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発明の名称 インクジェットプリンタ用ヘッド及びインクジェットプリンタ
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−55248(P2007−55248A)
公開日 平成19年3月8日(2007.3.8)
出願番号 特願2006−200458(P2006−200458)
出願日 平成18年7月24日(2006.7.24)
代理人 【識別番号】100085291
【弁理士】
【氏名又は名称】鳥巣 実
発明者 片山 直樹
要約 課題
圧力室とマニホールドとを連通する連通路から他のチャンネルへの相互のクロストークの影響がなく、前記連通路の通路長さの変更が容易で、種々の仕様への変更を可能とする。

解決手段
キャビティユニットは、圧力室14Aaとマニホールド14Da,14Eaとを連通する連通路21として、平面視で、連通穴14Baに一端が連通され圧力室14Aaの長手方向に沿って延びる第1の直線部分21aと、連通穴14Caに一端が連通され第1の直線部分21aと平行に延びる第2の直線部分21bと、第1及び第2の直線部分21a,21bの他端を連通する湾曲部分21cとを有する。そのために、圧力室14Aaを貫通穴として有するキャビティプレートと、連通穴14Caを貫通穴として有するアパチャープレートと、それら両プレート部材の間に設けられ連通穴14Baを貫通穴として有するベースプレートとを含む。
特許請求の範囲
【請求項1】
記録媒体にインクを噴射するインクジェットプリンタ用ヘッドであって、
複数のノズル穴と、前記複数のノズル穴にそれぞれ連通し、平面上に配置された複数の圧力室と、前記圧力室に供給するインクを貯留するマニホールドと、前記圧力室の1つに連通する第1の連通部、前記マニホールドに連通する第2の連通部及び第1の連通部と第2の連通部との間の折り返し部が形成された連通路とが形成されたキャビティユニットと、
前記圧力室内のインクに噴射エネルギーを付与するエネルギー付与機構とを備えることを特徴とするインクジェットプリンタ用ヘッド。
【請求項2】
前記連通路は、平面視で、前記連通路と連通する圧力室と重なっていることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタ用ヘッド。
【請求項3】
前記連通路全体が、平面視で、前記連通路と連通する圧力室と重なっていることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェットプリンタ用ヘッド。
【請求項4】
前記圧力室は細長い形状であって、
前記連通路は、平面視で、前記第1の連通部から前記圧力室の長手方向に沿って延びる第1の直線部と、前記第2の連通部から前記第1の直線部と平行に延びる第2の直線部と、前記第1及び第2の直線部の先端を連通する湾曲部とを有することを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタ用ヘッド。
【請求項5】
前記キャビティユニットは、前記圧力室が形成された上側プレート部材と、前記第2の連通部が形成された下側プレート部材と、前記上側プレート部材及び前記下側プレート部材の間に設けられ前記第1の連通部が形成された中間プレート部材とを含む複数のプレート部材を積層して形成され、
前記連通路は、1又は複数の前記プレート部材に形成された凹部であることを特徴とする請求項4に記載のインクジェットプリンタ用ヘッド。
【請求項6】
前記連通路は、前記中間プレート部材の下面に形成されていることを特徴とする請求項5に記載のインクジェットプリンタ用ヘッド。
【請求項7】
前記連通路は、前記下側プレート部材の上面に形成されていることを特徴とする請求項5に記載のインクジェットプリンタ用ヘッド。
【請求項8】
前記連通路は、前記平面と平行な同一面内に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタ用ヘッド。
【請求項9】
前記連通路の湾曲部は、前記平面の面方向と異なる方向に延在していることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタ用ヘッド。
【請求項10】
前記連通路の第1の直線部と第2の直線部とは、前記複数のプレート部材の厚さ方向において異なる平面上に形成されていることを特徴とする請求項5に記載のインクジェットプリンタ用ヘッド。
【請求項11】
前記連通路は、平面視で、前記連通路と連通する圧力室と隣接する圧力室とは重ならないことを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタ用ヘッド。
【請求項12】
前記連通路の長さは、第1連通部と第2連通部との間の直線距離よりも長いことを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタ用ヘッド。
【請求項13】
記録媒体にインクを噴射して記録媒体に記録するインクジェットプリンタであって、
複数のノズル穴、前記複数のノズル穴にそれぞれ連通し、平面上に配置された複数の圧力室、前記圧力室に供給するインクを貯留するマニホールド、並びに、前記各圧力室に連通する第1の連通部、前記マニホールドに連通する第2の連通部及び第1の連通部と第2の連通部との間の折り返し部が形成された連通路が形成されたキャビティユニットと、前記圧力室内のインクに噴射エネルギーを付与するエネルギー付与機構とを含むヘッドと、
前記ヘッドを支持して移動するキャリッジと、
前記ヘッド及び前記キャリッジに接続されて、前記ヘッドのエネルギー付与機構に所定の動作信号を供給し、前記キャリッジに前記キャリッジの移動を制御する制御信号を供給する制御機構とを備えることを特徴とするインクジェットプリンタ。


発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェットプリンタ用ヘッド及びインクジェットプリンタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、インクを噴射する複数のノズル穴、前記複数のノズル穴毎に連通した複数の圧力室及び前記圧力室に供給するインクを一時的に貯留するマニホールドを含むキャビティユニットと、前記圧力室内のインクに噴射エネルギーを付与するエネルギー付与手段とを備え、記録媒体に前記インクを噴射して記録するインクジェットプリンタは知られている。
【0003】
そのようなインクジェットプリンタに用いられる記録ヘッドにおいては、近年、高速印字及び画質向上の要求から、ヘッドの小型化、且つ、軽量化が図られている。そのため、圧力室の長さを短くし、ヘッドから一度に排出される液滴の量を少なくする一方、ノズル数を多くして、高速印字を可能にしている。
【0004】
この場合、圧力室の長さを短くしても、圧力室とマニホールドとを連通する連通路である絞り部の抵抗は大きくしなければならない。絞り部の抵抗が小さ過ぎる場合には、圧力室で発生した圧力波がマニホールドを通じて隣接する圧力室へ伝搬する恐れがあり、インクの噴射後にマニホールドから圧力室に供給されるインクの流量及び/又は流速が大きくなりすぎて、インクのメニスカス(ノズルのインク液面)を安定に保てなくなる恐れがあるからである。
【0005】
絞り部の抵抗を調整する機構として、キャビティユニットを構成するプレート部材に細い浅溝を設けて、絞り部の抵抗を調整することが知られている(例えば、特許文献1(特開2001−30483号公報)参照)。
【0006】
また、以下に示すように、絞り部を斜行させるなどして、絞り部を長くして、絞り部の抵抗を調整することも考えられる。
【0007】
例えば図15〜図17に示すキャビティユニット101は、複数枚のプレート部材を有する積層体102と、積層体102の上側に配置されたトッププレート103と、積層体102の下側に配置された、ノズルプレート104及びスペーサプレート105を貼り合わせて形成されたプレートアッセンブリ106とを備え、これらが一体に貼り付けられている。積層体102は、上側から順にキャビティプレート102A、ベースプレート102B、アパチャープレート102C、2枚のマニホールドプレート102D,102E、及びダンパープレート102を備え、これらを重ねて金属拡散接合している。このようなキャビティユニット101において、キャビティプレート102Aの圧力室102Aaと、マニホールドプレート102D,102Eのマニホールド102Da,102Eaとを連通する連通路201(絞り部)を、圧力室の長手方向に対して傾斜し、隣の圧力室を超えて延びる凹部として、例えばハーフエッチングによってアパチャープレート102Cの上面に形成することが考えられる。
【特許文献1】特開2001−30483号公報(段落0012、0013及び図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に記載のように、前記連通路を長くして、各流路を配置することができたとしても、インク成分の異なる仕様のヘッドや、多色ヘッドなどで、絞り部の長さの設計変更が必要な場合に、絞り部の長さを変更するのは困難である。
【0009】
また、図15に示すような、斜行した絞り部を形成すると、隣のチャンネルの圧力室の下部を絞り部が通過することになるので、圧力波による隣接チャンネルへのクロストークが問題となる。
【0010】
本発明は、他のチャンネルとの間のクロストークの影響がなく、前記連通路の通路長さの設計変更が容易で、種々の仕様への変更が容易であって、充分な大きさの絞り抵抗を有する圧力室とマニホールドとを連通する連通路(絞り部)を備えるインクジェットプリンタ用ヘッドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1の態様に従えば、記録媒体にインクを噴射するインクジェットプリンタ用ヘッドであって、
複数のノズル穴と、前記複数のノズル穴にそれぞれ連通し、平面上に配置された複数の圧力室と、前記圧力室に供給するインクを貯留するマニホールドと、前記圧力室の1つに連通する第1の連通部、前記マニホールドに連通する第2の連通部及び第1の連通部と第2の連通部との間の折り返し部が形成された連通路とが形成されたキャビティユニットと、
前記圧力室内のインクに噴射エネルギーを付与するエネルギー付与機構とを備えるインクジェットプリンタ用ヘッドが提供される。ここで、「前記圧力室内のインクに噴射エネルギーを付与するエネルギー付与機構」には、圧電方式のほか、圧力室内のインクを加熱して膨張させることでインクを噴射するバブルジェット(登録商標)方式も含まれる。
【0012】
このようにすれば、圧力室の1つとマニホールドとを連通する連通路(絞り部)の一端には前記圧力室の1つに開口する第1の連通部が形成され、他端には前記マニホールドに開口する第2の連通部が形成され、前記第1の連通部から離れる方向に延在する部分と、前記第1の連通部側に戻る部分を有するので、連通路の通路長さの設計変更が容易で、種々の仕様への設計変更を容易に行うことができる。また、連通路は、このように第1の連通部から離れる方向に向かって延在し、且つ、第1の連通部側に戻るように形成されているので、コンパクトで、通路長さの長い連通路を実現することができる。また、平面視で連通路と他の圧力室との重なる領域が少ない場合には、クロストークの影響を回避する上でも有利となる。圧力室とマニホールドとの間に、長い連通路を設けることによって、絞り抵抗(流路抵抗)が大きくなり、圧力波がマニホールドへ伝搬することを防止でき、他の圧力室からマニホールドを介して圧力室内に圧力波が伝搬することを防止できる。さらに、インクを吐出した後、圧力室内の圧力の減少に伴って、マニホールドから圧力室へインクが供給されるが、コンダクタンスが小さい連通路を通じて供給されるので、急激に多量のインクが圧力室に流入するのが防止されて、インクのメニスカス(ノズルのインク液面)を安定に保つことができる。すなわち、長い連通路を形成することによって、圧力室に供給されるインク、いわゆるインクのリフィルの流量及び/又は流速を調整することができる。
【0013】
本発明のインクジェットプリンタ用ヘッドにおいて、前記連通路は、平面視で、前記連通路と連通する圧力室と重なっていてもよく、前記連通路全体が、平面視で、前記連通路と連通する圧力室と重なっていてもよい。
【0014】
このようにすれば、平面視で、連通路が、連通する圧力室と重複した位置関係で設けられているので、連通路から隣の圧力室へのクロストーク影響が小さくなる。連通路全体が、連通する圧力室と重なっている場合には、連通路から隣の圧力室へのクロストーク影響がさらに小さくなる。
【0015】
本発明のインクジェットプリンタ用ヘッドにおいて、前記圧力室は細長い形状であって、前記連通路は、平面視で、前記第1の連通部から前記圧力室の長手方向に沿って延びる第1の直線部と、前記第2の連通部から前記第1の直線部と平行に延びる第2の直線部と、前記第1及び第2の直線部の先端を連通する湾曲部とを有していてもよい。
【0016】
このようにすれば、2つの直線部と湾曲部との組み合わせにより、圧力室とマニホールドとを連通する連通路を容易に形成でき、連通路が湾曲部を有していることにより、狭い領域であっても長い連通路を形成できる。
【0017】
本発明のインクジェットプリンタ用ヘッドにおいて、前記キャビティユニットは、前記圧力室が形成された上側プレート部材と、前記第2の連通部が形成された下側プレート部材と、前記上側プレート部材及び前記下側プレート部材の間に設けられ前記第1の連通部が形成された中間プレート部材とを含む複数のプレート部材を積層して形成され、前記連通路は、1又は複数の前記プレート部材に形成された凹部であってもよい。
【0018】
このようにすれば、連通路をエッチング等により容易に形成でき、複数のプレート部材に連通路を形成して、長い連通路を形成することもできる。
【0019】
本発明のインクジェットプリンタ用ヘッドにおいて、前記連通路は、前記中間プレート部材の下面に形成されていてもよく、前記連通路は、前記下側プレート部材の上面に形成されていてもよい。いずれの場合も、部品点数(プレートの枚数)を増やすことなく、凹部の形状を工夫することで、長い連通路を形成でき、連通路の長さの設計変更も容易に行うことができる。
【0020】
本発明のインクジェットプリンタ用ヘッドにおいて、前記連通路は、前記平面と平行な同一面内に形成されていてもよい。この場合には、例えば一枚のプレートに長い連通路を形成でき、部品点数を減らすことができる。
【0021】
本発明のインクジェットプリンタ用ヘッドにおいて、前記連通路の湾曲部は、前記平面の面方向と異なる方向に延在していてもよい。また、前記連通路の第1の直線部と第2の直線部とは、前記複数のプレート部材の厚さ方向において異なる平面上に形成されていてもよい。いずれの場合にも、平面視で狭い範囲に、長い連通路を形成できる。
【0022】
本発明のインクジェットプリンタ用ヘッドにおいて、前記連通路は、平面視で、前記連通路と連通する圧力室と隣接する圧力室とは重ならなくてもよい。この場合には、隣接する圧力室間のクロストークを低減できる。
【0023】
本発明のインクジェットプリンタ用ヘッドにおいて、前記連通路の長さは、第1連通部と第2連通部との間の直線距離よりも長くてもよい。この場合には、連通路の長さを長くできるので、充分な大きさの絞り抵抗を確保できる。
【0024】
本発明の第2の態様に従えば、記録媒体にインクを噴射して記録媒体に記録するインクジェットプリンタであって、複数のノズル穴と、前記複数のノズル穴にそれぞれ連通し、平面上に配置された複数の圧力室と、前記圧力室に供給するインクを貯留するマニホールド、並びに、前記各圧力室に連通する第1の連通部、前記マニホールドに連通する第2の連通部及び第1の連通部と第2の連通部との間の折り返し部が形成された連通路が形成された連通路とが形成されたキャビティユニットと、前記圧力室内のインクに噴射エネルギーを付与するエネルギー付与機構とを含むヘッドと、前記ヘッドを支持して移動するキャリッジと、前記ヘッド及び前記キャリッジに接続されて、前記ヘッドのエネルギー付与機構に所定の動作信号を供給し、前記キャリッジに前記キャリッジの移動を制御する制御信号を供給する制御機構とを備えるインクジェットプリンタが提供される。
【0025】
本発明の第2の態様によれば、長い連通路が形成されて、インクのリフィルの流量及び流速が調整されているので、インクのメニスカスを安定に保つことができ、インクジェットプリンタの印字品質を良好に保つことができる。
【発明の効果】
【0026】
以上のように構成したから、本発明は、圧力室とマニホールドとを連通する連通路から他の圧力室への影響(クロストーク)がなく、前記連通路の通路長さの変更が容易で、種々の仕様への変更が可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の実施の形態を図面に沿って説明する。
【0028】
図1(a)は本発明にかかるインクジェットプリンタの概略構成を示す図であり、図1(b)は本発明にかかるキャビティユニット、アクチュエータユニットおよびフレキシブルケーブル(COP)の関係を示す図である。
【0029】
図1(a)に示すように、本発明に係るインクジェットプリンタ1は、プリンタフレーム4と、プラテンローラ及び排紙ローラ6と、プリンタフレーム4に設けられたキャリッジ軸5及びガイド板(図示せず)と、インクカートリッジ(図示せず)が搭載され、キャリッジ軸5及びガイド板によって支持されて、記録用紙Pの搬送方向Aと直交する方向Bにおいて往復移動するキャリッジ2と、キャリッジ2の下面に設けられて、記録用紙P(記録媒体)に文字などを記録するインクジェットプリンタ用ヘッド3(以下、単にヘッドという)とを備える。
【0030】
図示しない給紙部からA方向に搬送される記録用紙Pは、プラテンローラ(図示せず)とヘッド3との間に導入されて、ヘッド3から記録用紙Pに向けて噴射されるインクにより所定の記録がなされ、その後排紙ローラ6にて排紙される。
【0031】
また、図1(b)及び図2に示すように、ヘッド3は、キャビティユニット11と、アクチュエータユニット12とを下側から順に備え、さらに、アクチュエータユニット12の上面に駆動信号を供給する信号線を有するフレキシブルケーブル13を備える。フレキシブルケーブル13は、一端がアクチュエータユニット12に接続され、他端は制御装置90に接続される。制御機構90は、不図示の配線によりキャリッジ2とも接続されており、キャリッジ2の移動を制御するための制御信号と、後述する個別表面電極に所定の電圧を供給する電圧信号とをキャリッジ2及びヘッド3に供給する。
【0032】
キャビティユニット11は、複数枚のプレート部材からなる積層体14と、その積層体14の上側に配置されたトッププレート15と、積層体14の下側に配置された、ノズル穴16aが形成されたノズルプレート16及びノズル穴16aに対応して貫通穴17aが形成されたスペーサプレート17を貼り合わせて形成されたプレートアッセンブリ18とを備え、これらが一体に貼り付けられている。そして、トッププレート14の上側に、アクチュエータユニット12が配置されている(図1(b)参照)。また、図2(a)に示すように、キャビティユニット11の開口11aには、インクに含有される塵埃などを捕獲するためのフィルタ19が設けられている。ノズルプレート16は、(積層体14を構成する)後述のキャビティプレート14Aに形成された圧力室14Aaに対応して、それぞれ1つのノズル穴16aが形成された合成樹脂プレート(例えばポリイミド)である。なお、ノズルプレート16は金属プレートであってもよい。
【0033】
図3に示すように、この積層体14は、上側から順にキャビティプレート14A、ベースプレート14B、アパチャープレート14C、2枚のマニホールドプレート14D,14E、及びダンパープレート14Fを備え、これらがそれぞれ重ねられて金属拡散接合されたものである。これら6枚のプレート14A〜14Fは、ノズル穴16aにそれぞれ対応する個別のインク流路が形成されるように、互いに位置合わせして積層されている。ここで、金属製のキャビティプレート14Aには、複数の圧力室14Aaが形成されている。金属製のベースプレート14Bは、マニホールド14Da,14Ea(共通インク室)と圧力室14Aaとをそれぞれ連通する連通穴14Ba(第1の連通部)及び圧力室14Aaとノズル穴16aとをそれぞれ連通する連通穴14Bbが形成されている。金属製のアパチャープレート14Cの上面には、圧力室14Aaとマニホールド14Da,14Eaとをそれぞれ連通する連通路21が、溝(凹部通路)として形成され、アパーチャープレート14Cには、マニホールド14Da,14Ea(共通インク室)と圧力室14Aaとをそれぞれ連通する連通穴14Ca(第2の連通部)及び圧力室14Aaとノズル穴16aとをそれぞれ連通する連通穴14Cbが形成されている。金属製のマニホールドプレート14D,14Eは、マニホールド14Da,14Eaと、圧力室14Aaとノズル穴16aとをそれぞれ連通する連通穴14Db,14Ebとが形成されている。金属製のダンパープレート14Fの下面には、ダンパー室14Faが凹部として形成され、ダンパープレート14には圧力室14Aaとノズル穴16aとをそれぞれ連通する連通穴14Fbが形成されている。
【0034】
アクチュエータユニット12は、圧力室14Aaに対応してトッププレート15上にそれぞれ形成された内部共通電極と、内部共通電極の上に形成された圧電シートと、圧力室14Aaに対応して圧電シートの上に形成された表面電極(個別表面電極)とを備えている。トッププレート15は、振動板として機能し、圧電シートの変形に伴って圧力室14Aaに向かって凸となるように変形する。圧電シートは、強誘電性を有するチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)系のセラミックス材料からなり、その厚み方向に分極している。表面電極は、Ag−Pd系等の金属材料により形成され、駆動信号が供給されるフレキシブルケーブル13の信号線により、図示しないドライバICに接続されている。他方、内部共通電極は常にグランド電位に保たれている。したがって、表面電極の電位をグランド電位と異なる電位(例えば、グランド電位よりも高い電位)とすることで、圧電シートの分極方向に電界が印加される。電界が印加された圧電シートの部分は、活性層として、圧電横効果により分極方向と直交する方向に縮む。一方、トッププレート15は、自発的には縮まないので、上層の圧電シートと下層のトッププレート15との間で分極方向と直交する方向への歪みに差が生じる。トッププレート15はキャビティプレート14Aに固定されているので、圧電シート及びトッププレート15は圧力室14Aa側に凸となるように変形する(ユニモルフ変形)。このため、圧力室14Aaの容積が減少してインクの圧力が上昇し、ノズル穴16aからインクが噴射される。その後、表面電極を内部共通電極と同じ電位に戻すと、圧電シート及びトッププレート15は元の形状になって圧力室14Aaの容積が元の容積に戻るので、圧力室14Aa内の圧力が下がり、インクがマニホールド14Da,14Eaから吸い込まれる。
【0035】
上述したように、本実施の形態では、振動板としてのトッププレート15はキャビティユニット11の上側に設けられているので、ユニモルフ変形による優れた噴射効率を実現することができる。
【0036】
このように、キャビティユニット11には、複数のノズル穴16a、前記複数のノズル穴16aの各々に連通する複数の圧力室14Aa及び圧力室14Aaに供給するインクを一時的に貯留するマニホールド14Da,14Eaが形成されている。一方、アクチュエータユニット12は、圧力室14Aaにそれぞれ対応する個別表面電極を有し、この個別表面電極に駆動信号が供給されることで圧力室14Aaの容積を変化させてノズル穴16aからインクを噴射できる。
【0037】
続いて、圧力室14Aaとマニホールド14Da,14Eaとを連通する連通路21について、図4〜図6に沿ってさらに詳細に説明する。
【0038】
圧力室14Aaとマニホールド14Da,14Eaとを連通する連通路21は、各プレート14A〜14F,15の平面に対し直交する方向から見て、一端が連通穴14Baに連通され、圧力室14Aaの長手方向に沿って延びる第1の直線部21aと、一端が前記連通穴14Caに連通され、第1の直線部分21aと平行に延びる第2の直線部21bと、第1及び第2の直線部21a,21bの他端を連通し、滑らかに湾曲した湾曲部21cとによって形成されている。第1の直線部21aは、第2の直線部21bより通路長さが長く、それらの通路幅が圧力室の幅の1/3程度である。例えば、連通路21の幅は、圧力室の幅が270μmの場合には90μmであり、圧力室の幅が250μmの場合には80μmである。ここで、プレート厚さは50μmであり、溝深さが30μmである。
【0039】
図5に示すように、連通路21は、アパチャープレート14C(下側プレート部材)の上面に溝として形成される。前述のように、連通路21は、キャビティプレート14Aの圧力室14Aaに開口する連通穴14Baに連通し、連通穴14Baから連通孔14Cbに向かって延びる第1の直線部21aと、第1の直線部21aに連通し、連通穴14Ba側に戻るU−ターン路である湾曲部分21cと、湾曲部21c、連通穴14Caに連通する第2の直線部分21bとを含んでいる。ここで、図4及び図7に示すように、連通路21は、平面視で、略U字形状に形成されている。また、連通路21は、アパーチャープレート14Cの、平面視で圧力室14Aaと重なる領域に収まるように形成されているので、隣の圧力室14Aaとは重なっておらず、隣の圧力室14Aaとの間にはクロストークが一切ない。この連通路21は、例えばハーフエッチングにて形成される。
【0040】
このような連通路21を簡単に構成するために、キャビティユニット11は積層体14を備え、積層体14の上側部分は、貫通穴である圧力室14Aaが形成されたキャビティプレート14A(上側プレート部材)と、第2の連通部としての連通穴14Caが形成されたアパチャープレート14C(下側プレート部材)と、それら両プレート部材14A,14Cの間に配置され、第1の連通部としての連通穴14Baが形成されたベースプレート14B(中間プレート部材)とを備える。
【0041】
上記において、連通路21は、2つの直線部分21a,21bと湾曲部分21cとを有しているので、湾曲部分21cを設ける位置を変えるだけで、直線部分21a,21bの長さを変化させることができ、連通路21の長さを簡単に変更することができる。また、連通路21の全体が、平面視で、圧力室14Aaと重複しているので、連通路21と隣の圧力室14Aaとの間のクロストークの恐れがない。
【0042】
また、図8〜図10に示すように、連通路21'を形成することも可能である。この場合、キャビティユニット11'は、積層体14'を備え、積層体14’の上側部分は、貫通穴である圧力室14Aaが形成されたキャビティプレート14(上側プレート部材)と、第2の連通部としての連通穴14Caが形成されたアパチャープレート14C'(下側プレート部材)と、それら両プレート部材14A,14C'の間に配置され、連通穴14Baが形成されたベースプレート14B'(中間プレート部材)とを備える。そして、連通路21'は、ベースプレート14B'の下面側に溝として形成され、一端(下流端)が第1の連通部としての連通穴14Baに連通し、他端(上流端)が連通穴14Caに連通している。
【0043】
この場合でも、連通路21'の長さを簡単に変更することができ、連通路21'と隣の圧力室14Aaとの間のクロストークの恐れがない。
【0044】
本発明は、前記実施の形態に制限されるものではなく、例えば、次に示すように変更することも可能である。
【0045】
〈第1変更形態〉
前記実施の形態では、平面視で、圧力室14Aaとマニホールド14Da,14Eaとが重複しているが、本発明はそれに限定されるものではなく、例えば、図11及び図12に示すようにマニホールド14Da',14Ea'が、圧力室14Aaに対して重複しないような、圧力室14Aaの長手方向においてずれた位置に形成されていてもよい。つまり、連通路221は、一端において連通穴14Baと連通し、圧力室14Aaの長手方向に沿って延びる第1の直線部分221aと、一端において連通穴14Caに連通し、第1の直線部221aと平行に延びる第2の直線部221bと、第1及び第2の直線部221a,221bの他端とそれぞれ連通し、滑らかに湾曲する湾曲部221cとを有する。そして、第2の直線部221bの、連通穴14Caと連通する側は、平面視で圧力室14Aaの端部を超えてさらに延び、圧力室14Aaと重なる領域の外でマニホールド14Da',14Ea'に連通している。
【0046】
このようにマニホールド14Da',14Ea'が、圧力室14Aaに対して圧力室14Aaの長手方向においてずれて配置されている場合には、アパチャープレート14Cを省略して、ベースプレート14Bに形成される連通路の上流端において、マニホールド14Da,14Eaに開口する開口を形成することも可能である。
【0047】
〈第2変更形態〉
前記実施の形態においては、平面視で連通路21全体が圧力室14Aaと重なっていたが、本発明はそれに限定されるものではなく、少なくともその一部が圧力室14Aaと重なっていればよい。部分的に重なっていれば、クロストークをある程度回避できるからである。
【0048】
〈第3変更形態〉
連通路は、必ずしも同一平面内に形成される必要はなく、例えば、図13に示されるように、立体的に形成されていてもよい。図13に示されたキャビティユニット311は、上記実施形態のキャビティユニット11のアパーチャープレート14Cに代えて、2枚のアパーチャープレート314A,314Bを備える。2枚のアパーチャープレート314A,314Bには、連通路321と、連通孔314Ab,314Bbとが形成されている。ここで、連通孔314Abは、連通孔14Bb及び連通孔314Bbと連通し、連通孔314Bbは、さらに連通孔14Dbと連通しており、キャビティユニット311には、圧力室14Aaからノズル16aまで連通する流路が形成されている。また、連通路321は、第1、第2の溝321a,c及び連通孔321b,dにより形成されている。ここで、アパーチャープレート314Aには、一端が連通孔14Baに連通し、連通孔314Abに向かって延在する第1の溝321aと、第1の溝321aの他端と重なる位置に形成された連通孔321bとが形成され、アパーチャープレート314Bには、一端が連通孔321bに連通し、第1の溝321aと平行に延在する第2の溝321cと、平面視で連通孔14Baと重なる位置に形成された連通孔321dとが形成されている。これにより、マニホールド14Daから、連通路321及び連通孔14Baを通って圧力室14Aaへと通じる流路が形成されている。
【0049】
本変更形態において、第2の溝321cは、アパーチャープレート314Bの、平面視で第1の溝321aと重なる領域に形成されていたが、必ずしもこれらの溝が平面視で重なる必要はなく、任意の領域に形成しうる。また、本変更形態では、2枚のアパーチャープレートを用いて、縦方向(キャビティユニットの厚さ方向)にU−ターンパス(折り返し)が形成された連通路が形成されていたが、3枚以上のアパーチャープレートを用いてもよく、複数の折り返しを有する連通路を形成してもよい。あるいは、一枚のアパーチャープレートの両面に形成された溝と、それらを互いに連通する連通孔とによって、連通路を形成することもできる。また、上記実施形態及び変更形態において、連通路の断面形状、長さ及び/又は配置などは任意にし得る。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】(a)は本発明にかかるインクジェットプリンタを示す概略構成図、(b)はキャビティユニット、アクチュエータユニットおよびフレキシブルフラットケーブルの関係を示す説明図である。
【図2】キャビティユニットの上側に、アクチュエータユニットを貼り付けた状態を示す斜視図である。
【図3】キャビティユニットを、構成要素である各プレートに分解し、それらをトッププレートとともに示す図である。
【図4】トッププレートを除いた、図3の要部平面図である。
【図5】図4のV−V線における断面図である。
【図6】図4のVI−VI線における断面図である。
【図7】連通路を示す斜視図である。
【図8】他の実施の形態についてのキャビティユニットの図4相当図である。
【図9】図8のIX−IX線における断面図である。
【図10】図9のX−X線における断面図である。
【図11】第1変更形態におけるキャビティユニットについての図4相当図である。
【図12】図11のXII−XII線における断面図である。
【図13】第3変更形態におけるキャビティユニットの図4相当図である。
【図14】図13のXIV−XIV線における断面図である。
【図15】従来技術におけるキャビティユニットの図4相当図である。
【図16】図15のXVI−XVI線における断面図である。
【図17】図15のXVII−XVII線における断面図である。
【符号の説明】
【0051】
1 インクジェットプリンタ
3 インクジェットプリンタ用ヘッド
11 キャビティユニット
12 アクチュエータユニット
13 フレキシブルケーブル
14A キャビティプレート(上側プレート部材)
14Aa 圧力室
14B ベースプレート(中間プレート部材)
14Ba 連通穴(第1の連通部)
14C アパチャープレート(下側プレート部材)
14Ca 連通穴(第2の連通部)
14Da,14Ea マニホールド
16a ノズル穴
21,21' 連通路
21a 第1の直線部分
21b 第2の直線部分
21c 湾曲部分




 

 


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