を実行する(S220)。そして、インク入替動作を実行した時間をRAM113等に記憶し(S230)、本処理を終了する。
【0105】
次に、サブルーチンであるインク入替動作(S220)について説明する。まず、RAM113から各インク供給チューブ11に対応したランクデータ(ポンプ液送量(図9参照))を呼び出し(S222)、その呼び出したランクデータに基づいて各ポンプ12を作動させる(S224)。つまり、後述のS340〜S360の処理(図8)において、各インク供給チューブ11の内径に基づいて決定されたポンプ液送量のインク(具体的には、インクと気泡との混合物)を排出するよう各ポンプ12を作動させるのである。そして、リターンする。なお、ランクデータ(ポンプ液送量)については、後述するチューブランク検出処理にてRAM113に記憶される。
【0106】
[チューブランク検出処理の説明]
以下、制御装置110が実行するチューブランク検出処理について、図8のフローチャート、図9、および図10に基づいて説明する。なお、図8は、各インク供給チューブ11に関して制御装置110において実行されるチューブランク検出処理の手順を示すフローチャートである。また、図9は、インク供給チューブ11の内径と、ポンプ液送量とを対応付けた対応設定ランク表を示す説明図である。また、図10は、インク供給チューブ11の流路抵抗と、ポンプ液送圧とを対応付けた対応設定ランク表を示す説明図である。
【0107】
このチューブランク検出処理は、各インク供給チューブ11の内径を検出することで各インク供給チューブ11に対応した2種類のランクデータ(ポンプ液送量(図9参照)とポンプ液送圧(図10参照))を検出する処理であり、インクジェット記録装置1の電源が入っている際に繰り返し実行される。また、このチューブランク検出処理は、上述の4基の記録ヘッド4にそれぞれ対応して設けられたインク供給チューブ11ごとに実行される。
【0108】
まず、気泡検知装置11aからの出力信号に基づき、第一の検出位置にて気泡を検出したか否かを判断する(S310)。第一の検出位置にて気泡を検出していないと判断された場合には(S310:N)、そのまま本処理を終了する。一方、第一の検出位置にて気泡を検出したと判断された場合には(S310:Y)、カウント処理に使用するカウント値をリセットするとともに、カウント処理をスタートさせる(S320)。
【0109】
続いて、気泡検知装置11bからの出力信号に基づき、第二の検出位置にて気泡を検出したか否かを判断する(S330)。第二の検出位置にて気泡を検出していないと判断された場合には(S330:N)、インクの吐出量を計量したカウント値がMAX値であるか否かを判断する(S370)。カウント値がMAX値でなければS330に戻り(S370:N)、カウント値がMAX値であればカウント処理を停止してS310に戻る(S370:Y、S380))。ここでMAX値とは、気泡が第一の検出位置から第二の検出位置に至るまでにカウント処理においてカウントされるべきカウント値の最大値をいう。換言すれば、このMAX値をカウントしても第二の検出位置で気泡を検出できなければ、その気泡はインクの消費(換言すれば、インク吐出に伴うインク供給チューブ11外へのインク移送)によってインク供給チューブ11内を移動する気泡ではないものとして、カウント処理が停止される。
【0110】
一方、第二の検出位置にて気泡を検出していると判断された場合には(S330:Y)、カウント処理を停止する(S340)。
S340では、この停止時点のカウント値とRAM113に記憶された単位吐出量とに基づき、インク移送量を決定する。そして、このインク移送量からインク供給チューブ11の内径と、インク供給チューブ11の流路抵抗とを決定し、この両者をRAM113に記憶する。
【0111】
なお、ここで決定されるインク移送量は、インク供給チューブ11における第一の検出位置と第二の検出位置との間の部分内の容積(以下、単に「インク供給チューブ11の容積」ともいう。)に対応する。
【0112】
また、本実施形態では、インク供給チューブ11における第一の検出位置から第二の検出位置までの部分の長さ寸法(以下、単に「インク供給チューブ11の長さ」ともいう。)や、インク供給チューブ11の内壁面における第一の検出位置から第二の検出位置までの部分の表面粗さ(以下、単に「チューブ粗さ」ともいう。)のそれぞれを、インク供給チューブ11の違いに拘らず予め定めた同じ値と仮定している。
【0113】
よって、S340では、インク供給チューブ11の容積に対応するインク移送量からインク供給チューブ11の内径を決定できる。また、S340では、該インク供給チューブ11の内径からインク供給チューブ11の流路抵抗も決定できる。
【0114】
次に、S350では、S340で決定されたインク供給チューブ11の内径と、インク供給チューブ11の内径に関する現在保有値(以下、単に「保有値1」ともいう。)との間の偏差が予め定めた範囲外の値か否かを判断する。
【0115】
本実施形態では、保有値1は、RAM113に予め記憶された値であり、その具体的態様としては、次の3つの態様が想定される。
(1)初期寸法対応値1(本実施形態では、「インク供給チューブ11の内径」の設計上の値)
初期寸法対応値1は、初期導入時以降において、最初のチューブランク検出処理が実行されているときに保有値1として用いられる。
【0116】
(2)少なくとも1個の寸法対応値1(本実施形態では、S340の処理を少なくとも1度実行することで決定・記憶された少なくとも1個の「インク供給チューブ11の内径」値)と、初期寸法対応値1との平均値
2回目以降のチューブランク検出処理が実行されているときであって、RAM113に記憶された寸法対応値1の個数が1個以上あるものの2個以上の予め定めた個数(例えば3個)未満である場合には、当該寸法対応値1と初期寸法対応値1との平均値が保有値1として用いられる。
【0117】
(3)S340の処理を繰り返し実行することで決定・記憶された予め定めた個数(例えば3個)以上の寸法対応値1の平均値
RAM113に記憶された寸法対応値1の個数が比較的多くなった場合には、例えば、最近の複数回(例えば、3回)のS340の処理にて決定・記憶された予め定めた個数の寸法対応値1の平均値が保有値1として用いられる。
【0118】
また、S350では、S340で決定されたインク供給チューブ11の流路抵抗と、インク供給チューブ11の流路抵抗に関する現在保有値(以下、単に「保有値2」ともいう。)との間の偏差が予め定めた範囲外の値か否かも判断する。
【0119】
本実施形態では、保有値2は、RAM113に予め記憶された値であり、その具体的態様としては、次の3つの態様が想定される。
(1)初期寸法対応値2(本実施形態では、「インク供給チューブ11の流路抵抗」の設計上の値)
初期寸法対応値2は、初期導入時以降において、最初のチューブランク検出処理が実行されているときに保有値2として用いられる。
【0120】
(2)少なくとも1個の寸法対応値2(本実施形態では、S340の処理を少なくとも1度実行することで決定・記憶された少なくとも1個の「インク供給チューブ11の流路抵抗」値)と、初期寸法対応値2との平均値
2回目以降のチューブランク検出処理が実行されているときであって、RAM113に記憶された寸法対応値2の個数が1個以上あるものの2個以上の予め定めた個数(例えば3個)未満である場合には、当該寸法対応値2と初期寸法対応値2との平均値が保有値2として用いられる。
【0121】
(3)S340の処理を繰り返し実行することで決定・記憶された予め定めた個数(例えば3個)以上の寸法対応値2の平均値
RAM113に記憶された寸法対応値2の個数が比較的多くなった場合には、例えば、最近の複数回(例えば、3回)のS340の処理にて決定・記憶された予め定めた個数の寸法対応値2の平均値が保有値2として用いられる。
【0122】
そして、S350の処理では、下記の条件(1)、(2)のうち少なくとも一方の条件が満たされたと判断されれば、肯定判断を行い(S350:Y)、S360に移行する一方、両方の条件が満たされないと判断されれば、否定判断を行い(S350:N)、そのまま本処理を終了する。
【0123】
条件(1)S340で決定されたインク供給チューブ11の内径と、保有値1との間の偏差が予め定めた範囲外にあること。
条件(2)S340で決定されたインク供給チューブ11の流路抵抗と、保有値2との間の偏差が予め定めた範囲外にあること。
【0124】
続くS360では、次の処理を行う。
具体的には、上記条件(1)が満たされたとS350で判断された場合には、次の(A)、(B)のうちいずれかの処理が実行される。
【0125】
(A)本処理のS340でRAM113に記憶した寸法対応値1を含む少なくとも1つの寸法対応値1と初期寸法対応値1との平均値を決定し、該平均値を保有値1の更新値としてRAM113に記憶する。
【0126】
この(A)の処理は、本処理のS340でRAM113に記憶した寸法対応値1を含めてRAM113に記憶された寸法対応値1の個数の総数が予め定めた個数(例えば3個)未満である場合に実行される。
【0127】
(B)本処理のS340でRAM113に記憶した寸法対応値1を含む、最近の複数回(例えば、3回)のS340の処理にてRAM113に記憶した複数個の寸法対応値1の平均値を決定し、該平均値を保有値1の更新値としてRAM113に記憶する。
【0128】
この(B)の処理は、RAM113に記憶された寸法対応値1の個数の総数が予め定めた個数(例えば3個)以上である場合に実行される。
そして、S360では、上記(A)、(B)のうちいずれかの処理にて更新された保有値1(インク供給チューブ11の内径)から、RAM113に記憶されたテーブル(図9参照)に基づき、ポンプ液送量を決定する。具体的には、保有値1(インク供給チューブ11の内径)とポンプ液送量との間に次の計算式(1)が成立するようにポンプ液送量を決定する。
【0129】
An^2 × 3.14(円周率) / Qn = 一定・・・(1)
なお、Anはインク供給チューブ11の内径、Qnはポンプ液送量である(nは1以上の整数)。
【0130】
S360では、上記のように決定されたポンプ液送量を、上記S224の処理で使用するランクデータとしてRAM113に記憶する。
また、S360では、上記条件(2)が満たされたとS350で判断された場合には、次の(C)、(D)のうちいずれかの処理が実行される。
【0131】
(C)本処理のS340でRAM113に記憶した寸法対応値2を含む少なくとも1つの寸法対応値2と初期寸法対応値2との平均値を決定し、該平均値を保有値2の更新値としてRAM113に記憶する。
【0132】
この(C)の処理は、本処理のS340でRAM113に記憶した寸法対応値2を含めてRAM113に記憶された寸法対応値2の個数の総数が予め定めた個数(例えば3個)未満である場合に実行される。
【0133】
(D)本処理のS340でRAM113に記憶した寸法対応値2を含む、最近の複数回(例えば、3回)のS340の処理にてRAM113に記憶した複数個の寸法対応値2の平均値を決定し、該平均値を保有値2の更新値としてRAM113に記憶する。
【0134】
この(D)の処理は、RAM113に記憶された寸法対応値2の個数の総数が予め定めた個数(例えば3個)以上である場合に実行される。
そして、S360では、上記(C)、(D)のうちいずれかの処理にて更新された保有値2(インク供給チューブ11の流路抵抗)から、RAM113に記憶されたテーブル(図10参照)に基づき、ポンプ液送圧を決定する。具体的には、保有値2(インク供給チューブ11の流路抵抗)とポンプ液送圧との間に次の計算式(2)が成立するようにポンプ液送圧を決定する。
【0135】
Hn / Pn = 一定・・・(2)
なお、Hnはインク供給チューブ11の流路抵抗、Pnはポンプ液送圧である(nは1以上の整数)。
【0136】
S360では、上記のように決定されたポンプ液送圧を、ランクデータとしてRAM113に記憶する。このランクデータは、今後実行される吐出能回復処理時にポンプ12にかけるべき圧力を示すデータとして使用される。つまり、吐出能回復処理時には、このポンプ液送圧となるよう、制御装置110により、ポンプ12が制御される。
【0137】
[効果]
(1)このように上記実施形態のインクジェット記録装置1によれば、2つの検出位置の間を気泡が移動する間に吐出されたインク量(インク移送量)に基づいて、各インク供給チューブ11の寸法対応値1、2が決定される。そして、寸法対応値1、2に基づいて、インク入替処理時のポンプ液送量や、吐出能回復処理時のポンプ液送圧が決定される。
【0138】
上記実施形態では、このように寸法対応値1、2に基づいたポンプ12の駆動制御が実現される分だけ、インク入替処理時や吐出能回復処理時に噴射ノズル14aから吐出される無駄なインク量を低減させることが可能になる。
【0139】
(2)また、上記実施形態のインクジェット記録装置1によれば、第一の検出位置については、インク供給チューブ11におけるポンプ12のサブタンク14側近傍に設定されており、第二の検出位置については、インク供給チューブ11におけるサブタンク14近傍に設定されている。
【0140】
このことにより、第一の検出位置と第二の検出位置との間隔がインク供給チューブ11の実際の長さ寸法に近くされている。従って、本実施形態では、インク供給チューブ11全体の寸法対応値1、2に対応したポンプ12の駆動制御が実現され易くなる。
【0141】
(3)また、上記実施形態では、RAM113に記憶された寸法対応値1、2それぞれが予め定めた個数以上ある際には、複数個ある寸法対応値1、2それぞれの平均値(更新後の保有値1、2)に基づき、ポンプ12の駆動制御が実行される。
【0142】
従って、寸法対応値1に関する1つの検出値だけ、あるいは、寸法対応値2に関する1つの検出値だけ、に基づいて、ポンプ12の駆動制御が実行される場合に比べ、各インク供給チューブ11における実際の寸法対応値1、2により正確に対応したポンプ12の駆動制御が実現する可能性が高くなる。
【0143】
(4)また、上記実施形態では、RAM113に記憶された寸法対応値1、2それぞれの個数が十分でない場合には、初期寸法対応値1、2に基づき、ポンプ12の駆動制御が実行される。
【0144】
従って、RAM113に記憶された寸法対応値1、2それぞれの個数が十分でない場合においても、各インク供給チューブ11の実際の寸法対応値1、2に比較的正確に対応したポンプ12の駆動制御が実現する可能性が高くなる。
【0145】
(5)更に、上記実施形態では、カウント処理において計数されるカウント値がMAX値に達すると、MAX値に達したカウント値に基づくインク移送量の決定が行われない。すなわち、MAX値に達したカウント値に基づくインク移送量がS340で決定されるインク移送量から除外される。
【0146】
従って、本実施形態における処理は、第一の検出位置で検出したインク供給チューブ11内の気泡が、例えば、インクがインク供給チューブ11外に移送されることに伴い、インク供給チューブ11内を移動する気泡でなかった場合において好適である。すなわち、誤って、当該「第一の検出位置で検出したインク供給チューブ11内の気泡」の移動に基づき、インク移送量が決定されてしまうことが防止される。
【0147】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、以下のような様々な態様にて実施することが可能である。なお、以下では、上記実施形態の変形例の説明に際し、上記実施形態と異なる点のみ説明し、同様の点についての説明は省略する。
【0148】
[変形例1]寸法対応値1,2の変形例
寸法対応値1は、インク供給チューブ11の容積であっても良い。また各寸法対応値1は、インク供給チューブ11の長さであっても良い。但し、インク供給チューブ11の長さを寸法対応値1とできるのは、インク供給チューブ11の内径がインク供給チューブの違いに拘らず一定であるとの仮定ができる場合が想定される。
【0149】
これらの場合であっても、初期寸法対応値1は、寸法対応値1の初期値として設定される。
また、上記実施形態では、インク供給チューブ11の流路抵抗を寸法対応値2として設定したが、インク供給チューブ11の内径を寸法対応値2として設定してもよい。そして、この場合も、初期寸法対応値2は、このような寸法対応値2の初期値として設定すればよい。
【0150】
このようにしても、インク供給チューブ11の長さとチューブ粗さとのそれぞれを、インク供給チューブ11の違いに拘らず予め定めた同じ値と仮定した場合には、インク供給チューブ11の内径からポンプ液送圧を決定できる。
【0151】
なお、この場合には、RAM113に記憶される図10のテーブルが、各インク供給チューブ11の内径と、ポンプ液送圧とを対応付けたテーブルに置き換えられる。
[変形例2]ポンプ液送量の決定法に関する変形例
ポンプ液送量に関しては、S340で決定されるインク移送量に基づき、直接的に決定されるものであってもよい。
【0152】
具体的には、この場合には、まず、各インク供給チューブ11の初期寸法(設計上の寸法、あるいは、インクジェット記録装置1の製造時の実測から得られた寸法など)に基づき予め定めたインク移送量の初期値(初期移送量)をRAM113に記憶させておく。
【0153】
また、RAM113に記憶される図9のテーブルが、各インク供給チューブ11によるインク移送量と、ポンプ液送量とを対応付けたテーブルに置き換えられる。
そして、S340では、インク供給チューブ11の内径の代わりに、インク移送量をRAM113に記憶する。
【0154】
続くS350では、S340で決定・記録されたインク移送量と、インク移送量に関する現在保有値(以下、単に「保有値3」ともいう。)との間の偏差が予め定めた範囲外の値か否かを判断する。
【0155】
この実施形態では、保有値3は、RAM113に予め記憶された値であり、その具体的態様としては、次の3つの態様が想定される。
(a)初期移送量
初期移送量は、初期導入時以降において、最初のチューブランク検出処理が実行されているときに保有値3として用いられる。
【0156】
(b)少なくとも1個のインク移送量(本実施形態では、S340の処理を少なくとも1度実行することで決定・記憶された少なくとも1個のインク移送量)と、初期移送量との平均値
2回目以降のチューブランク検出処理が実行されているときであって、RAM113に記憶されたインク移送量の個数が1個以上あるものの2個以上の予め定めた個数(例えば3個)未満である場合には、当該インク移送量と初期移送量との平均値が保有値3として用いられる。
【0157】
(c)S340の処理を繰り返し実行することで決定・記憶された予め定めた個数(例えば3個)以上のインク移送量の平均値。
RAM113に記憶されたインク移送量の個数が比較的多くなった場合には、例えば、最近の複数回(例えば、3回)のS340の処理にて決定・記憶された予め定めた個数のインク移送量の平均値が保有値3として用いられる。
【0158】
そして、S350において、S340で決定されたインク移送量と、保有値3との間の偏差が予め定めた範囲外にあると判断されると、S360にて、次の(A)、(B)のうちいずれかの処理が実行される。
【0159】
(A)本処理のS340でRAM113に記憶したインク移送量を含む少なくとも1つのインク移送量と初期移送量との平均値を決定し、該平均値を保有値3の更新値としてRAM113に記憶する。
【0160】
この(A)の処理は、本処理のS340でRAM113に記憶したインク移送量を含めてRAM113に記憶されたインク移送量の個数の総数が予め定めた個数(例えば3個)未満である場合に実行される。
【0161】
(B)本処理のS340でRAM113に記憶したインク移送量を含む、最近の複数回(例えば、3回)のS340の処理にてRAM113に記憶した複数このインク移送量の平均値を決定し、該平均値を保有値3の更新値としてRAM113に記憶する。
【0162】
この(B)の処理は、RAM113に記憶されたインク移送量の個数の総数が予め定めた個数(例えば3個)以上である場合に実行される。
そして、S360では、上記(A)、(B)のうちいずれかの処理にて更新された保有値3(インク移送量)から、RAM113に記憶された、各インク供給チューブ11によるインク移送量と、ポンプ液送量とを対応付けたテーブルに基づき、ポンプ液送量を決定する。具体的には、保有値3(インク移送量)とポンプ液送量との間に次の計算式(3)が成立するようにポンプ液送量を決定する。
【0163】
In / Qn = 一定・・・(3)
ここで、Inはインク移送量、Qnはポンプ液送量である(nは1以上の整数)。
S360では、上記のように決定されたポンプ液送量を、上記S224の処理で使用するランクデータとしてRAM113に記憶する。
【0164】
なお、変形例2において、「S340で決定されるインク移送量」は、該インク移送量に相当するものとして、S340で得られるカウント処理停止時のカウント値そのものに置き換えても良い。また、初期移送量は、該初期移送量に相当する「カウント処理停止時のカウント値」の初期値に置き換えても良い。
【0165】
上記変形例2の場合には、制御装置110(特に、RAM113とCPU111)は、初期値記憶手段、初期量記憶手段、対応値記憶手段、移送量記憶手段、平均値記憶手段に該当する。また、制御装置110(特に、CPU111とRAM113)は、気泡検知装置11a,11bとともに移送量決定手段、吐出量計量手段に該当する。また、制御装置110(特に、CPU111)は、対応値決定手段、平均値決定手段、偏差判断手段、判断手段に該当する。また、制御装置110(特に、CPU111)は、駆動切替モータ駆動回路120e、駆動切替モータ22、ポンプ駆動モータ駆動回路120f、ポンプ駆動モータ23とともに駆動手段に該当する。
【0166】
[変形例3]平均値決定を伴わないランクデータ決定に関する変形例
上記実施形態においては、RAM113に記憶された寸法対応値1、2それぞれが予め定めた個数以上ある際には、複数個ある寸法対応値1、2それぞれの平均値(更新後の保有値1、2)に基づき、ポンプ液送量とポンプ液送圧とを決定した。
【0167】
しかし、S350の処理を省略し、S360では、S340で決定した1個の寸法対応値1と1個の寸法対応値2とのそれぞれから直接的にポンプ液送量とポンプ液送圧とを決定してもよい。
【0168】
また、上記変形例2においては、RAM113に記憶されたインク移送量が予め定めた個数以上ある際には、複数個あるインク移送量の平均値(更新後の保有値3)に基づき、ポンプ液送量を決定した。
【0169】
しかし、上記変形例2において、S350の処理を省略し、S360では、S340で決定した1個のインク移送量から直接的にポンプ液送量を決定してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0170】
【図1】本発明を適用するのに好適なインクジェット記録装置1の外形斜視図である。
【図2】インクジェット記録装置1の断面図である。
【図3】インクジェット記録装置1のインク供給機構の概略構成を示す説明図であり、(a)はインク供給機構の側断面を模式的に示す図、(b)は記録ヘッド4の上視断面を模式的に示す図である。
【図4】ポンプ12の具体例を示す図であり、(a)はねじポンプ12aの概略構成を示す図で、(b)はベーンポンプ12dの概略構成を示す図である。
【図5】ポンプ駆動切替機構17の概略構成を示す図である。
【図6】インクジェット記録装置1の電気的構成を示すブロック図である。
【図7】インク入替処理の手順を示すフローチャートである。
【図8】チューブランク検出処理の手順を示すフローチャートである。
【図9】対応設定ランク表を示す説明図である。
【図10】対応設定ランク表を示す説明図である。
【符号の説明】
【0171】
1…インクジェット記録装置、2…スキャナ、3…給紙カセット、4…記録ヘッド、6…操作パネル、7…記録部、11…インク供給チューブ、11a,11b…気泡検知装置、12…ポンプ、12a…ねじポンプ、12b…ケーシング、12c…ねじ形回転子、12d…ベーンポンプ、12e…ケーシング、12f…ロータ、12g…羽根(ベーン)13…インクカートリッジ、14…サブタンク、14a…噴射ノズル、15…バルブユニット、15a…ばね、15b…バルブ、15c…パッキン、15d…気体透過膜、15e…通気孔、15f…大径部、16…リリースロッド、17…ポンプ駆動切替機構、18…駆動切替ギア、18a…歯、19…ポンプ駆動軸、20…ギア支持部材、21a…駆動軸ギア、21b…中間ギア、21c…ポンプ側ギア、22…駆動切替モータ、23…ポンプ駆動モータ、110…制御装置、120e…駆動切替モータ駆動回路、120f…ポンプ駆動モータ駆動回路




 

 


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